JP2019085468A - アルミニウム用熱間圧延油、アルミニウム用熱間圧延クーラント及びアルミニウム圧延板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
0.70〜5.0質量%の非イオン性乳化剤と、を含有し、
残部が天然油脂、合成エステル及び脂肪酸からなる群より選択される1種または2種以上の油性剤からなり、
前記非イオン性乳化剤は、脱イオン水を溶媒とする水溶液の曇点を65〜100℃にすることができ、かつ、前記水溶液の表面張力を27〜32mN/mにすることができる特性を有している、
アルミニウム用熱間圧延油にある。
25℃における導電率が1000μS/cm以下であり、
前記アルミニウム用熱間圧延油の含有量が3〜10体積%であり、
体積基準の粒度分布に基づく前記アルミニウム用熱間圧延油の油滴のメジアン径が1〜7μmである、
アルミニウム用熱間圧延クーラントにある。
前記熱間圧延油中には、基油としての鉱油が含まれている。鉱油としては、未精製の鉱油及び精製鉱油から選択した1種または2種以上の鉱油を使用することができる。鉱油の含有量を前記特定の範囲とすることにより、熱間圧延油の材料コストの上昇を抑制しつつクーラントの乳化安定性を適正な範囲にすることができる。
前記熱間圧延油中には、0.70〜5.0質量%の非イオン性乳化剤が含まれている。非イオン性乳化剤の含有量を0.70質量%以上とすることにより、クーラントの乳化安定性を適度に高めるとともに、クーラントの表面張力を適度に低下させることができる。クーラントの乳化安定性及び表面張力をより好適な範囲にする観点からは、非イオン性乳化剤の含有量を0.90質量%以上とすることが好ましい。
前記熱間圧延油中には、油性剤が含まれている。熱間圧延油中の油性剤の量は、例えば、20質量%以上とすることができる。油性剤の量を20質量%以上とすることにより、圧延ロールの表面に油性剤を含む油膜を付着させることができる。その結果、圧延ロールとアルミニウム材との間の摩擦を低減することができる。
前記熱間圧延油中には、更に、アニオン性乳化剤としてのアルカノールアミンが含まれていてもよい。アルカノールアミンの含有量は、例えば、0.10〜1.0質量%とすることができる。熱間圧延油中に前記特定の範囲のアルカノールアミンを添加することにより、クーラントの乳化安定性を調節し、プレートアウト量をより多くするとともに、圧延ロールとアルミニウム材との間に形成される油膜の厚みのむらをより低減することができる。その結果、圧延ロールとアルミニウム材との間の摩擦をより低減することができる。
前記熱間圧延油中には、更に、熱間圧延油の酸化を抑制するための酸化防止剤、熱間圧延油の腐敗を抑制するための防腐剤、圧延時の潤滑性を向上するための極圧剤等が含まれていてもよい。酸化防止剤としては、例えば、アルキルフェノール類、芳香族アミン類、硫化油脂及び硫化オレフィン等の硫黄化合物等を用いることができる。防腐剤としては、例えば、フェノール系化合物、ホルムアルデヒド供与体化合物、サルチルアニリド系化合物等を用いることができる。極圧剤としては、例えば、トリクレジルフォスフェート及びジラウリル水素化ホスファイト等のリン化合物、硫化油脂及び硫化オレフィン等の硫黄化合物等を用いることができる。
前記熱間圧延油と水とを混合し、水中に前記熱間圧延油の油滴を分散させることにより、前記クーラントを調製することができる。25℃におけるクーラントの導電率は、1000μS/cm以下とする。クーラントの導電率を前記特定の範囲内とすることにより、熱間圧延油の油滴に静電反発による斥力を作用させ、油滴の合一を抑制することができる。その結果、クーラントの乳化安定性の低下を回避することができる。クーラントの乳化安定性をより高める観点からは、25℃におけるクーラントの導電率を700μS/cm以下とすることが好ましい。
・鉱油
鉱油A1:ナフテン系精製鉱油(日本サン石油株式会社製、40℃における動粘度 99.1mm2/秒)
鉱油A2:ナフテン系精製鉱油(日本サン石油株式会社製、40℃における動粘度 420.6mm2/秒)
天然油脂:精製パーム油(ミヨシ油脂株式会社製、40℃における動粘度 39mm2/秒)
合成エステル:トリメチロールプロパントリオレイン酸エステル(日油株式会社製「ユニスター(登録商標)H381R」)
脂肪酸:オレイン酸(和光純薬工業株式会社製、炭素数18)
・非イオン性乳化剤
非イオン性乳化剤B1:ノイゲン(登録商標)NL−Dash410(第一工業製薬株式会社製、曇点66℃、表面張力31.4mN/m)
非イオン性乳化剤B2:ノイゲンTDS−90(第一工業製薬株式会社製、曇点67℃、表面張力28.3mN/m)
非イオン性乳化剤B3:ノイゲンSD−80(第一工業製薬株式会社製、曇点80℃、表面張力27.3mN/m)
非イオン性乳化剤B4:ノイゲンXL−140(第一工業製薬株式会社製、曇点100℃、表面張力27.7mN/m)
