JPH01126474A - 磁性流体シール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、少なくとも一方が高速回転される軸およびそ
の挿通側部材間に介在して設けられその軸支部分でのシ
ール等を行なうために用いて好適な磁性流体シールの改
良に関する。

〔従来の技術〕

この種の磁性流体シールは、たとえば磁気ディスク装置
などにおいて、軸（シャフト）の周囲で高速回転される
軸挿通側部材としての回転体の軸支部分等に用いられ、
その支持用ベアリングからのグリース漏れ等を防いだり
するうえで効果的なもので、従来から概略第３図に示す
ような構成によるものが一般によく知られている。これ
を簡単に説明すると、図中符号ｌは図示しない軸挿通側
部材に設けられ軸２の周囲に遊嵌状態で対設される環状
（この例では円筒状）を呈する永久磁石で、この永久磁
石１は軸線方向において異なる磁極をもつように着磁し
て形成されている。また、この永久磁石１の両端側には
、そのヨークとなる一対の環状磁性板３．４が一体的に
設けられ、かつこれら各環状磁性体３，４の内周ｉ３ａ
、４ａ部分が、永久磁石１内周部よりも軸２側に張出し
て形成されることで、断面が内向きコ字状を呈する環状
の磁気回路構成体５が構成されている。

一方、前記軸２側で環状磁性体３．４に対応する部分に
は環状溝６．７がそれぞれ形成され、かつこれら環状溝
６．７間に形成される環状突部８が、前記永久磁石１の
内周部に所定ｎｌｌ隔をおいて対向するように構成され
ている。そして、これら永久磁石ｌ、一対の環状磁性板
３．４および軸２側の環状突部８によって囲まれた部分
に、図示しない磁性流体の封入空間９が形成され、組立
状態において磁性流体が封入されるようになっている。

なお、上述した軸２上でその少なくとも環状突部８部分
は、前記永久磁石１から環状磁性板３．４を経て磁気回
路を構成するように磁性体で形成されている。

このような構成による磁性流体シールは、永久磁石１お
よび輛２側の環状突部８の軸線方向中央を通り軸線に直
交する中心線Ｐ（実際には平面である）に対し略々対称
な構造とされ、かつ磁気回路は永久磁石ｌ、一方の環状
磁性板３、軸２側の環状突部８．他方の環状磁性板４を
経て永久磁石１に戻る閉路として構成されている。そし
て、このような磁気回路において、軸２側の環状突部８
における環状溝６．７側の端縁部分６ａ、７ａと前記環
状磁性板２．３の内周縁３ａ、４ａ部分との１７）ｌに
高磁界が発生しており、これら高磁界部分に磁性流体に
よるシール部が形成される。この場合、これら環状磁性
板３，４間の間隔と軸２側の環状突部８の軸線方向の幅
とを略々同一に設定することで、磁性流体を比較的飛散
しにくい状態で保持し得る構成としている。これは、た
とえば永久磁石ｌおよび環状磁性板３．４からなる磁気
回路構成体５が、図示しない軸挿通側部材と共に高速で
回転された場合において、磁性流体シール部に遠心力が
加わったとしても磁性流体が封入空間９側に移動し易く
、外部に飛散しにくくなることから、容易に理解されよ
う。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上述した従来構造において、磁性流体封
入空間９への磁性流体の封入量が増大すると、この封入
空間９内で磁界に拘束されない流動的な磁性流体量が増
加し、これが回転に伴なって流動して磁性流体シール部
分に圧力を加え、シールを破壊して外部への飛散を招い
てしまい、その周辺部分での汚染を避けられない等とい
った問題があった。

また、Ｌ述した従来構造では、たとえ外部に飛散しなく
ても高速回転に伴なう遠心力でシールが破壊され、磁性
流体が封入空間９から飛散してしまうといった可能性も
あり、シール性能の低下や磁性流体シール部周辺部分で
の汚染等といった問題と共に、シール寿命が低下すると
いった問題もあり、このような点を考慮し、上述した従
来の磁気回路構成で生じる問題点を一掃し得る何らかの
対策を講じることが望まれている。

