JP2022022902A - フルオレン骨格を有する化合物 - Google Patents
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Abstract
【課題】高屈折率かつ溶媒への溶解性に優れる新規なフルオレン化合物の提供。【解決手段】式(1)で表される化合物。TIFF2022022902000020.tif70165(式中、R1は水素原子、炭化水素基、L1はアルキレン基、L2はアルキル基、アルケニル基等、m1、n1は0~4、m2、n2は0~3、m1+m2≧1。)【選択図】なし
Description
本発明は、フルオレン骨格を有する化合物(以下、フルオレン化合物ともいう)に関する。
近年、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン(BPEF)に代表されるフルオレン骨格を有するアルコールを原料としたポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルカーボネートなどの熱可塑性樹脂材料は、光学特性、耐熱性、成形性などに優れることから、光学レンズや光学シートなどの光学部材として注目されている。
例えば、特許文献1には、BPEF骨格を有するアルコールを原料としたポリカーボネート樹脂が開示されている。しかしながら、該アルコールを使用したポリカーボネート樹脂の屈折率は1.64との記載があるものの、近年の急速な技術革新に伴い、前記特性のさらなる向上が要求されている。そこで更なる高屈折率化を目指し、特許文献2では9,9-ビス[6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル]フルオレンを原料とした熱可塑性樹脂が開示されており、特許文献3では9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2,7-ジフェニルフルオレンを原料とした熱可塑性樹脂が開示されているものの、これらの特許文献に記載の樹脂も屈折率に未だ改善の余地がある。
本発明は、高屈折率かつ溶媒への溶解性に優れる新規なフルオレン化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、以下の態様を有する本発明により、上記課題を解決できることを見出し
た。
《態様1》
下記式(1)で表されるフルオレン骨格を有する化合物。
(式中、R1は水素原子、ハロゲン原子または炭素数1~12の芳香族基を含んでいてもよい炭化水素基を示し、L1は炭素数1~12のアルキレン基を示し、L2は炭素数1~12のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、またはハロゲン原子を示し、m1およびn1は同一または異なる0~4の整数であり、m2およびn2は同一または異なる0~3の整数であり、m1+m2≧1である。ただし、m1+n1は4以下の整数であり、m2+n2は3以下の整数である。о1、о2はそれぞれ独立に0~5の整数であり、q1は1~9の整数であり、Zは芳香族基を示す。)
《態様2》
前記式(1)で表される化合物が下記式(2)で表される化合物である、態様1に記載のフルオレン骨格を有する化合物。
(式中、R2~R13はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1~12の芳香族基を含んでいてもよい炭化水素基を示し、L1、L2、o1、q1およびZは前記式(1)中の規定と同じである。)
《態様3》
前記式(2)で表される化合物が下記式(3)で表される化合物である、態様2に記載のフルオレン骨格を有する化合物。
(式中、R2~R13、L1、L2、o1、q1は前記式(2)中の規定と同じである。)
《態様4》
前記式(3)で表される化合物が下記式(4)で表される9,9-ビス[6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル]-2,7-ビス(4-エチルフェニル)フルオレンである、態様3に記載のフルオレン骨格を有する化合物。
《態様5》
前記式(1)~(4)のいずれかで表される化合物をジメチルホルムアミドに溶解させた5重量%溶液のハーゼン単位色数(APHA)が100以下である、態様1~4のいずれかに記載のフルオレン骨格を有する化合物。
《態様6》
熱可塑性樹脂の原料として、態様1~5のいずれかに記載のフルオレン骨格を有する化合物を使用する方法。
た。
《態様1》
下記式(1)で表されるフルオレン骨格を有する化合物。
《態様2》
前記式(1)で表される化合物が下記式(2)で表される化合物である、態様1に記載のフルオレン骨格を有する化合物。
《態様3》
前記式(2)で表される化合物が下記式(3)で表される化合物である、態様2に記載のフルオレン骨格を有する化合物。
《態様4》
前記式(3)で表される化合物が下記式(4)で表される9,9-ビス[6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル]-2,7-ビス(4-エチルフェニル)フルオレンである、態様3に記載のフルオレン骨格を有する化合物。
前記式(1)~(4)のいずれかで表される化合物をジメチルホルムアミドに溶解させた5重量%溶液のハーゼン単位色数(APHA)が100以下である、態様1~4のいずれかに記載のフルオレン骨格を有する化合物。
《態様6》
熱可塑性樹脂の原料として、態様1~5のいずれかに記載のフルオレン骨格を有する化合物を使用する方法。
本発明は、高屈折率かつ溶媒への溶解性に優れる新規なフルオレン化合物、及び該フルオレン化合物を原料として使用した、高屈折率熱可塑性樹脂を提供することができる。
《フルオレン骨格を有する化合物》
本発明における新規なフルオレン化合物は下記式(1)で表される。
(式中、R1は水素原子、ハロゲン原子または炭素数1~12の芳香族基を含んでいてもよい炭化水素基を示し、L1は炭素数1~12のアルキレン基を示し、L2は炭素数1~12のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、またはハロゲン原子を示し、m1およびn1は同一または異なる0~4の整数であり、m2およびn2は同一または異なる0~3の整数であり、m1+m2≧1である。ただし、m1+n1は4以下の整数であり、m2+n2は3以下の整数である。о1、о2はそれぞれ独立に0~5の整数であり、q1は1~9の整数であり、Zは芳香族基を示す。)
本発明における新規なフルオレン化合物は下記式(1)で表される。
上記式(1)において、フルオレン環の9位に置換する2つのナフタレン環の具体例としては、1,4-ナフタレンジイル基または2,6-ナフタレンジイル基が好ましく、2,6-ナフタレンジイル基がより好ましい。
なお、フルオレン環の9位に置換する2つのナフタレン環は、互いに同一又は異なっていてもよく、同一の環である場合がより好ましい。なお、フルオレン骨格の9位に置換するナフタレン環の置換基は、特に限定されない。
上記式(1)において、R1は、水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数1~12の芳香族基を含んでいても良い炭化水素基を示し、水素原子、メチル基またはフェニル基が好ましい。
上記式(1)において、R1で表される炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ナフチル基、アラルキル基などが例示できる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t-ブチル基などのC1-6アルキル基、C1-4アルキル基、C1-3アルキル基が好ましく、C1-3アルキル基がより好ましく、その中でメチル基、エチル基がさらに好ましい。
また、シクロアルキル基の具体例としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基などのC5-8シクロアルキル基、C5-6シクロアルキル基などが好ましく、C5-6シクロアルキル基がより好ましい。
また、アリール基の具体例としては、フェニル基、アルキルフェニル基(モノまたはジメチルフェニル基、トリル基、2-メチルフェニル基、キシリル基など)などが好ましく、フェニル基がより好ましい。
また、アラルキル基の具体例としては、ベンジル基、フェネチル基などのC6-10アリール-C1-4アルキル基などが好ましく例示できる。
また、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などが好ましい。
上記式(1)において、L1は2価の連結基を示し、炭素数1~12のアルキレン基であり、エチレン基であることが好ましい。L1は同一のナフタレン環において、同一のアルキレン基であってもよい。また、L1は、異なるナフタレン環において、互いに同一又は異なってもいてもよく、同一であることが好ましい。
上記式(1)において、L2は炭素数1~12のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、またはハロゲン原子を示し、炭素数1~12のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~4のアルキル基であることがより好ましく、エチル基であることがさらに好ましい。L2は、互いに同一又は異なってもいてもよく、同一であることが好ましい。L2が水素原子である場合、つまり、環Zに置換基がない場合、反応や反応後の処理で使用する各種溶媒への溶解性が悪くなるため好ましくない。
