JPH0116576Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、成形機の金型交換装置に関するもの
である。

一般に、射出成形機やダイカストマシンなどの
成形機の金型は、成形品が異なるごとに交換され
ている。金型は極めて重量が重いため、その交換
は極めて繁雑なものとなつていた。

第１図は従来の金型交換装置を説明するもの
で、図において符号１で示すものは成形機で、各
成形機１間には金型交換用の固定台車２が一直線
状に設けられている。

そして、取りはずした金型１ａは台車２上に降
ろされ、外に取出され、新らしく取付ける金型１
ａは台車２上を運ばれてくる。

このような構造を採用すると隣接した成形機１
の金型１ａと交換するには容易であるが、第１図
に符号Ａ，Ｂで示すように離れた位置にある成形
機１同志の金型１ａの交換を行うことは容易では
ない。

すなわち、この場合には、天井クレーンで金型
１ａを吊り上げ、通路又は成形機１の上を通過さ
せて移動させることになる。

従つて、金型の移動時は通過領域が危険域とな
り、さらに吊り上げた金型が障害物に接触しない
ように十分注意する必要がある。

たとえば、2000ton以上の大型機では金型の重
量が20ton前後となり、作業者の操作上の苦労は
大変なものとなる。

また、天井クレーンを使用するためには建屋の
高さも極めて高くしなければならず、その分だけ
余分なスペースや建設費が必要となる。

また、従来は、第２図に示すような交換方法も
あつた。

第２図に示す例にあつては、成形機１の操作側
または反操作側に近接して、移動台車３を成形機
１の軸線方向に移動可能に設けてある。

このように、各成形機に対して移動台車３を１
個ずつ設けた場合にも、移動台車上３の金型１ａ
を近接した成形機１のものと交換するには容易で
あるが、離れた位置にある成形機１間で交換する
場合には、前述したのと同様な欠点がある。

本考案は以上のような従来の欠点を除去するた
めになされたもので、クレーン等を使用すること
なく確実に金型を交換することができるように構
成した成形機の金型交換装置を提供することを目
的としている。

本考案においては上記の目的を達成するため
に、成形機に機内固定台車を設け、各成形機に平
行に移動台車を配置し、この移動台車と金型の相
互の移載を行う配膳台車を設け、この配膳台車と
の間で金型の相互の移載を行う移動可能な保管台
車を設けた構造を採用した。

以下、図面に示す実施例に基いて本考案の詳細
を説明する。

第３図は本考案の１実施例を説明するもので、
図において符号４で示すものは成形機で、各成形
機は第４図Ａ，Ｂに示すように、固定盤５と、可
動盤６とにそれぞれ機内固定台車７が設けられて
おり、この機内固定台車７によつて取付け板８と
共に固定金型９、可動金型１０が合わされた状態
で機外へ搬出される。なお、可動盤６側の台車７
は、固定盤５側の台車７に軸線方向に移動可能に
設けてあるが、ここでは両方の台車７を含めて機
内固定台車７という。

また、各成形機４は機内固定台車７の側面部に
固定中継台車１１をそれぞれ有し、この台車１１
を介して金型が機外へ搬出される。

各成形機４の外方には、成形機４の軸線と平行
方向に、レール１２がそれぞれ設けられており、
このレール１２上にはそれぞれ移動台車１３が走
行自在に設けられている。

移動台車１３は、第５図Ａ〜Ｃに示すように、
その上面に、複数本のローラ１４からなるローラ
群を２列有し、大重量の金型を走行方向と直交す
る方向に自由に移動させることができるととも
に、移動台車１３を移動させることによつて、各
ローラ群を固定中継台車７の位置に合わせること
もできるようにした。符号１５で示すものは走行
用の車輪である。

一方、レール１２の成形機４から離れた側の端
部側には、これらと直交する状態でレール１６が
敷設されている。このレール１６上には配膳台車
１７が走行自在に配置されている。

また、レール１６の一端側には、これと直交し
た状態でレール１８が敷設されており、この上に
は保管台車１９が走行自在に配置されている。

次に、以上のように構成された本実施例の動作
について説明する。

金型の交換を行う場合は、成形機４の金型は機
内固定台車７、固定中継台車１１を介して搬入、
搬出される。

移動台車１３の一方のローラ群の上に新しい金
型１ａがある場合は、まず、金型のないローラ群
を固定中継台車１１の側面に合わせておいて、成
形機１内の使用済の金型１ａを前記金型のないロ
ーラ群上に移動させ、次に、新しい金型１ａが乗
つている方のローラ群を固定中継台車１１に合わ
せた後、新しい金型１ａを成形機１内に入れて取
付ける。

移動台車１３上にある使用済の金型１ａは移動
台車１３によつてレール１６側へ運ばれ、配膳台
車１７との間で移載を行なえる位置を停車する。
そしてローラ１４を回転させることにより近接し
た位置にある配膳台車１７との間で金型１ａの移
載が行なわれる。

勿論、移動台車１３と配膳台車１７との間で新
しい金型と使用済の金型を交換する場合は、ま
ず、配膳台車１７上の金型を、移動台車１３の金
型が乗つていない方のローラ群の上に乗せ、次
に、移動台車１３を少し移動させ、金型が乗つて
いる方のローラ群を空の配膳台車１７に合わせ、
移動台車１３上の使用済の台車を配膳台車１７上
に移す。

配膳台車１７上に移載された金型は、配膳台車
１７によつて保管台車１９側へ移動される。

勿論、配膳台車１７を他の成形機の移動台車に
接近させて金型の移載を行なうことも可能であ
る。

このようにして、クレーン等を全く必要とする
ことなく、金型の交換を安全に、確実に行うこと
ができる。

以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、移動台車と保管台車との間を連絡する配膳台
車により別個の成形機間或は成形機と保管台車と
の間で金型の移載、交換を行うことができる構成
としたので、クレーン等の危険な搬送手段を必要
とすることなく、安全、確実に金型の交換がで
き、クレーンを用いないため、建屋を高くする必
要もなく、既存の建屋を利用して容易に設置する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はそれぞれ異なつた従来構
造を説明する平面図、第３図〜第５図は本考案の
１実施例を説明するもので、第３図は平面図、第
４図Ａ，Ｂは成形機の一部拡大平面図および側面
図、第５図Ａ〜Ｃは移動台車の平面図、正面図、
側面図である。 １，４……成形機、１ａ，９，１０……金型、
２……台車、７……機内固定台車、１１……中継
固定台車、１２，１６，１８……レール、１３…
…移動台車、１４……ローラ、１７……配膳台
車、１９……保管台車。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数台配列された成形機のそれぞれに設けられ
   た金型搬入搬出用の機内固定台車と、各成形機の
   それぞれに対して各成形機と平行して走行自在に
   配置された金型移載用の移動台車と、複数個の金
   型を搭載保管する移動自在な保管台車と、前記各
   移動台車と保管台車との間で相互に金型の移載を
   行う移動自在な配膳台車とを備えたことを特徴と
   する成形機の金型交換装置。