JPH01141792A - 感熱転写シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、基材の片面に感熱転写層を有し、他方の面に
耐熱スリップ層を有する感熱転写シートに関する。

〔従来技術〕

近年、プラスチックフィルム等の基材の上に、顔料や染
料を含む熱溶融性インク層、昇華性染料をバインダー中
に含有させた昇華性インク層あるいは熱反応型発色成分
を含有する感熱転写層を設けた感熱転写シートを用い、
サーマルヘッドなどの加熱手段により画像情報に応じた
加熱印字を行い、受容シート上に画像を形成させる方法
が広く利用されている。

従来、このような感熱転写シートの基体としては、厚み
２〜１５μ膳のポリエステルフィルム、ポリイミドフィ
ルム、ポリプロピレンフィルム、芳香族ポリアミドフィ
ルム、セルロースアセテートフィルム、セロハン等のプ
ラスチックフィルムが使用されているが、これらのうち
、均一な厚みを形成し易いこと１表面の平滑性に優れて
いること、プリンター内で操作性に優れていること等の
理由からポリエステルフィルムが好んで使用されている
。

しかしながら、このポリエステルフィルムを基材として
用いた感熱転写シートは、充分な印字濃度を得るために
高いエネルギーを必要とすることから、該ポリエステル
自体がサーマルヘッドと融着するいわゆるスティッキン
グ現象が発生し、またサーマルヘッド圧および感熱転写
シートを維持するためカセット中のバット圧あるいはプ
リンター中のロールとの接触抵抗等によって、その走行
性が不良となるため、印字濃度の乱れ、地汚れ等が発生
し、著しい場合に基材が破断するという欠点があった。

これらの現象を防止するために、例えば、基材に酸化ケ
イ素からなる金属層や耐摩擦層を設ける方法（特開昭５
４−１４３１５２号、特開昭５７−７４１９５号公報）
シリコーン樹脂やエポキシ樹脂等の耐熱性樹脂層を設け
る方法（特開昭５５−７４６７号）、常温で固体又は半
固体の界面活性剤等を添加した樹脂屑を設ける方法（特
開昭５７−１２９７８９号）あるいは滑性無機顔料を含
有させた感熱性樹脂層を設ける方法（特開昭５６−１５
５７９４号）等が提案されている。

しかしながら、これらの方法１：ｉ：　、蒸着などの高
価格な工程を必要とする上、熱硬化に多大な熱エネルギ
ーを使用しなければならず、また充分な耐熱性を付与す
るためには、長時間の熟成を必要とし、更には滑性が不
充分であるという問題があり、また、サーマルヘッドに
汚物の付着が生ずるという欠点もあった。

更に、上記従来方法における感熱転写シートは、一般に
巻取られて保存されているめ、その保存時に耐熱層と転
写層が接触しブロッキング現象を生じ、印字した際に、
地汚れや画像のカスレが発生するという問題があった。

また、特開昭５８−１８７３９６号方法のように滑剤と
してサーマルヘッドからの熱によって溶融し、滑性を示
すワックス類を用いる方法は、吸熱の際にスティッキン
グ現象の発生や感熱転写シートの不送り等が生じるとい
う欠点があった。

〔目　　的〕

本発明は、印字の際のサーマルヘッドの熱エネルギーに
対して安定であると共に、優れた送行性を示し、かつイ
ンク層面への耐熱スリツプ層形成成分の移行を防止し得
る感熱転写シートを提供することを目的とする。

〔構　　成〕

本発明によれば、基材の片面に感熱転写層を有し、基材
の他方の面に耐熱スリップ層を有する感熱転写シートに
おいて、耐熱スリップ層の主成分として、セルロース系
樹脂及びステアリン酸リチウム及び／又はヒドロキシス
テアリン酸リチウムを使用し、さらに融点８０〜１２５
℃の熱溶融性物質を少なくとも含有させたことを特徴と
する感熱転写シートが提供される。

