JPH0116441Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はリクライニングチエアの傾動操作装置
に関する。

一般に、リクライニングチエアは、座と背座の
各端部を回転軸にて枢着し、該回転軸により背座
をフレームに傾動自在に枢支し、ガススプリング
等の駆動機構によつて傾動、複帰動作するように
構成されていて、この際上記駆動機構は座の裏側
に取り付けられることから、その操作レバーは座
の側部前方位等に取り付けている。

この為、着座状態にあつては、肘掛けの外側下
部まで、手をのばして操作レバーを操作しなけれ
ばならず、特に背座を拡角度に倒す場合や、倒し
た場合では、操作レバーに手がとゞかなくなり、
為に傾動操作の都度上半身を起こさなければなら
なくなり、操作性に欠ける難点があつた。

そこで、これを改善するため、操作レバーや操
作ボタンを肘掛けの前端側に設け、これを回動し
たり、押入すればよい構成としたものも提案（特
公昭43−23730号、特公昭44−1575号）されてい
る。

しかし、上記改良構成のものにあつても、操作
レバーを操作するや否や背座は背後へ傾倒するこ
ととなるため、特に老人、身障者には不安感を与
え、このため充分に背凭れ状態のままで操作レバ
ーを作動することができず、わざわざ背を持ち上
げた後に操作するといつた不便を与えている。

本考案は上述従来の難点に鑑み検討の結果、新
規なる傾動操作装置を得たものであつて、その目
的とするところは、肘掛けの前端部に握持可能な
操作レバーを形成し、着座したままでかつ肘掛け
に肘を掛けた安楽状態にて、当該操作レバーを握
り締め、これを手前側に引き上げるよう所定位置
まで回動可能とすることにより、背座が傾動して
も、握持した起立状態の当該操作レバーにより、
不安感を解消し得るようにすることである。

以下本考案を図示の実施例に基づいて詳述す
る。

第１図はリクライニングチエアの一例を示した
もので、既知の如くフレーム１には座２の後端部
と背座３の下端部とが回転軸４により回転自在に
枢支されていて、座フレーム２ａと、背座フレー
ム３ａの下端とに夫々端部を枢着して配設したガ
ススプリング等からなる駆動機構５によつて背座
３は傾動、複帰の動作がなされるよう構成されて
いる。

そこで背座３の傾動操作装置６は第１図、第２
図に示したように、上記フレーム１に設けられて
いる肘掛け１ａの前端部を握持可能な操作レバー
８にて形成し、該操作レバー８と、上記駆動機構
５の作動杆９をワイヤ１０等にて連動自在に連結
して構成したものである。

こゝで、上記肘掛け７は、第２図に示す如くパ
イプを曲成してなる肘掛け本体７ａの上部及び両
側部をクツシヨン材７ｂで被覆してなるから、上
記操作レバー８は、上記肘掛け本体７ａの上面か
ら突設したブラケツト７ｃにレバー部材８ａの基
端を軸ピン８ｂにて、図示の鎖線の如く横向位置
から、所望起立位置まで上下方向へ回動可能に枢
着し、該レバー部材８ａをクツシヨン材７ｄ等で
被覆して、外観が肘掛け７の一部を構成するよう
に形成するのである。

次にワイヤ１０は、フレーム１及び肘掛け７に
おける肘掛け本体７ａに挿通してその端部を上記
操作レバー８の部分及び駆動機構５の部分に固設
し、そのインナーワイヤ１０ａの端部を上記操作
レバー８と作動杆９に夫々連結し、アウターケー
ブル１０ｂの端部は肘掛け本体７ａ及び駆動機構
５の本体等に固定し、上記操作レバー８を第２図
の実線で示した位置から二点破線で示したように
上方へ引き上げ回転することにより、インナーワ
イヤ１０ａを介して作動杆９を回動し、駆動機構
５が作動するようにしてある。

以上説明したように本考案に係るリクライニン
グチエアの傾動操作装置によれば、フレーム１に
背座３を傾動自在に取付けてなるリクライニング
チエアにおいて、肘掛け７の前端部を握持可能な
操作レバー８にて形成し、この操作レバー８は、
肘掛け７のクツシヨン材７ｂで被覆された肘掛け
本体７ａの上面から突設されたブラケツト７ｃ
に、レバー部材８ａの基端を横向位置から所望起
立位置まで上下方向へ回動自在なるよう枢着し、
当該レバー部材８ａをクツシヨン材７ｄにて被覆
してなり、当該操作レバー８と背座３を傾動する
駆動機構５の作動杆９とを、ワイヤ１０等にて連
動連結してなるリクライニングチエアの傾動操作
装置を提供したものであるから、操作レバー８を
握り締め、これを手前側に引き上げるように所定
位置まで回動させることで背座が傾動し、従つて
この際起立した操作レバー８を、しつかりと握持
することとなるから、背座傾動による不安感がな
く、老人や身障者にも安心して背凭状態下の操作
が行い得る。

さらに、着座し、肘掛け７に肘を掛けた安楽状
態において操作レバー８は常に手のとゞく位置に
あり、従つて背座３に背をもたれかけたまゝの状
態で傾動操作を容易に行なうことができる。

又、肘掛け７の一部を操作レバー８に形成した
ので体裁も良くなると共に、ワイヤ１０を肘掛け
やフレーム１内に挿通させることもできるので、
このようにすれば操作部は一切外部に露出しない
ので外観上も、優れたものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る傾動装置を備えたリクラ
イニングチエアの一例を示した側面図、第２図は
同装置の縦断側面図である。 １……フレーム、３……背座、５……駆動機
構、７……肘掛け、７ａ……肘掛け本体、７ｂ…
…クツシヨン材、７ｃ……ブラケツト、７ｄ……
クツシヨン材、８……操作レバー、８ａ……レバ
ー部材、９……作動杆、１０……ワイヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フレームに背座を傾動自在に取付けてなるリク
   ライニングチエアにおいて、肘掛けの前端部を握
   持可能な操作レバーにて形成し、この操作レバー
   は、肘掛けのクツシヨン材で被覆された肘掛け本
   体の上面から突設されたブラケツトに、レバー部
   材の基端を横向位置から所望起立位置まで上下方
   向へ回動自在なるよう枢着し、当該レバー部材を
   クツシヨン材にて被覆してなり、当該操作レバー
   と背座を傾動する駆動機構の作動杆とを、ワイヤ
   等にて連動連結してなるリクライニングチエアの
   傾動操作装置。