JP7616629B2 - 硬化物、硬化性樹脂組成物、硬化物の製造方法 - Google Patents

硬化物、硬化性樹脂組成物、硬化物の製造方法 Download PDF

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Description

特許法第30条第2項適用 刊行物名 第68回高分子討論会予稿集 発行者名 公益社団法人高分子学会 発行年月日 令和1年9月11日 〔刊行物等〕 集会名 第68回高分子討論会 主催者名 公益社団法人高分子学会 開催日 令和1年9月27日
本発明は、硬化物に関する。詳しくは、グリシド酸エステル基を1以上有するエポキシ化合物の硬化物であって、アルカリ性水溶液又はリパーゼ含有水溶液により分解可能である硬化物に関する。
エポキシ樹脂は様々な用途に使用されているが、皮膚炎等のアレルギー症状を引き起こすことがある等、環境及び生体への毒性が懸念されている。特にグリシジルエーテル型のビスフェノールA型エポキシ樹脂に関しては健康被害を防止するための各種検討が行われている。フタル酸ジグリシジルエステルなどのグリシジルエステル型エポキシ樹脂はグリシジルエーテル型エポキシ樹脂と比較すると安全性が改善されるが、さらなる安全性の向上が必要である。また、一般的にビスフェノールA型エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂は難分解性である。例えば、エポキシ樹脂を用いた接着剤は、一旦接着させると再び剥離し、解体することは容易ではなく、資源リサイクルの観点からも大きな課題を抱えている。このため、使用後に容易に剥離、解体可能である易解体性接着剤などの解体性材料への需要が高まっている。
また、環境への負荷を軽減するために、生分解性樹脂の需要が増大している。しかし、一般家庭からの生ゴミと同程度の速度で生分解を受けることが確認されている樹脂は、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリアミドなどの熱可塑性樹脂に限られている。
特許文献1は、複数のアクリル酸官能基を含む化合物のアクリル酸官能基をエポキシ化し、複数のグリシド酸官能基を含むエポキシ樹脂プレポリマーを製造することを記載しており、このエポキシ樹脂プレポリマーはグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂よりも毒性が低い。特許文献2は、グリシド酸エステル基とアクリレート基を特定の割合で含有する反応性組成物の硬化物を記載しており、この硬化物はガラス転移温度を任意に調整できる。しかし、これらの樹脂の生分解性は不明である。
特開2015-214497号公報 特開2019-196315号公報
本発明は、分解性を有する硬化物を提供することを目的とする。
発明者らは、グリシド酸エステル基を含む反応性組成物を重合すると分解性を有する硬化物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記一般式(Ia):
Figure 0007616629000001
(一般式(Ia)中、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~6のアルキル、およびフェニルからなる群から選択される1価の基である)
で表されるグリシド酸エステル基を1以上有するエポキシ化合物の硬化物であって、アルカリ性水溶液又はリパーゼ含有水溶液により分解可能である硬化物に関する。
エポキシ化合物がグリシド酸エステル基を2以上有することが好ましい。
また、本発明は、前記硬化物を製造するための硬化性樹脂組成物に関する。
硬化性樹脂組成物は硬化剤を含むことが好ましい。
硬化剤がアミン系硬化剤、又は酸無水物であることが好ましい。
硬化性樹脂組成物は硬化促進剤を含むことが好ましい。
また、本発明は、前記硬化性樹脂組成物を120℃以下で加熱する工程を含む、硬化物の製造方法に関する。
本発明の硬化物は、高い分解性を有する。また、硬化剤としてアミン系化合物を用いた場合には常温で硬化させることができ、酸無水物を用いた場合には硬度の優れた硬化物が得られる。
<<硬化物>>
本発明は、下記一般式(Ia):
Figure 0007616629000002
(一般式(Ia)中、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~6のアルキル、およびフェニルからなる群から選択される1価の基である)
で表されるグリシド酸エステル基を1以上有するエポキシ化合物の硬化物であって、アルカリ性水溶液又はリパーゼ含有水溶液により分解可能である硬化物に関する。
一般式(Ia)において、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル、フェニルから選択される。原料となる化合物の入手容易性や、硬化反応の容易性等の点からは、Rがメチルであり、R及びRが水素原子であること、又はR、R、Rのいずれもが水素原子であることが好ましい。
本発明の硬化物は、高い分解性を有する。ここで分解性とは、アルカリ性水溶液又はリパーゼ含有水溶液を作用させることにより硬化物を分解させる、または物性低下させることが可能であることをいう。
