JPH0120065Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は主として、自動車用のコルゲートフイ
ン型熱交換器に関し、その両側部におけるコルゲ
ートフインのろう付け不良を防止するものに関す
る。

〔考案の技術的背景及びその問題点〕

自動車用熱交換器は一例として、第１図に示す
如く、上下一対のタンク１，１と、それらの間に
並列して配設された多数の偏平チユーブ２と、各
偏平チユーブ２の両側面にろう付けにより配設さ
れた多数のコルゲートフイン３と、により熱交換
器本体を構成する。そして、該本体の両側端に
夫々金属板よりなる本体支持用のサイドメンバー
４を設けてなる。このような熱交換器において、
特に、アルミ製のものは従来次のようにして組立
ていた。即ち、第２図に示す如くチユーブプレー
ト６に多数の偏平チユーブ２の端部を貫通させる
と共に、各チユーブ２の両側面にコルゲートフイ
ン３を接触配設する。そして、チユーブプレート
６の周縁にタンク本体７の開口縁を嵌着すると共
に、サイドメンバー４の上下端部をタンク本体７
の側端に嵌着する。かかる状態で、左右のサイド
メンバー４，４間を適宜な締め付け具で力Ｗによ
り締結する。そして、このような締結力Ｗを働か
せた状態でろう付け用の真空炉又はガス封入炉に
入れる。すると、予め偏平チユーブ２外面その他
に形成されていたクラツド層が溶融し、該偏平チ
ユーブ２とコルゲートフイン３とがろう付けされ
る。それと共に、該チユーブの両端のチユーブプ
レート６及び、該チユーブプレート６の周縁とタ
ンク本体７並びに、サイドメンバー４とが一体的
にろう付けされ、熱交換器が完成される。

ところが、上記組立工程において、サイドメン
バー４に力Ｗを加え、コルゲートフイン３と偏平
チユーブ２とを押接しても、該サイドメンバー４
の上端部及び下端部においては第２図の如く小隙
Δtが生ずる。即ち、両サイドメンバー４に力Ｗ
を加えると、主としてその中央部がコルゲートフ
イン側に弾性変形する。しかしながら、その上下
端部はチユーブプレート６の存在等によりコルゲ
ートフイン側に殆ど湾曲することがない。ところ
が、コルゲートフイン３の振幅が一定であるた
め、サイドメンバー４の上下端部に小隙Δtが生
じる。すると、この小隙Δtの存在する部分にお
いてはチユーブプレート６とコルゲートフイン３
とが接触しない状態において、ろう付けされる。
そのため、熱交換器本体の四隅部に位置するコル
ゲートフインとチユーブプレート６とのろう付け
が不良となり、その部分においてフインが脱落し
たり、位置ずれしたりし、放熱性能を低下させる
と共に、体裁を悪くすることがあつた。

〔考案の概要〕

そこで本考案は、主としてアルミ製熱交換器に
おいてその四隅部のコルゲートフインのろう付け
不良を防止する手段を設けた熱交換器を提供する
ことを目的とする。

本考案の熱交換器は互いに離間された一対のタ
ンク１，１間に複数の偏平チユーブを連通させ、
該チユーブの両側面に夫々コルゲートフイン３を
ろう接し、熱交換器本体を構成すると共に、該本
体の両側端に夫々金属板よりなる本体支持用のサ
イドメンバー４を取り付けたものに関する。そし
て、本熱交換器は特に、サイドメンバー４の少な
くとも、長手方向両端部内面にろう付け不良防止
用の突条５を形成する。そして、ろう付けの際、
該突条５が最側端に位置するコルゲートフイン３
の外面の一部を押接するようにしたことを特徴す
る。

従つて、本熱交換器によれば、サイドメンバー
４の突条５により、コルゲートフイン３をチユー
ブ２の側面に押接することができる。それによ
り、特に、熱交換器本体の四隅部におけるコルゲ
ートフインのろう付け不良を防止し、品質の安定
した熱交換器を提供することができる。

〔考案の実施例〕

次に図面に基づいて本考案の実施例につき説明
する。

第３図は本考案の熱交換器のサイドメンバー４
を示す斜視図であり、第４図は第３図のＡ−Ａ矢
視端面図、第５図は本考案のサイドメンバー４に
よるコルゲートフイン３の押圧状態を示す縦断面
説明図である。

