JP3992186B2 - 中空糸状膜の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、膜からの溶出量が極めて少なく、血液タンパク質や血小板の付着が少ない優れた中空糸状膜の製造方法において、特に透水量及び透過率等の性能のばらつきの小さな中空糸状膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、選択的な透過性を有する膜を利用する技術がめざましく進歩し、これまでに気体や液体の分離フィルター、医療分野における血液透析器、血液濾過器、血液成分選択分離フィルター等の広範な分野での実用化が進んでいる。
該膜の材料としては、セルロース系(再生セルロース系、酢酸セルロース系、化学変性セルロース系等)、ポリアクリロニトリル系、ポリメチルメタクリレート系、ポリスルホン系、ポリエチレンビニルアルコール系、ポリアミド系等のポリマーが用いられてきた。
このうちポリスルホン系ポリマーは、その熱安定性、耐酸、耐アルカリ性に加え、製膜原液に親水化剤を添加して製膜することにより、血液適合性が向上することから、半透膜素材として注目され研究が進められてきた。
【0003】
一方、膜を接着してモジュールを作製するためには膜を乾燥させる必要があるが、有機高分子よりなる多孔膜、なかでもポリスルホン系等の疎水性ポリマーからなる透析膜、限外濾過膜は、製膜後に乾燥させると乾燥前に比べ著しく透水量が低下することが知られている。そのため膜は常に湿潤状態か、水に浸漬させた状態で取り扱う必要があった。
【0004】
この対策として従来よりとられてきた方法は、製膜後、乾燥前にグリセリン等の低揮発性有機液体を多孔膜中の空孔部分に詰めておくことであった。しかしながら、低揮発性有機液体は、一般に高粘度なため、洗浄除去に時間がかかり、膜をモジュール成型して洗浄後も微量ではあるが低揮発性有機液体由来の溶出物等(低揮発性有機液体と化学反応して生成した様々な誘導体)がモジュール封入液中にみられることに問題があった。
【0005】
低揮発性有機液体を用いずに乾燥させる方法として、特許文献1には、低揮発性有機液体の代わりに塩化カルシウム等の無機塩を用いる方法が示されているが、洗浄除去する必要性に変わりはない。また、微量であるとしても残存した無機塩が透析患者に与える悪影響が危惧される。
【0006】
また、膜の乾燥方法として、特許文献2には、中空糸膜に対し水蒸気による湿熱処理を行いながらマイクロ波を照射する中空糸膜の製造方法が示されている。しかし、乾燥でありながら膜の変形を防ぐために水蒸気処理していることから乾燥時間を長くする欠点があり、さらに、グリセリン等の低揮発性有機液体を付着させてからの乾燥であることから、膜からの溶出物を低減させるという目的は達成されない。
【0007】
特許文献3及び特許文献4には、低揮発性有機液体を用いずに乾燥処理をしたポリビニルピロリドンを含む親水化膜が開示されている。これらには、血液から血漿成分を分離する性能が記載されているが、血漿タンパクが透過することから透析膜としては有効でないことが分かる。また、ポリビニルピロリドンを分解・変性させる温度で乾燥していることから、膜からの溶出物を低減させるという目的においては極めて好ましくない製法である。
【0008】
また、特許文献5には血液が直接接触する膜内表面でのポリビニルピロリドンの存在率を20〜50%程度にした中空糸膜が開示されている。これは主に血液タンパク、血小板等の付着物を少なくするための湿潤膜を示すものである。従って、血液タンパクが付着しにくいことからろ液速度の径時変化が起こりにくいことが示されているが、アルブミンの透過性が低い等の透析性能についての記載は一切無い。
【0009】
本発明者は、特定の性能を有する湿潤膜をグリセリン等の低揮発性有機液体に含浸せずに乾燥して高性能な血液浄化膜を製造する方法を提案した(特許文献6)。しかし、その後の検討の結果、この方法によって、糸束状にして乾燥した場合には、糸束の中心部と外周部の膜とでは若干の性能差が生じることが明らかとなった。
【0010】
【特許文献1】
特開平6−277470号公報
【特許文献2】
特開平11−332980号公報
【特許文献3】
特開平8−52331号公報
【特許文献4】
特公平8−9668号公報
【特許文献5】
特開平6−296686号公報
【特許文献6】
