JPH0118413Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、いわゆるスポイラ型サンルーフにお
けるカバー部材の取着構造に関する。

（従来の技術） 第１図乃至第３図は従来例に係り、乗物屋根１
の窓開口部２を開閉自在に施蓋するカバー部材３
が、前後方向に長尺のコネクチングブラケツト５
を介して、窓開口部２内に設けられた開閉機構４
に支持されている。

その開閉機構４は、窓開口部２内の左右両側に
設けられたガイドレール６に摺動自在に嵌合させ
たスライダー７と、このスライダー７を移動させ
る駆動体８と、この駆動体８にカム溝９ａを介し
て係合するリフター９とを備えている。そして、
そのスライダー７とリフター９に前記コネクチン
グブラケツト５が枢着されている。

そして、開閉機構４の作動により、カバー部材
３は、窓開口部２を閉塞する閉塞姿勢から、前端
縁を中心として後上がりに回動し、第２図に示す
傾斜姿勢に姿勢変更され、次いで、後方へと移動
して窓開口部２を開く状態となる。そのカバー部
材３の傾斜姿勢で走行することにより、カバー部
材３はエアスポイラとして機能する。

上記従来のカバー部材３とコネクチングブラケ
ツト５との連結は、第３図に示すように、前後に
離間した局部位置において、カバー部材３の破損
防止用クツシヨン材１０を介し、ボルト１１とナ
ツト１２とにより取着するものであつた。

（考案が解決しようとする課題） 従来のものでは、カバー部材３を傾斜姿勢とし
て走行した場合、その走行振動により、コネクチ
ングブラケツト５が振動し、その振動による応力
を、コネクチングブラケツト５とカバー部材３と
の前後に離間した局部取着位置で集中して受ける
ことになり、その取着位置からカバー部材３が破
損してしまうことがあつた。

また、カバー部材３を閉塞姿勢とした場合、乗
物屋根１の上面とカバー部材３の上面とを面一と
するため、カバー部材３とコネクチングブラケツ
ト５との間に挿脱交換自在なシムを介在させ、高
さ調節を可能としている。しかし、カバー部材３
とコネクチングブラケツト５との間のクツシヨン
材１０は、通常、クツシヨン材の位置ずれ防止の
ため粘着性を有するものが使用されるため、一旦
取着したカバー部材３とコネクチングブラケツト
５とを分離するのが困難となり、シム交換による
高さ調節作業が煩わしいものとなつていた。

本考案は上記課題を解決することを目的とす
る。

（課題を解決するための手段） 本考案の特徴とするところは、乗物屋根１の窓
開口部２を開閉自在に施蓋するカバー部材３が、
前後方向に長尺のコネクチングブラケツト５を介
して、窓開口部２内に設けられた開閉機構４に支
持され、そのコネクチングブラケツト５の上下揺
動により、カバー部材３は、窓開口部２を閉塞す
る閉塞姿勢と、その後端縁が前端縁よりも上方に
位置する傾斜姿勢とに姿勢変更自在とされている
サンルーフにおいて、前記コネクチングブラケツ
ト５の上面に前後方向に長尺のカバーサポート１
８が取着され、そのカバーサポート１８の上面に
前記カバー部材３が、前後方向に長尺のクツシヨ
ン材１９を介して取着され、さらに、前記ブラケ
ツト５の上面とカバーサポート１８との間に、シ
ム３０が挿脱可能とされている点にある。

（作用） カバー部材３は、前後長尺のカバーサポート１
８に、前後長尺のクツシヨン材１９を介して支持
されるため、その支持面積が大きくなつてカバー
部材３に作用する走行振動による応力が分散され
る。

乗物屋根１の上面に対するカバー部材３の上面
の高さ調節は、シム３０をコネクチングブラケツ
ト５とカバーサポート１８との間で挿脱交換する
ことにより行われる。よつて、その高さ調節の際
に、カバー部材３とカバーサポート１８とを分離
させる必要がない。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づき説明す
る。

なお、上記従来例で用いたものと同一名称物に
は同一の符号を付して説明する。

第４図は、コネクチングブラケツト５の斜視図
であり、このブラケツト５は水平取付部５ａと、
該水平取付部５ａの側縁から下方に垂下する垂直
壁部５ｂとを有し、その垂直壁部５ｂの前端部に
スライダー７を枢結する枢支軸１３が突設されて
いる。

その垂直壁部５ｂの前後方向中途部には、リフ
ター９を枢結する枢支軸１４が突設され、この枢
支軸１４の後方にロツク片１５が突設されてい
る。このロツク片１５は、窓開口部２の閉塞時
に、コネクチングブラケツト５のガタツキを防止
するためガイドレール６等に係合するものであ
る。

１６はストツパラバーで、コネクチングブラケ
ツト５の前端に取付けられ、窓開口部２の閉塞操
作においてコネクチングブラケツト５の前方移動
を阻止すべく他部材に衝突するものである。

１７は補助部材で、スライダー７用の枢支軸１
３近傍に溶接で固着される。

第５図及び第６図に示すように、コネクチング
ブラケツト５の水平取付部５ａ上には前後方向に
長尺のカバーサポート１８が載置され、このカバ
ーサポート１８上に、前後方向に長尺で粘着性材
料からなるクツシヨン材１９を介してガラス製の
カバー部材３が載置されている。そして、カバー
サポート１８とカバー部材３、及びカバーサポー
ト１８とコネクチングブラケツト５は、各々取着
手段で連結固定されており、そのカバー部材３と
カバーサポート１８とはクツシヨン材１９を介し
面接当している。

なお、２０は屋根１の窓開口部縁である。ま
た、コネクチングブラケツト５やカバーサポート
１８等は、カバー部材３の左右両側に前後方向ほ
ぼ全長にわたつて設けられている。