上記式(1)において、m1は0~4の整数であり、1であることが好ましい。m2は0~3の整数であり、0であることが好ましい。n1は0~4の整数であり、0であることが好ましい。n2は0~3の整数であり、0であることが好ましい。
上記式(1)において、о1およびо2は、それぞれ0~5の整数であり、1であることが好ましい。о1およびо2は、異なるナフタレン環において、同一であっても、異なっていてもよい。
上記式(1)において、q1は1~9の整数であり、好ましくは1~4の整数であり、より好ましくは1~2の整数であり、さらに好ましくは1である。
上記式(1)において、Zは芳香族基を示し、フェニレン基またはナフタレンジイル基であることが好ましく、フェニレン基であることがより好ましい。
上記式(1)において、フルオレン骨格の置換基であるZの結合位置はフルオレン骨格の1位と8位、2位と7位、3位と6位、または4位と5位であることが好ましく、2位と7位、3位と6位または4位と5位であることがより好ましく、2位と7位であることがさらに好ましい。
また、前記式(1)で表される化合物が下記式(2)で表される化合物であることが好ましい。
(式中、R2~R13はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1~12の芳香族基を含んでいてもよい炭化水素基を示す。L1、L2、o1、q1およびZは前記式(1)中の規定と同じである。)
上記式(1)で表されるフルオレン化合物として、具体的には、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-2,7-ビス(2-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-2,7-ビス(3-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-2,7-ビス(4-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-2,7-ビス(2-エチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-2,7-ビス(3-エチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-2,7-ビス(4-エチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-2,7-ビス(2-プロピルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-2,7-ビス(3-プロピルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-2,7-ビス(4-プロピルフェニル)フルオレン、9,9-ビス[6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル]-2,7-ビス(2-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス[6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル]-2,7-ビス(3-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス[6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル]-2,7-ビス(4-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス[6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル]-2,7-ビス(2-エチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス[6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル]-2,7-ビス(3-エチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス[6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル]-2,7-ビス(4-エチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス[6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル]-2,7-ビス(2-プロピルフェニル)フルオレン、9,9-ビス[6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル]-2,7-ビス(3-プロピルフェニル)フルオレン、9,9-ビス[6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル]-2,7-ビス(4-プロピルフェニル)フルオレン等が挙げられる。
本発明のフルオレン骨格を有する化合物は、パラジウム元素の含有量が50ppm以下であることが好ましく、25ppm以下であることがより好ましく、10ppm以下であることがさらに好ましく、5ppm以下であることが特に好ましい。
パラジウム元素の含有量が50ppm以下であると、フルオレン骨格を有する化合物の色相が良好となり好ましい。
本発明のフルオレン骨格を有する化合物は、ジメチルホルムアミドに溶解させた5重量%溶液のハーゼン単位色数(APHA)が100以下であることが好ましく、50以下であることがより好ましく、30以下であることがさらに好ましい。APHAが100以下であるとフルオレン骨格を有する化合物の色相が良好となり好ましい。
本発明のフルオレン骨格を有する化合物は、屈折率が1.700以上であることが好ましく、1.705以上であることがより好ましく、1.710以上であることがさらに好ましい。屈折率は、フルオレン骨格を有する化合物をジメチルスルホキシドに溶解させ、所定濃度の溶液を作成し、各濃度の溶液の屈折率をATAGO社製DR-M2アッベ屈折計を用い、25℃におけるD線屈折率を測定し、各濃度の測定結果から濃度100%に外挿した値で得られた化合物の屈折率(nD)とした。
本発明のフルオレン骨格を有する化合物は、硫黄元素の含有量が200ppm以下であることが好ましく、100ppm以下であることがより好ましく、50ppm以下であることがさらに好ましく、30ppm以下であることが特に好ましい。硫黄元素の含有量が200ppm以下であるとフルオレン骨格を有する化合物の色相が良好となり好ましい。
本発明のフルオレン骨格を有する化合物は、臭素元素の含有量が150ppm以下であることが好ましく、50ppm以下であることがより好ましく、20ppm以下であることがさらに好ましい。臭素元素の含有量が150ppm以下であるとフルオレン骨格を有する化合物の色相が良好となり好ましい。
[フルオレン骨格を有する化合物の製造方法]
本発明のフルオレン骨格を有する化合物の製造方法は、特に限定されないが、下記工程1~3により製造することができる。
本発明のフルオレン骨格を有する化合物の製造方法は、特に限定されないが、下記工程1~3により製造することができる。
工程1:下記式(5)で表されるフルオレノン類と下記式(6)で表されるアルコール類とを反応溶媒中、酸触媒の存在下で反応し、下記式(7)で表される化合物を得る工程
(式中、X1は1位、2位、3位または4位の置換基であり、X2は5位、6位、7位または8位の置換基であり、ハロゲン原子を示す。)
(式中、p1およびp2は同一または異なる0~4の整数であり、R1、n1およびn2は前記式(1)中の規定と同じである。)
(式中、R1、n1およびn2は前記式(1)中の規定と同じであり、X1およびX2は前記式(5)中の規定と同じであり、p1およびp2は前記式(6)中の規定と同じである。)
工程2:上記式(7)で表される化合物とエチレンカーボネートとを反応溶媒中、必要に応じて塩基の存在下で反応し、下記式(8)で表される化合物を得る工程
(式中、X1およびX2は前記式(5)中の規定と同じであり、R1、L1、m1、m2、n1、n2、o1およびo2は式(1)中の規定と同じである。
工程3:上記式(8)で示される化合物と下記式(9)または(10)で示されるボロン酸類とを反応溶媒中、塩基およびパラジウム系触媒の存在下で反応し、上記式(1)で示される化合物を得る工程
(式中、Z、L2、q1は式(1)中の規定と同じである。)
上記式(5)で表される化合物は、前記式(1)においてフルオレン骨格に対応するフルオレノン化合物であり、X1は1位、2位、3位または4位の置換基であり、X2は5位、6位、7位または8位の置換基であり、X1及びX2は共に、ハロゲン原子を示し、なかでも臭素原子が好ましい。
以下に上記式(5)で表されるフルオレノン化合物の代表例を示すが、それらによって限定されるものではない。