特許第3281364号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、膜からの溶出量が極めて少なく、血液タンパク質や血小板の付着が少ない優れた中空糸状膜の製造方法において、特に透水量及び透過率等の性能のばらつきの小さな中空糸状膜を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以上の如くモジュールからの溶出物の原因となる膜孔保持剤を用いずに乾燥した透析性能を有する血液浄化用乾燥膜は本発明者等の出願発明(特許文献6)までなかった。その原因は、膜孔保持剤を用いずに乾燥させると、湿潤状態とは全く異なった低性能の膜となることであった。そこで、本発明者等は、前記出願により、あらかじめ目標とする性能よりも高透水量で大孔径である特定の性能を有する湿潤膜を作製しておき、これを乾燥・収縮させて目標の透析性能を有する膜を製造するというこれまでにない、誰も思いつかなかった発想に基づき鋭意研究を進めた結果、溶出物が極めて少なく、血液タンパクや血小板の付着が少ない選択透過性に優れた透析性能を有する膜を得る方法を提供した。ところが、その後、さらに研究を進めたところ、本発明者らは、特許文献6の方法によって血液浄化膜を製造する際、湿潤膜を糸束状にして乾燥すると、糸束の中心部と外周部の膜とでは、透水量や透過性能にばらつきが生じることを発見した。そこで、ばらつきをなくすために鋭意研究した結果、乾燥工程を工夫することで、ばらつきが抑えられることを見出し本発明に至ったものである。
【0013】
すなわち本発明は、
(1)ポリスルホン系ポリマーとポリビニルピロリドンからなる、高透水量で大きな孔径の膜孔保持材を含まない湿潤膜をあらかじめ製造しておき、脱溶剤後乾燥することにより該湿潤膜の孔径を収縮させた後、さらに膜中のポリビニルピロリドンの一部を水に不溶化する工程を含む溶出物の少ない乾燥した中空糸状膜の製造方法であって、湿潤膜の乾燥工程を40℃以上120℃以下の温度で加熱乾燥すると同時にマイクロ波照射することによって行うことを特徴とする中空糸状膜の製造方法、
(2)乾燥時における中空糸状膜が糸束状に製束されており、該糸束内に除湿気体を通風することを特徴とする上記(1)の製造方法、
(3)乾燥開始時の糸束の中心部と外周部における膜の含水率の差が10%以内であることを特徴とする上記(2)の製造方法、
(4)乾燥開始後の糸束の含水率が20〜70%になる時点でマイクロ波照射の出力を低下させることを特徴とする上記(2)または(3)の製造方法、
(5)乾燥開始後の糸束の含水率が20〜70%になる時点での該糸束の中心部と外周部における膜の含水率の差が5%以内であることを特徴とする上記(4)に記載の製造方法、及び
(6)製膜原液が、ポリスルホン系ポリマー、ポリビニルピロリドン、及び溶剤からなり、ポリスルホン系ポリマーに対するポリビニルピロリドンの比率が18〜27重量%であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかの製造方法、
に関するものである。
本発明の方法で得られる中空糸状膜は、透過性能に優れており、高性能血液浄化膜として用いられる。さらに、その他の体外循環治療のための膜としても有用である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の中空糸状膜(以下単に「膜」ともいう)の構成について詳細に説明する。
本発明の製造方法は、高透水量で大きな孔径の湿潤膜をあらかじめ製造しておき、脱溶剤後に膜孔保持剤を含浸させずに乾燥させることに特徴を有する。
【0015】
通常、中空糸状膜を製造する際に用いられる膜孔保持剤には、粘性を有する有機物と人体への毒性が懸念される無機物に分類される。
粘性を有する有機物からなる膜孔保持剤は、粘性が高いために完全に洗浄除去することが困難であることから、膜中に残存して膜からの溶出量を増加させ、さらに残存した膜孔保持剤と化学反応して有害物を生じる原因と成り得る。
一方、無機物からなる膜孔保持剤においても、微量に残存するため透析患者に与える悪影響が危惧される。
【0016】
本発明でいう膜孔保持剤とは、乾燥時の性能低下を防ぐために乾燥前までの製造過程で膜中の空孔部分に詰めておく物質である。膜孔保持剤を含んだ溶液に湿潤膜を浸漬することによって膜中の空孔部分に該保持剤を詰めることが可能である。乾燥後も膜孔保持剤を洗浄・除去さえすれば、膜孔保持剤の効果により湿潤膜と同等の透水量、阻止率等の性能を保持することが可能である。
【0017】
