JPS595369B2 - インペラシエル用パンチング装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はトルクコンバータや流体継手のインペラ（ター
ビン羽根車やポンプ羽根車）のシェルにエンボス加工等
のパンチングを施すためのパンチング装置に関する。

この種のシェルには多数の羽根を固定するために窪み又
はスリットが形成されるが、そのような窪み等はシェル
の環状凹部の内面に正確なピッチで多数設ける必要があ
るので、従来の加工技術ではその寸法精度を正確に設定
することが困難であり、又加工装置も複雑な構造になつ
ている。

本発明は上記従来の不具合を解決するためのもので、イ
ンペラシェルを固定支持したダイをインデックス機構に
より所定角度毎に間欠的に回転停止させるようにし、上
記環状凹面の外周部に向けて配置したパンチと環状凹面
の内周部に向けて配置したパンチとを上記ダイが停止す
る度に作動させ得るようにしたもので、図面により説明
すると次の通りである。平面略図である第１図において
、円形のインペラシェル１（素材）は環状のダイ２の上
面に置かれている。

線■−０、線０−■′は互に直交し、かっダイ２の半径
方向に延びる直線で、シェル１の上方には概ね両線■−
０、０−■′ に沿つて合計２個のパンチ機構３、４が
配置されている。第１図の■−０−■′断面図である第
２図において、シェル１は環状凹面５を上に向けた姿勢
にあり、シェル１は外周縁部６を除いて略下面全体がダ
イ２に密着状態で支持されている。ダイ２のガ周には補
強リングＴが焼嵌めにより嵌合固定され、ダイ２の中心
に設けた垂直孔９内にはピン１０が通してある。ピン１
０の下端は引張りコイルばね１１に連結されて下向きに
引つ張られ、上端は孔９及びシェル１の中心孔１２より
も上方へ突出し、ピン１０の上端に取り付けた水平ピン
１３は略Ｃ形のリング１４（第１図）を介してシエル１
の孔１２の周縁部をダイ２の上面に押し付けて固定して
いる。１４′はシエル１及びダイ２の孔に上方から挿入
された位置決めピンである。

なおピン１３の全長は孔１２の直径よりも短く、又図示
されていない機構によりピン１０はダイ２に対して相対
的に上昇できるようになつている。従つてシエル１の加
工が終了すると、パンチング機構３，４等を図示の位置
（後述する）よりも上昇させると共に、ピン１０を相対
的に上昇させ、リング１４をピン１０から外してシエル
１をダイ２から上方へ取り外せるようになつている。又
シエル１の取付けは取り外し時とは逆の手順で行える。
ダイ２の下面外周部は含油軸受金属からなる環状のガイ
ド１６や部材１６′等を介して図示されていないフレー
ムに回転自在に支持され、ダイ２の下面内周部はリング
１７を介して垂直回転軸１９の上端面に連結され、回転
軸１９はインデツクス機構（図示せず）に連結している
。

該機購は回転軸１９を一定の角度毎に間欠的に回転停止
させるようになつており、又上記一定角度はシエル１に
取り付けられる多数の羽根のピツチ角度に一致するよう
にあらかじめ設定されている。従つて仮に羽根の枚数が
１８枚であるとすると、インデＣツクス機構は回転軸１
９、ダイ２、シエル１を正確に２０構ずつ回転させる。
なおダイ２、リング１７、回転軸１９は位置決めピンや
ボルト（共に図示せず）により互に固定されている。パ
ンチング機構３のパンチ２０は先端の突部２１を環状凹
Ｍｌ５の外周部の被エンボス加工部分２２に向けた姿勢
で配置されている。

突部２１は概ね上下に細長く、第２図の如くパンチ突部
２１が部分２２に食い込むと、部分２２の内面には細長
い窪みが形成される。なお上記窪みには後工程，におい
て羽根の突部が嵌合固定される。又羽根は略半円形で、
上記突部は羽根の円弧状外周縁に設けてある。パンチ２
０の基端部２５は先端部よりも上方かつ内側（ダイ２の
垂直中心線０−０に近い側）に位置し、基端部２５は筒
状サポート２６・の先端部に設けた大径内周面に嵌合し
ている。パンチ２５の中間部にはストリツパリング２７
が取り付けてあり、リング２７及びサポート２６は筒状
ガイド２９の内周面に摺動自在に嵌合している。ガイド
２９はパンチ２０と同芯に延びてぉり、被エンボス加工
部分２２寄りの端部に内向きフランジ３０を備え、フラ
ンジ３０の先端面３１は部分２２近傍の内面部分に沿う
よう球面に成形され、フランジ３０の内周面にはパンチ
２０が摺動自在に嵌合している。ガイド２９はガイドプ
レート３２の下部によりパンチ２０の中心線０１−０１
に沿う方向だけに摺動できる状態で支持されている。プ
レート３２の下端３３は図示の状態において凹面５の近
傍まで入り込んでおり、プレート３２の上端は環状部材
３５を介して昇降フレーム（図示せず）に固定されてい
る。前記サポート２６の基端はガイド２９内から突出し
てカムドライバ３６のカム面３７まで延びている。

