JPH0117004Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (1) 考案の技術分野 本考案はフロントカバー付きシステムタンク、
詳しくは熱交換を利用して得られる温水を蓄える
システムタンクとフロントカバーとの組立体に関
する。

(2) 技術の背景 システムタンクは、例えば太陽熱集熱器から供
給される高温の熱媒体との熱交換で得られる温水
を蓄える貯湯タンクである。

第１図は上記システムタンクの斜視図で、同図
において符号２は天板９に設けられた出湯口、３
および４は熱媒体循環用の配管接続口、また５は
給水口、６は排水口、そして７はフロントカバー
を示す。

かかるシステムタンク１においてフロントカバ
ー７は、タンク運転装置を塵や雨水などから守る
ためシステムタンク要部を覆うべく設けられたも
のであり、内部には運転系統を構成する膨張タン
ク、エアセパレータ、循環ポンプ、制御装置など
が配置されている。

(3) 従来技術と問題点 従来上記フロントカバー７は例えば四隅をネジ
で固定することによりシステムタンク１に取り付
けられていた。

しかし、このような取付け方法であると、点検
や熱媒体補給などの時におけるフロントカバー７
の取外しが容易でなく、設置場所に余裕がない場
合は特に不都合が生じ、作業が速やかに行なえな
い問題があつた。

また第１図に示す如くフロントカバー７に小窓
８が設けられているが、それのみでは運転装置全
体を十分に点検することができず、結局フロント
カバー７を取り外さなければならなかつた。なお
上記小窓８は通常ふたでふさがれていて、そのふ
たはフロントカバー７にネジで取り付けられる
か、もしくはヒンジを介して開閉できるような構
造になつている。

(4) 考案の目的 本考案は上記従来の問題に鑑み、開閉が容易で
あり、運転装置の点検サービスなどが速やかに行
なえるシステムタンクのフロントカバーを提供す
ることを目的とする。

(5) 考案の構成 そしてこの目的は本考案によれば、蓄熱用のシ
ステムタンクとフロントカバーとの組立体にし
て、当該システムタンクの天板および底板のそれ
ぞれにネジ用の穴を設けたヒンジ・固定具を取り
付け、フロントカバーに前記ヒンジ・固定具のネ
ジ穴と合致するネジ穴を設け、前記ヒンジ・固定
具のネジ穴とフロントカバーのネジ穴とを貫通す
るネジを配置し、該ネジ穴の径はそれぞれ該ネジ
の径よりも十分大に設定し、フロントカバーが取
り付けられた状態でフロントカバーの上部とヒン
ジ・固定具との間には空隙が形成される構成とし
たことを特徴とするフロントカバー付きシステム
タンクを提供することによつて達成され、またか
かるシステムタンクにおいて、前記フロントカバ
ーの内側には制御装置取付け板を設け、該取付け
板に制御装置を取り付けてもよい。

(6) 考案の実施例 以下本考案実施例を図面により説明する。

第２図は本考案に係わるフロントカバーの一部
切欠した斜視図で、同図を参照するとフロントカ
バー１１は、システムタンク１５の天板９および
底板１４にそれぞれ取り付けられた各２個ずつ合
計４個のヒンジ・固定具１２およびネジ１３ａと
１３ｂによつて取り付けられる。

そしてこれらフロントカバー１１、ヒンジ・固
定具１２およびネジ１３ａ，１３ｂの構成は、第
３図に一部切欠した側断面図で示す如く、ヒン
ジ・固定具１２に設けられたネジ穴１７ａおよび
１７ｂとフロントカバー１１に設けられたネジ穴
１６ａと１６ｂとをそれぞれ位置合せし、これに
ネジ１３ａおよび１３ｂを貫通させた構成とし、
また天板９に取り付けられたヒンジ・固定具１２
とフロントカバー１１との間には、フロントカバ
ー１１が上下方向に移動しうる空隙１８を形成す
る。そのためにはフロントカバー１１に設けられ
るネジ穴１６ａ，１６ｂの径はネジ１３ａ，１３
ｂの径よりもそれぞれ十分に大に設定し、さらに
ネジ１３ａは下部のネジ１３ｂより長いものを使
用し、またネジ１３ｂの長さはフロントカバー１
１の上方への移動によりネジ穴１６ｂの下方に位
置するよう設定する。

かかる構成であるから第４図にシステムタンク
１５の斜視図で示す如く、片側（図では向かつて
右側）のネジ１３ａおよび１３ｂをはずすことに
より他方のヒンジ・固定具１２を支点にして所望
の方向に（図示の場合には左方向に）フロントカ
バー１１を開くことができる。なお図において斜
線部２１には運転系統が配設されているが、その
詳細は省略してある。また図と逆方向に開く場合
には前記と逆の操作を行えばよい。