膜孔保持剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2−ブチン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、グリセリン、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400等のグリコール系又はグリセロール系化合物及び蔗糖脂肪酸エステル等の有機化合物および塩化カルシウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、塩化亜鉛等の無機塩を挙げることができる。
【0018】
また、本発明において、高透水量で大きな孔径の湿潤膜とは、透水量が100mL/(m2・hr・mmHg)以上であって、重量平均分子量40,000のポリビニルピロリドンの透過率が75%を超え、且つ牛血漿系におけるアルブミンの透過率が0.3%以上である性能を有する湿潤膜を意味する。
【0019】
牛血漿アルブミンの透過率は、以下のような方法で測定することが可能である。まず、長さ20cmの中空糸状膜を100本束ねて小型モジュールを作製する。このモジュールに37℃に加温したヘパリン添加牛血漿(ヘパリン5000IU/L(リットル)、タンパク濃度6.0g/dL(デシリットル))を膜内表面側に線速1.0cm/秒で通過させ、モジュールの入り圧と出圧の平均圧力50mmHgにて30分間限外濾過を行う。得られた濾液と元液の濃度の測定は、紫外分光光度計により280nmの波長にて測定し、下記の式(1)に代入して透過率を算出する。
透過率(%)=(濾液の吸光度)×100/(元液の吸光度) (1)
【0020】
ポリビニルピロリドンの透過率は、濾過する水溶液を3重量%のポリビニルピロリドン(BASF社製 K30、重量平均分子量40,000)のリン酸バッファー(0.15mol/リットル、pH7.4)水溶液にして、モジュールの入り圧と出圧の平均圧力を200mmHgにした以外は、牛血漿アルブミンの透過率の測定と同様な操作を行うことにより求められる。
【0021】
高透水量で大きな孔径の湿潤膜は、ポリスルホン系ポリマー(以下単に「ポリマー」ともいう)、ポリビニルピロリドン、及び溶剤からなる製膜原液を、内部液とともに2重環状ノズルから吐出させ、エアギャップを通過させた後、凝固浴で凝固させる製造方法において、内部液にポリマーの溶剤の水溶液を用いることにより製造可能である。
【0022】
内部液は、膜の中空部と内表面を形成させるものであるが、内表面の孔径は、内部液中の溶剤濃度に比例して大きくなることが判っている。
本発明では、湿潤膜を乾燥収縮させることにより目標の性能の透析膜が得られることから、内部液中の溶剤濃度を、目標とする透析性能を有する湿潤膜を製造する時に比べて、高濃度にする必要がある。
【0023】
本発明で用いられるポリスルホン系ポリマーとしては、下記の式(2)、または式(3)で示される繰り返し単位を有するものが挙げられる。なお、式中のArはパラ位での2置換のフェニル基を示し、重合度や分子量については特に限定しない。
−O−Ar−C(CH3)2−Ar−O−Ar−SO2−Ar− (2)
−O−Ar−SO2−Ar− (3)
ポリビニルピロリドンは高分子量のものほど膜への親水化効果が高いため、高分子量のものほど少量で十分な効果が発揮できることから、本発明においては重量平均分子量900,000以上のポリビニルピロリドンが使用される。900,000より小さい重量平均分子量を有するポリビニルピロリドンを用いて膜への親水化効果を付与するためには大量のポリビニルピロリドンを膜中に残存させる必要があるが、このために膜からの溶出物が増加することになる。また、逆に溶出物を下げるために900,000より小さい重量平均分子量のポリビニルピロリドンの膜中での残存量を少なくすると親水化効果が不十分となってしまい、その結果血液透析を行ったとき濾過速度の経時的低下をきたし十分な効果を発揮できない。
【0024】
また、ポリスルホン系ポリマーとポリビニルピロリドンの溶解に用いられる溶剤は、これら両方を共に溶解するものであり、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等である。
【0025】
製膜原液中のポリマー濃度は、製膜可能で、かつ得られた膜が膜としての性能を有するような濃度の範囲であれば特に制限されず、5〜35重量%、好ましくは10〜30重量%である。高い透水性能を達成するためには、ポリマー濃度は低い方がよく、10〜25重量%が好ましい。
【0026】
さらに重要なことはポリビニルピロリドンの添加量であり、ポリマーに対するポリビニルピロリドンの混和比率が27重量%以下、好ましくは10〜27重量%、さらに好ましくは20〜27重量%である。ポリマーに対するポリビニルピロリドンの混和比率が27重量%を超えると溶出量が増える傾向にあり、また10重量%未満では製膜原液の粘性が低いためにスポンジ構造の膜を得ることが困難である。また、原液粘度、溶解状態を制御する目的で、水、貧溶剤等の第4成分を添加することも可能であり、その種類、添加量は組み合わせにより随時行えばよい。
