JP7737118B2 - スピン軌道トルク乱数発生器及びその製造方法 - Google Patents

スピン軌道トルク乱数発生器及びその製造方法

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Description

〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2023年11月08日付の韓国特許出願第10-2023-0153395号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として組み込まれる。
本発明は、スピン軌道トルク乱数発生器及びその製造方法に関し、より具体的には、スピントルク層に基づいてスピン軌道トルク(spin-orbit torque)スイッチングが可能であり、スピン軌道トルクの成分のうちダンピングトルク(damping-like torque、DLT)とフィールドトルク(field-like torque、FLT)との比率の制御による低いスイッチング電流値及び高いエントロピー(entropy)の乱数生成機能を有する乱数発生器を具現する技術に関する。
スピン軌道トルク(spin-orbit torque、SOT)スイッチングベースの素子の核心構造である磁気トンネル接合(magnetic tunnel junction、MTJ)は、非磁性のスピントルク発生層(以下、「スピントルク層」という)、第1磁性層(磁化自由層、以下、「自由層」という)、トンネルバリア層、及び第2磁性層(磁化固定層、以下、「固定層」という)で構成され得る。
自由層と固定層の相対的な磁化方向に応じて絶縁層を通過するトンネル電流の電気抵抗値が変わるトンネル磁気抵抗(tunneling magnetoresistance、TMR)現象を用いて情報を読み出す。
高いトンネル磁気抵抗比、低い書き込み電流、高集積化を実現するためには、磁気トンネル接合は、必ず垂直磁気異方性(perpendicular magnetic anisotropy、PMA)の特性を有しなければならない。
垂直磁気異方性とは、磁性層の磁化方向が磁性層面に垂直であることを意味する。
最近は、自由層に隣接するスピントルク層の面内の平行な方向に電流が流れるときに発生するスピンホール効果(spin Hall effect)又はラシュバ効果(Rashba effect)を用いて自由層のスイッチングを誘導するスピン軌道トルク(spin-orbit torque、SOT)現象が見出された。
既存のスピン伝達トルク(spin-transfer torque、STT)書き込み方式よりも高速のスイッチングが可能な技術として関心を集めている。
このとき、面内電流が磁化自由層に誘導するスピン軌道トルクは、磁化を面内方向に誘導する。
この電流の供給が中断されると、面内方向に整列していた磁化は、磁性層面に垂直な上(up)又は下(down)方向にランダムに整列するようになるが、このランダム整列に基づいて真の乱数発生器(true random number generator、TRNG)として応用が可能である。
乱数発生器(random number generator、RNG)は、理論的に予測がさらに不可能な一連の数字やシンボルを生成する装置である。
乱数生成機能は、システム的に任意の数を作って適用する基準であって、暗号化技術に適用可能な数字を生成する機能であり得る。
スピン軌道トルク乱数発生器の具現の核心は、スピントルク層にどのような物質及び構造を活用して乱数列のエントロピーを高く維持し、低い書き込み電流を達成するかにある。
従来技術(Appl.Phys.Lett.118,052401(2021))は、人工神経網での乱数の生成のために、Ta/CoFeB/MgO/Taベースのスピン軌道トルク方式の乱数発生器を例示する。
既存の方式と類似の干渉正確度及び低い誤差率を有するシステムを設計する。
本発明は、スピントルク層に基づいてスピン軌道トルク(spin-orbit torque、SOT)スイッチングが可能であり、スピン軌道トルクの成分のうちダンピングトルク(damping-like torque、DLT)とフィールドトルク(field-like torque、FLT)との比率の制御による低いスイッチング電流値及び高いエントロピー(entropy)の乱数生成機能を有するスピン軌道トルク乱数発生器を具現することを目的とする。
本発明は、自由層に接触して面内電流を提供するスピントルク層に、互いに異なるスピン軌道結合の大きさを有する物質を積層して、垂直磁気異方性及び高いエントロピーを維持し、低いスイッチング電流を有するスピン軌道トルク乱数発生器を具現することを目的とする。
本発明は、乱数発生器用SOTの素材として低いDLT及び高いFLT効率を有するスピントルク層の物質として、DLTに比べてFLTの比率が増加する物質候補を提供することを目的とする。
本発明は、DLTに比べてFLTの比率が増加する物質候補ベースのスピントルク層及び磁性層の構造に基づいて、FLTのDLTに対する比率を調節することで、高いエントロピーを有する乱数生成機能を維持しながら、低いスイッチング電流を有するスピン軌道トルク乱数発生器を具現することを目的とする。
本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器は、第1スピントルク層及び第2スピントルク層を含むスピントルク発生層、磁化自由層、トンネルバリア層、及び磁化固定層を含み、前記第2スピントルク層は、前記磁化自由層と前記第1スピントルク層との間に位置し、前記磁化自由層の磁化方向と関連するフィールドトルク(field-like torque、FLT)及びダンピングトルク(damping-like torque、DLT)を発生させ、前記第1スピントルク層は、前記第2スピントルク層の厚さと連携して、ダンピングトルクの大きさに対するフィールドトルクの大きさによるトルクの比率を調節し、前記磁化自由層は、前記調節されたトルクの比率に基づいて、磁化方向が上又は下方向にランダムに整列され、前記ランダムに整列された磁化方向に基づいてスイッチング出力される電流に基づいて乱数を発生させることができる。
前記トルクの比率は、前記第2スピントルク層の厚さが増加する場合に、前記フィールドトルクの大きさは維持される状態で前記ダンピングトルクの大きさが減少することによって増加し、前記第2スピントルク層の厚さが減少する場合に、前記フィールドトルクの大きさは維持される状態で前記ダンピングトルクの大きさが増加することによって減少することができる。
