JPH0115966B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、コイル端子または固定接触子間に接
続されるサージ吸収素子を有する電磁接触器に係
り、特にサージ吸収素子の取付接続に好適な接続
構造に関する。

〔従来の技術〕

従来のサージ吸収素子の電磁接触器への取付
は、たとえば第１図および第２図に示すように、
サージ吸収素子を内蔵したケース２を電磁接触器
１の底部にネジ等により取り付け、コイル端子４
とサージ吸収素子との接続はリード線３により行
つていた（実公昭51−29954参照）。このような従
来技術は、サージ吸収素子とコイル端子４との接
続に際しリード線の成形結線作業等多くの組立工
数を要し、また引回しているリード線３が、電磁
接触器外観の美観を害するという欠点を有してい
た。また、電磁接触器１の底部にケース２を取付
けるため、全高がケース分だけ高くなると同時
に、制御盤等への取付に際し、長いネジが必要に
なるという不具合点も有していた。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、サージ吸収素子の取付および
電気接続が容易に行える接続構造を有する電磁接
触器を提供することにある。

〔発明の概要〕 本発明は、サージ吸収素子と励磁コイル端子ま
たは固定接触子間の接続媒体としての導体は、必
ずしもリード線である必要はなく、さらに導体と
導体との接続は単に接触させるだけでも行えると
いう点に基き、サージ吸収素子取付部を上部ケー
スと下部ケースの間に機械的に取付けるだけで電
気的接続も同時に行えるようにしたものである。
本発明の推奨される一実施例によれば、接続媒体
は導電性弾性体であり、取付部のサージ吸収素子
と導通する接続部および励磁コイル端子または固
定接触子と弾性接触し、サージ吸収素子をこれら
と電気的に接続する。

〔発明の実施例〕

以下第３図〜第７図により実施例を説明する。
本実施例ではサージ吸収素子取付部（以下取付
部）２３はプリント基板で構成される。電磁接触
器は下部ケース６に載置された固定コア（図示せ
ず）と、前記固定コアに嵌挿された励磁コイル１
６と上部ケース５内に前記固定コアに対向するよ
う摺動自在に設けられ、かつ可動絶縁台２０に連
結した可動コア１９と、前記可動絶縁台２０に装
着された可動接触子１８と、この可動接触子１８
に対向するように前記上部ケース５に固定された
固定接触子１７と、前記励磁コイル１６に電気的
に並列接続されるサージ吸収素子７により構成さ
れる。

なお、下部ケース６は第４図において巾方向が
上部ケース５より狭く作られている。

プリント基板８には少くとも励磁コイル１６、
可動コア１９が貫通するための孔が設けられ、サ
ージ吸収素子７のリード線はプリント基板８上の
サージ吸収素子取付穴９を介して導通部１０に電
気的かつ機械的に接続され、導電性弾性体（後
述）との接続面１１，１４に導通している。

なお本実施例ではサージ吸収素子は固定接触子
間にも並列に接続されている。

第３図および第４図Ａ，Ｂにおいて前記プリン
ト基板８は導通部１０、接続面１１，１４を上部
ケース５側に向け、電磁接触器の上部ケース５と
下部ケース６との間に挾持される。上部ケース５
にはプリント基板上の接続面１１，１４に対応
し、励磁コイル１２、固定接触子１７のそれぞれ
の下面から下方へ貫通する導電性弾性体取付用孔
２５，２６が設けられ、導電性弾性体としてコイ
ルばね１３，１５が前記孔に内挿されている。第
６図において励磁コイル端子１２は下面がコイル
ばね１３の一方と弾性接触により係止し、さらに
ばね１３の他方は接続面１１と弾性接触により係
止している。第７図において固定接触子１７は下
面がコイルばね１５の一方と弾性接触により係止
し、さらにコイルばね１５の他方は接続面１４と
弾性接触により係止している。この結果サージ吸
収素子７は導電部（導電性弾性体、導通部、接続
面を含む）を介してコイル端子間または固定接触
子間に並列に接続される。

本実施例においては励磁コイル端子は上部ケー
ス側に設けられているが、下部ケースに設けられ
ていてもかまわない。

本実施例における電磁接触器の組立順序の一例
を以下に示す。

(1) 上部ケース５に少くともコイル端子１２、固
定接触子１７、可動接点１８、可動コア１９を
取付ける。

(2) プリント基板８にサージ吸収素子７を取付
け、取付部２３を組立てる。

取付部がプリント基板であるので、サージ吸
収素子を電気的、機械的に直接取付可能であ
り、取付工数、配線工数が低減され、量産時の
コスト低減が図れる。

(3) 下部ケース６に少くともコイル１６、固定コ
ア（図示せず）を取付ける。

(4) 上部ケース５を可動コアが上側となるように
反転して設置し、励磁コイル端子１２、固定接
触子１７のそれぞれに対応してあけられた孔２
５，２６にばね１３，１５を内挿する。ばねと
して、コイルばねを使用することにより、内挿
孔２５，２６の形状が単純な円筒状の貫通孔で
済むため、上部ケース５における孔加工は簡単
なもので済む。

