JPH01203479A - 導電塗料用銅粉およびその製造法 - Google Patents

導電塗料用銅粉およびその製造法

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JPH01203479A
JPH01203479A JP63027235A JP2723588A JPH01203479A JP H01203479 A JPH01203479 A JP H01203479A JP 63027235 A JP63027235 A JP 63027235A JP 2723588 A JP2723588 A JP 2723588A JP H01203479 A JPH01203479 A JP H01203479A
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carboxylic acid
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Yoshio Sohama
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Toru Iwasaki
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は導電塗料用銅粉に関し、より詳細には、銅粉
の導電性と電磁波遮蔽(シールド)効果を低下させるこ
となく、銅粉自体および導電塗料の貯蔵安定性および耐
環境性、並びに塗膜の密着性を向上させた導電塗料用銅
粉およびその製造法、並びに導電性塗料組成物に関する
[従来の技術] 電子機器を電磁波の妨害から保護する電磁波シールド材
料の一つとして、従来、ニッケル粉、銀粉、銅粉、カー
ボン粉などの導電性フィラーを各種の結合剤樹脂に混練
した導電性塗料があり、この塗料をプラスチックス成形
品表面にスプレー、へヶなどで塗布して電磁波をシール
ドする。各種の導電性塗料のうち銅系導電性塗料は、銀
粉やニッケル粉を用いる塗料より廉価であり、シールド
効果に優れた特性を有する。
しかしながら、銅系導電性塗料は、塗料中で銅粉が凝集
して良好な分散状態が得られず貯蔵安定性に劣り、しか
も、熱、湿度などの環境で酸化されやすく、従って、耐
環境性および導電性の劣化(シールド効果の減衰)を起
しやすいという問題点がある。この問題点を解消するた
めに従来種々の提案がなされている。例えば、銅粉に結
合剤樹脂および有機チタネートを配合して導電塗料を製
造すること(特開昭56−36553号公報)、銅粉を
カップリング剤で表面処理すること(特開昭60−30
200号公報)、電解銅粉を有機チタネートで被覆する
こと(特開昭59−174661号公報)、銅粉を有機
アルミニウムで被覆すること(特開昭59−17967
1号公報)などが提案されている他、種々の提案がある
(特開昭60−258273号公報、特開昭60−24
3277号公報、特開昭60−35405号公報、特開
昭57−113505号公報、特開昭60−63239
号公報、特開昭61−163975号公報、特開昭58
−145769号公報、特開昭60−202166号公
報、特開昭56−103260号公報、特開昭58−7
4759号公報、特開昭56−163166号公報、特
開昭56−163165号公報、特開昭59−3617
0号公報、特開昭57−34606号公報)。
これらの銅粉から得られた導電性塗料は、銅粉の導電性
と電磁波シールド効果を低下させることなく、ある程度
、貯蔵安定性および耐環境性を向上させることができる
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、従来の銅粉から得られた導電性塗料は、
基材に塗布して使用した場合、基材に対する密着性が劣
り、また、銅粉自体および塗料が必ずしも優れた貯蔵安
定性および耐環境性を示していない。
この発明は上述の背景に基づきなされたものであり、そ
の目的とするところは、上記の従来の導電塗料用銅粉お
よび導電性塗料の欠点を解消して、銅粉の導電性と電磁
波シールド効果を低下させることなく、銅粉自体および
塗料の貯蔵安定性および耐環境性、並びに塗膜の密着性
を向上させた導電塗料用銅粉およびその製造法、並びに
導電性塗料組成物を提供することである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者は導電塗料用銅粉について種々の試験研究を行
った結果、ジルコニウムアシレートポリマーと高級カル
ボン酸との混合物を銅粉表面に被覆させることにより、
基材に対する優れた塗料の密着性を示すとの知見を得、
この発明を完成するに至った。
すなわち、この発明の導電塗料用銅粉は、銅粉の表面に
、ジルコニウムアシレートポリマーおよび高級カルボン
酸エステルが被覆されたことを特徴とするものである。
この発明の好ましい態様において、ジルコニウムアシレ
ートポリマーと高級カルボン酸エステルとの混合比は、
ジルコニウムアシレートポリマー10〜90玉量%に対
して高級カルボン酸エステル90〜10重量%である。
この発明による導電性塗料用銅粉の製造法は、銅粉の分
散浴に、ジルコニウムアシレートポリマーと高級カルボ
ン酸エステルとの混合物を添加して銅粉の表面にジルコ
ニウムアシレートポリマーおよび高級カルボン酸エステ
ルの被膜を形成し、必要に応じて、分散媒を除去し、導
電塗料用銅粉を得ることを特徴とするものである。
この発明による導電塗料組成物は、第一の態様で、ジル
コニウムアシレートポリマーおよび高級カルボン酸エス
テルが被覆された被覆銅粉と、結合剤樹脂と、溶剤とを
含むものであり、第二の態様で、ジルコニウムアシレー
トポリマーおよび高級カルボン酸エステルとの混合物が
、銅粉、結合剤樹脂および溶剤の混合系に、添加された
ものである。
以下、この発明をより詳細に説明する。
銅粉 この発明で用いられる銅粉の形状は、電解法、還元法、
アトマイズ法より得られる樹枝状、粒状、球状があり、
更に、これらをボールミルなどで機械的に加工したフレ
ーク状などがある。
また、V型ミキサーなどを用いて樹枝状銅粉、フレーク
状銅粉、粒状銅粉、および球状銅粉を混合して用いるこ
とができる。
さらに、この発明において用いることができる原料の銅
粉として、銀、ニッケル、亜鉛、白金、パラジウムなど
