JP7841954B2 - アルミニウム用熱間圧延クーラント及びアルミニウム圧延板の製造方法 - Google Patents
アルミニウム用熱間圧延クーラント及びアルミニウム圧延板の製造方法Info
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Description
前記アルミニウム用熱間圧延油が、
鉱油と、
15質量%以上25質量%以下の油性剤と、
6質量%以上12質量%以下の遊離脂肪酸と、
2質量%以上6質量%以下の非イオン性乳化剤と、を含有し、
前記油性剤は、天然油脂及び合成エステルからなる群より選択される1種または2種以上の物質であり、
前記熱間圧延油の40℃における動粘度が80mm 2 /秒以上200mm 2 /秒以下であり、
前記クーラントのNa濃度が8mg/dm3以上80mg/dm3以下であり、
前記クーラントの25℃における導電率σ(単位:μS/cm)と、前記Na濃度[Na](単位:mg/dm3)とが下記式(1)の関係を満たす、アルミニウム用熱間圧延クーラントにある。
400≦σ-3.25[Na]≦1200 ・・・(1)
前記クーラントは、水中にアルミニウム用熱間圧延油(以下、「熱間圧延油」という。)の油滴が分散した水中油滴型のエマルションから構成されている。前記クーラントにおける前記熱間圧延油の含有量は、例えば4体積%以上9体積%以下の範囲であればよい。クーラント中の熱間圧延油の含有量を4体積%以上、好ましくは5体積%以上とすることにより、プレートアウト量、つまり、クーラントと圧延ロールとが接触した際に圧延ロールに付着する熱間圧延油の量を適度に多くすることができる。
400≦σ-3.25[Na]≦1200 ・・・(1)
前記クーラントに含まれる熱間圧延油は、鉱油と、油性剤と、遊離脂肪酸と、非イオン性乳化剤と、を含んでいる。以下、熱間圧延油に含まれる成分及び熱間圧延油の特性について、詳細に説明する。
熱間圧延油には鉱油が含まれている。鉱油は熱間圧延油の基本となる成分であり、主に、油性剤を溶解させる溶媒としての機能を有している。熱間圧延油に含まれる鉱油としては、ナフテン系精製鉱油、パラフィン系精製鉱油及び芳香族系精製鉱油等の精製鉱油を使用することができる。より具体的には、精製鉱油としては、例えば、SUN40N、SUN100N、SUN500N、SUN2400N、SUNPAR(登録商標)110、SUNPAR115、SUNPAR150(以上、日本サン石油株式会社);SNH-95、SNH-220(以上、三共油化工業株式会社)、NCL-100、NCL-210(以上、谷口石油株式会社);E.P.X-1(富士興産株式会社)等を使用することができる。熱間圧延油中には、1種類の鉱油が含まれていてもよく、2種類以上の鉱油が含まれていてもよい。
熱間圧延油には、天然油脂及び合成エステルからなる群より選択される1種または2種以上の物質からなる油性剤が含まれている。油性剤は、熱間圧延中にアルミニウム材と圧延ロールとの間に油膜を形成し、アルミニウム材と圧延ロールとの摩擦を低減する作用を有している。
熱間圧延油には、遊離脂肪酸、つまり、アルミニウムイオンや鉄イオン等の金属イオンやトリエタノールアミンやジエタノールアミン等のアルカノールアミン及びその他の塩基との塩を形成していない脂肪酸が含まれている。遊離脂肪酸は、油性剤とともに熱間圧延中にアルミニウム材と圧延ロールとの間に油膜を形成し、アルミニウム材と圧延ロールとの摩擦を低減する作用を有している。
熱間圧延油中には、非イオン性乳化剤が含まれている。非イオン性乳化剤は、クーラントを構成するエマルションの乳化安定性を高め、熱間圧延油が水中に分散した状態を維持する作用を有している。熱間圧延油中には、1種類の非イオン性乳化剤が含まれていてもよく、2種類以上の非イオン性乳化剤が含まれていてもよい。
熱間圧延油中には、更に、アルミニウム材と圧延ロールとの摩擦をより低減するための脂肪酸アルカノールアミン塩、熱間圧延油の酸化を抑制するための酸化防止剤、熱間圧延油の腐敗を抑制するための防腐剤、圧延時の潤滑性を向上するための極圧剤、アルミニウム圧延板の表面における錆の発生を抑制するための防錆剤等が含まれていてもよい。
熱間圧延油の粘度特性は特に限定されるものではないが、例えば、40℃における熱間圧延油の動粘度は80mm2/秒以上200mm2/秒以下の範囲内であってもよい。この場合には、アルミニウム材と圧延ロールとの間に形成される油膜の厚みを適度に厚くし、アルミニウム材と圧延ロールとの摩擦をより低減するとともに、アルミニウム圧延板を巻回してなるコイルの変形をより効果的に抑制することができる。かかる作用効果をより確実に得る観点からは、40℃における動粘度は130mm2/秒以上185mm2/秒以下であることがより好ましい。
鉱油と、
