JP7846857B2 - ステータ - Google Patents

ステータ

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JP7846857B2
JP7846857B2 JP2022025943A JP2022025943A JP7846857B2 JP 7846857 B2 JP7846857 B2 JP 7846857B2 JP 2022025943 A JP2022025943 A JP 2022025943A JP 2022025943 A JP2022025943 A JP 2022025943A JP 7846857 B2 JP7846857 B2 JP 7846857B2
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Description

本発明は、回転軸を有するロータの周囲に配置される分割コアを備えたステータに関する。
従来、ヨーク部の内表面及び側表面とティース部の側表面とを覆うように分割コアがインサート成形された樹脂製のインシュレータを備えたステータが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のステータは、ヨーク部のうち、ステータ軸方向に直交する側縁面とティース部側の面とが交わる二つの角線部が面取りされている。これにより、インサート成形時に樹脂流動性を確保し、インシュレータの亀裂等の発生を確認できたと記載されている。
特開2008-278682号公報
特許文献1に記載のステータは、分割コアとインシュレータとが一体成形されているものの、コイル巻線の敷設時などにインシュレータが分割コアに対して移動し或いは分離するおそれがあった。インシュレータが分割コアに対して移動するとステータの絶縁信頼性が損なわれる。
このような実情に鑑み、インシュレータによる絶縁信頼性を高めることが可能なステータが求められている。
(特徴構成)
本発明に係るステータの特徴構成は、コイルの巻線が巻かれるティース部および前記ティース部の端部に膨出形成されたヨーク部を持ち、回転軸を有するロータの周囲に配置される分割コアと、
前記ティース部の表面の少なくとも一部および前記ヨーク部の表面の少なくとも一部を覆うように成形されたインシュレータと、を備え、
前記ティース部の表面のうち隣接する前記分割コアに向く一対の側面において、前記側面の縁部のうち前記ヨーク部から最遠の側面縁部に沿って延在し前記インシュレータと係合する凸状の係合部が設けられ、
前記係合部は、前記側面縁部の側から所定の曲率で凹状に立ち上がる湾曲面と、前記湾曲面から前記側面縁部に沿って延在する直線状面と、前記直線状面から前記ヨーク部の側に向かって勾配が小さくなる凸状面とを有しており、
前記インシュレータのうち前記ティース部の一対の前記側面どうしの間に設けられた天面または底面の一方に、前記インシュレータのインサート成形型の一部が押圧した孔部が設けられ、前記天面または前記底面の他方に、インサート成形に際してのゲート部跡が設けられている点にある。
(効果)
本構成のステータは、分割コアの周囲にインシュレータを一体成形し、分割コアとコイルとの絶縁性を確保するものである。その際に、ティース部の表面のうち隣接する分割コアに向く一対の側面に、インシュレータと係合する凸状の係合部が設けてある。これにより、コイル巻線の敷設時などにインシュレータが分割コアに対して移動し或いは分離し難くなる。よって、ステータの絶縁信頼性を高めることができる。尚、分割コアは、複数枚のコアプレートを積層したものや、粉体を圧縮した圧粉コアであってもよい。
(効果)
本構成のように、係合部が側面の縁部のうちヨーク部から最遠の側面縁部の側で当該側面縁部に沿って延在することで、分割コアとインシュレータとの係合長さが確保でき、インシュレータの位置保持機能を高めることができる。また、分割コアに設けられた凸状の係合部は、ステータによる磁界の形成状態に影響する可能性がある。その場合でも、ヨーク部から離間した位置であれば、磁界形成に及ぼす影響を最小限に留めることができる。