本発明において用いられるセルロース系樹脂しては、ニ
トロセルロース、セルロースジアセテート、セルロース
トリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セ
ルロースアセテートプロピオネート、エチルセルロース
等が挙げられる。

セルロース系樹脂は２００℃前後の軟化点をもち耐熱性
がよいのが特徴である。

また本発明において用いられるステアリン酸リチウム及
びヒドロキシステアリン酸リチウムはセルロース系樹脂
に分散した場合外部滑性がよくスリップ性がすぐれてい
る。

また本発明において用いられる融点８０〜１２５℃の熱
溶融性物質はサーマルヘッドとの融着を防止する働きを
示し、８０〜１２５℃において熱溶融し、離型性を示す
物質である。

例えば、このような熱溶融性物質としては、硬化ヒマシ
油、ベヘン醜モノグリセライド、ステアリン酸アマイド
、バルミチン酸アマイド、椰子酸アマイド等が挙げられ
る。

本発明の感熱転写シートは、耐熱性のよいセルロース系
樹脂にステアリン酸リチウム及び又はヒドロキシステア
リン酸リチウムを加え良好なスリップ性を出し、さらに
サーマルヘッドとの融着を防ぐ目的で融点８０〜１２５
℃の熱溶融性物質が加えられる。

前記各成分の混合割合はセルロース系樹脂１重量部に対
してステアリン酸リチウム及び又はヒドロキシステアリ
ン酸リチウムと熱溶融性物質との総量を１〜０．２５重
量部とするのが適当である。後者の使用量が前者に対し
て１重量部を超えると塗布被膜強度が不足し、サーマル
ヘッドの摩擦により剥れが生じ、カスとなってヘッドに
たまり、また０、２５重量部未満であるとスティック現
象が生じる。

またステアリン酸リチウム及び／またはヒドロキシステ
アリン酸リチウム１重量部に対して熱溶融性物質は０．
３〜０００５重量部が適当である。０．３重量部を超え
ると滑性不足のためスティックが発生し、Ｏ，ＯＳ重量
部未満のときは離型性不足のためスティックが発生する
。

また、耐熱スリップ層の膜厚は０．０５μ〜０．５μが
適当である。また、セルロース系樹脂の接着性を高める
ためインシアネートを加え硬化させてもよい、また接着
改良のため他の熱可塑性樹脂、例えばアクリル樹脂、ポ
リエステル樹脂等を耐熱性を妨たげない範囲で加えても
よい。

本発明において基材として用いるプラスチックフィルム
としては、従来公知の種々の熱可塑性樹脂から形成され
たものを用いることができ１例えば、ポリエステルフィ
ルム、ポリアミドフィルム。

ポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム。

セルロース系フィルム等が挙げられ、その厚さは通常０
．５〜５０μ醜、好ましくは３〜１０μ鳳程度である。

本発明において、前記基材の上に形成させる感熱転写層
は、その種類には制限されず、非反応型又は反応型のも
のが任意に使用され、非反応型のものとしては、例えば
、熱溶融性インキからなる転写層あるいは昇華性染料か
らなる転写層を挙げることができ、また反応型のものと
しては、例えば、以下に示すような組合せの発色反応系
の反応成分の１種を含む転写層を挙げることができる。