前記第1スピントルク層は、Ta、W及びPtのいずれか1つの金属で形成され、前記第2スピントルク層はNbで形成されてもよい。
前記第2スピントルク層は、1nm~15nmの厚さで形成されてもよい。
前記第1スピントルク層及び前記第2スピントルク層に基づいて、スピン軌道トルクの成分のうちの前記ダンピングトルクに比べて前記フィールドトルクの比率が高い前記トルクの比率に応じて、前記磁化方向をスイッチングするスイッチング電流の大きさが減少し、前記磁化方向がスイッチングされるスイッチング効率が増加することができる。
本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器は、繰り返して注入される電流に対して前記トルクの比率に応じて出力される電流に基づいた乱数に対する乱数列のエントロピー(entropy)値が、ランダム性と関連する基準値よりも高いことによって乱数生成機能を実現することができる。
本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器の製造方法は、第1スピントルク層及び第2スピントルク層を含むスピントルク発生層を形成するステップと、前記スピントルク発生層上に磁化自由層を形成するステップと、前記磁化自由層上にトンネルバリア層を形成するステップと、前記トンネルバリア層上に磁化固定層を形成してスピン軌道トルク乱数発生器を形成するステップとを含み、前記第2スピントルク層は、前記磁化自由層と前記第1スピントルク層との間に位置し、前記磁化自由層の磁化方向と関連するフィールドトルク(field-like torque、FLT)及びダンピングトルク(damping-like torque、DLT)を発生させ、前記第1スピントルク層は、前記第2スピントルク層の厚さと連携して、ダンピングトルクの大きさに対するフィールドトルクの大きさによるトルクの比率を調節し、前記磁化自由層は、前記調節されたトルクの比率に基づいて、磁化方向が上又は下方向にランダムに整列され、前記スピン軌道トルク乱数発生器は、前記ランダムに整列された磁化方向に基づいてスイッチング出力される電流に基づいて乱数を発生させることができる。
前記トルクの比率は、前記第2スピントルク層の厚さが増加する場合に、前記フィールドトルクの大きさは維持される状態で前記ダンピングトルクの大きさが減少することによって増加し、前記第2スピントルク層の厚さが減少する場合に、前記フィールドトルクの大きさは維持される状態で前記ダンピングトルクの大きさが増加することによって減少することができる。
前記スピントルク発生層を形成するステップは、前記第1スピントルク層をTa、W及びPtのいずれか1つの金属で形成するステップと、前記第2スピントルク層をNbで形成するステップとを含むことができる。
前記第2スピントルク層は、1nm~15nmの厚さで形成されてもよい。
本発明は、スピントルク層に基づいてスピン軌道トルク(spin-orbit torque、SOT)スイッチングが可能であり、スピン軌道トルクの成分のうちダンピングトルク(damping-like torque、DLT)とフィールドトルク(field-like torque、FLT)との比率の制御による低いスイッチング電流値及び高いエントロピー(entropy)の乱数生成機能を有するスピン軌道トルク乱数発生器を具現することができる。
本発明は、自由層に接触して面内電流を提供するスピントルク層に、互いに異なるスピン軌道結合の大きさを有する物質を積層して、垂直磁気異方性及び高いエントロピーを維持し、低いスイッチング電流を有するスピン軌道トルク乱数発生器を具現することができる。
本発明は、乱数発生器用SOTの素材として低いDLT及び高いFLT効率を有するスピントルク層の物質として、DLTに比べてFLTの比率が増加する物質候補を提供することができる。
本発明は、DLTに比べてFLTの比率が増加する物質候補ベースのスピントルク層及び磁性層の構造に基づいて、FLTのDLTに対する比率を調節することで、高いエントロピーを有する乱数生成機能を維持しながら、低いスイッチング電流を有するスピン軌道トルク乱数発生器を具現することができる。
本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器の構造及び構成を説明する図である。 本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器の乱数発生動作を説明する図である。 本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器のダンピングトルクとフィールドトルクとの比率の制御構造を説明する図である。 本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器の3次元構造を説明する図である。 本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器の3次元構造を説明する図である。 本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器の3次元構造を説明する図である。 本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器の垂直磁気異方性を説明する図である。 本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器の垂直磁気異方性を説明する図である。 本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器のダンピングトルクとフィールドトルクとの比率の制御に対するシミュレーション結果を説明する図である。 本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器のダンピングトルクとフィールドトルクとの比率の制御に対するシミュレーション結果を説明する図である。 本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器において、ダンピングトルクとフィールドトルクとの比率の制御と関連するスイッチング動作及び効率を説明する図である。 本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器において、ダンピングトルクとフィールドトルクとの比率の制御と関連するスイッチング動作及び効率を説明する図である。 本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器において、ダンピングトルクとフィールドトルクとの比率の制御と関連するスイッチング動作及び効率を説明する図である。 本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器において、ダンピングトルクとフィールドトルクとの比率の制御と関連するスイッチング動作及び効率を説明する図である。 本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器のスイッチング確率及び乱数列のエントロピーテストの結果を説明する図である。
