JP2782193B2 - メソカーボンマイクロビーズの乾燥方法 - Google Patents
メソカーボンマイクロビーズの乾燥方法Info
- Publication number
- JP2782193B2 JP2782193B2 JP63034551A JP3455188A JP2782193B2 JP 2782193 B2 JP2782193 B2 JP 2782193B2 JP 63034551 A JP63034551 A JP 63034551A JP 3455188 A JP3455188 A JP 3455188A JP 2782193 B2 JP2782193 B2 JP 2782193B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mesocarbon microbeads
- drying
- dried
- dry
- washed
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- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
- Coke Industry (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、高密度で高強度の等方性カーボン材料や各
種の複合材料の原料となる乾燥メソカーボンマイクロビ
ーズおよびメソカーボンマイクロビーズの乾燥方法に関
する。
種の複合材料の原料となる乾燥メソカーボンマイクロビ
ーズおよびメソカーボンマイクロビーズの乾燥方法に関
する。
従来技術とその問題点 コールタール、コールタールピッチなどの石炭系重質
油を熱処理することにより得られる粗メソカーボンマイ
クロビーズは、洗浄により精製し、乾燥した後、例え
ば、放電加工用電極、メカニカルシールなどの高密度で
高強度の等方性カーボン材料の原料などとして利用され
ている。従来、洗浄されたメソカーボンマイクロビーズ
の乾燥は、乾燥時間の短縮及び乾燥時のメソカーボンマ
イクロビーズの凝集防止のために、空気含有雰囲気中で
行われている。しかしながら、この様な従来法により乾
燥されたメソカーボンマイクロビーズを例えば等方性カ
ーボン材料の原料として使用する場合には、必要以上の
酸化を受けているため、製品の強度が低下するなどの弊
害が生ずる。
油を熱処理することにより得られる粗メソカーボンマイ
クロビーズは、洗浄により精製し、乾燥した後、例え
ば、放電加工用電極、メカニカルシールなどの高密度で
高強度の等方性カーボン材料の原料などとして利用され
ている。従来、洗浄されたメソカーボンマイクロビーズ
の乾燥は、乾燥時間の短縮及び乾燥時のメソカーボンマ
イクロビーズの凝集防止のために、空気含有雰囲気中で
行われている。しかしながら、この様な従来法により乾
燥されたメソカーボンマイクロビーズを例えば等方性カ
ーボン材料の原料として使用する場合には、必要以上の
酸化を受けているため、製品の強度が低下するなどの弊
害が生ずる。
問題点を改善するための手段 本発明者は、上記の如き従来技術の問題点に鑑みて種
々研究を重ねた結果、乾燥によるメソカーボンマイクロ
ビーズの酸素増加量が1%以下となるように、洗浄済み
のメソカーボンマイクロビーズを乾燥する際の雰囲気中
の酸素含濃度を抑制する場合には、βレジン含有量の減
少を実質的に抑制し得ることを見出した。
々研究を重ねた結果、乾燥によるメソカーボンマイクロ
ビーズの酸素増加量が1%以下となるように、洗浄済み
のメソカーボンマイクロビーズを乾燥する際の雰囲気中
の酸素含濃度を抑制する場合には、βレジン含有量の減
少を実質的に抑制し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、下記のメソカーボンマイクロビ
ーズおよびその乾燥方法を提供するものである: 石炭系重質油を熱処理し、生成した粗メソカーボンマ
イクロビーズを分離し、洗浄精製し、乾燥するに際し、
洗浄精製したメソカーボンマイクロビーズを加熱下に酸
素含有量を抑制した不活性ガス雰囲気中で乾燥し、乾燥
によるメソカーボンマイクロビーズの酸素増加量を1%
以下とすることを特徴とするメソカーボンマイクロビー
ズの乾燥方法; 及び 乾燥による酸素増加量が1%以下である乾燥メソカー
ボンマイクロビーズ。
ーズおよびその乾燥方法を提供するものである: 石炭系重質油を熱処理し、生成した粗メソカーボンマ
イクロビーズを分離し、洗浄精製し、乾燥するに際し、
洗浄精製したメソカーボンマイクロビーズを加熱下に酸
素含有量を抑制した不活性ガス雰囲気中で乾燥し、乾燥
によるメソカーボンマイクロビーズの酸素増加量を1%
以下とすることを特徴とするメソカーボンマイクロビー
ズの乾燥方法; 及び 乾燥による酸素増加量が1%以下である乾燥メソカー
ボンマイクロビーズ。
本発明における乾燥工程以前の工程は、公知の方法に
したがって行えば良い。すなわち、粗メソカーボンマイ
クロビーズは、常法にしたがって、石炭系重質油を熱処
理することにより得られる。次いで、得られた粗メソカ
ーボンマイクロビーズは、例えば、遠心分離処理によ
り、固形分として清澄液から分離された後、適当な溶剤
により洗浄される。この様な粗メソカーボンマイクロビ
ーズの製造、分離及び洗浄方法の一例は、特開昭60−51
612号に開示されている。ただし、粗メソカーボンマイ
