JP7769899B2 - 加飾シート、加飾成形品、及び加飾成形品の製造方法 - Google Patents

加飾シート、加飾成形品、及び加飾成形品の製造方法

Info

Publication number
JP7769899B2
JP7769899B2 JP2021134265A JP2021134265A JP7769899B2 JP 7769899 B2 JP7769899 B2 JP 7769899B2 JP 2021134265 A JP2021134265 A JP 2021134265A JP 2021134265 A JP2021134265 A JP 2021134265A JP 7769899 B2 JP7769899 B2 JP 7769899B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
decorative sheet
layer
resin
meth
transparent resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021134265A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2023028516A (ja
Inventor
侑生 都甲
直紀 佐相
剛 天野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2021134265A priority Critical patent/JP7769899B2/ja
Publication of JP2023028516A publication Critical patent/JP2023028516A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7769899B2 publication Critical patent/JP7769899B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)

Description

本開示は、加飾シート、加飾成形品、及び加飾成形品の製造方法に関する。
従来、所望の成形体の表面に加飾シートを貼付して、該成形体に意匠性を付与する技術が知られている。例えば、加飾シートを自動車等の車両のルーフパネル又はボンネットパネル等に貼付することにより、塗装等を施すことなく、車両の外観を変更したり、車両に所望の意匠性を付与したりすることができる。車両用外装材の表面に貼付するための加飾シートは、種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006-192609号公報
加飾シートは、車両等の成形体のように、平坦な成形体だけでなく、3次元曲面部を有する成形体にも貼付されている。すなわち、加飾シートを成形体の立体形状に追従、適合させながら、加飾シートを成形体の表面に貼付することが行われている。この際、加飾シートは、通常、延伸されながら成形体の表面に貼付される。しかしながら、この延伸により、加飾シートに色ムラ又は装飾ムラが生じ得る。すなわち、この延伸により、加飾シートの意匠性が損われることがある。
本開示の一つの課題は、延伸前後において意匠性の変化が小さい加飾シート、加飾シートを備える加飾成形品、及び加飾成形品の製造方法を提供することにある。
本開示の加飾シートは、樹脂基材層と、着色層と、透明樹脂層とを厚さ方向にこの順に備える。ここで、L***表色系において、加飾シートを引張試験(室温、延伸率40%)に供した後に透明樹脂層側から測定されたSCE方式でのL*と、加飾シートを該引張試験に供する前に透明樹脂層側から測定されたSCE方式でのL*との差の絶対値は、1.5以下である。
本開示の加飾成形品は、成形体と、上記加飾シートとを備え、上記加飾シートの樹脂基材層が、透明樹脂層よりも成形体側に位置している。
本開示の加飾成形品の製造方法は、一態様において、成形体と、上記加飾シートとを準備する工程、及び上記加飾シートを、成形体の表面に貼付する工程を含む。
本開示の加飾成形品の製造方法は、一態様において、成形体と、上記加飾シートとを準備する工程、上記加飾シートを、加飾シートが貼付される成形体の形状に適合する形状に予備成形する工程、及び予備成形された加飾シートを、成形体の表面に貼付する工程を含む。
本開示によれば、延伸前後において意匠性の変化が小さい加飾シート、加飾シートを備える加飾成形品、及び加飾成形品の製造方法を提供できる。
図1は、本開示の加飾シートの一実施形態の断面模式図である。 図2は、本開示の加飾シートの一実施形態の断面模式図である。 図3は、本開示の加飾成形品の一実施形態の断面模式図である。 図4は、加飾シート断面のレーザー顕微鏡による観察画像の一例である。
以下、本開示の実施形態について、詳細に説明する。本開示は多くの異なる形態で実施でき、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されない。図面は、説明をより明確にするため、実施形態に比べ、各部材の幅、厚さ及び形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定しない。本明細書と各図において、既出の図に関してすでに説明したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
本開示において、「シート」には、「フィルム」と呼ばれる物品も包含される。
以下の説明において、各層又はフィルム等に含まれる成分など、登場する各成分(例えば、樹脂材料、着色剤、添加剤及び有機溶剤)は、それぞれ1種用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本開示において、「成形体」とは、本開示の加飾シートを用いて加飾される前の成形体を指し、「加飾成形品」とは、本開示の加飾フィルムを用いて加飾された成形体を指す。
[加飾シート]
本開示の加飾シートは、樹脂基材層と、着色層と、透明樹脂層とを厚さ方向にこの順に備える。加飾シートは、所望の成形体の表面に貼付され、該成形体に例えば意匠性を付与するために用いられる。
図1は、本開示の加飾シートの一例を模式的に示した断面図である。図1の加飾シート1は、樹脂基材層10、着色層12、及び透明樹脂層14を、加飾シート1の厚さ方向にこの順に備える。
図2は、本開示の加飾シートの他の例を模式的に示した断面図である。図2の加飾シート1は、カバーフィルム18、接着層16、樹脂基材層10、着色層12、及び透明樹脂層14を、加飾シート1の厚さ方向にこの順に備える。
<明度等>
本開示の加飾シートは、ΔL*(40%)が1.5以下であることを特徴とする。ΔL*(40%)は、L***表色系において、加飾シートを引張試験(室温、延伸率40%)に供した後に透明樹脂層側から測定されたL*と、加飾シートを該引張試験に供する前に透明樹脂層側から測定されたL*との差の絶対値を意味する。
本開示の加飾シートは、一実施形態において、ΔL*(100%)が3.5以下である。ΔL*(100%)は、L***表色系において、加飾シートを引張試験(室温、延伸率100%)に供した後に透明樹脂層側から測定されたL*と、加飾シートを該引張試験に供する前に透明樹脂層側から測定されたL*との差の絶対値を意味する。
***表色系は、国際照明委員会(CIE)で規格化され、JIS Z8781-4:2013で採用されている表色系を意味する。L***表色系において、明度はL*で表され、色相及び彩度を示す色度はa*及びb*で表される。本開示におけるL***表色系のL*、a*及びb*は、SCE方式にて測定される値である。SCE方式とは、JIS Z8722:2009に準拠して、分光測色計を用いて、光トラップによって正反射光を除去して色を測る方法を意味する。
代表的なSCEの測定装置は、積分球分光光度計の光源としてD65を用い、受光器の位置はサンプルの法線に対して+8度であり、受光器の開口角は10度であり、光トラップの位置はサンプルの法線に対して-8度であり、視野角は10度である。
すなわち本開示において、L*、a*及びb*とは、加飾シートの透明樹脂層側から拡散光線反射SCEを測定し、拡散光線反射SCEの分光スペクトルから算出したL***表色系のL*、a*及びb*を、それぞれ意味する。
引張試験の具体的な条件は、以下のとおりである。
・チャック間距離:50mm
・引張速度 :50mm/min
・温度 :室温(25℃)
・延伸率 :40%又は100%
本開示の加飾シートにおいて、ΔL*(40%)は、1.5以下であり、好ましくは1.2以下、さらに好ましくは1.0以下、特に好ましくは0.7以下である。このようなΔL*(40%)を示す加飾シートは、被着体への貼付時にたとえ延伸された場合であっても、延伸前後の明度差が小さいことから、所期の意匠性を被着体に付与できる。すなわち、本開示の加飾シートは、所期の意匠性を維持しながら、多様な表面形状に貼り付け可能である。
本開示の加飾シートにおいて、ΔL*(100%)は、一実施形態において、3.5以下であり、好ましくは3.0以下、さらに好ましくは2.5以下、特に好ましくは2.0以下である。このようなΔL*(100%)を示す加飾シートは、被着体への貼付時にたとえ大きく延伸された場合であっても、延伸前後の明度差が小さいことから、所期の意匠性を被着体に付与できる。すなわち、本開示の加飾シートは、所期の意匠性を維持しながら、多様な表面形状に貼り付け可能である。
本開示の加飾シートにおいて、上記引張試験に供する前(延伸率0%)のL*は、好ましくは3.0以下であり、より好ましくは2.0以下、さらに好ましくは1.5以下である。このように本開示の加飾シートは、黒色又は暗色を呈していることが好ましい。このような加飾シートを用いることにより、被着体に良好な黒色性又は暗色性を付与できる。
本開示の加飾シートにおいて、上記引張試験に供する前(延伸率0%)のa*の絶対値は、好ましくは2.0以下であり、より好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.0以下、よりさらに好ましくは0.5以下である。
