JP2019035053A - アルミニウム用熱間圧延油、アルミニウム用熱間圧延クーラント及びアルミニウム圧延板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】潤滑性及び耐酸化性に優れ、焼却時の環境負荷の低いアルミニウム用熱間圧延油、この熱間圧延油を含むアルミニウム用熱間圧延クーラント及びアルミニウム圧延板の製造方法を提供する。【解決手段】アルミニウム用熱間圧延油は、天然油脂及び合成エステルからなる群より選択される第1の油性剤5.0〜40質量%と、炭素数が10〜22である脂肪酸からなる群より選択される第2の油性剤1.0〜20質量%と、1分子当たり1つ以上のモノスルフィド結合を備えたスルフィドと、を含有しており、残部が鉱油から構成されている。アルミニウム用熱間圧延油の硫黄分は0.050〜0.30質量%である。【選択図】図1
Description
本発明は、アルミニウム用熱間圧延油、アルミニウム用熱間圧延クーラント及びアルミニウム圧延板の製造方法に関する。
アルミニウム材(アルミニウム及びアルミニウム合金を含む。以下同じ。)の熱間圧延においては、圧延ロールとアルミニウム材との潤滑性の確保や、圧延ロール及びアルミニウム材の冷却等を目的として、アルミニウム用熱間圧延クーラントが使用されている。この種のクーラントは、通常、アルミニウム用熱間圧延油が水中に分散された、水中油滴型のエマルションである。また、熱間圧延油には、基油としての鉱油の他に、圧延ロールとアルミニウム材との摩擦を低減させる油性剤等が含まれている。
クーラントは、通常、熱間圧延機への供給、使用済みクーラントの回収、使用済みクーラントの再生処理を繰り返し実施することにより、複数回にわたって再生利用されている。しかし、クーラント中の油性剤は、熱間圧延時の熱によって比較的容易に酸化され、ラジカルとなりやすい。そして、このラジカルを起点とするラジカル連鎖反応によって、再生利用の過程でクーラントが劣化し、圧延ロールとアルミニウム材との潤滑性の低下を招くおそれがある。
このようなクーラントの劣化を抑制するため、熱間圧延油中には、油性剤の酸化を抑制するための酸化防止剤が含まれている。酸化防止剤としては、チオウレア、チアゾール等の有機硫黄化合物や、基油としての精製鉱油中に含まれる硫黄が使用されることが多い。例えば特許文献1には、有機硫黄化合物や硫黄を含む鉱油等の形態で硫黄を添加することにより、硫黄分を1質量%以上としたアルミニウム用熱間圧延油が記載されている。
前述したように、アルミニウム用熱間圧延クーラントは、使用済みのクーラントを回収した後、再生処理を施すことにより、複数回に亘って繰り返し利用されている。再生処理においては、使用済みのクーラントの一部を分取し、未使用のクーラントで置き換えることにより、クーラントの品質が維持されている。再生処理において分取された使用済みのクーラントには、水と使用済みの熱間圧延油とを分離する処理が施される。このようにして分離された熱間圧延油は、燃料の一部として焼却されることが多い。
しかし、特許文献1に記載されたような硫黄や有機硫黄化合物を含む熱間圧延油を焼却すると、硫黄酸化物が排出される。近年では大気汚染物質に対する排出規制が厳格化しており、大気汚染物質としての硫黄酸化物の排出量をより低減することが求められている。
硫黄酸化物の排出量を低減するためには、単純には、熱間圧延油中の硫黄分を低減する方法が考えられる。しかし、熱間圧延油中の硫黄分を低減する場合には、油性剤の酸化を抑制する効果が低下するため、クーラントの比較的早期の劣化を招くおそれがある。また、硫黄分とともに油性剤の含有量を低減することにより、比較的少量の硫黄分で油性剤の酸化を抑制する方法も考えられる。しかし、この場合には、油性剤が不足するため、圧延ロールとアルミニウム材との摩擦の増大を招くおそれがある。
このように、従来の熱間圧延油においては、圧延ロールとアルミニウム材との潤滑性及び熱間圧延油の耐酸化性を確保しつつ、硫黄分を単純に低減することには限界があった。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、潤滑性及び耐酸化性に優れ、焼却時の環境負荷の低いアルミニウム用熱間圧延油、この熱間圧延油を含むアルミニウム用熱間圧延クーラント及びアルミニウム圧延板の製造方法を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、天然油脂及び合成エステルからなる群より選択される第1の油性剤5.0〜40質量%と、
炭素数が10〜22である脂肪酸からなる群より選択される第2の油性剤1.0〜20質量%と、
1分子当たり1つ以上のモノスルフィド結合を備えたスルフィドと、を含有し、
残部が鉱油からなり、
硫黄分が0.050〜0.30質量%である、
アルミニウム用熱間圧延油にある。
炭素数が10〜22である脂肪酸からなる群より選択される第2の油性剤1.0〜20質量%と、
1分子当たり1つ以上のモノスルフィド結合を備えたスルフィドと、を含有し、
残部が鉱油からなり、
硫黄分が0.050〜0.30質量%である、
アルミニウム用熱間圧延油にある。
本発明の他の態様は、前記の態様のアルミニウム用熱間圧延油が水中に分散されたアルミニウム用熱間圧延クーラントであって、
1〜10体積%の前記アルミニウム用熱間圧延油を含有しており、
体積基準の粒度分布に基づく前記アルミニウム用熱間圧延油の油滴のメジアン径は、1〜7μmである、
アルミニウム用熱間圧延クーラントにある。
1〜10体積%の前記アルミニウム用熱間圧延油を含有しており、
体積基準の粒度分布に基づく前記アルミニウム用熱間圧延油の油滴のメジアン径は、1〜7μmである、
アルミニウム用熱間圧延クーラントにある。
本発明の更に他の態様は、前記の態様のアルミニウム用熱間圧延クーラントを用いてアルミニウム材の熱間圧延を行う、アルミニウム圧延板の製造方法にある。
前記アルミニウム用熱間圧延油(以下、適宜「熱間圧延油」という。)中には、酸化による劣化を抑制するための成分として、1分子当たり1つ以上のモノスルフィド結合を有するスルフィドが含まれている。スルフィドは、ジスルフィドやポリスルフィド、チオウレア等の、従来使用されていた有機硫黄化合物及び基油としての精製鉱油中に含まれる硫黄に比べて熱間圧延油を還元する能力が高い。