<エポキシ化合物>
グリシド酸エステル基を1以上有するエポキシ化合物は、下記一般式(II):
(Ia)-A :(II)
により表される。
一般式(II)において、mはエポキシ化合物におけるグリシド酸エステル基の数である。mは1以上であるが、硬化物の分解性の点から2以上が好ましい。mの上限は特に限定されないが、通常4程度である。有機基Aの炭素数は、樹脂として硬化させる際の取り扱いの容易性や硬化反応の行いやすさの点から、1~20が好ましく、1~10がより好ましい。有機基Aは、その構成する主骨格として飽和又は不飽和の炭化水素基を有し、炭化水素基は分岐鎖状又は直鎖状いずれの構造であってもよく、また1,4-シクロヘキシレン基のように、炭化水素基による骨格が環状構造をとっていてもよい。また、有機基Aは、分子鎖中に、N、S、O等のヘテロ原子等を有していてもよい。有機基中の末端以外のメチレン基は、NH、S、Oから選択される1~4個のヘテロ原子又はアリーレン基もしくはヘテロアリーレン基で置きかえられていてもよい。有機基中の水素原子は、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、ハロゲンもしくはフェニルで置換されていてもよい。
有機基Aとしては、たとえばメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン等の直鎖状炭化水素、2,2-ジメチルプロピレン、2-エチル-2-メチルプロピレン等の分岐鎖状炭化水素、1,4-シクロヘキシレン等の環状炭化水素、糖、PEG鎖等、さらにこれらの基が3価又は4価の基となったものが挙げられる。なかでも、ノニレン、2,2-ジメチルプロピレンが好ましい。
グリシド酸エステル基を有するエポキシ化合物は、エポキシ当量が1000以下であることが好ましく、750以下であることがより好ましい。エポキシ当量が1000を超えると架橋不足となり硬化物の種々物性が低下する傾向がある。
生体に対する毒性を低減する観点からは、エポキシ基をグリシド酸エステル基として化合物に含有させることが望ましいが、その用途等に応じて、グリシド酸エステル基の一部をグリシジルエーテルやグリシジルエステルの構造とすることも可能である。
エポキシ化合物は、グリシド酸エステル基を1以上有する限り、エステル又はエポキシ基部分での加水分解生成物であるアルコール又はジオールや、エポキシ基の異性化物であるピルビン酸を含んでいてもよい。
一般式(II)のエポキシ化合物においては、さらに、有機基Aに下記一般式(Ib):
Figure 0007616629000003
の構造が結合していてもよい。Rは一般式(Ia)について定義した通りである。R、及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~6のアルキル、およびフェニルからなる群から選択される1価の基である。Rは一般式(Ia)のRと同じであり、Rは一般式(Ia)のRと同じであることが好ましい。或いは、Rは一般式(Ia)のRと同じであり、Rは一般式(Ia)のRと同じであることが好ましい。
有機基Aに一般式(Ib)の構造が結合する場合、エポキシ化合物は、下記一般式(III):
(Ia)-A-(Ib) (III)
で表される。nは分子中の(メタ)アクリル酸エステル基の数を示し、0~6の整数である。m+nは2~6であり、2~4が好ましく、2~3がより好ましく、2が最も好ましい。
一般式(III)で表されるエポキシ化合物における、上記式(Ia)で示される構造と式(Ib)で示される構造のモル比は(Ia):(Ib)=99:1~95:5が好ましく、99:1~96:4がより好ましい。式(Ia)の割合が95未満では分解性が低下する傾向がある。組成物中の上記式(Ia)で示される構造と式(Ib)で示される構造のモル比は1H-NMRによる測定により求めることができる。
前記一般式(II)で表されるグリシド酸エステル基を1以上有するエポキシ化合物は、一般式(IV):
Figure 0007616629000004
(一般式(IV)中、A、R、R及びRは、先に定義した通りである。kは、括弧内の構造の個数を示す。)で示される化合物の炭素-炭素二重結合を酸化剤で酸化し、エポキシ基に転換することにより製造することができる。一般式(IV)中、kは2~6であり、2~4であることが好ましく、2~3であることがより好ましく、2であることが最も好ましい。
一般式(IV)で示される化合物としては、例えばネオペンチルグリコールジアクリレート、1,9-ビスアクリロイルオキシノナン、1,6-ビスアクリロイルオキシヘキサン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートが挙げられる。
一般式(IV)で示される化合物から一般式(II)のエポキシ化合物を得る反応は、溶媒、特に廃棄や分離の問題が伴う有機溶媒を用いることなく行うことができるが、場合により、有機溶媒を用いて行うことができる。また、水性媒体中、例えば緩衝液の存在下で行うこともできる。一般式(II)のエポキシ化合物のエステル構造を分解せず、良好な転化率を達成できることから、緩衝液中で行うことが好ましい。緩衝液の種類は特に問わず、エポキシ化反応を阻害しない限り当業者に公知のものであれば用いることができる。好ましい緩衝液の例は、炭酸水素ナトリウム水溶液(pH8.2)である。
