JP7841341B2 - 炭化珪素単結晶の製造方法 - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造方法

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Description

本発明は、炭化珪素単結晶の製造方法に関する。
特許文献1は、炭化珪素単結晶を育成するための種結晶において、単結晶成長表面上に溝を設けることで、単結晶成長中のマイクロパイプ欠陥や積層欠陥の発生を防止する技術を開示する。特許文献1に記載された技術において、形成する溝の幅は、2~10mmが好ましいとされている。また、溝の幅/深さで表わされる溝のアスペクト比は、0.1~1.5であることが好ましいとされている。さらに、種結晶の結晶成長面における溝の面積と溝以外の部分の面積との比で表わされる溝の表面占有比(すなわち溝の面積/溝以外の部分の面積)が、0.2~10であることが好ましいとされている。種結晶の溝部以外の部分に存在するマイクロパイプ欠陥は、単結晶の成長とともに単結晶中に存在することになるが、種結晶における溝部と溝部以外との面積比に応じて、マイクロパイプ欠陥の存在割合は著しく減少する。
特開2002-121099号公報
特許文献1に記載された技術においては、種結晶に対する溝加工が製造コストの大きな上昇をもたらす懸念がある。また、種結晶に形成する溝はミリ単位の巨視的なものであるため、種結晶における溝部と溝部以外との面積比に応じてマイクロパイプ欠陥の存在割合は著しく減少するものの、溝部以外の部分に存在するマイクロパイプ欠陥に起因して単結晶中に発生するマイクロパイプ欠陥の存在が、歩留まり上無視できない程度となる懸念がある。
本発明は、上記に例示した事情等に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、例えば、種結晶からの結晶成長により得られた炭化珪素単結晶におけるマイクロパイプ欠陥を、より低コストで良好に低減する技術を提供する。
請求項1に記載の、炭化珪素単結晶の製造方法は、
粉末状の固体原料(4)を昇華させて、種結晶(5)の一表面である成長表面(52)の上に再結晶化させることで、前記成長表面の上に成長結晶(6)を成長させるものであって、
前記種結晶における前記成長表面に、砥石を用いて平坦化する砥石平坦化による加工変質層である歪層(54)を形成し、
前記歪層の形成は、前記歪層を、マイクロパイプ欠陥(MP)が存在する領域に選択的に設けるものである
請求項2に記載の、炭化珪素単結晶の製造方法は、
粉末状の固体原料(4)を昇華させて、種結晶(5)の一表面である成長表面(52)の上に再結晶化させることで、前記成長表面の上に成長結晶(6)を成長させるものであって、
前記種結晶の外径をDとしたとき、外縁(502)から(D-150mm)/2の範囲の領域である外周領域(501)にて、前記種結晶における前記成長表面に、前記種結晶の中心軸(L)と交差する傾斜面(521)を、砥石を用いて平坦化する砥石平坦化により設けることで、前記傾斜面に加工変質層である歪層(54)を形成する。
なお、出願書類中の各欄において、各要素に括弧付きの参照符号が付されている場合がある。この場合、参照符号は、同要素と後述する実施形態に記載の具体的構成との対応関係の単なる一例を示すものである。よって、本発明は、参照符号の記載によって、何ら限定されるものではない。
本発明の一実施形態に係るウェハの製造工程の一部を概略的に示す概念図である。 図2に示されたインゴットの製造に用いられるインゴット製造装置の概略構成を示す断面図である。 図2に示されたインゴット製造装置における種結晶からの炭化珪素単結晶の成長の様子を拡大して示す断面図である。 比較例における炭化珪素単結晶の成長の様子を拡大して示す断面図である。 図2に示されたインゴット製造装置における種結晶からの炭化珪素単結晶の成長の様子を拡大して示す断面図である。 図2に示されたインゴット製造装置における種結晶からの炭化珪素単結晶の成長の様子を拡大して示す断面図である。 図2に示されたインゴット製造装置における種結晶からの炭化珪素単結晶の成長の様子を拡大して示す断面図である。 図2に示されたインゴット製造装置における種結晶からの炭化珪素単結晶の成長の様子を拡大して示す断面図である。 外径150mmの一次種結晶から外径200mmの炭化珪素単結晶を得るための工程の概略を示す断面図である。
(実施形態)
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、一つの実施形態に対して適用可能な各種の変形例については、当該実施形態に関する一連の説明の途中に挿入されると、当該実施形態の理解が妨げられるおそれがある。このため、変形例については、当該実施形態に関する一連の説明の途中には挿入せず、その後にまとめて説明する。
