JP7828596B1 - 低果汁酢酸含有飲料及び果汁感の向上方法 - Google Patents

低果汁酢酸含有飲料及び果汁感の向上方法

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JP7828596B1 JP2025572201A JP2025572201A JP7828596B1 JP 7828596 B1 JP7828596 B1 JP 7828596B1 JP 2025572201 A JP2025572201 A JP 2025572201A JP 2025572201 A JP2025572201 A JP 2025572201A JP 7828596 B1 JP7828596 B1 JP 7828596B1
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Abstract

果汁の含有割合が5質量%未満でありながら、より優れた果汁感が得られる低果汁酢酸含有飲料、及び、5質量%未満の果汁を含んだ飲料における果汁感の向上方法を提供することを目的として、低果汁酢酸含有飲料は、果汁の含有量をMFJ(質量%)とし、酢酸の含有量をMAA(質量%)とした場合に、MFJが0質量%超5質量%未満であり、MAAが0質量%超0.25質量%以下であり、MAA/MFJが0.02以上である。果汁感の向上方法は、MAAを0質量%超0.25質量%以下、且つ、MAA/MFJを0.02以上に調整するMAA/MFJ調整工程を備える。

Description

本発明は、低果汁酢酸含有飲料及び果汁感の向上方法に関する。更に詳しくは、果汁と酢酸とを含む低果汁酢酸含有飲料、及び、低果汁飲料における果汁感の向上方法に関する。
保存技術の進歩等から、果実や果汁を利用したフレッシュな風味を有する種々の食品が上市されている。しかしながら、収穫直後の果実や果汁の風味を、その流通後の喫食時まで維持できる技術は未だ得られておらず、果実や果汁を含んだ食品における風味向上への要望は依然として存在する。果汁を含んだ食品における果汁感を向上させるという観点からは、下記特許文献1が知られている。
特開2003-289836号公報
上記特許文献1には、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50以上であるグルカンを有効成分として含有する果汁含有飲食品の果汁感向上剤、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50以上であるグルカンを含有する果汁含有飲食品、及び、果汁含有飲食品の原料に、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50以上であるグルカンとを添加する果汁含有飲食品の製造方法が開示されている。
しかしながら、食品分野では、1つの対策方法を広く活用することが難しい側面もあり、状況に応じた複数の対応策の存在が求められている。即ち、異なる態様の果汁含有飲料や、異なる態様の果汁感の向上方法が求められている。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、果汁の含有割合が5質量%未満でありながら、より優れた果汁感が得られる低果汁酢酸含有飲料、及び、5質量%未満の果汁を含んだ飲料における果汁感の向上方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、果汁含有飲料を製造するにあたり、低果汁であっても、酢酸の利用によって味の輪郭を向上させることができ、その結果、果汁感を向上させることができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明には、以下の態様が含まれる。
[1]果汁の含有量をMFJ(質量%)とし、
酢酸の含有量をMAA(質量%)とした場合に、
前記MFJが0質量%超5質量%未満であり、
前記MAAが0質量%超0.25質量%以下であり、
前記MAAと前記MFJとの比(MAA/MFJ)が0.02以上である低果汁酢酸含有飲料。
[2]果糖の含有量をMFru(質量%)とした場合に、
前記MFruと前記M AA との比(MFru/M AA )が3以上である、上記[1]に記載の低果汁酢酸含有飲料。
[3]果糖の含有量をMFru(質量%)とし、
ブドウ糖の含有量をMGlu(質量%)とした場合に、
前記MGluと前記MFruとの比(MGlu/MFru)が0.75以下である、上記[1]又は[2]に記載の低果汁酢酸含有飲料。
[4]リンゴ酸の含有量をMMA(質量%)とした場合に、
前記MMAと前記MAAとの比(MMA/MAA)が0.02以上である、上記[1]乃至[3]のうちのいずれかに記載の低果汁酢酸含有飲料。
[5]グルコン酸の含有量をMGA(質量%)とした場合に、
前記MGAと前記MAAとの比(MGA/MAA)が0.003以上である、上記[1]乃至[4]のうちのいずれかに記載の低果汁酢酸含有飲料。
[6]食酢を含有する、上記[1]乃至[5]のうちのいずれかに記載の低果汁酢酸含有飲料。
[7]前記食酢が、果実酢である上記[6]に記載の低果汁酢酸含有飲料。
[8]前記果汁が、イチゴ果汁、ブドウ果汁、モモ果汁及びザクロ果汁からなる群から選択される1種以上を含む、上記[1]乃至[7]のうちのいずれかに記載の低果汁酢酸含有飲料。
[9]果汁の含有量が0質量%超5質量%未満である飲料における果汁感の向上方法であって、
前記果汁の含有量をMFJ(質量%)とし、
酢酸の含有量をMAA(質量%)とした場合に、
前記MAAを0質量%超0.25質量%以下、且つ、前記MAAと前記MFJとの比(MAA/MFJ)を0.02以上に調整するMAA/MFJ調整工程を備える、果汁感の向上方法。
[10]果糖の含有量をMFru(質量%)とした場合に、
前記MFruと前記M AA との比(MFru/M AA )を、3以上に調整するMFru/M AA 調整工程を備える、上記[9]に記載の果汁感の向上方法。
[11]果糖の含有量をMFru(質量%)とし、ブドウ糖の含有量をMGlu(質量%)とした場合に、
前記MGluと前記MFruとの比(MGlu/MFru)を、0.75以下に調整するMGlu/MFru調整工程を備える、上記[9]又は[10]に記載の果汁感の向上方法。
[12]リンゴ酸の含有量をMMA(質量%)とした場合に、
前記MMAと前記MAAとの比(MMA/MAA)を、0.02以上に調整するMMA/MAA調整工程を備える、上記[9]乃至[11]のうちのいずれかに記載の果汁感の向上方法。
[13]グルコン酸の含有量をMGA(質量%)とした場合に、
前記MGAと前記MAAとの比(MGA/MAA)を、0.003以上に調整するMGA/MAA調整工程を備える、上記[9]乃至[12]のうちのいずれかに記載の果汁感の向上方法。
[14]前記MAA/MFJ調整工程は、前記飲料に対して食酢を配合する操作を含む上記[9]乃至[13]のうちのいずれかに記載の果汁感の向上方法。
[15]前記食酢が、果実酢である上記[14]に記載の果汁感の向上方法。
[16]前記果汁が、イチゴ果汁、ブドウ果汁、モモ果汁及びザクロ果汁からなる群から選択される1種以上を含む上記[9]乃至[15]のうちのいずれかに記載の果汁感の向上方法。
本発明の低果汁酢酸含有飲料によれば、果汁の含有割合が5質量%未満でありながら、より優れた果汁感を得ることができる。
本発明の果汁感の向上方法によれば、5質量%未満の果汁を含んだ飲料における果汁感を向上させることができる。
以下、本発明について具体的な実施形態に基づき説明する。但し、本発明は以下の実施の形態に束縛されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、任意の形態で実施することが可能である。また、本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。