本開示の加飾シートにおいて、上記引張試験に供する前(延伸率0%)のb*の絶対値は、好ましくは3.0以下であり、より好ましくは2.0以下、さらに好ましくは1.5以下、よりさらに好ましくは1.0以下である。
本開示において、引張試験前の加飾シートについて測定されたL*、a*及びb*をそれぞれL1 *、a1 *及びb1 *とも記載する。引張試験に供した後の加飾シートについて測定されたL*、a*及びb*をそれぞれL2 *、a2 *及びb2 *とも記載する。
本開示において、引張試験前後の色差ΔEを、
ΔE=((L2 *-L1 *2+(a2 *-a1 *2+(b2 *-b1 *21/2
と定義する。
本開示において、延伸率40%の引張試験前後における加飾シートのΔE(40%)は、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.2以下、さらに好ましくは1.0以下、よりさらに好ましくは0.7以下である。このようなΔE(40%)を示す加飾シートは、被着体への貼付時にたとえ延伸された場合であっても、延伸前後の色差が小さいことから、所期の意匠性を被着体に付与できる。
本開示において、延伸率100%の引張試験前後における加飾シートのΔE(100%)は、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.0以下、さらに好ましくは2.5以下、よりさらに好ましくは2.0以下である。このようなΔE(100%)を示す加飾シートは、被着体への貼付時にたとえ大きく延伸された場合であっても、延伸前後の色差が小さいことから、所期の意匠性を被着体に付与できる。
*、a*及びb*は、3箇所の測定値の平均値とする。
本開示の加飾シートの外観は、グロス調であってもよく、マット調であってもよい。
本開示の加飾シート全体の厚さは、好ましくは100μm以上600μm以下、より好ましくは150μm以上400μm以下である。ここで、加飾シートがカバーフィルムを備える場合は、加飾シート全体の厚さには、カバーフィルムの厚さは含めない。これは、加飾シートの貼付時には、カバーフィルムは除去されるからである。厚さが上記範囲内であれば、例えば、被着体の立体形状に加飾シートを追従させるために、意匠性を維持しながら加飾シートを良好に延伸できる。厚さが上限値以下であれば、例えば、被着体への加飾シートの追従性の低下を抑制できる。厚さが下限値以上であれば、例えば、被着体に対する加飾シートの貼り直し時の極端な伸びを抑制でき、また、被着体上に異物が存在したときに加飾シートに跡が生じにくい。
<樹脂基材層>
本開示の加飾シートは、樹脂基材層を備える。
樹脂基材層は、樹脂材料を含有する。樹脂材料としては、着色層用樹脂組成物を樹脂基材層上に塗布して着色層を形成することがあることから、着色層用樹脂組成物において用いられる有機溶剤に対して、膨潤又は変形等が起きない程度の耐溶剤性を有する樹脂が好ましい。すなわち、樹脂基材層は、耐溶剤性樹脂層であることが好ましい。
耐溶剤性を有する樹脂(以下「耐溶剤性樹脂」ともいう)としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン-6、ナイロン-66及びポリメタキシレンアジパミド等)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、並びにフッ素系樹脂が挙げられる。
これらの中でも、室温延伸性に優れるという観点から、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ABS樹脂及びフッ素系樹脂が好ましく、耐溶剤性、延伸性、及び予備成形後の形状保持性のバランスに優れるという観点から、ポリ塩化ビニルがより好ましい。加飾シートを被着体に貼付する際に、延伸性に優れ、立体形状への良好な追従性が得られるという観点から、ポリ塩化ビニルがより好ましい。
ポリ塩化ビニルは、塩化ビニルの単独重合体であってもよく、塩化ビニルと、該塩化ビニルと共重合可能なコモノマーとの共重合体であってもよい。コモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル等のビニルエステル;エチレン及びプロピレン等のα-オレフィン;メチル(メタ)アクリレート及びエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;マレイン酸ジエステル及びフマル酸ジエステル等のジカルボン酸ジエステル;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル;塩化ビニリデン及び臭化ビニル等のハロゲン化ビニル;並びにメチルビニルエーテル及びエチルビニルエーテル等のビニルエーテルが挙げられる。「(メタ)アクリル」は、「アクリル」及び「メタクリル」の両方を包含し、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を包含する。
樹脂基材層中の耐溶剤性樹脂の含有割合は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上である。
樹脂基材層としては、樹脂フィルムを用いることが好ましく、耐溶剤性樹脂を含有する樹脂フィルムを用いることがより好ましく、ポリ塩化ビニル及びABS樹脂から選択される少なくとも1種を含有する樹脂フィルムを用いることがさらに好ましく、ポリ塩化ビニルを含有する樹脂フィルムを用いることがよりさらに好ましい。
樹脂フィルムとしては、具体的には、ポリ塩化ビニル系フィルム及びABS樹脂系フィルムが挙げられ、ポリ塩化ビニル系フィルムが好ましい。ポリ塩化ビニル系フィルムとしては、公知のポリ塩化ビニルを主成分とする、硬質、半硬質又は軟質の樹脂組成物から製造されたフィルムをいずれも使用できる。
ポリ塩化ビニル系フィルム中のポリ塩化ビニルの含有割合は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上である。
樹脂基材層は、透明であってよく、半透明又は不透明であってもよい。一実施形態において、樹脂基材層は、着色剤を含有してもよく、黒色を呈していることが好ましい。黒色の樹脂基材層を用いることにより、漆黒性にさらに優れた加飾シートが得られる。黒色を付与するための着色剤としては、例えば、後述する黒色顔料及び黒色染料を用いることができ、本欄では説明を省略する。
黒色の樹脂基材層の全光線透過率は、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下である。全光線透過率は、JIS K7361-1:1997に準拠して測定される。
樹脂基材層における着色剤の含有割合は、一実施形態において、好ましくは0.1質量%以上10質量%以下、より好ましくは2.0質量%以上8.0質量%以下である。これにより、例えば、樹脂基材層に所望の色、特に黒色、を付与できる。
樹脂基材層は、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、分散剤、界面活性剤、レベリング剤、シランカップリング剤、可塑剤、軟化剤、充填剤及び粘着付与剤が挙げられる。
一実施形態において、ポリ塩化ビニル系フィルムは、可塑剤を含有する。ポリ塩化ビニル系フィルムにおける可塑剤の含有量は、ポリ塩化ビニル100質量部に対して、100質量部以下でもよく、10質量部以上90質量部以下でもよく、20質量部以上80質量部以下でもよい。
可塑剤としては、フタル酸系可塑剤、脂肪酸系可塑剤、リン酸系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、ポリエチレン系可塑剤及びエポキシ系可塑剤が挙げられる。フタル酸系可塑剤としては、例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジイソデシル及びフタル酸ジイソノニル等のフタル酸ジエステルが挙げられる。脂肪酸系可塑剤としては、例えば、ジオクチルアジペート、ジオクチルアゼレート及びジオクチルセバレート等の脂肪族多塩基酸ジエステル;トリブチルアセチルシトレート、トリオクチルアセチルシトレート及びトリブチルシトレート等のクエン酸トリエステルが挙げられる。
樹脂基材層の厚さは、好ましくは50μm以上300μm以下、より好ましくは70μm以上250μm以下、さらに好ましくは90μm以上200μm以下である。厚さが上記範囲にあると、例えば、加飾シートを予備成形した際の形状保持性がより良好となる。
<着色層>
本開示の加飾シートは、樹脂基材層と透明樹脂層との間に、着色層を備える。
着色層は、加飾シートに意匠性又は下地隠蔽性、特に黒色性、を付与する層である。
着色層は、黒色層であることが好ましく、黒色の着色剤を含有することが好ましい。
黒色の着色剤としては、例えば、黒色顔料及び黒色染料が挙げられる。
黒色顔料は、有機系顔料及び無機系顔料のいずれであってもよく、例えば、カーボンブラック、グラファイト、フラーレン、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、ランプブラック、ボーンブラック、アセチレンブラック、チタンブラック、コバルトブラック、酸化銅(II)、黒色酸化鉄、銅マンガンブラック、銅クロムブラック、二酸化マンガン、及び活性炭が挙げられる。
黒色染料としては、例えば、ニグロシン系染料、ピラゾールアゾ系染料、アニリノアゾ系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、アンスラピリドン系染料、ベンジリデン系染料、オキソール系染料、ピラゾロトリアゾールアゾ系染料、ピリドンアゾ系染料、シアニン系染料、フェノチアジン系染料、ピロロピラゾールアゾメチン系染料、キサテン系染料、フタロシアニン系染料、ベンゾピラン系染料、インジゴ系染料、ピロメテン系染料、トリアリールメタン系染料、アゾメチン系染料、ベリレン系染料、ペリノン系染料、クオタリレン系染料、及びキノフタロン系染料が挙げられる。