(インゴット・ウェハ)
図1に示されているように、炭化珪素単結晶であるインゴット1は、中心軸Lを囲む略円柱状に形成されている。インゴット1の頂面1aを中心軸Lと直交する平坦な平面状に研磨して、かかる頂面1aから所定深さの位置のスライス面1bにてワイヤスライスやレーザスライス等の周知のウェハスライス方法を用いてスライスすることで、ウェハ2が得られる。本実施形態に係る、外径200mm(すなわち8インチ)のウェハ2は、マイクロパイプ欠陥MP(図3等参照)の密度が、中心軸Lを中心とする外径150mm(すなわち6インチ)の中央領域2aよりも、その外側の領域2bにて同等以下になるように形成されている。すなわち、ウェハ2は、中央領域2aにおけるマイクロパイプ欠陥MPの密度をP1とし、その外側の領域2bにおけるマイクロパイプ欠陥MPの密度をP2とすると、P1≧P2となるように形成されている。なお、図示および説明の簡略化の観点から、いわゆるオリエンテーションフラットについては、本明細書においては、図示および説明を省略する。
ウェハスライスによって得られたウェハ2は、表面の研削や研磨の工程を経て、半導体デバイス製造工程に供される。ウェハ2の表面の研削には、砥石研削が用いられ得る。ウェハ2の表面の研磨には、砥石研磨やCMPが用いられ得る。CMPはChemical Mechanical Polishingの略である。
(インゴット製造)
インゴット1は、図2に示されたインゴット製造装置3により製造される。図2に示されているように、インゴット製造装置3は、昇華ガスの供給源としての炭化珪素粉末である固体原料4と昇華ガスの供給先としての炭化珪素単結晶基板である種結晶5とを用いて種結晶5上に成長結晶6を成長させる、いわゆる改良レイリー法により、インゴット1を製造するように構成されている。具体的には、インゴット製造装置3は、加熱装置31と坩堝32とを備えている。加熱装置31は、円筒型の誘導コイルであって、黒鉛製の坩堝32の外周を囲むように設けられている。坩堝32は、軸方向における一方側の端すなわち下端が閉塞された有底円筒状の本体部33と、本体部33の軸方向における他方側の端すなわち上端の開口部を開放可能に閉塞する蓋部34とを備えている。本体部33の内側空間における底部には、粉末状の固体原料4が収容される。種結晶5は、略円板状に形成されている。種結晶5は、厚さ方向あるいは軸方向における一方側の端面(すなわち上端面)である固定面51にて、図示しない接着剤等を介して蓋部34に固定される。すなわち、種結晶5の、厚さ方向あるいは軸方向における他方側の端面(すなわち下端面)である成長表面52が、本体部33の粉末状の固体原料4を収容する内側空間に露出する。
図3を参照すると、種結晶5における成長表面52は、中心軸Lを法線とする平面状の一表面として設けられている。また、成長表面52は、c面すなわち{0001}面である基底面53に対して所定のオフ角θ傾斜する、いわゆる「オフ面」あるいは「オフ角面」として設けられている。すなわち、種結晶5は、所定のオフ角θを有する4H-SiC基板として形成されている。そして、インゴット製造装置3は、成長表面52に成長結晶6をいわゆるc面成長させるようになっている。なお、図示の簡略化の観点から、図3においては、多数の基底面53のうちの一つのみを図示し、その他は図示を省略しているものとする。オフ角θは、好ましくは4度以上であり、例えば4度、6度、あるいは8度である。以下の説明の便宜のため、図3において、X軸方向がオフ方向と平行となり、Z軸方向が中心軸Lと平行となるように、XYZ三次元座標系を設定する。「オフ方向」とは、種結晶5を構成する炭化珪素単結晶の結晶軸を傾ける方位を示す方向である。また、図中XY平面と平行な任意の方向を「面内方向」と称する。「面内方向」は、「オフ方向」や「径方向」を含む。「径方向」は、図中XY平面と平行な(すなわち中心軸Lと直交する)仮想平面内にて中心軸Lから放射状に延びる方向である。換言すれば、「径方向」は、上記の仮想平面と中心軸Lとの交点を中心として同仮想平面内に仮想円を描いた場合の、同仮想円の半径方向である。
本実施形態に係る、炭化珪素単結晶すなわちインゴット1の製造方法は、粉末状の固体原料4を昇華させて種結晶5における成長表面52の上に再結晶化させることで、成長表面52の上に成長結晶6を成長させる。そして、本実施形態においては、種結晶5における成長表面52に、砥石を用いて平坦化する砥石平坦化による加工変質層である歪層54を形成する。具体的には、加工装置および加工条件にもよるが、例えば、30000番のダイヤモンド砥石を用いた場合、歪層54の表面粗さRaは、1nmを超える。あるいは、例えば、2000番のダイヤモンド砥石を用いた場合、歪層54の表面粗さRaは、10nmを超える。あるいは、例えば、600番のダイヤモンド砥石を用いた場合、歪層54の表面粗さRaは、100nmを超える。