第７図乃至第１４図は、第５図における乃至
の各断面を夫々示す。カバー部材３、クツシ
ヨン材１９及びカバーサポート１８は、第７図
ａ，ｂに示す第１取着手段３３及び第８図に示す
第２取着手段３４によつて固定されている。

即ち、第１取着手段３３は、カバーサポート１
８、クツシヨン材１９及びカバー部材３の各前端
部に夫々形成された取付孔２１に、上面側よりワ
ツシヤー２２を介して袋ナツト２３を挿入すると
共に、下面側より鍔付ボルト２４を取付孔２１に
挿入し、これら袋ナツト２３とボルト２４とを螺
合することにより、カバー部材３とカバーサポー
ト１８とをクツシヨン材１９を介して締結固定し
ている。

なお、コネクチングブラケツト５には、ボルト
２４の回動操作用孔２５が開設されている。ま
た、ワツシヤー２２はゴム又は樹脂製である。

第２取着手段３４は、コネクチングブラケツト
５の後端より後方位置に設けられ、ワツシヤー２
２、袋ナツト２３、ボルト２４から構成されてお
り、カバー部材３、クツシヨン材１９、カバーサ
ポート１８の取着は図示のように前記第１取着手
段３３と同様である。

次に、第９図において、３５は第３取着手段
で、カバー部材３の前後方向の中途部でカバー部
材３、クツシヨン材１９、カバーサポート１８及
びコネクチングブラケツト５を取着するものであ
る。この第３取着手段３５によるカバー部材３、
クツシヨン材１９、カバーサポート１８の取着
は、図示のように、前記第１取着手段３３と同様
である。そして、コネクチングブラケツト５の取
着のため、ボルト２４の中心部にねじ孔２６が設
けられ、このねじ孔２６に螺合すべくコネクチン
グブラケツト５の下面側より挿通されたボルト２
７によつてコネクチングブラケツト５が取付けら
れている。

なお、ボルト２７はコネクチングブラケツト５
とカバーサポート１８とを密着結合させるもので
はなく、若干の遊隙をもつて両者を連結してい
る。

次に、第１０図に示す第４取着手段３６及び第
１１図に示す第５取着手段３７によつてカバーサ
ポート１８とコネクチングブラケツト５とが固定
されている。第４取着手段３６はカバー部材３の
前端の前後２位置で、第５取着手段３７はカバー
部材３の後端位置で、ボルト２８、ナツト２９に
よりコネクチングブラケツト５とカバーサポート
１８とを固定している。また、第１０図ａに示す
ように、コネクチングブラケツト５とカバーサポ
ート１８間にはシム３０が介在されている。この
シム３０は第１０図ｂに示す如く、その一端に切
欠部３１を有し、ボルト２８の側方から挿脱交換
自在とされるものである。

なお、ボルト２８はカバーサポート１８に溶接
されている。

第１２図は、スライダー７とガイドレール６の
嵌合状態、第１３図はリフター９とリフター枢支
軸１４の枢結状態、第１４図はロツク片１５とル
ーフクランプ３２との係合状態を示す各断面図で
ある。

（考案の効果） 本考案によれば、カバー部材と前後方向に長尺
のカバーサポートとが、前後方向に長尺のクツシ
ヨン材を介して面接当するので、走行振動による
応力がカバー部材に局所的に集中して作用するの
を防止でき、カバー部材の破損を防止できる。

乗物屋根の上面に対するカバー部材の上面の高
さ調節の際には、コネクチングブラケツトとカバ
ーサポートとの間でシムの挿脱交換を行なえばよ
いので、カバー部材とカバーサポートとを分離さ
せる必要がなく、カバー部材とカバーサポートと
の間のクツシヨン材が粘着製を有するものであつ
ても、その高さ調節作業は何等煩わしいものでは
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は従来例に係り、第１図はサ
ンルーフ付自動車の平面図、第２図は第１図の
−線断面図、第３図はカバー部材取着部の分解
斜視図、第４図乃至第１４図は本考案の実施例に
係り、第４図はコネクチングブラケツトの斜視
図、第５図はカバー部材取着構造におけるコネク
チングブラケツトの位置関係を示す平面図、第６
図は同側面図、第７図ａは第５図の−線断面
図、第７図ｂは第１取着手段の分解斜視図、第８
図は第５図の−線断面図、第９図は第５図の
−線断面図、第１０図ａは第５図の−線
断面図、第１０図ｂはシムの平面図、第１１図は
第５図のXI−XI線断面図、第１２図は第５図のXII
−XII線面図、第１３図は第５図の−線断
面図、第１４図は第５図の−線断面図で
ある。 １……屋根、２……窓開口部、３……カバー部
材、４……開閉機構、５……コネクチングブラケ
ツト、１８……カバーサポート、１９……クツシ
ヨン材、３０……シム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 乗物屋根１の窓開口部２を回動自在に施蓋する
   カバー部材３が、前後方向に長尺のコネクチング
   ブラケツト５を介して、窓開口部２内に設けられ
   た開閉機構４に支持され、そのコネクチングブラ
   ケツト５の上下揺動により、カバー部材３は、窓
   開口部２を閉塞する閉塞姿勢と、その後端縁が前
   端縁よりも上方に位置する傾斜姿勢とに姿勢変更
   自在とされているサンルーフにおいて、前記コネ
   クチングブラケツト５の上面に前後方向に長尺の
   カバーサポート１８が取着され、そのカバーサポ
   ート１８の上面に前記カバー部材３が、前後方向
   に長尺のクツシヨン材１９を介して取着され、さ
   らに、前記ブラケツト５の上面とカバーサポート
   １８との間に、シム３０が挿脱可能とされている
   ことを特徴とするサンルーフのカバー部材取着構
   造。