JPH0113270Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、端部がＵ曲げされ、フインを備え
た直管部が並行して蛇行状に連なる偏平状熱交換
管を設けた熱交換器における熱交換管の支持装置
に関するものである。

従来技術 従来、偏平状熱交換管を設けた熱交換器は、第
６図に示すようなものであり、１は直管部２とＵ
曲げ部３で形成されて蛇行状に連なつているアル
ミニウムをもつて形成された偏平状熱交換管で、
直管部２の上下面には切削加工により立ち上がり
状に形成された多数個のフイン４があり、熱交換
管１の周囲にはチヤンネル型の取付け枠材５が設
けられ、この取付け枠５は左右両側の熱交換管１
のＵ曲げ部３を支持する側枠材６とそれらの上、
下端間にわたる上下枠材７とからなつている。熱
交換管１の内部には複数個の媒体通路が設けられ
ている。８，９は熱交換管１の両端に接合された
出入口ジヨイント部材である。

上記熱交換器における熱交換管１の支持手段
は、取付け枠５における側枠材６の両対向側辺１
０に第８図に示すように、円弧状のスリツト１１
と切り欠き１２を設け、この側枠材６の対向側辺
１０の間に熱交換管１のＵ曲げ部３を挿入して、
スリツト１１と切り欠き１２とにより得られる
“つめ”１３を内方に折り込んで、熱交換管１の
Ｕ曲げ部３の上下の内側面を上方、下方それぞれ
に向けて押さえ止めるものであつた（第７図参
照）。なお１４は取付け孔である。

この考案が解決しようとする問題点 前記、従来技術による熱交換管の支持手段で
は、偏平状熱交換管１が側枠材６の両対向側辺１
０に形成される“つめ”１３により押さえ込めら
れる状態になつて、第９図に示すように、熱交換
管１の両側端部が押しつぶされる形となつて変形
し、管内の媒体通路１５の断面積が減少するに至
る。

そこで、このような変形を回避するために、
“つめ”１３の折り曲げる度合を少なくすると、
熱交換管１を完全に支持することができなくな
り、支持部にガタが起こることになる。

したがつて、熱交換管１の変形をできるだけ少
なくして、熱交換管１を十分に支持させるには、
“つめ”１３の折り曲げの度合の調整に精密な技
術が要求される。

また、側枠材６の対向側辺１０に“つめ”１３
を設けるには、切り欠き、“つめ”の切り起こし
の２工程のプレスが必要であるとともに、“つめ”
１３を折り曲げる（かしめる）ためのプレス工程
も必要となる。同時に、各プレス工程においてプ
レス金型も必要である。

したがつて生産性が悪く、またコスト高とな
る。

更に、チヤンネル型の側枠材６にはZnメツキ
鋼板が用いられるが、これにプレスによつて切
断、切り欠きの加工を行なうため、その加工端面
にはFeが露出しており、特に“つめ”１３の端
面Ｓに露出したFeが“つめ”１３の折り曲げで
熱交換管の内側偏平面Ｔと接触して、そこに電食
を起こす原因をつくる。

問題点を解決するための手段 従来技術による熱交換管の支持装置に起こる前
記の問題点は、この考案による、次のような手段
を講じた支持装置によつて解決される。

この考案による熱交換管の支持装置を図面によ
つて説明すると、第１図はこの考案を適用した熱
交換器を示すものであり、第２図、第３図は、こ
の考案の支持装置の要部を拡大して示し、第４
図、第５図はその一要素を示すものである。

第１図〜第４図に示すように、熱交換管１の端
部のＵ曲げ部３にはめ合う凹所１６を有するセパ
レータ１７を備え、前記凹所１６に熱交換管１の
Ｕ曲げ部３をはめ込んで、熱交換管１を保持する
とともに、チヤンネル型の側枠材６の両対向側片
１０間に、セパレータ１７を熱交換管１を保持し
た状態で挿入し、前記両対向側辺１０によつて前
記Ｕ曲げ部３を押さえ込んで、熱交換管１を支持
するように構成した熱交換管の支持装置である。

セパレータ１７は第４図イに示すように凹所１
６を成形された樹脂製のブロツク状のもの、又は
同ロに示すように凹所１６を成形されたZnメツ
キ鋼板のものである。なお、セパレータ１７は側
枠材６と一体に製作することもできる。

（作用） セパレータ１７は、その凹所１６によつて、ス
プリングバツクを起こす偏平状熱交換管１の直管
部２を相互に並行する状態に拘束して、Ｕ曲げ部
３を保持する。したがつて凹所１６の開口の寸法
ｌは直管部２を並行する状態に拘束できるような
大きさである。

チヤンネル型の側枠材６は、その対向両側辺１
０の間に、セパレータ１７を介して熱交換管１の
Ｕ曲げ部３を挿入し、両対向側辺１０の取り付け
孔１４を利用してこれにリベツト又はタツピンビ
スを挿通して締め付けることによつて、両対向側
辺１０で熱交換管１を押さえ込んでこれを支持す
る。なお両対向側辺１０を部分的に変形させて熱
交換管を押さえ込むようにしてもよい。

考案の効果 この考案によれば、凹所１６を有するセパレー
タ１７を備えることによつて、熱交換管１はその
直管部２を並行状態にして十分に保持されるの
で、側枠材６の対向側辺１０を、これ自体で熱交
換管１を押さえ込むことができる程度に単に変形
させるだけで、熱交換管１を変形させることな
く、十分に支持することができる。したがつて従
来技術におけるように、側枠材６に“つめ”起し
のようなプレス加工を施す必要がないので、生産
性を高める。なお、熱交換管１はその側端面Ｒ方
向へかかる力に対しては強度があるので、側枠材
６の対向側辺１０を熱交換管１に強く押し付けて
も、熱交換管１に変形を与える恐れはない。

更に、対向側辺１０は、熱交換管１の偏平面Ｔ
に接触することがないので、対向側辺１０の端面
に露出しているFeによる偏平面Ｔに電食は起ら
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る支持装置を備えた熱交
換器の正面図、第２図はこの考案の要部を拡大し
て示す垂直断面図、第３図は他の型式による同断
面図、第４図はこの考案によるセパレータの斜視
図で、イはその１例、ロは他の例を示す図、第５
図はこの考案による側枠材の斜視図、第６図は従
来の支持装置を備えた熱交換器の正面図、第７図
は従来の支持装置を一部で示す斜視図、第８図は
従来の支持装置の側枠材の斜視図、第９図は従来
の支持装置による熱交換管の支持状態を示す垂直
方向断面図。 １……熱交換管、２……直管部、３……Ｕ曲げ
部、４……フイン、５……取付け枠、６……側枠
材、７……上下枠材、１０……対向側辺、１１…
…スリツト、１２……切欠き、１３……つめ、１
４……取付け孔、１５……媒体通路、１６……凹
所、１７……セパレータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 端部がＵ曲げされ、フインを備えた直管部が並
   行して蛇行状に連なる偏平状熱交換管の支持装置
   において、熱交換管のＵ曲げ部にはめ合う凹所を
   有するセパレータを備え、前記凹所に熱交換管の
   Ｕ曲げ部をはめ込んで、熱交換管を保持するとと
   もに、チヤンネル型の側枠材の両対向側片間にセ
   パレータが熱交換管を保持した状態で挿入され、
   前記両対向側辺によつて前記Ｕ曲げ部を押え込ん
   で、熱交換管を支持するように構成したことを特
   徴とする熱交換管の支持装置。