JP2017216286A - スピントロニクスデバイス及びこれを用いた記憶装置 - Google Patents

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Kazuya Ando
和也 安藤
紅雨 安
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紅雨 安
裕介 菅野
Yusuke Sugano
裕介 菅野
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Nagisa Enishi
渚 江西
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Abstract

【課題】電流−スピン流変換効率を向上させることができるスピントロニクスデバイス及びこれを用いた記憶装置を提供する。【解決手段】スピントロニクスデバイスは、強磁性層12と、強磁性層12上に設けられ、スピン軌道相互作用を示す金属からなる常磁性層13と、常磁性層13上に設けられた常磁性層13の酸化物からなる酸化膜14とを備える。記憶装置は、第1の強磁性層と、第1の強磁性層上に設けられた非磁性層と、非磁性層上に設けられた第2の強磁性層と、第2の強磁性層上に設けられ、スピン軌道相互作用を示す金属からなる常磁性層と、常磁性層上に設けられた常磁性層の酸化物からなる酸化膜とを備え、第1及び第2の強磁性層の磁化の向きに応じた情報が記憶される記憶素子を複数個配列する。【選択図】図1

Description

本発明は、スピントロニクスデバイス及びこれを用いた記憶装置に関する。
近年、電子のスピンの自由度を利用したスピントロニクスが注目を集めており、省エネルギーなスピントロニクスデバイスを実現するために、スピン流を用いた磁化の制御手法に関する研究が進められている。例えば、強磁性金属層と常磁性金属層との界面において、常磁性金属層で生成されたスピン流を利用した強磁性金属層の磁気的状態の制御手法が提案されている(特許文献1参照。)。
国際公開第2008/123023号公報
低消費電力でより安定且つ高速で動作するスピントロニクスデバイスの実現には、物質中のスピン軌道相互作用に由来する電流−スピン流変換効率の向上が必要不可欠であり、様々な物質群における物質探索が進められている。
本発明は、電流−スピン流変換効率を向上させることができるスピントロニクスデバイス及びこれを用いた記憶装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、(a)強磁性層と、(b)強磁性層上に設けられ、スピン軌道相互作用を示す金属からなる常磁性層と、(c)常磁性層上に設けられた常磁性層の酸化物からなる酸化膜とを備えるスピントロニクスデバイスであることを要旨とする。
本発明の他の態様は、(a)第1の強磁性層と、(b)第1の強磁性層上に設けられた非磁性層と、(c)非磁性層上に設けられた第2の強磁性層と、(d)第2の強磁性層上に設けられ、スピン軌道相互作用を示す金属からなる常磁性層と、(e)常磁性層上に設けられた常磁性層の酸化物からなる酸化膜とを備え、第1及び第2の強磁性層の磁化の向きに応じた情報が記憶される記憶素子を複数個配列した記憶装置であることを要旨とする。
本発明によれば、電流−スピン流変換効率を向上させることができるスピントロニクスデバイス及びこれを用いた記憶装置を提供することができる。
図1(a)は、本発明の実施形態に係るスピントロニクスデバイスの一例を示す断面図であり、図1(b)は、本発明の実施形態に係るスピントロニクスデバイスの他の一例を示す断面図である。 スピンホール効果を説明するための概略図である。 スピン流と磁化の相互作用を説明するための概略図である。 強磁性共鳴の測定装置の構成の一例を示す概略図である。 強磁性共鳴の測定装置の構成の一部を拡大した概略図である。 強磁性共鳴スペクトルの一例を示すグラフである。 図7(a)〜図7(c)は、試料A〜Cの強磁性共鳴スペクトルの測定結果を示すグラフである。 図8(a)〜図8(c)は、試料A〜Cの強磁性共鳴スペクトルの測定結果を対称成分及び非対称成分に分けて示すグラフである。 図9(a)〜図9(c)は、試料A〜Cの生成直流電圧を示すグラフである。 図10(a)〜図10(c)は、試料A〜Cの電流−スピン流変換効率を示すグラフである。 試料CのX線光分子分光法(XPS)スペクトルを示すグラフである。 