着色層における着色剤の含有割合は、好ましくは10質量%以上45質量%以下、より好ましくは15質量%以上40質量%以下である。これにより、例えば、着色層に所望の色、特に黒色、を付与できる。
着色層は、樹脂材料を含有することが好ましい。樹脂材料は、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂の硬化物であってもよい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート及びポリエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル及びポリ酢酸ビニル等のビニル樹脂、ポリオレフィン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド及びポリウレタンが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、(メタ)アクリルウレタン、エポキシ変性(メタ)アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル、アルキッド樹脂及びフェノール樹脂が挙げられる。
樹脂材料としては、これらの中でも、熱可塑性樹脂が好ましく、延伸性及び密着性という観点から、(メタ)アクリル樹脂及びポリ塩化ビニルから選択される少なくとも1種がより好ましく、(メタ)アクリル樹脂及び塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体から選択される少なくとも1種がさらに好ましい。
着色層における樹脂材料の含有割合は、好ましくは55質量%以上90質量%以下、より好ましくは60質量%以上85質量%以下である。これにより、例えば、着色層に耐久性を付与できる。
着色層は、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、分散剤、界面活性剤、レベリング剤、シランカップリング剤、可塑剤、軟化剤、充填剤及び粘着付与剤が挙げられる。
本開示の加飾シートは、樹脂基材層上に略全面にわたって着色層を備えていてもよく、樹脂基材層上にパターン状に着色層を備えていてもよい。被着体に良好な黒色性を付与できるという観点から、加飾シートは、樹脂基材層上に略全面にわたって着色層を備えることが好ましい。
着色層の厚さは、好ましくは1μm以上20μm以下、より好ましくは2μm以上15μm以下、さらに好ましくは3μm以上12μm以下、よりさらに好ましくは5μm以上10μm以下である。厚さが上記範囲にあることで、例えば、着色層に充分な下地隠蔽性を持たせることができ、また、所望の意匠性を加飾シートに付与できる。下地隠蔽性を向上させるために着色層の厚さを大きくした場合は、加飾シートの延伸時において意匠性が変化しやすいが、本開示ではこの変化を抑制できる。すなわち、本開示の加飾シートは、優れた下地隠蔽性と延伸後における優れた意匠性とを両立できる。
<透明樹脂層>
本開示の加飾シートは、着色層上に、透明樹脂層を備える。透明樹脂層を設けることにより、着色層を良好に保護できる。
透明樹脂としては、光学的な透明性を有する樹脂であればよく、具体的には、(メタ)アクリル樹脂、環状ポリオレフィン、ABS樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、セルロース樹脂及びフッ素系樹脂が挙げられる。これらの中でも、透明性及び耐候性という観点から、(メタ)アクリル樹脂が好ましい。
(メタ)アクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルの単独又は共重合体、及び(メタ)アクリル酸エステルとコモノマーとの共重合体が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びグリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。コモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、スチレン、(メタ)アクリル酸、イタコン酸及び無水マレイン酸が挙げられる。(メタ)アクリル樹脂は、フッ素変性されていてもよい。
(メタ)アクリル樹脂としては、具体的には、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリプロピル(メタ)アクリレート及びポリブチル(メタ)アクリレート等のポリアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
透明樹脂層中の透明樹脂の含有割合は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。
透明樹脂層としては、透明樹脂を含有する透明樹脂フィルムを用いることが好ましく、(メタ)アクリル系樹脂フィルムを用いることがより好ましい。(メタ)アクリル系樹脂フィルム中の(メタ)アクリル樹脂の含有割合は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上である。
透明樹脂層の全光線透過率は、好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上である。全光線透過率は高いほど好ましいが、その上限は例えば99%であってもよい。全光線透過率は、JIS K7361-1:1997に準拠して測定される。
透明樹脂層のヘイズは、好ましくは5.0%以下、より好ましくは3.0%以下、さらに好ましくは2.0%以下である。ヘイズは低いほど好ましいが、その下限は例えば0.1%であってもよい。ヘイズは、JIS K7136:2000に準拠して測定される。
透明樹脂層は、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、分散剤、界面活性剤、レベリング剤、シランカップリング剤、可塑剤、軟化剤、充填剤及び粘着付与剤が挙げられる。
透明樹脂層の厚さは、好ましくは10μm以上200μm以下、より好ましくは20μm以上150μm以下、さらに好ましくは30μm以上100μm以下である。厚さが上記範囲にあると、例えば、透明樹脂層により着色層が良好に保護される。厚さが上限値以下であれば、例えば、加飾シートの柔軟性の低下を抑制でき、また良好な施工性も確保できる。
<接着層>
本開示の加飾シートは、樹脂基材層における透明樹脂層側の面とは反対側の面上に、被着体との接着性を向上させるための接着層を備えることが好ましい。接着層は、接着性及び粘着性(感圧接着性)の少なくとも一方を有していればよい。
接着層は、例えば、接着剤及び粘着剤(感圧接着剤)などの公知の接着性組成物を用いて形成できる。接着性組成物としては、例えば、2液硬化型ポリエステル系接着剤及び2液硬化型ウレタン系接着剤等の接着剤;(メタ)アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、エポキシ系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤及びゴム系粘着剤等の粘着剤が挙げられる。
これらの中でも、粘着性及び加工性に優れるという観点から、(メタ)アクリル系粘着剤が好ましい。(メタ)アクリル系粘着剤は、例えば、(メタ)アクリル系重合体を主成分として含有する粘着剤である。(メタ)アクリル系粘着剤は、紫外線等に対して高い耐性を有することから、加飾シートを車両用外装材に貼付する用途に用いる場合に好ましい。また、(メタ)アクリル系粘着剤は、初期粘着力が低く、接着が完了するまでにやや時間を要する点も、加飾シートを被着体上に配置した後、位置決めをする際に、加飾シートを移動させやすく、好ましい。
(メタ)アクリル系粘着剤に含まれる(メタ)アクリル系重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルの単独又は共重合体、及び(メタ)アクリル酸エステルとコモノマーとの共重合体が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びグリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。コモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、スチレン、(メタ)アクリル酸、イタコン酸及び無水マレイン酸が挙げられる。
樹脂基材層の面上に接着層を形成する場合、両者の接着性を向上させる目的で、樹脂基材層表面にプライマー層を形成し、形成したプライマー層表面に、接着性組成物を塗布することにより、接着層を形成してもよい。樹脂基材層に、表面処理を施してもよい。表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、およびオゾン/紫外線処理が挙げられる。
接着層は、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、分散剤、界面活性剤、レベリング剤、シランカップリング剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、粘着付与剤、染料及び顔料が挙げられる。
接着層の厚さは、好ましくは10μm以上150μm以下、より好ましくは30μm以上120μm以下、さらに好ましくは40μm以上100μm以下である。これにより、例えば、充分な接着力が得られる。
接着層は、被着体と接触する側の表面に、溝又は凹凸構造を有していてもよい。接着層が溝又は凹凸構造を有する加飾シートは、脱気性能がより向上するため、加飾シートを被着体に貼付する際の、エアートラップの不具合をより改善できる。
上記溝は、連続した開いた通路又は細長い凹部である。脱気性等の観点から、上記溝は、接着層の外周部分まで延びていることが好ましい。加飾シートを被着体の表面に貼付したとき、この通路が存在することにより、接着層と被着体との間の界面に閉じこめられたエアー(流体)を被着体の周囲へ流出させることができる。
