JPH0116380Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は例えば近時小型エンジンに駆動され、
工事現場などで利用される無刷子型発電機の回転
子で、とくにその回転子に巻装された界磁コイル
の両端に接続した整流器の固着構造の改良に関す
るものである。

従来この種回転子は第１図に示すように回転子
軸１に磁極板２を多数積層して嵌着することによ
り突極形の回転磁極３を形成し、この回転磁極３
にコイルボビン４を介して界磁コイル５を巻装
し、この界磁コイル５の両端に整流器６がリード
線７，７を介して接続されているが、この整流器
６は図示のように回転子軸１に固着した断面コ字
状の整流器取付枠８に電気絶縁体９を介して装着
されている。

そこで、この第１図に示す従来の回転子におい
ては前記整流器取付枠８の分だけ軸方向長さが大
となるので、発電機全体が大型となり、軽量小型
化できない欠点があると共に、製造コストが高価
となる重大な欠点があつたのである。

本考案は上記の点に着目してとくに工夫をこら
したもので、この目的とするところは回転子の軸
方向長さを従来に比較して大巾に短縮でき、この
回転子を装着する発電機全体を小型軽量化が可能
となり、結局製造コストを大巾に安価とすること
ができる優れた無刷子型発電機の回転子を提供す
るにある。

以下本考案一実施例を示す第２図乃至第７図に
ついて説明する。ここで、第２図は本考案一実施
例回転子の正面図、第３図は同回転子の右側面
図、第４図は同回転子の突極形回転磁極に左右両
側よりコイルボビンを装着した状態を示す正面
図、第５図は第４図の右側面図、第６図は第４図
の要部イの拡大図、第７図は第６図の左側面図示
している。

しかして、この図において、１１は回転子軸
で、この回転子軸１１には磁極板１２を多数積層
して嵌着することにより突極形回転磁極１３が形
成され、この回転磁極１３のコイル巻装部には左
右に分割された左側コイルボビン１４と右側コイ
ルボビン１５とが、軸方向両側より装着され、こ
の左側および右側コイルボビン１４，１５でそれ
ぞれ形成されたコイル巻装部１４Ａ，１４Ａ，１
５Ａ，１５Ａ（詳細は第４図参照）には第２図お
よび第３図に示すように界磁コイル１６，１６が
巻装され、この界磁コイル１６，１６それぞれの
両端には整流器１７，１７がリード線１８，１８
を介して接続されている。

しかして、前記整流器１７，１７は前記右側コ
イルボビン１５のコイル巻装部１５Ａ，１５Ａの
相隣れるつば部１５Ｂ，１５Ｂを直角に連結する
ようにしたプレート部１５Ｃの裏面に突出させた
一対の整流器リード線保持突起１５Ｄ，１５Ｄに
形成した溝１５Ｅ，１５Ｅにリード線１７Ａ，１
７Ａを挿入すると共に、そのリード線１７Ａ，１
７Ａを折り曲げて前記プレート部１５Ｃに設けた
貫通孔１５Ｆ，１５Ｆに貫通させることにより固
着されている。（詳細第６図および第７図参照） なお、前記右側コイルボビン１５は電気絶縁性
の合成樹脂で前記つば部１５Ｂ，１５Ｂ、プレー
ト部１５Ｃおよび整流器リード線保持突起１５
Ｄ，１５Ｄなどが一体に形成されているので、部
品点数は従来に比較して大巾に低減できると共
に、その整流器１７，１７の固着作業もきわめて
簡単で作業時間を著るしく短縮することができ
る。

以上の説明で明らかなように本考案によれば、
磁極板を多数積層すると共に、これを回転子軸に
嵌着して突極形回転磁極を形成し、この回転磁極
のコイル巻装部に軸方向両側より左右に分割され
電気絶縁性の合成樹脂で形成したコイルボビンを
装着し、このコイルボビンに両端に整流器を接続
した界磁コイルを巻装してなる無刷子型発電機の
回転子において、前記左右に分割された少なくと
も一方のコイルボビンには、そのコイルボビンの
コイル巻装部の相隣れるつば部を連結するように
したプレート部およびこのプレート部の裏面に突
出させた一対の整流器リード線保持突起を前記合
成樹脂で一体に設け、このコイルボビンに設けた
一対の整流器リード線保持突起に前記整流器のリ
ード線を保持させると共に、このリード線を前記
プレート部に設けた貫通孔に貫通させて前記界磁
コイルの両端に接続することにより、該整流器を
固着するようにしたことにより、下記に示すよう
に実用的顕著な効果を有する。

(イ) 回転子の軸方向長さを第１図に示す従来の回
転子に比較して、大巾に短縮できるので、この
回転子を巻装する発電機全体を小型軽量化する
ことができる。

(ロ) 前述のように左右に分割された少なくとも一
方のコイルボビンには、このコイルボビンのコ
イル巻装部の相隣れるつば部を連結するように
したプレート部の裏面に突出させた一対の整流
器リード線保持突起をコイルボビンの合成樹脂
で一体に設けたものであるから、従来ように整
流器を固着するためのみに用いる特別な部品は
全く不要であり、これにより、部品点数は、従
来より少なくすることができる。

(ハ) さらに、前述のプレート部の裏面に突出させ
た一対の整流器リード線保持突起に整流器のリ
ード線を保持させると共に、このリード線をプ
レート部に設けた貫通孔に貫通させ界磁コイル
の両端に接続することにより、該整流器を固着
したものであるので、その整流器の取付作業は
著しく簡単容易であると共に、その整流器は回
転子の高速回転による大なる遠心力を受けても
破損することは全くなく、かつ完全に露出して
固着されているので、発電機内部を吹き抜ける
冷却空気により、直接冷却され、これにより、
整流器自体の温度上昇による寿命低下を防止す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来この種回転子の一部断面正面図、
第２図は本考案一実施例回転子の正面図、第３図
は同回転子の右側面図、第４図は同回転子の突極
形回転磁極に左右両側よりコイルボビンを装着し
た状態を示す正面図、第５図は第４図の右側面
図、第６図は第４図の要部イの拡大図、第７図は
第６図の左側面図である。 図中、１１は回転子軸、１３は突極形回転磁
極、１４は左側コイルボビン、１５は右側コイル
ボビン、１４Ａ，１５Ａはコイル巻装部、１５Ｂ
はつば部、１５Ｃはプレート部、１５Ｄは整流器
リード線保持突起、１５Ｅは溝、１５Ｆは貫通
孔、１６は界磁コイル、１７は整流器、１７Ａは
整流器のリード線、１８は界磁コイルのリード線
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁極板を多数積層すると共に、これを回転子軸
   に嵌着して突極形回転磁極を形成し、この回転磁
   極のコイル巻装部に軸方向両側より左右に分割さ
   れ電気絶縁性の合成樹脂で形成したコイルボビン
   を嵌着し、このコイルボビンに両端に整流器を接
   続した界磁コイルを巻装してなる無刷子型発電機
   の回転子において、前記左右に分割された少なく
   とも一方のコイルボビンには、そのコイルボビン
   のコイル巻装部の相隣れるつば部を連結するよう
   にしたプレート部およびこのプレート部の裏面に
   突出させた一対の整流器リード線保持突起を前記
   合成樹脂で一体に設け、このコイルボビンに設け
   た一対の整流器リード線保持突起に前記整流器の
   リード線を保持させると共に、このリード線を前
   記プレート部に設けた貫通孔に貫通させて前記界
   磁コイルの両端に接続することにより該整流器を
   固着したことを特徴とする無刷子型発電機の回転
   子。