試料Cの初期状態のXPSスペクトルを示すグラフである。 図13(a)〜図13(c)は、試料Cの初期状態〜15秒後のXPSスペクトルを順次示すグラフである。 図14(a)及び図14(b)は、試料C及び比較例の生成直流電圧を示すグラフである。 図15(a)及び図15(b)は、試料C及び比較例の電流−スピン流変換効率を示すグラフである。 本発明の実施形態に係るスピントロニクスデバイスの応用例である記憶装置の一例を示す概略図である。 図17(a)は、本発明の実施形態に係る記憶素子の磁化が平行状態である場合を示す断面図であり、図17(b)は、本発明の実施形態に係る記憶素子の磁化が反平行状態である場合を示す断面図である。
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を貼付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
また、本明細書において、「上側」「下側」等の「上」「下」の定義は、図示した断面図上の単なる表現上の問題であって、例えば、スピントロニクスデバイスの方位を反時計回りに90°変えて観察すれば「上」「下」の称呼は、「左」「右」になり、180°変えて観察すれば「上」「下」の称呼の関係は逆になることは勿論である。
(スピントロニクスデバイスの構成)
本発明の実施形態に係るスピントロニクスデバイスは、図1(a)に示すように、支持基板11と、支持基板11上に設けられた強磁性層12と、強磁性層12上に設けられ、スピン軌道相互作用を示す金属からなる常磁性層13と、常磁性層13上に設けられた常磁性層13の酸化物からなる酸化膜14とを備える。
支持基板11としては、例えば熱酸化シリコン(SiO)基板、サファイヤ基板、酸化マグネシウム(MgO)基板、ガラス基板等が使用可能である。
強磁性層12の厚さは例えば4nm〜20nm程度である。強磁性層12の材料としては、例えば、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、ガドリニウム(Gd)、ツンデレビウム(Td)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)若しくはツリウム(TM)等の単体金属、パーマロイ(Fe−Ni)、コバルト鉄ボロン(CoFeB)、Fe−Co、ネオジウム鉄ボロン(NdFe14B)、Fe−Ni−Co−アルミニウム(Al)若しくはサマリウムコバルト(SMCo)等の合金、イットリウム鉄ガーネット(YIG)、又は四酸化三鉄(Fe)若しくはγ−Fe等の酸化鉄等が使用可能である。パーマロイとしては、Ni80Fe20、Ni81Fe19等が挙げられる。
常磁性層13の厚さは例えば5nm〜10nm程度である。常磁性層13の材料としては、本発明の実施形態では、比較的弱いスピン軌道相互作用を示す銅(Cu)について例示し、本発明が電流−スピン流変換効率を向上させることに効果があることを示す。即ち、Cuは、常磁性層13として通常採用されている白金(Pt)、タンタル(Ta)又はタングステン(W)等と比較して弱いスピン軌道相互作用を示す材料である。スピン軌道相互作用とは、物質中を運動する電子がそのスピン方向に応じた力を受けるような相互作用である。このスピン軌道相互作用により、電流とスピン流は相互に変換される。電流からスピン流が生じる現象はスピンホール効果、スピン流から電流が生じる現象は逆スピンホール効果として知られている。
酸化膜14の厚さは例えば1nm〜15nm程度であり、より好ましくは3nm〜15nm程度である。酸化膜14は、常磁性層13の表面が酸化されて形成された常磁性層13の酸化物からなる層である。常磁性層13がCuからなる場合、酸化膜14はCuの酸化物からなる。Cuの酸化物としては、酸化第一銅(CuO)、酸化第二銅(CuO)及びこれらの複合膜等が挙げられる。更に、Cuの酸化物として、CuO0.67等の非化学等量的酸化物が含まれていてもよい。本発明者らは、強磁性層12及び常磁性層13の複合構造において、常磁性層13上に酸化膜14を形成することにより、電流−スピン流変換効率を向上させることを見出した。
本発明の実施形態に係るスピントロニクスデバイスは、図1(b)に示すように、酸化膜14上に設けられた絶縁膜からなるキャップ層15を更に備えるようにしてもよい。キャップ層15としては、シリコン酸化膜(SiO膜)やシリコン窒化膜(Si膜)等の酸素の透過率の小さな絶縁膜が採用可能である。キャップ層15の厚さが厚いほど、或いはキャップ層15の酸素の透過率が小さいほど、キャップ層15を酸素が透過し難くなる。このため、キャップ層15を形成した後には、常磁性層13の表面の酸化の進行が抑制される。