一般式(IV)で示される化合物から一般式(II)のエポキシ化合物を得る反応では相間移動触媒を用いてもよい。相間移動触媒としては、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、トリブチルベンジルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラオクチルアンモニウムブロミド、テトラヘプチルアンモニウムブロミド、テトラヘキシルアンモニウムブロミド等の四級アンモニウム塩、ラウリルスルホベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ミリスチルスルホベタイン、パルミチルスルホベタイン、ステアリルスルホベタイン等のスルホベタイン、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オレイン酸カリウムなどの有機酸塩が挙げられる。なかでも、テトラオクチルアンモニウムブロミド、テトラヘプチルアンモニウムブロミド等、適度な炭素鎖長のアンモニウム塩、ラウリルスルホベタインが好ましい。相間移動触媒は、一般式(II)のエポキシ化合物に対して1~100mol%の量で用いられる。
一般式(IV)で示される化合物から一般式(II)のエポキシ化合物を得る反応では、一般式(IV)で示される化合物中の炭素-炭素二重結合をエポキシ基に転換する酸化剤が用いられる。酸化剤は公知の酸化剤から適宜選択して用いることが可能であるが、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸アンモニウム、過酸化水素(水)、過酢酸、m-クロロ過安息香酸、過安息香酸、t-ブチルヒドロペルオキシド、オキソン、金属酸化物(バナジルアセチルアセトネートなど)、次亜臭素酸アンモニウム、次亜臭素酸カルシウム、次亜臭素酸カリウム、次亜臭素酸ナトリウム等が挙げられる。中でも次亜塩素酸ナトリウム、次亜臭素酸ナトリウムなどの水溶性の塩が好ましい。酸化剤は、一般式(IV)の化合物中のオレフィンに対して、1~5当量用いることが好ましく、1.2~3当量用いることがより好ましい。組成物全体における一般式(Ia)と(Ib)で示される構造のモル比は、反応温度、反応時間の他、酸化剤の量を加減することによっても調節できる。
一般式(IV)で示される化合物から一般式(II)のエポキシ化合物を得る反応において、反応時の雰囲気には特に制限はなく、アルゴンや窒素のような不活性雰囲気化でも、大気圧の空気下で行ってもよい。反応温度、反応時間は、用いる基質の種類によって変動するが、通常は、例えば35~45℃、0.5~2時間の条件下で行うことができる。
一般式(II)のエポキシ化合物を得る際に、式(IV)の化合物中のエポキシ基が加水分解を受けたジオール、又はエステル結合が加水分解を受けたアルコールが副生することがあり、エポキシ基の異性化によりピルビン酸誘導体を形成することがある。本発明におけるエポキシ化合物は、本発明の効果を損なわない範囲でこれらの不純物を含んでいてもよい。なお、これらの不純物は、必要に応じて当業者に公知の方法、例えばシリカゲルクロマトグラフィー等の方法によって除去できる。
一般式(II)のエポキシ化合物において、有機基Aにさらに一般式(Ib)の構造が結合する場合、エポキシ化合物を硬化反応に供する前に、一般式(Ib)の構造を用いてラジカル重合反応を行うことが好ましい。ラジカル重合に用いる開始剤としては、例えば、2,2’-アゾビスプロパン、2,2’-ジクロロ-2,2’-アゾビスプロパン、1,1’-アゾ(メチルエチル)ジアセテート、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)塩酸塩、2,2’-アゾビス(2-アミノプロパン)硝酸塩、2,2’-アゾビスイソブタン、2,2’-アゾビスイソブチルアミド、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス-2-メチルプロピオン酸メチル、2,2’-ジクロロ-2,2’-アゾビスブタン、2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル、2,2’-アゾビスイソ酪酸ジメチル、1,1’-アゾビス(1-メチルブチロニトリル-3-スルホン酸ナトリウム)、2-(4-メチルフェニルアゾ)-2-メチルマロノジニトリル4,4’-アゾビス-4-シアノ吉草酸、3,5-ジヒドロキシメチルフェニルアゾ-2-アリルマロノジニトリル、2,2’-アゾビス-2-メチルバレロニトリル、4,4’-アゾビス-4-シアノ吉草酸ジメチル、2,2’-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、1,1’-アゾビスシクロヘキサンニトリル、2,2’-アゾビス-2-プロピルブチロニトリル、1,1’-アゾビス-1-クロロフェニルエタン、1,1’-アゾビス-1-シクロヘキサンカルボニトリル、1,1’-アゾビス-1-シクロヘプタンニトリル、1,1’-アゾビス-1-フェニルエタン、1,1’-アゾビスクメン、4-ニトロフェニルアゾベンジルシアノ酢酸エチル、フェニルアゾジフェニルメタン、フェニルアゾトリフェニルメタン、4-ニトロフェニルアゾトリフェニルメタン、1,1’-アゾビス-1,2-ジフェニルエタン、ポリ(ビスフェノールA-4,4’-アゾビス-4-シアノペンタノエート)、ポリ(テトラエチレングリコール-2,2’-アゾビスイソブチレート)等のアゾ系ラジカル重合開始剤、過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化tert-ブチル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化2-クロロベンゾイル、過酸化3-クロロベンゾイル、過酸化4-クロロベンゾイル、過酸化2,4-ジクロロベンゾイル、過酸化4-ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒドロペルオキシド、1-フェニル-2-メチルプロピル-1-ヒドロペルオキシド、過トリフェニル酢酸-tert-ブチル、tert-ブチルヒドロペルオキシド、過ギ酸tert-ブチル、過酢酸tert-ブチル、安息香酸tert-ブチル、過フェニル酢酸tert-ブチル、過4-メトキシ酢酸tert-ブチル、過N-(3-トルイル)カルバミン酸tert-ブチル等が挙げられる。重合開始剤を例示すると、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、キュメンヒドロペルオキシド、t-ブチルヒドロペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド等の過酸化物系ラジカル重合開始剤等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
開始剤の配合量は、反応性組成物に対し0.1~10mol%が好ましく、0.5~3mol%がより好ましい。
ラジカル重合反応の反応温度、反応時間、光照射の有無は特に限定されないが、例えば室温~90℃、30秒~18時間の条件下で行うことができる。
本発明のエポキシ化合物が(メタ)アクリル酸エステル基を含む場合、エポキシ化合物はエステル類、含ハロゲン溶媒、エーテル類、ケトン類、アミド類、芳香族類、アルコール類、ジメチルスルホキシド、およびこれらの混合物からなる群から選択される1以上の溶媒に可溶であり、接着剤や塗料の用途に好適に使用できる。このような溶媒の具体的として、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのエステル類;クロロホルム、ジクロロメタン、クロロベンゼンなどの含ハロゲン溶媒;テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジグライム、テトラグライム、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどのエーテル類;アセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドンなどのアミド類;トルエン、キシレンなどの芳香族類;エタノール、プロパノール、エチレングリコールなどのアルコール類;ジメチルスルホキシド、またはこれらの混合物が挙げられる。エポキシ化合物の溶剤への可溶性は、所定の濃度(例えば0.5重量%)となるように溶剤に加えた際の沈殿の有無により測定でき、沈殿が生じなかったときに可溶であると判断できる。
ラジカル重合反応を行う場合、本発明のエポキシ化合物と、それ以外のモノマーとを共重合させてもよい。共重合させるモノマーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸-n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリル酸-t-ブチル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸の炭素数1~18のアルキルエステル類;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の窒素含有(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸モルホリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸シクロへキシル等のその他(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、p-アセトキシスチレン、クロロメチルスチレン、p-メチルスチレン、ジビニルベンゼンなどのスチレン類、酢酸ビニル、アクリロニトリル、無水マレイン酸、チオール類が挙げられる。
<分解性>
本発明の硬化物は、グリシド酸エステル基を有するエポキシ化合物の硬化物であるため、アルカリ性水溶液又はリパーゼ含有水溶液により分解または物性低下させることが可能である。
アルカリ性水溶液による分解性は、5mm×5mm×1mmの硬化物からなる試験片を、1M NaOH水溶液(pH14)中に37℃で置くことにより測定する。この条件で10日以内に試験片が完全に溶解する場合にアルカリ性水溶液により分解可能とする。試験片が完全に溶解するまでの日数は5日以下が好ましく、3日以下がより好ましい。また、試験片を0.1M NaOH水溶液(pH13)中に37℃で置いたときに試験片が完全に溶解するまでの日数は14日以内が好ましく、10日以内がより好ましい。