カムドライバ３６は垂直な板状部材で、カム面３７はパ
ンチ２０及びサポート２６の中心線０１−０１と直角か
つ上下に長く延びている。第２図の一断面部分図である
第３図の如く、カム面３７はカムドライバ３６の縁に設
けた溝３９の底面により形成されている。溝３９はカム
ドライバ３６に固定した部材４０により両側部が塞がれ
て蟻溝状になつており、サポート２６の基端に設けたフ
ランジ４１が蟻溝状の溝３９ＶＣ摺動自在に嵌合してい
る。更にサポート２６は第２図の如く中心を貫通する孔
４２を備え、孔４２に挿入したポルト４３の先端部がパ
ンチ２０のわじ穴に螺合してサポート２６とパンチ２０
を互に固定している。

ボルト４３の頭部４５は孔４２の大径部に入り込んで孔
４２内面の環状段部に係止されている。ガイド２９はカ
ム面３７寄りの端部に碍向きフランジ状のゴム受け４７
を備え、サポート２６もガイド２９と部材４０の間の部
分に外向きフランジ状のゴム受け４６を備えている。両
ゴム受け４６，４７は斜上方かつ第２図の紙面の裏面側
（カムドライバー３６に対してずれた位置）へ延びてお
り、両ゴム受け４６，４７間にはプロツク状のゴム４９
が配置されている。ガイド２９は中心線０１−０１と平
行なスリツト５０を長手方向中間部に備え、スリツト５
０にはサポート２６に固定したピン５１が摺動自在に嵌
合している。第２図の−断面部分図である第４図の如く
、バンチ２０の先端部は半円形に近い断面を備え、外周
面は円弧状断面の部分５２と平担な部分５３からなつて
いる。

フランジ３０の孔は両部分５２，５３に断面形状に一致
させて成形されており、パンチ２０がフランジ３０の孔
内を回転できないようになつている。従つてパンチ２０
をフランジ３０に嵌め込むだけで突部２１を中心線０１
０，回りの所定の姿勢に確実かつ簡単に保つことができ
る。前記カムドライバ３６は第２図の下降位置において
下端がピン１３よりもやや高い位置にあり、上端は部材
５５を介してカムホルダ５６に固定されている。

カムホルダ５６は図示されていない昇降機構に取り付け
てあり、図示の下降位置において下面の外周部がストツ
バ５７に当接している。ストツパ５７は部材３５の上面
に取り付けた部材５９の上面にボルト止めされている。
他方のパンチ機構４は機構３と比べて各部の位置及び姿
勢が異なるだけで、各部の構造は同様であり、第２図に
おいて両機構３，４の対応する部分には同一符号が付し
てある。

機構４の各部の位置及び姿勢は次の通りである。パンチ
突部２１は環状凹面５の内周部の被エンボス部分２２ａ
に対向しており、パンチ２０、サポート２６、ガイド２
９は突部２１側から他端に向かつて斜上向きに中心線０
−０から離れる方向へ延びている。カムドライバ３６は
カム面３７をシエル１の概ね中心部に向けて位置してい
る。なお支持プレート３２を支持する部材３５やカムホ
ルダ５６等は機構３と共用されている。作動について説
明する。

加工開始直前の状態においてカムホルダ５６は２点鎖線
５６′の如くストツパ５７から離れた位置にあり、両カ
ムドライバ３６，３６も２点鎖線３６′，３６′ の如
く若干上昇した位置にある。この状態において機構３の
カム面３７′は実線の位置よりも第２図右方へ偏倚して
加工前の被エンボス加工部分２２から離れており、従つ
てサポート２６及びパンチ２０も部分２２に対して後退
し、パンチ突部２１は部分２２に圧接していない。次に
カムホルダ５６を介してカムドライバ３６５が実線の位
置まで下降すると、カム面３７′は部分２２側へ実線の
位置まで偏倚してサポート２６を押し、パンチ２０はフ
ランジ３０内を摺動して突部２１が部分２２にエンボス
加工を行う。上記動作前からガイド２９の先端面３１は
部分２２の周囲を押圧しており、パンチ突出時にはサポ
ート２６のゴム受け４６がゴム４９を介してゴム受け４
７を押し、ガイド２９の先端面３１は部分２２の周囲を
一層強く押圧する。

上記機構３の動作と並行して機構４も同様に作動し、被
エンボス加工部分２２ａにも部分２２と同時にエンボス
加工が施される。次にカムホルダ５６及びカムドライバ
３６，３６は２点鎖線５６′，３６′，３６′の位置ま
で上昇し、機構３，４の各部は逆に作動して突部２１，
２１は部分２２，２２ａから離れる。