インシュレータを射出成形する場合、樹脂を注入するゲート部が必要である。本構成では、分割コアを押える孔部を設けた部位とは反対の位置にゲート部を設け、樹脂注入の際には、樹脂の圧力が、孔部に配置された成形型の押え部によって確実に受け止められるように構成してある。これにより、分割コアの移動を防止することができる。
一般に、インサート成形によって分割コアの周囲に樹脂層を形成する場合、分割コアのうち樹脂で覆わない部位を保持しておき、樹脂で覆う部分には分割コアの露出部を設けないことが多い。その場合、分割コアは注入された樹脂で押圧されるから、仮に分割コアが複数のコアプレートで構成されている場合でも、コアプレートどうしが押し付けられ、コアプレート間の隙間をなくすことができる。
しかし、本構成では、敢えてコアプレートの表面をインサート成形型で直に押圧し、樹脂の注入に際してコアプレートの不測の動きを確実に阻止している。これにより、完成したステータのインシュレータには孔部が残される。この孔部そのものがステータの磁力特性に影響を与えるものではないが、孔部が残されるような工程で成形された結果、所期の磁力性能を有するステータを得ることができる。
インサート成形については、係合部13が、側面縁部11Aa1からヨーク部11Bに向かって、湾曲面13aと直線状面13bと凸状面13cとを順に設けていることで、樹脂をヨーク部11Bの側に円滑に流動させることができる。
(特徴構成)
本発明に係るステータにおいては、前記分割コアが、積層された複数枚のコアプレートを有し、前記係合部を、前記最遠の側面縁部から前記コアプレートの一枚の厚み寸法だけ離間した位置に設けておくことができる。
(効果)
複数枚のコアプレートを積層して分割コアを構成する場合、各コアプレートは板材料を用いて打ち抜き形成される。その場合に、凸状の係合部をコアプレートの端部に設けると、打ち抜きに際して過度に変形し易くなる。よって、コアプレートの一枚の厚み寸法だけ離間した位置に係合部を設けることで、成形時の保形性を高めている。また、係合部をコアプレートの側面縁部から離して形成することで、インシュレータが当該係合部に確実に係合し、インシュレータがティース部の表面に沿って位置ずれしようとするのを係合部の両面で阻止することができる。よって、インシュレータの位置保持機能がさらに向上する。
(特徴構成)
本発明に係るステータにおいては、前記ヨーク部の表面のうち前記ティース部の前記側面と隣接しつつ直交する表面に設けられた前記インシュレータが、前記側面から離れた領域においてヨーク縁部に近付くほど薄肉に形成されていると好都合である。
(効果)
分割コアを取り囲むようにインシュレータを成形する場合、インシュレータの縁部は薄肉にするのが合理的である。ヨーク縁部は、コイルの巻線によって大きな外力が作用し難く、絶縁性を維持するのにそれ程の厚みを要しない。また、ステータの体格をコンパクトに構成するには、インシュレータが占める体積を最小化するのが好ましい。さらに、インサート成形に際しては、末端部にまで樹脂を確実に充填する必要がある。そのためには、端部の充填量を少なくするのが好ましい。そこで本構成では、ヨーク部に形成するインシュレータについては、側面から離れた領域においてヨーク縁部に近付くほど薄肉に形成し、絶縁性と成形性を向上させ、さらにはコンパクト化を実現している。
(特徴構成)
本発明に係るステータにおいては、前記インシュレータのうち前記ティース部の前記側面に設けられた領域において、前記巻線の延出方向に沿う溝状部を前記延出方向に直交する方向に複数形成しておくことができる。
(効果)
本構成であれば、ティース部の表面を被覆するインシュレータの厚みを薄くし、且つ、樹脂材料を確実に充填させることができる。インシュレータは、コイルとティース部との絶縁機能が発揮されるものであれば薄い方が良い。コイルの巻き回し回数が確保できるうえステータをコンパクト化することでき、使用する樹脂材料も削減出来て低コスト化を図ることができる。
ただし、インシュレータの薄肉化を図るとインサート成形時に樹脂の流動面積が減り、充填不良が生じる可能性がある。そこで、本構成では、溝状部を巻線の延出方向に沿って形成することで、断面積の大きな部位と小さな部位を混在させている。この場合、断面積の大きな部位では樹脂の流動性が確保できるため、樹脂の粘性により、そこに隣接する断面積の小さな領域においても樹脂の流れが確保される。よって、全体的に少ない量の樹脂を用いて分割コアの所定面積の領域をインシュレータで覆うことができる。