以下、本文書の様々な実施例が添付の図面を参照して記載される。
実施例及びこれに使用された用語は、本文書に記載された技術を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、当該実施例の様々な変更、均等物、及び/又は代替物を含むものと理解しなければならない。
以下で様々な実施例を説明するにおいて、関連する公知の機能又は構成についての具体的な説明が発明の要旨を不明瞭にする可能性があると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
そして、後述する用語は、様々な実施例における機能を考慮して定義された用語であって、これは、使用者、運用者の意図又は慣例などによって変わり得る。したがって、その定義は、本明細書全般にわたる内容に基づいて行われるべきである。
図面の説明と関連して、類似の構成要素に対しては類似の参照符号が使用され得る。
単数の表現は、文脈上明らかに別の意味を示すものでない限り、複数の表現を含むことができる。
本文書において、「A又はB」又は「A及び/又はBのうちの少なくとも1つ」などの表現は、共に並べられた項目の全ての可能な組み合わせを含むことができる。
「第1」、「第2」、「第一」、又は「第二」などの表現は、当該構成要素を、順序又は重要度に関係なく修飾することができ、ある構成要素を他の構成要素と区分するために用いられるだけで、当該構成要素を限定しない。
ある(例:第1)構成要素が他の(例:第2)構成要素に「(機能的に又は通信的に)連結されて」いるとか、「接続されて」いると言及された際には、前記ある構成要素が前記他の構成要素に直接的に連結されるか又は別の構成要素(例:第3構成要素)を介して連結され得る。
本明細書において、「~するように構成された(又は設定された)(configured to)」は、状況によって、例えば、ハードウェア的又はソフトウェア的に「~に適した」、「~する能力を有する」、「~するように変更された」、「~するように作られた」、「~ができる、」又は「~するように設計された」と相互互換的に(interchangeably)使用され得る。
ある状況では、「~するように構成された装置」という表現は、その装置が他の装置又は部品と共に「~できる」ことを意味し得る。
例えば、文句「A、B、及びCを行うように構成された(又は設定された)プロセッサ」は、当該動作を行うための専用プロセッサ(例:エンベデッドプロセッサ)、又はメモリ装置に格納された1つ以上のソフトウェアプログラムを実行することによって、当該動作を行うことができる汎用プロセッサ(例:CPU又はapplication processor)を意味し得る。
また、「又は」という用語は、排他的論理和「exclusive or」よりは、包含的論理和「inclusive or」を意味する。
すなわち、別に言及しない限り、又は文脈から明らかでない限り、「xがa又はbを用いる」という表現は、包含的な自然順列(natural inclusive permutations)のいずれか1つを意味する。
以下で使用される「...部」、[...器]などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェアやソフトウェア、または、ハードウェアとソフトウェアの結合で具現され得る。
図1は、本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器の構造及び構成を説明する図である。
図1は、本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器の構造及び構成を例示する。
図1を参照すると、本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器100は、第1スピントルク層110、第2スピントルク層111、磁化自由層120及び磁化固定層121を含み、磁化自由層120と磁化固定層121との間にトンネルバリア層130を含む。
例えば、スピン軌道トルク乱数発生器100は、真の乱数発生器(true random number generator、TRNG)と称することができる。
一例として、第1スピントルク層110及び第2スピントルク層111は、スピントルク発生層として構成されてもよい。
本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器100の製造方法によれば、第1スピントルク層110及び第2スピントルク層111を含むスピントルク発生層を形成するステップと、スピントルク発生層上に磁化自由層120を形成するステップと、磁化自由層120上にトンネルバリア層130を形成するステップと、トンネルバリア層130上に磁化固定層121を形成してスピン軌道トルク乱数発生器100を形成するステップとを含むことができる。
一例として、第2スピントルク層111は、磁化自由層120と第1スピントルク層110との間に位置し、磁化自由層120の磁化方向と関連するフィールドトルク(field-like torque、FLT)及びダンピングトルク(damping-like torque、DLT)を発生させることができる。
第1スピントルク層110は、第2スピントルク層111の厚さと連携して、ダンピングトルクの大きさに対するフィールドトルクの大きさによるトルクの比率を調節することができる。
磁化自由層120は、調節されたトルクの比率に基づいて、磁化方向が上又は下方向にランダムに整列される。
これによって、スピン軌道トルク乱数発生器100は、ランダムに整列された磁化方向に基づいてスイッチング出力される電流に基づいて乱数を発生させることができる。
磁化自由層120のランダムに整列された磁化方向が、磁化固定層121の磁化方向と同一又は反対であるかによって、スピン軌道トルク乱数発生器100の抵抗状態がハイインピーダンス状態又はローインピーダンス状態に決定され、決定された状態に応じて出力される電流に基づいて任意の数が決定されることによって、スピン軌道トルク乱数発生器100は乱数を発生させることができる。