の金属、半田などの合金、有機ケイ素化合物、有機チタ
ン化合物や有機アルミニウム化合物などの金属有機化合
物、界面活性剤、アミノ酸、カルボン酸およびその誘導
体などで予め被覆していてもよい。好ましい原料の被覆
銅粉として、銀被覆銅粉がある。銀被覆量は銅成分に対
して0.1〜20重量%、好ましく1.0〜10重量%
である。これは上記の下限値未満では耐酸化性に劣り、
上限値を超えると製造コストが高くなるからである。こ
の銀被覆銅粉を用いることによって、未被覆銅粉よりも
シールド効果に優れた塗膜を得ることができ、結合剤樹
脂としてフェノール、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂
の適用もできる。この銀被覆法としては化学置換メツキ
法、CVD法、機械的結合法などがある。
処理すべき銅粉は、前処理として必要に応じて、無機酸
、有機酸、各種還元剤などの試薬を用いたり、またはア
ンモニア、水素などの還元性ガスにより、銅粉表面から
の酸化被覆を除去されることができる。また、処理すべ
き銅粉を、前処理として乾燥することができる。
ジルコニウムアシレートポリマー 銅粉に被覆される成分の一つが、ジルコニウムアシレー
トポリマーである。
この発明において用いられるジルコニウムアシレートポ
リマーは、下記繰返し単位I、IIおよび/または■を
有する。
0COR’ ■ ?1 (式中、R,R,RおよびR3は、同種または異種の炭
素数1〜25、好ましくはRは炭素数1〜10の炭化水
素基、R、RおよびR3は、8〜24の炭化水素基であ
る) この発明において用いられるジルコニウムアシレートポ
リマーは、前記の他、次の様にも特定され、これらのい
ずれかの定義に当て嵌まるものである。
すなわち、ジルコニウムアシレートポリマーは。
主鎖(−Zr−0)  のジルコニウム原子に結合した
易加水分解性アルコキシ基と、同じくジルコニウム原子
に結合した難船水分解性かつ親油性のアシレート基とを
有するものであり、または、ジルコニウムアシレートポ
リマーが下記一般式A、Bまたは/およびCで表される
ものである。
R 0COR’ (式中、ROは加水分解され易いアルコキシ基であり、
0COR’は加水分解され難くかつ親油性を示すアシレ
ート基であり、R′は水素原子、RまたはCOR’であ
り、nはn≧1を満足する)このジルコニウムアシレー
トポリマーは、テトラアルコキシジルコニウムZ r 
(OR) 4にカルボン酸、酸無水物、無機酸などを作
用させて、またテトラクロロジルコニウムZ r (C
I) 4にアンモニア/カルボン酸、カルボン酸ナトリ
ウム塩などを作用させて得ることができる。
好ましいジルコニウムアシレートポリマーの合成法は、
テトラアルコキシジルコニウムZ r (OR) 4に
数倍モルのカルボン酸、特に高級脂肪酸を作用する方法
である。これは、次のような理由による。第一に、モノ
アシレート化合物やジルコニウムアルコキンポリマーの
生成を押さえ、ジルコニウムアシレートポリマーを定量
的に得ることができ、第二に、反応副生物として塩化物
や無機酸などを生じず、第三に、高級脂肪酸を用いるこ
とで、ジルコニウムアシレートポリマーの側鎖が高級脂
肪酸によりアシル化されてジルコニウムアシレートポリ
マー膜をより疎水性にし、さらに、得られた反応混合物
をこの発明の銅粉の製造における試薬として用いること
ができるからである。
テトラアルコキシジルコニウムZ r (OR) 4に
数倍モルのカルボン酸またはそれらの異性体から調製す
る方法は、例えば、テトライソプロピルジルコニウム、
テトラt−ブチルジルコニウム、テトラn−ブチルジル
コニウム、テトライソブチルジルコニウム1モルに対し
て、1モル以上の、好ましくは3〜5モルのステアリン
酸、バルミチン酸、ミスチリン酸、ラウリル酸、カプリ
ン酸などの高級飽和脂肪酸およびその異性体、オレイン
酸、リノール酸、リルイン酸などの高級不飽和脂肪酸お
よびその異性体を作用させることからなる。
合成されたジルコニウムアシレートポリマーの分離精製
は、蒸溜、抽出、再結晶、カラムクロマトグラフィーな
どの手法で行うことができる。
高級カルボン酸エステル この発明での高級カルボン酸エステルは、長鎖の多数の
炭素を有するものであり、好ましいそのエステルとして
、高級脂肪酸アシレート基と、易加水分解性アルコキシ
基とからなるものがある。
この発明において用いることができる高級カルボン酸エ
ステルは、また次のように定義できる。
I R” −C−0−R”    ・・・D(式中、R”C
ooは飽和または不飽和の脂肪酸アシレート基を、R2
Oは加水分解され易いアルコキシ基を表す) このエステルの高級カルボン酸に対応する部分は、炭素
数8〜24の高級脂肪酸アシレート基であり、このエス
テルのアルコールに対応する部分は、炭素数1〜15、
好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基である。
このような高級カルボン酸エステルの具体例には、ステ
アリン酸エステル、バルミチン酸エステル、ミスチリン
酸エステル、ラウリン酸エステル、カプリン酸エステル
などの高級飽和脂肪酸およびこれらの異性体、オレイン
酸エステル、リノール酸エステル、リノール酸エステル
などの高級不飽和脂肪酸およびこれらの異性体などがあ
る。これは、用いるカルボン酸エステルが低級であると
銅粉表面に形成されたカルボン酸エステル膜の疎水性が
損なわれると共に、結合剤樹脂との塗料および塗膜形成
において、銅粉の良好な分散状態が得られないからであ
る。
この発明において用いることができる高級カルボン酸エ
ステルは、−船釣に高級カルボン酸にアルコールを作用
させて得ることができる他、ジルコニウムアシレートポ
リマーを合成する際に副生するエステルを用いることが
できる。
ジルコニウムアシレートポリマーと高級カルボン酸エス
テルとの混合物を、テトラアルコキシジルコニウムと高
級カルボン酸との反応混合物から得る場合、テトラアル
コキシジルコニウム1モルと高級カルボン酸2〜8モル
、好ましくはテトラアルコキシジルコニウム1モルと高
級カルボン酸3〜6モルとの割合で得ることが好ましい
。これはこの範囲より少ないと、単なるアシレート、例
えばモノアシレート、ジルコニウムアルコキシポリマー
