JPH0120321Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （利用分野） 本考案は塵芥収集車の後方開口部に連設する塵
芥投入箱を安全に傾動するための傾倒装置に関す
るものである。

（従来技術） 一般に、塵芥収容箱の後方開口部に塵芥投入箱
を連設した塵芥収集車が知られており、前記投入
箱は伸縮シリンダを利用して傾動できるようにな
つている。

（本考案が解決しようとする問題点） この塵芥投入箱の傾動時には、投入箱の降下を
防止するため安全棒を装着するようにしている
が、安全棒の装着がなされなかつた場合、圧油の
内部漏洩や配管の損傷などにより投入箱が自然降
下し、あるいは場合によつては落下する危険があ
つた。

本考案は上記の点に鑑みてなされたもので、押
込板作動シリンダによつて塵芥投入箱を支持でき
なくなつた場合であつても、投入箱を傾動状態に
保持できるようにした塵芥収集車を提供するもの
である。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、塵芥収容箱の上部に、ウオームとウ
オーム歯車よりなる牽引手段を介して回転駆動さ
れる回転ドラムを設け、該回転ドラムに一端を止
着したワイヤの他端を塵芥投入箱の適宜位置に連
結し、押込板作動シリンダによる塵芥投入箱の傾
動時、押込板作動シリンダの伸縮作動に連動して
牽引手段を駆動する油圧モータを正逆転制御する
ように構成したものである。

（作用） 塵芥を排出すべく塵芥投入箱を傾動すると、そ
の傾動に連動して油圧モータが正転し、牽引手段
を介して回転ドラムが回転する結果、ワイヤは回
転ドラムに巻き取られる。

今ここで、塵芥投入箱が降下しようとした場
合、ワイヤを介して回転ドラムを逆転させようと
するものの、牽引手段の回転は阻止されることか
ら、塵芥投入箱の降下は阻止される。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
ると、１は塵芥収集車の車枠、２は車枠上に装着
した塵芥収容箱、３はこの塵芥収容箱２の後方開
口２′を開閉し、且つ塵芥を塵芥収容箱２内に押
込む塵芥押込装置４を装備した塵芥投入箱であ
る。

塵芥投入箱３はその頂部が収容箱２の開口上部
にピン５をもつて枢着され、第１図鎖線で示すよ
うに回動可能である。

ところで、塵芥押込装置４は押込板作動シリン
ダ６、押込板７、回転板８および回転板駆動用モ
ータ（図示せず）とよりなり、押込板作動シリン
ダ６のロツド９先端を押込板７基部の延長腕１０
に枢着し、そのバレル基端は前記ピン５上方に突
設したブラケツトに枢着１１せられ、この押込板
作動シリンダ６は押込板７を揺動させるのに必要
な常用ストロークに加え、塵芥投入箱３を開放す
るに必要なストロークを持つ。１２は押込板７の
延長腕１０が当接係合するストツパで、押込板７
が塵芥積込時における通常の動作で後退折返し点
に若干の余裕を残して投入箱３内壁に固設され、
延長腕１０前方に対向して設けられている。

一方、塵芥収容箱２の上部には前記投入箱３の
牽引手段１３が設けられており、該牽引手段１３
はウオームとウオームホイールからなる減速機１
４に直結した巻取ドラム１５と、該巻取ドラム１
５に巻着されたワイヤ１６からなり、該ワイヤ１
６はその先端が前記投入箱３を牽引するように投
入箱３の上部側面に係止されている他、該ワイヤ
１６が通過する塵芥投入箱３上部には回動自在な
案内ローラ１７が設けられている。

第２図は押込板作動シリンダ６と牽引手段１３
の油圧回路であつて、Ｐは押込板作動シリンダ６
など塵芥押込装置４の作動に用いる油圧ポンプ、
P′はこれと連動している補助油圧ポンプ、Ｖ１と
Ｖ２は前記押込板作動シリンダ６と牽引手段１３
を切換制御する３位置の電磁切換弁であつて、牽
引手段１３側の先端には減速機１４を介して巻取
ドラム１５を回転駆動する油圧モータＭが配設さ
れている。

（動作の説明） 次に、上記構成の実施例についてその作動を説
明する。

まず、押込板７と回転板８とによる塵芥積込作
業は、回転板の正転、押込板の後退、回転板の一
回転しての停止、押込板の前進の順で行なわれ、
塵芥は適宜塵芥収容箱に供給される。

この際、押込板作動シリンダ６の伸縮作動は、
押込板７を前後に揺動させるだけであるため、塵
芥投入箱３を傾動することはなく、牽引手段１３
は作動しない。

塵芥の収集作業が終了した後、塵芥収容箱１の
内部を点検または洗浄するため投入箱３を傾動す
るには、まず作業者はPTOを接にして油圧ポン
プＰ、P′を作動させる。次いで、図示しない操作
スイツチを接にし、電磁切換弁Ｖ１を左方位置ｂ
に切り換えると、圧油は押込板作動シリンダ８の
ロツド側油室に供給されることから押込板７は後
退を開始する。そして、その後退限界位置に達す
ると、押込板７の延長腕１０がストツパ１２に当
接する。この後、なおも押込板作動シリンダ６の
縮小を継続すると、塵芥投入箱３はピン５回りに
傾動を開始する。

塵芥投入箱３が塵芥収容箱２に対し所定角度傾
動すると、図示しないリミツトスイツチなどによ
り検出し、電磁切換弁V′を正転位置b′に切り換え
る。このため、油圧モータＭが正転し、牽引手段
を介してワイヤ１６はその緩みを吸収するように
巻取ドラム１５に巻き取られる。

したがつて、たとえ投入箱３が傾動途中、また
は傾動後、押込板作動シリンダ８への配管が破損
したとしても、牽引手段１３の回転が不能とな
り、ワイヤ１６が投入箱３の降下を防止すること
ができる。

（効果） 以上のように本考案によれば、安全装置とし
て、牽引手段を設けたことにより、自然降下や落
下の防止に有効に働き、作業者の安全を著しく向
上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１はこの考案の実施例を示す塵芥収集車の側
面図、第２図はその要部の油圧配管図である。 １……車枠、２……塵芥収容箱、３……塵芥投
入箱、６……押込板作動シリンダ、１４……減速
機、１５……巻取ドラム、１６……ワイヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体枠上に塵芥収容箱を搭載し、塵芥収容箱の
   後方開口部に塵芥投入箱を傾動自在に連設すると
   ともに、塵芥投入箱を押込板作動シリンダにより
   傾動させるようにした塵芥収集車において、塵芥
   収容箱の上部に、ウオームとウオーム歯車よりな
   る牽引手段を介して回転駆動される回転ドラムを
   設け、該回転ドラムに一端を止着されたワイヤの
   他端を塵芥投入箱の適宜位置に連結してなり、前
   記押込板作動シリンダによる塵芥投入箱の傾動
   時、該押込板作動シリンダの伸縮作動に連動して
   適宜牽引手段を駆動する油圧モータを正逆転制御
   するように構成したことを特徴とする、塵芥収集
   車の投入箱傾倒装置。