そのため、有機硫黄化合物としてスルフィドを使用することにより、油性剤の酸化を抑制する効果を維持しつつ、従来の熱間圧延油に比べて硫黄分を低減することができる。それ故、前記熱間圧延油は、焼却時の二酸化硫黄の排出量を従来よりも低減し、ひいては環境負荷を低減することができる。
また、前記熱間圧延油は、スルフィドを使用することにより、油性剤としての天然油脂、合成エステル及び脂肪酸の含有量を従来の熱間圧延油と同等にした場合にも油性剤の酸化を長期間に亘って抑制することができる。それ故、前記熱間圧延油は、焼却時の環境負荷を低減しつつ、従来と同等以上の潤滑性及び耐酸化性を確保することができる。
以上のように、前記熱間圧延油は、潤滑性及び耐酸化性に優れるとともに、焼却時の環境負荷を低減することができる。
前記アルミニウム用熱間圧延クーラント(以下、単に「クーラント」という。)は、前記熱間圧延油が水中に分散されたエマルションである。前記クーラント中の前記熱間圧延油の含有量及び前記熱間圧延油の油滴の体積平均粒径は、それぞれ、前記特定の範囲内にある。前記クーラントは、かかる構成を有することにより、アルミニウムの熱間圧延用として好適なものとなる。
前記熱間圧延油における各成分の限定理由について説明する。
・第1の油性剤:5.0〜40質量%
前記熱間圧延油中には、天然油脂及び合成エステルからなる群より選択される第1の油性剤が含まれている。第1の油性剤は、後述する第2の油性剤と同様に、圧延ロールとアルミニウム材との摩擦を低減する作用を有している。第1の油性剤の含有量を前記特定の範囲とすることにより、圧延ロールの表面に第1の油性剤を吸着させ、圧延ロールの表面に第1の油性剤を含む潤滑膜を容易に形成することができる。その結果、圧延ロールとアルミニウム材との間の摩擦を低減することができる。
前記熱間圧延油中には、天然油脂及び合成エステルからなる群より選択される第1の油性剤が含まれている。第1の油性剤は、後述する第2の油性剤と同様に、圧延ロールとアルミニウム材との摩擦を低減する作用を有している。第1の油性剤の含有量を前記特定の範囲とすることにより、圧延ロールの表面に第1の油性剤を吸着させ、圧延ロールの表面に第1の油性剤を含む潤滑膜を容易に形成することができる。その結果、圧延ロールとアルミニウム材との間の摩擦を低減することができる。
また、この場合には、第1の油性剤に対する熱間圧延油中の硫黄分の比率を適正な範囲内にすることができる。その結果、第1の油性剤の酸化を長期間に亘って抑制することができ、ひいては熱間圧延油中の耐酸化性を向上させることができる。
第1の油性剤の含有量が5.0質量%未満の場合には、圧延ロールとアルミニウム材との間の摩擦の増大を招くおそれがある。圧延ロールとアルミニウム材との間の摩擦をより低減する観点からは、第1の油性剤の含有量を15質量%以上とすることが好ましい。
また、第1の油性剤の含有量が40質量%を超える場合には、第1の油性剤に対する熱間圧延油中の硫黄分の比率が小さくなるため、第1の油性剤の酸化を抑制する効果が低下するおそれがある。第1の油性剤の酸化をより長期間に亘って抑制し、熱間圧延油の耐酸化性をより向上させる観点からは、第1の油性剤の含有量を35質量%以下とすることが好ましい。
第1の油性剤としては、天然油脂及び合成エステルからなる群より選択される1種または2種以上の物質を使用することができる。天然油脂としては、脂肪酸とグリセリンとのエステルを主成分とする植物油および動物油等を使用することができる。より具体的には、例えば、ハイリノールサフラワー油、ハイオレイックサフラワー油、大豆油、ハイエルシック菜種油、ローエルシック菜種油、パーム油、パーム核油、綿実油、ヤシ油、米糠油、ゴマ油、ヒマシ油、亜麻仁油、オリーブ油、桐油、椿油、落花生油、カポック油、カカオ油、木蝋、ヒマワリ油、コーン油、豚脂、牛脂等を天然油脂として使用することができる。
これらの天然油脂は、通常、脂肪酸とグリセリンとのエステルの他に、リノール酸やリノレン酸等の不飽和脂肪酸を含んでいる。不飽和脂肪酸は分子中に酸化されやすい不飽和結合を有しているため、天然油脂中の不飽和脂肪酸の含有量が多い場合には、天然油脂が酸化されやすくなるおそれがある。それ故、天然油脂の酸化をより長期間に亘って抑制する観点から、リノール酸及びリノレン酸の含有量が比較的少ない、パーム油、パーム核油、ヤシ油、オリーブ油、ハイエルシック菜種油、ハイオレイックサフラワー油、牛脂を天然油脂として使用することが好ましい。同様の観点から、パーム油、パーム核油、ヤシ油、牛脂を天然油脂として使用することがより好ましい。
合成エステルとしては、アルコールとカルボン酸との縮合反応によって得られるカルボン酸エステルを使用することができる。前記縮合反応に供するカルボン酸としては、飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸からなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物を採用することができる。これらの化合物における炭化水素鎖の構造は、直鎖構造、分岐鎖構造または環状構造のいずれであってもよい。また、カルボン酸は一塩基酸であってもよいし、二塩基酸及びそれ以上の電離可能なプロトンを備えた多塩基酸であってもよい。
より具体的には、カルボン酸としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、エイコセン酸、ベヘン酸、エルカ酸等を使用することができる。
前記縮合反応に供するアルコールとしては、1価アルコールを用いてもよく、多価アルコールを用いてもよい。1価アルコールとしては、例えば、ブチルアルコール等を使用することができる。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等を採用することができる。圧延ロールとアルミニウム材との摩擦をより低減する観点からは、多価アルコールとして、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールのうち1種または2種以上を使用することが好ましい。
アルコールとして多価アルコールを用いる場合、合成エステルは、多価アルコールの全ての水酸基がエステル化されたフルエステルであってもよく、多価アルコールの一部の水酸基がエステル化された部分エステルであってもよい。熱間圧延時の潤滑性を向上させる観点からは、合成エステル中のフルエステルの比率を高くすることが好ましい。