酸化膜14の厚さを制御して酸化膜14を形成するためにキャップ層15を用いる場合は、キャップ層15の種類及び厚さを調整することにより、常磁性層13の表面に形成される酸化膜14の厚さを制御可能である。キャップ層15の厚さは、キャップ層15の耐酸素透過特性に依存するが、SiO膜の場合には例えば0.5nm〜2.0nm程度である。
一方、常磁性層13の表面に酸化膜14が形成された後に、常磁性層13の表面の酸化の進行(換言すれば、酸化膜14の厚さの増大)を抑制する目的でキャップ層15を採用している場合は、キャップ層15を厚さ1nm程度以上に厚く形成してもよい。酸化膜14を形成後にキャップ層15を厚く形成することにより、酸化膜14の膜厚の増大を抑制するパッシベーション膜や保護膜として機能させることができる。
本発明の実施形態に係るスピントロニクスデバイスは、スピン角運動量の流れであるスピン流を利用して動作する。スピン流は磁化と相互作用する性質を有し、原理的にジュール熱を伴わない。図2に模式的に示すように、常磁性層13中に電流Jが流れると、スピン軌道相互作用によりアップスピンの電子とダウンスピンの電子が分離して曲がり、電流Jの流れる方向と直交する方向にスピン流Jが流れる。即ち、電流Jがスピン流Jに変換されるスピンホール効果が生じる。
スピン流Jは、式(1)で示すように、電流Jとスピン方向σの積に比例する。

∝ J×σ …(1)
常磁性層13のスピン流Jは強磁性層12の磁化と相互作用し、強磁性層12の磁化を傾ける方向に働くスピントルクを生じさせる。図3に模式的に示すように、強磁性層12において、フィールドトルクTにより、磁化Mが磁場Hの方向を軸として歳差運動を行う。ダンピングトルクTは、磁化Mの歳差運動を減衰させる方向に働く。一方、スピントルクTは、ダンピングトルクTとは逆方向に、磁化Mを傾ける方向に働く。
スピンS,Sがあるときに、交換相互作用(交換エネルギー)Eは、交換定数(>0)をJとして、式(2)で表すことができる。
Figure 2017216286
角運動量保存の法則により、磁化をM、スピン流をjとして、式(3)が成り立つ。

dM/dt=−∇・j …(3)
図1(a)に示したスピントロニクスデバイスの酸化膜14は、常磁性層13を自然酸化することにより形成可能である。例えば、スパッタリング法等により、支持基板11上に、強磁性層12、常磁性層13を順次堆積した積層体を、常磁性層13の表面が露出した状態で大気中で数時間〜数日間放置することにより、常磁性層13が自然酸化し、常磁性層13の酸化膜14が形成される。その後、図1(b)に示すように、スパッタリング法等により、酸化膜14上にキャップ層15を形成すれば、酸化膜14の膜厚の増大を抑制することができる。
このように、図1(a)に示したキャップ層15は必ずしもスピントロニクスデバイスの本質的な動作に影響を与えるものではないが、動作の安定性や信頼性のためにはあった方が好ましい。
試料Aは、図1(b)に対応する構造であり、SiOからなる支持基板11上に、スパッタリング法により、厚さ8nmのNi81Fe19からなる強磁性層12、厚さ10nmのCuからなる常磁性層13、厚さ1.0nmのSiO膜からなるキャップ層15を順次堆積した積層体を、大気中で5時間放置してキャップ層15を介して常磁性層13を自然酸化させて、常磁性層13の表面に極僅かの酸化膜14を形成した試料である。
試料Bは、図1(b)に対応する構造であるが、キャップ層15が試料Aよりも薄い。即ち、試料Bは、SiOからなる支持基板11上に、スパッタリング法により、厚さ8nmのNi81Fe19からなる強磁性層12、厚さ10nmのCuからなる常磁性層13、厚さ0.5nmのSiO膜からなるキャップ層15を順次堆積した積層体を、大気中で5時間放置してキャップ層15を介して常磁性層13を自然酸化させて、常磁性層13の表面に酸化膜14を形成した試料である。試料Bは、試料Aに対してキャップ層15の厚さが薄いため、酸化膜14の厚さが厚くなっている。
試料Cは、図1(a)に対応する構造であり、SiOからなる支持基板11上に、スパッタリング法により、厚さ8nmのNi81Fe19からなる強磁性層12、厚さ10nmのCuからなる常磁性層13を順次堆積した積層体を、常磁性層13の表面が露出した状態で、大気中で5時間放置して常磁性層13を自然酸化させて、常磁性層13の表面に厚さ2.5nm程度の酸化膜14を形成した試料である。試料Cでは、キャップ層15が堆積されていないため、試料A,Bに対して酸化膜14の厚さが厚くなっている。
