JPH0112551Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は直流高圧発生装置に関する。

従来の直流高圧発生装置は、第１図に示すよう
に、トランス１と直流高圧発生回路ユニツト２と
をケース３内に収納して完全密閉し、絶縁油４を
真空中にて含浸して成るものである。なお５は入
力端子であり、前記ケース３は、アルミあるいは
ブリキ等から成るケース本体３ａと蓋部３ｂとか
ら構成されている。そして前記直流高圧発生ユニ
ツト２の出力端に接続された出力用導体６は、ケ
ース３内の内部絶縁筒７によつて覆われており、
かつケース３外の外部端子８に接続されている。
前記外部端子８及び内部絶縁筒７は、前記蓋部３
ｂに穿設された貫通孔（図示せず）と同心状に蓋
部３ｂに固着されている。前記内部絶縁筒７は、
高電圧を絶縁するものであるから、絶縁耐力を充
分保持した材料を用いることが要求され、磁器等
の無機材料が一般的に多く用いられている。磁器
は、絶縁耐力の面では非常に優れているが、短所
として機械的強度、特に外部よりの衝撃にたいへ
んもろいという性質がある。

したがつて、上記従来の構成では、直流高電圧
発生装置の輸送中等に、外部端子８に外部より衝
撃が加わり、この衝撃が蓋部３ｂを介して内部絶
縁筒７に伝達されて、第２図のように内部絶縁筒
７が蓋部３ｂとの接合部で折れてしまうという問
題があつた。このため、外部端子８等に圧力が加
わらないようにいろいろ工夫がなされているが、
抜本的対策は取られていないのが実状である。

本考案は上記の点に鑑み、外部からの圧力によ
る内部絶縁筒の損傷を確実に防止できる直流高圧
発生装置を得ることを目的とする。

すなわち本考案は、トランスと、直流高圧発生
回路ユニツトと、この直流高圧発生回路ユニツト
の出力端に接続された出力用導体を覆う内部絶縁
筒とを収容するケースを設け、このケースの蓋部
外面に、前記出力用導体が接続される外部端子を
固着し、この外部端子の前記蓋部側端部に、前記
蓋部を介してまたは直接ベローズの一端部を接合
し、このベローズの他端部に前記内部絶縁筒の一
端部を接合したものであり、各部端子に過大の圧
力が加わつた場合でもこの圧力をベローズで完全
に吸収できるので、内部絶縁筒の損傷を確実に防
止できるのである。

以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。第３図及び第４図において、９は例えばリン
青銅等の金属から成る環状のベローズであり、外
部から衝撃が加わつた場合、軸心方向に若干伸縮
可能なように構成されている。このベローズ９の
一端部は、蓋部３ｂの内面に半田１０により接合
されており、また他端部には内部絶縁筒７の一端
部が嵌入され、かつこれらベローズ９の他端部と
内部絶縁筒７の一端部とは半田１１により接合さ
れている。他の構成は第１図に示す従来例と同様
様である。なお、ベローズ９の一端部は外部端子
８の蓋部３ｂ側端部に直接接合してもよい。

このように、内部絶縁筒７をベローズ９により
直接あるいは蓋部３ｂを介して外部端子８に接合
するようにしたので、外部端子８に過大の圧力が
加わつた場合でも内部絶縁筒７に直接圧力が伝わ
らず、この圧力はベローズ９により完全に吸収さ
れるので、内部絶縁筒７が損傷する恐れはない。

以上説明したように、本考案にかかる直流高圧
発生装置によれば、外部からの圧力による内部絶
縁筒の損傷を確実に防止し得、信頼性を大幅に向
上し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の直流高圧発生装置の概略断面
図、第２図は同装置の要部拡大正面図、第３図は
本考案の一実施例における直流高圧発生装置の要
部正面図、第４図は本考案に用いたベローズの正
面図である。 １……トランス、２……直流高圧発生回路ユニ
ツト、３……ケース、３ｂ……ケースの蓋部、６
……出力用導体、７……内部絶縁筒、８……外部
端子、９……ベローズ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トランスと、直流高圧発生回路ユニツトと、こ
   の直流高圧発生回路ユニツトの出力端に接続され
   た出力用導体を覆う内部絶縁筒とを収容するケー
   スを設け、このケースの蓋部外面に、前記出力用
   導体が接続される外部端子を固着し、この外部端
   子の前記蓋部側端部に、前記蓋部を介してまたは
   直接ベローズの一端部を接合し、このベローズの
   他端部に前記内部絶縁筒の一端部を接合した直流
   高圧発生装置。