合成エステルにおける、カルボン酸に由来する構成単位の炭素数は10以上24以下であることが好ましい。カルボン酸に由来する構成単位の炭素数は10以上とすることにより、圧延ロールとアルミニウム材との間の摩擦をより低減することができる。また、カルボン酸に由来する構成単位の炭素数は24以下とすることにより、熱間圧延油の粘度の増大を抑制することができる。それ故、カルボン酸に由来する構成単位の炭素数を前記特定の範囲とすることにより、熱間圧延油の粘度の増大に伴う取り扱い性の悪化を回避しつつ、圧延ロールとアルミニウム材との間の摩擦をより低減することができる。
・第2の油性剤:1.0〜20質量%
前記熱間圧延油中には、炭素数10〜22の脂肪酸からなる群より選択される第2の油性剤が含まれている。第2の油性剤は、第1の油性剤と同様に、圧延ロールとアルミニウム材との摩擦を低減する作用を有している。第2の油性剤の含有量を前記特定の範囲とすることにより、圧延ロールの表面に第2の油性剤を吸着させ、圧延ロールの表面に第2の油性剤を含む潤滑膜を容易に形成することができる。その結果、圧延ロールとアルミニウム材との間の摩擦を低減することができる。
前記熱間圧延油中には、炭素数10〜22の脂肪酸からなる群より選択される第2の油性剤が含まれている。第2の油性剤は、第1の油性剤と同様に、圧延ロールとアルミニウム材との摩擦を低減する作用を有している。第2の油性剤の含有量を前記特定の範囲とすることにより、圧延ロールの表面に第2の油性剤を吸着させ、圧延ロールの表面に第2の油性剤を含む潤滑膜を容易に形成することができる。その結果、圧延ロールとアルミニウム材との間の摩擦を低減することができる。
また、この場合には、第2の油性剤に対する熱間圧延油中の硫黄分の比率を適正な範囲内にすることができる。その結果、第2の油性剤の酸化を長期間に亘って抑制することができ、ひいては熱間圧延油の耐酸化性を向上させることができる。
第2の油性剤の含有量が1.0質量%未満の場合には、圧延ロールとアルミニウム材との間の摩擦の増大を招くおそれがある。圧延ロールとアルミニウム材との間の摩擦をより低減する観点からは、第2の油性剤の含有量を3.0質量%以上とすることが好ましい。
また、第2の油性剤の含有量が20質量%を超える場合には、第2の油性剤に対する熱間圧延油中の硫黄分の比率が小さくなるため、第2の油性剤の酸化を抑制する効果が低下するおそれがある。第2の油性剤の酸化をより長期間に亘って抑制し、熱間圧延油の耐酸化性をより向上させる観点からは、第2の油性剤の含有量を15質量%以下とすることが好ましい。
第2の油性剤としては、炭素数10〜22の脂肪酸からなる群より選択される1種または2種以上の脂肪酸を使用することができる。前記脂肪酸の炭素数が10未満の場合には、圧延ロールとアルミニウム材との摩擦の増大を招くおそれがある。一方、前記脂肪酸の炭素数が22を超える場合には、前記脂肪酸が前記熱間圧延油中に溶解しにくくなる。
第2の油性剤は、飽和脂肪酸であってもよいし、不飽和脂肪酸であってもよい。また、これらの脂肪酸における炭化水素鎖の構造は、直鎖構造、分岐鎖構造または環状構造のいずれであってもよい。より具体的には、第2の油性剤としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、エイコセン酸、ベヘン酸、エルカ酸等を使用することができる。
・スルフィド
前記熱間圧延油中には、1分子当たり1つ以上のモノスルフィド結合を備えたスルフィドが含まれている。スルフィドとしては、例えば、ジペンチルスルフィド、ジオクチルスルフィド、ジシクロヘキシルスルフィド等のオレフィンスルフィド、ジベンジルスルフィド等の芳香族基含有スルフィド、3,3’−チオジプロピオン酸等の硫化脂肪酸、ジラウリルチオジプロピオネート、2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール、2,2’−チオジエチルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]等の硫化エステル等をスルフィドとして使用することができる。
前記熱間圧延油中には、1分子当たり1つ以上のモノスルフィド結合を備えたスルフィドが含まれている。スルフィドとしては、例えば、ジペンチルスルフィド、ジオクチルスルフィド、ジシクロヘキシルスルフィド等のオレフィンスルフィド、ジベンジルスルフィド等の芳香族基含有スルフィド、3,3’−チオジプロピオン酸等の硫化脂肪酸、ジラウリルチオジプロピオネート、2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール、2,2’−チオジエチルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]等の硫化エステル等をスルフィドとして使用することができる。
前記スルフィドは、モノスルフィド結合の硫黄原子に結合したメチレン基を有していることが好ましい。即ち、前記スルフィドは、下記式(1)で表される部分構造及び下記式(2)で表される部分構造のいずれかを有していることが好ましい。
−S−CH2− ・・・(1)
−CH2−S−CH2− ・・・(2)
−S−CH2− ・・・(1)
−CH2−S−CH2− ・・・(2)
スルフィドは、以下の反応機構によって油性剤の酸化を抑制していると考えられる。即ち、熱間圧延中に熱間圧延油に熱が加わると、油性剤が酸化され、油性剤の過酸化物が発生する。この過酸化物が開裂すると、アルコキシラジカル等のラジカルが生じる。そして、これらのラジカルを起点としてラジカル連鎖反応が進行する場合には、熱間圧延油の成分が加速度的に分解され、クーラントの早期の劣化を招く。スルフィドは、油性剤等の過酸化物と反応することにより、ラジカル連鎖反応の起点となるラジカルの発生を抑制していると考えられる。
モノスルフィド結合における硫黄原子(S)にメチレン基(−CH2−)が結合している場合には、例えばイソプロピル基(−CH(CH3)2)やtert−ブチル基(−C(CH3)3)等の嵩高い有機基が硫黄原子と結合している場合に比べて、硫黄原子が過酸化物に接近しやすくなる。それ故、この場合には、スルフィドと過酸化物とをより効率よく反応させ、油性剤の酸化を抑制する効果をより高くすることができる。以上の結果、熱間圧延油の耐酸化性をより向上させることができる。更に、この場合には、熱間圧延油中の硫黄分をより低減し、焼却時の環境負荷をより低減することもできる。