本願の出願人による先願に係る特開2012-72034号公報等にも記載されているように、結晶成長過程にて貫通転位を積層欠陥SF(例えば図3等参照)に変換することで、種結晶5における貫通転位を成長結晶6に引き継がせることが良好に回避される。かかる効果は、オフ角θを大きくすること(例えば4度以上とすること)で、より良好に奏され得る。これにより、結晶欠陥が極めて低減された高品質な炭化珪素単結晶を成長させることが可能となる。この点、マイクロパイプ欠陥MPは、らせん転位とともに貫通転位の一種であるが、らせん転位よりも大きな歪を有しており、種結晶5に積層欠陥SFを部分的に導入する従来の方法ではマイクロパイプ欠陥MPのほぼすべてを積層欠陥SFに変換することは困難である。そこで、発明者は、通常は結晶品質維持のために種結晶5の表面である成長表面52をCMPにより極めて平滑な面に処理するところ、これとは逆に、比較的大きな歪みを有する加工変質層である歪層54を成長表面52に敢えて設けることで、マイクロパイプ欠陥MPのほぼすべてを積層欠陥SFに変換してオフ角方向に沿って「掃き出す」ことが可能となることを見出した。
図3は、本実施形態に係る製造方法による結晶成長の様子を示し、図4は、比較例として、成長表面52に歪層54を設けない場合の結晶成長の様子を示す。成長表面52に歪層54を設けない場合、図4に示されているように、マイクロパイプ欠陥MPがそのまま成長結晶6に引き継がれる。これに対し、本実施形態によれば、図3に示されているように、マイクロパイプ欠陥MPは、歪層54に起因して大きな歪みを有する歪領域61により積層欠陥SFに変換されつつ、オフ方向下流側に掃き出される。これにより、歪領域61よりも下方の低歪領域62においては、マイクロパイプ欠陥MPがない、あるいは、マイクロパイプ欠陥MPがほとんどない、極めて高品質な炭化珪素単結晶が得られる。なお、図示の簡略化の観点から、図3においては、歪領域61に生じる多数の積層欠陥SFのうちの、マイクロパイプ欠陥MPとの変換に係るもののみを図示し、その他は図示を省略しているものとする。
上記の通り、本実施形態においては、種結晶5の一表面である成長表面52を、加工変質層を有する砥石平坦化面とすることで、マイクロパイプ欠陥MPが良好に低減され得る。したがって、本実施形態によれば、種結晶5からの結晶成長により得られた炭化珪素単結晶におけるマイクロパイプ欠陥MPを、より低コストで良好に低減することが可能となる。
図3は、種結晶5において、マイクロパイプ欠陥MPが面内方向における広い範囲に存在している場合を示す。図5は、種結晶5において、マイクロパイプ欠陥MPが径方向における中央部に偏在している場合を示す。これらの場合、歪層54は、成長表面52の面内方向におけるほぼ全面にわたって設けられることが好適である。
近年の結晶成長技術の進歩から、マイクロパイプ欠陥MPが極めて少ない種結晶5を用いることが可能となっている。このため、図6に示されているように、マイクロパイプ欠陥MPが、成長表面52の面内方向における一端部に局在する場合があり得る。この場合、歪層54は、成長表面52の面内方向におけるほぼ全面にわたって設ける必要はない。すなわち、この場合、歪層54は、成長表面52における、マイクロパイプ欠陥MPが存在する領域に設ければよい。
図3~図6は、オフ角θが比較的大きい場合(例えば8度)の例を示している。一方、図7は、オフ角θが比較的小さく(例えば4度)、且つ、種結晶5の径方向における外周領域501にマイクロパイプ欠陥MPが偏在している例を示している。外周領域501は、種結晶5の径方向における外縁502の近傍領域、すなわち、外縁502から径方向における所定幅の領域である。この場合、マイクロパイプ欠陥MPが存在している外周領域501にて、成長表面52に、中心軸Lと交差する傾斜面521を砥石平坦化により形成することで、かかる傾斜面521に歪層54を設けることが好適である。すると、基底面53とのなす角、すなわち、見た目のオフ角θtを、大きく取ることができる。これにより、マイクロパイプ欠陥MPを良好に積層欠陥SFに変換して「掃き出す」ことが可能となる。
図7は、マイクロパイプ欠陥MPがオフ方向における一方側に偏在している場合を示している。この場合、傾斜面521は、法線が中心軸Lに対して傾斜した平面状に形成される。一方、図8は、マイクロパイプ欠陥MPが径方向における外側にて散在している場合を示している。この場合、傾斜面521は、テーパ面状すなわち部分円錐面状に形成される。