例えば、トルクの比率は、第2スピントルク層111の厚さが増加する場合に、フィールドトルクの大きさは維持される状態でダンピングトルクの大きさが減少することによって増加し、第2スピントルク層111の厚さが減少する場合に、フィールドトルクの大きさは維持される状態でダンピングトルクの大きさが増加することによって減少することができる。
第1スピントルク層110は、Ta、W及びPtのいずれか1つの金属で形成されてもよい。
第2スピントルク層111は、Nbで形成されてもよい。
第1スピントルク層110は、ダンピングトルクの効率が大きい金属で形成され、第2スピントルク層111は、フィールドトルクの効率が大きい金属で形成するものの、ダンピングトルクの効率が第1スピントルク層110よりも低い物質で形成され得る。
すなわち、第1スピントルク層110の形成物質及び第2スピントルク層111の形成物質は、上述した例示に限定されず、同じ性能を具現できる物質で代替可能である。
例えば、第2スピントルク層111は、1nm~15nmの厚さで形成されてもよい。
一例として、スピン軌道トルク乱数発生器100は、第1スピントルク層110及び第2スピントルク層111に基づいて、スピン軌道トルクの成分のうちのダンピングトルクに比べてフィールドトルクの比率が高い前記トルクの比率に応じて、磁化方向をスイッチングするスイッチング電流の大きさが減少し、磁化方向がスイッチングされるスイッチング効率が増加することができる。
本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器100は、繰り返して注入される電流に対して前記トルクの比率に応じて出力される電流に基づいた乱数に対する乱数列のエントロピー(entropy)値が、ランダム性と関連する基準値よりも高いことによって乱数生成機能を実現することができる。
したがって、本発明は、スピントルク層に基づいてスピン軌道トルク(spin-orbit torque、SOT)スイッチングが可能であり、スピン軌道トルクの成分のうちダンピングトルク(damping-like torque、DLT)とフィールドトルク(field-like torque、FLT)との比率の制御による低いスイッチング電流値及び高いエントロピー(entropy)の乱数生成機能を有するスピン軌道トルク乱数発生器を具現することができる。
図2は、本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器の乱数発生動作を説明する図である。
図2は、本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器の乱数発生動作と関連して、スピン軌道トルク素子が乱数発生器として動作可能な原理を例示する。
図2を参照すると、第1状態200は、電流が印加されるオンの場合のスピン軌道トルク素子の状態を例示し、第2状態210は、電流が印加されないオフの場合のスピン軌道トルク素子の状態を例示する。
第1状態200は、スピントルク発生層に面内(in-plane)電流を入れると、スピンが上下に分類され、スピン電流によるトルクが2種類存在する。ここで、2種類のトルクは、ダンピングトルクとフィールドトルクである。
ブロック図を見ると、2種類のトルクによって、磁化自由層の磁化が最初は垂直となり、トルクを受けると、X方向である面内方向に決定される。
すなわち、電流を注入すれば、安定した垂直方向に立っていた磁化がX方向に横たわって面内に付く。
一方、エネルギーバンドを見ると、エネルギー状態が特定の位置に固定されることを確認することができる。
電流の注入が中断された第2状態210は、面内に印加される電流が中断される場合に、磁化方向は、不安定な状態である面内方向から同等に安定した上側又は下側方向に落ちる。
一方、エネルギーバンドを見ると、エネルギー状態が特定の位置に固定されずに、2つの方向のうちの1つの方向にランダムに変更される。
ここで、上側又は下側方向に変更される磁化方向に基づいて“1”又は“0”に決定されることによって、ランダム性で決定されるバイナリデータに基づいて乱数発生器として動作することができる。
一方、“1”又は“0”に決定される比率及びスイッチングの効率は、ダンピングトルクに対するフィールドトルクの比率が影響を及ぼすが、ダンピングトルクに比べてフィールドトルクの比重が高いので、低いスイッチング電流値及び高いエントロピーの乱数生成機能として適用され得る。
図3は、本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器のダンピングトルクとフィールドトルクとの比率の制御構造を説明する図である。
図3は、本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器のダンピングトルクとフィールドトルクとの比率の制御構造と関連して、第2スピントルク層の厚さによるダンピングトルクとフィールドトルクとの比率を例示する。
図3を参照すると、本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器の第1構造300は、第1スピントルク層301、第2スピントルク層302及び磁化自由層303を含む。
本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器の第2構造310は、第1スピントルク層311、第2スピントルク層312及び磁化自由層313を含む。
第1構造300のダンピングトルク304に対するフィールドトルク305のトルクの比率と、第2構造310のダンピングトルク314に対するフィールドトルク315のトルクの比率とを比較すると、第2構造310がさらに小さい。
第2スピントルク層302の厚さと、第2スピントルク層312の厚さとを比較すると、第2スピントルク層312の厚さがさらに厚く、トルクの比率が小さい。
これによって、本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器は、第2スピントルク層の厚さを調節してトルクの比率を制御することができ、トルクの比率の制御に基づいて、垂直磁気異方性及び高いエントロピーを維持し、低いスイッチング電流を有するようにすることができる。
したがって、本発明は、自由層に接触して面内電流を提供するスピントルク層に、互いに異なるスピン軌道結合の大きさを有する物質を積層して、垂直磁気異方性及び高いエントロピーを維持し、低いスイッチング電流を有するスピン軌道トルク乱数発生器を具現することができる。
