JP4029312B2 - 選択透過性中空糸膜 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、選択透過性中空糸膜に関するものである。さらに詳しくは、湿潤時における選択透過性中空糸膜を構成するポリマー粒子径を制御することにより低分子量タンパクの除去能に優れ、アルブミン漏洩量の少ない優れた分離透過性能を有し、血液透析、血液ろ過透析等の血液処理に適し、特に中高分子量領域の有害物質を除去するのに適した選択透過性中空糸膜を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
選択透過性中空糸膜は、逆浸透や血液透析等において従来より実用的に使用されてきている。特に慢性腎不全患者や糖尿病性腎不全患者の血液浄化のために、現在では中空糸型血液透析器がよく使用されている。中空糸が採用されている理由としては、平膜と比較すると膜表面積を稼ぎやすいというメリットが存在するからである。中空糸型血液透析器は筺体の中に透析膜、すなわち中空糸膜を多数本収納し、その中空内部に患者の血液を流し、外部、即ち中空糸間隙部に透析液を流して、中空糸膜壁を介して透析することによって、血液中の老廃物を除去し電解質濃度を是正するとともに、中空糸内外に圧力差を与えて限外ろ過によって血液中の余剰水分を除去するものである。更に、血液中から血しょうのみを分離し、あるいは、その血しょうの中から特定成分を除去して自己免疫疾患などを治療するために、中空糸が使用されることもある。また、最近になって膜間圧力差を大きくすることにより、従来の拡散の効果に加えて、対流、すなわちろ過の効果により老廃物の除去を促す血液ろ過透析の治療効果も確認されるようになってきている。
【0003】
このように血液処理用の中空糸は目的に応じて特定の物質を選択的に透過せしめなければならない。その性能は、中空糸の素材、孔の形状あるいは分布状態、膜厚などによって決定される。ところで、近年、透析患者の長期合併症と関連し、透析アミロイドーシスの原因物質と考えられるβ2−ミクログロブリン(β2−MG、分子量11800)、掻痒感、高脂血症と関係すると考えられる副甲状腺ホルモン(分子量約9500)、貧血に関与する赤芽球抑制因子、関節痛、骨痛に関わると考えられる分子量2〜4万の物質など、比較的中高分子量領域の有害物質の除去の必要性が叫ばれるようになった。一方、人体に必要なアルブミン(分子量66000)の漏出は極力抑えなければならない。すなわち、分子量4〜5万以下の物質の透過性に優れ、分子量6万以上の物質の阻止率のよい分画分子量のシャープな選択透過性膜が望まれる。具体的にはβ2−MGのクリアランスが50mL/min.以上かつアルブミンの漏洩量が4g/4hr以下が望ましい。より好ましくはβ2−MGのクリアランスが60mL/min.以上かつアルブミンの漏洩量が3.5g/4hrである。
【0004】
従って、従来、ポリスルホンなどの合成高分子あるいはセルロース誘導体、特にトリアセテートでは、選択分離特性の向上と透過効率を向上させるため、中空糸を紡糸する際の内液に凝固性の高い、例えば水溶液のような芯液を用いて紡糸するため、中空糸内部に緻密層が形成され、また、中空糸外側は凝固液の組成により多孔層とさらに外側に緻密層を形成させる技術が開発され、二層、あるいは三層構造を有するような中空糸膜が製膜されてきた。
【0005】
しかしながら、実質的に選択分離を決定する緻密層での孔の存在状態は、従来、乾燥状態で示差走査型電子顕微鏡(SEM)や原子間力顕微鏡(AFM)により観察が可能で制御されてきたが、実使用条件に近い湿潤状態では、特定物質の透過性能からHagen-PoisulleやKozeny-Carmannの理論式によって類推する手段しかなく、目的とする透過性能を発現する膜構造を制御することが十分とはいえなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決することを目的とするものであって、従来技術にあるような乾燥状態の膜構造の制御では不十分で、推測の範疇を越えなかった湿潤条件での膜構造の制御を行った選択透過性中空糸膜を提供することにある。