が生成してジルコニウムアシレートボリマ−が生成せず
、この範囲より多くなるとジルコニウムアシレートポリ
マーが定量的に得られるが副生成物であるカルボン酸エ
ステルやアルコールが過剰に増加するからである。ここ
で用いるテトラアルコキシジルコニウムのアルコキシ基
の炭素数は、1〜15、好ましくは1〜10である。こ
れは炭素数が10を超えると銅粉表面吸着水との加水分
解反応が速やかに進行しなくなったり、カルボン酸との
アシレート形成の反応性が低下し、また15を超えると
その反応性が著しく低下し殆ど反応が進行しなくなるか
らである。
合成されたカルボン酸エステルの分離精製は、蒸溜、抽
出、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの手法で行
うことができる。
導電塗料用銅粉の製造法 この発明による製造法は、銅粉の分散浴に、ジルコニウ
ムアシレートポリマーと高級カルボン酸エステルとの混
合物を添加して銅粉の表面にジルコニウムアシレートポ
リマーおよび高級カルボン酸エステルの被膜を形成し、
必要に応じて分散媒を除去し、導電塗料用銅粉を得るこ
とを含むものである。
この製造法における銅粉の分散浴は、被覆すべき銅粉が
分散媒によって良好に分散状態を形成しているものであ
り、ここで用いられる分散媒として、例えば、水、アル
コールなどの有機溶媒がある。好ましい分散媒として、
水、メチルアルコール、エチルアルコール、トルエン、
ヘキサンなどがある。この分散媒の量は、銅粉の分散状
態を良好に形成するに必要な量であり、できるだけ最少
量に設定することが好ましい。これは、分散媒の量が多
くなると、ジルコニウムアシレートポリマーと高級カル
ボン酸エステルとの混合物と銅粉の表面との反応速度が
低下し、所望の銅粉を得ることが難しくなるからである
添加されるジルコニウムアシレートポリマーと高級カル
ボン酸エステルとの混合物は、ジルコニウムアシレート
ポリマーおよび高級カルボン酸エステルを各々所定量ず
つ混合して得ることができると共に、前述のようにテト
ラアルコキシジルコニウムと高級カルボン酸との反応混
合物から得ることができる。
この混合物のジルコニウムアシレートポリマーと高級カ
ルボン酸エステルとの混合比は、ジルコニウムアシレー
トポリマー5〜95重量%に対して高級カルボン酸エス
テル95〜5重量%、好ましくはジルコニウムアシレー
トポリマー10〜90重量%に対して高級カルボン酸エ
ステル90〜10重量%、より好ましくはジルコニウム
アシレートポリマー20〜80重量%に対して高級カル
ボン酸エステル80〜20重量%である。これは、ジル
コニウムアシレートポリマーがこの範囲の下限未満だと
、疎水性が著しく劣り、ジルコニウムアシレートポリマ
ーがこの範囲の上限を超えると導電性が徐々に低下する
からである。また、高級カルボン酸エステルが、この範
囲の下限未満だと、塗料および塗膜形成における銅粉の
分散性が著しく劣る。
ジルコニウムアシレートポリマーと高級カルボン酸エス
テルとの混合物を、例えば、有機溶媒で希釈することが
できる。ここで用いることができる有機溶媒として、好
ましくはトルエンやヘキサンなどの非極性溶媒の他、ア
ルコールやアセトンなどの極性溶媒がある。
銅粉に対するジルコニウムアシレートポリマーと高級カ
ルボン酸エステルとの混合物の処理量は、0.05〜1
5重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。これ
は、0.05重量26未満では銅粉表面の改質が不十分
であり、塗料の導電性、耐環境性および塗膜の化学的、
物理的強度が低下し始め、0.01重量%未満ではその
傾向が著しくなる。他方10重量%を超えると銅粉表面
に過剰の塗膜が形成されて塗料の導電性、耐環境性およ
び塗膜の化学的物理的強度が低下し始め、15重量96
を超えるとその傾向が著しくなる。
銅粉の分散浴へのジルコニウムアシレートポリマーと高
級カルボン酸エステルとの混合物の添加は、例えば、少
量ずつ直接にその分散浴に添加するか、また有機溶媒、
水などで希釈して添加する。
添加速度、添加後の撹拌時間などの操作バラメー夕は、
f14f)>の表面状態、すなわち吸着水量、比表面積
、形状などに応じて適宜選択することが望ましい。
ジルコニウムアシレートポリマーおよび高級カルボン酸
エステルの被膜を形成した後、必要に応じて、分散媒を
除去する。これは、場合により、乾燥が不十分であれば
、銅粉の酸化が起って良好な導電性やシールド効果を得
ることができず、変色や緑青が発生する恐れがあるから
である。
導電性塗料組成物 得られたこの発明の銅粉は、結合剤樹脂および溶剤など
と混合されて、導電性塗料組成物として用いることがで
きる。
また、ジルコニウムアシレートポリマーおよび高級カル
ボン酸エステルとの混合物を、銅粉、結合剤樹脂および
溶剤の混合系に、添加しても導電性塗料組成物として用
いることができる。
この発明において用いることのできる結合剤樹脂には、
通常に電子機器によく用いられているプラスチックスに
対して密着性良好な熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂が
ある。例えば、アクリル、ABS、ポリスチレン、pp
o、ポリカーボネートなどの電子機器筐体用プラスチッ
クスに対し、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂
、エポキシ系樹脂などを用いることができる。
また、この発明おいて用いることのできる溶剤としては
、結合剤樹脂などの添加剤を溶解し、反応性の低い6機
溶剤が好ましい。例えば、トルエン、ヘキサン、キシレ
ンなどの炭化水素類、メチルアルコール、エチルアルコ
ール、プロピルアルコール、ブチルアルコールなどのア
ルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエ
ステル類、メチルカルピトール、エチルカルピトール、
メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのエーテル類
などの有機溶剤の1種、または2種以上の混合物が好ま
しい。
銅粉、結合剤樹脂および溶剤からなる導電性組成物にお
けるジルコニウムアシレートポリマーおよび高級カルボ