熱間圧延油の耐酸化性を更に向上させるとともに焼却時の環境負荷をより低減する観点からは、前記スルフィドが前記式(2)で表される部分構造を有していることがさらに好ましい。
前記スルフィドの分子量は、150〜590であることが好ましい。スルフィドの分子量を150以上とすることにより、熱間圧延中のスルフィドの揮発をより抑制することができる。その結果、スルフィドの揮発に伴う熱間圧延油の耐酸化性の低下を回避することができる。スルフィドの揮発を更に効果的に抑制する観点からは、スルフィドの分子量を250以上とすることがより好ましい。
また、スルフィドの分子量を590以下とすることにより、熱間圧延後の圧延板上に残留するスルフィドの量をより低減することができる。その結果、スルフィドに由来する圧延板の腐食や汚れの発生をより効果的に抑制することができる。熱間圧延後の圧延板上に残留するスルフィドの量を更に低減する観点からは、スルフィドの分子量を500以下とすることがより好ましく、450以下とすることがさらに好ましく、350以下とすることが特に好ましい。
前記スルフィドの含有量は、硫黄原子として0.050質量%以上であることが好ましい。この場合には、熱間圧延油中の硫黄分に占める前記スルフィドの硫黄原子の割合をより大きくすることができる。その結果、油性剤の酸化を抑制する効果を維持しつつ熱間圧延油中の硫黄分をより低減し、ひいては焼却時の環境負荷をより低減することができる。なお、前記スルフィドの含有量の上限は、熱間圧延油中の硫黄分が0.30質量%以下となる範囲であれば、特に限定されることはない。
・鉱油
前記熱間圧延油中には、基油としての鉱油が含まれている。鉱油としては、未精製の鉱油及び精製鉱油から選択した1種または2種以上の鉱油を使用することができる。鉱油としては、精製鉱油を使用することが好ましい。精製鉱油は、未精製の鉱油に比べて硫黄の含有量が少ない。そのため、鉱油として精製鉱油を使用することにより、前記熱間圧延油中の硫黄分に占める鉱油中の硫黄の割合を低減し、相対的にスルフィド中の硫黄原子の割合を高めることができる。その結果、油性剤の酸化を抑制する効果を維持しつつ熱間圧延油中の硫黄分を低減し、ひいては焼却時の環境負荷を低減することができる。また、この場合には、油性剤の酸化を抑制する効果をより高め、熱間圧延油の耐酸化性をより向上させることもできる。
前記熱間圧延油中には、基油としての鉱油が含まれている。鉱油としては、未精製の鉱油及び精製鉱油から選択した1種または2種以上の鉱油を使用することができる。鉱油としては、精製鉱油を使用することが好ましい。精製鉱油は、未精製の鉱油に比べて硫黄の含有量が少ない。そのため、鉱油として精製鉱油を使用することにより、前記熱間圧延油中の硫黄分に占める鉱油中の硫黄の割合を低減し、相対的にスルフィド中の硫黄原子の割合を高めることができる。その結果、油性剤の酸化を抑制する効果を維持しつつ熱間圧延油中の硫黄分を低減し、ひいては焼却時の環境負荷を低減することができる。また、この場合には、油性剤の酸化を抑制する効果をより高め、熱間圧延油の耐酸化性をより向上させることもできる。
精製鉱油としては、ナフテン系精製鉱油、パラフィン系精製鉱油及び芳香族系精製鉱油等の公知の精製鉱油を使用することができる。より具体的には、精製鉱油としては、例えば、SUN40N、SUN100N、SUN500N、SUN2400N、SUNPAR(登録商標)110、SUNPAR115、SUNPAR150(以上、日本サン石油株式会社);SNH−95、SNH−220(以上、三共油化工業株式会社)、NCL−100、NCL−210(以上、谷口石油株式会社);E.P.X−1(富士興産株式会社)等を使用することができる。
・硫黄分:0.050〜0.30質量%
前記熱間圧延油中の硫黄分は、0.050〜0.30質量%である。前述したように、前記熱間圧延油は、1分子当たり1つ以上のモノスルフィド結合を備えたスルフィドを採用することにより、油性剤の酸化を抑制する効果を維持しつつ、硫黄分を前記特定の範囲まで低減することができる。
前記熱間圧延油中の硫黄分は、0.050〜0.30質量%である。前述したように、前記熱間圧延油は、1分子当たり1つ以上のモノスルフィド結合を備えたスルフィドを採用することにより、油性剤の酸化を抑制する効果を維持しつつ、硫黄分を前記特定の範囲まで低減することができる。
熱間圧延油中の硫黄分が0.050質量%未満の場合には、油性剤に対する硫黄分の量が不足するため、熱間圧延油の耐酸化性の低下を招くおそれがある。熱間圧延油の耐酸化性をより向上させる観点からは、熱間圧延油中の硫黄分を0.10質量%以上とすることが好ましい。
熱間圧延油中の硫黄分が0.30質量%を超える場合には、使用済みの熱間圧延油を焼却する際に発生する二酸化硫黄の量が多くなり、環境負荷の増大を招くおそれがある。焼却時の環境負荷をより低減する観点からは、熱間圧延油中の硫黄分を0.20質量%以下とすることが好ましい。
・乳化剤:0.10〜20質量%
前記熱間圧延油は、通常、水中油滴型のエマルションを形成するための乳化剤を含有している。乳化剤としては、例えば、脂肪酸のアミン石鹸、スルフォン酸ソーダ、ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤等の、熱間圧延油用として公知の乳化剤を使用することができる。乳化剤の含有量が過度に少ない場合には、クーラントにおいて、前記熱間圧延油と水とが分離するおそれがある。その結果、熱間圧延時の潤滑性が低下し、熱間圧延後における圧延板の表面品質の低下を招くおそれがある。また、乳化剤の含有量が過度に多い場合には、乳化剤が酸化しやすくなる。また、場合によっては、クーラントが油中水滴型、即ち、熱間圧延油中に水が分散したエマルションとなり、潤滑性の低下を招くおそれもある。