(5) 取付部２３を接続面１１，１４がそれぞれコ
イルばね１３，１５に弾性接触するよう上部ケ
ース５に押着け、この状態で下部ケース６を取
付部２３に載せ、この取付部を介して下部ケー
ス６を上部ケース５にネジ等を用いて固定す
る。この時サージ吸収素子７は第４図Ａのよう
に下部ケース６の巾の狭い側に配置される。

この固定により、プリント基板８上の接続面
１１，１４と励磁コイル端子１２、固定接触子
１７間はばね１３，１５により弾性接触して電
気的接続がなされる。従つて組立時における配
線作業、リード線の成形作業が不要となり、作
業工数が低減される。また、励磁コイル１６と
励磁コイル端子１２間の電気的接続をリード端
子２１による弾性接触（特公昭56−50374参照）
とすれば、励磁コイル１６と励磁コイル端子１
２間の配線作業も不要となり、作業工数が一層
低減される。

また、コイルばね１３，１５の使用によりプ
リント基板８と励磁コイル端子１２、固定接触
子１７間の高さ方向の寸法誤差の吸収が可能で
あり、電気的接続に信頼性を下げることなく組
立時の歩留りが向上する。

なお、本実施例によれば、さらに以下の効果が
ある。

(1) ばねが電磁接触器の上部ケース内に内挿され
ているため、充電部が露出せず、安全性が向上
する。

(2) プリント基板の使用によりサージ吸収素子取
付部を電磁接触器に取付けても全高がほとんど
変らずまた、サージ吸収素子をコイル部の巾の
狭い側に配置すれば巾方向も変らないため、制
御盤等に取付けるに際してサージ吸収素子不付
のものと互換性を持たせることができ、サービ
ス性が向上する。

(3) プリント基板上のばね面と励磁コイル端子、
固定接触子がばねにより弾性接触しているた
め、各接触部において可動コアと固定コアの衝
突等によつて起きる振動による接触不良が起き
にくく、従来通りの信頼性を確保できる。

〔発明の効果〕

本発明によればサージ吸収素子の取付部を上部
ケースと下部ケースの間に挾持する時、サージ吸
収素子の励磁コイルへの電気的接続も同時に行え
るため、サージ吸収素子の取付および電気接続が
容易な電磁接触器を得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図はそれぞれ従来技術における取
付例の平面図及び正面図、第３図〜第７図は本発
明の一実施例を示し、第３図は分解斜視図、第４
図Ａは正面図、第４図Ｂは一部を破断面とした側
面図、第５図はプリント基板パターン面の平面
図、第６図はプリント基板と励磁コイル端子との
接続を示す縦断面図、第７図はプリント基板と固
定接触子との接続を示す縦断面図である。 〔符号の説明〕、５……上部ケース、６……下
部ケース、７……サージ吸収素子、１０……導通
部、１２……励磁コイル端子、１３……コイルば
ね、１５……コイルばね、１６……励磁コイル、
１７……固定接触子、１８……可動接触子、１９
……可動コア、２０……可動絶縁台、２３……取
付部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 下部ケースに載置された固定コアと、前記固
   定コアに嵌挿された励磁コイルと、上部ケース内
   に前記固定コアに対向するよう摺動自在に設けら
   れ、かつ可動絶縁台に連結した可動コアと、前記
   可動絶縁台に装着された可動接触子と、この可動
   接触子に対向するように前記上部ケースに固定さ
   れた固定接触子と、前記励磁コイルに電気的に並
   列接続されるサージ吸収素子を備えた電磁接触器
   において、前記下部ケースと上部ケース間に挾持
   され、前記サージ吸収素子が電気的かつ機械的に
   接続された取付部と、前記励磁コイルの端子部と
   前記取付部を電気的に接続する導電部を備え、前
   記取付板の前記下部ケースおよび上部ケース間で
   の挾持に伴い前記導電部が前記取付部に係止され
   ることにより電気的な接続がなされることを特徴
   とする電磁接触器。 ２ 上記取付部は板状に形成され、サージ吸収素
   子と接続される導通部を備えて成る特許請求の範
   囲第１項記載の電磁接触器。 ３ 上記導電部は、上記取付部に弾性接触する弾
   性体から成る特許請求の範囲第１項または第２項
   記載の電磁接触器。 ４ 上記弾性体はコイルバネから成る特許請求の
   範囲第３項記載の電磁接触器。