JPH01157406A - 複合酸化物超電導体薄膜の製造方法 - Google Patents

複合酸化物超電導体薄膜の製造方法

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JPH01157406A
JPH01157406A JP63210053A JP21005388A JPH01157406A JP H01157406 A JPH01157406 A JP H01157406A JP 63210053 A JP63210053 A JP 63210053A JP 21005388 A JP21005388 A JP 21005388A JP H01157406 A JPH01157406 A JP H01157406A
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layer
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composite oxide
oxygen
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敬三 原田
Naoharu Fujimori
直治 藤森
Shuji Yatsu
矢津 修示
Tetsuji Jodai
哲司 上代
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  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、複合酸化物超電導体薄膜の製造方法に関する
。より詳細には、本発明は分子線エピタキシー(MBE
)法あるいは原子層エピタキシ(ALE)法あるいは分
子層エピタキシ(MLE)法等と呼ばれる手法を応用し
た、より品質の高い複合酸化物系超電導薄膜を作製し得
る新規な方法に関する。
従来の技術 電子の相転移であるといわれる超電導現象は、特定の条
件下で導体の電気抵抗が零の状態となり完全な反磁性を
示す現象である。即ち、超電導下では、超電導体に電流
を流しても電力損失が全く無く、密度の高い電流が永久
に流れ続ける。従って、例えば送電技術に超電導を応用
すれば、現在送電に伴って生じているといわれる約7%
の不可避な送!損失を大幅に減少できる。また、高磁場
発生用電磁石としての応用は、発電技術の分野ではM)
(D発電、電動機等と共に、起動に発電量以上の電力を
消費するともいわれる核融合反応の実現を有利に促進す
る技術として期待されている。
また磁気浮上列車、電磁気推進船舶等の動力として、更
に、計測・医療の分野でもNMR,π中間子治療、高エ
ネルギー物理実験装置などへの利用が期待されている。
更に、上述のような大型の装置における利用とは別に、
超電導材料は各種の電子素子への応用も提案されている
。代表的なものとしては、超電導材料どうしを弱く接合
した場合に印加電流によって量子効果が巨視的に現れる
ジョセフソン効果を利用した素子が挙げられる。トンネ
ル接合型ジョセフソン素子は、超電導材料のエネルギー
ギャップが小さいことから、極めて高速な低電力消費の
スイッチング素子として期待されている。また、電磁波
や磁場に対するジョセフソン効果が正確な量子現象とし
て現れることから、ジョセフソン素子を磁場、マイクロ
波、放射線等の超高感度センサとして利用することも期
待されている。更に、電子回路の集積度が高くなるにつ
れて単位面積当たりの消費電力が冷却能力の限界に達す
るものと見られている。そこで超高速計算機には超電導
素子の開発が要望されている。
従来、様々な努力にもかかわらず、超電導材料の超電導
臨界温度Tcは長期間に亘ってNb3Geの23Kを越
えることができなかった。これに対して、1986年に
、ベドノーツおよびミューラー等によって、複合酸化物
系超電導材料が高いT。を有することが発見されるに至
って、高温超電導の可能性が大きく開けてきた(Bed
norz、  Mjiller、”Z、 Phys。
B64.1986.189” )。
これまでにも複合酸化物系のセラミック材料が超電導特
性を示すということ自体は知られていた。
例えば、米国特許第3.932.315号には、Ba−
Pb −Bi系の複合酸化物が超電導特性を示すという
ことが記載されており、また、特開昭60−173.8
85号公報にはBa−B1系の複合酸化物が超電導特性
を示すということが記載されている。しかし、これまで