図4A乃至図4Cは、本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器の3次元構造を説明する図である。
図4A及び図4Bは、本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器の3次元構造を例示する。
図4Aを参照すると、本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器の3次元構造400は、スピン軌道トルク(spin-orbit torque、SOT)の効率の測定のための構造であって、スピントルク発生層上に磁化自由層が形成された構造をなす。
本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器の素子の構造を作製するのに必要な薄膜の蒸着は、スパッタリング(sputtering)を用いることができる。
初期真空(base pressure)は、それぞれ5×10-9Torr以下であり、アルゴン(Ar)雰囲気で蒸着する。
スピン軌道トルク乱数発生器の各層の厚さは、蒸着時間及びスパッタリングパワーを用いて調節することができる。
スピン軌道トルク乱数発生器の3次元構造400は、第1スピントルク層401、第2スピントルク層402及び磁化自由層403を含む。
第1スピントルク層401は基板上に形成され、基板上には自然酸化層が形成され得る。
基板はSiで形成され得、自然酸化層はSiOで形成され、非晶質であり得る。
第1スピントルク層401及び第2スピントルク層402は、直流マグネトロンスパッタリングを用いて蒸着形成され得る。
薄膜の作製に用いたターゲットの大きさは直径2インチであり、パワーは50Wであり得る。
磁化自由層403はCoFeBで形成され得、スパッタリングターゲットの組成はCo40Fe4020(at%)であり得る。
追加的に、MgOで絶縁層が形成され、Taでキャッピング層(capping layer)が形成され得る。
薄膜の蒸着後には300℃の温度で1時間熱処理を行い、熱処理時の初期真空は10-6Torr帯域であり、熱処理中に、6k Oeの外部磁場が薄膜に垂直な方向に加えられ得る。
スピン軌道トルク乱数発生器の3次元構造400は、5×35μmの大きさの十字形状のホールバー(Hall bar)で形成され得る。
図4Bを参照すると、本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器の3次元構造410は、スピン軌道トルク(spin-orbit torque、SOT)の効率の測定のための構造であって、スピントルク発生層上に磁化自由層が形成された構造をなす。
スピン軌道トルク乱数発生器の3次元構造410は、第1スピントルク層411、第2スピントルク層412及び磁化自由層413を含む。
スピン軌道トルク乱数発生器の3次元構造410は、SOTスイッチング特性を確認するための島(island)状であって、直径5μmで形成され得る。
本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器の3次元構造410は、スピン軌道トルク(spin-orbit torque、SOT)の効率の測定のための構造であって、スピントルク発生層上に磁化自由層が形成された構造をなす。
図4Cは、本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器の3次元構造において乱数の発生について例示する。
図4Cを参照すると、第1状態420は、スピン軌道トルク乱数発生器が“On”に該当する磁化自由層の磁化方向を示し、第2状態421は、スピン軌道トルク乱数発生器の磁化自由層が「1」又は「0」に該当する磁化方向を有するようにする“Off”動作を示す。
電流パルスを注入する間、磁化は面内方向に置かれ、電流の供給を中断すると、垂直方向に対応するz方向にランダムに整列される。
整列方向は、横ホール電圧の場合に該当するスイッチング確率分布が読み出され得る。
図5A及び図5Bは、本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器の垂直磁気異方性を説明する図である。
図5A及び図5Bは、本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器の垂直磁気異方性と関連して、振動試片磁力計(vibrating sample magnetometer、VSM)を用いた面垂直方向に測定した磁気履歴曲線を例示する。
図5A及び図5Bを参照すると、グラフ500は、スピントルク発生層が、第1スピントルク層なしに、第2スピントルク層がニオブ(Nb)で形成され、厚さが5nm~15nmに調節された場合である第1実施例を示し、グラフ501は、前述した第1実施例に係る構造において薄膜面内(in-plane)方向に磁場を印加して測定した磁気履歴曲線を示す。
グラフ502は、スピントルク発生層が、第1スピントルク層がタンタル(Ta)が約3nmの厚さで形成され、第2スピントルク層がニオブ(Nb)で形成され、厚さが5nm~15nmに調節された場合である第2実施例を示し、グラフ503は、前述した第2実施例に係る構造において薄膜面内(in-plane)方向に磁場を印加して測定した磁気履歴曲線を示す。
グラフ504は、スピントルク発生層が、第1スピントルク層がタングステン(W)が約3nmの厚さで形成され、第2スピントルク層がニオブ(Nb)で形成され、厚さが5nm~15nmに調節された場合である第3実施例を示し、グラフ505は、前述した第3実施例に係る構造において薄膜面内(in-plane)方向に磁場を印加して測定した磁気履歴曲線を示す。
グラフ506は、スピントルク発生層が、第1スピントルク層がプラチナ(Pt)が約3nmの厚さで形成され、第2スピントルク層がニオブ(Nb)で形成され、厚さが1nm~15nmに調節された場合である第4実施例を示し、グラフ507は、前述した第4実施例に係る構造において薄膜面内(in-plane)方向に磁場を印加して測定した磁気履歴曲線を示す。
グラフ501、グラフ503、グラフ505及びグラフ507によれば、第2スピントルク層がニオブで形成される場合に、磁化自由層に対する垂直磁気異方性を有することを示す。
また、第2スピントルク層の厚さを変化させても垂直磁気異方性が発現されることを確認することができる。
図6及び図7は、本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器のダンピングトルクとフィールドトルクとの比率の制御に対する実験測定の結果を説明する図である。