上記溝は、種々の形状又はパターンを有することができる。溝の形状としては、例えば、溝の横断方向から見たときに、略V字型、略U字型、略長方形、略台形又はこれらの組合せの形状が挙げられる。接着層は、上記溝をランダムな箇所に有していてもよく、上記溝を規則的なパターンで有していてもよい。
例えば、接着層の表面を平面視した際、上記凹凸構造における凹部は、不規則な形状を有してもよい。不規則な形状としては、例えば、海島構造による不定形形状、不均一な形状の凹部が不規則に存在する形状が挙げられる。
<カバーフィルム>
本開示の加飾シートは、接着層の表面に配置されたカバーフィルムをさらに備えることが好ましい。カバーフィルムは、加飾シートの製造、運搬又は保存中に接着層が露出しないように保護する。カバーフィルムは、通常、加飾シートの使用前に剥離される。カバーフィルムは、一実施形態において、加飾シートの予備成形後、成形体への貼付前に剥離される。
カバーフィルムとしては、接着層を損傷することなく、接着層から容易に剥離できるフィルムが好ましく、例えば、樹脂フィルム;上質紙及びグラシン紙等の紙(離型紙);紙と被覆層との積層フィルムが挙げられる。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン及びポリオレフィン等の樹脂材料により構成されるフィルムが挙げられる。
樹脂フィルム、紙又は積層フィルムにおいて、接着層と接触する面には、易剥離処理が施されていることが好ましい。易剥離処理としては、例えば、シリコーン樹脂及びフッ素樹脂等の離型性樹脂を塗布する処理が挙げられる。
カバーフィルムは、上述した添加剤を含有してもよい。
カバーフィルムは、接着層に上記溝又は凹凸構造を賦形できる表面形状を有していることが好ましい。上記表面形状を有するカバーフィルム上に接着層を設けることにより、接着層に上記溝又は凹凸構造を形成できる。
カバーフィルムの厚さは、好ましくは10μm以上200μm以下、より好ましくは50μm以上150μm以下である。
<表面保護層>
本開示の加飾シートは、一方側の表層として、透明樹脂層上に表面保護層をさらに備えていてもよい。これにより、例えば、耐候性、耐摩耗性及び耐薬品性にバランスよく優れる加飾シートが得られる。
表面保護層は、硬化性組成物から形成された層、すなわちハードコート層であることが好ましい。硬化性組成物に含まれる硬化性成分としては、例えば、熱硬化性成分、及び活性エネルギー線硬化性成分が挙げられる。耐候性、耐摩耗性及び耐薬品性という観点から、活性エネルギー線硬化性成分が好ましい。
熱硬化性成分としては、例えば、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル、熱硬化性ウレタン樹脂、熱硬化性(メタ)アクリル樹脂及びアミノアルキッド樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性成分は、活性エネルギー線の照射を受けて硬化する成分である。活性エネルギー線としては、例えば、紫外線(UV)、X線及びγ線等の電磁波;電子線(EB)、α線及びイオン線等の荷電粒子線が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性成分としては、例えば、ビニル基、アリル基及び(メタ)アクリロイル基から選択される少なくとも1種の官能基を有する化合物が挙げられる。活性エネルギー線硬化性成分としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート及びポリエーテル(メタ)アクリレート等のオリゴマー又はポリマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート及びトリス(2-(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート等の多官能(メタ)アクリレートモノマー;並びにこれらの変性体が挙げられる。活性エネルギー線硬化性成分としては、分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有するモノ(メタ)アクリレートをさらに用いてもよい。
活性エネルギー線硬化性成分とともに、光重合開始剤を用いてもよい。
表面保護層は、耐候性向上剤を含有してもよい。これにより、例えば、表面保護層の耐候性を向上できる。耐候性向上剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤及びヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。表面保護層中における耐候性向上剤の含有割合は、好ましくは0.1質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上5質量%以下である。
表面保護層は、上述した添加剤を含有してもよい。
表面保護層の厚さは、好ましくは1μm以上20μm以下、より好ましくは2μm以上15μm以下、さらに好ましくは3μm以上13μm以下である。これにより、例えば、表面保護層の耐摩耗性及び耐候性をより向上できる。厚さが上限値以下であれば、例えば、加飾シートの柔軟性の低下を抑制できる。
<他の層>
本開示の加飾シートには、表面保護層、透明樹脂層、着色層、樹脂基材層、接着層及びカバーフィルム以外の他の層をさらに備えていてもよい。
加飾シートは、樹脂基材層と接着層との間に、プライマー層を備えていてもよい。これにより、例えば、樹脂基材層と接着層との密着性を向上できる。プライマー層は、例えば、塗布法により形成できる。すなわち、プライマー層を形成するための樹脂材料を適切な溶媒に溶解させて得られた塗布液を、樹脂基材層面に塗布し、乾燥することにより、プライマー層を形成できる。
プライマー層に含まれる樹脂材料としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ブチラール樹脂、ポリオレフィン、塩素化ポリオレフィン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリエステル及びポリウレタンが挙げられる。
プライマー層は、上述した添加剤を含有してもよい。
プライマー層の厚さは、好ましくは0.1μm以上5μm以下、より好ましくは0.1μm以上3μm以下である。これにより、例えば、樹脂基材層と接着層との密着性をより向上できる。
[加飾シートの製造方法]
本開示の加飾シートの好ましい製造方法について以下に説明する。
本開示の加飾シートは、例えば、
耐溶剤性樹脂を含有する樹脂基材フィルムと、透明樹脂を含有する透明樹脂フィルムと、樹脂材料、着色剤及び有機溶剤を含有する着色層用樹脂組成物とを準備する工程(以下「工程(1)」ともいう)と、
着色層用樹脂組成物を、樹脂基材フィルム上に塗布して、樹脂基材フィルムと、該フィルム上に設けられた着色層とを備える積層体を得る工程(以下「工程(2)」ともいう)と、
上記積層体と上記透明樹脂フィルムとを、積層体の着色層と透明樹脂フィルムとが接するように積層する工程(以下「工程(3)」ともいう)と
を含む方法により、製造できる。
以上の製造方法により、樹脂基材層としての、耐溶剤性樹脂を含有する樹脂基材フィルムと、着色層と、透明樹脂層としての、透明樹脂を含有する透明樹脂フィルムとを厚さ方向にこの順に備える加飾シートが得られる。
<工程(1)>
耐溶剤性樹脂を含有する樹脂基材フィルムとしては、市販品を用いてもよく、耐溶剤性樹脂を含有する樹脂組成物を公知の成形方法により形成して得られたフィルムを用いてもよい。上記成形方法としては、例えば、Tダイ等を用いた押出成形法、カレンダー法、及びキャスティング法が挙げられる。
耐溶剤性樹脂の詳細については、上述したとおりである。
樹脂基材フィルムは、上述した着色剤及び/又は添加剤を含有してもよい。
樹脂基材フィルムとしては、ポリ塩化ビニル及びABS樹脂から選択される少なくとも1種を含有する樹脂フィルムを用いることが好ましく、ポリ塩化ビニル系フィルム及びABS樹脂系フィルムがより好ましく、ポリ塩化ビニル系フィルムがさらに好ましい。
樹脂基材フィルムの厚さは、好ましくは50μm以上300μm以下、より好ましくは70μm以上250μm以下、さらに好ましくは90μm以上200μm以下である。
透明樹脂を含有する透明樹脂フィルムとしては、市販品を用いてもよく、透明樹脂を含有する樹脂組成物を公知の成形方法により形成して得られたフィルムを用いてもよい。上記成形方法としては、例えば、Tダイ等を用いた押出成形法、カレンダー法、及びキャスティング法が挙げられる。
透明樹脂の詳細については、上述したとおりである。
透明樹脂フィルムは、上述した添加剤を含有してもよい。
透明樹脂フィルムとしては、(メタ)アクリル系樹脂フィルムが好ましい。
透明樹脂フィルムの全光線透過率及びヘイズは、それぞれ、透明樹脂層について上述した全光線透過率及びヘイズと同様であり、ここでは記載を省略する。
透明樹脂フィルムの厚さは、好ましくは10μm以上200μm以下、より好ましくは20μm以上150μm以下、さらに好ましくは30μm以上100μm以下である。
着色層用樹脂組成物は、樹脂材料、着色剤及び有機溶剤を含有する。
樹脂材料としては、着色層の欄にて上述した熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂が挙げられ、熱可塑性樹脂が好ましく、(メタ)アクリル樹脂及びポリ塩化ビニルから選択される少なくとも1種がより好ましく、(メタ)アクリル樹脂及び塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体から選択される少なくとも1種がさらに好ましい。
着色層用樹脂組成物中における樹脂材料の含有割合は、固形分を基準として、好ましくは55質量%以上90質量%以下、より好ましくは60質量%以上85質量%以下である。固形分とは、溶剤以外の全成分をいう。