本発明において、前述した課題は、本明細書に開示する他の課題の存在を妨げるものではない。つまり、本発明の態様は、例えば、果汁の含有割合が5質量%未満でありながら、より優れた果汁感を得つつ、味の輪郭が向上されていてもよいし、また、果汁の含有割合が5質量%未満でありながら、より優れた果汁感を得つつ、ジューシー感が向上されていてもよいし、また、果汁の含有割合が5質量%未満でありながら、より優れた果汁感を得つつ、後味の余韻が増強されていてもよいし、また、果汁の含有割合が5質量%未満でありながら、より優れた果汁感を得つつ、より立体感のある甘みが形成されてもよいし、また、果汁の含有割合が5質量%未満でありながら、より優れた果汁感を得つつ、フレッシュな果実香が得られていてもよい。更に、5質量%未満の果汁を含んだ飲料における果汁感を向上させつつ、味の輪郭を向上させてもよいし、また、5質量%未満の果汁を含んだ飲料における果汁感を向上させつつ、ジューシー感を向上させてもよいし、また、5質量%未満の果汁を含んだ飲料における果汁感を向上させつつ、後味の余韻を増強してもよいし、また、5質量%未満の果汁を含んだ飲料における果汁感を向上させつつ、より立体感のある甘みを形成してもよいし、また、5質量%未満の果汁を含んだ飲料における果汁感を向上させつつ、フレッシュな果実香を得てもよい。また、本発明の態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。更に、本明細書、本請求項の記載から、これら以外の課題を抽出してもよい。
本明細書において、「含有」及び「含む」なる用語は、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を包含する。用語「含有」及び「含む」を使用する場合、列記された段階又は選択項目は網羅的である必要はない。
本明細書において、「及び(並びに)/又は(若しくは)」なる表現は、「及び(並びに)」と「又は(若しくは)」の両方の意を包含する。例えば「A及び/又はB」は、A及びBと、A又はBと、の両方の意を包含し、「A単独」、「B単独」及び「AとBの両方」の3つを示す。
本明細書において、数値範囲の規定について複数の上限値及び/又は複数の下限値を示す場合、特に明示されない場合であっても少なくとも上限規定の最大値と下限規定の最小値とを組み合わせた数値範囲の規定が直接的に記載されているものとし、更に当該上限値のうち任意の上限値と当該下限値のうち任意の下限値とを組み合わせて得られる全ての数値範囲が本発明の一実施形態に含まれるものとする。また、本明細書において、「~」で結ばれた数値範囲は、「~」の前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を意味する。複数の下限値と複数の上限値が別個に示されている場合、任意の下限値と上限値を選択し、「~」で結ぶことができるものとする。また、上記範囲の上限及び/又は下限を任意に入れ替えてなる範囲も、本明細書において例示される。
本明細書において、尚、「質量%」とは、試料の水分を含む湿潤質量を分母、試料中の対象成分の含有質量を分子として算出される、試料中の対象成分の含有比率を表す。また、「w/w」は、「質量/質量」(weight/weight)を意味し、「w/v」は、「質量/容量」(weight/volume)を意味する。
[1]低果汁酢酸含有飲料
本発明における低果汁酢酸含有飲料は、
果汁の含有量をMFJ(質量%)とし、
酢酸の含有量をMAA(質量%)とした場合に、
MFJが0質量%超5質量%未満であり、
MAAが0質量%超0.25質量%以下であり、
MAAとMFJとの比(MAA/MFJ)が0.02以上である。
本発明の低果汁酢酸含有飲料によれば、果汁が5質量%未満であっても、より優れた果汁感を得ることができる。即ち、向上された果汁感を得ることができる。果汁感の向上は、即ち、果汁によって生じる果汁感の好む傾向や度合いを統計的に大きくすることを意味する。果汁を含む飲料における果汁感は、当該飲料を摂取(口腔内に含むこと、喫食等)した際に、口内で生じる呈味、香り、又はそれらによって生ずる感覚を包括する概念である。即ち、所定の果実の果汁らしさ(例えば、イチゴに由来する果汁であれば、イチゴらしさ、イチゴであることを認知できること)、所定の果実の果汁の香り(例えば、イチゴに由来する果汁であれば、イチゴらしい香り、イチゴであると認識される香り)、所定の果実の果汁の味(例えば、イチゴに由来する果汁であれば、イチゴらしい味、イチゴであると認識される味)、所定の果実の果汁のジューシー感(例えば、イチゴに由来する果汁であれば、イチゴのジューシー感)、所定の果実の果汁のフレッシュ感(例えば、イチゴに由来する果汁であれば、イチゴのフレッシュ感)、所定の果実の果汁のスッキリ感(例えば、イチゴに由来する果汁であれば、イチゴのスッキリ感)、収斂味(摂取した際に口内が収縮するような感覚)、華やかさ、熟成感、鮮度感などの感覚を指してもよく、その他「果実のような臭い、香り、又は感覚」を指してもよい。
尚、上述した臭い、香りには、鼻腔を介して感知される匂いに加え、対象物を摂取した際に感じられる匂いを含む。即ち、果汁感の向上は、上述した果汁感を構成する要素のうちの少なくとも1つ以上の好む傾向や度合いを統計的に大きくすることを意味する。
このような果汁感の向上は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であり、且つ、後述する識別訓練を実施した、各官能検査項目に関して絶対評価を行うことが可能な官能検査員によって評価できる。
前述の通り、本発明の低果汁酢酸含有飲料によれば、0<MFJ(質量%)<5であっても、MAAおよびMAA/MFJを所定範囲に調整することにより、優れた果汁感を得ることができる。その機序は定かではないが、上述した果汁感を構成する要素のうちの少なくとも1つ以上の要素を明瞭にし、他の要素と分離させて、所定の要素を際立たせることができるのではないかと考えることができる。換言すれば、果汁感の向上の一部として、種々の波長の光を含んだ統合光をプリズムに通した場合に、光が波長毎に分離され明瞭化される現象と似た現象があると考えられる。従って、例えば、果汁感に対するプリズム効果と表現することができる。
また、上述した果汁感を構成する要素が明瞭にされたことによって、少なくとも1つ以上の要素の嗜好性が向上されるのか、或いは、実際に上述した果汁感を構成する要素が明瞭にされたうえで、更に、少なくとも1つ以上の要素の嗜好性が向上されているのか、など定かではないが、これらの複数の現象が含まれていると考えられる。結果として、例えば、果汁を5質量%未満含む飲料においては、果汁感が増す(果汁感の向上)という感覚を喫食者に与えることが可能となると考えられる。
更に、酢酸の含有により、味を引き締め、味の輪郭を明瞭にすることができると考えられる。更にいえば、エッジを立てる、味が際立つ(味の際立ち効果を有する)ともいえる。また、飲料における甘味を引き上げる効果も奏するものと考えられる。即ち、スッキリとした甘みを強調することができる。このような果汁感の向上は、果汁を5質量%未満含む飲料が、酢酸を、当初は実質的に含んでいない場合により効果的であると考えられる。このように、果汁の含有量が所定値以下である低果汁飲料は、一般に、果汁量が少ないために味の輪郭がぼやけやすく、果汁感が不足しやすい傾向がある。この点、本発明の低果汁酢酸含有飲料の構成では、その味の輪郭がぼやける現象を緩和し、果汁感を向上させることができるのではないかと考えることができる。
果汁は、低果汁酢酸含有飲料において0質量%超5質量%未満であればよい。即ち、果汁が0質量%の飲料は想定されない。果汁感の向上は、果汁を含む飲料において得られるからである。また、果汁感の向上は、果汁を5質量%以上含む飲料におけるよりも、果汁を5質量%未満含む飲料においてより顕著に得られる。