【0027】
凝固浴としては、例えば水;メタノール、エタノール等のアルコール類;エーテル類;n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類などポリマーを溶解しない液体が用いられるが、水が好ましい。また、凝固浴にポリマーを溶解する溶剤を若干添加することにより凝固速度をコントロールすることも可能である。凝固浴の温度は、-300〜90℃、好ましくは0〜90℃、さらに好ましくは0〜80℃である。凝固浴の温度が90℃を超えたり、-30℃未満であると、凝固浴中の中空糸状膜の表面状態が安定しにくい。
【0028】
脱溶剤洗浄後の乾燥は、中空糸状膜を多数本束ねた糸束の形態(以後、単に『糸束』と呼ぶ)にて、十分に湿潤している糸束を40℃以上120℃以下の温度で送風乾燥すると同時にマイクロ波照射することにより行なわれる。
【0029】
加熱乾燥とマイクロ波照射を同時に行なうことにより糸束内の性能のばらつきを抑えるのみでなく、マイクロ波照射単独よりも乾燥時間を短くすることが可能である。
さらに、糸束の中心部と外周部の乾燥速度の差をなくすために、40℃未満の温度の除湿気体を通風することが好ましい。
糸束内に通風するとは中空糸状膜間に風を流すことを意味する。本発明において、40℃以上120℃以下の温度の除湿気体を糸束内に通風することは、糸束内に通風すると同時に糸束に対し加熱乾燥を行っていることを意味する。
【0030】
マイクロ波照射は低含水率の糸束をより均一に乾燥するのに適していることから、過加熱による膜の変形・溶融を防ぐために、糸束の平均含水率が20〜70%、好ましくは50〜70%になる時点でマイクロ波照射の出力を低下させることが好ましい。
さらに、糸束の平均含水率が20〜70%、好ましくは50〜70%になる時点での該糸束の中心部と外周部における膜の含水率の差が5%以内であることが性能のばらつきを抑えるために好ましい。乾燥の時、糸束内に通風を行うことによって、糸束の平均含水率が20〜70%、好ましくは50〜70%になる時点での該糸束の中心部と外周部における膜の含水率の差を5%以内にすることが可能である。
ここで、糸束の中心部とは、糸束の円形状断面において中心点から直径1/6の範囲をいう。また、糸束の外周部とは、糸束の円形状断面において外周から直径の1/6の範囲をいう。
【0031】
また、同様な理由から、乾燥開始時における糸束についても、糸束の中心部と外周部における膜の含水率の差が10%以内であることが好ましい。脱溶剤後糸束を放置しておくと、糸束の中心部と外周部の含水率には差が生じるために、乾燥工程に入る直前に糸束を再度水中に浸漬することにより糸束中心部と外周部の含水率の差を10%以内にすることが可能である。
ここで、含水率とは、乾燥前の糸束(又は膜)の重量(A(g))と乾燥糸束(又は膜)の重量(B(g))から(4)式により計算で求められるものをいう。
含水率(%)=(A−B)×100/B (4)
【0032】
乾燥温度は、40℃以上120℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは100℃以下である。120℃を超えるとポリビニルピロリドンが変性および分解するために、膜孔保持剤を用いなくても得られた乾燥膜からの溶出量が増えることから好ましくない。40℃未満では、乾燥時間が長くなり過ぎて好ましくない。
また、マイクロ波の出力は高いことが好ましいが、乾燥させる膜の量により最適値は異なる。
【0033】
乾燥後の膜に電子線及びγ線等の放射線を照射することにより、膜中のPVPの一部を水に不溶化できることから、膜からの溶出量をより低減することが可能である。放射線の照射は、モジュール化前又はモジュール化後のどちらでも良い。また、膜中の全PVPを不溶化してしまうと、溶出量を低減できる一方で、透析時にロイコペニア症状が観察されることから好ましくない。
【0034】
本発明でいう水に不溶であるPVPとは、膜中の全PVP量から水に可溶であるPVP量を差し引いたものである。膜中の全PVP量は、窒素及びイオウの元素分析により容易に算出することができる。
また、水に可溶であるPVP量は、以下の方法により求めることができる。
膜をN−メチル−2−ピロリドンで完全に溶解した後、得られたポリマー溶液に水を添加してポリスルホン系ポリマーを完全に沈殿させる。さらに該ポリマー溶液を静置した後、上澄み液中のPVP量を液体クロマトグラフィーで定量することにより水に可溶であるPVPを定量することができる。