ン酸エステルとの混合物の添加量は、溶剤骨を除く導電
性組成物中において0.01〜15重量%、好ましくは
、0.05〜10重量%である。これは、0.05重量
%未満では、銅粉表面の改質が不十分となり、塗料の導
電性、耐環境性および塗膜の化学的、物理的強度が低下
し始め、0.01重量%未満では、その傾向が著しくな
り、また、10重量%を超えると銅粉表面に対し過剰と
なって改質を妨害し、塗料の導電性、耐環境性および塗
膜の化学的、物理的強度が低下し始め、15重量%を超
えると、その傾向が著しくなるからである。
上記の成分以外に、目的に応じて種々の添加剤を含める
ことができる。その様なものとして、還元剤、界面活性
剤、沈降防止剤、消泡剤、増粘剤、チクソトロピック剤
、防錆剤、難燃剤などある。
[作 用] 上述の構成からなるこの発明および好ましい態様では、
次のように作用する。
この発明において、ジルコニウムアシレートポリマーと
高級カルボン酸エステルとの混合物で銅粉表面を被覆し
、銅粉の表面を改質する。詳細には、ジルコニウムアシ
レートポリマーは、易加水分解性アルコキシ基と難船水
分解性かつ親油性のアシレート基と有するので、易加水
分解性アルコキシ基が銅粉表面もしくは被膜上の吸着水
と反応したり、静電的な接近により銅粉表面に結合し、
他方、親油性のアシレート基部分が銅粉の外側に配向す
る。この親油性のアシレート基部分の膜は、銅粉表面で
疎水膜として作用し、更に、この親油性のアシレート基
部分は、導電性組成物中において、結合剤樹脂分子とフ
ァンデルワールス力、水素結合、イオン結合、共有結合
などにより巧みに絡み合い、撹拌、混線工程時の剪断応
力などによって塗料および塗膜中における銅粉の良好な
分散状態を形成する。
ジルコニウムアシレートポリマーの疎水膜が銅粉表面を
被覆するが、銅粉表面を完全に被覆することができず、
その膜に間隙や割れが生じる。高級カルボン酸エステル
は、易加水分解性アルコキシ基を有するので、銅粉表面
の吸着水とエステル交換反応をしたり、静電的な接近に
より銅粉表面に結合し、親油性のアシレート基部分によ
り、その間隙にカルボン酸エステルの疎水膜を形成して
銅粉表面に緻密な膜を形成する。また、ジルコニウムア
シレートポリマーと同様に、高級カルボン酸エステルの
親油性のアシレート基部分は、導電性組成物中において
、結合剤樹脂分子とファンデルワールス力、水素結合、
イオン結合、共有結合などにより巧みに絡み合い、撹拌
、混練工程時の剪断応力などによって塗料および塗膜中
において銅粉をより良好な分散状態にする。
[発明の効果] この発明により次の効果を特徴する 請求項1の銅粉においては、ジルコニウムアシレートポ
リマーおよび高級カルボン酸エステルの混合物が被覆さ
れるので、銅粉表面または被膜上の吸着水と反応をした
り、静電的な接近などにより強固かつ導電性を損なわな
い膜を形成させることができる。従って、銅粉自体は、
良好な耐エージング性、防錆性、貯蔵安定性などを有す
る。
請求項6の導電性塗料組成物においては、請求項1の被
覆された銅粉を含有するので、塗料の導電性、耐環境性
および貯蔵安定性が向上し、その塗膜の化学的、物理的
強度が改善されると共に、基材に対する密着強度が強く
なる。
請求項11の導電性塗料組成物においては、ジルコニウ
ムアシレートポリマーおよび高級カルボン酸エステルが
、銅粉を含む組成物に配合され、銅粉表面にそのポリマ
ーとエステルとの被膜が形成させる。したがって、請求
項6の導電性塗料組成物と同様に、この塗料の導電性、
耐環境性および貯蔵安定性、その塗膜の化学的、物理的
強度が改善されると共に、基材に対する密着強度を強く
する。
請求項16の製造法においては、分散浴によって個々の
銅粉の分散性を高めたり、流動性を変えることにより効
率的な表面改質、被覆ができ、銅粉自体の良好な耐エイ
ジング性、防錆性、貯蔵安定性などを最少の処理量で行
うことができる。
[実施例] この発明を、以下の例によって説明する。
実験材料 a、ジルコニムアシレートポリマー(本発明)テトライ
ソプロピルジルコニウムまたはテトラn−ブチルジルコ
ニウム1モルと第1表に示す高級カルボン酸を下記の割
合で混合して反応させ、1−1〜8のジルコニムアシレ
ートボリマーを得た。
第1表 ポリマーNo、  高級カルボン酸  モル数1−1 
   イソステアリン酸  31−2    パルミチ
ン酸    31−3     ミスチリン酸    
41−4    ラウリン酸     41−5   
 カプリン酸     51−6    リノール酸 
    51−7    オレイン酸     61−
8     リルイン酸    6b、高級カルボン酸
(本発明) 下記第2表に示す2−1〜8の高級カルボン酸エステル
を用いた。
第2表 エステルNo、  W級カルボン酸エステル2−1  
  イソステアリン酸イソプロピル2−2    バル
ミチン酸n−ブチル2−3    ミスチリン酸イソブ
チル2−4    ラウリン酸イソプロピル2−5  
  カプリン酸t−ブチル 2−6    リノール酸イソプロピル2−7    
オレイン酸n−ブチル 2−8    リルイン酸t−ブチル 仁金属有機化合物(比較) 比較のために、下記の第3表の金属有機化合物を用いた
第3表 No、        金属有機化合物3−3・・・ビ
ス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテート
チタネート 3−4・・・テトライソプロピルビス(ジオクチルホス
フェート)チタネート 3−5・・・イソプロピルトリクミルフェニルチタネー
ト 3−6・・・イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェー
ト)チタネート 3−7・・・ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エ
チレンチタネート 3−8・・・γ−メタクリロキシブロピルトリメトキソ
ンフノ 3−9・・・γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン 3−10・・・γ−アミノプロピルエトキシシラン3−
11・・・アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピ
レート 3−12・・・イソプロピルトリイソステアロイルチタ
ネート d、低級カルボン酸 比較のために用いた低級カルボン酸は、第4表に示す通
りである。
第4表 No、        低級カルボン酸4−1・・・ 
   イソ醋酸イソプロピル4−2・・・    吉草
酸イソプロピル4−3・・・    カプロン酸n−ブ
チル4−4・・・    酢酸エチル e、ジルコニウムアシレートポリマーと高級カルボン酸
エステルとの混合物(本発明) 第1表のジルコニウムアシレートポリマーと第2表の高
級カルボン酸エステルとを第5表に示す組合わせおよび
組成でこの発明による混合物を調製した。
第5表 No、   ジルコニウムアシ  高級カルボンレート
ポリマー   酸エステル 5−1 1−1 50vt%  2−1 50シt%5
−2 1−2 50vt%  2−250vt%5−3
 1−3 50wt%  2−3 50wt%5−4 
1−4 50νt%  2−450vt%5−5 1−
5 50wt%  2−550wt%5−6 1−6 
50wt%  2−650vt%5−7 1−7 50
wt%  2−750vt%5−8 1−8 50wt
%  2−850vt%5−9 1−1 70vt% 
 2−630vt%5−10 1−2 70vt%  
2−830vt%5−11 1−3 70vt%  2
−730vt%5−12 1−4 70vt%  2−
330vt%5−H1−570vt%  2−430v
t%5−14 1−6 70wL%  2−530vt
%5−15 1−7 70vt%  2−230wt%
5 18 1 8 70wt%   2−1 30vt
%5−17 1−1 30vt%  2−770vt%
5−18 1−2 30vt%  2−670vt%5
−19 1−3 30vt%  2−470wt%5−
20 1−4 30wt%  2−370wt%5−2
1 1−5 30vt%  2−2 70wt965−
22 1−6 30wt%  2−8 70vt965
−23 1−7 30vt%  2−370vt%5−
24 1−8 30vt%  2−470wt%f、比
較のための金属有機化合物と低級カルボン酸エステルと
の混合物 第3表の金属有機化合物と第4表のカルボン酸エステル
とを第6表に示す組合わせおよび組成でこの比較のため
の混合物を調製した。
第6表 No、   金属有機化合物  カルボン酸エステル6
 1 3 1 50vt96  4 1 50シt%6
−2 3−2 50vt%  4−250wt%6−3
 3−3 50νt%  4−350vt%6−4 3
−4 50vt%  4−450vt%6−5 3−5
 50wt%  4−150wt%6−6 3−6 5
0wt%  4−2 50νt%6−7 3−7 50
vt%  4−3 50wt%6−8 3−8 50w
t%  4−4 50シt%6−9 3−9 50vL
%  4−4−15O%6−10 3−+0 50wL
%  4−250vt%6−II  3−11 50w
t%  4−4−35O%6 12’3 12 50v
t%  4−450wt%g、銅粉 第7表に示す樹枝状電解銅粉(三井金属鉱業株式会社製
、M F −D 2 >を用いた。
第7表 見掛密度     0.8〜1. 1g/am3比表面
積      0.40ゴ/g 純度        99,2%以上 HNO3不溶解分  0.03%未満 還元減量      0.80%未満 平均粒径      8.0μm 実験例1 防錆効果 第7表に示した銅粉を、トルエン溶媒中で撹拌分散させ
て、第5表および第6表で示す混合物(サンプルNo5
−1〜24およびNo6−1〜12)を銅粉分散浴中に
少量ずつ添加して銅粉を処理した。銅粉を乾燥させた後
に、85℃の温度、60℃/ 9596 RHの湿度環
境で、2000時間放置して耐熱、耐湿の試験をした。
なお、各混合物の処理量は、各々、0.01.0.1.
0.5.1.0.5゜0.10.0重量%であった。
その結果、混合物サンプルNo5−1〜24で処理され
、処理量が0.1〜10ffiffi%であるこの発明
による銅粉では、全く変色がなく、緑青の発生がなかっ
た。
他方、比較の混合物サンプルNo6−1〜12で処理さ
れた銅粉は、茶褐色の変色が見られ、緑青の発生もあっ
た。以上の結果からこの発明による銅粉は、形成された
疎水膜が緻密であり、防錆効果および耐環境性に優れて
いることを分かった。
実験例2 塗料の体積固有抵抗と耐環境性(イ)実験例
1で用いた表面被覆処理銅粉を、銅粉に対して45重量
%のメタクリル系樹脂溶液(アクリボンド〜BC−41
5B、三菱レーヨン製)および溶剤(トルエン)と共に
撹拌し、導電塗料を調製した。得られた導電塗料をスク
リーン印刷機でアクリル板上に回路を形成して25℃、
24時間、大気中で乾燥した。この回路について体積固
有抵抗を測定した。
その結果、混合物サンプルNo5−1〜24で処理され
、処理量が0.1〜10重量%であるこの発明による銅
粉から得られた導電塗料は、3X10−4〜6X10−
’Ω・(至)の体積固有抵抗を有した。他方、比較の混
合物サンプルNo6−1〜12で処理された銅粉銅粉か
ら得られた導電塗料は、2X10’〜5X10−3Ω・
(至)の体積固有抵抗を示した。
この発明による銅粉は導電性を損なわないことがこの結
果から判明した。
上記の導電塗料を、20〜b %RHの環境で、3ケ月間放置して体積固有抵抗を同様
に測定した。
その結果、混合物サンンブルNo5−1〜24で処理さ
れ、処理量が0.1〜10重量%であるこの発明による
銅粉から得られた導電塗料は、3×10〜6X10−4
Ω・■の体積固有抵抗を有した。他方、比較の混合物サ
ンプルNo6−1〜12で処理された銅粉銅粉から得ら
れた導電塗料は、銅粉と樹脂や溶剤との分離状態が激し
く、銅粉が固化して塗料化が不可能であった。
これらの結果より、この発明による銅粉から調製された
導電塗料は、優れた導電性と耐環境性を有していること
が判った。
実験例3 塗料の体積固有抵抗と耐環境性(ロ)第7表
の未被覆銅粉と、銅粉に対して45重量%のメタクリル
系樹脂溶液(アクリボンド〜BC−415B、三菱レー
ヨン製)と、銅粉および樹脂固形分に対し混合物サンン
ブルNo5−1〜24および比較の混合物サンプルNo
6−1〜12を、各々0.05.0.1.065.1.