前記熱間圧延油は、通常、水中油滴型のエマルションを形成するための乳化剤を含有している。乳化剤としては、例えば、脂肪酸のアミン石鹸、スルフォン酸ソーダ、ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤等の、熱間圧延油用として公知の乳化剤を使用することができる。乳化剤の含有量が過度に少ない場合には、クーラントにおいて、前記熱間圧延油と水とが分離するおそれがある。その結果、熱間圧延時の潤滑性が低下し、熱間圧延後における圧延板の表面品質の低下を招くおそれがある。また、乳化剤の含有量が過度に多い場合には、乳化剤が酸化しやすくなる。また、場合によっては、クーラントが油中水滴型、即ち、熱間圧延油中に水が分散したエマルションとなり、潤滑性の低下を招くおそれもある。
これらの問題を回避する観点から、乳化剤の含有量を0.1〜20質量%とすることが好ましい。
・40℃における動粘度:20〜80mm2/秒
前記熱間圧延油の粘度特性は特に限定されるものではないが、例えば、40℃における動粘度を20〜80mm2/秒の範囲内から適宜設定することができる。40℃における動粘度を20mm2/秒以上とすることにより、圧延ロールとアルミニウム材との摩擦をより低減することができる。圧延ロールとアルミニウム材との摩擦を更に低減する観点からは、40℃における動粘度を30mm2/秒以上とすることがより好ましい。
前記熱間圧延油の粘度特性は特に限定されるものではないが、例えば、40℃における動粘度を20〜80mm2/秒の範囲内から適宜設定することができる。40℃における動粘度を20mm2/秒以上とすることにより、圧延ロールとアルミニウム材との摩擦をより低減することができる。圧延ロールとアルミニウム材との摩擦を更に低減する観点からは、40℃における動粘度を30mm2/秒以上とすることがより好ましい。
また、40℃における動粘度を80mm2/秒以下とすることにより、熱間圧延油の送液をより容易に行うことができる。更に、この場合には、水中に前記熱間圧延油の油滴をより容易に分散させることができる。これらの送液性及び乳化性をより向上させる観点からは、40℃における動粘度を60mm2/秒以下とすることがより好ましい。
・クーラント
前記熱間圧延油と水とを混合し、水中に前記熱間圧延油の油滴を分散させることにより、前記クーラントを調製することができる。前記クーラントにおける前記熱間圧延油の含有量は、1〜10体積%である。これにより、熱間圧延時の潤滑性を適正な範囲に保つことができる。熱間圧延油の含有量が1体積%未満の場合には、圧延ロールの表面に付着する前記熱間圧延油の量が不足するため、潤滑性の低下を招くおそれがある。熱間圧延時の潤滑性をより向上させる観点からは、熱間圧延油の含有量を3体積%以上とすることが好ましい。
前記熱間圧延油と水とを混合し、水中に前記熱間圧延油の油滴を分散させることにより、前記クーラントを調製することができる。前記クーラントにおける前記熱間圧延油の含有量は、1〜10体積%である。これにより、熱間圧延時の潤滑性を適正な範囲に保つことができる。熱間圧延油の含有量が1体積%未満の場合には、圧延ロールの表面に付着する前記熱間圧延油の量が不足するため、潤滑性の低下を招くおそれがある。熱間圧延時の潤滑性をより向上させる観点からは、熱間圧延油の含有量を3体積%以上とすることが好ましい。
一方、熱間圧延油の含有量が10体積%を超える場合には、相対的に水の量が不足するため、圧延ロールの冷却効率が低下するおそれがある。圧延ロールの冷却効率をより向上させる観点からは、熱間圧延油の含有量を8体積%以下とすることが好ましい。
また、前記クーラント中に存在する熱間圧延油の油滴のメジアン径は1〜7μmである。これにより、熱間圧延時の潤滑性を適度に高めるとともに、エマルションを安定化させることができる。油滴のメジアン径が1μm未満の場合には、熱間圧延中に、クーラント中の油滴と圧延ロールの表面との間に沸騰膜が生じやすくなる。そのため、圧延ロールへ供給される熱間圧延油の量が不足し、潤滑性の低下を招くおそれがある。一方、油滴のメジアン径が7μmを超える場合には、エマルション中の油滴が浮力によって浮上しやすくなり、場合によっては熱間圧延油と水とが分離するおそれがある。
上述した油滴のメジアン径は、レーザ回折/散乱法により得られた体積基準での粒度分布における累積中位径である。油滴のメジアン径の測定には、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(例えば、株式会社堀場製作所製「LA−950」)を用いることができる。
前記熱間圧延油及びこの熱間圧延油を含むクーラントの実施例について説明する。なお、本発明に係る熱間圧延油、クーラント及びアルミニウム圧延板の製造方法は以下の態様に限定されるものではなく、その要旨を損なわない範囲で適宜構成を変更することができる。
本例では、まず、表1〜表3に示す比率で各成分を混合し、熱間圧延油(試験剤1〜32)を調製した。表1〜表3に記載した成分の具体的な内容は以下の通りである。
・鉱油
鉱油A1:パラフィン系精製鉱油(日本サン石油株式会社製、40℃における動粘度 20.4mm2/秒)
鉱油A2:ナフテン系精製鉱油(日本サン石油株式会社製、40℃における動粘度 99.1mm2/秒)
鉱油A3:ナフテン系精製鉱油(日本サン石油株式会社製、40℃における動粘度 413mm2/秒)
・鉱油
鉱油A1:パラフィン系精製鉱油(日本サン石油株式会社製、40℃における動粘度 20.4mm2/秒)
鉱油A2:ナフテン系精製鉱油(日本サン石油株式会社製、40℃における動粘度 99.1mm2/秒)
鉱油A3:ナフテン系精製鉱油(日本サン石油株式会社製、40℃における動粘度 413mm2/秒)
・第1の油性剤
天然油脂:精製パーム油(ミヨシ油脂株式会社製、40℃における動粘度 39mm2/秒)
・第2の油性剤
脂肪酸B1:カプリン酸(和光純薬工業株式会社製、炭素数10)
脂肪酸B2:オレイン酸(和光純薬工業株式会社製、炭素数18)
脂肪酸B3:ベヘン酸(東京化成工業株式会社製、炭素数20)
脂肪酸B4:カプリル酸(和光純薬工業株式会社製、炭素数8)
脂肪酸B5:リグノセリン酸(東京化成工業株式会社製、炭素数24)
天然油脂:精製パーム油(ミヨシ油脂株式会社製、40℃における動粘度 39mm2/秒)
・第2の油性剤
脂肪酸B1:カプリン酸(和光純薬工業株式会社製、炭素数10)
脂肪酸B2:オレイン酸(和光純薬工業株式会社製、炭素数18)
脂肪酸B3:ベヘン酸(東京化成工業株式会社製、炭素数20)
脂肪酸B4:カプリル酸(和光純薬工業株式会社製、炭素数8)