アルカリ性水溶液による分解性は、10mm×5mm×1mmの硬化物からなる試験片を、1M NaOH水溶液(pH14)中に60℃で7日間置くことによっても測定できる。この条件で重量変化率が35%以下である場合にアルカリ性水溶液により分解可能とする。重量変化率は30%以下が好ましく、20%以下がより好ましい。
重量変化率(%)=(試験後の試験片重量)÷(試験前の試験片重量)×100
リパーゼ含有水溶液による分解性は、5mm×5mm×1mmの硬化物からなる試験片を、リパーゼを140U/mlの濃度で含む水溶液に37℃で置くことにより測定する。この条件で90日以内に、試験片の膨潤、または溶解が起こる場合にリパーゼ含有水溶液により分解可能とする。試験片が完全に溶解するまでの日数は90日以下が好ましく、28日以下がより好ましく、21日以下がさらに好ましい。ここで、リパーゼの単位は、pH7.2、37℃、1時間で、1.0マイクロ当量のトリグリセリドを加水分解して脂肪酸とする酵素量を1Uとする。
また、本発明の硬化物は、易解体性材料としての応用の面からは、溶解に至らずとも膨潤又は白化等の外観変化により物性低下する性質を有していてもよい。この場合、膨潤率や外観変化の有無により、物性低下を評価できる。膨潤する場合、膨潤率が110%を超えるまでの日数は、90日以内が好ましく、31日以内がより好ましい。
膨潤率(%)=(試験後の試験片重量)÷(試験前の試験片重量)×100
試験片の白化は、膨潤が始まっていることを示し、その日数が少ないほど、分解が早いと判断できる。
本発明の硬化物は、酸性水溶液によって分解可能であってもよい。酸性水溶液により分解可能な場合、分解条件の選択性が広がる。酸性水溶液による分解性は、10mm×5mm×1mmの硬化物からなる試験片を、1M HCl水溶液(pH0)に60℃で置くことにより測定する。この条件で30日以内に試験片が完全に溶解する場合に酸性水溶液により分解可能とする。試験片が完全に溶解するまでの日数は28日以下が好ましく、21日以下がより好ましい。また、試験片を0.1M HCl水溶液(pH1)中に37℃で置いたときに試験片が完全に溶解するまでの日数は60日以内が好ましく、50日以内がより好ましい。
また、本発明の硬化物は、酸性水溶液によって分解されにくい性質を有していてもよい。この場合、本発明の硬化物を酸性条件でも好適に使用することができる。
<<硬化性樹脂組成物>>
本発明の硬化性樹脂組成物は、前述した硬化物を製造するためのものである。硬化性樹脂組成物は、前記エポキシ化合物、および硬化剤を含むことが好ましい。
<硬化剤>
硬化剤は、エポキシ樹脂の硬化に用いられる硬化剤であれば特に限定されず、例えば、アミン系硬化剤、酸無水物、フェノール系硬化剤、チオール系硬化剤、カルボン酸、アルコール系硬化剤等が挙げられる。
アミン系硬化剤としては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、N,N‘-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、メタフェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、m-キシレンジアミン、m-キシリレンジアミン、プロピルアミン、イソホロンジアミン、ピペラジン、N-アミノエチルピペラジン、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、ジシアンジアミド、エポキシ樹脂と過剰のポリアミンを反応させて合成されるポリアミンエポキシ樹脂アダクト、ケチミン、ダイマー酸とポリアミンの縮合により合成されるポリアミド樹脂等が挙げられる。これらの中でも、硬化物に適度な耐水性と分解性を付与するためには疎水性の高いアミン系硬化剤および二官能以上のアミン系硬化剤が好ましく、イソホロンジアミン、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、ジエチレントリアミン、およびN,N’ -ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミンがより好ましく、イソホロンジアミン、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、及びこれらと他のアミン系硬化剤との併用がさらに好ましい。アミン系硬化剤を2種以上併用してもよいが、その場合には、アミン系硬化剤の合計量のうち、疎水性の最も高いアミン系硬化剤の割合を、他のアミン系硬化剤より大きくすることが好ましい。
カルボン酸としては、例えば、フタル酸、マレイン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ドデシルコハク酸、4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸、3-メチル-ヘキサヒドロフタル酸、4-メチル-ヘキサヒドロフタル酸、あるいは3-メチル-ヘキサヒドロフタル酸と4-メチル-ヘキサヒドロフタル酸との混合物、テトラヒドロフタル酸、ナジック酸、メチルナジック酸、ノルボルナン-2,3-ジカルボン酸、メチルノルボルナン-2,3-ジカルボン酸等を挙げることができる。酸無水物としては、前記カルボン酸の無水物が挙げられる。