【0035】
本発明の製造方法は、膜孔保持剤を含まない湿潤膜を40℃以上120℃以下の温度で加熱乾燥すると同時にマイクロ波照射により乾燥することを特徴とし、本製造方法を用いて得られた膜は、膜孔保持剤を含まない乾燥膜であって、純水の透水量が10〜1,000mL/(m2・hr・mmHg)、重量平均分子量40,000のポリビニルピロリドンの透過率が75%以下で、且つ牛血漿系におけるアルブミンの透過率が0.3%未満であり、さらにそれぞれの性能のバラツキが小さいことを特徴とする中空糸状膜である。
【0036】
最近の血液透析療法では、透析アミロイド病状の改善のために原因物質とされているβ2−ミクログロブリン(分子量:11,800)を十分に透過させるが、アルブミン(分子量:67,000)はほとんど透過させない分画性を有する膜が求められており、本発明の膜は、牛血漿系におけるアルブミンの透過率が0.3%以下である。アルブミンの透過率が0.3%を超えることは体内に有効なアルブミンを大きく損失することを意味することから透析膜としては好ましくない。
【0037】
また、純水の透水量が10mL/(m2・hr・mmHg)以上の膜においては、ポリビニルピロリドンの透過率(A(%))とβ2−ミクログロブリンのクリアランス(B(mL/分))とには下記の式(5)に示す一次関数的な相関関係が存在する。クリアランス評価には1.5m2の有効膜面積を有する透析仕様のモジュールに成形・加工することが必要であるが、本評価方法では簡易的に測定可能であり、クリアランスを容易に推測することが可能である。
B(mL/分)=0.636A+29.99 (5)ここで、β2−ミクログロブリンのクリアランスは、1.5m2の有効膜面積のモジュールに、血液流量200mL/分(膜内表面側)、透析液流量500mL/分(膜外表面側)の条件下で日本人工臓器学会の性能評価基準に従い透析測定したものである。
【0038】
β2−ミクログロブリンのクリアランスは、透析患者の体力や病状及び病状の進行度に合わせて様々なものが要求されているが、ポリビニルピロリドンの透過率が75%を超えるとアルブミンの透過率が0.3%を超えてしまうことから、ポリビニルピロリドンの透過率は75%以下であることが必要である。
【0039】
また、本発明の製造方法により作られた膜は,膜孔保持剤を製造工程で使用してないことから、膜孔保持剤由来の溶出物は存在しない。
従って、本発明の膜の溶出物試験液の吸光度は0.04未満であり、且つ該試験液中に膜孔保持剤を含まない。ここで、溶出物試験液とは、人工腎臓装置承認基準に基づき調整したものであり、2cmに切断した乾燥中空糸状膜1.5gと注射用蒸留水150mLを日本薬局方の注射用ガラス容器試験のアルカリ溶出試験に適合するガラス容器に入れ、70±5℃で1時間加温し、冷却後膜を取り除いた後蒸留水を加えて150mLとしたものを意味する。吸光度は220〜350nmでの最大吸収波長を示す波長にて紫外吸収スペクトルで測定する。人工腎臓装置承認基準では吸光度を0.1以下にすることが定められているが、本発明の膜は膜孔保持剤を保持しないことから0.04未満を達成することが可能である。また、膜孔保持剤の有無については、該試験液を濃縮又は水分除去したものをガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、示差屈折系、紫外分光光度計、赤外線吸光光度法、核磁気共鳴分光法、及び元素分析等の公知の方法により測定することにより検知可能である。また、膜中に膜孔保持剤を含むか否かについてもこれらの測定方法により検知可能である。
【0040】
本発明の製造方法により作られた膜は、ポリスルホン系ポリマーとポリビニルピロリドンからなり、膜内表面におけるポリビニルピロリドンの濃度が30〜45重量%である。膜の血液適合性に重要な因子は、血液が接する膜内表面の親水性であり、ポリビニルピロリドン(以下単に「PVP」ともいう)を含有するポリスルホン系膜では、膜内表面のPVP濃度が重要である。膜内表面のPVP濃度が低すぎると膜内表面が疎水性を示し、血漿タンパク質が吸着しやすく、血液の凝固も起こりやすい。すなわち、膜の血液適合性不良となる。逆に膜内表面のPVP濃度が高すぎると、PVPの血液系への溶出量が増加し本発明の目的や用途にとっては好ましくない結果を与える。従って、本発明での膜内表面のPVPの濃度は、30〜40%の範囲であり、好ましくは33〜40%である。
