JPH0116877B2 - - Google Patents

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JPH0116877B2
JPH0116877B2 JP55154617A JP15461780A JPH0116877B2 JP H0116877 B2 JPH0116877 B2 JP H0116877B2 JP 55154617 A JP55154617 A JP 55154617A JP 15461780 A JP15461780 A JP 15461780A JP H0116877 B2 JPH0116877 B2 JP H0116877B2
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pitch
solvent
mesophase
insoluble
reactor
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JP55154617A
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Masayoshi Kaji
Harunori Myazaki
Minoru Tateno
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明はメゾフエースピツチの製造法に関す
る。本発明は特に炭素成形物品の製造において有
用なメゾフエースピツチを製造するに当り、芳香
族系組成物を熱処理しながら生成するメゾフエー
スを該芳香族系組成物から比重差を利用して分離
回収することを特徴とするメゾフエースピツチの
製造法に関するものである。 近年、メゾフエースを高濃度に含有した芳香族
系組成物(メゾフエースピツチと称す)はその特
殊な性質、例えば高い結晶性を有しピツチとして
は、極限に近いコークス化収率を与える等の点が
着目され、その製造法或は応用面等で多くの研究
が行なわれている。応用面としては、例えば炭素
繊維原料、電極材料、黒鉛摺動材料、耐熱又は耐
薬品材料、或はバインダーピツチの固定炭素向上
材として使用されている。 一般にメゾフエースは芳香族系組成物が熱処理
される過程で一定の大きさの芳香族平面分子にま
で熱重合の進んだ分子が層状に配向して形成され
ると言われている。従つて芳香族系組成物例えば
ピツチのように巾広い分子量分布を持つ芳香族分
子の集合体においては、その高分子のものから順
にメゾフエースが形成されていくことになる。こ
のことは加熱により生成したメゾフエースはその
形成時期に差があるため各メゾフエースの熱履歴
は異つていることを示めしている。 さて一旦形成されたメゾフエースは更に芳香族
分子を取り込みながら、或は他のメゾフエースと
融合合体しながら成長するが、同時に水素を放出
しながら次第にその流動性を失ない、全体として
熱可塑性に乏しいピツチしか出来得ず、最終的に
は熱の不溶不融のコークスとなる。すなわち、ピ
ツチ中に生成するメゾフエースを高濃度にするた
めには、加熱を続行せねばならないという従来の
技術では、加熱に長時間要し、しかも、先に生成
したメゾフエースからコークス化が始まり、その
ため、しばしばコーキングトラブルが起るという
欠点を有していたのである。 そこで生成したメゾフエースのみを回収するこ
とが考えられている。その1つの方法として、ピ
ツチ中に含有されるメゾフエースを取り出し、炭
素材原料にすることが特公昭50―39633号に記載
されている。 この発明は一旦出来たメゾフエースを溶剤で溶
剤分別を行なつてメゾフエースのみを取り出し、
更に該メゾフエースを取り出した後のピツチを再
加熱して、新たにメゾフエースを生成させ、再度
溶剤分別を行なつて、メゾフエースのみを取り出
す。この操作を繰返して、粒径100μ以下のメゾ
フエースすなわちマイクロビーズを製造するとい
うものである。100μ以上のメゾフエースは小球
体同志が合体してしまいピツチ全体が異方性ばか
りとなつて固化し、炭化物となると説明されてい
る。 本発明者等は上記の如く生成したメゾフエース
を溶剤分別してピツチより回収するという方法を
行なうことなく高濃度で、しかも100μ以上のメ
ゾフエースを含有するメゾフエースピツチを製造