アルコール系硬化剤としては、例えば、ポリビニルアルコール等が挙げられる。以上の硬化剤は単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
硬化剤としては、以上に挙げた中でも分解性の観点からアミン系硬化剤、酸無水物が好ましい。
硬化剤の配合量は、エポキシ化合物中のエポキシ基のモル数に対して硬化剤官能基のモル数が0.5~1.5倍が好ましく、0.8~1.2倍がより好ましく、等倍がさらに好ましい。硬化剤の配合量が0.5倍未満ではエポキシ基の残存による硬化不良となるおそれがあり、1.5倍を超えると硬化剤の残存による硬化不良となるおそれがある。
<任意成分>
硬化性樹脂組成物は、前記エポキシ化合物および硬化剤に加えて、第2のエポキシ化合物、充填剤、硬化促進剤、有機溶剤、消泡剤等を含んでいてもよい。
第2のエポキシ化合物としては、特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ化合物、ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール類のジグリシジルエーテル化物、アルコール類のジグリシジルエーテル化物、トリグリシジルイソシアヌレート、各種グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、酸化型エポキシ樹脂、リン変性エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
第2のエポキシ化合物を含む場合、その配合量は、求める硬化物の特性に応じて調整でき、特に限定されないが、前記エポキシ化合物の特徴を損なわない範囲として、前記エポキシ化合物100重量部に対し100重量部以下が好ましい。
充填剤としては、特に限定されず公知の充填剤を用いることができ、例えば、例えば、シリカ、アルミナ等の金属酸化物や、金属水和物等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記充填剤を使用する場合、その含有量は、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物中、5~95重量%が好ましく、10~80重量%がより好ましい。充填剤の含有量が5重量%未満であると、熱膨張係数が高くなることがあり、95重量%を超えると、粘度が高くなり、作業性が低下することがある。
硬化促進剤は、硬化反応においてそれ自体架橋することはないが、架橋反応を促進する化合物である。硬化促進剤としては、特に限定されず公知の硬化促進剤を用いることができ、例えば、トリフェニルホスフィン、イミダゾール、第3級アミン等が挙げられる。上記イミダゾールとしては、特に限定されず、例えば、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール等が挙げられる。上記第3級アミンとしては、特に限定されず、例えば、ベンジルメチルアミン、2-(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6-トリス(ジアミノメチル)フェノール、トリエチルアミン、1、5-ジアザビシクロ[4,3,0]-5-ノネン(サンアプロ社商標:DBN)、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-7-ウンデセン(サンアプロ社商標:DBU)、DBU-フェノール塩、DBU-オクチル酸塩、DBU-p-トルエンスルホン酸塩等が挙げられる。これらの硬化促進剤は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
硬化促進剤を使用する場合、その含有量は、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物中、0.1~10重量%が好ましく、0.3~7重量%がより好ましい。
有機溶剤としては、特に限定されず、例えば、N-メチルピロリドン;N,N-ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート及び上記グリコールエーテル類のエステル化物等のエステル類;エタノール、プロパノール、メタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
有機溶剤を使用する場合、その含有量は、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物中の固形分に対して20~300重量%が好ましい。有機溶剤の含有量が20重量%未満であると、粘度が高くなることがあり、300重量%を超えると、硬化性が低下することがある。
消泡剤としては、特に限定されず、例えば、シリコーン類、ミネラルオイル類、ポリマー類等が挙げられる。シリコーン類、ミネラルオイル類、ポリマー類等が挙げられる。