0.5.0.10.0重量%と、溶剤(トルエン)とを
撹拌し、導電塗料を調製した。得られた導電塗料をスク
リーン印刷機でアクリル板上に回路を形成して25℃、
24時間、大気中で乾燥した。この回路について体積固
有抵抗を測定した。
その結果、混合物サンプルNo5−1〜24が添加され
たこの発明の導電塗料は、3X10’〜6X10−4Ω
・(7)の体積固有抵抗を有した。他方、比較の混合物
サンプルNo6−1〜12が添加さ=3 れた比較の導電塗料は、2×10〜5X10−3Ω・印
の体積固有抵抗を示した。
上記の導電塗料を、20〜b %RHの環境で、3ケ月間放置して体積固有抵抗を同様
に測定した。
その結果、混合物サンプルNo5−1〜24が添加され
たこの発明による導電塗料は、3X10〜6X10−4
Ω・備の体積固有抵抗を有した。他方、比較の混合物サ
ンプルNo6−1〜12が添加された導電塗料は、銅粉
と樹脂や溶剤との分離状態が激しく、銅粉が固化して塗
料化が不可能であった。
これらの結果より、この発明による銅粉から調製された
導電塗料は、優れた導電性と耐環境性を有していること
が判った。
実験例4 塗膜の耐熱耐湿エージング性実験例2および
3と同様にしてアクリル板上に導体回路を形成し、85
℃の耐熱試験、60℃/95%RHの耐湿試験で、20
00時間放置して抵抗変化率(%)を測定した。
その結果、混合物サンプルNo5−1〜24で処理され
、処理量が0. 1〜10重量%であるこの発明による
銅粉から得られた導電塗料の塗膜および、混合物サンプ
ルNo5−1〜24が添加されたこの発明の導電塗料の
塗膜は、85℃の耐熱試験においては、殆どが8%前後
、少なくて5%、多くても15%に過ぎない変化率を示
した。また、60℃/95%RHの耐湿試験においては
、殆どが5%前後、少なくて一10%、多くても8%に
過ぎない変化率を示した。
これに対して、比較の混合物サンプルNo6−1〜12
で処理された銅粉銅粉から得られた導電塗料の塗膜およ
び、比較の混合物サンプルNo6−1〜12が添加され
た比較の導電塗料の塗膜は、85℃の耐熱試験において
は、多くが70〜100%の変化率を示し、少なからず
150%の変化率を示した。また、60℃/9596R
)(の耐湿試験においては、多くが50〜7096の変
化率を示し、少なからず100%の変化率を示した。
これらのことから、この発明による導電塗料およびその
塗膜は、耐熱、耐湿エージング性において著しく優れて
いることがわかる。
実験例5 塗膜の耐塩水性 実験例2および3と同様にしてアクリル板上に導体回路
を形成し、塩水噴霧試験を行った。塩水噴霧試験はJI
S規格に基き、塩水濃度5重量%の水溶液(液温35℃
)を用い、噴霧から72時間後の塗膜表面の緑青の発生
を観察した。
その結果、混合物サンプルNo5−1〜24で処理され
、処理量が0.1〜10重量%であるこの発明による銅
粉から得られた導電塗料の塗膜および、混合物サンンブ
ルNo5−1〜24が添加されたこの発明の導電塗料の
塗膜では、全く緑青の発生が見られなかった。
比較の混合物サンプルNo6−1〜12で処理された銅
粉銅粉から得られた導電塗料の塗膜および、比較の混合
物サンプルNo6.−1〜12が添加された比較の導電
塗料の塗膜では、塗膜全面に激しく緑青が見られた。
これらのことから、この発明による導電塗料およびその
塗膜は、優れた耐塩水性を有することが判った。
実験例6 塗膜の密着性 実験例2および3で調製された導電塗料を、アクリル板
にスクリーン印刷機により、2X2II11パツド塗膜
と形成し、塗膜の乾燥後に75℃/60分、−55℃/
60分の条件で100サイクルのヒートショック試験を
し、次いで、塗膜上に常温硬化型エポキシ樹脂を用いて
0.5φ龍スズ鍍金銅線を接若して90″プール試験を
行った。塗膜の厚さは、70±20μmであり、試験パ
ッド数は20個であった。
その結果、混合物サンプルNo5−1〜24で処理され
、処理量が0.1〜10重量%であるこの発明による銅
粉から得られた導電塗料のパッド塗膜および、混合物サ
ンプルNo5−1〜24が添加されたこの発明の導電塗
料のパッド塗膜における剥離強度は、0.8〜1.0k
g/−であった。
他方、比較の混合物サンプルNo6−1〜12で処理さ
れた銅粉銅粉から得られた導電塗料のパッド塗膜および
、比較の混合物サンプルNo6−1〜12が添加された
比較の導電塗料のパッド塗膜における剥離強度は、0.