に知られていた複合酸化物超電導材料のT。は、10に
以下と全般的に極めて低く、超電導現象を得るには高価
且つ稀少な液体ヘリウム(沸点4.2K>の使用が不可
避であった。
ベドノーツおよびミューラー等によって発見された酸化
物超電導体は、(La、 Ba)2Cub、なる組成を
有し、K2NIFA型の結晶構造を有するものと見られ
ている。この複合酸化物系超電導材料は、従来から知ら
れていたペロブスカイト型酸化物系超電導材料と結晶構
造が類似しているが、Tcは従来の超電導材料に比べて
飛躍的に高い約30にという値であった。
また、1987年2月に、チュー等によって90に級の
臨界温度を示すBa −Y−Cu系の複合酸化物が発見
された。このYBCOと通称される複合酸化物はY+B
a2Cu30□−8で表される組成を有すると考えられ
ている。
更に、続いて発見されたBi −3r −Ca−Cu系
およびTI −Ba−Ca−Cu系複合酸化物は、Tc
が100に以上であるばかりでなく化学的にも安定して
おり、YBCO等のような超電導特性の経時的劣化が少
ないことから実用に向いているのではないかと期待され
ている。
これらの新しい複合酸化物系超電導材料の発見によって
高温超電導体実現の機運が昨今俄かに高まっている。
発明が解決しようとする課題 上述のような高臨界温度を示す複合酸化物系超電導材料
は、当初焼結体の形で発見された。続いて、その複合酸
化物あるいはこの複合酸化物を形成する元素を含む化合
物をターゲットとして、スパッタリング法あるいはイオ
ンビーム法等により複合酸化物薄膜を作製する技術が種
々提案されている。
しかしながら、従来作製された複合酸化物薄膜では、一
般に同じ組成の焼結体に例−えば臨界温度等の点で及ば
ないことが知られており、複合酸化物系超電導材料本来
の高い超電導特性を発揮する薄膜の作製方法が模索され
ている。
更に、従来の方法で作製された複合酸化物薄膜は膜質が
均一ではなく、薄膜を利用した各種デバイスを作製でき
るような安定した薄膜を得ることは極めて困難であった
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決
し、全体が複合酸化物系超電導材料本来の高い超電導特
性を安定して発揮するような薄膜を作製する新規な方法
を提供することにある。
課題を解決するための手段 即ち、本発明に従うと、特定の結晶構造を有する複合酸
化物系超電導材料の薄膜を基板上に′形成する方法であ
って、該複合酸化物系超電導材料を構成する各元素を含
む原子ビームまたは分子ビームを、該複合酸化物系超電
導材料の結晶構造に即して該基板に順次照射し、該基板
上に単結晶薄膜または多結晶薄膜を堆積することを特徴
とする複合酸化物超電導体薄膜の製造方法が提供される
作用 本発明の複合酸化物超電導体薄膜の製造方法は、MBE
法を含む方法によって極めて精密な制御の下に品質の高
い超電導薄膜を形成することにその主要な特徴がある。
即ち、従来の超電導薄膜の作製方法が、ただ単に組成比
と成膜条件によってのみ薄膜形成時の制御を行っていた
のに対して、本発明に係る方法では、具体的には後述す
るように、結晶構造自体に深く関わるプロセスで結晶の
形成自体を制御し、効率良く超電導物質を形成する。ま
た、複合酸化物の単分子膜積層体薄膜を作製することも
できる。
所謂MBE (分子線エピタキシ)法あるいは原子層エ
ピタキシ(ALE)法等の方法は、GaAs。
AlAs等の薄膜形成法として半導体デバイスの分野で
の応用が知られているが、そもそも蒸着法の1種であり
、高真空中で遅い成膜速度で成膜すると共に成膜中の膜
の表面状態を検査しながら成膜することができるので極
めて精密な膜質の管理が可能である。また、極めて遅い
成膜速度(1000人/時〜10μm/時)で実施でき
るので、厚さ数人という単原子層あるいは単分子層レベ
ルでの成膜制御が可能である。
本発明に係る薄膜の製造方法の第1の主要な特徴は、上
述のような分子線あるいは原子線を利用した成膜法の特
徴を活かして、有効な超電導特性を発揮する複合酸化物
系超電導材料の特徴的な結晶構造を効率よく形成する点
にある。
本発明に係る方法を有利に適用できる複合酸化物系超電
導材料として、−最大; %式% 〔但し、αは、周期律表I[Ia族に含まれる元素を表
し、 βは、周期律表Ia族に含まれる元素を表し、 Tは、周期律表xb、nb、mb、■aおよびIVa族