低果汁酢酸含有飲料における果汁の含有量MFJ(質量%)の下限は、0質量%超であればよく限定されないが、通常、飲料全体100質量%に対して、0.005質量%以上とすることができる。当該範囲では果汁感の向上をより明瞭に生じさせることができる。含有量MFJ(質量%)は、更に0.01質量%以上、更に0.02質量%以上、更に0.025質量%以上、更に0.05質量%以上とすることができる。一方、その上限は、5質量%未満とすることが好ましいが、更に4.5質量%以下とすることができ、更に4.0質量%以下、更に3.5質量%以下、更に3.25質量%以下、更に3.0質量%以下、更に2.9質量%以下、更に2.8質量%以下、更に2.75質量%以下とすることができる。上述の上下限は各々の組合せとすることができ、これらの上限及び下限を組み合わせることによって特定される数値範囲も本明細書に開示される。即ち、例えば、0.005質量%以上5質量%未満とすることができ、更に0.01質量%以上5.0質量%未満、更に0.01~4.5質量%、更に0.02~4.0質量%、更に0.02~3.5質量%、更に0.025~3.25質量%、更に0.025~3.0質量%、更に0.05~2.9質量%、更に0.05~2.8質量%、更に0.05~2.75質量%とすることができる。
尚、上述した果汁の含有量MFJ(質量%)は1倍希釈に換算した値とする。また、2種以上の果汁を含有する場合は、個々の果汁の含有量が上述した範囲を充足してもよく、2種以上の果汁の合計の含有量が上述した範囲を充足してもよい。
果汁は、果実から取り出された液状物であり、例えば、果実を搾汁して得られた液体、果実又は果汁から抽出媒(水、アルコール等)を用いて抽出された抽出物、これらの濃縮物(濃縮果汁)、還元物(還元果汁)、濃縮還元物(濃縮還元果汁)、凍結物(凍結果汁)などが含まれる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、果汁の原料となる果実は、通常、少なくとも果肉を含むが、その他、果皮、果汁、種子等の1種又は2種以上を含むことができる。用いる果実の成熟度は限定されず、未成熟な果実であってもよいし、成熟された果実であってもよく、摘果された果実であってもよいし、落下した果実等であってもよい。また、生果実(加熱処理(例えば、60℃以上の熱を加える)していない果実)でもよく、加熱処理(例えば、60℃以上の熱を加える)された果実、冷蔵された果実、凍結された果実、裁断された果実、粉砕された果実(ピューレ等)、搾汁後の果実等であってもよく、これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
果汁の種類は限定されず、果物類(フルーツ類)であってもよく、野菜類であってもよく、これら以外の果汁であってもよい。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらの果汁としては、例えば「日本食品標準成分表(八訂)」に記載の果実類、及び野菜類から得られる果汁を用いることができる。
上記のうち、果物類としては、イチゴ、ブドウ、モモ、ザクロ、リンゴ、アセロラ、ブルーベリー、梨、杏、柑橘類(オレンジ、バレンシアオレンジ、ネーブルオレンジ、マンダリンオレンジ、グレープフルーツ、ピンクグレープフルーツ、スウィーティー、ミカン、紀州ミカン、温州ミカン、八朔、カラマンシー、ダイダイ、シトロン、ブッシュカン、夏ミカン、ヒュウガナツ、デコポン、イヨカン、タンカン、ブンタン、セミノール、ポンカン、キンカン、ユコウ、ザボン、バンペイユ、レモン、柚子、カボス、スダチ、ライム、シークワーサー等)、柿、パイナップル、バナナ、メロン、スイカ、キウイフルーツ、カシス、アプリコット、グアバ、プラム、マンゴー、パパイヤ、ライチ、ウメ、アサイー、ラズベリー、白ブドウ、ベルガモット、パッションフルーツ等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。即ち、果汁としては、これらのうちのいずれか1つの果物類の果汁、これらのうちの2つ以上の果物類の混合果汁等が含まれる。
上記のなかでも、特徴的な風味・香りを有し、本発明の構成(酢酸量及び各種成分比率等)との組み合わせにより、その特徴的な味を感じさせやすくできるという観点から、イチゴ果汁、ブドウ果汁、モモ果汁及びザクロ果汁からなる群から選択される少なくとも1種の果汁が含まれることが好ましい。
より具体的には、例えば、イチゴ果汁としては、あまおう(登録商標、品種名:福岡S6号)に代表される風味の濃いイチゴ果汁、ブドウ果汁としてはシャインマスカットに代表される香り高いブドウ果汁、モモ果汁としては白桃果汁、ザクロ果汁等が挙げられる。これらの果汁を用いた場合、味の輪郭が際立つことで、それぞれの果汁特有の風味が明瞭に知覚され、低果汁であっても高い果汁感を形成することができる。また、果汁が、2種以上の果物類を含む場合には、最大の割合を占める果汁がイチゴ、ブドウ、モモ又はザクロである場合には、低果汁酢酸飲料における、これら果物類の果汁の味が支配的となるため、本発明の効果を顕著に得ることができる。
野菜類としては、トマト、カボチャ、ウリ、キュウリ、ズッキーニ、ニガウリ、トウガン、シシトウ、ピーマン、パプリカ、トウガラシ、ナス、トウモロコシ、インゲン、エンドウ、ササゲ、オクラ、ヘチマ、アボカド等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。即ち、果汁としては、これらのうちのいずれか1つの野菜類の果汁、これらのうちの2つ以上の野菜類の混合果汁等が含まれる。
更に、上述した果物類の果汁と野菜類の果汁とは、各々単独で用いてもよいが、併用することもできる。
低果汁酢酸含有飲料は、酢酸を含有することができる。本明細書において、酢酸は、酢酸分子(CH3COOH)と、酢酸イオン(CH3COO-)とを含むものとする。従って、後述する酢酸の含有量(MAA質量%)は、これらの合計の含有量を意味する。また、酢酸の含有量の測定は、日本食品標準成分表2020年版(八訂)の「有機酸」の測定方法に準じ、高速液体クロマトグラフ法によって測定する。具体的には測定方法は、実施例において示す通りである。
酢酸の由来は限定されず、食品添加物由来(例えば、市販の酢酸、酢酸塩(酢酸ナトリウム等))であることもできるし、食酢に含有されるものであってもよい。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記のうち、食酢としては、アルコールを酢酸発酵させて産生される酢酸を用いることができる。この場合、果実や穀物等の原料を酵母によってアルコール発酵させたものを、更に酢酸菌によって酢酸発酵させることで産生される酢酸を含むことが好ましい。酢酸発酵を経る食酢は、発酵の原料となる果実や穀物等に由来する糖やタンパク質、アミノ酸、ミネラル等が同時に含有される点において、酢酸のみを含有する食品添加物と異なる。食酢には、醸造酢の日本農林規格(令和元年12月13日農林水産省告示第1626号)に基づいて規定される醸造酢が包含される。