図4に、試料A〜Cの強磁性共鳴スペクトルの測定装置の構成を例示する。なお、図4では試料Cを測定対象とする場合を例示するが、試料A,Bを測定対象とする場合も同様の構成である。図4に示すように、支持基板11上の常磁性層13及び強磁性層12を挟むように対向して電極21及び電極22を配置する。電極21は接地され、電極22には、バイアスティー23のコンデンサCを介して発振器24が接続されている。電極22とコンデンサCの間には、バイアスティー23のコイルLを介して電圧計25が接続されている。
図4に示した発振器24により高周波信号を試料Cに印加すると、図5に模式的に示すように、正スピンホール効果により、常磁性層13において電流Jがスピン流Jに変換される。常磁性層13のスピン流Jは強磁性層12の磁化Mと相互作用して、スピントルクが強磁性共鳴を駆動する。バイアスティー23を用いて直流電圧を切り分けて電圧計25により検出することにより、スピントルクに起因した強磁性共鳴スペクトルを測定することができる。
強磁性共鳴スペクトルの測定原理としては、磁気抵抗効果によって、磁化と電流の成す角度により抵抗が変化する。角周波数をω、時刻をtとして、入力電流はcos(ωt)に比例し、試料Cの抵抗はcos(ωt)に比例する。試料Cで生じる電圧は、cos2(ωt)=1+cos(2ωt)に比例するので、直流成分が発生する。この直流成分をバイアスティー23を用いて測定することでスピントルク及び電流−スピン流変換効率を評価できる。
強磁性共鳴スペクトルは、以下の式(4)で表すことができる。
Figure 2017216286
ここで、Vmixは生成直流電圧、Wは強磁性共鳴スペクトルの線幅、μHは磁場、μFMRは共鳴磁場、Sは対称成分の電圧、Aは非対称成分の電圧である。対称成分はスピン流による成分であり、非対称成分は磁場による成分である。図6は、強磁性共鳴スペクトルの実験データと、式(4)を用いたフィッティングデータの一例を示す。
試料A〜Cについて、7GHzの高周波信号を印加したときの強磁性共鳴スペクトルの測定結果を図7(a)〜図7(c)に示し、強磁性共鳴スペクトルを対称成分と非対称成分に分けて図8(a)〜図8(c)に示す。また、試料A〜Cについて、4GHz〜10GHzの高周波信号を印加したときの強磁性共鳴スペクトルの測定結果を図9(a)〜図9(c)に示し、電流−スピン流変換効率ξFMRを図10(a)〜図10(c)に示す。
図8(a)〜図8(c)等から、試料C,B,Aの順で対称成分が増大していることが分かる。図10(a)〜図10(c)等から、試料C,B,Aの順で電流−スピン流変換効率ξFMRが増大していることが分かる。これは、キャップ層15の厚さが薄いほど、Cuの自然酸化により酸化膜14の厚さが厚くなり、酸化膜14の厚さが厚いほど、電流−スピン流変換効率ξFMRが増大したものと考えられる。
試料Cについて、酸化膜14の表面をプラズマエッチングしながら、X線光電分光(XPS)を測定した。XPSでは、エッチング速度20nm/minのプラズマエッチングで試料Cの表面を除去しながら、5秒毎の試料Cの表面の状態を観測した。
図11は、プラズマエッチングを開始前の初期状態(0秒)から、プラズマエッチングを開始して45秒後まで観測されたXPSスペクトルを示す。図12は、図11の初期状態のXPSスペクトルの拡大図を示し、図13(a)〜図13(d)は、図11の初期状態、プラズマエッチングを開始して5秒後、10秒後、15秒後のXPSスペクトルの拡大図をそれぞれ示す。
図12に示すように、初期状態では、CuOのピーク(約934eV)と、CuO又はCuのピーク(約932eV)が観測され、酸化膜14の表層部分はCu、CuO、CuO等を含むことが分かる。図13(a)〜図13(d)に示すように、プラズマエッチング開始から5秒後〜10秒後の時間に、CuO又はCuのピーク強度が増大していることが観測され、この時間に酸化膜14が除去されていることが分かる。よって、酸化膜14の厚さは約2.5nmであることが分かる。