クロビーズの製造から分離及び洗浄に至る過程は、特に
限定されず、任意の方法により実施可能である。
したがって行えば良い。すなわち、粗メソカーボンマイ
クロビーズは、常法にしたがって、石炭系重質油を熱処
理することにより得られる。次いで、得られた粗メソカ
ーボンマイクロビーズは、例えば、遠心分離処理によ
り、固形分として清澄液から分離された後、適当な溶剤
により洗浄される。この様な粗メソカーボンマイクロビ
ーズの製造、分離及び洗浄方法の一例は、特開昭60−51
612号に開示されている。ただし、粗メソカーボンマイ
クロビーズの製造から分離及び洗浄に至る過程は、特に
限定されず、任意の方法により実施可能である。
洗浄されたメソカーボンマイクロビーズは、酸素濃度
を一定値以下に制御した雰囲気中で50〜200℃の加熱下
に0.5〜20時間程度乾燥処理される。乾燥雰囲気中の酸
素濃度は、乾燥温度、乾燥時間などにより変わるが、乾
燥後のメソカーボンマイクロビーズの酸素増加量が1%
以下となる様な酸素濃度であれば特に限定されない。乾
燥雰囲気ガスとしては、窒素、アルゴンなどの不活性ガ
スを主とするものを使用する。乾燥は、ロータリーエバ
ポレーター、パドルドライヤー、減圧式乾燥機などを使
用して、撹拌下に行うことが好ましい。
を一定値以下に制御した雰囲気中で50〜200℃の加熱下
に0.5〜20時間程度乾燥処理される。乾燥雰囲気中の酸
素濃度は、乾燥温度、乾燥時間などにより変わるが、乾
燥後のメソカーボンマイクロビーズの酸素増加量が1%
以下となる様な酸素濃度であれば特に限定されない。乾
燥雰囲気ガスとしては、窒素、アルゴンなどの不活性ガ
スを主とするものを使用する。乾燥は、ロータリーエバ
ポレーター、パドルドライヤー、減圧式乾燥機などを使
用して、撹拌下に行うことが好ましい。
発明の効果 かくして得られた乾燥メソカーボンマイクロビーズ
は、酸素増加量が1%以下に抑制されており、βレジン
の減少量は比較的少ない。したがって、例えば、これを
原料として等方性カーボン材料を製造する場合には、曲
げ強度などの機械的特性に優れた製品が得られる。
は、酸素増加量が1%以下に抑制されており、βレジン
の減少量は比較的少ない。したがって、例えば、これを
原料として等方性カーボン材料を製造する場合には、曲
げ強度などの機械的特性に優れた製品が得られる。
実 施 例 以下実施例を示し、本発明の特徴とするところをより
一層明らかにする。
一層明らかにする。
実施例1〜2 特開昭60−51612号公報の実施例1に記載された方法
により得たベンゼン洗浄メソカーボンマイクロビーズ10
0gをロータリーエバポレーター(容量1000ml)を使用し
て、室温下0.9/分の雰囲気ガスで30分間系内をパー
ジシ、続いて同量の雰囲気ガスを吹き込みつつ、130℃
で1時間回転乾燥して、乾燥メソカーボンマイクロビー
ズを得た。この乾燥メソカーボンマイクロビーズの200
℃、2時間における低温揮発分は、0.3%であった。
により得たベンゼン洗浄メソカーボンマイクロビーズ10
0gをロータリーエバポレーター(容量1000ml)を使用し
て、室温下0.9/分の雰囲気ガスで30分間系内をパー
ジシ、続いて同量の雰囲気ガスを吹き込みつつ、130℃
で1時間回転乾燥して、乾燥メソカーボンマイクロビー
ズを得た。この乾燥メソカーボンマイクロビーズの200
℃、2時間における低温揮発分は、0.3%であった。
吹き込みガスは、N2(実施例1)及びN2:空気=0.7:
0.2(モル比)の混合ガス(実施例2)を使用した。
0.2(モル比)の混合ガス(実施例2)を使用した。
乾燥メソカーボンマイクロビーズの物性を比較例1〜
2の結果とともに第1表に示す。
2の結果とともに第1表に示す。
次いで、乾燥メソカーボンマイクロビーズを直径37.5
mm、厚さ10mmの円板状に1.5ton/cm2の圧力で成形した。
得られた成形体を不活性雰囲気中150℃/hrの速度で1000
℃まで昇温し、同温度で1時間保持した後、500℃/hrの
速度で2800℃まで昇温し、同温度で20分間保持した。か
くして得られた黒鉛化焼成体から10mm×10mm×30mmのテ
ストピースを切り出し、物性を測定した。
mm、厚さ10mmの円板状に1.5ton/cm2の圧力で成形した。
得られた成形体を不活性雰囲気中150℃/hrの速度で1000
℃まで昇温し、同温度で1時間保持した後、500℃/hrの
速度で2800℃まで昇温し、同温度で20分間保持した。か
くして得られた黒鉛化焼成体から10mm×10mm×30mmのテ
ストピースを切り出し、物性を測定した。
第2表に成形体の密度、黒鉛化焼結体の密度及び曲げ
強度を比較例1〜2の結果とともに示す。
強度を比較例1〜2の結果とともに示す。
比較例1 N2:空気=0.5:0.4(モル比)の混合ガス吹き込みガス
として使用する以外は実施例1と同様にして、乾燥メソ
カーボンマイクロビーズを得た後、実施例1と同様にし
て成形体を作り、次いで黒鉛化品を得た。
として使用する以外は実施例1と同様にして、乾燥メソ
カーボンマイクロビーズを得た後、実施例1と同様にし
て成形体を作り、次いで黒鉛化品を得た。
比較例2 N2:空気=0.7:0.2(モル比)の混合ガス吹き込みガス
として使用するとともに乾燥温度を150℃とする以外は
実施例1と同様にして、乾燥メソカーボンマイクロビー
ズを得た後、実施例1と同様にして成形体を作り、次い