具体例として、1,8-ジフルオロフルオレノン、2,7-ジフルオロフルオレノン、3,6-ジフルオロフルオレノン、4,5-ジフルオロフルオレノン、1,8-ジクロロフルオレノン、2,7-ジクロロフルオレノン、3,6-ジクロロフルオレノン、4,5-ジクロロフルオレノン、1,8-ジヨードフルオレノン、2,7-ジヨードフルオレノン、3,6-ジヨードフルオレノン、4,5-ジヨードフルオレノン、1,8-ジブロモフルオレノン、2,7-ジブロモフルオレノン、3,6-ジブロモフルオレノン、4,5-ジブロモフルオレノン等が好ましく挙げられる。なかでも1,8-ジブロモフルオレノン、2,7-ジブロモフルオレノン、3,6-ジブロモフルオレノン、4,5-ジブロモフルオレノンが好ましく、特に、2,7-ジブロモフルオレノンが好ましい。
これらは単独で使用してもよく、または2種以上を混合してもよく、目的により任意に選ぶことができる。本発明では好ましくは2,7-ジブロモフルオレノンである。
使用する前記式(5)で表されるフルオレノン類の純度は、特に限定されないが、通常、95%以上が好ましく、より好ましくは99%以上である。なお、フルオレノン類は、市販品を用いてもよく、合成したものを使用してもよい。例えば、ジブロモフルオレノン類を製造する方法としては、非特許文献(Journal of American Chemical Society,2017,Vol.139,11073-11080)に記載の方法、すなわち9-フルオレノンと臭素とを水中下で反応させる方法などが挙げられる。
前記式(6)で表されるアルコール類は、前記式(5)で表されるフルオレン誘導体において、9位に置換した(ポリ)ヒドロキシル基含有アレーン環に対応している。すなわち、前記式(6)においてナフタレン環は前記式(1)のナフタレン環に、R1、n1およびn2は前記式(1)のR1、n1およびn2に対応している。
前記式(6)で表される化合物の具体例としては、ナフトール類(例えば、ナフトール(1-ナフトール、2-ナフトール)、炭化水素基を有するナフトール(メチルナフトール、エチルナフトール、ジメチルナフトール、プロピルナフトール、ブチルナフトール(C1-4アルキルナフトール)などのアルキルナフトール)、アルコキシナフトール(エトキシナフトールなどのC1-4アルコキシナフトール)、ハロナフトール(クロロナフトール、ブロモナフトール))、これらのナフトール類(またはモノヒドロキシナフタレン類)に対応するポリヒドロキシナフタレン(例えば、1,3-ジヒドロキシナフタレン、1,4-ジヒドロキシナフタレン、2,3-ジヒドロキシナフタレン、1,5-ヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、1,8-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、1,2,4-トリヒドロキシナフタレン、1,3,8-トリヒドロキシナフタレンなどのジまたはトリヒドロキシナフタレン類)などが挙げられる。なかでも1-ナフトール、2-ナフトールが好ましく、特に、2-ナフトールが好ましい。これらのアルコール類は単独で使用してもよく、または2種以上を混合してフルオレノン類と反応してもよく目的により任意に選ぶことができる。本発明では好ましくは2-ナフトールである。
工程1の反応において、上記式(6)で表されるアルコール類の使用量は、特に限定されるものではないが、副反応抑制及び経済性の点から、フルオレノン類1モルに対して、好ましくは2~20モル、より好ましくは2~10モル、さらに好ましくは2~5モルである。
これらの上記式(6)で表されるアルコール類は、市販品を用いてもよく、合成したものを使用してもよい。例えば、ナフトール類を製造する方法としては、特許文献(特開昭61-115039号公報)に記載の方法、すなわちナフタレンをスルホン化した2-ナフタレンスルホン酸をアルカリで中和して2-ナフタレンスルホン酸ナトリウムを得たのち、生成物をアルカリ融解してアルカリ塩としたのち、加水分解して2-ナフトールを製造する方法などが挙げられる。
原料として使用する上記式(6)で表されるアルコール類(例えば、ナフトール類など)の純度は、特に限定されないが、通常、95%以上が好ましく、より好ましくは99%以上である。
工程1の反応は、通常、酸触媒の存在下で行うことができる。酸触媒としては、例えば、硫酸、チオール酸、モンモリロナイト、ヘテロポリ酸等が挙げられ、これらの中でも特に酸触媒由来の不純物の生成が少なく、本発明のフルオレン骨格を有する化合物を得やすいことからヘテロポリ酸が特に好ましい。
本発明において好ましく用いられるヘテロポリ酸とは、一般的には異なる2種以上の無機酸素酸が縮合して生成した化合物の総称であり、中心の酸素酸とその周りで縮合する別種の酸素酸の組み合わせにより種々のヘテロポリ酸が可能である。中心の酸素酸を形成する数の少ない元素をヘテロ元素といい、その周りで縮合する酸素酸を形成する元素をポリ元素という。ポリ元素は単一種類の元素であってもよいし、複数種類の元素であってもよい。
ヘテロポリ酸を構成する酸素酸のヘテロ元素は特に限定されるものではないが、例えば、銅、ベリリウム、ホウ素、アルミニウム、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、チタン、ジルコニウム、セリウム、トリウム、窒素、リン、ヒ素、アンチモン、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、ウラン、セレン、テルル、マンガン、ヨウ素、鉄、コバルト、ニッケル、ロジウム、オスミウム、イルジウム、白金が挙げられる。好ましくはリン(リン酸)またはケイ素(ケイ酸)である。また、ヘテロポリ酸を構成する酸素酸のポリ元素は特に限定されるものではないが、例えば、バナジウム、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタルが挙げられる。好ましくはバナジウム、モリブデンおよびタングステンから選ばれる少なくとも1つの元素である。
ヘテロポリ酸骨格を構成するヘテロポリ酸アニオンとしては種々の組成のものを使用することができる。例えば、XM12O40、XM12O42、XM18O62、XM6O24などが挙げられる。好ましいヘテロポリ酸アニオンの組成は、XM12O40である。各式中、Xはヘテロ元素であり、Mはポリ元素である。これらの組成を有するヘテロポリ酸として、具体的には、リンモリブデン酸、リンタングステン酸、ケイモリブデン酸、ケイタングステン酸、リンバナドモリブデン酸などが例示される。
ヘテロポリ酸は、遊離のヘテロポリ酸であってもよく、プロトンの一部もしくはすべてを他のカチオンで置き換えて、ヘテロポリ酸の塩として使用することもできる。従って、本発明で言うヘテロポリ酸とはこれらのヘテロポリ酸の塩も含まれる。プロトンと置換可能なカチオンとしては、例えば、アンモニウム、アルカリ金属、アルカリ土類金属などが挙げられる。
ヘテロポリ酸は無水物であってもよく、結晶水含有物であってもよいが、無水物の方がより反応が早く、また副生成物の生成が抑制され好ましい。結晶水含有物の場合、予め減圧乾燥や溶媒との共沸脱水等の脱水処理を行うことにより無水物と同様の効果を得ることができる。ヘテロポリ酸は活性炭、アルミナ、シリカ-アルミナ、ケイソウ土などの担体に担持した形態で用いてもよい。
これらのヘテロポリ酸は単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用することもできる。また、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲でヘテロポリ酸以外の他の触媒を併用してもよい。
ヘテロポリ酸の使用量は特に限定されるものではないが、充分な反応速度を得るには、フルオレノン類に対して、好ましくは0.0001重量倍以上、より好ましくは0.001~30重量倍、さらに好ましくは0.01~5重量倍である。
本発明を実施する際、工程1の反応では上述したヘテロポリ酸とともにチオール基(以下SH基と略記することがある)を有する化合物を併用することで反応速度を向上させかつ不純物の生成を抑制させることができる。本発明において併用できるチオール化合物としては、例えば、メルカプトカルボン酸、アルカンチオールおよびこれらの塩が挙げられる。
メルカプトカルボン酸としては、α-メルカプトプロピオン酸、β-メルカプトプロピオン酸、チオ酢酸、チオグリコール酸、チオシュウ酸、メルカプトコハク酸、メルカプト安息香酸などが挙げられる。また、アルカンチオールとしては、メタンチオール、エタンチオール、1-プロパンチオール、2-プロパンチオール、1-ブタンチオール、2-ブタンチオール、1-ペンタンチオール、2-ペンタンチオール、1-ヘキサンチオール、1-ヘプタンチオール、2-ヘプタンチオール、1-オクタンチオール、2-オクタンチオール、1-ノナンチオール、1-デカンチオール、1-ウンデカンチオール、1-ドデカンチオールなどのC1-16アルキルメルカプタンなどが挙げられる。このようなSH基を有する化合物の中でも安価に入手可能なことから、β-メルカプトプロピオン酸、1-ドデカンチオール、1-オクタンチオールが好ましく、1-オクタンチオールが特に好ましい。このようなSH基を有する化合物は、単独で用いてもよく、また、2種以上併用して用いることもできる。
