JP7597853B2 - フルオレン骨格を有する化合物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
このように、高屈折率と低複屈折とはトレードオフの関係にあり、従来のポリカーボネートやポリエステル樹脂では、両特性を両立させることは困難であった。
0 ≦ Pd ≦ 50ppm (2)
[3]前記式(1)で示される化合物をジメチルホルムアミドに溶解させた5重量%溶液のAPHAが500以下である前項1または2に記載のフルオレン骨格を有する化合物。
[4]前記式(1)で示される化合物中の臭素元素の含有量が150ppm以下である前項1~3のいずれかに記載のフルオレン骨格を有する化合物。
[7]前記式(1)中のAr1およびAr2がフェニル基またはナフチル基である前項1~6のいずれかに記載のフルオレン骨格を有する化合物。
工程1:下記式(3)で示されるフルオレノン類と下記式(4)で示されるアルコール類とを反応溶媒中、酸触媒の存在下で反応し、下記式(5)で示される化合物を得る工程
工程2:下記式(5)で示される化合物とエチレンカーボネートとを反応溶媒中、塩基の存在下で反応し、下記式(6)で示される化合物を得る工程
工程3:下記式(6)で示される化合物と下記式(7)または(8)で示されるボロン酸類とを反応溶媒中、塩基およびパラジウム系触媒の存在下で反応し、上記式(1)で示される化合物を得る工程
[12]前記式(5)および(6)で示される化合物を取り出すことなく、前記工程1~3をワンポットで行う前項10に記載の製造方法。
[13]式(3)で表される化合物が2,7-ジブロモフルオレノンである前項10に記載のフルオレン骨格を有する化合物の製造方法。
[14]式(7)で表される化合物がフェニルボロン酸である前項10に記載のフルオレン骨格を有する化合物の製造方法。
[15]式(8)で表される化合物がフェニルボロン酸の無水物である前項10に記載のフルオレン骨格を有する化合物の製造方法。
[16]式(4)で表される化合物が2-ナフトールである前項10に記載のフルオレン骨格を有する化合物の製造方法。
[17]式(5)で表される化合物が9,9’-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-2,7-ジブロモフルオレンである前項10に記載のフルオレン骨格を有する化合物の製造方法。
[18]工程3で使用されるパラジウム系触媒がテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムおよび/またはPd/SiO2で表されるパラジウム系触媒である前項10に記載のフルオレン骨格を有する化合物の製造方法。
[19]工程3で使用される塩基が炭酸カリウムおよび/または炭酸ナトリウムである前項10に記載のフルオレン骨格を有する化合物の製造方法。
[20]工程3で使用される反応溶媒として、トルエンとエタノールの混合溶媒を用いる前項10に記載のフルオレン骨格を有する化合物の製造方法。
[21]工程1で使用される酸触媒がリン酸またはケイ酸と、バナジウム、モリブデンおよびタングステンから選ばれる少なくとも一つの元素の酸素酸イオンとから構成されるヘテロポリ酸である前項10に記載のフルオレン骨格を有する化合物の製造方法。
[22]工程1で、酸触媒とともにチオール基を有する化合物を併用する前項10に記載のフルオレン骨格を有する化合物の製造方法。
[23]工程1で使用される反応溶媒として、トルエンとエチレンカーボネートの混合溶媒を用いる前項10に記載のフルオレン骨格を有する化合物の製造方法。
[24]熱可塑性樹脂の原料としての、前項1記載のフルオレン骨格を有する化合物の使用方法。
本発明の化合物は、下記式(1)で表されるフルオレン骨格を有する化合物、すなわち、フルオレン類の9位に少なくとも1つのヒドロキシ基を有する芳香族炭化水素が2つ置換または付加した化合物である。
また、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などが好ましい。
0 ≦ Pd ≦ 50ppm (2)
より好ましくは、下記式(2-1)を満足する。
0 ≦ Pd ≦ 25ppm (2-1)
さらに好ましくは、下記式(2-2)を満足する。
0 ≦ Pd ≦ 10ppm (2-2)
よりさらに好ましくは、下記式(2-3)を満足する。
0 ≦ Pd ≦ 5ppm (2-3)
特に好ましくは、下記式(2-4)を満足する。