15質量%以上25質量%以下の油性剤と、
6質量%以上12質量%以下の脂肪酸と、
2質量%以上6質量%以下の非イオン性乳化剤と、を含有し、
前記油性剤は、天然油脂及び合成エステルからなる群より選択される1種または2種以上の物質であり、
前記熱間圧延油の40℃における動粘度が80mm2/秒以上200mm2/秒以下であることが好ましい。
前記アルミニウム圧延板の製造方法は、前記クーラントを用いてアルミニウム材の熱間圧延を行う熱間圧延工程を有している。前記アルミニウム圧延板の製造方法は、熱間圧延工程に加え、熱間圧延前のアルミニウム圧延板を加熱して均質化する均質化工程、熱間圧延後のアルミニウム圧延板に冷間圧延を行う冷間圧延工程、冷間圧延の途中及び/または冷間圧延後にアルミニウム圧延板を加熱して焼鈍する焼鈍工程、アルミニウム圧延板中の析出物や晶出物をAl母相に固溶させる溶体化処理工程、アルミニウム圧延板に時効処理を施す時効処理工程等をさらに有していてもよい。また、これらの各工程における製造条件は、アルミニウム材の化学成分及び所望するアルミニウム圧延板の質別や強度等に応じて適宜設定すればよい。
前記回収工程において回収された前記クーラントのNaの濃度を8mg/dm3以上80mg/dm3以下に調整するとともに、前記式(1)を満たすように導電率σを調整する再生工程と、
前記再生工程が完了した後の前記クーラントを前記熱間圧延に用いられる圧延ロールに供給する供給工程と、をさらに有していてもよい。
400≦σ-3.25[Na]≦1200 ・・・(1)
鉱油C1:ナフテン系精製鉱油(40℃における動粘度:21.8mm2/秒)
鉱油C2:芳香族系精製鉱油(40℃における動粘度:164mm2/秒)
鉱油C3:ナフテン系精製鉱油(40℃における動粘度:406.8mm2/秒)
油性剤D1:ペンタエリスリトールテトラオレイン酸エステル
油性剤D2:トリメチロールプロパントリラウリン酸エステル
油性剤D3:ペンタエリスリトールトリオレイン酸エステル
油性剤D4:精製パーム油
オレイン酸
非イオン性乳化剤E1:ポリエチレングリコールモノオレート(HLB11.5)
非イオン性乳化剤E2:ポリエチレングリコールジオレート(HLB8.6)
・アルカノールアミン
トリエタノールアミン
JIS K2283に準拠した方法により、キャノン-フェンスケ粘度計を用いて熱間圧延油A1-A7及び熱間圧延油B1の40℃における動粘度を測定することができる。表1に40℃における熱間圧延油A1-A7及び熱間圧延油B1の動粘度を示す。
レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(例えば、株式会社堀場製作所製「LA-950」)を用いてクーラント中の油滴の体積基準における粒度分布を測定する。この粒度分布における累積中位径(つまり、メジアン径)をクーラント中の油滴の体積平均粒径とする。クーラントF1-F7及びクーラントG1における油滴の体積平均粒径を表2に示す。
クーラントの熱伝達係数は、加熱されたアルミニウム材の表面にクーラントを滴下した際の、深さ方向におけるアルミニウム材の温度変化に基づいて算出することができる。図1に、アルミニウム材の温度の測定に用いる試験体1を示す。試験体1は、縦約130mm、横約130mm、厚み約50mmの寸法を備えた直方体状のアルミニウム材から構成されており、試験体1のいずれかの端面11、つまり、縦約130mmの辺と厚み約50mmの辺とによって囲まれる面に3か所の温度測定孔12が設けられている。3か所の温度測定孔12は、具体的には、端面11の縦方向の中心線上における、試験体1の上面13からの深さが3mm、12mmおよび24mmとなる位置に設けられている。また、個々の温度測定孔12の断面形状は直径2mmの円形であり、試験体1の横方向に沿って延在している。温度測定孔12の深さは25mmである。
まず、一対の圧延ロール3(図4参照)を準備し、研磨紙を用いてロール表面を圧延方向(つまり、圧延ロールの周方向)に研磨することにより、圧延ロール3の表面状態を、圧延直角方向(つまり、圧延ロールの軸方向)に測定したときの算術平均粗さRaが0.3~0.4μmであり、かつ、最大高さRzが3.5~4.0μmとなるように調整する。この圧延ロール3の中央部に、表2に示すクーラントのいずれかを25mL塗布した後、JIS A3104合金からなる幅40mm、長さ500mm、厚さ5.0mmのアルミニウム材の予備圧延を行う。なお、予備圧延開始時のアルミニウム材の温度は400℃とし、予備圧延における圧下率は20%とする。
圧延開始時のアルミニウム材の温度:400℃
圧延速度:40m/min
圧下率:40%
δ=(L1-L2)/L1 ・・・(2)
R2=R×{1+16×(1-ν2)×P/[π×E×b×(h1-h2)]} ・・・(3)