醸造酢の種類は限定されず、その原料としては、例えば、白米、玄米、大麦、小麦、オーツ麦、ライ麦、えん麦、はと麦、とうもろこし、リンゴ、モモ、ブドウ、アセロラ、ブルーベリー、梨、杏、柑橘類(オレンジ、バレンシアオレンジ、ネーブルオレンジ、マンダリンオレンジ、グレープフルーツ、ピンクグレープフルーツ、スウィーティー、ミカン、紀州ミカン、温州ミカン、八朔、カラマンシー、ダイダイ、シトロン、ブッシュカン、夏ミカン、ヒュウガナツ、デコポン、イヨカン、タンカン、ブンタン、セミノール、ポンカン、キンカン、ユコウ、ザボン、バンペイユ、レモン、柚子、カボス、スダチ、ライム、シークワーサー等)、柿、イチゴ、パイナップル、バナナ、メロン、キウイフルーツ、カシス、アプリコット、グアバ、プラム、マンゴー、パパイヤ、ライチ、ウメ、ザクロ、アサイー、ラズベリー、白ブドウ、ベルガモット、パッションフルーツ等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。即ち、例えば、米酢、米黒酢、リンゴ酢、ぶどう酢、レモン酢、トマト酢、バルサミコ酢及び、ざくろ酢等が含まれる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらのなかでも、果実酢を好適に利用できる。果実酢は、果汁との相性がよく、果実由来の有機酸や香気成分を含有するという観点から好ましく、なかでもリンゴ酢を好適に用いることができる。更に、醸造酢の中でも特定の穀物や果物のみを原料として作られた、いわゆる「純○○酢」と称される食酢(例えば、「純米酢」は米のみを原料とし、「純リンゴ酢」はリンゴのみを原料として製造される食酢)を好適に利用できる。これらの食酢は、酢酸の酸味を感じさせにくく、本発明における果汁感向上の効果をより奏しやすくできる。更に、菌体を含む食酢を用いると、菌体由来の風味によって酸味を感じさせにくくすることができるという観点から好ましい。
低果汁酢酸含有飲料における酢酸の含有量をMAA(質量%)とした場合に、その下限は0質量%超であればよく限定されないが、通常、飲料全体100質量%に対して、0.05質量%以上とすることができる。当該範囲では果汁感の向上をより明瞭に生じさせることができる。含有量MAA(質量%)は、更に0.01質量%以上、更に0.02質量%以上、更に0.025質量%以上、更に0.05質量%以上、更に0.075質量%以上、更に0.10質量%以上、更に0.12質量%以上、更に0.15質量%以上、更に0.16質量%以上とすることができる。一方、その上限は、酢酸含有にともなう酸味の主張を抑制する観点からは0.25質量%以下、更に0.20質量%以下、更に0.19質量%以下、更に0.18質量%以下、更に0.17質量%以下とすることができる。上述の上下限は各々の組合せとすることができ、これらの上限及び下限を組み合わせることによって特定される数値範囲も本明細書に開示される。即ち、例えば、0質量%超0.25質量%以下とすることができ、更に0.01~0.25質量%、更に0.02~0.25質量%、更に0.025~0.25質量%、更に0.05~0.25質量%、更に0.075~0.20質量%、更に0.1~0.2質量%、更に0.12~0.20質量%、更に0.15~0.25質量%、更に0.16~0.25質量%、更に0.01~0.19質量%、更に0.02~0.18質量%、更に0.05~0.17質量%とすることができる。
低果汁酢酸含有飲料における酢酸の含有量MAAと、果汁の含有量MFJとの比(MAA/MFJ)を所定範囲とすることで、果汁にともなう味の輪郭を明瞭にすることができる。(果汁にともなう味とは、飲料に含まれる種類の果汁味であり、2種以上の果汁が含まれる場合には最大の割合を占める種類の果汁味を指す)その原理は不明であるが、酢酸成分により、「個々の味」と「全体としての味(味のバックグラウンド)」とのコントラストが高まるためではないかと考えることができる。換言すれば、味の輪郭が明瞭になることで、果実特有の味が明瞭となり、果実感が向上したという味覚を喫食者に対してより優位に生じさせることができるものと考えられる。
低果汁酢酸含有飲料におけるMAA/MFJは0.02以上とすることが好ましいが、その下限は、本発明における効果を十分に得るという観点から、0.015以上とすることができ、更に0.02以上、更に0.025以上、更に0.03以上、更に0.04以上、更に0.05以上、更に0.07以上とすることができる。一方、その上限は限定されないが、酢酸含有にともなう酸味の主張を抑制する観点からは、5.0以下とすることができ、更に4.5以下、更に4.0以下、更に3.5以下、更に3.0以下、更に2.5以下、更に2.0以下とすることができる。上述の上下限は各々の組合せとすることができ、これらの上限及び下限を組み合わせることによって特定される数値範囲も本明細書に開示される。即ち、例えば、0.015~5.0とすることができ、更に0.02~4.5、更に0.025~4.0、更に0.03~3.5、更に0.04~3.0、更に0.05~2.5、更に0.07~2.0とすることができる。
尚、酢酸の含有量MAA(質量%)の測定法は特に限定されないが、例えば、「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」の測定方法に準じ、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定することができる。具体的には、以下の条件で測定を行うことができる。
・高速液体クロマトグラフィー(株式会社島津製作所製、型式「LC-10ADvp」)
・移動相(1)4mMp-トルエンスルホン酸水溶液、流速0.9mL/分
・移動相(2)4mMp-トルエンスルホン酸、80μMEDTAを含む16mMBis-Tris水溶液、流速0.9mL/分
・カラム:Shodex KC810P+KC811×2(昭和電工株式会社製)
・カラム温度:50℃
・検出:UV260nm
低果汁酢酸含有飲料は、通常、果糖を含有する。果糖の由来は限定されず、果汁由来の天然の果糖であってもよく、精製品の果糖であってもよく、果糖ブドウ糖液糖等の糖原料として添加される果糖であってもよい。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
低果汁酢酸含有飲料における果糖の含有量をMFru(質量%)とした場合に、MFruとM AA との比(MFru/M AA )は3以上とすることができる。MFru/M AA を所定範囲とすることにより、ジューシー感を増強することができる。MFru/M AA を所定値より大きくすることでジューシー感が増強される機序は定かではないが、果糖は果汁由来の甘味成分として重要な成分であり、適量の果糖を含有させることにより、味全体に立体感を生じ、果汁感の向上に寄与すると考えることができる。そして、ジューシー感が増強されることにより、果実の味が口にみずみずしく広がることとなる結果、果実感が向上された低果汁酢酸含有飲料にすることができると考えることができる。また、低果汁酢酸含有飲料の原料として、後述するように、食酢を用い、更には、食酢として果実酢を用いる場合には、MFru/M AA が小さくなりがちである(果実酢は酢酸含有量が大きい傾向があるため)ことから、特に果実酢を用いて低果汁酢酸含有飲料を製造する場合、果糖添加によりMFru/M AA を好ましい範囲に調整することが好ましい。即ち、果汁由来の果糖に加えて、精製品の果糖(精製果糖)を加えることが好ましい。
MFru/M AA の値は、ジューシー感の増強という効果を明瞭に得るという観点から、2.75以上とすることができ、更に3.0以上、更に3.5以上、更に4.0以上、更に5.0以上とすることができる。一方、その上限は限定されないが、甘味の後残りを抑制し、味の印象をより軽くするという観点からは、100以下とすることができ、更に70以下、60以下、更に50以下、更に30以下、更に25以下、更に22以下とすることができる。上述の上下限は各々の組合せとすることができ、これらの上限及び下限を組み合わせることによって特定される数値範囲も本明細書に開示される。即ち、例えば、2.75~100とすることができ、更に3.0~70、更に3.5~60、更に4.0~50、更に5.0~20とすることができる。
尚、果糖の含有量MFru(質量%)の測定法は特に限定されないが、例えば、「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」に準じて、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定することができる。具体的には、高速液体クロマトグラフ法を用い、濃度既知の果糖標準品との含有量比較によって求めることができる。