に含まれる元素から選択された少なくとも1種類の元素
を表わし、Xは、(α1−8β8)に対するβの原子比
であり、0.1≦X≦0.9を満たす数であり、yおよ
び2は、(α1−8β8)を1とした場合の元素Tおよ
び酸素(0)の原子比で、それ杉れ0.3≦y≦3.0
.1≦2≦5を満たす数である〕 で表わされる組成を有する複合酸化物が挙げられる。こ
の複合酸化物系超電導材料は、結晶中に酸素欠陥を含む
と共に、言わば層状の結晶構造を有している。この結晶
構造は、1層毎に組成および配列が異なっており、これ
に対して従来の薄膜製造法では組成制御のみで結晶構造
の形成を制御していたので、超電導に有効な結晶構造が
薄膜全体に形成されていたわけではなく、これが超電導
特性劣化の原因となっていたと考えられる。
これに対して本発明に係る方法では、上記元素αを含む
原子ビームまたは分子ビームと、上記元素βを含む原子
ビームまたは分子ビームと、上記元素Tを含む原子ビー
ムまたは分子ビームとを、超電導材料の結晶構造に対応
した所定の順番で順次照射することによってを形成され
る。従って、本発明に係る方法では、有効な超電導特性
を発揮する特定の結晶構造が極めて高い確率で形成され
る。尚、上記の操作において、各単分子層の積層   
 ′操作は複数回反復することが好ましい。
本発明に係る薄膜の製造方法の第2の特徴は、薄膜に対
する酸素の供給方法にある。
即ち、従来実施されていたMBE (分子線エピタキシ
)法あるいは原子層エピタキシ(ALE)等の方法では
蒸発源の蒸発によって基板に元素を供給している。しか
しながら、このよって方法で、複合酸化物の形成に不可
欠な酸素を単独で供給することができない。そこで、本
発明者等は、分子線あるいは原子線を使用した薄膜形成
において酸素を薄膜に供給する方法として、以下のよう
な種々の方法を創案した。。
■各層毎に、化学量論的に適切に調整された酸化物蒸発
源を使用する。
■各元素の蒸発源と酸素イオンビームとを併用して成膜
する。
■酸素の供給手段として有機物を使用する。
■酸素の供給手段として酸化物を使用する。
■各層毎に酸素雰囲気により酸化処理する。
■酸化物蒸発源を使用する。
この方法では、成膜時の蒸発源として酸化物を使用する
ことにより、目的とする結晶構造の各層を直接酸化物と
して形成する。従って、酸素の供給量は、蒸発源の組成
によって制御される。尚、各元素と酸素との比率は、結
晶の各層における各元素と酸素との比率に対応して決定
される。
また、本発明の一態様によれば、適切な酸化物蒸発源が
得られない場合には、各元素単体の蒸発源と酸化物の蒸
発源とを併用して酸素の供給量を調整することもできる
■ 酸素イオンビームを併用する。
この方法では、各元素単体の蒸発源によりMBE法によ
り成膜すると同時に、酸素イオンビームを使用して成膜
中の薄膜に酸素を供給する。また、本発明の一態様に従
えば、互いに前後する各元素単体の分子ビームの照射の
間に、酸素のみのビーム照射を行う方法でもよい。
■ 酸素供給手段として有機物を使用する。
各元素の分子ビームの照射によって形成された層上に酸
素を含む有機物を吸着させ、次いでエキシマレーザの照
射下で上記有機物中の酸素のみが上記の層上に残るよう
に上記有機物の分子鎖を切断する操作を行い、成膜中の
薄膜の各層間に、いわば酸素のみの単分子膜を形成する
ことができる。
ここで、各層毎にエキシマレーザの波長、強度を調整す
ることが有利である。尚、このような方法で使用しきる
有機物としては、アルデヒド、アルコール、カルボン酸
、高級脂肪酸、ケトン、エステル等の酸素を含む脂肪族
炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素の含酸素誘
導体を用いることができる。
■02供給手段として酸化物を使用する。
酸化アンチモン(sb o >のように、基板に吸着さ
れた後に酸素を残して分解することが知られている他の
酸化物を使用することができる。
■酸素雰囲気の導入 酸素は吸着係数が小さいので、チャンバー内の酸素雰囲
気を制御することによて酸素比率を調整することもでき
る。
また、酸素ガスの存在下に成膜操作を行うことも考え得
る。更に、各層の成膜後毎に酸化雰囲気で熱処理する方
法も考えられる。この場合の処理温度としては、200
〜1000℃の範囲無いであることが好ましい。また、
各元素および/またはその酸化物あるいはその励起物の
吸着係数を考慮して上記各層に酸素分圧を調整すること