μ=0.5×[(h1-h2)/R2]0.5/{1-2×[(1-r)×δ/r]0.5} ・・・(4)
板面残油量は、以下の方法で測定することができる。まず、前述した動摩擦係数の測定において熱間圧延を行った後のアルミニウム材を圧延直角方向に切断し、幅40mm、長さ400~600mmの試験片を採取する。次に、試験片の表面全体をヘキサン及びクロロホルムで洗浄し、試験片の表面に付着していた熱間圧延油をヘキサン-クロロホルム溶液に溶解させる。このヘキサン-クロロホルム溶液をポア径0.2μmのメンブレンフィルターでろ過し、予め質量を測定したビーカーにろ液を回収する。前記ろ液をホットプレートで加熱し、ヘキサンとクロロホルムとを蒸発させた後、ビーカーの質量を測定する。熱間圧延後の板面残油量(単位:mg/m2)、つまり、アルミニウム材の表面に付着した熱間圧延油の単位面積当たりの量は、ろ液を入れる前のビーカーの質量W0(単位:mg)、ヘキサンとクロロホルムとを蒸発させた後のビーカーの質量W(単位:mg)及び試験片の表面積S(単位:m2)を用い、下記式(5)に基づいて算出される。
板面残油量=(W-W0)/S ・・・(5)
プレートアウト性の評価方法は以下の通りである。まず、長さ80mm、幅25mm、厚さ5mmのアルミニウムブロックを準備する。このアルミニウムブロックの温度を100℃に維持した状態で、65℃まで加温したクーラントをアルミニウムブロックに吹き付ける。クーラントの吹き付け条件は、吐出圧0.3MPa、吐出時間10msとする。
11 端面
12 温度測定孔
13 上面
2 ビュレット
3 圧延ロール
4 アルミニウム材
Claims (3)
- アルミニウム用熱間圧延油が水中に分散された水中油滴型エマルションからなるアルミニウム用熱間圧延クーラントであって、
前記アルミニウム用熱間圧延油が、
鉱油と、
15質量%以上25質量%以下の油性剤と、
6質量%以上12質量%以下の遊離脂肪酸と、
2質量%以上6質量%以下の非イオン性乳化剤と、を含有し、
前記油性剤は、天然油脂及び合成エステルからなる群より選択される1種または2種以上の物質であり、
前記熱間圧延油の40℃における動粘度が80mm 2 /秒以上200mm 2 /秒以下であり、
前記クーラントのNa濃度が8mg/dm3以上80mg/dm3以下であり、
前記クーラントの25℃における導電率σ(単位:μS/cm)と、前記Na濃度[Na](単位:mg/dm3)とが下記式(1)の関係を満たす、アルミニウム用熱間圧延クーラント。
400≦σ-3.25[Na]≦1200 ・・・(1) - 請求項1に記載のアルミニウム用熱間圧延クーラントを用いてアルミニウム材の熱間圧延を行う熱間圧延工程を有する、アルミニウム圧延板の製造方法。
- 前記アルミニウム圧延板の製造方法は、前記熱間圧延工程において使用された前記クーラントを回収する回収工程と、
前記回収工程において回収された前記クーラントのNaの濃度を8mg/dm3以上80mg/dm3以下に調整するとともに、前記式(1)を満たすように導電率σを調整する再生工程と、
前記再生工程が完了した後の前記クーラントを前記熱間圧延に用いられる圧延ロールに供給する供給工程と、をさらに有する、請求項2に記載のアルミニウム圧延板の製造方法。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2022094120A JP7841954B2 (ja) | 2022-06-10 | 2022-06-10 | アルミニウム用熱間圧延クーラント及びアルミニウム圧延板の製造方法 |
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| JP2023180646A JP2023180646A (ja) | 2023-12-21 |
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| JP2010235791A (ja) | 2009-03-31 | 2010-10-21 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 圧延油 |
| JP2019085468A (ja) | 2017-11-03 | 2019-06-06 | 株式会社Uacj | アルミニウム用熱間圧延油、アルミニウム用熱間圧延クーラント及びアルミニウム圧延板の製造方法 |
| JP2019167423A (ja) | 2018-03-22 | 2019-10-03 | 株式会社Uacj | アルミニウム用熱間圧延油、アルミニウム用熱間圧延クーラント、アルミニウム圧延板の製造方法 |
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