低果汁酢酸含有飲料は、ブドウ糖を含有することができる。ブドウ糖の由来は限定されず、果汁由来の天然のブドウ糖であってもよく、精製品のブドウ糖であってもよく、果糖ブドウ糖液糖等の糖原料として添加されるブドウ糖であってもよい。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
低果汁酢酸含有飲料におけるブドウ糖の含有量をMGlu(質量%)とした場合に、MGluとMFruとの比(MGlu/MFru)を所定範囲とすることにより、甘味に立体感を形成し、味全体に奥行きを得る(立体感のある味となる)ことができ、結果として、果汁感の向上に寄与すると考えられる。MGlu/MFruを所定値より小さくすることで甘味に立体感を形成できる機序は定かではないが、一般にブドウ糖の甘味はのっぺりとした平板な印象を与える傾向があるため、MGlu/MFruの値をより小さくすることにより、果糖による甘味形成の比重を大きくすることができるため、ブドウ糖により生じる印象を抑制できるものと考えることができる。従って、低果汁酢酸含有飲料の製造には、果糖ブドウ糖液糖(異性化糖)を用いないことが好ましい。即ち、果糖ブドウ糖液糖を含まないことが好ましい。果糖ブドウ糖液糖を用いるとブドウ糖が多く持ち込まれることとなるからである。
MGlu/MFruの値は、甘味の立体感を形成するという効果を明瞭に得るという観点から、0.75以下とすることができ、更に0.6以下、更に0.5以下、更に0.350以下、とすることができる。一方、その下限は限定されないが、0.005以上とすることができ、更に0.007以上、更に0.01以上、更に0.015以上、更に0.017以上、更に0.02以上とすることができる。上述の上下限は各々の組合せとすることができ、これらの上限及び下限を組み合わせることによって特定される数値範囲も本明細書に開示される。即ち、例えば、0.005~0.75とすることができ、更に0.007~0.6、更に0.01~0.5、更に0.02~0.3とすることができる。
尚、ブドウ糖の含有量MGlu(質量%)の測定法は特に限定されないが、例えば、「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」に準じて、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定することができる。具体的には、高速液体クロマトグラフ法を用い、濃度既知のブドウ糖標準品との含有量比較によって求めることができる。
低果汁酢酸含有飲料は、リンゴ酸を含有することができる。リンゴ酸の由来は限定されず、果実由来のリンゴ酸であってもよいし、発酵物(食酢(果実酢)等)由来のリンゴ酸であってもよいし、精製品のリンゴ酸であってもよい。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。尚、リンゴ酸は微生物の働きによって糖から生成される有機酸であるため、リンゴ酸の含有量は、例えば、発酵物(特に食酢)の発酵条件によって調整することができる。食酢の中でも特に、糖を豊富に含む果実を原料とし、酵母や乳酸菌及び酢酸菌による発酵を経た果実酢を用いて調整することが好ましい。
低果汁酢酸含有飲料におけるリンゴ酸の含有量をMMA(質量%)とした場合に、MMAとMAAとの比(MMA/MAA)を所定範囲とすることにより、後味の余韻を増強することができ、結果として、果汁感の向上に寄与すると考えることができる。後味の余韻の増強は、換言すれば、果汁由来の風味の余韻を増強するともいえる。MMA/MAAを所定値以上にする場合には、とりわけ、果実酢として、リンゴ酢を利用したうえで、更に、有機酸量の調整を行って、当該MMA/MAAを所定値以上という要件を充足することが好ましい。リンゴ酢はリンゴ酸を含むものの、酢酸の割合が多いからである。
MMA/MAAの値は、後味の余韻を増強する効果を明瞭に得るという観点から、0.012以上とすることができ、更に0.015以上、更に0.017以上、更に0.02以上、更に0.022以上、更に0.023以上とすることができる。一方、その上限は限定されないが、後味の鋭い酸味を抑制するという観点からは、1.0以下とすることができ、更に0.75以下、更に0.5以下、更に0.4以下、更に0.35以下とすることができる。上述の上下限は各々の組合せとすることができ、これらの上限及び下限を組み合わせることによって特定される数値範囲も本明細書に開示される。即ち、例えば、0.012~1.0とすることができ、更に0.015~0.75、更に0.017~0.5、更に0.02~0.4、更に0.022~0.35、更に0.023~0.35とすることができる。
尚、リンゴ酸の含有量MMA(質量%)の測定法は特に限定されないが、例えば、「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」の測定方法に準じ、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定することができる。具体的には、以下の条件で測定を行うことができる。
・高速液体クロマトグラフィー(株式会社島津製作所製、型式「LC-20AD」)
・移動相(1)4mMp-トルエンスルホン酸水溶液、流速0.9mL/分
・移動相(2)4mMp-トルエンスルホン酸、80μMEDTAを含む16mMBis-Tris水溶液、流速0.9mL/分
・カラム:Shodex KC-G6B+KC-811×2(昭和電工株式会社製)
・カラム温度:52°C
・検出:電気伝導度検出器
低果汁酢酸含有飲料は、グルコン酸を含有することができる。グルコン酸の由来は限定されず、発酵物(食酢(果実酢)等)由来のグルコン酸であってもよいし、精製品のグルコン酸であってもよい。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。尚、グルコン酸の含有量は、例えば、発酵物の発酵条件によって調整することができる。特に、グルコン酸は酢酸菌の働きによってグルコースから生成される有機酸であるため、発酵物の中でも酢酸菌発酵による発酵物、例えば食酢を用いて調整することが好ましく、さらには、食酢の中でも、グルコースやその前駆体である糖を豊富に含む果実を原料としている果実酢を用いて調整することが好ましい。
低果汁酢酸含有飲料におけるグルコン酸の含有量をMGA(質量%)とした場合に、MGAとMAAとの比(MGA/MAA)を所定範囲にすることにより、フレッシュな果実香を形成することができ、結果として、果汁感の向上に寄与すると考えることができる。MGA/MAAの調整によりフレッシュな果実香を形成できる機序は定かではないが、MGA/MAAの値を大きくすることによって、まろやかさを発揮できるグルコン酸の割合が大きくなり、酢酸の刺激や味がマスキングされ、その結果、フレッシュな果実香が感じられやすくなっているのではないかと考えることができる。MGA/MAAを所定値以上にする場合には、とりわけ、果実酢として、リンゴ酢を利用したうえで、更に、有機酸量の調整を行って、当該MGA/MAAを所定値以上という要件を充足することが好ましい。
MGA/MAAの値は、フレッシュな果実香を形成する効果を明瞭に得るという観点から、0.002以上とすることができ、更に0.003以上、更に0.004以上、更に0.005以上、更に0.006以上とすることができる。一方、その上限は限定されないが、グルコン酸自体の呈味を生じることを抑制するという観点からは、0.1以下とすることができ、更に0.075以下、更に0.05以下、更に0.035以下とすることができる。上述の上下限は各々の組合せとすることができ、これらの上限及び下限を組み合わせることによって特定される数値範囲も本明細書に開示される。即ち、例えば、0.002~0.1とすることができ、更に0.003~0.075、更に0.004~0.05、更に0.005~0.035、更に0.006~0.035とすることができる。