膜内表面のPVP濃度は、エックス線光量子スペクトル(X-ray Photoelectron spectroscopy、以下XPS)によって決定される。すなわち、膜内表面のXPSの測定は、試料を両面テープ上に並べた後、カッターで繊維軸方向に切開し、膜の内側が表になるように押し広げた後、通常の方法で測定する。すなわち、C1s、O1s、N1s、S2pスペクトルの面積強度から、装置付属の相対感度係数を用いて窒素の表面濃度(窒素原子濃度)とイオウの表面濃度(イオウ原子濃度)から求めた濃度をいうものであり、ポリスルホン系ポリマーが(2)式の構造であるときには(6)式により計算で求めることができる。
PVP濃度(重量%)=C1M1×100/(C1M1+C2M2) (6)
ここで、C1:窒素原子濃度(%)
C2:イオウ原子濃度(%)
M1:PVPの繰り返しユニットの分子量(111)
M2:ポリスルホン系ポリマーの繰り返しユニットの分子量(442)
【0041】
【実施例】
以下にこの発明の実施例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
(血小板粘着量の測定)
膜への血小板粘着量の測定は、以下の操作手順で行った。
長さ15cmの中空糸状膜を100本束ねて小型モジュールを作製し、該モジュールにヘパリン添加ヒト新鮮血を線速1.0cm/秒にて15分間通過させ、続いて生理食塩水を1分間通過させた。次に中空糸状膜を5mm間隔程度に細断し、0.5%ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル(和光純薬社製 商品名トリトンX−100)を含む生理食塩水中で超音波照射して膜表面に粘着した血小板から放出される乳酸脱水素酵素(以下、「LDH」という)を定量することにより膜面積(内表面換算)当たりのLDH活性として算出した。酵素活性の測定はLDHモノテストキット(ベーリンガー・マンハイム・山之内社製)を使用した。なお、陽性対照としてPVPを含有しない膜(γ線照射前の実施例1の膜を有効塩素濃度1,500ppmの次亜塩素酸ナトリウムに2日間浸漬した後、エタノールに1日間浸漬することにより得られたもの)を用い、試験品と同時に比較した。
【0042】
(血漿タンパク質吸着量)
膜への血漿タンパク質吸着量は、限外濾過時間を240分にした以外はアルブミンの透過率測定と同様な操作を行った後、生理食塩水で1分間洗浄した。次に中空糸状膜を5mm間隔程度に細断し、1.0%ラウリル硫酸ナトリウムを含む生理食塩水中で攪拌して抽出した血漿タンパク質を定量することにより膜重量当たりのタンパク質吸着量として算出した。タンパク質濃度はBCAプロテインアッセイ(ピアース社製)を使用した。なお、陽性対照としてPVPを含有しない膜(γ線照射前の実施例1の膜を有効塩素濃度1,500ppmの次亜塩素酸ナトリウムに2日間浸漬した後、エタノールに1日間浸漬することにより得られたもの)を用い、試験品と同時に比較した。
【0043】
【実施例1】
(製膜及び残溶剤の除去)
ポリスルホン(Amoco Engineering Polymers社製 P−1700)18.0重量%、ポリビニルピロリドン(BASF社製 K90、重量平均分子量1,200,000)4.3重量%を、N,N−ジメチルアセトアミド77.7重量%に溶解して均一な溶液とした。ここで、製膜原液中のポリスルホンに対するポリビニルピロリドンの混和比率は23.9重量%であった。この製膜原液を60℃に保ち、N,N−ジメチルアセトアミド30重量%と水70重量%の混合溶液からなる内部液とともに、紡口(2重環状ノズル 0.1mm−0.2mm−0.3mm)から吐出させ、0.96mのエアギャップを通過させて75℃の水からなる凝固浴へ浸漬した。
この時、紡口から凝固浴までを円筒状の筒で囲み、筒の中に水蒸気を含んだ窒素ガスを流しながら、筒の中の湿度を54.5%、温度を51℃にコントロールした。紡速は、80m/分に固定した。ここで、紡速に対するエアギャップの比率は、0.012m/(m/分)であった。
巻き取った糸束を切断後、束(長さ300mm、膜本数9200本)の切断面上方から80℃の熱水シャワーを2時間かけて洗浄することにより膜中の残溶剤を除去した。
【0044】
(湿潤膜の乾燥及びPVPの不溶化処理)
上記の残溶剤除去後の糸束(含水率が300%、糸束中心部の膜の含水率が300%、糸束外周部の膜の含水率が300%、糸束の中心部と外周部における膜の含水率の差が0%)30本に15分間マイクロ波照射(出力30kW)すると同時に87℃に設定した乾燥機(乾燥機内の風速3m/秒)に入れることにより加熱乾燥した。この時点で、糸束の含水率は62%(糸束中心部の膜の含水率が62%、糸束外周部の膜の含水率が62%、糸束の中心部と外周部における膜の含水率の差が0%)であった。引き続いて、マイクロ波照射の出力のみを30kWから21kWに低下することにより含水率が1%未満の乾燥膜(糸束)を得た。