更に、試料Cと、Cuよりもスピン軌道相互作用が強いPtを用いた比較例を対比する。比較例は、支持基板上に、厚さ8nmのNi81Fe19からなる強磁性層と、厚さ10nmのPtからなる常磁性層を順次積層した構造である。試料C及び比較例についての強磁性共鳴スペクトルの測定結果を図14(a)及び図14(b)に示し、電流−スピン流変換効率ξFMRを図15(a)及び図15(b)に示す。図15(a)及び図15(b)から、厚さ2.5nm程度の酸化膜14を有する試料Cが、スピン軌道相互作用が弱いCuの場合であっても、比較例と同程度以上の高い電流−スピン流変換効率ξFMRを実現していることが分かる。
以上説明したように、本発明の実施形態に係るスピントロニクスデバイスによれば、強磁性層12と常磁性層13との複合構造において、常磁性層13上に常磁性層13の酸化物からなる酸化膜14を設けたことにより、電流−スピン流変換効率を向上させることができる。したがって、本発明の実施形態に係るスピントロニクスデバイスを種々のデバイスに応用することで、省電力化のデバイスを実現可能となる。特に、常磁性層13が、スピン軌道相互作用が比較的弱いCuからなる常磁性層13を用いた場合でも、電流−スピン流変換効率を向上させることができ、安価なデバイスを製造可能となる。
なお、図1(a)に示したスピントロニクスデバイスの酸化膜14は、支持基板11上に強磁性層12及び常磁性層13を順次堆積した後に、酸化炉内で酸化ガスを流しながら加熱することにより、常磁性層13の表面を積極的に酸化して酸化膜14を形成してもよい。その後、必要に応じて、図1(b)に示すように、スパッタリング法等により酸化膜14上にキャップ層15を堆積すればよい。また、陽極酸化法や化学気相成長(CVD)法等の手法により、常磁性層13の表面に酸化膜14を堆積してもよい。
(応用デバイス)
スピントロニクスデバイスの応用例として、記憶装置(磁気ランダムアクセスメモリ)を説明する。本発明の実施形態に係る記憶装置は、図16に示すように、行方向(x方向)及び列方向(y方向)にマトリクス状に配置された記憶素子(メモリセル)Mij,Mi,(j+1),M(i+1),j,M(i+1),(j+1)を有する(i=1〜n,j=1〜m)。なお、説明の便宜上、図16ではn×mマトリクス中の2×2に配列された記憶素子Mij,Mi,(j+1),M(i+1),j,M(i+1),(j+1)を示しているが、実際にはn,m=10〜10等の多数の記憶素子が配列される。
行方向に配列された記憶素子Mij,M(i+1),jにはワード線WLがそれぞれ接続され、行方向に配列された記憶素子Mi,(j+1),M(i+1),(j+1)にはワード線WLj+1がそれぞれ接続されている。列方向に配列された記憶素子Mij,Mi,(j+1)にはビット線BLがそれぞれ接続され、列方向に配列された記憶素子M(i+1),j,M(i+1),(j+1)にはビット線BLi+1がそれぞれ接続されている。
各記憶素子Mij,Mi,(j+1),M(i+1),j,M(i+1),(j+1)には選択トランジスタSTij,STi,(j+1),ST(i+1),j,ST(i+1),(j+1)がそれぞれ接続されている。選択トランジスタSTij,STi,(j+1)のゲートには制御線CLがそれぞれ接続され、選択トランジスタST(i+1),j,ST(i+1),(j+1)のゲートには制御線CLi+2がそれぞれ接続されている。ワード線WL,WLj+1、制御線CL,CLi+1、ビット線BL,BLi+1は図示を省略した制御回路に接続される。
記憶素子Mijは、図17(a)に示すように、第1の強磁性層(固定層)31と、第1の強磁性層31上に設けられた非磁性層32と、非磁性層32上に設けられた第2の強磁性層(可動層)33と、第2の強磁性層33上に設けられ、スピン軌道相互作用を示す金属からなる常磁性層34と、常磁性層34上に設けられ、常磁性層34の酸化物からなる酸化膜35とを備える巨大磁気抵抗(GMR)素子である。常磁性層34上には、ワード線WLに接続される電極36が配置されている。第1の強磁性層(固定層)31の下には、ビット線BLに接続される電極37が配置されている。
なお、図16に示した他の記憶素子Mi,(j+1),M(i+1),j,M(i+1),(j+1)も、図17(a)に示した記憶素子Mijと同様の構成を有するGMR素子である。また、図16に示した記憶素子Mij,Mi,(j+1),M(i+1),j,M(i+1),(j+1)は、図17(a)に示した記憶素子Mijの第1の強磁性層31、非磁性層32及び第2の強磁性層33の部分を模式的に示している。