図9に示されているように、例えば、外径150mm(すなわち6インチ)の一次種結晶591から、一度あるいは複数の成長を経て、外径200mm(すなわち8インチ)のインゴット1を拡大形成することが可能である。図9は、一例として、外径150mmの一次種結晶591からの結晶成長により二次種結晶592を得て、かかる二次種結晶592から外径200mmの成長結晶を得る、3段階成長の例を示す。具体的には、まず、外径150mmの一次種結晶591から、歪層形成を行わない従来の結晶成長方法により、一次成長結晶691を拡径させつつ成長させ、かかる一次成長結晶691から二次種結晶592を得る。次に、かかる二次種結晶592から、同様に二次成長結晶692を拡径させつつ成長させ、かかる二次成長結晶692から種結晶5を得る。そして、このようにして得た種結晶5に歪層54を形成して成長結晶6を成長させることで、マイクロパイプ欠陥MPが良好に低減されたインゴット1を得ることが可能となる。この際、種結晶5の外径をDとしたとき、外縁502から(D-150mm)/2の範囲の領域である外周領域501では、一次種結晶591から一次成長結晶691への結晶の拡大や二次種結晶592から二次成長結晶692への結晶の拡大に伴い結晶側面からマイクロパイプ欠陥MPが発生することに起因して、図8の例のようにマイクロパイプ欠陥MPが偏在するが、かかる外周領域501に歪層54を設けることで、外周領域501に偏在したマイクロパイプ欠陥MPを、良好に積層欠陥SFに変換して、径方向における外側に「掃き出す」ことが可能となる。この領域は、外径を150mmから200mmに拡大した場合の、外周から径方向に25mmの領域に相当する。
上記に示した本実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法において、外径200mm以上の種結晶5を用いることで、相対的に大きな口径で、マイクロパイプ欠陥MPが少ない炭化珪素単結晶を得ることができ、多くの素子用チップの取得が可能となり、コスト的に高い効果が得られる。また、上記のような本実施形態に係る製造方法によれば、マイクロパイプ欠陥MPを外周に掃き出すことができるため、マイクロパイプ欠陥MPの密度を0.05/cm以下まで低減することができる。これにより、歩留まりが高く、多くの素子用チップの取得が可能となり、コスト的に高い効果が得られる。さらに、マイクロパイプ欠陥MPの密度を0.01/cm以下まで低減することで、より歩留まりが高く、より多くの素子用チップの取得が可能となり、コスト的に極めて高い効果が得られる。なお、マイクロパイプ欠陥MPの計測方法は、例えば、X線トポグラフ写真の撮影によりマイクロパイプ欠陥MPに相当する黒点を数え、ウェハ面積で除して計測する方法や、KOH(水酸化カリウム)エッチングし、マイクロパイプ欠陥MPに相当するピットを数え、ウェハ面積で除して計測する方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。故に、上記実施形態に対しては、適宜変更が可能である。以下、代表的な変形例について説明する。以下の変形例の説明においては、上記実施形態との相違点を主として説明する。また、上記実施形態と変形例とにおいて、互いに同一または均等である部分には、同一符号が付されている。したがって、以下の変形例の説明において、上記実施形態と同一の符号を有する構成要素に関しては、技術的矛盾または特段の追加説明なき限り、上記実施形態における説明が適宜援用され得る。
本発明は、上記実施形態にて示された具体的な装置構成に限定されない。すなわち、例えば、インゴット製造装置3は、図2に示された構成に限定されない。すなわち、図2は、本発明に適用され得るインゴット製造装置3の概略的な構成および機能を説明するために簡略化されたものであって、実際に製造販売される具体的な装置構成とは必ずしも一致しない。
オフ角θは、成長結晶6における結晶成長と結晶欠陥の低減とが良好に達成される範囲内において、適宜設定され得る。すなわち、例えば、オフ角θは、4度以上が好適であり、マイクロパイプ欠陥MPの掃き出し効果を高めるために、相対的に大きなオフ角である具体的には6度や8度に設定され得る。しかし、オフ角を30度を超えて形成してもマイクロパイプ欠陥MPの掃き出し効果は向上しないため、30度以下であることが好適である。