0 ≦ Pd ≦ 3ppm (2-4)
本発明のフルオレン骨格を有する化合物の製造方法は、下記工程1~3により製造することができる。
工程1:下記式(3)で示されるフルオレノン類と下記式(4)で示されるアルコール類とを反応溶媒中、酸触媒の存在下で反応し、下記式(5)で示される化合物を得る工程
工程2:下記式(5)で示される化合物とエチレンカーボネートとを反応溶媒中、塩基の存在下で反応し、下記式(6)で示される化合物を得る工程
工程3:下記式(6)で示される化合物と下記式(7)または(8)で示されるボロン酸類とを反応溶媒中、塩基およびパラジウム系触媒の存在下で反応し、上記式(1)で示される化合物を得る工程
これらは単独で使用してもよく、または2種以上を混合してもよく、目的により任意に選ぶことができる。本発明では好ましくは2,7-ジブロモフルオレノンである。
このようなSH基を有する化合物は、単独で用いてもよく、また、2種以上併用して用いることもできる。
工程2において、上記式(5)で表されるフルオレン化合物とエチレンカーボネートとの反応を実施するに際し、必要に応じ塩基性化合物存在下にて反応を行ってもよい。塩基性化合物存在下で反応を行う場合、工程1で使用した固体酸は工程2を実施する前に濾過によって分離するかもしくは中和しておくことが好ましい。
工程2において塩基性化合物を使用する場合、その使用量は、フルオレノン類1モルに対し、通常0.01~1.0モル、好ましくは0.03~0.5モルである。
工程3の反応で使用する塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化物、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸カリウム(K2CO3)、炭酸セシウム(Cs2CO3)などの炭酸塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどの酢酸塩、リン酸ナトリウム(Na3PO4)、リン酸カリウム(K3PO4)などのリン酸塩などの無機塩、トリエチルアミン類、ピリジン、モルホリン、キノリン、ピペリジン、アニリン類、テトラnブチルアンモニウムアセテートなどのアンモニウム塩などの有機塩などが挙げられる。なかでも、炭酸塩が好ましく用いられ、炭酸カリウムおよび/または炭酸ナトリウムが好ましい。このような塩基は、単独で用いてもよく、また、2種類以上併用して用いることもできる。
工程3の反応で使用するパラジウム系触媒としては、鈴木カップリングで使用されるパラジウム化合物が好ましく、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド、酢酸パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ビス[4-(N, N-ジメチルアミノ)フェニル]ジ-tert-ブチルホスフィンパラジウムジクロリド、ビス(ジ-tert-ブチルプレニルホスフィン)パラジウムジクロリド、ビス(ジ-tert-クロチルホスフィン)パラジウムジクロリド、Pd/SiO2で表されるパラジウム系触媒などが挙げられる。なかでも、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムおよび/またはPd/SiO2で表されるパラジウム系触媒が好ましい。このようなパラジウム系触媒は、単独で用いてもよく、また、2種以上併用して用いることもできる。
本発明のフルオレン骨格を有する化合物は、好ましくはジフェニルフルオレン骨格およびジナフチルフルオレン骨格とアレーン環を組み合わせているため、屈折率、耐熱性が高いだけでなくポリマーにした際に複屈折を軽減させることができる。これまで屈折率を向上させるために、フルオレン骨格の9位に環集合アレーン環が置換されたフルオレン化合物が用いられているが、これでは屈折率、耐熱性は高いものの複屈折が低下してしまう。これに対し、本発明のフルオレン骨格を有する化合物は、ジフェニルフルオレン骨格およびジナフチルフルオレン骨格を有しているためか、屈折率が高いにも関わらず、複屈折も小さくなる。さらに、アレーン環には、1つ以上のヒドロキシル基を有し、フルオレン化合物全体で複数のヒドロキシル基を有しているため、反応性が高い。そのため、本発明のフルオレン骨格を有する化合物は、種々の樹脂の原料(モノマー)として利用できる。例えば、熱可塑性樹脂(例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂など)や熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、(メタ)アクリレート((メタ)アクリル酸エステル)など)のポリオール成分として用いることができる。本発明のフルオレン骨格を有する化合物をポリオール成分として用いると、フルオレン骨格の9位にナフタレン環が置換され、かつフルオレン骨格にジアリール基を有しているためか、得られる樹脂は高い屈折率と低複屈折性とを高レベルで両立できるという利点を備える。