で黒鉛化品を得た。
として使用するとともに乾燥温度を150℃とする以外は
実施例1と同様にして、乾燥メソカーボンマイクロビー
ズを得た後、実施例1と同様にして成形体を作り、次い
で黒鉛化品を得た。
第1表及び第2表に示す結果から、乾燥メソカーボン
マイクロビーズ酸素増加量が1%以下の場合には、曲げ
強度に極めて優れた黒鉛化品が得られることが明らかで
ある。
マイクロビーズ酸素増加量が1%以下の場合には、曲げ
強度に極めて優れた黒鉛化品が得られることが明らかで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 喜照 大阪府大阪市東区平野町5丁目1番地 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 加賀城 俊正 大阪府大阪市東区平野町5丁目1番地 大阪瓦斯株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−51612(JP,A) 特開 昭54−133513(JP,A) 特開 昭54−157791(JP,A) 特開 昭57−78486(JP,A) 特公 昭49−24348(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10C 3/02,3/04,3/10 C10B 57/04 C01B 31/02
Claims (1)
- 【請求項1】石炭系重質油を熱処理し、生成した粗メソ
カーボンマイクロビーズを分離し、洗浄精製し、乾燥す
るに際し、洗浄精製したメソカーボンマイクロビーズを
加熱下に酸素含有量を抑制した不活性ガス雰囲気中にお
いて温度50〜130℃で乾燥し、乾燥によるメソカーボン
マイクロビーズの酸素増加量を1%以下とすることを特
徴とするメソカーボンマイクロビーズの乾燥方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63034551A JP2782193B2 (ja) | 1988-02-17 | 1988-02-17 | メソカーボンマイクロビーズの乾燥方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63034551A JP2782193B2 (ja) | 1988-02-17 | 1988-02-17 | メソカーボンマイクロビーズの乾燥方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01212207A JPH01212207A (ja) | 1989-08-25 |
JP2782193B2 true JP2782193B2 (ja) | 1998-07-30 |
Family
ID=12417444
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63034551A Expired - Lifetime JP2782193B2 (ja) | 1988-02-17 | 1988-02-17 | メソカーボンマイクロビーズの乾燥方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2782193B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1993002988A1 (en) * | 1991-08-02 | 1993-02-18 | Osaka Gas Company Ltd. | Process for producing sintered mesocarbon microbeads and quality control therefor |
CN114963693A (zh) * | 2022-04-19 | 2022-08-30 | 河北言明化工设备有限公司 | 中间相碳微球干燥回收工艺及干燥回收设备 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4924348A (ja) * | 1972-06-27 | 1974-03-04 | ||
JPS5910718B2 (ja) * | 1978-04-07 | 1984-03-10 | 住友アルミニウム製錬株式会社 | 湿潤ピッチの乾操方法 |
JPS6025364B2 (ja) * | 1978-05-11 | 1985-06-18 | 川崎製鉄株式会社 | 高密度炭素材用原料の製造方法 |
JPS5778486A (en) * | 1980-11-05 | 1982-05-17 | Nippon Steel Chem Co Ltd | Preparation of meso-phase pitch |
JPS6051612A (ja) * | 1983-08-31 | 1985-03-23 | Osaka Gas Co Ltd | カ−ボン微粒子の製造方法 |
-
1988
- 1988-02-17 JP JP63034551A patent/JP2782193B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01212207A (ja) | 1989-08-25 |
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