尚、グルコン酸の含有量MGA(質量%)の測定法は特に限定されないが、例えば、「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」の測定方法に準じ、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定することができる。具体的には、以下の条件で測定を行うことができる。
・高速液体クロマトグラフィー(株式会社島津製作所製、型式「LC-20AD」)
・移動相(1)4mMp-トルエンスルホン酸水溶液、流速0.9mL/分
・移動相(2)4mMp-トルエンスルホン酸、80μMEDTAを含む16mMBis-Tris水溶液、流速0.9mL/分
・カラム:Shodex KC-G6B+KC-811×2(昭和電工株式会社製)
・カラム温度:52°C
・検出:電気伝導度検出器
低果汁酢酸含有飲料は、果汁及び酢酸等以外にも、他の成分を含むことができる。他の液体成分として、水、塩分、糖類(砂糖、麦芽糖、異性化液糖、黒糖、はちみつ、水あめ、デキストリン、ラクトース、ガラクトースや、ソルビトール、マルチトール、キシリトールなどの糖アルコール類等)、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、酢酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リノシール酸エステル、キラヤ抽出物、ダイズサポニン、チャ種子サポニン、ショ糖脂肪酸エステル等)、有機酸(フマル酸、クエン酸、プロピオン酸、マロン酸、コハク酸、乳酸、ピルビン酸等)、アルコール(エタノール、プロパノール等の一価アルコール、グリセリン、エチレングリコール等の多価アルコール等)、人工甘味料(例えばスクラロース、アスパルテーム、サッカリン、アセスルファムK等)、ミネラル(例えばカルシウム、カリウム、ナトリウム、鉄、亜鉛、マグネシウム等、及びこれらの塩類等)、香料、pH調整剤(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸及び酢酸等)、シクロデキストリン、酸化防止剤(例えばビタミンE、ビタミンC、茶抽出物、生コーヒー豆抽出物、クロロゲン酸、香辛料抽出物、カフェ酸、ローズマリー抽出物、ビタミンCパルミテート、ルチン、ケルセチン、ヤマモモ抽出物、ゴマ抽出物等)、着色料、増粘安定剤等を配合できる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。甘味が強くなりすぎる場合があることから、人工甘味料(特にスクラロース)を含有しない態様であってもよい。
低果汁酢酸含有飲料の種類は限定されないが、例えば、果汁含有飲料(ジュース、フルーツジュース、果肉入りフルーツジュース(ピューレ、角切り果肉等を配合したフルーツジュース)、エード、ニアウォーター、美容系飲料、スムージー)、野菜飲料(ジュース、野菜ジュース、果肉入り野菜ジュース(ピューレ、角切り果肉等を配合した野菜ジュース)、ピューレ、エード、ニアウォーター、美容系飲料、スムージー)、乳製品含有飲料(例えば牛乳等の乳及びその加工品である脱脂粉乳や全脂粉乳、濃縮乳、発酵乳、ヨーグルト、生クリーム、練乳、バター、脱脂乳、クリームパウダー、加糖粉乳、調製粉乳、ホエイパウダー、バターミルクパウダー等の乳成分を含む飲料)、清涼飲料水(例えばスポーツドリンク、レモネード等のエード、果実風味ドリンク)、炭酸飲料、ゼリー飲料、穀物飲料(例えば米、豆乳、アーモンドを主原料とする穀物飲料類等)、茶系飲料(例えば紅茶、ウーロン茶、緑茶、黒茶、抹茶、ジャスミン茶、ローズヒップ茶、カモミール茶、ほうじ茶の他、ブレンド茶(はと麦、大麦、玄米、大豆、とうもろこし等の穀物、柿の葉、びわの葉、クマ笹、アマチャヅル、アシタバ、ドクダミ等の葉、昆布、ベニバナ、しいたけ、レイシ等))、コーヒー飲料、粉末飲料(例えばココア、青汁等)、酒(例えばビール、発泡酒等のビールテイスト飲料、果実酒、日本酒等の醸造酒、焼酎、ウイスキー、ブランデー、スピリッツ等の蒸留酒、蒸留酒に糖類等の副原料を混合するリキュール等の混成酒、更にこれら酒類に果汁や香料、乳化香料(油溶性香料を水に安定的に分散するように乳化した香料製剤)、炭酸ガス等を加えたカクテル、フィズ、チューハイ等)等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
[2]果汁感の向上方法
本発明の果汁感の向上方法は、果汁の含有量が0質量%超5質量%未満である飲料における果汁感の向上方法であって、
果汁の含有量をMFJ(質量%)とし、
酢酸の含有量をMAA(質量%)とした場合に、
MAAを0質量%超0.25質量%以下、且つ、MAAとMFJとの比(MAA/MFJ)を0.02以上に調整するMAA/MFJ調整工程を備える。
即ち、前述した通り、本発明の低果汁酢酸含有飲料の構成となるようにMAA及びMFJを調整するMAA/MFJ調整工程を備える。ここで、果汁感の向上、果汁、酢酸、MAAの範囲、MFJの範囲、MAA/MFJの範囲等については、前述した通りである。
MAA/MFJ調整工程は、どのように行ってもよく、その方法は限定されないが、例えば、酢酸の配合により調整することができる。この際、用いる酢酸は限定されず、食品添加物(例えば、市販の酢酸、酢酸塩(酢酸ナトリウム等))であってもよいし、食酢であってもよい。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。MAA/MFJ調整工程は、このうち、食酢を配合する操作を含むことができる。更に、食酢のなかでも果実酢を好適に利用でき、更にはリンゴ酢を好適に利用できることも前述の通りである。
本方法では、MAA/MFJ調整工程以外に、後述するように、MAA/MFJ調整工程以外の他の調整工程(MFru/M AA 調整工程、MGlu/MFru調整工程、MMA/MAA調整工程、MGA/MAA調整工程等)を備えることができる。これらの他の調整工程は、1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。また、MAA/MFJ調整工程と他の調整工程とは、個別に行ってもよく、同時に行ってもよい。即ち、同時に行う場合としては、1つの操作によってMAA/MFJ調整工程における調整と、他の調整工程における調整と、を1つ又は2つ以上を並立的に充足させる場合が挙げられる。
本発明の果汁感の向上方法は、果糖の含有量をMFru(質量%)とした場合に、MFruとM AA との比(MFru/M AA )を、3以上に調整するMFru/M AA 調整工程を備えることができる。
ここで、果糖、MFruの範囲、MFru/M AA の範囲等については、前述した通りである。MFru/M AA 調整工程は、どのように行ってもよく、その方法は限定されないが、例えば、果糖の配合により調整することができる。この際、用いる果糖は限定されず、果実や果汁に由来の天然の果糖であってもよいし、精製品の果糖であってもよいし、果糖ブドウ糖液糖等の糖原料に含まれる果糖であってもよい。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用できる。
本発明の果汁感の向上方法は、ブドウ糖の含有量をMGlu(質量%)とした場合に、MGluとMFruとの比(MGlu/MFru)を、0.75以下に調整するMGlu/MFru調整工程を備えることができる。
ここで、ブドウ糖、MGluの範囲、MGlu/MFruの範囲等については、前述した通りである。MGlu/MFru調整工程は、どのように行ってもよく、その方法は限定されないが、例えば、果糖やブドウ糖の配合により調整することができる。果糖に対するブドウ糖が少ないことが好ましいことから、果糖の配合により調整することが好ましい。なお、用いる果糖やブドウ糖は限定されず、果実や果汁に由来の天然の果糖やブドウ糖であってもよいし、精製品の果糖やブドウ糖であってもよいし、果糖ブドウ糖液糖等の糖原料に含まれる果糖やブドウ糖であってもよい。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用できる。