本発明のフルオレン骨格を有する化合物の融点は、100~300℃の広い範囲から選択でき、好ましくは120~280℃、より好ましくは130~260℃、さらに好ましくは140~240℃である。
なお、実施例において、各種測定は以下のように行った。
日立製高速液体クロマトグラフL-2350を用い、表1の測定条件で測定した。実施例中、特に断らない限り%はHPLCにおける溶媒を除いて補正した面積百分率値である。
実施例で得られた化合物を下記の装置にて測定した。
使用機器:Agilent Technologies
装置:Agilent5100 ICP-OES
三菱ケミカル製自動試料燃焼装置AQF-2100およびサーモフィッシャー製イオンクロマトグラフィーシステムDIONEX AQUIONを用い、下記測定条件で、硫黄元素の含有量(S量)および臭素元素の含有量(Br量)の測定を行った。尚、検量線作成は、WAKO製臭化物イオン標準液(Br-1000)および硫酸イオン標準液(SO4(2-):1000)を用い行った。
測定温度:900℃→1000℃
吸収液:過酸化水素入り超純水
カラム:AS-17/AG-17
流速:1ml/min
セル温度:40℃、カラム温度:35℃
測定試料0.5gをジメチルホルムアミド10mlに溶解させた溶液をφ25mmの試験管に入れ、日本電色製工業(株)製TZ6000を用いて測定した。
<工程1および工程2>
撹拌機、冷却器、さらには温度計を備え付けたフラスコに2,7-ジブロモフルオレノン(以下、DBFNと略記することがある)28.1g(0.08モル)、2-ナフトール28.8g(0.20モル)、n-ドデカンチオール1.8g(0.01モル)、12タングスト(VI)リン酸n水和物(H3[PW12O40]・nH2O)0.4g(0.12ミリモル)、トルエン30ml、エチレンカーボネート7.7gを加えたのち、50kPaに減圧後、100℃まで昇温し、同温度で5時間撹拌した。反応の進行具合はHPLCにて確認し、DBFNの残存量が0.0%であることを確認し反応を終了させた。
撹拌機、冷却器、水分離器、さらには温度計を備え付けたフラスコに、工程1で製造したBNDB44.7g(0.06モル)、フェニルボロン酸17.2g(0.14モル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.7g(0.64ミリモル)、2M炭酸カリウム水溶液78ml、トルエン292ml、エタノール96mlを加えた後、80℃で3時間撹拌した。反応の進行具合はHPLCにて確認し、BNDBの残存量が0.0%であることを確認し反応を終了させた。反応後、析出したBNDPをろ過回収した後、テトラヒドロフランに溶解させ活性炭処理を行った後、トルエンで再結晶を行い、得られた結晶を一晩減圧加熱乾燥し、9,9-ビス[6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル]-2,7-ジフェニルフルオレン(以下、BNDPと略記することがある)の白色結晶を収率74%、純度99.2%で得た。また、APHAは60、Sは20ppm、Brは8ppm、Pdは5ppm、ジフェニルフルオレノン(以下、DPFNと省略することがある)はHPLCにて測定し0.0%だった。
<工程1~3>
撹拌機、冷却器、さらには温度計を備え付けたフラスコに2,7-ジブロモフルオレノン(以下、DBFNと略記することがある)28.1g(0.08モル)、2-ナフトール28.8g(0.20モル)、n-ドデカンチオール0.2g(0.83ミリモル)、12タングスト(VI)リン酸n水和物(H3[PW12O40]・nH2O)0.4g(0.12ミリモル)、トルエン30ml、エチレンカーボネート7.7gを加えたのち、50kPaに減圧後、100℃まで昇温し、同温度で3時間撹拌した。反応の進行具合はHPLCにて確認し、DBFNの残存量が0.0%であることを確認し反応を終了させた。