(特徴構成)
本発明に係るステータにおいては、前記ゲート部跡が、環状の凹部と、当該凹部の中央に突出するゲート残り部と、を備えていると好都合である。
ゲート部跡の形状を凹部の中央に凸部を設けたものとすれば、インシュレータの表面つまり凹部の周囲の表面から凸部の突出長さを短くすることができる。よって、インシュレータの表面から不要な部位が突出するのを抑制することができ、コイルの巻線作業などへの影響をなくすことができる。
さらに、ゲート部跡の形成個所はティース部の天面あるいは底面であり、この部位ではコイルの巻線が所定の曲率を持つこととなる。そのため、巻線は、ティース部表面、具体的には、インシュレータの表面から浮き気味になることも多い。よって、当該位置にゲート部跡を設けることで、凸部とコイルの巻線との干渉が更に生じ難いものとなる。
回転電機の断面図 コアプレートの平面図 分割コア及びインシュレータの断面図 分割コア及びインシュレータの斜視図 分割コア及びインシュレータの底面図 分割コア及びインシュレータの上面図
以下に、本発明に係るステータの実施形態について、図面に基づいて説明する。本実施形態では、ステータを備えた回転電機の一例として、自動車のブレーキ装置に用いられるアクチェエータとして説明する。ただし、以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
(基本構成)
図1に示すように、回転電機100は、円環状のステータ1と、ステータ1の径方向内側に設けられたロータ2と、ロータ2を回転させる回転軸3と、回転軸3のロータ2とは異なる部位に固定され、回転軸3と一体回転する磁石ユニット4と、を備えている。回転電機100は、ハウジング5に収容されており、ハウジング5には、磁石ユニット4に対向する位置でセンサユニット6が固定されている。
ステータ1は、複数の電磁鋼板から成るコアプレート11(図2参照)を、回転軸3の軸方向に沿って積層して形成されている。また、ステータ1は、周方向に沿って分割された複数(本実施形態では12個)の分割コア1Aを有している。それぞれの分割コア1Aのティース部11Aには、コイル7の巻線が三相(U相、V相、W相)の各相に区分された状態で巻回されている。ステータ1の詳細は、後述する。
ロータ2は、複数の電磁鋼板を回転軸3の軸方向に沿って積層して形成されている。このロータ2は、ステータ1と対向する位置に複数の永久磁石21が固定されている。複数の永久磁石21は、周方向に沿ってN極またはS極が配置されており、コイル7に通電することで発生する磁束がステータ1とロータ2との間に流れることで、ロータ2が回転軸3と共に回転する。
また、磁石ユニット4が回転軸3と共に回転することで、センサユニット6が回転軸3の回転数を検出する。つまり、磁石ユニット4のマグネット42は、回転軸3の回転数を検出するために設けられている。ここで、回転軸3の回転数とは、単位時間あたりの回転速度や回転軸3の回転角度を含む概念である。センサユニット6は、ホールIC等の磁束検出素子61を含んでおり、この磁束検出素子61から出力されたパルス信号により回転軸3の回転数を検出することができる。
磁石ユニット4は、回転電機100の回転軸3に取り付けられる環状の固定部材41と、固定部材41に取り付けられ、回転軸3の回転数を検出するための少なくとも一つのマグネット42と、を有している。本実施形態における固定部材41は鉄板で構成されており、マグネット42は円環状に配置された永久磁石を含んでいる。尚、マグネット42は、一つの永久磁石で構成せずに、周方向に分割された複数の永久磁石で構成してもよい。
(ステータの詳細構成)
図1~図4に示すように、ステータ1は、コイル7の巻線が巻かれるティース部11Aおよびティース部11Aの端部に膨出形成されたヨーク部11Bを持ち、回転軸3を有するロータ2の周囲に配置される分割コア1Aと、ティース部11Aの表面の少なくとも一部およびヨーク部11Bの表面の少なくとも一部を覆うように成形されたインシュレータ12と、を備えている。このティース部11Aの表面のうち隣接する分割コア1Aに向く一対の側面11Aaに、インシュレータ12と係合する凸状の係合部13が設けられている。分割コア1Aは、複数枚のコアプレート11を積層して構成されており、各コアプレート11は板材料を用いて打ち抜き形成される。インシュレータ12は、樹脂に充填率10~30%でガラスフィラーを混入した材料で形成されている。