図17(a)に示した記憶素子Mijには、第1の強磁性層31及び第2の強磁性層33の相対的な磁化M,Mの向きに応じた情報が記憶される。第1の強磁性層31及び第2の強磁性層33の材料としては、強磁性層12と同様の材料が使用可能であり、例えばNi81Fe19が採用できる。第1の強磁性層31及び第2の強磁性層33としては、互いに異なる材料を使用してもよく、同じ材料を使用してもよい。第1の強磁性層31は磁化Mが固定されており、第2の強磁性層33の磁化Mは可変である。
非磁性層32の材料としては、例えば酸化アルミニウム(Al)や酸化マグネシウム(MgO)等の絶縁体が使用可能である。常磁性層34及び酸化膜35の材料としては、常磁性層13及び酸化膜14と同様の材料がそれぞれ使用可能である。常磁性層34及び酸化膜35の材料としては、例えばCu及びCuの酸化物がそれぞれ採用できる。
本発明の実施形態に係る記憶装置の記憶素子Mij,Mi,(j+1),M(i+1),j,M(i+1),(j+1)は、GMR効果を利用して情報を記憶する。書き込み時には、選択された記憶素子(ここでは記憶素子M11とする)に対応したビット線BLとワード線WLに電流を流して有効磁場を発生させ、記憶素子Mijの常磁性層34にスピン流Jが発生する。このスピン流が、第2の強磁性層33の磁化Mと相互作用し、磁化Mに対するスピン角運動量の受け渡しが起こる。この結果、第2の強磁性層33の磁化Mが反転する。
図17(a)に示すように、第1の強磁性層31及び第2の強磁性層33の磁化が平行状態にあるとき、第1の強磁性層31、非磁性層32及び第2の強磁性層33を通る縦方向の電流経路は相対的に低抵抗であり、ビット線BLを介して例えば「1」が読み出される。一方、図17(b)に示すように、第2の強磁性層33の磁化の向きが反転して、第1の強磁性層31及び第2の強磁性層33の磁化が反平行状態にあるとき、第1の強磁性層31、非磁性層32及び第2の強磁性層33を通る縦方向の電流経路は相対的に高抵抗であり、ビット線BLを介して例えば「0」が読み出される。
本発明の実施形態に係る記憶装置によれば、常磁性層34を流れるスピン流が第2の強磁性層33の磁化と相互作用し、第2の強磁性層33の磁化方向を制御できる。この際、常磁性層34の表面に常磁性層34の酸化物からなる酸化膜35を形成することにより、常磁性層34の電流−スピン流変換効率を向上させることができる。したがって、省エネルギーでの磁化反転が可能となる。
(その他の実施形態)
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。例えば、本発明の実施形態においては、支持基板11を有するスピントロニクスデバイスを説明したが、支持基板11は必ずしも有していなくてもよい。例えば、強磁性層12の磁化反転が不要な用途の場合等には、強磁性層12は必ずしも有していなくてもよい。
本発明は、スピン流の自由度をそれぞれ利用する熱電変換素子、マイクロ波発振器、スピントランジスタ及びMRAMのメモリセル等の種々のスピントロニクスデバイスに利用可能である。
11…支持基板
12,31,33…強磁性層
13,34…常磁性層
14,35…酸化膜
21,22,36,37…電極
23…バイアスティー
24…発振器
25…電圧計
32…非磁性層

Claims (5)

  1. 強磁性層と、
    前記強磁性層上に設けられ、スピン軌道相互作用を示す金属からなる常磁性層と、
    前記常磁性層上に設けられた前記常磁性層の酸化物からなる酸化膜
    とを備えることを特徴とするスピントロニクスデバイス。
  2. 前記金属が銅であり、
    前記酸化膜が酸化銅からなる
    ことを特徴とする請求項1に記載のスピントロニクスデバイス。
  3. 前記酸化膜の厚さが1nm〜15nmであることを特徴とする請求項2に記載のスピントロニクスデバイス。
  4. 前記酸化膜上に設けられた絶縁物からなるキャップ層を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のスピントロニクスデバイス。
  5. 第1の強磁性層と、
    第1の強磁性層上に設けられた非磁性層と、
    前記非磁性層上に設けられた第2の強磁性層と、
    前記第2の強磁性層上に設けられ、スピン軌道相互作用を示す金属からなる常磁性層と、
    前記常磁性層上に設けられた前記常磁性層の酸化物からなる酸化膜
    とを備え、前記第1及び第2の強磁性層の磁化の向きに応じた情報が記憶される記憶素子を複数個配列したことを特徴とする記憶装置。
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