JPH0117386Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はトランスフアプレスのフイードバー内
幅無段階調整装置に関するものである。

従来、トランスフアプレスのフイードバー内幅
無段階調整装置は１対のフイードバーがその長さ
方向にアドバンス・リターン運動と、長さ方向と
直角方向に互に接近・離隔するクランプ・アンク
ランプ運動を行なう２次元運動用のものは各種の
ものが考案されているが、これに上下方向のリフ
トダウン運動を付加して行なう３次元運動用のも
のは機構が複雑となるため実現が困難であつた。

本考案の目的はこの欠点を除き、３次元用のク
ランプユニツト装置に簡単に装備することがで
き、構造が簡単なフイードバーの内幅無段階調整
装置を提供することにある。以下本考案の実施例
について図面を参照して説明する。

第１図においてトランスフアプレスのクラン
プ・アンクランプ装置１の駆動系を示している。
プレスのスライド２に板カム３が固定され、一端
のカムホロア４が板カム３に接し、機体に枢着さ
れたレバー５の他端に縦ロツド６の上端が連結さ
れている。縦ロツド６の下端は、機体に固定され
た駆動ユニツト７に昇降自在に設けられたラツク
８の上端に連結されている。ラツク８の下端はエ
アシリンダ９のピストンロツドに連結され、下向
きに付勢されており、レバー５のカムホロア４を
板カム３に追従させている。駆動ユニツト７には
ラツク８とかみ合うピニオン、クランク機構（図
示せず）を介して出力としてラツク軸１０にクラ
ンプ・アンクランプ方向、すなわち図では左右の
往復動を、スプライン軸１１に一定角度範囲の往
復回転を与える。クランプ・アンクランプ装置１
は、前者の運動によりフイードバー１２を受けて
いるフイードバー受１３にクランプ・アンクラン
プ運動、すなわち１対のフイードバー１２，１２
を互に接近・離隔させる運動を、後者によりフイ
ードバー受１３にリフト・ダウン運動を与える。

第２図において、クランプ・アンクランプ装置
１はプレスの両側に各１個が固設されている。ク
ランプ・アンクランプ装置１の下部には後述する
内輪軸３２が突出し、これにフイードバー１２，
１２の内幅を調整駆動するための軸１４が連結さ
れ、ギヤボツクス１５を介して正逆回転制御自在
のブレーキ付モータ１６に連結されている。

第３図、第４図及び第５図において、クラン
プ・アンクランプ装置１にはフイードバー受１
３，１３を昇降自在に保持した移動体１７，１７
がローラ１８に支持されてクランプ・アンクラン
プ方向に走行自在に設けられている。クランプ・
アンクランプ装置１の左右の中央部には移動体１
７，１７の間にユニツトケース１９が固設されて
いる。駆動ユニツト７に連結されたラツク軸１０
は右側の移動体１７を摺動自在に貫通し先端部に
第１のラツク２０が設けられている。第１のラツ
ク２０はユニツトケース１９に摺動自在に保持さ
れるとともに、ユニツトケース１９に回転自在に
設けられたアイドルギヤ２１とかみ合つている。
アイドルギヤ２１とかみ合う第１のギヤ２２がユ
ニツトケース１９に回転自在に設けられ、第１の
ギヤ２２には下方に伸びるシヤフト２３が固定さ
れている。シヤフト２３と同軸に第４のギヤ２４
が、また第４のギヤ２４とその下部でかみ合うた
て長の第２のギヤ２５及び第３のギヤ２６がユニ
ツトケース１９に回転自在に設けられている。移
動体１７，１７に夫々その一端を連結されユニツ
トケース１９によりクランプ・アンクランプ方向
に案内されている第２のラツク２７と第３のラツ
ク２８が第２のギヤ２５及び第３のギヤ２６の上
部にかみ合つている。シヤフト２３の下部にはこ
れと同心にハーモニツクドライブ装置２９が設け
られ、ハーモニツクドライブ装置２９の外輪３０
は第４のギヤ２４と、シヤフト２３の下端はスリ
ーブ３１と連結されている。ハーモニツクドライ
ブ装置２９の中心に回転自在に設けられた内輪軸
３２には楕円形の内輪３３が固定され、内輪３３
とスリーブ３１との間には可撓性のあるハーモニ
ツクベアリング３４が介在している。外輪３０の
内歯は、スリーブ３１の外歯と同ピツチの歯がき
ざまれており、かつ数個多い歯数を有し、内輪３
３の楕円形の長軸の両端部近傍でハーモニツクベ
アリング３４を介して押し出されたスリーブ３１
の外歯部分が外輪３０の内歯とかみ合い、楕円形
の短軸の両端部に近づくその他の部分ではかみ合
つていない。内輪軸３２の端部には前述の調整駆
動用の軸１４が連結されているので、ブレーキ付
モータ１６が回転すると、軸１４、内輪軸３２を
介して内輪３３が回転し、内輪３３が１回転する
ごとにスリーブ３１と外輪３０との歯のかみ合い
部分も順次移動して１回転し、外輪３０は歯数の
差だけ内輪３３と反対方向に回転し、第４のギヤ
２４をゆつくりと回転させる。

第２図、第３図及び第６図において、駆動ユニ
ツト７に連結されたスプライン軸１１は移動体１
７，１７及びユニツトケース１９の穴を貫通して
クランプ・アンクランプ方向に伸びクランプ・ア
ンクランプ装置１の機体に回転自在に支持されて
いる。移動体１７，１７にはスプライン軸１１に
摺動自在にかみ合い、移動体１７の機体により軸
方向に拘束されたギヤ３５が設けられている。移
動体１７，１７にはクランク軸３６が回転自在に
設けられ、これに固定されたギヤ３７がギヤ３５
とかみ合つている。クランク軸３６の偏心軸は移
動体１７に昇降自在に設けられたフイードバー受
１３の下部に設けられたカム溝３８に係合してい
る。従つてスプライン軸１１が一定回転角を往復
回転するとギヤ３５，３７を介してクランク軸３
６が回転しその偏心軸に係合したフイードバー受
１３は昇降する。