4〜0. 6kg/rnIAにすぎなっかた。
この結果より、この発明の導電塗料の塗膜は、優れた基
材に対する密着性を有することが判った。
実験例7 塗膜の密着性 実験例2および3で調製された導電塗料を、フェノール
板、ガラスエポキシ板およびABS板にスクリーン印刷
機により、2X2mmパッド塗膜と形成し、塗膜の乾燥
後に、塗膜上に常温硬化型エポキシ樹脂を用いて0,5
φ鰭スズ鍍金銅線を接着して90″プール試験を行った
。塗膜の厚さは、70±20μmであり、試験パッド数
は20個であった。
その結果、混合物サンプルNo5−1〜24で処理され
、処理量が0.1〜10ffi1%であるこの発明によ
る銅粉から得られた導電塗料のパッド塗膜および、混合
物サンプルNo5−1〜24が添加されたこの発明の導
電塗料のパッド塗膜のフェノール板、ガラスエポキシ板
およびABS板に対する剥離強度は、0.8〜1.2k
g/−であった。
他方、比較の混合物サンプルNo6−1〜12で処理さ
れた銅粉銅粉から得られた導電塗料のパッド塗膜および
、比較の混合物サンプルNo6−1〜12が添加された
比較の導電塗料のパッド塗膜のフェノール板、ガラスエ
ポキシ板およびABS板に対する剥離強度は、0.4〜
0.6kg/−にすぎなりかた。
この結果より、この発明の導電塗料の塗膜は、種々の基
材に対する優れた密着性を有することが判った。
実験例8 塗膜の断面観察 実験例6および7で形成したパッド塗膜を走査型電子顕
微鏡(700倍)で観察した。
その結果、この発明による導電塗料の塗膜の断面は、第
1図の写真に示すように、銅粉の片寄りが全く無く、塗
膜中の結合剤樹脂と基材が確実に密着していた。
他方、比較の導電塗料の塗膜の断面は、第2図の写真に
示すように、銅粉が片寄り、塗膜中の結合剤樹脂と基材
に隙間が観察された。
実験例9 導電性(イ) 第7表の未被覆銅粉と銅粉に対して45重量%のフェノ
ール系樹脂(DL−2210、固形分=60重量%〜群
栄化学工業製)と、銅粉および樹脂固形分に対し混合物
サンプルNo5−1〜24および比較の混合物サンプル
No6−1〜12を、各々0.05.0. 1.0.5
. 1.0.5.0゜1060重量%と、溶剤(メチル
カルピトール)を混練し、導電塗料を調整した。得られ
た導電塗料をスクリーン印刷機でフェノール板上に回路
を形成して150℃、30分間、大気中で硬化した。
この回路について体積固有抵抗を測定した。
その結果、混合物サンプルNo5−1〜24が添加され
た。この発明の導電塗料は3X10’〜6X10−4Ω
・(至)の体積固有抵抗を有した。他方、比較の混合物
サンプルNo6−1〜12が添加された比較の導電塗料
は、2X10−3〜5X10−3Ω・口の体積固有抵抗
を示した。
これらの結果より、この発明による導電塗料は優れた導
電性を有していることが判った。
実験例10 導電性(ロ) 置換メツキ法により銀が5重量%被覆された第7表の銅
粉と銅粉に対して45重重量のメタクリル系樹脂溶液(
アクリボンド〜BC−415B。
三菱レーヨン製)と、銅粉および固形分に対し混合物サ
ンプルNo5−1〜24および比較の混合物サンプルN
o5−1−12を各々0. 05゜0、 1. 0. 
5. 1. 0. 5. 0. 10.0重量%と溶剤
(トルエン)を撹拌し、導電塗料を調整した。得られた
導電塗料をスクリーン印刷機でアクリル板上に回路を形
成して25℃、24時間、大気中で乾燥しした。この回
路について体積固有抵抗を測定した。
その結果、混合物サンプルNo5−1〜24が添加され
たこの発明の導電塗料は、2X10’〜4X10−4Ω
・印の体積固有抵抗を有した。他方、比較の混合物サン
プルNo6−1〜12が添加された比較の導電塗料は、
2X10〜5X10’Ω・印の体積固有抵抗を示した。
これらの結果より、この発明による導電塗料は優れた導
電性を有していることが判った。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明による導電塗料の塗膜断面中の銅粉
の粒子構造を示す電子顕微鏡写真、第2図は、比較例に
よる導電塗料の塗膜断面中の銅粉の粒子構造を示す電子
顕微鏡写真である。 出願人代理人  佐  藤  −雄 第1図 第2図 手続補正書 昭和63年7り?日 1 事件の表示 昭和63年 特許願 第27235号 2 発明の名称 導電塗料用銅粉およびその製造法 3 補正をする者 事件との関係  特許出願人 (618)三井金属鉱業株式会社 4代理人 8 補正の内容 (1)  明細書第16頁第8行の「3〜5」を「3〜
6」に訂正する。 (2)  明細書第26頁第13行の「イオン結合、」
を「イオン結合、配位結合、」に訂正する。 (3)  明細書第27頁第9行の「イオン結合、」を
「イオン結合、配位結合、」に訂正する。 (4)  明細書第37頁第12行、第38頁第7行お
よび第41頁第10行の「サンンブル」を「サンプル」
に訂正する。 (5)  明細書第40頁第10行の「銅粉銅粉」を「
銅粉」に訂正する。 (6)  明細書第42頁第4行の「塗膜と」を「塗膜
を」に訂正する。 (7)  明細書第45頁第4行のrDLJを「P L
Jに訂正する。 (8)  明細書第45頁第15行の「添加された。 この」を「添加されたこの」に訂正する。 (9)  明細書第47頁第2行の「ことが判った。」
と「4、図面の簡単な説明」との間に次の実験例11を
追加する。 「実験例11 塗膜の耐熱性 実験例1で用いた被覆銅粉を、銅粉に対して45重量%
のフェノール系樹脂(PL−2210、固形分:60重
量%〜群栄化学工業製)と溶剤(メチルカルピトール)
とに混練し、導電性塗料を調製した。得られた導電性塗
料からスクリーン印刷機でフェノール板上に回路(塗膜
)を形成して150℃、30分間、大気中で硬化した。 この回路を、240℃の5n63/Pb37半田槽に5
秒間、10サイクル浸漬し、抵抗変化率(%)を測定し
た。 その結果、混合物サンプルNo5−1〜24を用いて得
たこの発明の導電性塗料(使用量0.1〜10重量%)
から得られた回路では、全く変色もせず、殆どが5%前
後、少なくて一6%、多くて8%の変化率を示すに過ぎ
なかった。 これに対して、比較の混合物サンプルN06−1〜12
を用いて得た導電性塗料から得られた回路では、塗膜が
著しく変色し、多くが50%以上、少なからず150%