図2~図3に示すように、ヨーク部11Bは、ティース部11Aの端部から周方向に沿って突出するように、膨出形成されている。ヨーク部11Bの中央付近には、インサート成形型(不図示)の一部が当接する位置決め凹部11Baが形成されており、位置決め凹部11Baを挟んで樹脂を複数のコアプレート11に亘って流動させる一対の流動穴11Bbが形成されている。また、ヨーク部11Bの両側面のうち、一方の側面に切り欠き11Bc1が形成され、他方の側面に突起11Bc2が形成されている。これにより、周方向に隣接する分割コア1Aのコアプレート11どうしの切り欠き11Bc1と突起11Bc2とが嵌合して、複数の分割コア1Aが連結されて円環状のステータ1となる。
本実施形態のステータ1は、分割コア1Aの周囲にインシュレータ12を一体成形し、分割コア1Aとコイル7との絶縁性を確保するものである。その際に、ティース部11Aの表面のうち隣接する分割コア1Aに向く一対の側面11Aaに、インシュレータ12と係合する凸状の係合部13が設けてある。これにより、コイル巻線の敷設時などにインシュレータ12が分割コア1Aに対して移動し或いは分離し難くなる。尚、分割コア1Aは、複数枚のコアプレート11を積層したものや粉体を圧縮した圧粉コアであってもよい。
図2に示すように、ステータ1の係合部13は、側面11Aaの縁部のうちヨーク部11Bから最遠の側面縁部11Aa1の側で、側面縁部11Aa1に沿って長尺状に延在している。具体的には、分割コア1Aが、積層された複数枚のコアプレート11を有し、係合部13が、最遠の側面縁部11Aa1からコアプレート11の一枚の厚み寸法だけ離間した位置に設けられている。
本実施形態におけるコアプレート11の側面11Aaは、側面縁部11Aa1にロータ2と対向するフランジを設けておらず、係合部13のみが若干突出する形状で構成されている。この係合部13は、側面11Aaの側面縁部11Aa1の側から所定の曲率で凹状に立ち上がる湾曲面13aと、湾曲面13aから側面縁部11Aa1に沿って延在する直線状面13bと、直線状面13bからヨーク部11Bの側に向かって勾配が小さくなる凸状面13cとを有している。
このように、係合部13が側面11Aaの縁部のうちヨーク部11Bから最遠の側面縁部11Aa1に沿って延在することで、分割コア1Aとインシュレータ12との係合長さが確保でき、インシュレータ12の位置保持機能を高めることができる。また、分割コア1Aに設けられた凸状の係合部13は、ステータ1による磁界の形成状態に影響する可能性がある。その場合でも、係合部13がヨーク部11Bから離間した位置であるため、磁界形成に及ぼす影響を最小限に留めることができる。
特に、凸状の係合部13をコアプレート11の端部に設けているため、板材料の打ち抜きに際して係合部13の周囲が変形し易くなる。しかし、コアプレート11の一枚の厚み寸法だけ離間した位置に係合部13を設けることで成形時の保形性を高めている。また、係合部13をコアプレート11の側面縁部11Aa1から離して形成することで、インシュレータ12が係合部13に確実に係合し、インシュレータ12がティース部11Aの表面に沿って位置ずれしようとするのを係合部13の両面で阻止することができる。しかも、係合部13は、側面縁部11Aa1からヨーク部11Bに向かって、湾曲面13aと直線状面13bと凸状面13cとを順に設けることで、樹脂をヨーク部11Bの側に円滑に流動させることができる。
分割コア1Aを取り囲むようにインシュレータ12を成形する場合、インシュレータ12の縁部は薄肉にするのが合理的である。縁部は、コイル7の巻線によって大きな外力が作用し難く、絶縁性を維持するのにそれ程の厚みを要しない。また、ステータ1の体格をコンパクトに構成するには、インシュレータ12が占める体積を最小化するのが好ましい。また、インサート成形に際しては、末端部にまで樹脂を確実に充填する必要がある。そのためには、端部の充填量を少なくするのが好ましい。