（１）ロイコ染料と顕色剤（電子受容性物質）との組合
せ。

（２）ステアリン酸第２鉄、ミリスチン酸第２鉄のよう
な長鎖脂肪族鉄塩とタンニン酸、没食子酸、サリチル酸
アンモニウムのようなフェノール類との組合せ。

（３）、銀、鉛、水銀、トリウムの硫酸塩のような重金
属硫酸塩とＮａ−テトラチオネート、チオ硫酸ソーダ、
チオ尿素のような硫黄化合物との組合わせ。

（４）ベヘン酸銀、ステアリン酸銀のような有機酸貴金
属塩とプロトカテキン酸、スピロインダン。

ハイドロキノンのような芳香族有機還元剤との組合わせ
。

（５）カプロン酸鉛、ペラルゴン酸鉛、ベヘン酸鉛のよ
うな有機酸鉛塩とエチレンチオ尿素、Ｎ−ドデシルチオ
尿素のようなチオ尿素誘導体との組み合わせ。

前記のような反応型の熱転写層を有する感熱転写シート
を用いる場合、その転写を受ける受容シートとしては、
前記した組合せからなる発色反応系の熱転写層に含まれ
る反応成分と反応して発色を生起させる反応成分を含む
受容層を有するシートが用いられる０例えば、熱転写層
がロイコ染料を含むものである場合、受容シートとして
は、フェノール性物質等の顕色剤を含む受容シートを用
いることができる。

また、前記した２、種の反応成分の組合せからなる発色
反応系は、あらかじめ発色反応を防止させた状態で熱転
写層に含有させることができる。このような発色反応成
分を含有する熱転写層を有する感熱転写シートは、熱転
写により、受容シートとしての紙の上に５発色反応生成
物の溶融付着物からなる画像を転写させることができる
。ここで非反応型感熱転写層を例にとつとその形成法を
説明すると、着色剤、バインダー剤などからなる組成物
をフィルム基村上にホットメルトコーティングするかま
たは該組成物を適宜の溶融に分散させた塗布紙をソルベ
ントコーティングして約１〜２０μ−の層で形成するこ
とができる。前記着色剤としては従来より複写紙の分野
で用いられている各種染料またはカーボンブラックなど
の顔料がいずれも使用でき、またバインダー剤としては
例えばカルナバワックス、木ろう、ミツろうなどのワッ
クス類を用いることができる。

〔効　　果〕

本発明の感熱転写シートは、前記した構成からなり、基
材の片面にセルロース系樹脂及びステアリン酸リチウム
及び／又はヒドロキシステアリン酸リチウムを主体とし
、さらに融点８０〜１２５℃の熱溶融性物質を少なくと
も含有させた耐熱スリップ層を設けたことから以下のよ
うな利点を有するものである。

（１）サーマルヘッドの熱エネルギーに対して安定であ
り、スティッキングも生じないため、安定な送行性を有
する。

（２）プリンター中のカセット材質、ロールとの接触時
の滑性が良好であり、印字両像の地汚れ１画像乱れが発
生しない、耐熱スリップ層を形成するバック材がインク
層に転移しにくいため、経時によっても品質が安定であ
る。

〔実施例〕

つぎに、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。

実施例１ 下記の組成よりなる耐熱スリツプ層形成液をボールミル
で１２時間分散し塗液とした。

〔耐熱スリツプ層形成液〕

ステアリン酸リチウム　　　　　　　０．５〃ステアリ
ン酸アミド　　　　　　　　０．ＩＩＩメチルエチルケ
トン　　　　　　　　１８〃上記組成の塗液を３．５μ
ｌポリエチレンテレフタレートフイルムに、乾燥後の膜
厚が０．３μｍとなるようワイヤーバーを用いて塗布し
、１００℃で１分間熱風乾燥を行った。

次に、下記組成の熱溶融型インク塗液を調製した。

カーボンブラック　　　　　　　　１５．０重量部パラ
フィンワックス１５５＠Ｆ　　　　　３３．ＯＩＩカル
ナウバワックス＆ｌ　　　　　　２５．ＯＩＩ鉱物油　
　　　　　　　　　　　　２，０　７／上記塗液を耐熱
スリップ層とは反対側の面に４．５μ閣厚のインク層と
なるようホットメルトコーティングを行い、感熱転写シ
ートを得た。