特に、血液透析や血液ろ過透析においてβ2−ミクログロブリン等の中高分子量領域の有害物質の除去とアルブミンなどの有用物質の漏洩阻止を高めることが可能な選択透過性中空糸膜を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで我々は、このような課題を達成するために鋭意検討した結果、選択透過性を有する中空糸膜において、実使用条件に近い湿潤状態で被処理液接触面の膜構造を制御することにより分画分子量特性のシャープな選択透過性中空糸膜を得られることを見出した。
【0008】
すなわち本発明は以下のような手段により達成できることを見出した。
(1)選択透過性を有する中空糸膜において、該中空糸膜の一部乃至全体がポリマー粒子の集合体からなり、中空糸内外に水を通し、これを水中で 24h 以上浸漬した中空糸膜の被処理液接触面の平均ポリマー粒子径と臨界点乾燥により 24h 以上乾燥した中空糸膜の被処理液接触面の平均ポリマー粒子径との比が1.1以上であり、中空糸内外に水を通し、これを水中で 24h 以上浸漬した中空糸膜の被処理液接触面の平均ポリマー粒子径が135〜250nm、アルブミン漏洩量が2.7g/4hr以上であることを特徴とする選択透過性中空糸膜。
(2)選択透過性中空糸膜の製造において、中空糸膜を乾燥する際、湿度が20〜100RH%にコントロールされた状態下で乾燥されたことを特徴とする(1)に記載の選択透過性中空糸膜。
【0009】
【発明の実施の形態】
選択透過性中空糸膜は高分子素材からなる多孔質膜で、膜表面積が稼ぎやすい等の理由により中空糸状に製膜されている。高分子素材は、何ら限定されるものではないが、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル等のような合成高分子や酢酸セルロース、三酢酸セルロース等のようなセルロース由来の高分子が好んで使用されている。膜構造に関しては均一構造に近いスポンジ構造を有するものや、近年、透析効率を向上させる目的で実質的に選択分離を行う緻密層と空隙率が高く膜強度を維持する支持層の組み合わせからなるものがある。
【0010】
しかし、いずれの膜にせよ老廃物質の選択透過を決定する因子は主にスポンジ構造、あるいは緻密層の膜構造であり、通常は被処理液と接触する部分に存在する。また、乾燥状態での膜を形成するポリマーの様態は紡糸原液におけるポリマー濃度や孔構造を形成させる層分離を促す溶媒、非溶媒の比率、紡糸口金の温度等によって制御が可能でポリマー粒子の集合体のような膜構造とポリマー同士が線上に絡み合ったような網目状構造を有するものが存在する。本発明では紡糸原液中のポリマー濃度を曳糸性の限界よりもやや高めに設定し、膜がポリマー粒子の集合体のような膜構造を形成するように行った。紡糸原液中のポリマー濃度は、例えばポリエーテルスルホンであれば18重量%以上、三酢酸セルロースであれば12重量%以上の設定が好ましい。
【0011】
ポリマー粒子径と物質透過の関係は化学工学の分野で砂利の堆積したところに水を透過させるモデルとしてKozenny-Carmann モデルがよく使用されている。この理論式によると膜を形成するポリマー粒子径が小さいほど低分子タンパクの除去能が小さくなり、ポリマー粒子径が大きいほど有用タンパクの漏洩量が大きくなる。従って、膜を形成するポリマー粒子径を制御することによって、膜自体の物質透過性能を制御できることになる。通常、示差走査型電子顕微鏡観察により乾燥状態での膜表面構造は制御可能となっている。
【0012】
しかしながら電子線を使用して撮影される示差走査型電子顕微鏡では湿潤状態での膜構造観察は不可能であり、膜構造と物質透過性の関連は水溶性の物質透過特性からモデル式によって膜構造を類推することは可能であっても、膜構造を起点として透過性能を制御することは困難であった。また、乾燥状態と比較して湿潤状態ではポリマー鎖の間隙に水分子等が進入していくことにより、膜のポリマー粒子径が膨潤することを見出した。