また、乾燥開始時から乾燥終了時までの間、各糸束の下部から8m/秒の風速にて25℃の除湿空気(湿度10%以下)を糸束の下部から上部へと通風した。この時、糸束の上部からは乾燥開始時において糸束平均で1m/秒の風速が測定された。
さらに、得られた乾燥膜(糸束)に25kGyのγ線を照射することにより膜中のPVPの一部を不溶化した。
【0045】
(性能評価結果)
この膜の性能を表1に示す。性能は10回測定した結果の平均値を示す。この膜を有効濾過面積1.5m2のモジュールにしてβ2−ミクログロブリンのクリアランスを実測したところ、32mL/分で有ることが分かり、PVPの透過率を式(5)に代入して算出したクリアランス32.5mL/分と同等であることが明らかとなった。さらに、該モジュールにて尿素、ビタミンB12の透過測定を行ったところ、尿素のクリアランスと透過率はそれぞれ185mL/分、83%であった。また、ビタミンB12については同様に95mL/分、48%であった。測定は、【0037】と同様な方法で行った。また、膜中の全PVP量の62%が、水に不溶であった。
膜の溶出物試験をした結果、溶出物試験液の吸光度は0.04以下であった。また、膜孔保持剤を用いていないことから溶出物試験液中に膜孔保持剤は含まれて無かった。
さらに、この膜は陽性対照膜に比べて、血小板粘着量が低く(陽性対照膜43.4Unit/m2)、且つ血漿タンパク質の粘着量も低いことが明らかとなった(陽性対照膜62.5mg/g)。
【0046】
以上に挙げた性能から、この膜は、膜からの溶出量が極めて少なく、血液タンパク質や血小板の付着が少ないことが明らかとなった。また、アルブミンの透過率が少なくβ2−ミクログロブリンのクリアランスにも優れることから透析性能にも優れた膜であることが分かった。さらに、糸束の中心部と外周部における膜の性能の差がこれまでの乾燥方法(比較例1)に比べて少ないことから性能のばらつきが少ないことが明らかとなった。
【0047】
【実施例2】
製膜原液中のポリビニルピロリドンを4重量%、N,N−ジメチルアセトアミドを78重量%とした以外は、実施例1と同様な操作を行った。この時の製膜原液中のポリスルホンに対するポリビニルピロリドンの混和比率は22.2重量%であった。この膜の性能を表1に示す。
この膜は、膜からの溶出量が極めて少なく、血液タンパク質や血小板の付着が少ないことが明らかとなった。また、アルブミンの透過率が少なく、且つβ2−ミクログロブリンのクリアランスにも優れることが示唆されたことから透析性能にも優れた膜であることが分かった。さらに、糸束の中心部と外周部における膜の性能の差がこれまでの乾燥方法(比較例1)に比べて少ないことから性能のばらつきが少ないことが明らかとなった。
【0048】
【実施例3】
製膜原液中のポリビニルピロリドンを4.8重量%、N,N−ジメチルアセトアミドを77.2重量%とした以外は、実施例1と同様な操作を行った。この時の製膜原液中のポリスルホンに対するポリビニルピロリドンの混和比率は26.7重量%であった。この膜の性能を表1に示す。
この膜は、膜からの溶出量が極めて少なく、血液タンパク質や血小板の付着が少ないことが明らかとなった。また、アルブミンの透過率が少なく、且つβ2−ミクログロブリンのクリアランスにも優れることが示唆されたことから透析性能にも優れた膜であることが分かった。さらに、糸束の中心部と外周部における膜の性能の差がこれまでの乾燥方法(比較例1)に比べて少ないことから性能のばらつきが少ないことが明らかとなった。
【0049】
【実施例4】
内部液にN,N−ジメチルアセトアミド52重量%と水48重量%からなる混和溶液を用いた以外は、実施例3と同様な操作を行った。この膜の性能を表2に示す。
この膜は、膜からの溶出量が極めて少なく、血液タンパク質や血小板の付着が少ないことが明らかとなった。また、アルブミンの透過率が少なく、且つβ2−ミクログロブリンのクリアランスにも優れることが示唆されたことから透析性能にも優れた膜であることが分かった。さらに、糸束の中心部と外周部における膜の性能の差がこれまでの乾燥方法(比較例1)に比べて少ないことから性能のばらつきが少ないことが明らかとなった。
【0050】
【比較例1】