工程1の反応を実施する方法は、特に限定されるものではないが、通常、前記式(5)と前記式(6)で表される化合物とヘテロポリ酸および/またはチオール化合物とを反応装置に仕込み、空気中又は窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下、トルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素類および酢酸エチル、γ-ブチロラクトン、エチレンカーボネートなどのエステル類の不活性溶媒存在下で加熱攪拌することにより行うことができる。この際、触媒含有水や反応生成水など、反応系内の水分を除去する、脱水条件下で反応を行うことにより、脱水しない場合より反応が早く進行し、副生成物の生成が抑制され、より高収率で目的物を得ることができる。脱水の方法としては特に限定されるものではないが、例えば、脱水剤の添加による脱水、減圧による脱水、常圧又は減圧下溶媒との共沸による脱水などが挙げられる。
工程1で用いる反応溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えばトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、ジ-iso-プロピルエーテル、メチル-t-ブチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの脂肪族および環状エーテル溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、γ-ブチロラクトン、エチレンカーボネートなどのエステル溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、1-メチル-2-ピロリジノンなどのアミド溶媒、などが挙げられる。好ましくは芳香族炭化水素溶媒およびエステル溶媒であり、より好ましくはトルエン、キシレン、クロロベンゼンまたはジクロロベンゼンと、酢酸エチル、酢酸ブチル、γ-ブチロラクトンまたはエチレンカーボネートとの混合溶媒であり、さらに好ましくはトルエンとエチレンカーボネートとの混合溶媒である。これら反応溶媒は単独で用いてもよく、また、2種以上併用して用いることもできる。
また、その使用量は特に限定されるものではないが経済性の点から、フルオレノン類に対して、好ましくは0.1重量倍以上、より好ましくは0.5~100重量倍、さらに好ましくは1~20重量倍である。
工程1の反応温度は使用する原料、溶媒の種類により異なるが、好ましくは50~300℃、より好ましくは80~250℃、さらに好ましくは100~180℃である。反応は液体クロマトグラフィーなどの分析手段で追跡することができる。
工程1の反応時の内圧は、101.3kPa以下の圧力が好ましく、より好ましくは60.0kPa以下である。副生する水はこの内圧で系内から排出しながら反応させる方がより効率よく反応が進行し、かつ生成する副生成物も少なくなることから好ましい。
工程1の反応後、必要に応じて使用した固体酸を濾過により除去するかもしくは中和してもよい。中和する際に使用する塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩(炭酸水素)塩、アミン類等が挙げられる。また、ろ過、濃縮、抽出、晶析、再結晶、再沈殿、活性炭処理あるいはそれと酷似した金属の除去処理、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製しても良い。
工程1の反応において、中和後の反応液は中和により生じた塩を除去することなくエチレンカーボネートとの反応に用いても良い。必要に応じて中和によって生じた塩を濾過により分離したり、水を加えて撹拌し静置後に分液して水層を除去する操作(水洗工程ということもある)をおこなうことによって、中和により生じた塩を反応系内から分離してもよい。この水洗工程は必要に応じて繰り返し実施してもよい。
工程1の反応後、上記式(7)で表されるフルオレン化合物を取り出すことなくエチレンカーボネートと反応させることができる。すなわち、工程1と工程2をワンポットで行うことができる。濃縮や晶析などの方法により上記式(7)で表されるフルオレン化合物を取り出すと収率が低下しコストアップになる可能性がある。
工程2において、エチレンカーボネートはフルオレノン類1モルに対し、好ましくは2~10モル、より好ましくは2~5モル、さらに好ましくは2~3モル使用する。
工程2において、上記式(7)で表されるフルオレン化合物とエチレンカーボネートとの反応を実施するに際し、必要に応じ塩基性化合物存在下にて反応を行ってもよい。塩基性化合物存在下で反応を行う場合、工程1で使用した固体酸は工程2を実施する前に濾過によって分離するかもしくは中和しておくことが好ましい。
工程2において使用可能な塩基性化合物としては、炭酸塩類、炭酸水素塩類、水酸化物類、有機塩基類等が例示される。炭酸塩類としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸リチウム等が挙げられる。炭酸水素塩類としては、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素セシウム等が挙げられる。水酸化物類としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が挙げられる。有機塩基類としては、トリエチルアミン、ジメチルアミノピリジン、トリフェニルホスフィン、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。上記の塩基性化合物の中でも、取扱性や安全性の観点から、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムが好ましく用いられる。これら塩基性化合物は単独で用いてもよく、また、2種以上併用して用いることもできる。
工程2において塩基性化合物を使用する場合、その使用量は、フルオレノン類1モルに対し、好ましくは0.01~1.0モル、より好ましくは0.03~0.5モルである。
工程2の反応終了後、得られた反応混合物に濃度3重量%以上のアルカリ水溶液を添加し、50℃以上の温度で加熱攪拌する工程(以下、アルカリ精製工程と称する)を行うことが好ましい。反応混合物溶液に添加するアルカリ水溶液の濃度は3重量%以上が好ましく、6重量%がより好ましく、8重量%以上がさらに好ましい。3重量%以上の濃度のアルカリ水溶液を添加し50℃以上の温度で加熱攪拌することにより、式(7)で表される化合物1モルとエチレンカーボネート3モル以上が反応した副生物が分解し、式(8)で表される化合物となる。また、着色成分をアルカリ水溶液中に除去することができることから高純度で着色の少ない式(8)で表される化合物を得ることができる。アルカリ水溶液の濃度が3重量%より低いと副生物や着色成分を効率よく除去することできなくなり好ましくない。アルカリ濃度は3重量%以上であれば特に限定されるものではないが、アルカリの溶解度や取り扱い易さから、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは15重量%以下の濃度が好ましい。
アルカリ水溶液を加熱攪拌する温度は、50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、80℃以上がさらに好ましい。また、使用する溶媒の沸点以下の温度、より好ましくは130℃以下で行われる。温度が50℃以上であると副生物が効率よく除去することができるため好ましい。また、温度が130℃以下であると、不純物が減り純度が高くなることや色相が良好となり好ましい。また、攪拌時間は特に限定されないが、好ましくは0.5~10時間であり、より好ましくは1~9時間であり、さらに好ましくは2~8時間である。
本発明において、アルカリ水溶液に用いられるアルカリは、特に限定されるものではないが、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである。アルカリの使用量は、特に制限されるものではないが、副生物の除去や着色成分の除去を効率よく行うためには、通常、式(8)で表される化合物1モルに対して0.1~20モルであると好ましく、0.2~10モルであるとより好ましく、0.3~5モルであるとさらに好ましい。アルカリ量が0.1モル以上であると副生物を効率よく除去できる。また着色成分を効率よく除去することができ好ましい。アルカリ量が20モル以下であると純度が高くなることや色相が良好であり好ましい。
本発明において、アルカリ精製工程は式(8)で表される化合物を含む反応混合物溶液にアルカリ水溶液を添加し加熱攪拌してもよいし、反応混合物溶液を有機溶媒で希釈した後にアルカリ水溶液を添加し加熱攪拌してもよい。通常、有機溶媒希釈後に実施される。希釈する有機溶媒は、特に限定されるものではないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。アルカリ精製操作後は、アルカリ水溶液を分液除去することができる。