脂肪酸B5:リグノセリン酸(東京化成工業株式会社製、炭素数24)
・スルフィド
スルフィドC1:ジペンチルスルフィド(和光純薬工業株式会社製、分子量176)
スルフィドC2:2,2’−チオジエチルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート](BASF社製、分子量642)
スルフィドC3:4−[{4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イル}アミノ]−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール(BASF社製、分子量588)
スルフィドC4:ジブチルスルフィド(和光純薬工業株式会社製、分子量148)
スルフィドC5:ドデシルメチルスルフィド(東京化成工業株式会社製、分子量216)
スルフィドC6:ジオクチルスルフィド(東京化成工業株式会社製、分子量258)
スルフィドC1:ジペンチルスルフィド(和光純薬工業株式会社製、分子量176)
スルフィドC2:2,2’−チオジエチルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート](BASF社製、分子量642)
スルフィドC3:4−[{4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イル}アミノ]−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール(BASF社製、分子量588)
スルフィドC4:ジブチルスルフィド(和光純薬工業株式会社製、分子量148)
スルフィドC5:ドデシルメチルスルフィド(東京化成工業株式会社製、分子量216)
スルフィドC6:ジオクチルスルフィド(東京化成工業株式会社製、分子量258)
・チオール
ヘキサキス(3−メルカプトプロピオン酸)ジペンタエリトリトール(和光純薬工業株式会社製、分子量783)
・乳化剤
アミン:トリエタノールアミン(三井化学株式会社製)
界面活性剤:高級アルコールアルキレンオキサイド付加物(第一工業製薬株式会社製、HLB値12.5)
ヘキサキス(3−メルカプトプロピオン酸)ジペンタエリトリトール(和光純薬工業株式会社製、分子量783)
・乳化剤
アミン:トリエタノールアミン(三井化学株式会社製)
界面活性剤:高級アルコールアルキレンオキサイド付加物(第一工業製薬株式会社製、HLB値12.5)
なお、表3に示す試験剤25及び試験剤26については、第2の油性剤としての脂肪酸の炭素数が前記特定の範囲よりも多かったため、第2の油性剤を鉱油中に溶解させることができなかった。それ故、これらの試験剤については、以降の評価を行わなかった。また、これらの試験剤については、表3中の評価の欄に記号「−」を記載した。
<熱間圧延油の評価>
以上のようにして準備した試験剤1〜24及び試験剤27〜32について、JIS K2283に準拠した方法により、キャノン−フェンスケ粘度計を用いて40℃における動粘度を測定した。また、JIS K2541−7:2003に準拠した方法により、熱間圧延油中の硫黄分を測定し、環境負荷の評価を行った。各試験剤の40℃における動粘度及び硫黄分は、表1〜表3に示した通りであった。また、表1〜表3中の「判定」欄には、硫黄分が0.20質量%以下の場合に記号「A」を、0.20質量%超え0.30質量%以下の場合に記号「B」を、0.30質量%超え0.50質量%以下の場合に記号「C」を、0.50質量%を超えた場合に記号「D」を記載した。
以上のようにして準備した試験剤1〜24及び試験剤27〜32について、JIS K2283に準拠した方法により、キャノン−フェンスケ粘度計を用いて40℃における動粘度を測定した。また、JIS K2541−7:2003に準拠した方法により、熱間圧延油中の硫黄分を測定し、環境負荷の評価を行った。各試験剤の40℃における動粘度及び硫黄分は、表1〜表3に示した通りであった。また、表1〜表3中の「判定」欄には、硫黄分が0.20質量%以下の場合に記号「A」を、0.20質量%超え0.30質量%以下の場合に記号「B」を、0.30質量%超え0.50質量%以下の場合に記号「C」を、0.50質量%を超えた場合に記号「D」を記載した。
前述したように、熱間圧延油中の硫黄は焼却時に二酸化硫黄となって大気中に排出されるため、硫黄分が少ないほど二酸化硫黄の発生量を低減し、ひいては環境負荷を低減することができる。それ故、環境負荷の評価においては、硫黄分が0.30質量%以下である記号「A」及び「B」の場合を、環境負荷を低減することができるため合格と判定した。硫黄分が0.30質量%超え0.50質量%以下である記号「C」の場合は、燃料用重油としての基準値よりも硫黄分は少ないものの、環境負荷が比較的高いため不合格と判定した。また、硫黄分が0.50質量%を超えた記号「D」の場合は、燃料用重油としての基準値よりも硫黄分が多く、環境負荷が高いため不合格と判定した。
<クーラントの評価>
次に、試験剤1〜24及び試験剤27〜32を水中に分散させ、試験剤を5体積%含有するクーラントを調製した。このクーラントを用い、以下の方法により耐酸化性、潤滑性、硫黄含有成分の揮発性及び圧延板の表面品質の評価を行った。なお、本例において得られたクーラントは、いずれも水中油滴型のエマルションであり、油滴の体積平均粒径は1〜7μmであった。
次に、試験剤1〜24及び試験剤27〜32を水中に分散させ、試験剤を5体積%含有するクーラントを調製した。このクーラントを用い、以下の方法により耐酸化性、潤滑性、硫黄含有成分の揮発性及び圧延板の表面品質の評価を行った。なお、本例において得られたクーラントは、いずれも水中油滴型のエマルションであり、油滴の体積平均粒径は1〜7μmであった。
・耐酸化性
600mlのクーラント中に鋳鉄の切り粉100gを添加した。このクーラント中に空気を吹き込みながら80℃の温度に100時間保持した後、クーラント中に生じたギ酸の量を測定した。各試験剤におけるギ酸の量は、表1〜表3に示した通りであった。また、表1〜表3中の「判定」欄には、ギ酸の量が10質量ppm以下の場合に記号「A」を、10質量ppm超え50質量ppm未満の場合に記号「B」を、50質量ppm以上の場合に記号「C」を記載した。