本実施例では第３図に示す如く、サイドメンバ
ー４の上下端に互いに離間して二つの突条５を形
成し、それがコルゲートフイン側に突出するよう
に形成する。なお、この突条５は第３図の実施例
に限定されるものでは勿論なく、一本の突条５で
あつてもよく、或いは多数の突条を互いに平行に
設けたものでもよい。なお、この実施例において
は突条５を互いに平行して位置させたが、これを
クロスさせることもできる。次に、第３図の実施
例のサイドメンバー４により熱交換器を組立る
と、各部材の相互関係は第５図の如く形成され
る。即ち、サイドメンバー４の上下端部において
突条５がコルゲートフイン３の一部を筋状に押し
つぶし、該コルゲートフイン３を偏平チユーブ２
に押接させる。なお、この実施例においても、組
立られた熱交換器は適宜な締結具により両サイド
メンバー４が締結力Ｗにより締結されてろう付け
用の炉内に挿入される。すると、予め、偏平チユ
ーブ２の表面その他に形成されたクラツド層が溶
融し、偏平チユーブ２とコルゲートフインとが確
実にろう付けされる。

次に、第６図は本考案の第２実施例を示すサイ
ドメンバー４の縦断面図であつて、この実施例で
は突条５がサイドメンバー４の上下端ほどその高
さを高くしている。これは、第２図においてサイ
ドメンバー４の長手方向中心部を力Ｗで締結した
とき、上下端程小隙Δtが大きくなることに鑑が
み、該Δtの変化に沿つた突条５を形成し、すべ
ての範囲に渡つてコルゲートフイン３とチユーブ
２との押接力を一定としたものである。

〔考案の効果〕

本考案の熱交換器は、互いに離間された一対の
タンク１，１間に複数の偏平チユーブを連通さ
せ、該チユーブの両側面に夫々コルゲートフイン
３をろう接し、熱交換器本体を構成すると共に、
該本体の両側端に夫々金属板よりなる本体支持用
のサイドメンバー４を取り付けたものに関する。
そして、本熱交換器は特に、サイドメンバー４の
少なくとも、長手方向両端部内面にろう付け不良
防止用の突条５を形成する。そして、ろう付用炉
内で該突条５が最側端に位置するコルゲートフイ
ン３の外面の一部を押接するようにしたことを特
徴する。

本熱交換器は以上のような構成からなり、次の
効果を有する。

(1) 本熱交換器はそのサイドメンバー４に突条５
を有するから、その突条５が最側端に位置する
コルゲートフインの外面の一部を押接する。そ
のため、コルゲートフイン３と偏平チユーブ２
とが確実に押接された状態でろう付けがなされ
る。それにより、特に、熱交換器本体の四隅部
に位置するコルゲートフインのろう付け不良を
防止し、信頼性の高い熱交換器を提供し得る効
果がある。

(2) 又、このサイドメンバー４の突条５は該サイ
ドメンバー４の断面係数を増大させ、熱交換器
本体の強度を高める効果がある。そして、耐震
性及び耐圧性ある熱交換器を提供し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図はコルゲートフイン型熱交換器の立面図
を示し、第２図は従来型熱交換器の縦断面図の一
部を示す、第３図は本考案の熱交換器における要
部の斜視図、第４図は第３図のＡ−Ａ矢視端面
図、第５図は本考案の熱交換器の要部縦断面説明
図、第６図は本考案の第２実施例におけるサイド
メンバー４の縦断面図。 １……タンク、２……偏平チユーブ、３……コ
ルゲートフイン、４……サイドメンバー、５……
突条、６……チユーブプレート、７……タンク本
体、８……取り付け孔、Δt……小隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 互いに離間された一対のタンク１，１と、両タ
   ンク１，１間に配設されて両端が前記タンク１，
   １に連通された複数の偏平チユーブ２と、各偏平
   チユーブの両側面に夫々ろう接された複数のコル
   ゲートフイン３と、により熱交換器本体を構成す
   ると共に、前記熱交換器本体の両側端に夫々金属
   板よりなる本体支持用のサイドメンバー４を取り
   付けたコルゲートフイン型熱交換器において、サ
   イドメンバー４の少なくとも長手方向両端部内面
   に、ろう付け不良防止用の突条５を形成し、ろう
   付け用炉内で該突条５が最側端に位置するコルゲ
   ートフイン３の外面の一部を押圧するようにした
   ことを特徴とするコルゲートフイン型熱交換器。