【0013】
今回我々は、湿潤状態でのポリマー粒子径の測定を可能とする手段として、近年測定方法の可能性展開に富み、多方面で期待されている原子間力顕微鏡観察を応用することにより評価を行った。原子間力顕微鏡は物質表面の原子間力を検知し、増幅することによって画像化を可能としている。そのため、液中での膜表面の観察が可能で、これを応用することで本発明につながった。湿潤状態での膨潤の程度は乾燥状態と比較して大きいことが好ましい。これは、膜孔内部の流路に媒体としての液体が満たされた場合に効率の良い分画が可能となる。このことから、ポリマー粒子径の湿潤状態と乾燥状態の比は1.1 倍以上であることが好ましい。
【0014】
(1)AFMサンプル調製
乾燥膜は臨界点乾燥により24hr以上乾燥したものを使用した。これを試料台の上で繊維軸方向に割腹し、中空糸内表面を露出する形でサンプルとした。
湿潤膜は中空糸内外に水を通し、これを水中で24hr以上浸積したものを使用した。これを水中に設けた試料台の上で繊維軸方向に割腹し、中空糸内表面を露出する形でサンプルとした。
【0015】
(2)測定法
内表面の形態観察は原子間力顕微鏡(AFM )で行った。AFM はSeiko Instruments 社製のSPI3800N-SPA300 を使用した。観察は本装置のオプションである、液中観察キットを使用し、純水中で行った。観察中に試料を浸すセルはシャーレセルを使用した。観察モードはDFM モードとした。カンチレバーは長さ450 μm 、幅60μm ・厚さ4 μm のSi製矩形型カンチレバーを使用した。カンチレバーはSeiko Instruments 社からSi-DF3として市販されているものであり、バネ定数は2N/m程度である。使用するカンチレバーは常に新品で探針先端の汚染がないものとした。探針の走査速度は0.25〜1 Hzとした。
【0016】
(3)粒子径測定法
SPI3800N-SPA300 を使用した場合について述べる。もちろん、Degital Instruments 社製のNanoscope 等、市販されている装置で同様の操作をそのまま使用することができる。試料の三次元的なうねりなどを平面化して粒子径測定を行うため、測定後のAFM 像は三次元傾斜補正(TILT3 )等をかける。場合によってはフラット処理等も必要である。装置付属のソフトに含まれるライン解析処理により、粒子径を決定する。測定する粒子は無作為に選出した120 個の粒子であり、異常に大きく見える粒子や異常に小さく見える粒子は測定から除外した。
具体的な測定法を図を用いて説明する。図1はライン解析により粒径を決定する粒子の上から見た図である。図2は図1の粒子の断面プロファイルである。各測定点の座標を(x, y, z )とする。z はその測定点における高さである。粒子径は点A, Cの間の距離であるが、ACは粒子の頂点B を通る線分でなければならない。また粒子は常に完全な円形とは限らない。点A, Cは頂点B を通る線分のうち最も長い線分をとるものとする。AC間の距離、すなわち粒子径は以下の式で表される。
D = ((x1- x2)2+(y1- y2)21/2
【0017】
この結果、従来より乾燥状態では先に述べたような方法で膜を構成する粒子径を制御することが可能であった。それらの方法により製膜された中空糸膜の被処理液接触側のポリマー粒子径も含めた膜構造は同一の構造を有していても、湿潤状態では膜構造が異なることを見出した。
【0018】
すなわち、実使用時に透過性能がばらつき、不具合が生じることがわかった。この結果を鋭意検討した結果、中空糸膜を製膜する際に、芯液、洗浄液等を乾燥する乾燥条件の設定により湿潤状態での膜構造を制御できることがわかった。具体的には、中空糸を乾燥させる際、常圧で乾燥機中の温度を40℃以上100 ℃以下に設定し、湿度を5%〜100%にコントロールする事で湿潤状態でのポリマー粒子径の制御が達成され、目的に合わせた製膜が可能となった。よって乾燥状態の形態は同一であっても、それらを適当な液中に浸積した場合、湿潤状態でのポリマー粒子径を制御できる手法を見出した。温度、湿度は特に限定されるものではないが、温度を上昇させることにより、乾燥時間の短縮が可能となり、生産性が向上する。また、湿度を高くすると湿潤状態と乾燥状態の粒子径の比を大きくすることができ、目的に合わせた透過性能に調整できる。ここで湿潤状態と乾燥状態の粒子径の比は(湿潤状態での平均粒子径)/(乾燥状態での平均粒子径)であらわした。以下、具体的な実施例で説明する。