工程3において、反応溶媒をトルエンに変更した以外は実施例1と同様にしてフルオレノン化合物の合成を行ったが、反応が進行せず目的のフルオレノン化合物を得ることができなかった。
工程3におけるテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの使用量を0.56g(0.48ミリモル)に変更した以外は実施例1と同様にしてフルオレン化合物の合成をおこなったが、反応は進行したもののジフェニル体とモノフェニル体が95:5(重量比)で混合してしまい目的のフルオレノン化合物を高純度で得ることはできなかった。
工程1において、酸触媒を硫酸および3-メルカプトプロピオン酸に変更した以外は実施例1と同様にしてフルオレン化合物の合成をおこなったが、反応が進行せず目的のフルオレン化合物を得ることができなかった。
撹拌機、冷却器、さらには温度計を備え付けたフラスコに2,7-ジブロモフルオレノン(以下、DBFNと略記することがある)101.4g(0.30モル)、フェニルボロン酸76.8g(0.63ミリモル)をトルエン1Lおよびエタノール200mLの混合溶媒へ溶解させ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.7g(1.45ミリモル)、2M炭酸カリウム水溶液347mLを添加したのち80℃で6時間撹拌することにより反応をおこなった。反応の進行具合はHPLCにて確認し、DBFNの残存量が0.1%以下であることを確認し反応を終了させた。得られた反応液を減圧濃縮してトルエンおよびエタノールを留去したのち、残渣に1M水酸化ナトリウム水溶液を加えクロロホルムで抽出した。クロロホルムを濃縮し、黄色結晶が析出してきた時点で濃縮を止めそのまま再結晶した。析出した黄色固結晶を濾取し、85℃で24時間乾燥することにより、目的物である2,7-ジフェニルフルオレノン(以下、DPFNと略記することがある)の黄色結晶を80.5g、収率81%で得た。HPLCで得られた黄色結晶の純度を測定したところ99.8%であった。
Claims (9)
- 下記式(1a)~(1d)で示されるうちの1つであるフルオレン骨格を有する化合物であって、前記フルオレン骨格を有する化合物中のパラジウム元素の含有量が下記式(2)を満たし、前記フルオレン骨格を有する化合物をジメチルホルムアミドに溶解させた5重量%溶液のAPHAが500以下であり、前記フルオレン骨格を有する化合物中の硫黄元素の含有量が200ppm以下であり、前記フルオレン骨格を有する化合物中の臭素元素の含有量が150ppm以下であるフルオレン骨格を有する化合物。
0.01 ≦ Pd ≦ 50ppm (2)
(式中、R 2 ~R 13 はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1~12の芳香族基を含んでいてもよい炭化水素基を示す。Ar 1 およびAr 2 はそれぞれ独立に炭素数が6~12の置換基を有してもよい芳香族基、L 1 は炭素数1~12のアルキレン基、о1は0~5の整数を示す。) - 前記式(1a)~(1d)で示されるフルオレン骨格を有する化合物中のパラジウム元素の含有量が下記式(2-1)を満たす請求項1に記載のフルオレン骨格を有する化合物。
0.05 ≦ Pd ≦ 25ppm (2-1) - 前記式(1a)~(1d)で示される化合物をジメチルホルムアミドに溶解させた5重量%溶液のAPHAが200以下である請求項1または2に記載のフルオレン骨格を有する化合物。
- 前記式(1a)~(1d)が前記式(1b)である請求項1に記載のフルオレン骨格を有する化合物。
- 前記式(1a)~(1d)中のAr1およびAr2がフェニル基またはナフチル基である請求項1~4のいずれかに記載のフルオレン骨格を有する化合物。
- 前記式(1a)~(1d)が式(1-b)で表される化合物である請求項1~5のいずれかに記載のフルオレン骨格を有する化合物。
- 式(1-b)で示される化合物中のジフェニルフルオレノンの含有量が0.2%以下である請求項6に記載の化合物。
- 熱可塑性樹脂の原料としての、請求項1記載のフルオレン骨格を有する化合物の使用方法。
- レンズ用の熱可塑性樹脂である請求項8記載のフルオレン骨格を有する化合物の使用方法。
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