そこで、図3に示すように、本実施形態にかかるステータ1は、ヨーク部11Bの表面のうちティース部11Aの側面11Aaと隣接しつつ直交する表面に設けられたインシュレータ12が、側面11Aaから離れた領域においてヨーク縁部に近付くほど薄肉に形成されている。この薄肉部12aはヨーク縁部に近付くにしたがって段階的に薄肉化してあり、薄肉部12aに段部12a1を形成している。これにより、巻き回し終盤の巻線が段部12a1に当接し、ヨーク部11Bの表面で位置ずれし難く、巻線の巻き回し作業を確実なものとしている。これにより、絶縁性と成形性を向上させ、さらにはコンパクト化を実現している。
また、ステータ1は、インシュレータ12のうちティース部11Aの側面11Aaに設けられた領域において、コイル7の巻線の延出方向に沿う溝状部12bが当該延出方向に直交する方向に複数形成されている。これにより、以下に記す如くティース部11Aの表面を被覆するインシュレータ12の厚みを薄くし、且つ、樹脂材料を確実に充填させることができる。
インシュレータ12は、コイル7とティース部11Aとの絶縁機能が発揮されるものであれば薄い方が良い。コイル7の巻き回し回数が確保できるうえステータ1をコンパクト化することでき、使用する樹脂材料も削減出来て低コスト化を図ることができる。ただし、インシュレータ12の薄肉化を図るとインサート成形時に樹脂の流動面積が減り、充填不良が生じる可能性がある。
そこで、本実施形態では、溝状部12bをコイル7の巻線の延出方向に沿って形成することで断面積の大きな部位と小さな部位とを混在させている。この場合、断面積の大きな部位では樹脂の流動性が確保できるため、樹脂の粘性により、そこに隣接する断面積の小さな領域においても樹脂の流れが確保される。よって、全体的に少ない量の樹脂を用いて分割コア1Aの所定面積の領域をインシュレータ12で覆うことができる。
一般に、インサート成形によって分割コア1Aの周囲に樹脂層を形成する場合、分割コア1Aのうち樹脂で覆わない部位を保持しておき、樹脂で覆う部分には分割コア1Aの露出部を設けないことが多い。その場合、分割コア1Aは注入された樹脂で押圧されるから、分割コア1Aが複数のコアプレート11で構成されている場合でもコアプレート11どうしが押し付けられ、コアプレート11間の隙間をなくすことができる。
しかしながら、本実施形態におけるステータ1は、図5に示すように、敢えてインシュレータ12のうちティース部11Aの一対の側面11Aaどうしの間に設けられた平坦な底面12Aに、インシュレータ12のインサート成形型(不図示)の一部が分割コア1Aを押圧する長孔状の孔部14が設けられている。また、底面12A側の1つのコアプレート11には、平面視で孔部14と重複する位置に、インサート成形型の位置合わせ穴11Abが設けられている(図2参照)。
このように、敢えてコアプレート11の表面をインサート成形型で直に押圧することで、樹脂の注入に際してコアプレート11の不測の動きを確実に阻止している。その結果、完成したステータ1のインシュレータ12には孔部14が残される。この孔部14そのものがステータ1の磁力特性に影響を与えるものではないが、孔部14が残されるような工程で成形された結果、所期の磁力性能を有するステータ1を得ることができる。
図6に示すように、インシュレータ12のうちティース部11Aの一対の側面11Aaどうしの間であって、孔部14が形成されていない側の平坦な天面12Bに、インサート成形に際してのゲート部跡15が設けられている。このゲート部跡15が、環状の凹部15aと、凹部15aの中央に突出するゲート残り部15bと、を備えている。このゲート残り部15bは、インサート成形型から樹脂が流入するゲート部であり、凹部15aはコアプレート11に当接するインサート成形型の一部である。
このように、分割コア1Aを押える孔部14を設けた部位とは反対の位置にゲート部跡15(樹脂注入口となるゲート部)を設け、樹脂注入の際には、樹脂の圧力が、孔部14に配置されたインサート成形型の押え部(凹部15a)によって確実に受け止められるように構成してある。これにより、分割コア1Aの移動を防止することができる。
また、ゲート部跡15の形状を凹部15aの中央に凸部(ゲート残り部15b)を設けたものとすれば、インシュレータ12の表面、つまり凹部15aの周囲の表面から凸部の突出長さを短くすることができる。よって、インシュレータ12の表面から不要な部位が突出するのを抑制することができ、コイル7の巻線作業などへの影響をなくすことができる。