【0019】
【実施例1】
ポリエーテルスルホン(4800P 、住友化学社製)18重量部とPVP (K-90、BASF社製)3重量部をDMAc74重量部、水1重量部に溶解し、紡糸原液とした。この原液を50%DMAc水溶液を中空内液として2重管オリフィスより吐出して乾湿式紡糸により紡速30m/min.で中空糸膜を巻き取った。この巻き取った糸束を40RH%、80℃の恒温恒湿乾燥機で24時間乾燥した。この中空糸束を所定のケースに装填し両端をウレタン樹脂で封止することで膜表面積1.5m2のモジュールを作製した。このモジュールを使用して牛血系の膜性能評価を実施した。また、それとは別にこの中空糸の湿潤状態でのAFM観察を実施した。
【0020】
【実施例2】
ポリエーテルスルホン(4800P 、住友化学社製)18重量部とPVP (K-90、BASF社製)3重量部をDMAc74重量部、水1重量部に溶解し、紡糸原液とした。この原液を50%DMAc水溶液を中空内液として2重管オリフィスより吐出して乾湿式紡糸により紡速30m/min.で中空糸膜を巻き取った。この巻き取った糸束を20RH%、80℃の恒温恒湿乾燥機で24時間乾燥した。この中空糸束を所定のケースに装填し両端をウレタン樹脂で封止することで膜表面積1.5m2のモジュールを作製した。このモジュールを使用して牛血系の膜性能評価を実施した。また、それとは別にこの中空糸の湿潤状態でのAFM観察を実施した。
【0021】
【実施例3】
セルローストリアセテート(ダイセル化学社製)13重量部とトリエチレングリコール20重量部をジメチルスルホキシド67重量部に溶解し、紡糸原液とした。この原液を20%ジメチルスルホキシド水溶液を中空内液として2重管オリフィスより吐出して乾湿式紡糸により製膜し、孔径保持剤としてグリセリンを付着させた後、紡速45m/min.で中空糸膜を巻き取った。この巻き取った糸束を40RH%、80℃の恒温恒湿乾燥機で24時間乾燥した。この中空糸束を所定のケースに装填し両端をウレタン樹脂で封止することで膜表面積1.5m2のモジュールを作製した。このモジュールを使用して牛血系の膜性能評価を実施した。また、それとは別にこの中空糸の湿潤状態でのAFM観察を実施した。
【0022】
【実施例4】
セルローストリアセテート(ダイセル化学社製)13重量部とトリエチレングリコール20重量部をジメチルスルホキシド67重量部に溶解し、紡糸原液とした。この原液を20%ジメチルスルホキシド水溶液を中空内液として2重管オリフィスより吐出して乾湿式紡糸により製膜し、孔径保持剤としてグリセリンを付着させた後、紡速45m/min.で中空糸膜を巻き取った。この巻き取った糸束を20RH%、80℃の恒温恒湿乾燥機で24時間乾燥した。この中空糸束を所定のケースに装填し両端をウレタン樹脂で封止することで膜表面積1.5m2のモジュールを作製した。このモジュールを使用して牛血系の膜性能評価を実施した。また、それとは別にこの中空糸の湿潤状態でのAFM観察を実施した。
【0023】
【実施例5】
ポリエーテルスルホン(4800P 、住友化学社製)18重量部とPVP (K-90、BASF社製)3重量部をDMAc74重量部、水1重量部に溶解し、紡糸原液とした。この原液を15%DMAc水溶液を中空内液として2重管オリフィスより吐出して乾湿式紡糸により紡速30m/min.で中空糸膜を巻き取った。この巻き取った糸束を80RH%、80℃の恒温恒湿乾燥機で24時間乾燥した。この中空糸束を所定のケースに装填し両端をウレタン樹脂で封止することで膜表面積1.5m2のモジュールを作製した。このモジュールを使用して牛血系の膜性能評価を実施した。また、それとは別にこの中空糸の湿潤状態でのAFM観察を実施した。