工程2の反応終了後、得られた反応混合物は、洗浄、ろ過、濃縮、抽出、晶析、再結晶、再沈殿、活性炭処理あるいはそれと酷似した金属の除去処理、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製しても良い。晶析溶媒としては、上記の反応に用いる溶媒として例示したものや、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプルパノール、ブタノール、tert-ブタノール、イソブタノール、ペンタノール等のアルコール溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等の炭酸溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、γ-ブチロラクトン、安息香酸ブチル、安息香酸メチル、酢酸フェニル等のエステル溶媒、ジエチルエーテル、ジ-isо-プロピルエーテル、メチル-tert-ブチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素溶媒等が挙げられるが、メタノール、エタノール、トルエンが好ましい。このような晶析操作は一回行ってもよく、複数回繰り返して行ってもよい。特に、メタノールやエタノールなどのアルコールを用いれば、未反応の2-ナフトールや副生するエチレングリコールモノ(2-ナフチル)エーテルなどの不純物を簡便にかつ効率よく除去できる。
析出した結晶は濾過等により回収される。得られた結晶は、上記の反応に用いた溶媒等を用いて洗浄されてもよいし、乾燥されてもよい。このようにして得られる前記式(8)で表される化合物の精製物の純度は、好ましくは90%以上であり、より好ましくは95%以上であり、さらに好ましくは98%以上である。工程2の反応後、上記式(7)で表される化合物を取り出すことなく、ワンポットで工程3を行っても良い。さらに、工程1~3をすべてワンポットで行っても良い。ワンポットで行うことで、収率や生産性を向上することができる。
上記式(9)、(10)で表される化合物中の環Z、L2、q1の好ましい態様は、前記式(1)中の規定と同様である。
使用するボロン酸類の純度は、特に限定されないが、通常、95%以上が好ましく、より好ましくは99%以上である。なお、ボロン酸類は、市販品を用いてもよく、合成したものを使用してもよい。ボロン酸類を製造する方法としては、例えば特許文献(特開2002-47292号公報)に記載の方法、すなわち、フェニルグリニヤール試薬と非エーテル系芳香族溶剤に溶解されたホウ酸エステル類とを反応させる方法などが挙げられる。
本発明に用いられるボロン酸は前記式(9)および(10)で表されるアリールボロン酸およびその無水物などが含まれ、2,3-ジメチルフェニルボロン酸、2,4-ジメチルフェニルボロン酸、2,5-ジメチルフェニルボロン酸、2,6-ジメチルフェニルボロン酸、3,4-ジメチルフェニルボロン酸、3,5-ジメチルフェニルボロン酸、2-エトキシフェニルボロン酸、3-エトキシフェニルボロン酸、4-エトキシフェニルボロン酸、6-メトキシ-2-ナフタレンボロン酸、2-メチルフェニルボロン酸、3-メチルフェニルボロン酸、4-メチルフェニルボロン酸、2-エチルフェニルボロン酸、3-エチルフェニルボロン酸、4-エチルフェニルボロン酸、3-プロポキシフェニルボロン酸、3-イソ-プロポキシフェニルボロン酸、4-イソ-プロポキシフェニルボロン酸、4-プロピルフェニルボロン酸、4-イソ-プロピルフェニルボロン酸やこれらの無水物が含まれる。これらは単独で使用してもよく、または2種以上を混合してもよく、目的により任意に選ぶことができる。本発明では好ましくはエチルフェニルボロン酸またはその無水物であり、特に好ましくは4-エチルフェニルボロン酸またはその無水物である。
原料として用いる前記式(9)で表される化合物の使用比率は、前記式(8)で表される化合物1モルに対して好ましくは2~5モル、より好ましくは、2.05~3.0モル、さらに好ましくは2.1~2.5モルである。該ボロン酸類が2モル以上であると前記式(1)で表される生成物の収率が高くなる。また、5モル以下であると、該フルオレン骨格を有する化合物の製造コストを抑えることができる。
また、前記式(10)で表される化合物の使用比率は、前記式(8)で表される化合物1モルに対して好ましくは0.7~5モル、より好ましくは0.8~3モル、さらに好ましくは1~2モルである。該ボロン酸類が0.7モル以上であると前記式(1)で表される生成物の収率が高くなる。また、5モル以下であると、該フルオレン骨格を有する化合物の製造コストを抑えることができる。
工程3の前記式(8)と前記式(9)および/または(10)で表される化合物との反応(脱ハロゲン化反応)は、反応溶媒中、塩基および触媒の存在下で行うことができる。
工程3の反応で使用する塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化物、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸カリウム(K2CO3)、炭酸セシウム(Cs2CO3)などの炭酸塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどの酢酸塩、リン酸ナトリウム(Na3PO4)、リン酸カリウム(K3PO4)などのリン酸塩などの無機塩、トリエチルアミン類、ピリジン、モルホリン、キノリン、ピペリジン、アニリン類、テトラnブチルアンモニウムアセテートなどのアンモニウム塩などの有機塩などが挙げられる。なかでも、炭酸塩が好ましく用いられ、炭酸カリウムおよび/または炭酸ナトリウムが好ましい。このような塩基は、単独で用いてもよく、また、2種類以上併用して用いることもできる。
また、工程3の反応において、上述した塩基の使用量は特に限定されないが、ボロン酸類1モルに対して好ましくは1~30当量、より好ましくは1~10当量添加される。
工程3の反応で使用するパラジウム系触媒としては、鈴木カップリングで使用されるパラジウム化合物が好ましく、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド、酢酸パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ビス[4-(N, N-ジメチルアミノ)フェニル]ジ-tert-ブチルホスフィンパラジウムジクロリド、ビス(ジ-tert-ブチルプレニルホスフィン)パラジウムジクロリド、ビス(ジ-tert-クロチルホスフィン)パラジウムジクロリド、Pd/SiO2で表されるパラジウム系触媒などが挙げられる。なかでも、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムおよび/またはPd/SiO2で表されるパラジウム系触媒が好ましい。このようなパラジウム系触媒は、単独で用いてもよく、また、2種以上併用して用いることもできる。
工程3の反応において、上述した触媒の使用量は特に限定されないが、前記式(8)で示される化合物1モルに対して、パラジウム金属原子換算で好ましくは0.1~10ミリモルであり、より好ましくは0.5~5ミリモルである。パラジウム触媒の使用量がパラジウム金属原子換算で0.1ミリモル以上の場合、反応が完結し易くなる。また、パラジウム触媒の使用量がパラジウム金属原子換算で10ミリモル以下であると、フルオレン骨格を有する化合物の色相が良好となり好ましい。また、フルオレン骨格を有する化合物の製造コストを抑えることができ好ましい。
工程3で用いる反応溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒とメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール等のアルコール類を単独または併用して用いることができる。芳香族炭化水素系溶媒は高沸点溶媒であるため反応温度を高く設定できるし、アルコールを用いることで水との親和性がよく反応性が良好になるため好適に用いられる。このような溶媒は単独で用いてもよく、または2種以上を併用して用いることもできる。さらには、N,N-ジメチルホルムアミドまたはN,N-ジメチルアセトアミド等の非プロトン性溶媒、o-ジクロロベンゼン等のハロベンゼン類も使用できる。このような溶媒も単独で用いても良く、また、2種以上併用して用いることもできる。本発明においては、トルエンとエタノールの混合溶媒がより好ましい。
前記反応溶媒(本発明の場合、トルエンとエタノールの混合溶媒)の使用量は、特に限定されないが、前記式(8)で示される化合物1モルに対してトルエンは好ましくは0.1重量倍以上、より好ましくは0.5~100重量倍であり、さらに好ましくは1~50重量倍である。トルエンの使用量が0.1重量倍以上の場合、生成物が析出し難く撹拌が容易になる。また、トルエンの使用量が100重量倍以下の場合、容積効率が良好で該フルオレン骨格を有する化合物の製造コストも抑えることができる。また、エタノールの使用量も特に限定されないが、前記式(8)で示される化合物1モルに対して好ましくは0.1~50重量倍であり、より好ましくは1~20重量倍である。エタノールの使用量が0.1重量倍以上の場合、反応速度が速く収率が高くなる。また、エタノールの使用量が50重量倍以下の場合、トルエンと同様に容積効率が良好で該フルオレン骨格を有する化合物の製造コストも抑えることができる。
反応温度は使用する原料、溶媒の種類により異なるが、好ましくは50~150℃、より好ましくは60~130℃、さらに好ましくは70~120℃である。反応は液体クロマトグラフィーなどの分析手段で追跡することができる。