さらに、ゲート部跡15の形成個所はティース部11Aの天面12Bあるいは底面12Aであり、この部位ではコイル7の巻線が所定の曲率を持つこととなる。そのため、巻線は、ティース部11A表面、具体的には、インシュレータ12の表面から浮き気味になることも多い。よって、当該位置にゲート部跡15を設けることで、凸部(ゲート残り部15b)とコイル7の巻線との干渉が更に生じ難いものとなる。
[その他の実施形態]
(1)上述した実施形態では、係合部13をティース部11Aの一対の側面11Aaのそれぞれに一箇所設けたが、二箇所以上であってもよい。また、係合部13の形状や配置は、どのような形態であってもよいが、ティース部11Aの一対の側面11Aaの一部に、側面縁部11Aa1に沿う所定の長さを有することが好ましい。
(2)上述した実施形態では、インシュレータ12の薄肉部12aに段部12a1を設けたが、段部12a1を省略してもよいし、段部12a1に変えて傾斜させてもよい。
(3)上述した実施形態では、インシュレータ12のうちティース部11Aの側面11Aaに設けられた領域において、コイル7の巻線の延出方向に沿う溝状部12bを設けた。この溝状部12bを省略して平坦面としてもよいし、溝状部12bをコイル7の巻線が係合するガイドとしてもよい。
(4)上述した実施形態では、インシュレータ12の天面12Bあるいは底面12Aにゲート部跡15または孔部14を設けたが、少なくとも何れか一方を省略してもよい。また、ゲート部跡15や孔部14の数、配置、形状は特に限定されない。
本発明は、回転軸を有するロータの周囲に配置される分割コアを備えたステータに利用可能である。
1 ステータ
1A 分割コア
2 ロータ
3 回転軸
7 コイル
11 コアプレート
11A ティース部
11Aa 側面
11Aa1 側面縁部
11B ヨーク部
12 インシュレータ
12A 底面
12B 天面
12b 溝状部
13 係合部
14 孔部
15 ゲート部跡
15a 凹部
15b ゲート残り部

Claims (5)

  1. コイルの巻線が巻かれるティース部および前記ティース部の端部に膨出形成されたヨーク部を持ち、回転軸を有するロータの周囲に配置される分割コアと、
    前記ティース部の表面の少なくとも一部および前記ヨーク部の表面の少なくとも一部を覆うように成形されたインシュレータと、を備え、
    前記ティース部の表面のうち隣接する前記分割コアに向く一対の側面において、前記側面の縁部のうち前記ヨーク部から最遠の側面縁部に沿って延在し前記インシュレータと係合する凸状の係合部が設けられ、
    前記係合部は、前記側面縁部の側から所定の曲率で凹状に立ち上がる湾曲面と、前記湾曲面から前記側面縁部に沿って延在する直線状面と、前記直線状面から前記ヨーク部の側に向かって勾配が小さくなる凸状面とを有しており、
    前記インシュレータのうち前記ティース部の一対の前記側面どうしの間に設けられた天面または底面の一方に、前記インシュレータのインサート成形型の一部が押圧した孔部が設けられ、前記天面または前記底面の他方に、インサート成形に際してのゲート部跡が設けられているステータ。
  2. 前記分割コアが、積層された複数枚のコアプレートを有し、前記係合部が、前記最遠の側面縁部から前記コアプレートの一枚の厚み寸法だけ離間した位置に設けられている請求項1に記載のステータ。
  3. 前記ヨーク部の表面のうち前記ティース部の前記側面と隣接しつつ直交する表面に設けられた前記インシュレータが、前記側面から離れた領域においてヨーク縁部に近付くほど薄肉に形成されている請求項1または2に記載のステータ。
  4. 前記インシュレータのうち前記ティース部の前記側面に設けられた領域において、前記巻線の延出方向に沿う溝状部が前記延出方向に直交する方向に複数形成されている請求項1または2に記載のステータ。
  5. 前記ゲート部跡が、環状の凹部と、当該凹部の中央に突出するゲート残り部と、を備えている請求項1または2に記載のステータ。
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