することを試みた。なお、ここで言うメゾフエー
スピツチとは前記特公昭50―39633号に記載され
ている様に溶剤で分離したメゾフエース(マイク
ロビーズ)ではなくメゾフエースを高濃度に含有
したピツチをさすものとする。 本発明者等が鋭意研究した結果、種々の芳香族
系組成物の熱処理を検討している間に、ピツチか
ら生成するメゾフエースは熱処理時間にほぼ比例
して増加して、大きく合体成長すること、そして
メゾフエースの比重がピツチのそれよりも大きい
ために100μ以上と大きく生長したものが順次速
やかに沈降して反応器低部にたまること、そして
沈降したメゾフエースを反応系外に取り出せば高
濃度にメゾフエースを含有したメゾフエースピツ
チが製造出来ることを発見した。この様にして製
造したメゾフエースピツチは、炭化すればコーク
スの歩留りが高く、焼結性に優れ、しかも結晶性
の良い易黒鉛化性カーボンが出来る。 この大きく合体成長したメゾフエースが、沈降
するという現象は、いずれのメゾフエースも沈降
分離するまでには、ほぼ一定の熱履歴を受けてい
ることを暗示しており、当該沈降メゾフエースを
連続的あるいは間歇的に回収してやれば均一で、
しかも過剰な熱履歴を受けていないメゾフエース
を高濃度に含有するメゾフエースピツチを得るこ
とが出来る。 本発明に用いられる芳香族系組成物としてのピ
ツチ組成物はメゾフエースが生成して速やかに合
体成長し、100μ以上の大きな領域を形成するよ
うなものであることが好ましく、その意味でメゾ
フエースの合体成長を阻害するキノリンに不溶の
固体粒子を多量に含有するピツチは不適である。
従つてキノリンに不溶の固体粒子が少ない芳香族
系組成物を使用するか、または該固体粒子を多く
含有する原料を使用する場合は、あらかじめ該固
体粒子を過等の手段で除去しておく必要があ
る。 本発明の実施においては、生成するメゾフエー
スは、比重差により反応器の底部に沈降するため
直接機械的に回収することが可能である。しかも
該反応器底部に沈降するメゾフエースは容器内で
の滞留時間が長い程ピツチ相との置換が進行する
ことから、メゾフエースピツチの回収速度或は回
収の間隔を変えることによつて種々のメゾフエー
スの濃度を有するメゾフエースピツチを製造する
こともできる。 次に本発明について詳述する。すなわち本発明
は 1 芳香族系組成物を実質的に酸素の存在しない
雰囲気下において、340℃〜500℃の温度範囲で
熱処理し、メゾフエースを形成せしめながら、
該メゾフエースを芳香族系組成物との比重差を
利用して沈降せしめて、分離回収することを特
徴とするメゾフエースピツチの製造法。 2 芳香族系組成物がキノリン不溶分の固体粒子
が0.5重量%以下の芳香族系組成物である特許
請求の範囲第1項記載のメゾフエースピツチの
製造法。 3 芳香族系組成物を溶媒処理した溶媒処理芳香
族系組成物を実質的に酸素の存在しない雰囲気
下において、340℃〜500℃の温度範囲で熱処理
し、メゾフエースを形成せしめながら、該メゾ
フエースを芳香族系組成物との比重差を利用し
て沈降せしめて分離回収することを特徴とする
メゾフエースピツチの製造法。 4 溶媒処理芳香族系組成物とはキノリン不溶分
の固体粒子が0.5重量%以下の芳香族系組成物
を溶媒処理した、該固体粒子が0.5重量%以下
の溶媒処理芳香族系組成物、又はキノリン不溶
分の固体粒子を0.5重量%以上含む芳香族系組
成物を過又は遠心分離等により該固体粒子を
除去した芳香族系組成物を溶媒処理したキノリ
ン不溶分の固体粒子が0.5重量%以下の溶媒処
理芳香族系組成物、或はキノリン不溶分の固体
粒子が0.5重量%以上の芳香族系組成物を溶媒
処理した溶媒処理芳香族系組成物を過又は遠
心分離等により該固体粒子を0.5重量%以下に
するか、又は、溶媒処理のみで固体粒子が0.5
重量%以下になつた場合はそのままの溶媒処理
芳香族系組成物である特許請求の範囲第3項記
載のメゾフエースピツチの製造法。 5 芳香族系組成物の溶媒処理に使用する溶媒が
脂肪族系及び芳香族系溶媒であることを特徴と
する特許請求の範囲第3項記載のメゾフエース
ピツチの製造法。 6 溶媒処理して得た溶媒処理芳香族系組成物
が、該溶媒によりピツチゾーンにおいて沈降す
る不溶性相である特許請求の範囲第3項記載の
メゾフエースピツチの製造法。 7 溶媒処理して得た溶媒処理芳香族系組成物