このようにして１回の加工が終了すると、インデツクス
機構に駆動されて回転軸１９、リング１７、ダイ２、シ
エル１が前記所定回転角度（インペラの羽根め取付けピ
ツチ角度）だけ回転して停止し、新たな被エンボス加工
部分２２，２２ａがパンチ突部２１，２１に対向する位
置へ送られてくる。

次に機構３，４が再び作動してエンボス加工が施される
。以後シエル１が略１回転（３６０さ−１ピツチ角度）
するまで同様の動作が繰り返され、シエル１が略１回転
すると、シエル１の全周にわたつてエンボス加工が所定
ピツチ毎に施される。

シエル１の全周にわたつて加工が終了すると、カムホル
ダ５６、カムドライバ３６、部材３５、機構３，４が大
きく上昇し、加工済のシエル１が前述の如く取り外され
て新たなシエル１がダイ２に取り付けられる。

以上説明したように本発明によると、環状凹面５の外周
部２２と内周部２２ａに向けてパンチ２０，２０を配置
し、シエル１を固定支持したダイ２をインデツクス機構
により所定角度毎に回転停止させながらエンボス加工を
行うようにしたので、各部の動作を単純化し、作業能率
を高めることができ、又機構３，４等の部品数を減して
装置を安価に製造することができる。

しかも本発明によると、環状凹面５の２箇所（外周部と
内周部）を同時に加工するために、すなわち外周部用パ
ンチ機構３と内周部用パンチ機構４を設けるために、次
のような工夫を凝らしている。

すなわち第２図の如く、外周部用パンチ機構３と内周部
用パンチ機構４をシエル１の直径方向に対向しない位置
に設けたので、干渉を防止して両機構３，４を無理なく
設置することができる。

又パンチ機構３，４の上方において昇降するカムホルダ
５６に、外周部用パンチ機構３のシエル中心側基端部の
近傍まで下向きに延びる外周部用カムドライバ３６と、
内周部用パンチ機構４のシエル外周側の基端部まで下向
きに延びる内周部用カムドライバ３６とを設けている。
この構成によると、２個のカムドライバ３６をシエル１
の中心部上方と外周部上方とに配置し、干渉を防止して
両カムドライバ３６を無理なく設置することができる。

更に外周部用のカムドライバ３６とパンチ機構３はシエ
ル１の中心部上方から外周部上方にかけて位置する。又
内周部用のパンチ機構４とカムドライバ３６はシエル１
の内周部上方から概ね外周部上方にかけて位置する。従
つて両パンチ機構３，４や両カムドライバ３６が装置の
半径方向外方に大きく張り出すことはなく、装置全体の
小形化を図ることができる。図示の実施例においてはガ
イドプレート３２を部材３５に一体的に設けたので、ガ
イド２９やパンチ２０の位置決め精度を高めることがで
きる。

第４図の如くパンチ２０の断面形状が略半円形であるの
で、パンチ２０の中心線０−０回りの位置合せを簡単に
行うことができる。ダイ２のガイド１６を含油軸受金属
で形成したので、ダイ２を滑らかに回転させることがで
きる。なお本発明をエンボス加工装置としてではなく孔
明け加工装置として利用することもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は装置の平面略図、第２図は第１図の一０−１断
面図、第３図、第４図はそれぞれ第２図の−及び−断面
部分図である。 １・・・・・・インペラシエル、２・・・・・・ダイ、
３・・・・・・外周部用パンチ機構、４・・・・・・内
周部用パンチ機構、５・・・・・・環状凹面、２０・・
・・・・パンチ、２６・・・・・・サポート、２９・・
・・・・ガイド、３６・・・・・・カムドライバ、３７
・・・・・・カム面、５６・・・・・・カムホルダ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ インペラシェルをその環状凹面を上向きしてダイに
   より固定支持し、所定角度毎にダイを間欠的に回転停止
   させるインデックス機構を設け、シェルの上方において
   互にシェルの直径方向に対向しない位置に外周部用パン
   チ機構と内周部用パンチ機構を設け、両パンチ機構を上
   方のパンチ昇降機構に取り付け、外周部用パンチ機構に
   上記環状凹面の外周部に向かつて位置するパンチと、該
   パンチをパンチング方向に摺動自在に支持するガイドを
   設け、内周部用パンチ機構に上記環状凹面の内周部に向
   かつて位置するパンチと、該パンチをパンチング方向に
   摺動自在に支持するガイドを設け、パンチ機構の上方に
   おいて昇降するカムホルダに、外周部用パンチ機構のシ
   ェル中心側の基端部の近傍まで下向きに延びる外周部用
   カムドライバと、内周部用パンチ機構のシェル外周側の
   基端部まで下向きに延びる内周部用カムドライバとを設
   け、各カムドライバの傾斜カム面に対応するパンチのサ
   ポートを摺動自在に係合させ、カムドライバの下降によ
   りパンチがパンチング方向へ突出するようにしたことを
   特徴とするインペラシェル用パンチング装置。