反応終了後の反応混合物には、通常、生成した前記式(1)で表される化合物以外に、未反応のボロン酸類、塩基、触媒、副反応生成物などが含まれている。そのため、慣用の方法、例えば、ろ過、濃縮、抽出、晶析、再結晶、再沈殿、活性炭処理あるいはそれと酷似した金属の除去処理、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。例えば、慣用の方法(アルカリ水溶液を加えて水溶性の複合体を形成させる方法など)によりボロン酸類を除去し、活性炭処理あるいはそれと酷似した金属の除去処理をしてパラジウム化合物を除去したのち、再結晶溶媒を添加して冷却して再結晶化させ、次いでろ過分離することにより精製することが好ましい。再結晶の方法は、前記工程2に記載の方法と同様である。
本発明の製造方法により得られる前記式(1)で表される化合物の純度は、60~100%の広い範囲から選択でき、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上である。純度はHPLCで測定される。
《熱可塑性樹脂》
本発明における式(1)で表されるフルオレン化合物は、熱可塑性樹脂の原料として用いることができる。この熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、及びポリエステルカーボネート樹脂を挙げることができる。
本発明における式(1)で表されるフルオレン化合物は、熱可塑性樹脂の原料として用いることができる。この熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、及びポリエステルカーボネート樹脂を挙げることができる。
<ポリカーボネート樹脂>
ポリカーボネート樹脂は、式(1)で表されるフルオレン化合物を少なくとも含有するジヒドロキシ成分を炭酸エステル成分と、塩基性化合物触媒の存在下反応させた樹脂である。利用するジヒドロキシ成分及び炭酸ジエステル成分は、それぞれ単一成分であっても良く、又はジヒドロキシ成分及び/又は、炭酸ジエステル成分が2種類以上の化合物を含む、即ち、共重合成分を含んでも良い。
ポリカーボネート樹脂は、式(1)で表されるフルオレン化合物を少なくとも含有するジヒドロキシ成分を炭酸エステル成分と、塩基性化合物触媒の存在下反応させた樹脂である。利用するジヒドロキシ成分及び炭酸ジエステル成分は、それぞれ単一成分であっても良く、又はジヒドロキシ成分及び/又は、炭酸ジエステル成分が2種類以上の化合物を含む、即ち、共重合成分を含んでも良い。
また、式(1)で表されるフルオレン化合物とともに使用可能なジヒドロキシ成分であるビスフェノール類の例には、1,1’-ビフェニル-4,4’-ジオール、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルファイド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ケトン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-t-ブチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、α,ω-ビス[2-(p-ヒドロキシフェニル)エチル]ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(o-ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン、4,4’-[1,3-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスフェノール、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタンなど芳香族ジオールが含まれる。また、エチレングリコール等の脂肪族ジオール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、デカリン-2, 6-ジメタノール、ノルボルナンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、シクロペンタン-1,3-ジメタノール、スピログリコール等の脂環式ジオールを含んでもよい。これらは、1種を単独で使用しても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
炭酸ジエステルとしては、ジフェニルカーボネート、ジ-p-トリルカーボネート、フェニル-p-トリルカーボネート、ジナフチルカーボネート等が挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。これらの芳香族炭酸ジエステルは単独で用いても、二種以上併用してもよい。
ポリカーボネート樹脂を製造する方法としては、通常のポリカーボネート樹脂の製造に用いる方法が任意に採用される。例えばジオールとホスゲンとの反応、又はジオールとビスアリールカーボネートとのエステル交換反応が好ましく採用される。
ジオールとホスゲンとの反応では、非水系で酸結合剤及び溶媒の存在下に反応を行う。酸結合剤としては例えばピリジン、ジメチルアミノピリジン、第三級アミン等が用いられる。溶媒としては例えば塩化メチレンやクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。分子量調節剤として例えばフェノールやp-tert-ブチルフェノール等の末端停止剤を用いることが望ましい。反応温度は通常0~40℃、反応時間は数分~5時間が好ましい。
エステル交換反応では、不活性ガス存在下にジオールとビスアリールカーボネートを混合し、アルカリ金属化合物触媒もしくはアルカリ土類金属化合物もしくはその双方からなる混合触媒の存在下にて、減圧下通常120~350℃、好ましくは150~300℃で反応させる。減圧度は段階的に変化させ、最終的には1mmHg以下にして生成したアルコール類を系外に留去させる。反応時間は通常1~4時間程度である。重合触媒としてはアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物を主成分として用い、必要に応じて含窒
素塩基性化合物を従成分として用いても良い。
素塩基性化合物を従成分として用いても良い。
触媒として使用するアルカリ金属化合物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ビスフェノールAのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム等が挙げられる。アルカリ土類金属化合物としては水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム等が挙げられる。
助触媒として使用する含窒素塩基性化合物としてはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン、ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。
これらの触媒は単独で用いても、二種以上併用してもよく、これらの重合触媒の使用量はジオール成分の合計1モルに対して、10-9~10-3モルの比率で用いられる。また、色相改善のために酸化防止剤や熱安定剤等を加えてもよい。
ポリカーボネート樹脂は、重合反応終了後、熱安定性および加水分解安定性を保持するために、触媒を除去もしくは失活させてもよい。アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物については、一般的に、公知の酸性物質の添加による触媒の失活を行う方法が好適に実施される。これらの失活を行うとしては、具体的には、安息香酸ブチル等のエステル類、p-トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸類、p-トルエンスルホン酸ブチル、p-トルエンスルホン酸ヘキシル等の芳香族スルホン酸エステル類、亜リン酸、リン酸、ホスホン酸等のリン酸類、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸モノフェニル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジn-プロピル、亜リン酸ジn-ブチル、亜リン酸ジn-ヘキシル、亜リン酸ジオクチル、亜リン酸モノオクチル等の亜リン酸エステル類、リン酸トリフェニル、リン酸ジフェニル、リン酸モノフェニル、リン酸ジブチル、リン酸ジオクチル、リン酸モノオクチル等のリン酸エステル類、ジフェニルホスホン酸、ジオクチルホスホン酸、ジブチルホスホン酸等のホスホン酸類、フェニルホスホン酸ジエチル等のホスホン酸エステル類、トリフェニルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン等のホスフィン類、ホウ酸、フェニルホウ酸等のホウ酸類、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等の芳香族スルホン酸塩類、ステアリン酸クロライド、塩化ベンゾイル、p-トルエンスルホン酸クロライド等の有機ハロゲン化物、ジメチル硫酸等のアルキル硫酸、塩化ベンジル等の有機ハロゲン化物等が好適に用いられる。これらの失活剤は、触媒量に対して0.01~50倍モル、好ましくは0.3~20倍モル使用される。触媒量に対して0.01倍モルより少ないと、失活効果が不充分となり好ましくない。また、触媒量に対して50倍モルより多いと、耐熱性が低下し、成形体が着色しやすくなるため好ましくない。
触媒失活後、樹脂中の低沸点化合物を0.1~1mmHgの圧力、200~320℃の温度で脱揮除去する工程を設けても良い。
