JPH0120930B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この発明は、プレス加工ライン中において、ト
ランスフアプレス等のプレス機のボルスタ上に設
置する被加工物の回転加工装置に関する。 (ロ) 従来の技術 従来トランスフアプレス等におけるボルスタ上
に設置する金型は、ラムと関連して回動するよう
な機構のものはなかつた。 (ハ) 発明が解決しようとする問題点 このため、例えば車両用ホイールのように、プ
レス加工工程の途中で、切断した縁の丸め加工を
行う必要のある物品については、トランスフアプ
レスラインの途中で、一旦トランスフアプレスか
ら取り出し、別に設備された旋盤等で丸め加工ま
たはバリ取りなどを施し、改めてトランスフアプ
レスラインに戻して、後工程を行うという場合が
あつて、一加工工程ラインの流れを中断する形で
加工を行うため、生産性向上のネツクともなり、
全自動化工程に乗せられないことから生ずる品質
上の問題、更には、旋盤を使用することにより非
能率で危険性を伴う等の欠点があつた。 この発明は、プレスボルスタ上に設置する金型
の位置に、金型状の被加工物支持具を回転自在に
構成するとともに、この回動をプレスラムの上下
動と同調させることによつて、従来、トランスフ
アプレスライン工程中では加工のできなかつたプ
レス加工品の縁切り部等の旋盤加工に相当する丸
め加工バリ取り、ネジ切り加工等が、トランスフ
アプレスライン中で容易にできるようにしたもの
である。 (ニ) 問題点を解決するための手段 この発明の具体的な内容を図面に示す実施例に
もとづいて説明する。 図面は、本発明を車輌用ホイールの縁切り部の
丸め加工に適用した場合の例を示すもので、第１
図は正面図、第２図は平面図、第３図ａは支持具
回転機構部の要部切断面図、第３図ｂは加工用ロ
ーラ支持部の側面図である。 図中、１はプレスボルスタで、この上面に支持
具２の駆動装置である電動機３、該電動機に駆動
されるブレーキ付きクラツチ４、該クラツチに駆
動される減速機５、該減速機に駆動される支持具
２を取付けた回転台６が装着される。回転台６に
は上下動自在にガイドされ、スプリングで上方に
付勢され、上端で上面が被加工物のパスラインと
一致するようにガイドされた受板５が支持具２の
まわりに設けられる。 ７はプレスラム、８はクランプシリンダ（ノツ
クアウト）で、先端部は回転自在に構成され、こ
のクランプシリンダを挾みその両側に、加工用シ
リンダ９がプレスラム７の下面に取付けられる。 １０はシリンダ９の先端に設けられた加工用ロ
ーラで、本例の場合、加工するホイール（鎖線表
示）の切縁を丸めるための加工に適するよう切縁
とのローラの接触部を断面凹円弧状としている。
（第３図ｂ参照） また、上記において、プレスラム７の上下動と
支持具２の回転とは同期関係にあるように、それ
ぞれの駆動装置は、制御装置を介して電源に接続
される。（第４図参照） (ホ) 作用 以上の構成において、クランクシヤフト（図示
せず）の１回転によつて、支持具２、プレスラム
７、クランプシリンダ８、加工用ローラ１０付き
シリンダ９は、第５図のタイムチヤートに示すよ
うに連動する。 即ち、プレスラム７はクランクシヤフトの回転
角が０度のとき上死点にあつて、クランクシヤフ
トの回転角が進むにつれて下降し、クランクシヤ
フトの回転角が180度のとき下死点に達し、以後
上昇しクランクシヤフトの回転角が360度に達す
ると元の上死点に戻る。この間、クランプシリン
ダ８はラム７と共に下降し、クランクシヤフトの
回転角例えば90度の時点で被加工物のクランプを
開始、本例の場合、被加工物であるホイール（鎖
線図示）を受板５に押圧し始め、受板５はスプリ
ングの付勢力に抗して下降し、クランクシヤフト
回転角110度時点で受板５が回転台６に当接し、
支持具２がホイール内に挿入嵌合し、完全にクラ
ンプする。また、この時点で、電動機３に駆動さ