が有利である。
このように、本発明に係る薄膜の製造方法では、結晶構
造に即して結晶の各層を形成すると共に、組成制御も各
層毎に適切に行われるので、薄膜中に有効な超電導物質
が効率よく形成される。
尚、本発明に係る方法において使用できる基板としては
、公知の基板材料をいずれも適用できるが、スパッタリ
ング法等の他の方法によって作製した目的とする複合酸
化物と同じ構成元素を有する薄膜を表面に備えたものを
使用することが有利である。ここで、基板の下地層とし
ては、それ自体基板として使用することのできる酸化マ
クネシウム、チタン酸ストロンチウム、シリコン等の単
結晶基板、あるいは、アルミナ等のセラミック基板の他
場合によっては金属基板を用いることができる。
ここで、基板あるいは下地基板として)、1gO単結晶
または5rTi03単結晶基板を使用する場合は、(0
01)面または(110)面を成膜面とした基板を使用
することが好ましい。また、基板温度は、200〜10
00℃の範囲が好ましい。
また、本発明が適用できる複合酸化物系超電導材料とし
ては、前掲の一般式において、元素αがY、 La、 
Gd5Dy、 flo、 ErSTm、 YbおよびL
uよりなる群の中から選択された少なくとも一つの元素
であり、元素βがBaまたはSrであり、元素TがCu
であるものを特に有利なものとして挙げることができる
更に、上記複合酸化物の他に、下記の一般式;%式% mは、6≦m≦10を満たす数てあり、nは、4≦n≦
8を満たす数であり、 pは、I) = (6+2m+2n) / 2を満たす
数であり、 qは、O<q<1を満たす数であり、 rは、−2≦r≦2を満たす数を それぞれ表す〕 で表される組成を有する複合酸化物系超電導材料も層状
の結晶構造を有することが知られており、本発明の方法
を有利に適用できるものとして例示することができる。
以下に図面を参照して本発明の係る方法をより具体的に
詳述するが、以下の開示は本発明の一実施例に過ぎず、
本発明の技術的範囲を何ら限定するものではない。
実施例 第1図は本発明に係る薄膜の製造方法を有利に適用でき
る層状の結晶構造を有する複合酸化物超電導材料の結晶
構造の一例を示している。
即ち、この複合酸化物系超電導材料は酸素と結合したl
la族元素、[a族元素およびIb、nb、■b1■a
あるいは■a族元素が酸素を介してまたは介さずに層状
に積層されている。
本発明ではこの結晶構造をMBE手法を用いて、あるい
はそれとALM手法とを組み合わせて作る。
すなわち、基板上に、上記各元素α、βおよびγの原子
ビームを酸素雰囲気下で、またはそれら元素と酸素を含
む分子ビームを 第一層目が元素βと0よりなる単分子層〔■〕、第二層
目が元素TとOよりなる単分子層〔■〕、第三層目が元
素βと0よりなる単分子層[IIIE、第四層目が元素
Tと○よりなる単分子層〔■〕、第五層目が元素αと0
よりなる単分子層〔■〕、第六層目が元素TとOよりな
る単分子層〔■〕、第七層目が元素βと0よりなる単分
子層〔■〕、第八層目が元素TとOよりなる単分子層C
I[]、第九層目が元素βと0よりなる単分子層〔■〕
、となるようにな順番で順次照射し、更にこれらの照射
手順を繰り返すことによって所望の複合酸化物系超電導
薄膜が得られる。尚、各ビームの供給量は、後述するよ
うに蒸発セルの付勢エネルギーおよびシャッターの開閉
により制御することができる。
第2図(a)は、本発明で用いられる装置の概念図であ
り、MBE装置自体は周知であるので、この図には検出
系の質量分析計やオージェ分析装置等の制御装置は省略
して示している。
即ち、この装置は、3つの蒸発セル2.2” 、2″と
基板ホルダ4とを備えた真空チャンバ1により主に構成
されており、真空チャンバ1は排気孔6を介して真空ポ
ンプに接続され、真空チャンバ内を排気して高真空にす
ることができる。また、各セル2.2゛、2″′には、
各セル毎に制御することのできるシャッタ3が設けられ
ている。更に、第2図(a)には、後述する第2実施例
において使用するエキシマレーザ装置7と、真空チャン
バ1に対する吸気孔5とを備えている。
以上のように構成された装置を使用して本発明に係る方
法を実施する場合は、まず、基板ホルダ4に基板10を
取り付け、また、蒸発セル2.2°、2″には目的とす
る複合酸化物を構成する元素またはその酸化物を収容す
る。続いて、真空チャンバ1内を排気して高真空とし、
蒸発セル2.2′、2″′を加熱する。各蒸発セル2.