が、該溶媒によりピツチゾーンにおいて沈降す
る不溶性相以外の成分である特許請求の範囲第
3項記載のメゾフエースピツチの製造法。 8 メゾフエースピツチの回収を連続的或は断続
的に行なうことを特徴とする特許請求の範囲第
1項及び第3項記載のメゾフエースピツチの製
造法。 9 メゾフエースピツチの沈降部位の温度を撹拌
部位より温度を低く保ちながら熱処理すること
を特徴とする特許請求の範囲第1項及び第3項
記載のメゾフエースピツチの製造法。 の2発明である。 本発明で使用する原料である0.5重量%以下の
キノリン不溶分である固体粒子を含む芳香族系組
成物を340℃〜500℃の温度範囲で加熱するとメゾ
フエースが生成するがそのメゾフエースは芳香族
系組成物であるピツチ相との比重差により沈降す
る。 通常は、メゾフエースを増大させるために加熱
処理を継続するが、全体の系としてはメゾフエー
スの量があまり増大しないうちにメゾフエースの
一部がコークス化してしまう。しかし、本発明の
ように沈降するメゾフエースを反応器の底部に集
めて系外に取り出せば、そのものの濃度はかなり
高いままで回収することができる。 本発明は溶媒で処理したコールタール又はコー
ルタールピツチを原料とするものである。原料で
あるコールタール又はコールタールピツチを溶媒
処理することで、該コールタール又はコールター
ルピツチを分子量の大小で2分するように成分調
整する。すなわち特開昭51―66901号を用いた溶
媒を使用して、そのピツチゾーンにおける沈降物
又はその上澄液を使用する。なお、クリスタルゾ
ーン又はスラリゾーンに於て生成する不溶解物質
又その上澄液をも使用することができる。こうす
ることにより沈降物或はその上澄液は分子量が或
は構造式の似た成分に調整される。上澄液におい
ては、分子量が比較的小さい方に調整される。 従来は分子量の大きなものから小さなものまで
巾広く含有していた芳香族系組成物であるピツチ
を同一条件で加熱したため前述の如きメゾフエー
スの生成が不均一になつたのであるが、本発明の
ように芳香族系組成物であるピツチに含む分子量
を2分して、それぞれを加熱することによりメゾ
フエースの生成する時期をできるだけ揃えるよう
にする。そして実質的に酸素の存在しない覆囲気
下の反応器において、340℃〜500℃の温度範囲で
熱処理を継続しつつ、直径100μ以上のメゾフエ
ースを形成せしめながら該メゾフエースを比重差
を利用して当該反応器の底部に沈降せしめてメゾ
フエースを高濃度に含有するメゾフエースピツチ
を分離回収する。こうすればメゾフエースの生成
を均一にすることができ、しかもかなり粒子径の
そろつたメゾフエースを含有したメゾフエースピ
ツチを製造することができる。ここで本発明で行
なうコールタール又はコールタールピツチの溶媒
処理について説明する。特開昭51―66901号にそ
の概念は説明してあるが、ここにその要部を引用
する。 本発明者等は、従来より知られている芳香族系
組成物であるピツチ類の溶剤分析を詳細に検討し
ている間に、以下に述べる重大な事実を発見し
た。すなわち、例えばコールタールのような芳香
族系組成物を溶剤分析するに当り、その組成物と
芳香族系溶媒に対して貧溶媒である脂肪族系溶媒
を、その組成物に加温状態で芳香族系溶媒と同時
に混合し、次いで放冷または冷却することにより
不溶性相物質が生成する。ただし、この時の各溶
媒の組合せと芳香族系組成物との構成比率は適当
に選択しなければならない。 芳香族系組成物に対する溶媒の混合による不溶
性相の析出状態の理解のために、組成図を用いて
説明する。以下、本文中の記号は、その時点での
第1図中の組成点に対応する。 芳香族系組成物と芳香族溶媒を、その溶媒の沸
点以下の温度に加熱しながら混合し、放冷または
冷却する(A点)。この混合物は、通常常温では
液状である。これに脂肪族系溶媒を徐々に添加し
て行くと、B点で板状結晶様の不溶性相の析出が
始まる。さらに脂肪族系溶媒を加え続けると、C
点では析出した不溶性相は粘着性を帯び始め、D
点では黒色ピツチ状物質が容器の底部に沈着する
ようになる。D点以後は、脂肪族系溶媒を加え続
けても、不溶性相の状態は変化しない。D点の組
成物に、芳香族系溶媒を混合加熱し、放冷または
冷却すると、E点で再び粘着性のある板状結晶様
の不溶性相が析出し、さらに芳香族系溶媒を加え