消泡剤を使用する場合、その含有量は、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物中0.001~10重量%が好ましい。消泡剤の含有量が0.001重量%未満であると、消泡が不十分となることがあり、10重量%を超えると、硬化物に欠陥が生じたり、硬化性が低下したりすることがある。
硬化条件は特に限定されず、使用する硬化剤の種類により適宜調整できる。光硬化の場合は、UV、電子線等を照射するが、例えばUV照射の場合、照射量は、例えば、100~10000mJ/cm程度とすることができる。照射装置としては、例えば、紫外線ランプ(キセノンランプ、キセノン水銀ランプ、メタルハライドランプ等)、アーク式照射装置等を使用することができる。熱硬化の場合、アミン系硬化剤を用いるときには、例えば、常温で24時間以内の時間で硬化させる方法、100℃で1~60分で硬化させる方法が挙げられる。また、カルボン酸又はその無水物系の硬化剤を用いるときには、常温~180℃にて6時間以内の時間で硬化する方法が挙げられ、硬化温度は120℃以下がより好ましい。急速な硬化が好まれない用途では、アミン系硬化剤を用いるときには常温で6~12時間、カルボン酸又はその無水物を用いるときには80~100℃で6~24時間の条件で硬化させることができる。
<<用途>>
本発明の硬化物の用途としては、接着剤、粘着剤、塗料、複合材料のマトリクス樹脂、注形材料、封止材料、フォトレジスト等が挙げられる。本発明の硬化性樹脂組成物を接着剤や塗料に用いる場合、一液型とすることも、二液型とすることもできる。二液型の場合は、硬化性樹脂組成物と硬化剤とをそれぞれに別液とすればよい。また、本発明の硬化物は分解性を有するため、易解体性接着剤にも応用できる。
本発明の硬化性樹脂組成物を接着剤に用いる場合、接着対象は、鉄、ステンレス、銅、アルミニウム、ブリキ、トタンなどの金属、シクロオレフィン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタラートポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂、ナイロン、アラミドなどの樹脂、ガラスが挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。以下、「%」は特記ない限り「重量%」を意味する。
(1)使用材料
1.エポキシ化合物
・グリシド酸エステル1(製造例1で製造)
・グリシド酸エステル2(製造例2で製造)
・ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(東京化成工業製;グリシジルエーテル)
2.硬化剤
・イソホロンジアミン(IPDA)(東京化成工業製)
・ジエチレントリアミン(DETA)(東京化成工業製)
・ドデシルコハク酸無水物(DSA)(東京化成工業製)
・4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸無水物(MHHPA)(東京化成工業製)
・メチルテトラヒドロ無水フタル酸(Me-THPA)(東京化成工業製)
3.硬化促進剤
・トリフェニルホスフィン(PPh3)(関東化学製)
・2-エチル-4-メチルイミダゾール(EMI)(東京化成工業製)
4.酵素
・リパーゼ(シグマ製、ブタ膵臓由来)
5.消泡剤
・DOWSIL56Additive(ダウ製)
(2)エポキシ化合物の作製
(製造例1)グリシド酸エステル1
ナスフラスコにネオペンチルグリコールジアクリレート(東京化成工業製、2.12g、10.0mmol)、テトラヘキシルアンモニウムブロミド(東京化成工業製、1.39g)及び5wt%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液(関東化学製、47.6g)を加え、40℃のオイルバス中で1時間撹拌させた。反応終了後、分液ロートに移し、ジエチルエーテル(15mL)と飽和クエン酸ナトリウム水溶液(15mL)を加えて洗浄し、水相を取り除いた後、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、ジエチルエーテルとヘキサン(体積比2:1)のシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで、無色透明の液体としてネオペンジルグリコールジグリシデートを0.678g(収率27.8%)で得た。
(製造例2)グリシド酸エステル2
ナスフラスコにアクリル酸ブチル(2.50g、18.9mmol)、相間移動触媒として塩化ベンジルトリブチルアンモニウム(0.590g、1.90mmol)、および酢酸エチル(12.5g)を入れ、この混合溶液に、室温で撹拌させながら5%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(45.2g)を加えたのちに、9時間撹拌して反応させた。反応液を分離し、有機層を1%チオ硫酸ナトリウム水溶液、10%硫酸ナトリウム水溶液で順次洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。揮発分を減圧留去して、目的物を2.32g得た(16.1mmol、収率85.2%)。
(3)硬化性樹脂組成物の硬化(実施例1~9、比較例1~3)