着色剤の詳細については、上述したとおりである。着色層用樹脂組成物中における着色剤の含有割合は、固形分を基準として、好ましくは10質量%以上45質量%以下、より好ましくは15質量%以上40質量%以下である。
着色層用樹脂組成物は、上述した添加剤を含有してもよい。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ステアリン酸ブチル、安息香酸メチル、乳酸メチル、乳酸エチル及び乳酸ブチル等のエステル溶剤;エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール及びデカノール等のアルコール溶剤;並びにトルエン、キシレン、ヘキサン及びオクタン等の炭化水素溶剤が挙げられる。
着色層用樹脂組成物中における有機溶剤の含有割合は、好ましくは30質量%以上95質量%以下、より好ましくは50質量%以上90質量%以下、さらに好ましくは60質量%以上85質量%以下である。
<工程(2)>
工程(2)では、着色層用樹脂組成物を、樹脂基材フィルム上に塗布して、樹脂基材フィルムと着色層とを備える積層体を得る。工程(2)において、透明樹脂フィルムではなく、樹脂基材フィルム上に着色層用樹脂組成物を塗布することにより、着色層の厚さが大きい場合でも、加飾シートの延伸時に着色層にクラック、空隙等が発生することを抑制でき、したがって延伸前後において意匠性の変化が小さく、且つ下地隠蔽性を維持できる加飾シートが得られる。これは、上記方法であれば、着色層用樹脂組成物に含まれる有機溶剤による透明樹脂フィルムの劣化を抑制でき、該劣化により延伸時に着色層にクラック、空隙等が発生することが抑制されるためであると推測される。
着色層用樹脂組成物の塗布方法としては、例えば、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、フローコート法、ディップコート法、スプレー法及びスピンコート法等のコーティング法;並びにオフセット印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法及びインクジェット印刷法等の印刷法が挙げられる。
着色層用樹脂組成物を樹脂基材フィルム上に塗布した後、有機溶剤を除去するため、乾燥する。乾燥温度は、好ましくは40℃以上200℃以下、より好ましくは45℃以上150℃以下、さらに好ましくは50℃以上100℃以下である。乾燥時間は、好ましくは30秒以上1時間以下、より好ましくは1分以上30分以下、さらに好ましくは1分以上10分以下である。
<工程(3)>
工程(3)では、工程(2)で得られた積層体と、透明樹脂フィルムとを、積層体の着色層と透明樹脂フィルムとが接するようにして積層する。積層方法としては従来公知の方法を用いることができるが、熱ラミネート加工により、積層体と透明樹脂フィルムとを直接貼り合わせることが好ましい。
熱ラミネート加工において、ラミネート温度は、好ましくは80℃以上250℃以下、より好ましくは100℃以上230℃以下、さらに好ましくは150℃以上200℃以下である。これにより、例えば、積層体と透明樹脂フィルムとの剥離強度を向上できるとともに、熱によるフィルムの劣化を抑制できる。
<他の工程>
上記製造方法は、一実施形態において、樹脂基材フィルムにおける透明樹脂フィルム側の面とは反対側の面上に接着層及びカバーフィルムを設ける工程をさらに含む。樹脂基材フィルム上に接着層を形成する方法としては、例えば、転写法及び塗布法などの公知の方法をいずれも使用できる。接着層は、例えば、カバーフィルム上に接着性組成物を塗布し、必要に応じて乾燥又は硬化させる方法等の従来公知の方法を用いて形成してもよい。この場合、カバーフィルム上に形成した接着層と、樹脂基材フィルム、着色層及び透明樹脂フィルムを備える積層体とを貼り合わせることにより、加飾シートが得られる。
上記製造方法は、一実施形態において、透明樹脂フィルム上に表面保護層を設ける工程をさらに含む。表面保護層は、例えば、以下のようにして形成する。透明樹脂フィルム上に硬化性組成物を所望の厚さで塗布して塗膜を形成し、有機溶剤を用いた場合は乾燥して有機溶剤を除去して塗膜を形成する。次いで、熱硬化性成分を用いた場合は、硬化に必要な温度で該塗膜を加熱して硬化させる。活性エネルギー線硬化性成分を用いた場合は、該塗膜に活性エネルギー線を照射して硬化させる。このようにして、表面保護層を形成できる。
硬化性組成物を透明樹脂フィルム上に塗布する方法としては、例えば、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、フローコート法、ディップコート法、スプレー法及びスピンコート法が挙げられる。
[用途、加飾成形品及びその製造方法]
本開示の加飾シートの貼付対象である被着体の材質としては、例えば、鉄板及び鋼板(例えばステンレス板)等の金属板;ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド及びポリウレタン等の熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、メラミン樹脂及び尿素樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。金属板は、例えば、メラミン塗装金属板、アクリル塗装金属板およびウレタン塗装金属板などのように、樹脂塗装金属板であってもよい。樹脂塗装金属板は、例えば、車両用塗装金属板であることが好ましい。
本開示の加飾シートの貼付対象である被着体(成形体)としては、例えば、外装パネル(ルーフパネル、サイドドアパネル、バックドアパネル、ボンネットパネル、サイドボディパネル、リアエンドパネル等)、バンパー、スポイラー及びピラー等の車両用外装材;インストルメントパネル及びドアトリム等の車両用内装材;航空機及び船舶の内装材又は外装材;建材;スマートフォン、タブレット端末;パソコン及びテレビ等の家電製品;家具が挙げられる。これらの中でも、車両用外装材が好ましい。
車両としては、例えば、普通自動車(バス、トラック及び乗用車等)、小型自動車(小型トラック、三輪トラック及び大型オートバイ等)、軽自動車(軽トラック、軽自動車及びオートバイ等)、大型特殊自動車(ロードローラー及びブルドーザー等)、小型特殊自動車(農耕用トラクター、フォークリフト及びショベルローダー等)、並びに鉄道車両が挙げられる。
本開示の加飾シートは、延伸後においても良好な意匠性、特に黒色性を維持できることから、例えば、立体形状を有する成形体の表面に好適に貼付できる。すなわち、本開示の加飾シートを用いることにより、3次元曲面部を有する被着体の3次元曲面部に、優れた意匠性を付与できる。
本開示の加飾フィルムを用いることにより、例えば、車両の外観を容易に変更でき、具体的には、車両における車体の色をツートーンにすることができる。また、本開示の加飾シートは、車両における塗装又はメッキに代わり、車体を加飾するために用いてもよい。
本開示の加飾成形品は、成形体と、該成形体の表面に配置された本開示の加飾シートとを備え、一実施形態において、3次元曲面部を有する成形体と、少なくとも該3次元曲面部上に配置された本開示の加飾シートとを備える。ここで、加飾シートの樹脂基材層が、透明樹脂層よりも成形体側に位置している。成形体表面に対する加飾シートの接触面は、一実施形態において、上記接着層である。
図3は、本開示の加飾成形品の一例を模式的に示した断面図である。図3の加飾成形品100は、成形体20と、成形体20の表面に配置された加飾シート1とを備える。図3では、接着層16、樹脂基材層10、着色層12、及び透明樹脂層14を厚さ方向にこの順に備える加飾シート1を用いた例を記載しているが、加飾シート1は、例えば、透明樹脂層14上に最外層として図示せぬ表面保護層をさらに備えていてもよい。
本開示の加飾成形品の製造方法は、成形体と、本開示の加飾シートとを準備する工程、及び、加飾シートを、成形体の表面に貼付する工程を含む。本開示の加飾シートを被着体である成形体の表面に貼付する方法としては、例えば、ラッピング法、真空成形法、及び真空・圧空成形法が挙げられる。
上記加飾シートは、室温での延伸性に優れることから、室温程度で加飾シートを成形体の表面に貼付することが好ましい。一実施形態において、加飾シートの貼付温度は、好ましくは5℃以上40℃以下、より好ましくは10℃以上30℃以下である。
ラッピングの具体例としては、必要に応じてドライヤー等の加熱器具で加飾シートを温めて軟化させながら、加飾シートを被着体に貼付する方法が挙げられる。例えば、加飾シートの一部を被着体に貼り付けて仮止め及び位置合わせを行い、次に、加飾シート全体を被着体に貼り付けた後、加飾シートを被着体に全体的に押し付けて密着させる。この際に、加飾シートの未貼り付け部分を引き伸ばして、被着体の3次元曲面部に貼り付けてもよい。ここでは、手で加飾シートを被着体に押し付けてもよく、スキージ等の器具を用いて加飾シートを被着体に押し付けてもよい。上記ラッピング法によれば、簡易なドライ工法において、3次元曲面部を有する成形体の表面に本開示の加飾シートを貼付できる。これにより、外観に優れる加飾成形品が得られる。
本開示において、平面状の上記加飾シートを被着体に貼付してもよく、上記加飾シートを、被着体の形状に適合する形状に予備成形して、得られた成形加飾シートを被着体に貼付してもよい。成形方法としては、例えば、真空成形法、プレス成形及び熱プレス成形法等の加熱成形法が挙げられ、真空成形法が好ましい。
予備成形により、被着体の形状に適合する形状を有する成形加飾シートが得られる。成形加飾シートは、平面状の加飾フィルムよりも、被着体への位置合わせがより容易である。本開示の加飾シートは、予備成形後においても、良好な意匠性を維持できる。
真空成形法によれば、効率よく、成形加飾シートが得られる。具体的には、平面状の加飾シートを、所定の形状を有する金型に真空圧着させる。これにより、平面状の加飾シートが、金型の形状に沿って変形する。その後、得られた成形加飾シートは放冷され、金型から取り外される。このようにして、成形加飾シートが得られる。必要に応じて、成形加飾シートから、不要部分を除去してもよい。