〔問題点を解決するための手段〕

このような要請に応えるために、本発明に係る磁性流体
シールは、軸外周部側の磁性突部を、永久磁石両端側の
環状磁性板間の軸線方向での幅寸法よりも小さく設定す
るとともに、その軸外周部からの高さを、前記環状磁性
板間に臨んで永久磁石内周部に近接して対向するように
設定し、これらの部材間に形成される磁性流体の封入空
間を小さくするようにしたものである。

〔作用〕

本発明によれば、軸側の磁性突部両端面と一対の環状磁
性板の内周縁内側面との間で軸線方向に高磁界を発生さ
せて磁性流体を保持することが可使で、たとえ高速回転
等で磁性流体に遠心力が加わったとしても、ｒａ性流体
が磁気回路内に力を受けて磁気回路外への飛散を防上し
得る磁気回路構成を実現でき、また磁性流体封入空間を
小さくしているため、従来構造のような飛散の原因であ
った磁界内での非拘束な磁性流体の流動性によって生じ
るシールに加する圧力を軽減し、シール部の破壊による
磁性流体の飛散等を防上してその周辺部分での汚染等と
いった問題を防ぎ、シール部の長寿命化を図れるもので
ある。− 〔実施例〕 以下、本発明を図面に示した実施例を用いて詳細に説明
する０、 第１図は本発明に係る磁性流体シールの一実施例を示す
ものであり、同図において前述した第３図と同一または
相当する部分には同一番号を付してその詳細な説明は省
略する。

さて、本発明によれば、軸２外周部に対し、図示しない
軸挿通側部材側に設けられる磁気回路構成体５を構成す
る永久磁石１両端側の環状磁性板３．４間の軸線方向で
の幅寸法よりも小さく設定された磁性突部ｌＯを全周に
わたって一体的に設け、かつその軸２外周部からの高さ
を、前記環状磁性板３．４間に臨んで永久磁石ｌ内周部
に近接して対向するように設定し、これらの部材ｌ；３
．４（５）；１０間に形成される磁性流体の封入空間９
を、従来に比べて小さくするように構成したところに特
徴を有している。ここで、上述した環状磁性板３，４は
、その内径が前記磁性突部１０外周部よりも小さくなる
ように形成され、その内周縁内側面３ｂ　、４ｂが、磁
性突部１０の両端面に軸線方向から所定間隙をおいて対
面するように構成されている。

そして、このような構成によれば、軸２側の磁−性突部
ｌＯ両端面とこれに対向する一対の環状磁性板３．４の
内周縁内側面３ｂ、４ｂとの間で軸線方向に高磁界を発
生させ、磁性流体を強力に保°持することができる。し
たがって、上述した磁気回路構成体５を構成する永久磁
石！および環状磁性板３．４が軸挿通側部材（図示せず
）と共に。

たとえ高速で回転されたとしても、高磁界による磁気回
路構成部分に保持されている磁性流体は。

遠心力により前記封入空間９側への力を受けるだけであ
り、従来のように磁性流体シールが破壊されたり、磁気
回路外部に飛散したりする問題を一掃できるものである
。

また１本発明によれば、磁性流体封入空間９を可能な限
り小さく形成しているため、従来構造のように飛散の原
因であった磁界内での非拘束な磁性流体の流動性によっ
て生じるシール部に加わる圧力を軽減し、シール部の破
壊による磁性流体の飛散等を防Ｉトシ得るもので、その
結果としてこのシール周辺部分での汚染等といった問題
を防ぎ、シールの長寿命化を図れる等といった利点を奏
するものである。

ここで、上述したような磁気回路構成において、永久磁
石ｌ内周部と軸２例の磁性突部１０外問部とに１図中１
１ａ、ｌｌｂで示すような環状溝を選択的に設けるよう
にすると、この磁性流体シール部を、前記中心線Ｐの両
側の二個所に確実に形成でき、その耐圧を高めることが
可能となるものである。