歪層54の表面粗さRaや、これを実現するための砥石層における番手や材料についても、特段の限定はない。すなわち、本発明の効果が良好に奏され得る範囲内において、歪層54の表面粗さRaや、砥石層における番手や材料は、適宜選択され得る。換言すれば、歪層54は、いわゆる平面研削面や、仕上げ研削面や、これらをより平坦化した研磨面に形成され得る。具体的には、例えば、歪層54の表面粗さRaが大きくなるほど、多数の積層欠陥SFが歪領域61に導入され、これによりマイクロパイプ欠陥MPが良好に掃き出される。一方、歪層54の表面粗さRaが小さ過ぎると、マイクロパイプ欠陥MPが積層欠陥SFによって変換されずに成長結晶6内をc軸に沿って進展する可能性が高くなる。よって、歪層54の表面粗さRaは、1nmを超えることが好適であり、10nmを超えることがさらに好適であり、100nmを超えることがよりいっそう好適である。但し、過大な表面粗さの歪層を形成した場合(例えば1000nmを超えること)は、結晶欠陥が著しく増大し、発生したマイクロパイプの一部が変換されず残存することで、結果的にマイクロパイプが増加するため好適ではない。また、表面粗さRaのうち、10nm以下のものは、例えば、ZYGO社のレーザー干渉計などによる非接触式の機器で測定し、10nmを超えるものは、例えば、TAYLOR-HOBSON社の触針接触式の機器で測定するが、これらに限定したものではない。
上記実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、構成要素の個数、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数値に限定される場合等を除き、その特定の数値に本発明が限定されることはない。同様に、構成要素等の形状、方向、位置関係等が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に特定の形状、方向、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、方向、位置関係等に本発明が限定されることはない。
変形例も、上記の例示に限定されない。すなわち、例えば、上記に例示した以外で、複数の実施形態同士が、技術的に矛盾しない限り、互いに組み合わされ得る。同様に、複数の変形例が、技術的に矛盾しない限り、互いに組み合わされ得る。また、外径150mmや200mmについても、通常は規格や公差が設定されているため、当然規格や公差も考慮した値である。
1 インゴット
2 ウェハ
4 粉末状の固体原料
5 種結晶
52 成長表面
53 基底面
54 歪層
6 成長結晶
θ オフ角
MP マイクロパイプ欠陥

Claims (7)

  1. 粉末状の固体原料(4)を昇華させて、種結晶(5)の一表面である成長表面(52)の上に再結晶化させることで、前記成長表面の上に成長結晶(6)を成長させる、炭化珪素単結晶の製造方法において、
    前記種結晶における前記成長表面に、砥石を用いて平坦化する砥石平坦化による加工変質層である歪層(54)を形成し、
    前記歪層の形成は、前記歪層を、マイクロパイプ欠陥(MP)が存在する領域に選択的に設けるものである、
    炭化珪素単結晶の製造方法。
  2. 粉末状の固体原料(4)を昇華させて、種結晶(5)の一表面である成長表面(52)の上に再結晶化させることで、前記成長表面の上に成長結晶(6)を成長させる、炭化珪素単結晶の製造方法において、
    前記種結晶の外径をDとしたとき、外縁(502)から(D-150mm)/2の範囲の領域である外周領域(501)にて、前記種結晶における前記成長表面に、前記種結晶の中心軸(L)と交差する傾斜面(521)を、砥石を用いて平坦化する砥石平坦化により設けることで、前記傾斜面に加工変質層である歪層(54)を形成する、
    炭化珪素単結晶の製造方法。
  3. 前記歪層を形成する前記種結晶は、4度以上のオフ角(θ)を有する、
    請求項1または2に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  4. 前記歪層の表面粗さRaは、1nmを超える、
    請求項1または2に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  5. 前記歪層の表面粗さRaは、10nmを超える、
    請求項1または2に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  6. 前記歪層の表面粗さRaは、100nmを超える、
    請求項1または2に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  7. 前記種結晶の外径が200mm以上である、
    請求項1または2に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
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