図6は、本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器のダンピングトルクとフィールドトルクとの比率の制御と関連して、Nb/CoFeB/MgO/Ta、そして、Ta(W,Pt)/Nb/CoFeB(Ptの場合には厚さが変更可能である。)/MgO/Ta構造において、ハーモニックス測定法を用いて測定したニオブの厚さによるダンピングトルク(ξDL)及びフィールドトルク(ξFL)の効率に対する測定結果を例示する。
図6を参照すると、グラフ600は、スピントルク発生層がNbのみで形成される場合に該当する第1実施例に対するダンピングトルク及びフィールドトルクの効率に対する測定結果を示す。
グラフ601は、スピントルク発生層が、第1スピントルク層がTaで形成され、第2スピントルク層がNbで形成される場合に該当する第2実施例に対するダンピングトルク及びフィールドトルクの効率に対する測定結果を示す。
グラフ602は、スピントルク発生層が、第1スピントルク層がWで形成され、第2スピントルク層がNbで形成される場合に該当する第3実施例に対するダンピングトルク及びフィールドトルクの効率に対する測定結果を示す。
グラフ603は、スピントルク発生層が、第1スピントルク層がPtで形成され、第2スピントルク層がNbで形成される場合に該当する第4実施例に対するダンピングトルク及びフィールドトルクの効率に対する測定結果を示す。
グラフ600は、フィールドトルク及びダンピングトルクは、ニオブの厚さが増加するほど、それに伴って大きくなる傾向があり、次第に飽和する特徴を示す。
ダンピングトルクの効率は約-0.03であって、他の重金属(W:-0.33、Ta:-0.12、Pt:0.09など)に比べて低い値であるが、フィールドトルクの効率は0.09であって、フィールドトルク/ダンピングトルクの比率(以下、「η」という)が約3と高く示される。
グラフ601~グラフ603によるTa、W、Pt/Nb構造の場合、ダンピングトルクの効率が大きい重金属を意図的にニオブ層の下に配置したので、ニオブの厚さが小さいほど、Ta、W、そしてPt層が自由層に加えるダンピングトルクの影響が強くなり、全体素子のダンピングトルクの効率が増加する傾向を示す。
反面、非磁性層/磁性自由層の界面から特性が出ると知られているフィールドトルクの場合、ニオブの厚さによる変化率が、ダンピングトルクに比べて僅かである。
特徴的にPt/Nb構造の場合、PtとNbのスピン軌道結合の符号は互いに反対であるため、2つの層から出るトルクは互いに競合し、ニオブの影響が大きくなるほど(厚さが厚くなるほど)、全体効率の符号が変わる地点が確認され、その後には次第に飽和する傾向を示すことを確認することができる。
図7は、本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器のダンピングトルクとフィールドトルクとの比率の制御と関連して、Nb/CoFeB/MgO/Ta、そして、Ta(W,Pt)/Nb/CoFeB/MgO/Ta(単位:nm)構造において、ハーモニックス測定法を用いて測定したニオブの厚さによるフィールドトルクとダンピングトルクとの比率を例示する。
図7を参照すると、グラフ700及びグラフ701は、図6で確認したニオブの厚さによる、各構造のダンピングトルクに対するフィールドトルクの比率(η)を示す。
比率(η)は、-0.5から-3まで変化する値を示し、グラフ700でのNb構造は、4つの構造の中で最も高い比率(η)を示すことができる。
グラフ701によれば、Ta、W又はPt/Nb構造は、ニオブの影響が小さいほど、重金属層の大きなダンピングトルクの影響をよく受けるため、高いダンピングトルクの効率を示すのに対し、フィールドトルクの効率は変化が僅かであるため、比率(η)が次第に減少する傾向を示す。
図8A乃至図10は、本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器において、ダンピングトルクとフィールドトルクとの比率の制御と関連するスイッチング動作及び効率を説明する図である。
図8A及び図8Bは、本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器において、ダンピングトルクとフィールドトルクとの比率の制御と関連するスイッチング動作及び効率と関連して、互いに異なる比率(η)を有する8つの素子のスイッチング確率分布(PSW)、及びそれによるスイッチング動作電流(ISW)を例示する。
図8Aを参照すると、グラフ800は、比率(η)が-1.22である場合のスイッチング確率分布及びスイッチング動作電流を例示し、グラフ801は、比率(η)が-1.53である場合のスイッチング確率分布及びスイッチング動作電流を例示し、グラフ802は、比率(η)が-1.63である場合のスイッチング確率分布及びスイッチング動作電流を例示し、グラフ803は、比率(η)が-2.02である場合のスイッチング確率分布及びスイッチング動作電流を例示する。
図8Bを参照すると、グラフ804は、比率(η)が-2.18である場合のスイッチング確率分布及びスイッチング動作電流を例示し、グラフ805は、比率(η)が-2.24である場合のスイッチング確率分布及びスイッチング動作電流を例示し、グラフ806は、比率(η)が-2.40である場合のスイッチング確率分布及びスイッチング動作電流を例示し、グラフ807は、比率(η)が-3.03である場合のスイッチング確率分布及びスイッチング動作電流を例示する。
例えば、グラフ800~グラフ807は、4点プローブ法(four-point probe)を用いてスイッチング確率分布(PSW)及びスイッチング動作電流(ISW)が測定された結果を示す。
全ての電流パルスは、外部磁場のない環境で注入され、パルスの長さは全て10μsecで同一であり、同じ大きさのパルスは50回ずつ繰り返し注入された。
小さな大きさのパルスによるSOTは、自由層を完全に横たえるには十分でないため、スイッチング確率は0である。
注入するパルスの大きさを増加させるほど、スイッチングが発生する確率が増加し、ついには50%に収束するようになる。
この傾向は、ボルツマンシグモイド関数(Boltzmann sigmoidal function)に従い、これを用いてスイッチング確率が49%となる電流パルスの大きさをスイッチング電流と定義することができる。