さらに、ト述した構成による磁性流体シール構造におい
て、永久磁石ｌ側で前記軸２側の磁性突部ｌＯと対向す
る内周部に、非磁性体からなる環状部材（図示せず）を
選択的に設置するようにしてもよい、また、この場合の
非磁性体製環状部材の内周面に溝等を適宜形成すると、
磁性流体の挙動をより適正化し得るものである。

さらに、上述した構成による磁性流体シールにおいて、
磁性突部ｌＯを軸２外周部に形成するにあたっては１図
示するように、環状体として構成した磁性突部１０を軸
２外周部に嵌合して固定しても、あるいは図中想像線で
示すように、フランジ部分を磁性突部１０とするスリー
ブ部材１２を軸２に設けた小径部分に嵌合して固定する
等の種々の方法が考えられる。勿論、軸２ヒに一体に加
工するようにしてもよい。

また、このような磁性流体シールは、軸２外周部に対し
磁性突部１０を設けるとともに、磁気回路構成体５を構
成する永久磁石ｌと一方の環状磁性板（たとえば３）を
組立てし、その内部に磁性流体を吸着させた後、この組
立体を前記磁性突部ｌＯの外周側に嵌装し、その後他方
の環状磁性板４を組付は固定して全体を一体化すること
で、簡単かつ適切に組立てられる。

なお、本発明は上述した実施例構造に限定されず、各部
の形状、構造等を、適宜変形、変更することは自由であ
る。たとえば軸２外周部に設けられる磁性突部ｌＯとし
て、第２図に示すように。

断面がＴ字状を呈する環状体として形成し、かつその首
部に対応して環状磁性板３．４の内周綾部分から軸線方
向に延設した延設部３ｃ、４ｃを設けると、磁性流体の
飛散をより一層防止し得るものである。

さらに、上述した実施例では、永久磁石ｌや磁性突部１
０を円筒状で形成した場合を示したが、′本発明はこれ
に限定されず、単純な環状体であってもよく、種々の変
形例が考えられる。

また、−上述した実施例では、軸２偏に対して磁気回路
構成体５を、軸挿通側部材と共に高速回転させる場合を
説明したが、軸２側が回転される場合にも適用できるこ
とは勿論である。

〔発明の効果〕

以上説明したように１本発明に係る磁性流体シールによ
れば、軸外周部側の磁性突部を、永久磁石両端側の環状
磁性板間の軸線方向での幅寸法よりも小さく設定すると
ともに、その軸外周部からの高さを、前記環状磁性板間
に臨んで永久磁石内周部に近接して対向するように設定
し、これらの部材間に形成される磁性流体の封入空間を
小さくするようにしたので、簡単な構成にもかかわらず
、軸側の磁性突部両端面と環状磁性板内周縁内側面との
間に軸線方向で高磁界を発生させて磁性流体を強力に保
持し、この磁性流体の外部への飛散を防Ｉ卜することが
可能となり、これにより周辺部分での汚染等を防止し得
るとともに、長寿命な磁性流体シール構造を構成するこ
とができる等の種々優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る磁性流体シールの一実施例を示す
要部断面図、第２図は本発明の別の実施例を示す要部断
面図、＠３図は従来例を示す断面図である。 ！・・・・環状永久磁石、２・・・・軸（シャフト）、
３．４・・・・一対の環状磁性板、３ｂ、４ｂ・・・・
内周縁内側面、５・・・・磁気回路構成体、９・・・・
磁性流体封入空間、ｌＯ・・・・磁性突部。 特許出願人　日木電信電話株式会社

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）軸外周部に設けられる磁性突部と、この磁性突部
   外周部よりも内径が小さくなるように形成されかつこの
   磁性突部両端側に所定間隙をおいて対向配置される一対
   の環状磁性板と、これら一対の環状磁性板を前記磁性突
   部の外周側で連結するように配設されかつ軸線方向に着
   磁されている環状永久磁石とを備えてなることを特徴と
   する磁性流体シール。（２）磁性突部は、環状永久磁石
   およびその両端側の環状磁性板によって形成される磁性
   流体封入空間内に臨み、その外周部が前記永久磁石内周
   部に近接して対向されていることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項記載の磁性流体シール。