JPH0120024Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、タレツトパンチプレスにおけるタ
レツトに回転自在に支承された回転金型を固定す
る装置に関するものである。

タレツトパンチプレスにおけるタレツトに回転
自在に支承された回転金型は、不使用時にはパン
チング加工部における激しい振動によつて位置ず
れを生じ易いので、固定しておく必要がある。し
かし従来においては、ブレーキ装置における摩擦
力によつて回転金型の回転を阻止する構成が一般
的である。したがつて、激しい振動によつて位置
ずれを生じることがあり、回転金型の固定に確実
性が欠けるきらいがあつた。

この考案は、上述のごとき従来の問題に鑑みて
なされたもので、以下、図面を用いて本考案の一
実施例について詳細に説明する。

第１図はパンチングプレスの一例である門型の
数値制御式タレツトパンチプレス１を示したもの
で、門型の中央ギヤツプ部分には数値制御で板材
（以下にワークＷと呼ぶ）を把持移動位置決めす
る搬送装置３が設けてある。

また中央ギヤツプ部分の左側には、上型フレー
ム５から垂下する軸７に支承されて回転位置決め
自在な上部タレツト９が設けてあり、第２図に示
したように上部タレツト９の外周には多数の型状
や寸法の異なるパンチ１１が設けてある。

前記した上部タレツト９と対応する下部タレツ
ト１３は下部フレーム１５に設けた垂直軸１７
ba（第３図参照）と一体的に回転し、下部タレツ
ト１３の上にもパンチ１１と対をなすダイ１９が
とりつけてある。

前記した上部タレツト９の軸７と、下部タレツ
ト１３の軸１７とは図示を省略した駆動手段で同
方向に同量回動され所望のパンチ１１とダイ１９
の対が、タレツトパンチプレス１のラム或いはス
トライカ２１の直下に位置決めされる。

上記した上下のタレツト９と１３とにとりつけ
たパンチ１１とダイ１９の対が、タレツトの回動
によつてストライカ２１の下に位置するのは、い
わばタレツトの中心に対するパンチ１１とダイ１
９の公転と見ることができる。

その他に方向性を備えたパンチ１１やダイ１９
は、上下のタレツト９と１３に乗つたままの状態
でパンチ１１やダイ１９の１組だけを回動させる
必要がある。

この回動を上記公転に対して自転と呼んでいる
のである。

例えばワークＷに矢印を打抜くような場合には
矢印用のパンチ１１とダイ１９の対を公転によつ
てストライカ２１の直下に位置させてから、自転
させて矢印の方向を所望の方向に設定することに
なる。

第２図に示した矢印２３は公転を示し、矢印２
５は自転を示している。

また第２図の上部タレツト９の左側に２点鎖線
で示したのが公転完了時の位置決め用シヨツトピ
ン装置２７であり、２重丸で示したパンチ２９が
自転可能な方向性を有するパンチ２９を示してい
て、右側の自転可能なパンチ２９が正確にストラ
イカ２１の直下に位置しているのである。

ダイ１９の方も自転可能な方向性を有するもの
があることは第３図からも明らかであるが、自転
の方法も含めてパンチ２９と同じ機構であるの
で、以下の説明ではダイの自転に関する説明を省
略する。

自転可能のパンチ２９は、上部フレーム５から
の垂下軸７を貫いて第２図で斜めに設置した自転
駆動軸３１の両端付近に設けたウオームギヤー３
３と、外周のウオームホイール３５で接してい
る。

一方タレツトパンチプレス１の上部フレーム５
と下部フレーム１５をつなぐ立ち上り部分３７に
はサーボモータなどの電動機３９が設けてあつ
て、第３図に明らかなように上下に分かれ、タイ
ミングベルト４１を経て流体圧シリンダ４３を備
えたドライブシヤフト４５に回転を伝えている。

前記した自転駆動軸３１の両端はタレツト９及
び１５より僅かに外方に突出したコネクター４７
をなし、ドライブシヤツト４５が流体圧シリンダ
４３に駆動されてタレツト９及び１５の外周に接
近すると両者が係合して自転駆動軸３１が回転駆
動されるのである。