図9は、本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器において、ダンピングトルクとフィールドトルクとの比率の制御と関連する、互いに異なる比率(η)を有する8つの素子のスイッチング電流密度(Jsw)を保磁力場(H)で標準化した場合、その値の比率(η)に対する傾向性を例示する。
図9を参照すると、グラフ900は、図8A及び図8Bで説明されたグラフ800~グラフ807での比率(η)に対するスイッチング電流の値をスイッチング電流密度/保磁力場(Jsw/H)に換算し、その値は、比率(η)の大きさに対する傾向性を示す。
多磁区の磁性層を有するスピン軌道トルク素子のスイッチング電流密度は、保磁力場の大きさに比例する傾向を示す。
したがって、互いに異なる物質及び構造を有する8つの素子の電流密度に比率(η)のみが与える影響を確認するために、各素子の保磁力場を割ることによって標準化することができる。
その結果、比率(η)の値が大きいほど、さらに高いスイッチング効率を示すことを確認することができる。
したがって、本発明は、乱数発生器用SOTの素材として低いDLT及び高いFLT効率を有するスピントルク層の物質として、DLTに比べてFLTの比率が増加する物質候補を提供することができる。
図10は、本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器において、ダンピングトルクとフィールドトルクとの比率の制御と関連する、比率(η)の大きさがスイッチング電流密度に及ぼす影響を示すマクロスピン近似(macrospin approximation)を用いたFokker-Planck計算結果を例示する。
図10を参照すると、グラフ1000及びグラフ1001は、マクロスピン近似(macrospin approximation)を用いたFokker-Planck計算結果であって、比率(η)の大きさがスイッチング電流密度にどのような影響を与えるかを示す。
比率(η)が大きければ大きいほど、スピン軌道トルク素子のスイッチングに必要な電流密度は低くなり、これは、前の図で説明された実験結果を裏付ける。
グラフ1000は、第1スピントルク層に流れる充電電流のパルス幅が50nsであり、上昇時間が2nsであり得る。
グラフ1001は、スイッチング電流密度(JSW)を示し、ここで、スイッチング確率(PSW)は50%である。
グラフ1001は、理論的(theoretical)結果と実験結果が類似の形態を示すことを示す。
図11は、本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器のスイッチング確率及び乱数列のエントロピーテストの結果を説明する図である。
図11は、本発明の一実施例に係るスピン軌道トルク乱数発生器のスイッチング確率及び乱数列のエントロピーテストの結果を例示する。
図11を参照すると、グラフ1100は、第2スピントルク層のみを含むスピントルク発生層を含むスピン軌道トルク乱数発生器、及び第1及び第2スピントルク層を含むスピントルク発生層を含むスピン軌道トルク乱数発生器のスイッチング確率を示す。
比率(η)の大きさが互いに異なる3つの素子を選別して乱数列を生成し、各ストリングの乱数性がどうなのかを検査したものである。
比率(η)の大きさに対する影響を確認するために、次のような3つの素子を選別した。
第1素子は、第2スピントルク層がNbで形成された場合であり、第2素子は、第2スピントルク層がNbで形成され、第1スピントルク層がWで形成され、第3素子は、第2スピントルク層がNbで形成され、第1スピントルク層がPtで形成される。
グラフ1100における第1素子での比率(η=-3.03)、第2素子での比率(η=-2.18)、第3素子での比率(η=-1.53)である。
各素子から乱数を得る方法は、次の通りである。まず、外部磁場下でSOTスイッチングが確保されるかを確認する。
その後、外部磁場のない環境で十分な大きさの電流パルスを1,000回注入する。このとき、スイッチングが発生すれば「1」、そうでなければ「0」と入力する。
毎1,000回の乱数生成後には、再び外部磁場下でSOTスイッチングが確保されるかを検証して、乱数列が正常作動する素子から得られたものかを確認する。
各素子が反復的な電流の注入による劣化によりスイッチング動作を行えなくなるまで生成した乱数列は、第1素子は308,683ビットであり、第2素子は188,406ビットであり、第3素子は392,156ビットであり得る。
素子のスイッチング確率は、それぞれ49.93%、49.99%、49.79%であり得る。
グラフ1101は、第2スピントルク層のみを含むスピントルク発生層を含むスピン軌道トルク乱数発生器、及び第1及び第2スピントルク層を含むスピントルク発生層を含むスピン軌道トルク乱数発生器で生成した乱数列の最小エントロピーテストの結果を示す。
グラフ1101は、乱数列のランダム性を確認するために、NIST(Institute of Standards and Technology)で提供するNIST SP 800-90Bテストを行った結果である。
このテストは、ランダム性をエントロピーで示す10種類の評価法則(estimator)を用いて、その中で最も低い値(Min-entropy)を当該乱数列の代表エントロピー値として示しており、下記の表1のようにまとめることができる。
表1では、第1素子(Device #1)、第2素子(Device #2)、及び第3素子(Device #3)に対して、推定器(Estimator)を用いた各乱数列のテスト結果及び低い値(Min-entropy)を示す。
第1素子は、スピントルク発生層がNbで形成される構造であり、第2素子は、スピントルク発生層が第1スピントルク層と第2スピントルク層で形成され、第1スピントルク層がWで形成され、第2スピントルク層がNbで形成される。
最後に、第3素子は、第1スピントルク層がPtで形成され、第2スピントルク層がNbで形成される。
エントロピー値がn(0≦n≦1)である場合、1ビット(bit)の乱数を生成するために1/n回の動作が必要であるということを意味し、完璧な乱数発生器の場合、エントロピーnが1であり得る。
各乱数列のNIST SP800-90Bテストの結果は、図10から確認することができる。3つの素子のMin-entropy値は、それぞれ0.825407、0.825778、及び0.891471であって、ηの大きさに関係なく、高いエントロピー値を確保することができる。
したがって、本発明は、DLTに比べてFLTの比率が増加する物質候補ベースのスピントルク層及び磁性層の構造に基づいて、FLTのDLTに対する比率及びエントロピーを調節することで、乱数生成機能を維持しながら、低いスイッチング電流を有するスピン軌道トルク乱数発生器を具現することができる。