<ポリエステル樹脂>
ポリエステル樹脂は、式(1)で表されるフルオレン化合物を少なくとも含むジオール成分と、ジカルボン酸及び/又はこれらの反応性誘導体を含むジカルボン酸成分とを、反応させた樹脂である。利用するジオール成分及びジカルボン酸成分は、それぞれ単一の成分であってもよく、又はジオール成分及び/又はジカルボン酸成分が2種以上の化合物を含む、即ち、共重合成分を含んでいてもよい。
ポリエステル樹脂は、式(1)で表されるフルオレン化合物を少なくとも含むジオール成分と、ジカルボン酸及び/又はこれらの反応性誘導体を含むジカルボン酸成分とを、反応させた樹脂である。利用するジオール成分及びジカルボン酸成分は、それぞれ単一の成分であってもよく、又はジオール成分及び/又はジカルボン酸成分が2種以上の化合物を含む、即ち、共重合成分を含んでいてもよい。
式(1)で表されるフルオレン化合物とともに使用可能な他のジオール化合物としては、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3-ブタンジオール、テトラメチレングリコール(1,4-ブタンジオール)、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、デカンジオールなどの直鎖状又は分岐鎖状のC2-12のアルキレングリコールなど);(ポリ)オキシアルキレングリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール);などが挙げられる。これらのジオールは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
式(1)で表されるフルオレン化合物と組み合わせて用いるジオールの好ましい例は、直鎖状又は分岐鎖状C2-10のアルキレングリコールであり、より好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C2-6のアルキレングリコール、さらに好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C2-4アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール(1,4-ブタンジオール)である。特に好ましい作用をするジオール成分としては、エチレングリコールが挙げられる。
式(1)で表されるジオール以外のジオール(例えばエチレングリコール)は、重合反応性を高めるとともに樹脂に柔軟性を付与させるための共重合成分として有用である。なお、共重合成分の導入により、屈折率、耐熱性、吸水性が低下する場合があるため、それらの点では、一般的には共重合比率は小さいほうがよい。
ジカルボン酸成分としては、ジカルボン酸、もしくはそのエステル形成性誘導体が挙げられる。ジカルボン酸成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。例えば、ジカルボン酸成分として、ジカルボン酸及びその誘導体を使用することができる。
代表的なジカルボン酸としては、例えばアルカンジカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸等)、アルケンジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸等)の脂肪族ジカルボン酸;シクロアルカンジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、ジ又はトリシクロアルカンジカルボン酸(デカリンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸等)等の脂環族ジカルボン酸;アレーンジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1,8-ナフタレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸等)ビフェニルジカルボン酸(2,2’-ビフェニルジカルボン酸等)の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。さらにこれらの反応性誘導体(ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸などの酸無水物、ジメチルエステル、ジエチルエステルなどの低級(C1-4)アルキルエステル、ジカルボン酸に対応する酸ハライドなどのエステル形成可能な誘導体)を使用することができる。
これらのジカルボン酸は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でもシクロヘキサンジカルボン酸、及びテレフタル酸が安価で工業的に入手しやすいため好ましい。
ポリエステル樹脂は、前記熱可塑性樹脂中に含まれる、式(1)で表されるフルオレン化合物由来の残基を含む構成単位の含有量が、該樹脂中に含まれる全構成単位に対して、30モル%以上とするのが好ましい。なお、「式(1)で表されるフルオレン化合物由来の残基を含む構成単位」とは、式(1)のフルオレン化合物の残基とジカルボン酸残基とからなるエステル結合-COO-を含む構成単位をいう。例えば、式(1)で表されるフルオレン化合物以外に、ジオール化合物を使用する場合は、「式(1)で表されるフルオレン化合物由来の残基を含む構成単位」以外に、「他のジオール成分の残基を含む構成単位」がポリエステル樹脂中に含まれるが、エステル結合を含む全構成単位中、「式(1)で表されるフルオレン化合物由来の残基を含む構成単位」を、30モル%以上とするのが好ましい。式(1)のフルオレン化合物の割合を前記範囲とすることで、屈折率などの光学特性の優れたポリエステル樹脂となる。強度の点では式(1)のフルオレン化合物の含有率は高いほど弾性率が高く好ましいが、一方、高すぎると引っ張り伸びが低下するため、式(1)のフルオレン化合物の含有量は90重量%程度以下であるのが好ましい。
ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分(ジカルボン酸及び/又はエステル形成性ジカルボン酸誘導体)と、式(1)で表されるフルオレン化合物を含むジオール成分とを、エステル交換法、直接重合法などの溶融重合法、溶液重合法、界面重合法等の種々の方法に従って反応させて得ることができる。中でも、反応溶媒を用いない溶融重合法が好ましい。
溶融重合法の一つであるエステル交換法は、触媒存在下、ジカルボン酸エステルとジオール化合物とを反応させ、生成するアルコールを留去しながらエステル交換を行うことによりポリエステルを得る方法であり、一般にポリエステル樹脂の合成に用いられている。
また、直接重合法は、ジカルボン酸とジオール化合物との脱水反応を行い、エステル化合物を形成したのち、減圧下にて過剰のジオール化合物を留去しながらエステル交換反応を行うことによりポリエステル樹脂を得る方法である。直接重合法はエステル交換法のようにアルコールの留出がなく、原料に安価なジカルボン酸を用いることができることが利点である。これら溶融重合法を実施する際の重合触媒種、触媒量、温度等の重合条件、及び熱安定剤、エーテル化防止剤、触媒失活剤等の添加剤については、公知の方法を参照することができる。
<ポリエステルカーボネート樹脂>
ポリエステルカーボネート樹脂は、式(1)で表されるフルオレン化合物を少なくとも含むジオール成分と、ジカルボン酸及び炭酸エステル成分と、塩基性化合物触媒、エステル交換触媒またはその双方からなる混合触媒とを含有する樹脂である。利用するジヒドロキシ成分及びジカルボン酸成分及び炭酸ジエステル成分は、それぞれ単一成分であっても良く、又はジヒドロキシ成分及び/又は、ジカルボン酸成分及び/又は、炭酸ジエステル成分が2種類以上の化合物を含んでも良い。
ポリエステルカーボネート樹脂は、式(1)で表されるフルオレン化合物を少なくとも含むジオール成分と、ジカルボン酸及び炭酸エステル成分と、塩基性化合物触媒、エステル交換触媒またはその双方からなる混合触媒とを含有する樹脂である。利用するジヒドロキシ成分及びジカルボン酸成分及び炭酸ジエステル成分は、それぞれ単一成分であっても良く、又はジヒドロキシ成分及び/又は、ジカルボン酸成分及び/又は、炭酸ジエステル成分が2種類以上の化合物を含んでも良い。
式(1)で表されるフルオレン化合物とともに使用可能なジオール成分は、エチレングリコール等の脂肪族ジオール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、デカリン-2, 6-ジメタノール、ノルボルナンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、シクロペンタン-1,3-ジメタノール、スピログリコール等の脂環式ジオール、1,1’-ビフェニル-4,4’-ジオール、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルファイド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ケトン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-t-ブチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、α,ω-ビス[2-(p-ヒドロキシフェニル)エチル]ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(o-ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン、4,4’-[1,3-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)ドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、ビスフェノールA等の芳香族ジオール等が挙げられる。これらは単独または二種以上組み合わせて用いてもよい。