2° 、2″からの分子ビームまたは原子ビームは、そ
れぞれのシャッタ3を開閉することによって制御できる
ので、前述のように、目的とする複合酸化物の結晶構造
に即して、順次分子ビームまたは原子ビームの照射を行
う。
次に、本発明の第2実施例として、第2図(a)に示し
たエキシマレーザ装置7を使用する方法の実施について
説明する。
本実施例では、目的とする複合酸化物薄膜の形成の最中
に、更に酸素分子層を形成する工程を付加している。こ
の酸素の供給は、含酸素有機物のガスを供給孔5からチ
ャンバ1内に供給してこれを基板に吸着させた後または
供給と同時に、エキシマレーザ装置7からレーザビーム
を照射することによって、含酸素有機物を分解または解
離させて基板上に酸素のみが残留するようにする。尚、
第2図(a)中では、供給孔5から有機物ガスを供給し
ているが、実際には基板10の表面に直接ガスを指向さ
せるような供給装置を用いることが好ましい。また、エ
キシマレーザの波長は用いる有機物の種類によって異な
り、更にその強度は基板に付着する酸素のの量によって
決まる。
第2図0:3)は、同様に酸素を積極的に基板上に供給
しなから成膜を行う場合に使用することができる装置の
他の構成例である。
即ち、第2図(b)に示す装置は、やはり排気孔6と3
つの蒸発セル2.2′ 、2″を備えた真空チャンバ1
に対して、更に1対のイオンビームガン11を設けたも
のである。このイオンビームガン11は、専ら酸素イオ
ンビームの供給に使用される。
従って、第1図に示した複合酸化物系超電導材料の薄膜
の作製にこの装置を使用した場合、ビーム照射の手順は
例えば以下のようになる。
(1)第1層〔■〕を形成する。
(1−a)元素βの原子ビームを照射する。
(1−b)酸素イオンビームを照射する。
(2)第2層[II)を形成する。
(2−a)元素Tの原子ビームを照射する。
(2−b)酸素イオンビームを照射する。
(3)第3層〔■〕を形成する。
(3−a)元素βの原子ビームを照射する。
(3−b)酸素イオンビームを照射する。
(4)第4層〔IV)を形成する。
(4−a)元素rの原子ビームを照射する。
(5−b)酸素イオンビームを照射する。
(5)第5層〔■〕を形成する。
(5−a)元素αの原子ビームを照射する。
(5−b)酸素イオンビームを照射する。
(6)第6層〔■〕を形成する。
(6−a)元素rの原子ビームを照射する。
(6−b)酸素イオンビームを照射する。
(7)第7層CIII)を形成する。
(7−a)元素βの原子ビームを照射する。
(7−b)酸素イオンビームを照射する。
(8)第8層〔IIIを形成する。
(8−a)元素γの原子ビームを照射する。
(8−b)酸素イオンビームを照射する。
(9)第9層mを形成する。
(9−a)元素βの原子ビームを照射する。
(9−b)酸素イオンビームを照射する。
以上のような操作を反復することによって所望の複合酸
化物系超電導薄膜が得られる。
第3図(a)および(b)は、本発明に係る薄膜の製造
方法を有利に適用できる他の複合酸化物の結晶構造を模
式的に示す図である。
第3図(a)は、それぞれ上方に示した式によって示さ
れる組成を有する複合酸化物の結晶構造を、特にC軸に
沿って積層された層構造として捉えた図である。また、
第3図(b)は、それぞれ第3図(a)に示した複合酸
化物系超電導材料の結晶構造を立体的に表した図である
これらの図面に示すように、TI、、Ca5r2Cu2
0 Y(B12CaSr2C[J20y)あるいはTl