実施例２ 下記組成よりなる耐熱スリツプ層形成液をボールミルで
１２時間分散し塗液とした。

〔耐熱スリツプ層形成液〕

ヒドロキシステアリン酸リチウム　０．５Ｎヒドロキシ
ステアリン酸アミド　　ｏ、ｏｓ　ｎメチルエチルケト
ン　　　　　　　　１８〃上記組成の塗液を３．５μ謙
ポリエチレンテレフタルフイルム上に、乾燥後の膜厚を
０．０５μ園となるようにワイヤーバーを用いて塗布し
、１３０℃で１分間熱風乾燥を行なった１次に下記組成
の熱溶融型インク塗液を調整した。

カーボンブラック　　　　　　　　　１５重量部カルナ
ウバワックス＆１　　　　　　　２３　　＃マイクロク
リスタリンワックス　　　６５〃上記インク塗液を耐熱
スリップ層とは反対側に面に４μ直厚のインク層となる
ようホットメルトコーティングを行い、感熱転写シート
を得た。

比較例１ 実施例１において、耐熱スリツプ層形成液を下記の組成
に代えた以外は実施例１と全く同様にして感熱転写シー
トを得た。

〔耐熱スリツプ層形成液〕

ステアリン酸マグネシウム　　　　　０．３〃メチルエ
チルケトン　　　　　　　　１８〃比較例２ 実施例１において耐熱スリツプ層形成液を下記の組成に
代えた以外は実施例１と全く同様にして感熱転写シート
を得た。

〔耐熱スリツプ層形成液〕

ステアリン酸カルシウム　　　　　　０．４〃メチルエ
チルケトン　　　　　　　　１８〃比較例３ 実施例１において耐熱スリツプ層形成液を下記の組成に
代えた以外は全く同様にして感熱転写シートを得た。

〔耐熱スリツプ層形成液〕　　　　” セルロースアセテートプロピオネート１８重量部（１０
％メチルエチルケトン溶液） ステアリン酸ナトリウム　　　　　　０．２〃ステアリ
ン酸カルシウム　　　　　　０．２〃メチルエチルケト
ン　　　　　　　　１８〃前記のようにして得られた実
施例１．実施例２及び比較例１．比較例２、比較例３の
感熱転写シートの各々をｒｐｃ用紙（平滑度６０ｓｅｃ
：タイプ６２００（リコー！りにインク面が接するよう
に重ねて、耐熱スリップ層からサーマルヘッドにより１
日本電気社製文豪ミニ３（印字濃度；濃）で印字した。

実施例１及び実施例２の感熱転写シートはプリンター内
及びカセット内での送行性がスムーズであり、サーマル
ヘッドの熱エネルギーによるスティッキング現象が全く
発生しなかった。またベタ部のインク抜は部分にもシワ
などの発生が認められず、更に不遇りによる印字画像の
地汚れ、スティックによる画像の乱れはなかった。また
、６０℃、２４時間保存させた後上記の試験を行なって
も良好な結果が得られた。

これに対して、比較例１〜３の感熱転写シートは、プリ
ンター及びカセット内での送行性が悪く、またサーマル
ヘッドの熱エネルギーによってスティック現象が発生し
印字画像の汚れあるいは地汚れが生じた。

特許出願人　株式会社　リ　　コ　−

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）基材の片面に感熱転写層を有し、基材の他方の面
   に耐熱スリップ層を有する感熱転写シートにおいて、耐
   熱スリップ層の主成分としてセルロース系樹脂及びステ
   アリン酸リチウム及び／又はヒドロキシステアリン酸リ
   チウムを使用し、さらに融点８０〜１２５℃の熱溶融性
   物質を少なくとも含有させたことを特徴とする感熱転写
   シート。
2. （２）該耐熱スリップ層にはセルロース系樹脂１重量部
   に対してステアリン酸リチウム及び／又はヒドロキシス
   テアリン酸リチウムと融点８０〜１２５℃の熱溶融性物
   質の総量が１〜０．２５重量部配合される特許請求の範
   囲第１項記載の感熱転写シート。