600mlのクーラント中に鋳鉄の切り粉100gを添加した。このクーラント中に空気を吹き込みながら80℃の温度に100時間保持した後、クーラント中に生じたギ酸の量を測定した。各試験剤におけるギ酸の量は、表1〜表3に示した通りであった。また、表1〜表3中の「判定」欄には、ギ酸の量が10質量ppm以下の場合に記号「A」を、10質量ppm超え50質量ppm未満の場合に記号「B」を、50質量ppm以上の場合に記号「C」を記載した。
耐酸化性の評価においては、油性剤の酸化によって発生したラジカルが熱間圧延油中の各成分を分解することにより、ギ酸をはじめとする低級脂肪酸が生成していると考えられる。そのため、耐酸化性の評価においては、ギ酸の発生量が50質量ppm以下である記号「A」及び「B」の場合を、油性剤の酸化を十分に抑制することができたため合格と判定した。また、ギ酸の発生量が50質量ppmを超えた記号「C」の場合を、油性剤の酸化の抑制が不十分であったため不合格と判定した。
・潤滑性
JIS A5182合金からなる幅40mm、長さ500mm、厚さ5.0mmのアルミニウム材を準備し、20%の圧下率で予備圧延を行った。次に、板幅方向に測定したときの算術平均粗さRaが0.3〜0.4μmであり、かつ、最大高さRz=3.5〜4.0μmである一対の圧延ロール2(図1参照)を準備した。なお、圧延ロールについては、研磨紙を用いてロール表面を圧延方向に研磨することにより、前記の表面粗さに調整した。
JIS A5182合金からなる幅40mm、長さ500mm、厚さ5.0mmのアルミニウム材を準備し、20%の圧下率で予備圧延を行った。次に、板幅方向に測定したときの算術平均粗さRaが0.3〜0.4μmであり、かつ、最大高さRz=3.5〜4.0μmである一対の圧延ロール2(図1参照)を準備した。なお、圧延ロールについては、研磨紙を用いてロール表面を圧延方向に研磨することにより、前記の表面粗さに調整した。
図1に示すように、一対の圧延ロール2(2a、2b)のうち一方の圧延ロール2aの側面に複数のポンチ21を取り付けた状態で熱間圧延を行った。なお、熱間圧延における圧延条件は以下の通りとした。
圧延開始時の板温度:450℃
圧延速度:40m/min
圧下率:60%
圧延開始時の板温度:450℃
圧延速度:40m/min
圧下率:60%
熱間圧延が完了した後、圧延ロール2aの周方向におけるポンチ21同士の距離L1[mm]と、アルミニウム材1に転写されたポンチ痕11同士の距離L2とを測定し、下記式(3)に基づいて先進率δを算出した。
δ=(L1−L2)/L1 ・・・(3)
δ=(L1−L2)/L1 ・・・(3)
これとは別に、圧延ロール2のロール径R[mm]、圧延ロール2のポアソン比ν、圧延ロール2のヤング率E[kgf/mm2]、圧延荷重P[kgf]、圧延前のアルミニウム材1の板厚h1[mm]、圧延後のアルミニウム材1の板厚h2[mm]、アルミニウム材1の板幅b[mm]の値を使用し、下記式(4)に基づいて圧延ロール2の扁平ロール径R2[mm]を算出した。
R2=R×{1+16×(1−ν2)×P/[π×E×b×(h1−h2)]} ・・・(4)
R2=R×{1+16×(1−ν2)×P/[π×E×b×(h1−h2)]} ・・・(4)
そして、前記式(3)〜(4)の結果と圧下率rの値とを使用し、下記式(5)に基づいて圧延ロール2とアルミニウム材1との動摩擦係数μを算出した。
μ=0.5×[(h1−h2)/R2]0.5/{1−2×[(1−r)×δ/r]0.5} ・・・(5)
μ=0.5×[(h1−h2)/R2]0.5/{1−2×[(1−r)×δ/r]0.5} ・・・(5)
なお、前記式(3)〜(5)において、アルミニウム材1の圧延前の板厚h1は5.0[mm]、圧延後の板厚h2は2.0[mm]、圧下率rは0.6、板幅bは40[mm]とした。また、圧延ロール2のロール径Rは80[mm]、ポアソン比νは0.33、ヤング率Eは21000[kgf/mm2]とした。なお、ポアソン比ν及びヤング率Eは、圧延ロール用鋼の典型的な値である。
以上により得られた動摩擦係数μの値を、表1〜表3の「動摩擦係数」の欄に記載した。また、表1〜表3中の「判定」欄には、動摩擦係数が0.30以下の場合に記号「A」を、0.30超え0.35以下の場合に記号「B」を、0.35を超えた場合に記号「C」を記載した。
動摩擦係数は、その値が小さいほど圧延ロールとアルミニウム材との潤滑性が高く、圧延板の表面を平滑にすることができることを示している。それ故、潤滑性の評価においては、動摩擦係数が0.35以下である記号「A」及び「B」の場合を、圧延板の表面粗さの増大を十分に抑制できるため合格であると判定した。また、動摩擦係数が0.35を超えた記号「C」の場合を、圧延板の表面粗さの増大を招くおそれがあるため不合格と判定した。
・硫黄含有成分の揮発性
圧延ロール2aにポンチ21(図1参照)を取り付けない以外は、前述した潤滑性の評価と同様の条件でアルミニウム材1の熱間圧延を行った。熱間圧延が完了した後、圧延ロール2の表面に付着している使用済みの熱間圧延油を回収した。ガスクロマトグラフィーにより、使用済みの熱間圧延油中に残存している硫黄含有成分、即ちスルフィド及びポリスルフィドの量を測定した。
圧延ロール2aにポンチ21(図1参照)を取り付けない以外は、前述した潤滑性の評価と同様の条件でアルミニウム材1の熱間圧延を行った。熱間圧延が完了した後、圧延ロール2の表面に付着している使用済みの熱間圧延油を回収した。ガスクロマトグラフィーにより、使用済みの熱間圧延油中に残存している硫黄含有成分、即ちスルフィド及びポリスルフィドの量を測定した。
この硫黄含有成分の残存量を未使用の熱間圧延油中に含まれる硫黄含有成分の量で除した後100倍することにより、硫黄含有成分の残存率(%)を算出した。各試験剤における硫黄含有成分の残存率は、表1〜表3に示した通りであった。また、表1〜表3中の「判定」欄には、残存率が80%以上の場合に記号「A」を、60%以上80%未満の場合に記号「B」を、60%未満の場合に記号「C」を記載した。
硫黄含有成分の残存率は、その値が高いほど、クーラントの再生処理において追加する硫黄含有成分の量を低減でき、ひいてはクーラントの材料コストを低減できることを示している。それ故、材料コストの観点からは、硫黄含有成分の残存率が高い方が好ましい。
・圧延板の汚れ