他方、フロントカバー１１をシステムタンク１
５から完全に取り外す場合には、下部のネジ穴１
６ｂがネジ１３ｂより上にくるまでフロントカバ
ー１１をそのまま上方へ移動し、次いでフロント
カバー１１の下部を手前に引き出した後、下方へ
移動させることによりネジ１３ａをネジ穴１６ａ
から外す。かかる手順によりネジ１３ａおよび１
３ｂをゆるめることなく容易にフロントカバー１
１を取り外すことができる。

以上のように本考案のフロントカバーは、左右
どちらにも開くことができ、また取外しも簡単で
あるため、設置場所に応じていずれかの方法を選
択することができ、場所の制約を免がれることが
できる。

第５図は内側より見た上記フロントカバー１１
の要部の斜視図で、同図に示す如くフロントカバ
ー１１の上部内側に制御装置取付け板２２を取り
付け、これにシステムタンクのための制御装置を
構成する制御基板２３などを配設する。またシス
テムタンクの作動状態を示す表示灯２５を上記制
御装置取付け板２２に設けた表示灯取付け部２４
によつて取り付ける。なおこの場合、フロントカ
バー１１には外部から点灯状態が確認できるよう
表示灯の配設位置に対応して穴を設ける。

第６図は上記制御装置取付け板２２と表示灯取
付け部２４の斜視図である。

制御装置を上述した配置とすることにより、膨
張タンクに熱媒体を補充注入するときに液が制御
装置にかかることがなく、また雨水が浸入したと
しても直接制御装置にかかることがなくなり短絡
などによる故障を防止することができる。

また制御装置の組立、点検、交換作業が容易と
なるほか、制御装置取付け板２２によりフロント
カバー１１の補強ができる利点がある。なお循環
ポンプなどへの配線は例えばフロントカバー１１
の側部内側に配設し、配線の長さを適宜設定する
ことにより配線がフロントカバー１１の開閉、取
外しを制約することのない構成とすることも可能
である。

(7) 考案の効果 以上詳細に説明した如く、本考案によれば、シ
ステムタンクの運転装置の保守点検が容易となる
ほか、点検に要する空間の確保も容易となるため
システムタンクの安定した使用が行なえる効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のシステムタンクの斜視図、第２
図は本考案に係わるフロントカバーの一部切欠し
た斜視図、第３図は当該フロントカバーの一部切
欠した側断面図、第４図は本考案に係わるフロン
トカバーを設けたシステムタンクの斜視図、第５
図は制御装置を内側に取り付けたフロントカバー
の要部斜視図、第６図は表示灯取付け部を設けた
制御装置取付け板の斜視図である。 １，１５……システムタンク、２……出湯口、
３，４……配管接続口、５……給水口、６……排
水口、７，１１……フロントカバー、９……天
板、１２……ヒンジ・固定具、１３ａ，１３ｂ…
…ネジ、１４……底板、１６ａ，１６ｂ，１７
ａ，１７ｂ……ネジ穴、２２……制御装置取付け
板、２３……制御基板、２４……表示灯取付け
部、２５……表示灯。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 蓄熱用のシステムタンク１５とフロントカバ
   ー１１との組立体にして、当該システムタンク
   の天板９および底板１４のそれぞれに、ネジ１
   ３ａ，１３ｂ用の穴１７ａ，１７ｂを設けたヒ
   ンジ・固定具１２を取り付け、フロントカバー
   １１に前記ヒンジ・固定具１２のネジ穴１７
   ａ，１７ｂと合致するネジ穴１６ａ，１６ｂを
   設け、前記ヒンジ・固定具１２のネジ穴１７
   ａ，１７ｂとフロントカバー１１のネジ穴１６
   ａ，１６ｂとを貫通するネジ１３ａ，１３ｂを
   配置し、該ネジ穴１６ａ，１６ｂの径はそれぞ
   れ該ネジ１３ａ，１３ｂの径よりも十分大に設
   定し、フロントカバー１１が取り付けられた状
   態でフロントカバーの上部とヒンジ・固定具１
   ２との間には空隙１８が形成される構成とした
   ことを特徴とするフロントカバー付きシステム
   タンク。 (2) 前記フロントカバー１１の内側には制御装置
   取付け板２２を設け、該取付け板に制御装置を
   取り付けたことを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項記載のフロントカバー付きシステ
   ムタンク。