ると、粘着性のない板状結晶様の不溶性相となる
(F点)。次いで加える溶媒を、脂肪族系に戻す
と、G点に至り不溶性相は粒状に変わり始め、H
点以後では全て粒状になる。 このような溶媒の混合による不溶性相の析出状
態の変化において、A点からB点までの領域は、
場合によつては油状のものが沈降するので、オイ
リゾーンと称する。B点からC点までの領域では
板状結晶様の析出物となるので、クリスタルゾー
ンと称し、D点の存在する領域では黒色ピツチ状
物質が現われるので、ピツチゾーンと称する。前
述の説明通り、E点からF点を経てG点に至る間
は、再びクリスタルゾーンであるが、H点の存在
する領域での不溶性相はスラリ状を呈するので、
スラリゾーンと称する。 ピツチゾーンでの析出物は粘着性があり黒色ピ
ツチ状を呈し、容器底部に一体となつて沈澱し、
通常芳香族系組成物の軟化点(R&B法)以上の
軟化点を示すが、不溶性相の分離そのものは極め
て容易である。これは脂肪族系溶媒の添加による
効果である。 一方、上澄液は該溶媒に溶解しているか或はコ
ロイド分散している成分で粘着性の乏しい黒色液
体である。すなわち溶媒を用いて芳香族系組成物
であるピツチを該溶媒により沈降する成分と上澄
液とに分けるのである。これ等の各領域の範囲は
使用する溶媒の組合せによつても変わる。その例
を第1表例1、例2に示す。第2表に例挙するよ
うな相互に完全には溶解せず或る割合の組成で
は、一方の成分が析出するような溶媒の組合せに
おいては、芳香族系組成物と芳香族系溶媒を混合
し、次いで脂肪族系溶媒を混合する際、その添加
につれて同様に不溶性相を析出させることも出来
る。
【表】
【表】
【表】 芳香族系組成物としては、例えばコールタール
またはコールタールピツチを出発原料とし、それ
に芳香族系溶媒と脂肪族系溶媒とを、常圧下常温
から140℃で混合すると、前述の組成図のピツチ
ゾーンにおいて、該溶媒に溶けない不溶性相が生
ずる。一方その上澄液は該溶媒に溶解している
か、或はコロイド分散しているものとなる。本発
明においてはこの芳香族系組成物を溶媒処理し
て、2つの成分に別けて、それぞれ本発明の原料
として使用するが、キノリン不溶分である固体粒
子を0.5重量%以上含む原料からの不溶性相を使
用する場合は、過等の手段で、該原料又は溶媒
処理によりピツチゾーンで析出した不溶性相中に
含まれるキノリンに不溶の固体粒子を除去する。
又、溶媒処理のみで該固体粒子が0.5重量%以下
になつた場合はそのまま原料として使用する。 本発明に使用するコールタールとは、石炭の高
温乾留時に生成するもので、またコールタールピ
ツチとは、これを蒸留し軽質油分を留去したもの
である。使用する芳香族系溶媒は、何ら限定され
るものではなく、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ナフタレン、アントラセン、フエナントレン
あるいはそれらの混合物等、構成成分が芳香族炭
化水素であればよいが、通常コールタール蒸留で
得られるクレオソート油、アントラセン油或はデ
イレードコーカー副生油など比較的重質油が好ま
しい。一方、脂肪族系溶媒においても、n―ヘキ
サン、ナフサ、灯軽油、燃料重油等、構成成分が
脂肪族炭化水素であれば何ら限定されることはな
い。分離帯域における不溶性相又は上層部の回収
には、静置分離、液体サイクロン、過、遠心分
離等或はそれ等の組み合せ方式が採用出来る。更
に溶媒処理芳香族系組成物の特性を高めるために
本発明では常圧或は減圧蒸留操作を行ない、使用
した溶媒等の低沸点分を除去する。 この様にして調整された不溶性相或は上澄液を
340℃から500℃の温度で熱処理するが、前述の如
く分子量が揃つているために該加熱により均質な
メゾフエースが形成される。加熱温度が500℃以
上であると、結晶化の進行程度をコントロールす
るには、結晶化への速度が早すぎるので、あまり
適当であるとは言えない。340℃以下の加熱温度
でも良いが、メゾフエースを形成させるには時間
がかかり過ぎる。 処理温度を高くすればするほどメゾフエースの
生成が早くなり、大径メゾフエースとなる。いづ
れの場合も蒸留して事前に溶剤処理した原料ピツ
チを濃縮しておけば、該加熱時間を短縮すること
が出来る。該原料中のキノリン不溶分である固体
粒子が存在すると前述の如くメゾフエースの発達