本発明の果汁感の向上方法は、リンゴ酸の含有量をMMA(質量%)とした場合に、MMAとMAAとの比(MMA/MAA)を、0.02以上に調整するMMA/MAA調整工程を備えることができる。
ここで、リンゴ酸、MMAの範囲、MMA/MAAの範囲等については、前述した通りである。MMA/MAA調整工程は、どのように行ってもよく、その方法は限定されないが、例えば、リンゴ酸の配合により調整することができる。この際、用いるリンゴ酸は限定されず、果実や果汁に由来の天然のリンゴ酸であってもよいし、発酵物(食酢(果実酢)等)由来のリンゴ酸であってもよいし、精製品のリンゴ酸であってもよい。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用できる。また、リンゴ酸の含有量は、発酵によっても調整することができる。また、酢酸の配合により調整することができる。この際、用いる酢酸は限定されず、食品添加物(例えば、市販の酢酸、酢酸塩(酢酸ナトリウム等))であってもよいし、食酢であってもよい。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。MMA/MAA調整工程は、このうち、食酢を配合する操作を含むことができる。この際、食酢は1種のみを配合してもよく、原材料や発酵条件の異なる2種以上を配合させ、その配合比を調整することでMMA/MAAを調整してもよい。更に、食酢のなかでも果実酢を好適に利用でき、更にはリンゴ酢を好適に利用できることも前述の通りである。
本発明の果汁感の向上方法は、グルコン酸の含有量をMGA(質量%)とした場合に、MGAとMAAとの比(MGA/MAA)を、0.003以上に調整するMGA/MAA調整工程を備えることができる。
ここで、グルコン酸、MGAの範囲、MGA/MAAの範囲等については、前述した通りである。MGA/MAA調整工程は、どのように行ってもよく、その方法は限定されないが、例えば、グルコン酸の配合により調整することができる。この際、用いるグルコン酸は限定されず、果実や果汁に由来の天然のグルコン酸であってもよいし、発酵物(食酢(果実酢)等)由来のグルコン酸であってもよいし、精製品のグルコン酸であってもよい。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用できる。また、グルコン酸の含有量は、発酵によっても調整することができる。
また、酢酸の配合により調整することができる。この際、用いる酢酸は限定されず、食品添加物(例えば、市販の酢酸、酢酸塩(酢酸ナトリウム等))であってもよいし、食酢であってもよい。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。MGA/MAA調整工程は、このうち、食酢を配合する操作を含むことができる。この際、食酢は1種のみを配合してもよく、原材料や発酵条件の異なる2種以上を配合させ、その配合比を調整することでMGA/MAAを調整してもよい。更に、食酢のなかでも果実酢を好適に利用でき、更にはリンゴ酢を好適に利用できることも前述の通りである。
以下、本発明を実施例に則して更に詳細に説明するが、これらの実施例はあくまでも説明のために便宜的に示す例に過ぎず、本発明は如何なる意味でもこれらの実施例に限定されるものではない。
尚、後述する官能検査員は、以下の選抜方法を用いて選抜した人員である。即ち、予め食品の味、食感や外観などの識別訓練を実施した上で、特に成績が優秀で、商品開発経験があり、食品の味、食感や外観などの品質についての知識が豊富で、各官能検査項目に関して絶対評価を行うことが可能な検査員を選抜した。具体的には、下記(A)~(C)の識別試験(識別訓練)により実施した。
(A)五味(甘味:砂糖の味、酸味:酒石酸の味、旨み:グルタミン酸ナトリウムの味、塩味:塩化ナトリウムの味、苦味:カフェインの味)について、各成分の閾値に近い濃度にした水溶液を各1種ずつの5つのサンプル、蒸留水のみから1種のサンプルを2つ、合計7つのサンプルから、各五味のサンプルを識別する味質識別試験。
(B)濃度がわずかに異なる5種類の食塩水溶液、酢酸水溶液の濃度差を正確に識別する濃度差識別試験。
(C)A社製の醤油2種、B社製の醤油1種の合計3種の醤油のサンプルからB社製の醤油を正確に識別する3点識別試験。
(1)低果汁酢酸含有飲料の調製
果汁として、イチゴ果汁(イチゴとしてあまおう(登録商標、品種名称:福岡S6号)、ブドウ果汁(シャインマスカット)、モモ果汁(白桃)又はザクロ果汁を用い、酢酸源及びリンゴ酸源としてリンゴ酢(ミツカン製、純リンゴ酢)を用い、表中の「果汁の種類」に用いた果汁の種類を記載した。また、当該果汁の含有量を果汁含有量MFJ(質量%)に記載した。その他、各成分量比の調整のために、果糖(精製果糖)、果糖ブドウ糖液糖、リンゴ酸(精製リンゴ酸)、グルコン酸(精製グルコン酸)を用いて、実施例1-1~1-12及び比較例1~8の低果汁酢酸含有飲料(表1~2、リンゴ酢配合による変化)、実施例2-1~2-16及び比較例9~12の低果汁酢酸含有飲料(表3~4、果糖、果糖ブドウ糖液糖の配合による変化)、実施例3-1~3-6及び比較例13の低果汁酢酸含有飲料(表5、リンゴ酸配合による変化)、実施例4-1~4-6及び比較例14の低果汁酢酸含有飲料(表6、グルコン酸配合による変化)、を調製した。
尚、表中におけるモモ果汁、ザクロ果汁としては、以下のように複数果汁を混合した果汁を用い、最大の割合を占めるモモ果汁、ザクロ果汁が表中の果汁含有量MFJ(質量%)となるように調整した。
モモ果汁:白桃混合果汁(白桃濃縮果汁:リンゴ濃縮果汁:梅濃縮果汁=6:1:5)
ザクロ果汁:ざくろ混合果汁(ざくろ濃縮果汁:ぶどう濃縮果汁=2:1)
(2)「味の輪郭」の評価
「味の輪郭」(表中の果汁の種類に記載された果汁味が際立って感じられる効果)の評価は、10名の官能検査員が、各低果汁酢酸含有飲料を50mlずつ経口摂取して、各試験区から酢酸を含まない以外は同じ品質のコントロールである低果汁飲料を同様に経口摂取した場合と比較することにより評価した。即ち、各官能検査員は、下記評価基準1に示す基準のうち、自らの評価と最も近い対応する数字を1つ選択することにより行った。また、評価項目以外で確認された事項がある場合には備考欄に記載した。評価結果の集計は10名の官能検査員による各スコアの算術平均値を算出し、得られた算術平均値を小数第1位で四捨五入して得られた値を評点として、表1~表6の該当する欄にその結果を示した。結果として、表1に記載される通り、MAAと前記MFJとの比(MAA/MFJ)が0.02以上であると、味の輪郭が向上されることが分かった。また、リンゴ酸やグルコン酸の比率が変化しても、同様の効果が認められた。
[評価基準1]
5:コントロールと比べて味の輪郭が非常に際立つことで果汁感が非常に向上した
4:コントロールと比べて味の輪郭が明らかに際立ち果汁感が明らかに向上した
3:コントロールと比べて味の輪郭がわずかに際立った
2:コントロールと比べて味の輪郭は同程度である
1:コントロールと比べて味の輪郭がややぼやけており好ましくない
(3)「ジューシー感」の評価
実施例1-1~1-12及び比較例1~8の各低果汁酢酸含有飲料(表1~2)の「ジューシー感」の評価を行い、表1及び表2の該当する欄にその結果を示した。
実施例2-1~2-16及び比較例9~12の各低果汁酢酸含有飲料(表3~4)の「ジューシー感」の評価を行い、表3及び表4の該当する欄にその結果を示した。
実施例3-1~3-6及び比較例13の各低果汁酢酸含有飲料(表5)の「ジューシー感」の評価を行い、表5の該当する欄にその結果を示した。