残溶剤除去後の糸束(含水率が300%、糸束中心部の膜の含水率が300%、糸束外周部の膜の含水率が300%、糸束の中心部と外周部における膜の含水率の差が0%)30本を、87℃に設定した乾燥機(乾燥機内の風速3m/秒)に7時間入れることにより加熱乾燥して含水率が1%未満の糸束を得た以外は実施例1と同様な操作を行った。この結果を表2に示す。透水量及びPVPの透過率において糸束の中心部と外周部における膜の性能に差があり、結果として糸束内で性能のばらつきがあることが明らかとなった。
【0051】
【比較例2】
γ線照射しない以外は、実施例1と同様な操作を行った。この結果を表3に示す。PVPの溶出のため溶出試験液の吸光度が0.04を超えることが明らかとなった。
【0052】
【比較例3】
製膜原液中のポリビニルピロリドンを5.0重量%、N,N−ジメチルアセトアミドを77.0重量%とした以外は、実施例1と同様な操作を行った。この時の製膜原液中のポリスルホンに対するポリビニルピロリドンの混和比率は27.8重量%であった。この膜の性能を表3に示す。製膜原液中のポリスルホンに対するポリビニルピロリドンの混和比率が27重量%を超えているので、溶出量、膜内表面PVP濃度が増加している。
【0053】
【比較例4】
製膜原液中のポリビニルピロリドンを3.6重量%、N,N−ジメチルアセトアミドを78.4重量%とした以外は、実施例1と同様な操作を行った。この時の製膜原液中のポリスルホンに対するポリビニルピロリドンの混和比率は20.0重量%であった。この膜の性能を表3に示す。膜内表面のPVP量が30%を下回っていることが明らかとなった。
【0054】
【比較例5】
内部液にN,N−ジメチルアセトアミド60重量%と水40重量%からなる混和溶液を用いた以外は、実施例3と同様な操作を行った。この膜の性能を表3に示す。この膜は、アルブミンの透過率が0.3%を超えており、またPVPの透過率も75%を超える性能であった。
【0055】
【比較例6】
内部液にN,N−ジメチルアセトアミド10重量%と水90重量%からなる混和溶液を用いた以外は、実施例1と同様な操作を行った。この膜の性能を表3に示す。純水の透水量が10mL/(m2・hr・mmHg)を下回る性能であった。
【0056】
【比較例7】
乾燥温度を170℃にした以外は、実施例1と同様な操作を行った。この膜の性能を表3に示す。この膜は、膜中の全てのPVPが水に不溶であった。この膜を有効濾過面積1.5m2のモジュールにして血液流量200mL/分(膜内表面側)、透析液流量500mL/分(膜外表面側)の条件下で日本人工臓器学会の性能評価基準に従い臨床血液評価したところ、透析患者の白血球数が一時的に低下するロイコペニア症状が観察された。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【発明の効果】
本発明の膜は、膜からの溶出量が極めて少なく、血液タンパク質や血小板の付着が少ない優れた透析性能を有することから医薬用途、医療用途、及び一般工業用途に用いることができる。
Claims (6)
- ポリスルホン系ポリマーとポリビニルピロリドンからなる、高透水量で大きな孔径の膜孔保持材を含まない湿潤膜をあらかじめ製造しておき、脱溶剤後乾燥することにより該湿潤膜の孔径を収縮させた後、さらに膜中のポリビニルピロリドンの一部を水に不溶化する工程を含む溶出物の少ない乾燥した中空糸状膜の製造方法であって、湿潤膜の乾燥工程を40℃以上120℃以下の温度で加熱乾燥すると同時にマイクロ波照射することによって行うことを特徴とする中空糸状膜の製造方法。
- 乾燥時における中空糸状膜が糸束状に製束されており、該糸束内に除湿気体を通風することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 乾燥開始時の糸束の中心部と外周部における膜の含水率の差が10%以内であることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
- 乾燥開始後の糸束の平均含水率が20〜70%になる時点で、マイクロ波照射の出力を低下させることを特徴とする請求項2または3に記載の製造方法。
- 乾燥開始後の糸束の含水率が20〜70%になる時点での該糸束の中心部と外周部における膜の含水率の差が5%以内であることを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
- 製膜原液が、ポリスルホン系ポリマー、ポリビニルピロリドン、及び溶剤からなり、ポリスルホン系ポリマーに対するポリビニルピロリドンの比率が18〜27重量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
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