□Ca25r2Cu20゜(Bi2Ca2Sr2Cu2
0y)は、いf れも顕著なF 構aを有しており、本
発明に係る薄膜の製造方法が極めて有利に適用できる。
即ち、これらの複合酸化物系超電導薄膜を本発明の方法
に従って製造する場合の、原子ビーム照射の手順は以下
のようになる。
第1層目はT1 またはBiと0よりなる単分子層、 第2層目はBaと0よりなる単分子層、第3層目はCu
と0よりなる単分子層、第4層目はCaとOよりなる単
分子層、第5層目はCuとOよりなる単分子層、第6層
目はCaと0よりなる単分子層、第7層目はCuと0よ
りなる単分子層、第8層目はBaと0よりなる単分子層
、第9層目はTI またはB】と0よりなる単分子層、 第10層目はTI または旧とOよりなる単分子層、 第11層目はBaとOよりなる単分子層、第12層目は
Cuと0よりなる単分子層、第13層目はCaとOより
なる単分子層、第14層目はCuと0よりなる単分子層
、第15層目はCaとOよりなる単分子層、第16層目
はCuと0よりなる単分子層、第17層目はBaとOよ
りなる単分子層、(第18層目はTI またはBiと0よりなる単分子層) 尚、第18層は次層に形成される結晶単位の第1層に相
当する。また、第1〜9層と第10〜18層とは同じ結
晶構造を有して互いに水平に変移しており、両者を以っ
て1単位の結晶構造を構成する。従って、上記のような
照射手順を繰り返すことによって所望の複合酸化物系超
電導薄膜を得ることができる。
発明の効果 以上詳述の如く、本発明に係る薄膜の製造方法によれば
、目的とする複合酸化物系超電導材料の結晶構造に即し
て結晶の各層を形成すると共に、組成制御も各層毎に適
切に行うので、薄膜中に有効な超電導物質が効率よく形
成される。
また、本発明の方法は、単なる薄膜の作製に限らず、異
なる物質の層を更に連続して積層することによって、各
種のデバイスの作製にもそのまま拡大利用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る方法によって薄膜を作製するこ
とのできる複合酸化物系超電導材料の典型的な結晶構造
の一例を示す図であり、第2図(a)およびら)は、本
発明に係る薄膜の製造方法を実施する際に有利に使用す
ることのできる装置の構成を概略的に示す図であり、第
2図ら)はMOCVD法を併用した場合に、第2図(社
)は酸素イオンビームを併用する場合に使用するもので
あり、 第3図(a)および(b)は、本発明に係る薄膜の製造
方法が適用可能な他の複合酸化物の結晶構造を模式的に
示す図である。 〔主な参照番号〕 1・・真空チャンバ、 2.2′、2″・・蒸発セノペ 3・・シャッタ、    4・・基板ホルダ、5・・ガ
ス供給孔、  6・・排気孔、7・・エキシマレーザ、
IO・・・基板、11・・・イオンビームガン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1.  特定の結晶構造を有する複合酸化物系超電導材料の薄
    膜を基板上に形成する方法であって、該複合酸化物系超
    電導材料を構成する各元素を含む原子ビームまたは分子
    ビームを、該複合酸化物系超電導材料の結晶構造に即し
    て該基板に順次照射し、該基板上に単結晶薄膜または多
    結晶薄膜を堆積することを特徴とする複合酸化物超電導
    体薄膜の製造方法。
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