第５図に示したようにウオームギヤー軸４９は
タレツト９，１１の上面に多数のボールベアリン
グ５１に支えられて回転自在である。

前記自動駆動軸３１は、両端で自在継手５３を
介してウオームギヤー軸４９に連結されている。

第５図にもつとも明らかなように自在継手５３
のウオームギヤー軸４９側の部材を長く設け、こ
の部分をまたぐ台５５をタレツト９に設けてその
上に流体圧シリンダ５７を設けた。

更に流体圧シリンダ５７のピストンロツド５９
の下端を両テーパー状にして、前記した自在継手
５３の長い方の上端に設けた長溝穴６１と係脱自
在な係止突起とした。

なお第５図に明らかなように上記液体圧シリン
ダ５７は弾機６３によつて常に長溝穴６１にピス
トンロツド５９の先端が係合していて、流体圧を
導いて弾機６３の付勢力に抗らつてピストンロツ
ド５９を長溝穴６１から離脱させた時だけ、ウオ
ームギヤー軸４９及び自転駆動軸３１は回転可能
となるものである。

第７図の流体圧シリンダ５７の上方に示したの
は、上部フレーム５から下向きに設けた近接スイ
ツチ６５であつて、ピストンの上方に設けたドグ
６７の位置を検出して、自転可能のパンチ金型２
９などのロツク状態を検出するものである。

第４図には自転可能金型をロツク状態から開放
する流体圧を導くスイーブルジヨイント６９が示
してある。

図において上部フレーム５とスイーブルジヨイ
ント６９以外は軸７のまわりを回動するが、自転
可能の金型２９が何れか一方がストライカ２１の
真下に位置したときにだけ、スイーブルジヨイン
ト６９の管路７１，７３と、軸７の中の管路７５
とが一致して流体圧が流体圧シリンダ５７へと伝
達されるのである。

以上のごとき説明より理解されるように、要す
るに本考案は、タレツトパンチプレスにおけるタ
レツト９に、パンチ２９を回転自在に支承して設
けると共にパンチ２９を回転するための軸４９を
回転自在に支承して設け、この軸４９をタレツト
パンチプレスのフレームに装着したサーボモータ
３９と接続自在に設けると共に軸４９の一部に穴
６１を設け、タレツト９に装着した流体圧シリン
ダ５７におけるピストンロツド５９の先端部に形
成したテーパ部を上記穴６１に係脱自在に設けて
なるものである。

すなわち、本考案においては、タレツト９に支
承されたパンチ２９を回転するための軸４７の一
部には穴６１が設けてあり、この穴６１に対し
て、タレツト９に装着した流体圧シリンダ５７の
ピストンロツド５９の先端のテーパ部が係脱自在
である。従つて、本考案によれば、ピストンロツ
ド５９が軸４９の穴６１に係合した状態にあると
きには、パンチング加工時における激しい振動に
よつても位置ずれを生じるようなことなしに、軸
４９やパンチ２９の回転が確実に阻止された状態
にあり、かつ軸４９の方向性は常に一定方向にあ
る。よつて、サーボモータ３９と軸４９とを接続
するときには、接続部の方向性が一致し、即時に
接続することができるものである。また、固定時
における軸４９の方向性が常に一定であることに
より、パンチ２９を原点位置に確実に保持できる
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の背景を説明するタレツトパン
チプレスの側面図。第２図は第１図の−断面
矢視図。第３図は第２図の−断面矢視図。第
４図は本考案を上部タレツトに実施した実施例立
面図。第５図は第４図の左半分に相当する拡大
図。第６図は第５図の平面図。第７図は第５図の
−断面矢視図である。 図面の主要部を表わす符号の説明、１……タレ
ツトパンチプレス、１１……パンチ、１９……ダ
イ、２１……ストライカ、２９……自転可能のパ
ンチ、３１……自転駆動軸、４９……ウオームギ
ヤー軸、５７……流体圧シリンダ、６１……長溝
穴、６３……弾機。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. タレツトパンチプレスにおけるタレツト９に、
   パンチ２９を回転自在に支承して設けると共にパ
   ンチ２９を回転するための軸４９を回転自在に支
   承して設け、この軸４９をタレツトパンチプレス
   のフレームに装着したサーボモータ３９と接続自
   在に設けると共に軸４９の一部に穴６１を設け、
   タレツト９に装着した流体圧シリンダ５７におけ
   るピストンロツド５９の先端部に形成したテーパ
   部を上記穴６１に係脱自在に設けてなることを特
   徴とするタレツトパンチプレスにおける回転金型
   固定装置。