非イオン性乳化剤B5:ノイゲンNL−100(第一工業製薬株式会社製、曇点100℃、表面張力31.0mN/m)
非イオン性乳化剤B7:ノイゲンNL−80(第一工業製薬株式会社製、曇点76℃、表面張力28.5mN/m)
非イオン性乳化剤B8:ノイゲンSD−70(第一工業製薬株式会社製、曇点64℃、表面張力26.2mN/m)
非イオン性乳化剤B9:ノイゲンET−160(第一工業製薬株式会社製、曇点100℃以上、表面張力37.6mN/m)
非イオン性乳化剤B10:ノイゲンCL−230(第一工業製薬株式会社製、曇点56℃、表面張力33.7mN/m)
トリエタノールアミン(三井化学株式会社製)
ジエタノールアミン(和光純薬工業株式会社製)
Naスルホネート(株式会社MORESCO製「SUL465」)
以上のようにして準備した試験剤1〜38について、JIS K2283に準拠した方法により、キャノン−フェンスケ粘度計を用いて40℃における動粘度を測定した。40℃における各試験剤の動粘度は、表1〜表4に示した通りであった。
まず、イオン交換樹脂を用いて水道水に脱イオン処理を施し、25℃における導電率が10μS/cmである脱イオン水を作製した。また、この脱イオン水に塩化ナトリウム(和光純薬工業株式会社製、純度99.5%)を溶解し、導電率を1000μS/cmまたは1800μS/cmのいずれかに調整した水を作製した。なお、導電率の測定は交流2極法により行った。測定装置としては、株式会社堀場製作所製「ポータブル型電気伝導率系 ES−71」を使用した。
400mLのクーラントを注ぎ入れた分液ロートを65℃の恒温槽内に入れ、コックを下方に向けた状態で60分間を静置した。60分経過後、分液ロートのコックを開き、分液ロートの足から吐出されるクーラントのうち、最初に吐出される100mL及び最後に吐出される100mLを採取した。そして、最初に吐出された100mLのクーラントにおける熱間圧延油の濃度Vi[体積%]及び最後に吐出された100mLのクーラントにおける熱間圧延油の濃度Vf[体積%]を測定した。
ESI=Vi/Vf ・・・(1)
長さ80mm、幅25mm、厚さ5mmのアルミニウムブロックを準備し、このアルミニウムブロックの温度を100℃に維持した状態で、65℃まで加温したクーラントをアルミニウムブロックに吹き付けた。クーラントの吹き付け条件は、吐出圧0.3MPa、吐出時間0.1ミリ秒とした。
JIS A5182合金からなる幅40mm、長さ500mm、厚さ5.0mmのアルミニウム材1を準備し、20%の圧下率で予備圧延を行った。次に、板幅方向に測定したときの算術平均粗さRaが0.3〜0.4μmであり、かつ、最大高さRz=3.5〜4.0μmである一対の圧延ロール2(図1参照)を準備した。なお、圧延ロールについては、研磨紙を用いてロール表面を圧延方向に研磨することにより、前記の表面粗さに調整した。
圧延開始時の板温度:450℃
圧延速度:40m/min
圧下率:60%
δ=(L1−L2)/L1 ・・・(2)
R2=R×{1+16×(1−ν2)×P/[π×E×b×(h1−h2)]} ・・・(3)
μ=0.5×[(h1−h2)/R2]0.5/{1−2×[(1−r)×δ/r]0.5} ・・・(4)
Claims (4)
- 50〜65質量%の鉱油と、
0.70〜5.0質量%の非イオン性乳化剤と、を含有し、
残部が天然油脂、合成エステル及び脂肪酸からなる群より選択される1種または2種以上の油性剤からなり、
前記非イオン性乳化剤は、脱イオン水を溶媒とする水溶液の曇点を65〜100℃にすることができ、かつ、前記水溶液の表面張力を27〜32mN/mにすることができる特性を有している、
アルミニウム用熱間圧延油。 - 前記アルミニウム用熱間圧延油は、更に、アニオン性乳化剤としてのアルカノールアミンを0.10〜1.0質量%含んでいる、請求項1に記載のアルミニウム用熱間圧延油。
- 請求項1または2に記載のアルミニウム用熱間圧延油が水中に分散されたアルミニウム用熱間圧延クーラントであって、
25℃における導電率が1000μS/cm以下であり、
前記アルミニウム用熱間圧延油の含有量は3〜10体積%であり、
体積基準の粒度分布に基づく前記アルミニウム用熱間圧延油の油滴のメジアン径は、1〜7μmである、
アルミニウム用熱間圧延クーラント。 - 請求項3に記載のアルミニウム用熱間圧延クーラントを用いてアルミニウム材の熱間圧延を行う、アルミニウム圧延板の製造方法。
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JP2007009005A (ja) * | 2005-06-29 | 2007-01-18 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | 熱間圧延油及び熱間圧延方法 |
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