真空成形法では、金型が用いられる。金型の形状としては、加飾シートの貼付面(加飾シートと金型とが接触する面)が、被着体における成形加飾シートの貼付面と、同形状であることが好ましい。すなわち、加飾シートが貼付される被着体の部分と同寸法及び同形状の金型を用いることにより、真空成形によって、該部分と同寸法及び同形状の成形加飾シートが得られる。
一実施形態において、樹脂基材層上に接着層及びカバーフィルムを備える加飾シートの場合は、加飾シートを所望の形状に予備成形した後、カバーフィルムを剥離し、成形加飾シートを、露出した接着層を接着面として被着体に貼付する。
本開示は、例えば以下の[1]~[14]に関する。
[1]樹脂基材層と、着色層と、透明樹脂層とを厚さ方向にこの順に備える加飾シートであって、L***表色系において、加飾シートを引張試験(室温、延伸率40%)に供した後に透明樹脂層側から測定されたSCE方式でのL*と、加飾シートを引張試験に供する前に透明樹脂層側から測定されたSCE方式でのL*との差の絶対値が、1.5以下である、加飾シート。
[2]L***表色系において、加飾シートを引張試験(室温、延伸率100%)に供した後に透明樹脂層側から測定されたSCE方式でのL*と、加飾シートを引張試験に供する前に透明樹脂層側から測定されたSCE方式でのL*との差の絶対値が、3.5以下である、上記[1]に記載の加飾シート。
[3]L***表色系における、引張試験に供する前に透明樹脂層側から測定されたSCE方式でのL*が、3.0以下である、上記[1]又は[2]に記載の加飾シート。
[4]着色層が、黒色層である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の加飾シート。
[5]着色層の厚さが、1μm以上20μm以下である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の加飾シート。
[6]樹脂基材層が、ポリ塩化ビニルを含有する、上記[1]~[5]のいずれかに記載の加飾シート。
[7]透明樹脂層が、(メタ)アクリル樹脂を含有する、上記[1]~[6]のいずれかに記載の加飾シート。
[8]樹脂基材層における透明樹脂層側の面とは反対側の面上に接着層をさらに備える、上記[1]~[7]のいずれかに記載の加飾シート。
[9]車両用外装材を加飾するための、上記[1]~[8]のいずれかに記載の加飾シート。
[10]成形体と、上記[1]~[9]のいずれかに記載の加飾シートとを備える加飾成形品であって、加飾シートの樹脂基材層が、透明樹脂層よりも成形体側に位置している、加飾成形品。
[11]成形体が、車両用外装材である、上記[10]に記載の加飾成形品。
[12]成形体と、上記[1]~[9]のいずれかに記載の加飾シートとを準備する工程、及び加飾シートを、成形体の表面に貼付する工程を含む、加飾成形品の製造方法。
[13]加飾シートを、ラッピング法により成形体の表面に貼付する、上記[12]に記載の加飾成形品の製造方法。
[14]成形体と、上記[1]~[9]のいずれかに記載の加飾シートとを準備する工程、加飾シートを、加飾シートが貼付される成形体の形状に適合する形状に予備成形する工程、及び予備成形された加飾シートを、成形体の表面に貼付する工程を含む、加飾成形品の製造方法。
以下、本開示の加飾シート等について実施例に基づきより具体的に説明するが、これらの記載により本開示の加飾シート等を限定するものではない。
[使用材料]
透明樹脂層を構成するフィルムとして、(メタ)アクリル系樹脂フィルム(アクリプレン(登録商標)HBS006H、厚さ50μm、三菱ケミカル(株))を用いた。以下、このフィルムを「アクリルフィルム1」と記載する。
透明樹脂層を構成するフィルムとして、フッ素(メタ)アクリル系樹脂フィルム(15s0650、厚さ50μm、デンカ(株))を用いた。以下、このフィルムを「アクリルフィルム2」と記載する。
以下、上記2フィルムをまとめて「アクリルフィルム」と記載する。
樹脂基材層を構成するフィルムとして、ポリ塩化ビニル系フィルム(FC25382(黒)DN39タイプ、厚さ150μm、ポリ塩化ビニル(PVC)100質量部に対して可塑剤39質量部含有、リケンテクノス(株))を用いた。以下、このフィルムを「PVCフィルム1」と記載する。
樹脂基材層を構成するフィルムとして、ポリ塩化ビニル系フィルム(BK84555、厚さ150μm、PVC100質量部に対して可塑剤55質量部含有、バンドー化学(株))を用いた。以下、このフィルムを「PVCフィルム2」と記載する。
樹脂基材層を構成するフィルムとして、ポリ塩化ビニル系フィルム(BK84650、厚さ100μm、PVC100質量部に対して可塑剤50質量部含有、バンドー化学(株))を用いた。以下、このフィルムを「PVCフィルム3」と記載する。
以下、上記3フィルムをまとめて「PVCフィルム」と記載する。
後述する粘着層を構成する粘着剤として、(メタ)アクリル系粘着剤(P-7331B、大同化成工業(株))を用いた。
以下の(1)、(2)及び(3)を、(1):(2):(3)=8:2:2の質量比で混合し、樹脂固形分26質量%の着色層用樹脂組成物(黒色層用樹脂組成物)を調製した。該樹脂組成物は、(メタ)アクリル樹脂と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体とを、(メタ)アクリル樹脂:塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体=4:1の質量比で含有する。
(1)インク:EISNBK漆黒
(樹脂固形分31質量%、昭和インク工業(株))
(2)メジューム:EISNBKメジューム
(樹脂固形分31質量%、昭和インク工業(株))
(3)希釈溶剤:メチルエチルケトン/酢酸イソブチル=4/6(質量比)
[加飾シートの製造]
得られた黒色層用樹脂組成物を、PVCフィルム又はアクリルフィルム上にワイヤーバーを用いて乾燥後厚さが下記のとおりとなるように塗布した後、熱風循環式オーブンを用いて60℃で2分間乾燥した。これにより、PVCフィルム又はアクリルフィルムと、該フィルム上に形成された、厚さ2μm、6μm又は10μmの黒色層とを備える積層体を得た。
PVCフィルムと黒色層とを備える積層体の黒色層上にアクリルフィルムを配置し、得られた積層物を、2枚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(コスモシャイン(登録商標)A4100、東洋紡(株))を用いて挟んだ。ここで、PETフィルムの非易接着面が積層物と接するようにPETフィルムを配置した。この状態で、上記積層物を180℃で熱ラミネート処理した後に2枚のPETフィルムを除去し、厚さ50μmの粘着層を備える離型PETフィルムを常温でPVCフィルムにラミネートして、加飾シートを得た。表1において、この態様の加飾シートを、加飾シート(1)と記載する。
同様に、アクリルフィルムと黒色層とを備える積層体の黒色層上にPVCフィルムを配置し、得られた積層物を、2枚の上記PETフィルムを用いて挟んだ。ここで、PETフィルムの非易接着面が積層物と接するようにPETフィルムを配置した。この状態で、上記積層物を180℃で熱ラミネート処理した後に2枚のPETフィルムを除去し、厚さ50μmの粘着層を備える離型PETフィルムを常温でPVCフィルムにラミネートして、加飾シートを得た。表1において、この態様の加飾シートを、加飾シート(2)と記載する。
[延伸処理]
得られた加飾シートを、上記離型PETフィルムを剥離した後に15mm幅に裁断した後、材料試験機「インストロン5565」(インストロン・ジャパン社)を用いて下記条件にて、裁断済みの加飾シートを延伸した。
・チャック間距離:50mm
・引張速度 :50mm/min
・温度 :室温(25℃)
・延伸率 :40%又は100%
[外観及び色味評価]
裁断済みの加飾シート、及び上記延伸率で延伸済みの加飾シートを、厚さ1.5mmの黒色ABS板(HA-ABS、昭和電工マテリアルズ(株))に、粘着層と黒色ABS板とが接するようにして貼付した。上記加飾シートのアクリルフィルム面について、分光測色計(CM-700d、コニカミノルタ(株))を用いて、SCE式のL*、a*及びb*を測定した。
延伸率40%におけるΔL*が1.5以下である加飾シートは、延伸後においても黒色性を良好に維持していた。延伸率40%におけるΔL*が1.5超である加飾シートは、延伸により黒色性が低下していた。延伸率40%におけるΔL*が1.5以下であり、かつ延伸率40%におけるΔEが1.5以下である加飾シートは、延伸後においても黒色性を特に良好に維持していた。
延伸率100%におけるΔL*が3.5以下である加飾シートは、延伸後においても黒色性を良好に維持していた。延伸率100%におけるΔL*が3.5超である加飾シートは、延伸により黒色性が低下していた。延伸率100%におけるΔL*が3.5以下であり、かつ延伸率100%におけるΔEが3.5以下である加飾シートは、延伸後においても黒色性を特に良好に維持していた。
図4に、室温、延伸率40%での延伸処理後の加飾シート(1)及び(2)の断面のレーザー顕微鏡(KEYENCE VK-X150)による観察画像を示す。断面方向は、延伸方向と同一であり、観察倍率は50倍とした。図4(a)は、厚さ10μmの黒色層を備える加飾シート(1)-3の断面の上記観察画像である。この例では、黒色層に大きな空隙は観察されなかった。図4(b)は、厚さ10μmの黒色層を備える加飾シート(2)-3の断面の上記観察画像である。この例では、黒色層に大きな空隙が観察された。
加飾シート(2)では、アクリルフィルムにおける黒色層用樹脂組成物の塗布面が溶剤で脆化し、上記延伸処理時にアクリルフィルムの上記塗布面に空隙が発生し、これにより、黒色層にも空隙が発生したと推測される。空隙の存在により入射光が散乱しやすくなり、加飾シート(2)の黒色性が低下したと推測される。
1・・・加飾シート
10・・・樹脂基材層
12・・・着色層
14・・・透明樹脂層
16・・・接着層
18・・・カバーフィルム
20・・・被着体(成形体)
100・・・加飾成形品

