JPH0120130Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、印字装置に用いられるベイルローラ
ーに関するものである。

従来例の構成とその問題点 プリンター、タイプライター等の印字装置にお
いて、記録媒体の給送や記録媒体をプラテンに密
着させて印字品質を確保する等の理由からベイル
ローラーは、欠くことのできないものである。

以下従来のベイルローラーについて説明する。

第１図は、記録媒体給送装置の断面構成図であ
る。ここで１はプラテン、２は案内板、３は給送
用ローラー、４はベイルローラー、５はベイルロ
ーラーシヤフト、６は記録媒体である。案内板２
に沿つて挿入された記録媒体６は、給送用ローラ
ー３とプラテン１によつて給送される。案内板２
を離れた記録媒体６は、ベイルローラー４によつ
て、プラテン１に密着されて給送される。

第２図は従来のベイルローラーを示す分解断面
斜視図であり、第３図は同組立断面図である。こ
こで７は左側軸受、８は右側軸受、９は外周ゴム
ローラ、１０はＣ形バネリングである。

以上のように構成された従来のベイルローラー
について以下その動作を説明する。左側軸受７の
はめ合い部７ａは右側軸受８のはめあい部８ａの
部分より短く形成してあるので、はめあわせたと
き、内側には隙間が生じる。この隙間はＣ形バネ
リング１０を装着するためのもので、左側軸受７
と右側軸受８はＣ形バネリング１０をはさみこむ
ようにしてはめあわせる。このはめあい部が、は
ずれないように外周ゴムローラー９を装着する。
第４図はベイルローラーの取付斜視図である。前
記の如くして組み立てられたベイルローラー４を
ベイルローラーシヤフト５に挿入する、Ｃ形バネ
リング１０の内径は、ベイルローラーシヤフト５
の外径より小さく、ばねの力でベイルローラーシ
ヤフト５に密着し、ベイルローラー４が、ベイル
ローラーシヤフト５の軸方向へ容易に移動するこ
とのないようにしている。またＣ形バネリング１
０の外形は、左右の軸受のベイルローラーシヤフ
ト５とのはめあい部の径より大きく、Ｃ形バネリ
ング１０が、左右の軸受７，８からはずれること
はない。さらにＣ形バネリング１０は、ベイルロ
ーラーシヤフト５に密している状態でも、Ｃ形バ
ネリング１０の外形が右側軸受８の左側軸受７と
のはめあい部に形成された隙間の内径より小さい
ので、ベイルローラー４が、回転するのには影響
しない。

第５図は従来のベイルローラーの他の例を示
す。これは円筒形ローラー９の内周面に、溝１１
を設けてＣ形バネリング１０を装着している。

しかしながら上記のような従来のベイルローラ
ーは、部品点数が多いことや、例えば成形品の場
合Ｃ形バネリング１０を装着する溝１１は金型に
よる一体成形が行えず後加工が必要となることか
ら、組み立て工数や作業時間を多大に要した。

考案の目的 本考案は上記の従来の欠点を解消するもので部
品点数が少なく、後加工を必要とせず、しかも簡
単に組み立てられるベイルローラーを提供するこ
とにある。

考案の構成 本考案は、円筒形のローラー部に外周面から内
周面まで貫通した穴を持ち、ローラーの軸孔方向
に垂直な平面で、且つ、前記穴が存在するローラ
ーの内周面に溝を備えたベイルローラーであり、
Ｃ形バネリングを前記穴から前記溝へ挿入するこ
とにより、容易にベイルローラーを組み立てるこ
とができる。

実施例の説明 第６図は、本考案の一実施例におけるベイルロ
ーラーの斜視図である。ここで１０はＣ形バネリ
ング、１２はローラー、１３は穴である。第７図
は、第６図のローラー１２の軸方向に垂直な平面
で、かつ、穴１３が存在するローラーの断面斜視
図であり、第８図は同実施例の組立断面図であ
る。ここで１４は溝である。

以上のように構成された本実施例のベイルロー
ラーの動作について説明する。ローラー１２の穴
１３からＣ形バネリング１０を溝１４に挿入係合
する。これをベイルローラーシヤフト５に挿入す
ればＣ形バネリング１０はローラー１２の穴１３
からはずれることはない。さらに、Ｃ形バネリン
グ１０の内径はローラー１２の内周径より小さ
く、ベイルローラーシヤフト５の外径よりも小さ
いので、ベイルローラーシヤフト５の外周に密着
し、ベイルローラーがベイルローラーシヤフト５
の軸方向に移動する場合は抵抗を持つ。またＣ形
バネリング１０の外径は、ローラー１２の内周径
より大きく、ベイルローラーシヤフト５の軸方向
への移動には、ローラー１２とバネリング１０は
一体となつて動く。しかもＣ形バネリング１０の
外径と溝１４には隙間があり、ローラー１２の回
転には抵抗を持たない。

以上のように本実施例によれば、容易にベイル
ローラーを組み立てることができる。また、穴１
３をローラー１２の半円程度まで形成すれば、溝
１４の形成も金型を使つて容易にできる。

考案の効果 本考案は、ベイルローラーに穴と溝を成形の段
階で設けることができ、さらには部品点数が少な
く、後加工も容易で、容易に組み立てられるので
コストダウンや、作業時間と作業工程数及び組み
立て工数の大幅短縮を実現できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は記録媒体給送装置の断面構成図、第２
図は従来のベイルローラーの構成部品の分解断面
斜視図、第３図は第２図の組立断面図、第４図は
ベイルローラーの取付斜視図、第５図は従来の他
のベイルローラーを示す断面図、第６図は本考案
のベイルローラーの一実施例を示す斜視図、第７
図は第６図の穴のある部分の軸孔方向と垂直な平
面における断面斜視図、第８図は第６図の組立断
面図である。 ５……ベイルローラーシヤフト、１０……Ｃ形
バネリング、１２……ローラー、１３……穴、１
４……溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベイルローラーシヤフトが貫通される円筒体の
   一部に、外周面から内周面にまで貫通する穴を形
   成し、前記穴に対応する前記円筒体の内周面に溝
   を形成し、前記穴から挿入して前記溝に係合され
   るＣ形バネリングにより前記ベイルローラーシヤ
   フトを狭持してなるベイルローラー。