が阻害される。キノリンに不溶の固体粒子が0.5
重量%以下であればさしてメゾフエースの生長を
阻害することはないが、0.5重量%以上のキノリ
ンに不溶の固体粒子を含む場合は過又は遠心分
離等の手段で該固体粒子を除去しなければならな
い。 本発明において使用する溶媒処理芳香族系組成
物で溶媒処理前或は処理後においてキノリン不溶
分である固体粒子を過等の手段を用いて、キノ
リン不溶分である固体粒子を0.5重量%以下にな
る様にする。 第二の発明の原料において、溶媒処理前にキノ
リン不溶分である固体粒子を除去すれば、溶媒処
理後の不溶性相或は上澄液には該固体粒子は含ま
れない。該原料を溶媒処理した後においてもキノ
リン不溶分である固体粒子を含む場合は、過又
は遠心分離等で該固体粒子を除去する必要があ
る。 本発明において、はじめて100μ以上のメゾフ
エースをピツチ相との比重差を利用して分離し
て、メゾフエースを高濃度に含有するメゾフエー
スピツチを製造することが可能になつた。 本発明の実施における反応器は安定した沈降層
を形成するために縦長のものが良い。撹拌は
100μ以上の粒径を有するメゾフエースの沈降を
さまたげない程度の撹拌にとどめておくべきであ
る。反応器の底部の温度は反応器の上段部の温度
より低く保つ様にして沈降したメゾフエースのコ
ークス化を抑制する様にする。 本発明の実施においては縦長の反応器(長さ:
径=3:1)を用い、撹拌は周速で0.3m/secで
良好な結果を得ている。一つの反応器で撹拌を2
段以上設ける場合は下段の撹拌は上段のそれより
も遅くする。又、反応器を多段に設けることも可
能である。第一の反応器に原料を挿入し、非酸化
性の雰囲気中で340℃〜500℃の温度で加熱する。
そして比重差により沈降したメゾフエースを第一
の反応器の底部より第二の反応器に移し、更に加
熱して高濃度にメゾフエースを含有したメゾフエ
ースピツチを得ることも出来る。 次にこのメゾフエースの沈降する状態を実験例
でもつて説明する。 実 験 キノリンに不溶の固体粒子の含有率が0.04重量
%、軟化点89℃のコールタールピツチを縦長(長
さ:径=3:1)の円筒型反応器にとり、ゆるや
かに撹拌(周速:0.3m/sec)しながら窒素雰囲
気の常圧下420℃で5時間の熱処理を行なつた後、
該反応器の上段部、中段部及び底部よりピツチを
サンプリングして溶剤分析(JISK―2425)によ
りトルエン不溶分及びキノリン不溶分を定量し
た。その結果は次の通りであつた。
【表】 下方になるほど不溶分が増加しておりメゾフエ
ースが沈降して反応器の底部に濃縮されることが
わかる。 従つて下部に沈降したメゾフエースピツチを系
外に取り出しながら、残りのピツチを加熱すれ
ば、連続的にメゾフエースを高濃度に含有したメ
ゾフエースピツチを取り出すことが出来る。 次に実施例でもつて説明する。 実施例 1 脂肪族系及び芳香族系の混合溶媒で溶媒処理
し、沈降する不溶性相を除去して得られたキノリ
ンに不溶の固体粒子の含有率が0.05重量%、軟化
点90℃のコールタールピツチを底部がコーン状の
縦長反応器に採り、ゆるやかな撹拌(周速0.3
m/sec)を行ないながら窒素雰囲気の常圧下、
420℃で熱処理を行なつた。熱処理開始より4時
間後に比重差で沈降したメゾフエースピツチを、
該反応器の底部よりサンプリングを行ない、その
後1時間毎にサンプリングして、メゾフエースを
高濃度に含有するメゾフエースピツチを回収し
た。取り出したメゾフエースピツチを溶剤分析
(JISK―2425)した。分析結果を第3表に示め
す。
【表】
【表】 実施例 2 実施例1と同様の原料、及び反応器を用いて実
施例1と同様の条件下で熱処理を行なつた。熱処
理開始より5時間後に比重差で沈降したメゾフエ
ースを反応器の底部より採取し、その後2時間毎
に採取を続けて得たメゾフエースピツチを溶剤分
析(JIS K―2425)した。分析結果を第4表に示
めす。
【表】 この様に反応器内でのメゾフエースピツチの滞
留時間が長いほどメゾフエースの濃度が高くなる
ことがわかる。 実施例 3 軟化点25℃、キノリンに不溶の固体粒子を2.1
重量%を含むコールタール軟ピツチ1部に芳香族
系軽油(JIS K―2254による初留点191℃、乾点
328℃)を1/5部加え、120℃で過を行ない96重