Claims (11)

  1. 樹脂基材層と、着色層と、透明樹脂層とを厚さ方向にこの順に備える加飾シートであって、L***表色系において、前記加飾シートを引張試験(室温、延伸率40%)に供した後に透明樹脂層側から測定されたSCE方式でのL*と、前記加飾シートを前記引張試験に供する前に透明樹脂層側から測定されたSCE方式でのL*との差の絶対値が、1.5以下であり、
    前記樹脂基材層は、ポリ塩化ビニルを含有し、
    前記着色層は、樹脂組成物として、(メタ)アクリル樹脂と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体とを、(メタ)アクリル樹脂:塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体=4:1の質量比で含有し、
    前記着色層は、着色剤を含み、
    前記透明樹脂層は、(メタ)アクリル樹脂を含有し、
    前記樹脂基材層における前記透明樹脂層側の面とは反対側の面上に接着層をさらに備える、加飾シート。
  2. ***表色系において、前記加飾シートを引張試験(室温、延伸率100%)に供した後に透明樹脂層側から測定されたSCE方式でのL*と、前記加飾シートを前記引張試験に供する前に透明樹脂層側から測定されたSCE方式でのL*との差の絶対値が、3.5以下である、請求項1に記載の加飾シート。
  3. ***表色系における、前記引張試験に供する前に透明樹脂層側から測定されたSCE方式でのL*が、3.0以下である、請求項1又は2に記載の加飾シート。
  4. 前記着色層が、黒色層である、請求項1~3のいずれか一項に記載の加飾シート。
  5. 前記着色層の厚さが、1μm以上20μm以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の加飾シート。
  6. 車両用外装材を加飾するための、請求項1~のいずれか一項に記載の加飾シート。
  7. 成形体と、加飾シートとを備える加飾成形品であって、
    樹脂基材層と、着色層と、透明樹脂層とを厚さ方向にこの順に備える加飾シートであって、L * * * 表色系において、前記加飾シートを引張試験(室温、延伸率40%)に供した後に透明樹脂層側から測定されたSCE方式でのL * と、前記加飾シートを前記引張試験に供する前に透明樹脂層側から測定されたSCE方式でのL * との差の絶対値が、1.5以下であり、
    前記樹脂基材層は、ポリ塩化ビニルを含有し、
    前記着色層は、樹脂組成物として、(メタ)アクリル樹脂と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体とを、(メタ)アクリル樹脂:塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体=4:1の質量比で含有し、
    前記着色層は、着色剤を含み、
    前記透明樹脂層は、(メタ)アクリル樹脂を含有し、
    前記加飾シートの前記樹脂基材層が、前記透明樹脂層よりも前記成形体側に位置している、加飾成形品。
  8. 前記成形体が、車両用外装材である、請求項に記載の加飾成形品。
  9. 成形体と、請求項1~のいずれか一項に記載の加飾シートとを準備する工程、及び 前記加飾シートを、前記成形体の表面に貼付する工程
    を含む、加飾成形品の製造方法。
  10. 前記加飾シートを、ラッピング法により前記成形体の表面に貼付する、請求項に記載の加飾成形品の製造方法。
  11. 成形体と、請求項1~のいずれか一項に記載の加飾シートとを準備する工程、
    前記加飾シートを、加飾シートが貼付される前記成形体の形状に適合する形状に予備成形する工程、及び
    予備成形された前記加飾シートを、前記成形体の表面に貼付する工程
    を含む、加飾成形品の製造方法。
JP2021134265A 2021-08-19 2021-08-19 加飾シート、加飾成形品、及び加飾成形品の製造方法 Active JP7769899B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021134265A JP7769899B2 (ja) 2021-08-19 2021-08-19 加飾シート、加飾成形品、及び加飾成形品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021134265A JP7769899B2 (ja) 2021-08-19 2021-08-19 加飾シート、加飾成形品、及び加飾成形品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2023028516A JP2023028516A (ja) 2023-03-03
JP7769899B2 true JP7769899B2 (ja) 2025-11-14