【0024】
【比較例1】
ポリエーテルスルホン(4800P 、住友化学社製)18重量部とPVP (K-90、BASF社製)3重量部をDMAc74重量部、水1重量部に溶解し、紡糸原液とした。この原液を50%DMAc水溶液を中空内液として2重管オリフィスより吐出して乾湿式紡糸により紡速30m/min.で中空糸膜を巻き取った。この巻き取った糸束を7RH%、80℃の通風乾燥機で24時間乾燥した。この中空糸束を所定のケースに装填し両端をウレタン樹脂で封止することで膜表面積1.5m2のモジュールを作製した。このモジュールを使用して牛血系の膜性能評価を実施した。また、それとは別にこの中空糸の湿潤状態でのAFM観察を実施した。
【0025】
【比較例2】
セルローストリアセテート(ダイセル化学社製)13重量部とトリエチレングリコール20重量部をジメチルスルホキシド67重量部に溶解し、紡糸原液とした。この原液を20%ジメチルスルホキシド水溶液を中空内液として2重管オリフィスより吐出して乾湿式紡糸により製膜し、孔径保持剤としてグリセリンを付着させた後、紡速45m/min.で中空糸膜を巻き取った。この巻き取った糸束を7RH%、80℃の通風乾燥機で24時間乾燥した。この中空糸束を所定のケースに装填し両端をウレタン樹脂で封止することで膜表面積1.5m2のモジュールを作製した。このモジュールを使用して牛血系の膜性能評価を実施した。また、それとは別にこの中空糸の湿潤状態でのAFM観察を実施した。
【0026】
【比較例3】
ポリエーテルスルホン(4800P 、住友化学社製)18重量部とPVP (K-90、BASF社製)3重量部をDMAc74重量部、水1重量部に溶解し、紡糸原液とした。この原液を15%DMAc水溶液を中空内液として2重管オリフィスより吐出して乾湿式紡糸により紡速30m/min.で中空糸膜を巻き取った。この巻き取った糸束を7RH%、80℃の通風乾燥機で24時間乾燥した。この中空糸束を所定のケースに装填し両端をウレタン樹脂で封止することで膜表面積1.5m2のモジュールを作製した。このモジュールを使用して牛血系の膜性能評価を実施した。また、それとは別にこの中空糸の湿潤状態でのAFM観察を実施した。
【0027】
【表1】
Figure 0004029312
ここでRWは湿潤時の平均粒子径、RDは乾燥時の平均粒子径、膨潤比はRW/RDを表す。
【0028】
【発明の効果】
本発明により湿潤時における選択透過性中空糸膜を構成するポリマー粒子径を制御し、低分子量タンパクの除去能に優れ、アルブミン漏洩量の少ない優れた分離透過性能を有し、血液透析、血液ろ過透析等の血液処理に適し、特に中高分子量領域の有害物質を除去するのに適した選択透過性中空糸膜を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ライン解析により粒径を決定する粒子の上から見た図である。
【図2】 図1の粒子の断面プロファイルを示す図である。

Claims (2)

  1. 選択透過性を有する中空糸膜において、該中空糸膜の一部乃至全体がポリマー粒子の集合体からなり、中空糸内外に水を通し、これを水中で 24h 以上浸漬した中空糸膜の被処理液接触面の平均ポリマー粒子径と臨界点乾燥により 24h 以上乾燥した中空糸膜の被処理液接触面の平均ポリマー粒子径との比が1.1以上であり、中空糸内外に水を通し、これを水中で 24h 以上浸漬した中空糸膜の被処理液接触面の平均ポリマー粒子径が135〜250nm、アルブミン漏洩量が2.7g/4hr以上であることを特徴とする選択透過性中空糸膜。
  2. 選択透過性中空糸膜の製造において、中空糸膜を乾燥する際、湿度が20〜100RH%にコントロールされた状態下で乾燥されたことを特徴とする請求項1に記載の選択透過性中空糸膜。
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