れているクラツチ４を稼動させて回転台６従つて
支持具２を回転させる。 更にラム７は下死点まで下降するが、クランプ
シリンダはラムが下降しただけラム内に押し込ま
れ、被加工物を一定圧でクランプする。 加工用ローラ１０は、ラム７と共に下降し、ク
ランクシヤフトの回転角120度時点から被加工物
に圧接する。 クランクシヤフトの回転角が240度までの間は、
ラム７が下降上昇しただけ加工用シリンダ９は縮
伸し、一定圧で加工し、切縁の丸め加工を行い、
クランクシヤフトの回転角が240度を超えた時点
でシリンダ９はラムと共に上昇し、ロール１０は
被加工物から離れ上昇する。 支持具２は、クランクシヤフトの回転角が250
度に達した時点でクラツチ４に対する電源が遮断
されてクラツチが切れ、ブレーキが働いて回転を
停止し、同時にクランプシリンダ８もラムと共に
上昇し始め、それにつれて受板５も上昇し、クラ
ンクシヤフトの回転角270度で受板５はパスライ
ンに達し上昇は止り、被加工物のクランプを終了
し、以後クランプシリンダ８はラム７につれて上
昇し、クランクシヤフトの回転角360度でラム７
は上死点に戻る。 この間に被加工物は移動装置により搬出され、
次の被加工物が送り込まれる。 以上のように、プレス工程の基準であるクラン
クシヤフトの１回転で切縁の丸め加工を終了す
る。 尚、クランクシヤフトの回転角に対するクラン
プシリンダ、受板、加工用シリンダ等の夫々の動
作時点については、上記は１例であつて、被加工
物に応じて適宜選定すればよい。 本装置は、従来のプレスボルスタ、プレスラム
にそれぞれ装着できる構成であるため、容易にト
ランスフアプレスライン内に組み込むことができ
る。 また、上記説明で省略した被加工物の移送機構
とそのタイミングについては、従来一般に用いら
れているものを援用すればよい。 (ヘ) 実施例 本例はホイールの加工縁が、軸心と平行方向の
円周縁であるため、加工用ローラをラムと同方向
の上下動させる構成としたが、加工用ローラの取
付角度は、支持具の軸心と直角方向にも、また、
ある角度を持たせることもできるので、被加工物
の放射状外周縁あるいは傾斜角度を持つ周縁など
の加工も可能である。 また、加工用ローラの加工面の形状を傾斜面と
すれば、面取り加工用とすることができる。 (ト) 発明の効果 この発明によれば、トランスフアプレスの１ス
テージで切縁部の丸め加工ができるので、従来の
ように、トランスフアプレスラインから外した
り、戻したりする必要がなくなり、一貫した作業
を自動的に行わせられ、完全な省力化が達成でき
る。 このため、品質の安定化、生産性の向上が一段
と高められるほか、従来のような旋盤加工が必要
でないことによる作業の能率化や安全性確保が図
られる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にかかるプレス用回転加工装置
の正面図、第２図は平面図、第３図ａ支持具回転
機構部の要部切断面図、第３図ｂは加工用ローラ
支持部、第４図は制御関係を示すブロツク図、第
５図はタイミングチヤートである。 １…プレスボルスタ、２…支持具、３…電動
機、４…ブレーキ付きクラツチ、５…減速機、５
…受板、６…回転台、７…プレスラム、８…クラ
ンプシリンダ、９…加工用シリンダ、１０…加工
用ローラ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ プレスラム７に設け、下端を回動自在に構成
   したクランプシリンダ８と、プレスボルスタ１上
   に設置し、中心軸回りに回動自在に支持した被加
   工物支持具２と、クラツチを介して支持具を回転
   駆動する駆動装置と、クラツチの入り切りをプレ
   スラムの上下動と同調さす同調装置とを有し、プ
   レスラムの下降所定時間中被加工物をクランプシ
   リンダ８と支持具２でクランプして支持具を回転
   し、被加工物の回転加工をプレスライン中で行う
   ことを特徴とするプレス用回転加工装置。