エポキシ化合物、硬化剤、硬化促進剤を表1~2に記載の重量比で混合して真空脱泡し、硬化性樹脂組成物を作製した。実施例1~6、比較例1については、硬化性樹脂組成物を試験片1の型に流し込んだ。実施例7~9、比較例2~3については、硬化性樹脂組成物を試験片2の型に流し込んだ。その後、表1~2に記載の硬化時間および硬化温度により硬化させた。
試験片1の寸法:5×5×1mm(L×W×T)
試験片2の寸法:10×5×1mm(L×W×T)
(4)評価方法
(4-1)ガラス転移温度
セイコー電子工業製DSC6200を用い、窒素雰囲気下、昇温速度毎分10℃で測定を行った。室温から120℃まで昇温させて10分間保持する第一昇温過程の後、毎分10℃で-40℃まで降温し、10分間保持後、続く第二昇温過程におけるベースラインシフトの中点をガラス転移温度とした。
(4-2)分解性
(実施例1~6、比較例1)
試験片を表1に記載の水、または各種水溶液中に浸漬した。試験片重量変化を経時的に追跡し、試験片が完全に溶解するまでに要した日数を計測した。リパーゼを用いた生分解は、37℃の0.1Mリン酸緩衝液(pH7.2)中で行った。
また、試験片を水に浸漬し、24時間経過後の重量減少率を測定した。
重量減少率(%)=((試験前の試験片重量)-(試験後の試験片重量))÷(試験前の試験片重量)×100
(実施例7~9、比較例2~3)
試験片を表2に記載の水、または各種水溶液中に浸漬した。表2に記載の温度で7日間経過後の重量変化率を測定した。リパーゼを用いた生分解は、37℃の0.1Mリン酸緩衝液(pH7.2)中で行い、膨潤率を測定し、膨潤率が110%を超えるまでに要した日数を計測した。さらに、試験片の外観の観察を行い、試験片が白化し始めるまでの日数を計測した。80日の時点で膨潤率が110%に到達しない場合、外観変化が見られない場合は、変化なしと判断した。試験片の白化は、膨潤が始まっていることを示していると考えられ、白化が開始するまでの日数が少ないほど、分解が早いと判断できる。
重量変化率(%)=(試験後の試験片重量)÷(試験前の試験片重量)×100
膨潤率(%)=(試験後の試験片重量)÷(試験前の試験片重量)×100
Figure 0007616629000005
表1に示すように、比較例1のグリシジルエーテルの硬化物はリパーゼ含有水溶液においても、NaOH水溶液においても分解しなかった。実施例1~6の硬化物は水中では分解しないが、リパーゼ含有水溶液では30日以内に分解し、1M NaOH水溶液では3日間で分解した。
Figure 0007616629000006
表2に示すように、比較例2~3のグリシジルエーテルの硬化物は60℃の1M NaOH水溶液中で7日間経過後の重量変化率が35%を超えていた。実施例7~9の硬化物は同条件で完全に分解した。
(5)接着性試験1
(実施例10~13、比較例4~6)
表3に記載の重量比のエポキシ化合物と酸無水物硬化剤に、エポキシ化合物と酸無水物硬化剤の総量に対して1重量パーセントのEMIと0.5重量パーセントの消泡剤を加えた接着剤組成物を作製した。縦×横×厚さが10cm×2.5cm×10mmのシクロオレフィンポリマー板又はステンレス板の縦方向の端から1.5cmまでの領域に接着剤組成物を塗布した。ここに同じ試験片を逆向きに重ね、100℃で15時間加熱して接着した。接着強度を多目的材料試験機(井元製作所製IMC―90FE型)を用いた引っ張り試験(室温、毎分5mm)によって評価した。
Figure 0007616629000007
表3に示すように、実施例10~13の硬化物は、比較例4~6のグリシジルエーテルの硬化物と同等の剪断強度を有していた。
(6)接着性試験2
(実施例14)
実施例10と同様に作製した接着剤組成物で接着面積を5cm×2.5cmとしたL字型のステンレス試験片2枚を100℃にて15時間加熱しながら接着した。接着したT字型の試験片の接着強度を多目的材料試験機(井元製作所製IMC―90FE型)を用いた引っ張り試験(室温、毎分5mm)によって評価した。その結果、最大荷重である2000Nでも接着状態が維持され、剥離も破壊も起きなかった。

Claims (5)

  1. 下記一般式(Ia):
    Figure 0007616629000008
    (一般式(Ia)中、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~6のアルキル、およびフェニルからなる群から選択される1価の基である)
    で表されるグリシド酸エステル基を1以上有するエポキシ化合物の硬化物を、
    アルカリ性水溶液又はリパーゼ含有水溶液に浸漬する工程を含む、
    硬化物の分解方法。
  2. エポキシ化合物がグリシド酸エステル基を2以上有する、請求項1に記載の分解方法。
  3. 前記硬化物が、アミン系硬化剤、又は酸無水物硬化剤を含む硬化性樹脂組成物の硬化物である、
    請求項1または2に記載の分解方法。
  4. 前記硬化性樹脂組成物が、さらに硬化促進剤を含む請求項3に記載の分解方法。
  5. 前記硬化物が、前記硬化性樹脂組成物を120℃以下で加熱することにより得られた硬化物である、請求項3または4に記載の分解方法。
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