上述した具体的な実施例において、発明に含まれる構成要素は、提示された具体的な実施例によって単数又は複数で表現された。
しかし、単数又は複数の表現は、説明の便宜のために提示した状況に適するように選択されたものであって、上述した実施例が単数又は複数の構成要素に制限されるものではなく、複数で表現された構成要素であっても単数で構成されてもよく、単数で表現された構成要素であっても複数で構成されてもよい。
一方、発明の説明では具体的な実施例について説明したが、様々な実施例が内包する技術的思想の範囲から逸脱しない限り、様々な変形が可能であることは勿論である。
したがって、本発明の範囲は、説明された実施例に限定されて定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等なものによって定められなければならない。
100 スピン軌道トルク乱数発生器
110、301、311、401、411 第1スピントルク層
111、302、312、402、412 第2スピントルク層
120、303、313、403、413 磁化自由層
121 磁化固定層
130 トンネルバリア層
300 第1構造
310 第2構造
304、314 ダンピングトルク
305、315 フィールドトルク

Claims (8)

  1. 第1スピントルク層及び第2スピントルク層を含むスピントルク発生層、磁化自由層、トンネルバリア層、及び磁化固定層を含み、
    前記第2スピントルク層は、前記磁化自由層と前記第1スピントルク層との間に位置し、前記磁化自由層の磁化方向と関連するフィールドトルク(field-like torque、FLT)及びダンピングトルク(damping-like torque、DLT)を発生させ、
    前記第1スピントルク層は、前記第2スピントルク層の厚さが調節されることで前記ダンピングトルクの大きさに対する前記フィールドトルクの大きさによるトルクの比率を調節し、
    前記磁化自由層は、前記調節された前記トルクの比率に基づいて、磁化方向が上又は下方向にランダムに整列され、
    前記ランダムに整列された磁化方向に基づいてスイッチング出力される電流に基づいて乱数を発生させ
    前記トルクの比率は、前記第2スピントルク層の厚さが増加する場合に、前記フィールドトルクの大きさは維持される状態で前記ダンピングトルクの大きさが減少することによって増加し、前記第2スピントルク層の厚さが減少する場合に、前記フィールドトルクの大きさは維持される状態で前記ダンピングトルクの大きさが増加することによって減少し、
    前記第1スピントルク層は、前記ダンピングトルクの効率が高い金属で形成され、
    前記第2スピントルク層は、前記フィールドトルクの効率が高い金属であって、前記ダンピングトルクの効率が前記第1スピントルク層よりも低い物質で形成されることを特徴とする、スピン軌道トルク乱数発生器。
  2. 前記第1スピントルク層は、Ta、W及びPtのいずれか1つの金属で形成され、
    前記第2スピントルク層はNbで形成されることを特徴とする、請求項1に記載のスピン軌道トルク乱数発生器。
  3. 前記第2スピントルク層は、1nm~15nmの厚さで形成されることを特徴とする、請求項に記載のスピン軌道トルク乱数発生器。
  4. 前記第1スピントルク層及び前記第2スピントルク層に基づいて、スピン軌道トルクの成分のうちの前記ダンピングトルクに比べて前記フィールドトルクの比率が高い前記トルクの比率に応じて、前記磁化方向をスイッチングするスイッチング電流の大きさが減少し、前記磁化方向がスイッチングされるスイッチング効率が増加することを特徴とする、請求項1に記載のスピン軌道トルク乱数発生器。
  5. 繰り返して注入される電流に対して前記トルクの比率に応じて出力される電流に基づいた乱数に対する乱数列のエントロピー(entropy)値が、ランダム性と関連する基準値よりも高いことによって乱数生成機能を実現することを特徴とする、請求項に記載のスピン軌道トルク乱数発生器。
  6. 第1スピントルク層及び第2スピントルク層を含むスピントルク発生層を形成するステップと、
    前記スピントルク発生層上に磁化自由層を形成するステップと、
    前記磁化自由層上にトンネルバリア層を形成するステップと、
    前記トンネルバリア層上に磁化固定層を形成してスピン軌道トルク乱数発生器を形成するステップとを含み、
    前記第2スピントルク層は、前記磁化自由層と前記第1スピントルク層との間に位置し、前記磁化自由層の磁化方向と関連するフィールドトルク(field-like torque、FLT)及びダンピングトルク(damping-like torque、DLT)を発生させ、
    前記第1スピントルク層は、前記第2スピントルク層の厚さが調節されることで前記ダンピングトルクの大きさに対する前記フィールドトルクの大きさによるトルクの比率を調節し、
    前記磁化自由層は、前記調節された前記トルクの比率に基づいて、磁化方向が上又は下方向にランダムに整列され、
    前記スピン軌道トルク乱数発生器は、前記ランダムに整列された磁化方向に基づいてスイッチング出力される電流に基づいて乱数を発生させ
    前記トルクの比率は、前記第2スピントルク層の厚さが増加する場合に、前記フィールドトルクの大きさは維持される状態で前記ダンピングトルクの大きさが減少することによって増加し、前記第2スピントルク層の厚さが減少する場合に、前記フィールドトルクの大きさは維持される状態で前記ダンピングトルクの大きさが増加することによって減少し、
    前記第1スピントルク層は、前記ダンピングトルクの効率が高い金属で形成され、
    前記第2スピントルク層は、前記フィールドトルクの効率が高い金属であって、前記ダンピングトルクの効率が前記第1スピントルク層よりも低い物質で形成されることを特徴とする、スピン軌道トルク乱数発生器の製造方法。
  7. 前記スピントルク発生層を形成するステップは、
    前記第1スピントルク層をTa、W及びPtのいずれか1つの金属で形成するステップと、
    前記第2スピントルク層をNbで形成するステップとを含むことを特徴とする、請求項に記載のスピン軌道トルク乱数発生器の製造方法。
  8. 前記第2スピントルク層は、1nm~15nmの厚さで形成されることを特徴とする、請求項に記載のスピン軌道トルク乱数発生器の製造方法。
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