次に作用について述べる。第３図、第４図、第
５図及び第２図において、プレスが運転される場
合は第２図に示すブレーキ付モータ１６は停止し
ているので、軸１４、ギヤボツクス１５を介して
ハーモニツクドライブ装置２９の内輪軸３２は固
定されている。この状態で駆動ユニツト７に連結
されたラツク軸１０がクランプ・アンクランプ方
向に往復動すると、第１のラツク２０、アイドル
ギヤ２１、第１のギヤ２２、シヤフト２３を介し
てハーモニツクドライブ装置２９のスリーブ３１
が往復回転を行なう。スリーブ３１はハーモニツ
クベアリング３４を介して内輪３３の回りを回転
し、内輪３３の楕円の長軸部分でスリーブ３１の
外歯が外輪３０の内歯とかみ合つているので、ス
リーブ３１の回転はそのまゝ外輪３０に伝達され
る。すなわち、スリーブ３１と外輪３０とは等回
転で回る。外輪３０の往復回転は第４のギヤ２
４、第２のギヤ２５、第３のギヤ２６を介して第
２のラツク２７、第３のラツク２８を互に反対方
向に往復動させ、移動体１７，１７、フイードバ
ー受１３を介してフイードバー１２，１２にクラ
ンプ・アンクランプ運動を与える。

フイードバー１２，１２の内幅を調整する場合
は、プレスの運転を停止し、ラツク軸１０の運動
を固定し、ブレーキ付モータ１６を所要の方向に
回転させる。軸１４、ギヤボツクス１５を介して
プレス両側のクランプ・アンクランプ装置１の内
輪軸３２に等回転を与える。ラツク軸１０が固定
されているのでハーモニツクドライブ装置２９の
スリーブ３１は固定されている。内輪３３が回転
するとハーモニツクベアリング３４を介してスリ
ーブ３１の外歯と外輪３０の内歯とのかみ合い部
分が回転し、内輪３３の１回転ごとに外輪３０の
歯数とスリーブ３１の歯数との差ずつ外輪３０が
回転する。通常１あるいは２歯の差が設けられて
いるので外輪３０は緩やかに回転する。外輪の回
転は第４のギヤ２４を介して第２のギヤ２５、第
３のギヤ２６に伝えられ第２のラツク２７、第３
のラツク２８を互に反対方向に駆動し、移動体１
７，１７を所要の距離だけ接近或は離隔させる。
すなわち、フイードバー１２，１２の内幅を無段
階に調整することができる。内幅調整後ブレーキ
付モータ１６を停止させプレスを運転すれば、前
述のとおり、フイードバー１２，１２は調整され
た内幅を基点として接近・離隔運動を行う。

以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば３次元運動用のクランプ・アンクランプ装置に
機構的に無理なく装備することができ、構造が簡
単で、ハーモニツクドライブ装置の大きな減速比
を利用するので内幅調整が容易であるなど実用上
の効果と利点は極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図はプレスの一部断面の要部側面図、第２
図は同正面図、第３図はクランプ・アンクランプ
装置の要部を露出させた平面図、第４図は同要部
を断面とした側面図、第５図は第４図の−断
面図、第６図は第４図の−断面図である。 １はクランプ・アンクランプ装置、２はスライ
ド、３は板カム、４はカムホロア、５はレバー、
６は縦ロツド、７は駆動ユニツト、８はラツク、
９はエアシリンダ、１０はラツク軸、１１はスプ
ライン軸、１２はフイードバー、１３はフイード
バー受、１４は軸、１５はギヤボツクス、１６は
ブレーキ付モータ、１７は移動体、１８はロー
ラ、１９はユニツトケース、２０は第１のラツ
ク、２１はアイドルギヤ、２２は第１のギヤ、２
３はシヤフト、２４は第４のギヤ、２５は第２の
ギヤ、２６は第３のギヤ、２７は第２のラツク、
２８は第３のラツク、２９はハーモニツクドライ
ブ装置、３０は外輪、３１はスリーブ、３２は内
輪軸、３３は内輪、３４はハーモニツクベアリン
グ、３５はギヤ、３６はクランク軸、３７はギ
ヤ、３８はカム溝、である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フイードバー受を有する１対の移動体をラツク
   ピニオン機構により対向させて往復動させる構造
   のクランプ・アンクランプ装置において、何らか
   の駆動手段により往復動する第１のラツクをフイ
   ードバーと直角方向に設け、該第１のラツクとア
   イドルギヤを介してかみ合つている第１のギヤを
   ユニツトケース内に回転自在に設け、他方、前記
   夫々の移動体に連結された第２、第３のラツクと
   かみ合つた第２、第３のギヤを回転自在に設け、
   該これらのギヤと、前記第１のギヤを固定したシ
   ヤフトと同心で回転自在に設けられた第４のギヤ
   とをかみ合わせ、前記シヤフト下方に同心にハー
   モニツクドライブ装置を設け、該ハーモニツクド
   ライブ装置の外輪を前記第４のギヤに、スリーブ
   を前記シヤフトに夫々連結するとともに、内輪を
   調整駆動用の軸に連結したことを特徴とするフイ
   ードバー内幅無段階調整装置。