Family

ID=85331103

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021134265A Active JP7769899B2 (ja) 2021-08-19 2021-08-19 加飾シート、加飾成形品、及び加飾成形品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7769899B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002283445A (ja) 2001-03-26 2002-10-03 Nissan Motor Co Ltd フィルムの予備成形方法及びフィルムの予備成形装置
JP2004195687A (ja) 2002-12-16 2004-07-15 Honda Motor Co Ltd 塗装代替フィルム
WO2016103714A1 (ja) 2014-12-26 2016-06-30 株式会社クラレ 加飾用複層シートおよび立体成型体
JP2016147505A (ja) 2016-05-26 2016-08-18 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 真空圧空成形または真空成形により一体化された構造体、およびその製造方法
JP2019123782A (ja) 2018-01-15 2019-07-25 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 耐スクラッチ性を有するフィルム及び表面コーティング組成物

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002283445A (ja) 2001-03-26 2002-10-03 Nissan Motor Co Ltd フィルムの予備成形方法及びフィルムの予備成形装置
JP2004195687A (ja) 2002-12-16 2004-07-15 Honda Motor Co Ltd 塗装代替フィルム
WO2016103714A1 (ja) 2014-12-26 2016-06-30 株式会社クラレ 加飾用複層シートおよび立体成型体
JP2016147505A (ja) 2016-05-26 2016-08-18 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 真空圧空成形または真空成形により一体化された構造体、およびその製造方法
JP2019123782A (ja) 2018-01-15 2019-07-25 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 耐スクラッチ性を有するフィルム及び表面コーティング組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2023028516A (ja) 2023-03-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6709018B2 (ja) 加飾フィルム及びそれと一体化した物品
JP6005911B2 (ja) 真空圧空成形または真空成形により一体化された構造体、およびその製造方法
US10076889B2 (en) Wrapped three-dimensional shaped article and process for its production
US7361402B2 (en) Cross-linked primer composition and use thereof in thermoformable films
CN107636099B (zh) 粘着膜、层叠体及装饰成型体
JP5821484B2 (ja) 加飾用フィルム及びこの加飾用フィルムを用いて製造される加飾成形品の製造方法、並びに加飾用フィルムを用いた加飾成形品
JP4037437B2 (ja) 熱成形用シートの成形方法および成形装置
JP6627576B2 (ja) 加飾用積層体、加飾成形体及び加飾成形体の製造方法
CN111684034B (zh) 用于光投影的可热拉伸的装饰性膜和其所粘结的制品
JP7769899B2 (ja) 加飾シート、加飾成形品、及び加飾成形品の製造方法
JP2023080853A (ja) 車両塗装代替フィルム
JP2021138002A (ja) 加飾シート及びそれを用いた加飾物品の製造方法
JP5060102B2 (ja) 金属調シート及びそれを用いた金属調化粧材
JP2016147505A (ja) 真空圧空成形または真空成形により一体化された構造体、およびその製造方法
JP2006021377A (ja) 装飾用金属調フィルム及びその製造方法
JP5608059B2 (ja) 二次加工用化粧シートおよびそれを用いた化粧材の製造方法
JP2004284019A (ja) 光輝性シート
JP7048399B2 (ja) 三次元被覆成形用熱延伸性加飾フィルム及びそれを貼り付けた物品、並びにこれらの製造方法
JP6295573B2 (ja) 加飾シート及び加飾樹脂成形品
JP7751815B2 (ja) 加飾積層体、加飾フィルム、加飾成形品、移動体、加飾積層体の製造方法、加飾成形品の製造方法
JP7119594B2 (ja) 金属調加飾用部材及びそれを用いた金属調加飾成形体
KR102158008B1 (ko) 적층체 및 가식 성형체
US20250042132A1 (en) Decorative Vapor Deposition Sheet
JP6544262B2 (ja) 加飾成形用積層体、加飾成形体及び加飾成形体の製造方法
WO2025216317A1 (ja) 加飾シート、加飾部材、移動体、建築用構造物及び加飾部材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240627

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20250221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20250314

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20250513

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20250522

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20250707

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20251003

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20251016

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7769899

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150