実施例4-1~4-6及び比較例14の各低果汁酢酸含有飲料(表6)の「ジューシー感」の評価を行い、表6の該当する欄にその結果を示した。
「ジューシー感」の評価は、10名の官能検査員が、各低果汁酢酸含有飲料を50mlずつ経口摂取して評価した。即ち、各官能検査員は、下記評価基準2に示す基準のうち、自らの評価と最も近い対応する数字を1つ選択することにより行った。また、評価項目以外で確認された事項がある場合には備考欄に記載した。評価結果の集計は10名の官能検査員による各スコアの算術平均値を算出し、得られた算術平均値を小数第1位で四捨五入して得られた値を評点として、表1~表6の該当する欄にその結果を示した。結果として、表1に記載される通り、MFruと前記M AA との比(MFru/M AA )が3以上であると、ジューシー感が向上することが分かった。また、リンゴ酸やグルコン酸の比率が変化しても、同様の効果が認められた。
[評価基準2]
5:ジューシー感が非常に強く感じられ好ましい
4:ジューシー感がやや強く感じられ好ましい
3:ジューシー感が感じられる(許容範囲)
2:ジューシー感がやや弱く感じられ、好ましくない
1:ジューシー感が弱く感じられ、好ましくない
(4)「総合評価」の作成
上記(2)で評価した「味の輪郭」の結果と、上記(3)で評価した「ジューシー感」の結果と、のうち、より小さい方の値を総合評価とした。また、比較例4においては、「味の輪郭」及び「ジューシー感」の両結果とも「5」であったものの、備考記載の通り「酢酸の違和感を感じる」という事項があることから「3」と評価した。
尚、実施例2-3で添加した果糖を、果糖ブドウ糖液糖に置き換えて、果糖含有量の制御を行った場合、甘味がのっぺりとした印象となり、好ましくない結果となった。
(5)「後味の余韻」の評価
実施例3-1~3-6及び比較例13の各低果汁酢酸含有飲料(表5)の「後味の余韻」の評価を行い、表5の該当する欄にその結果を示した。
「後味の余韻」の評価は、10名の官能検査員が、各低果汁酢酸含有飲料を50mlずつ経口摂取して評価した。即ち、各官能検査員は、下記評価基準3に示す基準のうち、自らの評価と最も近い対応する数字を1つ選択することにより行った。評価結果の集計は10名の官能検査員による各スコアの算術平均値を算出し、得られた算術平均値を小数第1位で四捨五入して得られた値を評点として、表5の該当する欄にその結果を示した。
尚、イチゴ果汁、モモ果汁及びザクロ果汁による低果汁酢酸含有飲料ついての評価においても同等の結果が得られた。
[評価基準3]
5:後味の余韻が非常に強く感じられ、非常に好ましい
4:後味の余韻が強く感じられ、好ましい
3:後味の余韻が僅かに感じられ、許容範囲
2:後味の余韻が感じられず、やや好ましくない
1:後味の余韻が全く感じられず、好ましくない
(6)「フレッシュな果実香」の評価
実施例4-1~4-6及び比較例14の各低果汁酢酸含有飲料(表6)の「フレッシュな果実香」の評価を行い、表6の該当する欄にその結果を示した。
「フレッシュな果実香」の評価は、10名の官能検査員が、各低果汁酢酸含有飲料を50mlずつ経口摂取して評価した。即ち、各官能検査員は、下記評価基準4に示す基準のうち、自らの評価と最も近い対応する数字を1つ選択することにより行った。評価結果の集計は10名の官能検査員による各スコアの算術平均値を算出し、得られた算術平均値を小数第1位で四捨五入して得られた値を評点として、表6の該当する欄にその結果を示した。
尚、イチゴ果汁、ブドウ果汁及びザクロ果汁による低果汁酢酸含有飲料についての評価においても同等の結果が得られた。
[評価基準4]
5:フレッシュな果実香が非常によく感じられ、非常に好ましい
4:フレッシュな果実香がよく感じられ、好ましい
3:フレッシュな果実香がわずかに感じられ、許容範囲
2:フレッシュな果実香があまり感じられず好ましくない
1:フレッシュな果実香が全く感じられず好ましくない。
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述及び図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的及び例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料及び実施例を参照したが、本発明をここに掲げる開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明は、食品分野、調理分野等において好適に利用できる。

Claims (12)

  1. 果汁の含有量をMFJ(質量%)とし、
    酢酸の含有量をMAA(質量%)とし、
    果糖の含有量をMFru(質量%)とし、
    ブドウ糖の含有量をM Glu (質量%)とした場合に、
    前記MFJが0質量%超5質量%未満であり、
    前記MAAが0質量%超0.25質量%以下であり、
    前記MAAと前記MFJとの比(MAA/MFJ)が0.02以上であり、
    前記MFruと前記M AA との比(MFru/M AA )が3以上であり、
    前記M Glu と前記M Fru との比(M Glu /M Fru )が0.35以下である低果汁酢酸含有飲料。
  2. 果汁の含有量が0質量%超5質量%未満である飲料における果汁感の向上方法であって、
    前記果汁の含有量をM FJ (質量%)とし、
    酢酸の含有量をM AA (質量%)とし、
    果糖の含有量をM Fru (質量%)とし、
    ブドウ糖の含有量をM Glu (質量%)とした場合に、
    前記M AA を0質量%超0.25質量%以下、且つ、前記M AA と前記M FJ との比(M AA /M FJ )を0.02以上に調整するM AA /M FJ 調整工程を備え、
    前記M Fru と前記M AA との比(M Fru /M AA )を、3以上に調整するM Fru /M AA 調整工程を備え、
    前記M Glu と前記M Fru との比(M Glu /M Fru )を0.35以下に調整するM Glu /M Fru 調整工程を備えることで、当該酢酸含有飲料の味の輪郭を際立たせ、果汁感を向上させる果汁感の向上方法。
  3. リンゴ酸の含有量をMMA(質量%)とした場合に、
    前記MMAと前記MAAとの比(MMA/MAA)が0.02以上である、請求項1に記載の低果汁酢酸含有飲料。
  4. グルコン酸の含有量をMGA(質量%)とした場合に、
    前記MGAと前記MAAとの比(MGA/MAA)が0.003以上である、請求項1に記載の低果汁酢酸含有飲料。
  5. 食酢を含有する請求項1に記載の低果汁酢酸含有飲料。
  6. 前記食酢が、果実酢である請求項5に記載の低果汁酢酸含有飲料。
  7. 前記果汁が、イチゴ果汁、ブドウ果汁、モモ果汁及びザクロ果汁からなる群から選択される1種以上を含む請求項1に記載の低果汁酢酸含有飲料。
  8. リンゴ酸の含有量をMMA(質量%)とした場合に、
    前記MMAと前記MAAとの比(MMA/MAA)を、0.02以上に調整するMMA/MAA調整工程を備える、請求項2に記載の果汁感の向上方法。
  9. グルコン酸の含有量をMGA(質量%)とした場合に、
    前記MGAと前記MAAとの比(MGA/MAA)を、0.003以上に調整するMGA/MAA調整工程を備える、請求項2に記載の果汁感の向上方法。
  10. 前記MAA/MFJ調整工程は、前記飲料に対して食酢を配合する操作を含む請求項2に記載の果汁感の向上方法。
  11. 前記食酢が、果実酢である請求項10に記載の果汁感の向上方法。
  12. 前記果汁が、イチゴ果汁、ブドウ果汁、モモ果汁及びザクロ果汁からなる群から選択される1種以上を含む請求項2に記載の果汁感の向上方法。
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