量%の回収率で液を得た。 この液1部に対して工業用ガソリン(JIS K
―2201)を1/2部加え、70℃で加熱混合し、ピツ
チ状の不溶性相を回収し、減圧蒸留して、軟化点
90℃、キノリンに不溶の固体粒子0.03%の溶媒処
理ピツチを得た。 この溶媒処理芳香族系組成物であるピツチを実
施例1で使用したと同じ反応器に採り、上段撹拌
機の周速度と下段撹拌機の周速度とを3:1(上
段0.6m/sec、下段0.2m/sec)にして、400℃で
熱処理を行なつた。熱処理開始より4時間後に比
重差で沈降したメゾフエースピツチを反応器底部
よりサンプリングを行ない、その後1時間毎にサ
ンプリングしてメゾフエースを高濃度に含有する
メゾフエースピツチを回収した。取り出したメゾ
フエースピツチを実施例1と同様分析した。分析
結果を第5表に示めす。
【表】 メゾフエースピツチを偏光顕微鏡で観察したと
ころ直径150μの粒子径のそろつたメゾフエース
が視野全体に見られた。 実施例 4 実施例3でピツチ状の不溶性相を回収した上澄
液を減圧蒸留して、軟化点85℃のキノリンに不溶
の固体粒子が0.02重量%の溶媒処理ピツチを回収
した。このピツチを実施例3で使用したと同じ反
応器に採り、上段撹拌機の周速度と下段撹拌機の
周速度とを3:1にして、400℃で熱処理を行な
つた。熱処理開始より4時間後に比重差で沈降し
たメゾフエースピツチを反応器底部よりサンプリ
ングを行ない、その後1時間毎にサンプリングし
てメゾフエースを高濃度に含有するメゾフエース
ピツチを回収した。取り出したメゾフエースピツ
チを実施例3と同様分析した。分析結果を第6表
に示めす。
【表】 該メゾフエースピツチを偏光顕微鏡で観察した
ところ視野全面にわたつて直径130μ以上の粒子
径のそろつたメゾフエースが観察された。 比較例 キノリンに不溶の固体粒子の含有率が2.4重量
%、軟化点88℃のコールタールピツチを実施例1
と同様に熱処理を行ない、次いでサンプリングし
て得られたメゾフエースピツチを分析した。分析
結果を第7表に示めす。 実施例と比較してメゾフエースに相当すると考
えられる各不溶分の比率が小さくメゾフエースは
沈降せずしかも、メゾフエースの濃度が増大して
いないことがわかる。
【表】 実施例からもわかる様に、本発明は生成するメ
ゾフエースをピツチとの比重差を利用して反応器
の底部に沈降させ、メゾフエースを高濃度に含有
したメゾフエースピツチを製造するものであり、
炭素繊維或は電極用材料等の原料として利用価値
の高いものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、芳香族系組成物に対する溶媒の混合
比率と不溶性物質の析出状態を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 コールタール又はコールタールピツチを芳香
    族系溶媒と脂肪族系溶媒との混合溶媒で処理して
    沈降する不溶性相と上澄液相の2つの成分にし、
    キノリン不溶分の固体粒子が0.5重量%以下に調
    整したものを実質的に酸素の存在しない雰囲気の
    反応器において、340℃〜500℃の温度範囲の熱処
    理を継続しつつ、メゾフエースを形成せしめなが
    ら、該メゾフエースを比重差を利用して当該反応
    器の底部に沈降せしめてメゾフエース高濃度に含
    有するメゾフエースピツチを分離回収することを
    特徴とするメゾフエースピツチの製造法。 2 溶媒処理して成分調整したものが、該溶媒に
    よりピツチゾーンにおいて沈降する不溶性相であ
    る特許請求の範囲第1項記載のメゾフエースピツ
    チの製造法。 3 溶媒処理して成分調整したものが、該溶媒に
    よりピツチゾーンにおいて沈降する不溶性相以外
    の成分である特許請求の範囲第1項記載のメゾフ
    エースピツチの製造法。 4 メゾフエースピツチの沈降部位の温度を上部
    の撹拌熱処理部位より温度を低く保ちながら熱処
    理することを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載のメゾフエースピツチの製造法。
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