以上の変化率を示した。 これらの結果より、この発明による導電性塗料の塗膜は
優れた耐熱性を有していることが判った。」 手  続  補  正  書 l 事件の表示 昭和63年特許願第 27235号 2 発明の名称 導電塗料用銅粉およびその製造法 3 補正をする者 事件との関係    特許出願人 (618)  三井金属鉱業株式会社 発送日  平成  年  月   日 6 補正により  する請求項の数 7 補正の対象 明細書の「発明の詳細な説明」の橢 8 補正の内容 明細書を下記の通り補正する。 (1)  第16頁第4〜7行 「例えば〜に対して、」を「例えば、テトライソプロポ
キシジルコニウム、テトラt−ブトキシジルコニウム、
テトラn−ブトキシジルコニウム、テトライソブトキシ
ジルコニウム1モルに対して、」と補正。 (2)  第29頁第5〜6行 「テトライソプロピルジルコニウムまたはテトラn−ブ
チルジルコニウム」を「テトライソプロポキシジルコニ
ウムまたはテトラn−ブトキシジルコニウム」と補正。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.銅粉の表面に、ジルコニウムアシレートポリマーと
    高級カルボン酸エステルとの混合物が被覆された導電塗
    料用銅粉。 2.高級カルボン酸エステルが、高級脂肪酸アシレート
    基と、易加水分解性アルコキシ基とからなる請求項1記
    載の導電塗料用銅粉。 3.ジルコニウムアシレートポリマーが下記繰返し単位
    I、IIおよび/またはIIIからなる請求項1または2記
    載の導電塗料用銅粉。 ▲数式、化学式、表等があります▼… I ▲数式、化学式、表等があります▼…II ▲数式、化学式、表等があります▼…III (式中、R、R^1、R^2およびR^3は、同種また
    は異種の炭素数1〜25の炭化水素基である)4.ジル
    コニウムアシレートポリマーと高級カルボン酸エステル
    との混合比が、ジルコニウムアシレートポリマー10〜
    90重量%に対して高級カルボン酸エステル90〜10
    重量%である請求項1、2または3記載の導電塗料用銅
    粉。 5.ジルコニウムアシレートポリマーと高級カルボン酸
    エステルとの混合物の銅粉に対する被覆量が、0.05
    〜10重量%である請求項1〜4のいずれか1項記載の
    導電塗料用銅粉。 6.請求項1記載の導電塗料用銅粉と、結合剤樹脂と、
    溶剤とを含む導電性塗料組成物。 7.ジルコニウムアシレートポリマーが,主鎖のジルコ
    ニウム原子に結合した易加水分解性アルコキシ基と、同
    じくジルコニウム原子に結合した難加水分解性かつ親油
    性のアシレート基とを有する請求項6記載の導電性塗料
    組成物。 8.高級カルボン酸エステルが、高級脂肪酸アシレート
    基と、易加水分解性アルコキシ基とからなる請求項6記
    載の導電性塗料組成物。 9.ジルコニウムアシレートポリマーと高級カルボン酸
    エステルとの混合比が、ジルコニウムアシレートポリマ
    ー10〜90重量%に対して高級カルボン酸エステル9
    0〜10重量%である請求項6、7または8記載の導電
    性塗料組成物。 10.ジルコニウムアシレートポリマーと高級カルボン
    酸エステルとの混合物の銅粉に対する被覆量が、0.0
    5〜10重量%である請求項6〜9のいずれか1項記載
    の導電性塗料組成物。 11.銅粉、結合剤樹脂および溶剤の混合系に、ジルコ
    ニウムアシレートポリマーと高級カルボン酸エステルと
    の混合物が添加された導電性塗料組成物。 12.ジルコニウムアシレートポリマーが下記一般式A
    、Bまたは/およびCで表される請求項11記載の導電
    性塗料組成物。 ▲数式、化学式、表等があります▼…A ▲数式、化学式、表等があります▼…B ▲数式、化学式、表等があります▼…C (式中、ROは加水分解され易いアルコキシ基であり、
    OCOR′は加水分解され難くかつ親油性を示すアシレ
    ート基であり、R″は水素原子、RまたはCOR′であ
    り、nはn≧1を満足する)13.高級カルボン酸エス
    テルが、下記一般式Dで表される請求項11または12
    記載の導電性塗料組成物。 ▲数式、化学式、表等があります▼…D (式中、R″′COOは飽和または不飽和の脂肪酸アシ
    レート基を、R″″Oは加水分解され易いアルコキシ基
    を表す) 14.ジルコニウムアシレートポリマーと高級カルボン
    酸エステルとの混合比が、ジルコニウムアシレートポリ
    マー10〜90重量%に対して高級カルボン酸エステル
    90〜10重量%である請求項11、12または13記
    載の導電性塗料組成物。 15.ジルコニウムアシレートポリマーと高級カルボン
    酸エステルとの混合物の添加量が、溶剤分を除く導電塗
    料組成物重量に対して0.05〜10重量%である請求
    項11〜14のいずれか1項記載の導電性塗料組成物。 16.銅粉の分散浴に、ジルコニウムアシレートポリマ
    ーと高級カルボン酸エステルとの混合物を添加して銅粉
    の表面にジルコニウムアシレートポリマーおよび高級カ
    ルボン酸エステルの被膜を形成し、必要に応じて分散媒
    を除去し、導電塗料用銅粉を得ることを含む導電塗料用
    銅粉の製造法。 17.ジルコニウムアシレートポリマーと高級カルボン
    酸エステルとの混合物が、テトラアルコキシジルコニウ
    ムと高級カルボン酸との反応混合物である、請求項16
    記載の導電塗料用銅粉の製造法。 18.テトラアルコキシジルコニウムが、炭素数1〜1
    0のアルキル基を有する請求項17記載の導電塗料用銅
    粉の製造法。 19.分散媒が、除去容易な水もしくは有機溶剤である
    請求項16記載の導電塗料用銅粉の製造法。
JP63027235A 1988-02-01 1988-02-08 導電塗料用銅粉およびその製造法 Expired - Lifetime JPH0670193B2 (ja)

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