前述した硫黄含有成分の揮発性の評価において得られた圧延板の表面を目視観察した。そして、圧延板の表面がアルミニウム色を呈していた場合には、表1〜表3中の「圧延板の汚れ」欄に記号「A」を記載し、圧延板の表面に褐色、黒褐色または黒色の汚れが付着していた場合には、同欄に記号「B」を記載した。なお、圧延板の表面の汚れは、洗浄等によって除去することが可能である。製造コストを低減する観点からは、圧延板の表面の汚れがない記号「A」の場合が好ましい。
前述した硫黄含有成分の揮発性の評価において得られた圧延板の表面を目視観察した。そして、圧延板の表面がアルミニウム色を呈していた場合には、表1〜表3中の「圧延板の汚れ」欄に記号「A」を記載し、圧延板の表面に褐色、黒褐色または黒色の汚れが付着していた場合には、同欄に記号「B」を記載した。なお、圧延板の表面の汚れは、洗浄等によって除去することが可能である。製造コストを低減する観点からは、圧延板の表面の汚れがない記号「A」の場合が好ましい。
表1及び表2に示したように、試験剤1〜20中には、第1の油性剤、第2の油性剤、1分子当たり1つ以上のモノスルフィド結合を備えたスルフィド及び鉱油が含まれている。また、これらの含有量は、前記特定の範囲内である。そして、試験剤1〜20の硫黄分は、前記特定の範囲内である。それ故、これらの試験剤は、潤滑性及び耐酸化性に優れるとともに、焼却時の環境負荷を低減することができた。
一方、表2に示したように、試験剤21中には、第2の油性剤としての脂肪酸が含まれていなかった。そのため、圧延ロールとアルミニウム材との摩擦が増大し、潤滑性の低下を招いた。
表3に示したように、試験剤22については、第2の油性剤の含有量が前記特定の範囲よりも多かった。そのため、第2の油性剤が酸化されやすくなり、耐酸化性の悪化を招いた。
表3に示したように、試験剤22については、第2の油性剤の含有量が前記特定の範囲よりも多かった。そのため、第2の油性剤が酸化されやすくなり、耐酸化性の悪化を招いた。
試験剤23については、第2の油性剤としての脂肪酸の炭素数が前記特定の範囲よりも少なかった。そのため、圧延ロールとアルミニウム材との摩擦が増大し、潤滑性の低下を招いた。
試験剤24については、第2の油性剤として前記特定の範囲よりも炭素数の少ない脂肪酸を採用した上で、第2の油性剤の含有量を多くして潤滑性の改善を図った。しかし、良好な潤滑性が得られるまで第2の油性剤の含有量を多くした場合には、第2の油性剤の含有量が前記特定の範囲よりも多くなり、耐酸化性の悪化を招いた。
試験剤24については、第2の油性剤として前記特定の範囲よりも炭素数の少ない脂肪酸を採用した上で、第2の油性剤の含有量を多くして潤滑性の改善を図った。しかし、良好な潤滑性が得られるまで第2の油性剤の含有量を多くした場合には、第2の油性剤の含有量が前記特定の範囲よりも多くなり、耐酸化性の悪化を招いた。
試験剤25及び試験剤26については、前述したとおり、第2の油性剤としての脂肪酸の炭素数が前記特定の範囲よりも多かったため、第2の油性剤を鉱油中に溶解させることができなかった。
試験剤27については、第1の油性剤としての天然油脂の量が前記特定の範囲よりも少なかった。そのため、圧延ロールとアルミニウム材との摩擦が増大し、潤滑性の低下を招いた。
試験剤28については、第1の油性剤の含有量が前記特定の範囲よりも多かった。そのため、第1の油性剤が酸化されやすくなり、耐酸化性の悪化を招いた。
試験剤28については、第1の油性剤の含有量が前記特定の範囲よりも多かった。そのため、第1の油性剤が酸化されやすくなり、耐酸化性の悪化を招いた。
試験剤29については、試験剤中の硫黄分が前記特定の範囲よりも少なかった。そのため、油性剤の酸化を抑制する効果が不十分となり、耐酸化性の悪化を招いた。
試験剤30及び試験剤31については、試験剤中の硫黄分が前記特定の範囲よりも多かった。そのため、焼却時に発生する二酸化硫黄の排出量が多くなり、環境負荷の増大を招くおそれがある。
試験剤32については、硫黄含有成分として、スルフィドに代えてチオールを使用した。そのため、油性剤の酸化を抑制する効果が不十分となり、耐酸化性の悪化を招いた。
試験剤30及び試験剤31については、試験剤中の硫黄分が前記特定の範囲よりも多かった。そのため、焼却時に発生する二酸化硫黄の排出量が多くなり、環境負荷の増大を招くおそれがある。
試験剤32については、硫黄含有成分として、スルフィドに代えてチオールを使用した。そのため、油性剤の酸化を抑制する効果が不十分となり、耐酸化性の悪化を招いた。
Claims (6)
- 天然油脂及び合成エステルからなる群より選択される第1の油性剤5.0〜40質量%と、
炭素数が10〜22である脂肪酸からなる群より選択される第2の油性剤1.0〜20質量%と、
1分子当たり1つ以上のモノスルフィド結合を備えたスルフィドと、を含有し、
残部が鉱油からなり、
硫黄分が0.050〜0.30質量%である、
アルミニウム用熱間圧延油。 - 前記スルフィドは、前記モノスルフィド結合の硫黄原子に結合したメチレン基を有している、請求項1に記載のアルミニウム用熱間圧延油。
- 前記スルフィドの分子量は、150〜590である、請求項1または2に記載のアルミニウム用熱間圧延油。
- 前記スルフィドの含有量は、硫黄原子として0.050質量%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウム用熱間圧延油。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウム用熱間圧延油が水中に分散されたアルミニウム用熱間圧延クーラントであって、
1〜10体積%の前記アルミニウム用熱間圧延油を含有しており、
体積基準の粒度分布に基づく前記アルミニウム用熱間圧延油の油滴のメジアン径は、1〜7μmである、
アルミニウム用熱間圧延クーラント。 - 請求項5に記載のアルミニウム用熱間圧延クーラントを用いてアルミニウム材の熱間圧延を行う、アルミニウム圧延板の製造方法。
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WO2024004900A1 (ja) * | 2022-06-29 | 2024-01-04 | 出光興産株式会社 | 潤滑油組成物並びにその使用方法及び製造方法 |
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