ポリエステルカーボネート樹脂におけるジカルボン酸化合物は、テレフタル酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸等の脂肪族ジカルボン酸、イソフタル酸、tert-ブチルイソフタル酸等の単環式芳香族ジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸等の多環式芳香族ジカルボン酸、2,2’-ビフェニルジカルボン酸等のビフェニルジカルボン酸、1,4-シクロジカルボン酸、2,6-デカリンジカルボン酸等の脂還族ジカルボン酸が挙げられる。これらは単独または二種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、テレフタル酸が好ましい。また、これらの誘導体としては酸クロライドやエステル類が用いられる。
ポリエステルカーボネート樹脂の製造に用いるカーボネート前駆物質としては例えばホスゲン、ジフェニルカーボネート、上記二価フェノール類のビスクロロホーメート、ジ-p-トリルカーボネート、フェニル-p-トリルカーボネート、ジ-p-クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート等が挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。
ポリエステルカーボネート樹脂を製造する方法としては、通常のポリエステルカーボネート樹脂の製造に用いる方法が任意に採用される。例えばジオールとジカルボン酸又はジカルボン酸クロライドとホスゲンとの反応、又はジオールとジカルボン酸とビスアリールカーボネートとのエステル交換反応が好ましく採用される。
ジオール、ジカルボン酸又はその酸クロライドとホスゲンとの反応では、非水系で酸結合剤及び溶媒の存在下に反応を行う。酸結合剤としては例えばピリジン、ジメチルアミノピリジン、第三級アミン等が用いられる。溶媒としては例えば塩化メチレンやクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。分子量調節剤として例えばフェノールやp-tert-ブチルフェノール等の末端停止剤を用いることが望ましい。反応温度は通常0~40℃、反応時間は数分~5時間が好ましい。
エステル交換反応では、不活性ガス存在下にジオールとジカルボン酸又はそのジエステルとビスアリールカーボネートを混合し、減圧下通常120~350℃、好ましくは150~300℃で反応させる。減圧度は段階的に変化させ、最終的には1mmHg以下にして生成したアルコール類を系外に留去させる。反応時間は通常1~4時間程度である。また、エステル交換反応では反応促進のために重合触媒を用いることができる。このような重合触媒としてはアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物又はその他金属化合物を主成分として用い、必要に応じて含窒素塩基性化合物を従成分として用いても良い。
アルカリ金属化合物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ビスフェノールAのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム等が挙げられる。アルカリ土類金属化合物としては水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム等が挙げられる。
含窒素塩基性化合物としてはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン、ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。
その他のエステル交換触媒としては亜鉛、スズ、ジルコニウム、鉛、チタン、ゲルマニウム、アンチモン、オスミウム、アルミニウムの塩が挙げられ、例えば、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、2-エチルヘキサン酸亜鉛、塩化スズ(II)、塩化スズ(IV)、酢酸スズ(II)、酢酸スズ(IV)、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズジメトキシド、ジルコニウムアセチルアセトナート、オキシ酢酸ジルコニウム、ジルコニウムテトラブトキシド、酢酸鉛(II)、酢酸鉛(IV)チタンテトラブトキシド(IV)、アルミニウムアセチルアセトネート等が用いられる。
これらの触媒は単独で用いても、二種以上併用してもよく、これらの重合触媒の使用量はジオールとジカルボン酸の合計1モルに対して、10-9~10-3モルの比率で用いられる。これらは単独で用いても、二種以上併用してもよい。また、エステル交換反応ではヒドロキシ末端基を減少するために重縮合反応の後期又は終了後に電子吸引性の置換基を持ったジアリールカーボネートを加えも良い。更に、色相改善のために酸化防止剤や熱安定剤等を加えてもよい。
ポリエステルカーボネート樹脂は、重合反応終了後、熱安定性および加水分解安定性を保持するために、触媒を除去もしくは失活させてもよい。アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物については、一般的に、公知の酸性物質の添加による触媒の失活を行う方法が好適に実施される。これらの物質としては、具体的には、安息香酸ブチル等のエステル類、p-トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸類、p-トルエンスルホン酸ブチル、p-トルエンスルホン酸ヘキシル等の芳香族スルホン酸エステル類、亜リン酸、リン酸、ホスホン酸等のリン酸類、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸モノフェニル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジn-プロピル、亜リン酸ジn-ブチル、亜リン酸ジn-ヘキシル、亜リン酸ジオクチル、亜リン酸モノオクチル等の亜リン酸エステル類、リン酸トリフェニル、リン酸ジフェニル、リン酸モノフェニル、リン酸ジブチル、リン酸ジオクチル、リン酸モノオクチル等のリン酸エステル類、ジフェニルホスホン酸、ジオクチルホスホン酸、ジブチルホスホン酸等のホスホン酸類、フェニルホスホン酸ジエチル等のホスホン酸エステル類、トリフェニルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン等のホスフィン類、ホウ酸、フェニルホウ酸等のホウ酸類、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等の芳香族スルホン酸塩類、ステアリン酸クロライド、塩化ベンゾイル、p-トルエンスルホン酸クロライド等の有機ハロゲン化物、ジメチル硫酸等のアルキル硫酸、塩化ベンジル等の有機ハロゲン化物等が好適に用いられる。これらの失活剤は、触媒量に対して0.01~50倍モル、好ましくは0.3~20倍モル使用される。触媒量に対して0.01倍モルより少ないと、失活効果が不充分となり好ましくない。また、触媒量に対して50倍モルより多いと、耐熱性が低下し、成形体が着色しやすくなるため好ましくない。
触媒失活後、ポリマー中の低沸点化合物を0.1~1mmHgの圧力、200~320℃の温度で脱揮除去する工程を設けても良い。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例において、各種測定は以下のように行った。
(1)高速液体クロマトグラフ(HPLC)測定
日立製高速液体クロマトグラフL-2350を用い、表1の測定条件で測定した。実施例中、特に断らない限り%はHPLCにおける溶媒を除いて補正した面積百分率値である。
(1)高速液体クロマトグラフ(HPLC)測定
日立製高速液体クロマトグラフL-2350を用い、表1の測定条件で測定した。実施例中、特に断らない限り%はHPLCにおける溶媒を除いて補正した面積百分率値である。
(2)APHA測定
測定試料0.5gをジメチルホルムアミド10mlに溶解させた溶液をφ25mmの試験管に入れ、日本電色工業(株)製TZ6000を用いて測定した。
測定試料0.5gをジメチルホルムアミド10mlに溶解させた溶液をφ25mmの試験管に入れ、日本電色工業(株)製TZ6000を用いて測定した。
(3)化合物の屈折率(nD)
測定試料をジメチルスルホキシドに溶解させ、所定濃度の溶液を作成し、各濃度の溶液の屈折率をATAGO社製DR-M2アッベ屈折計を用い、25℃におけるD線屈折率を測定した。各濃度の測定結果から濃度100%に外挿した値を実施例で得られた化合物の屈折率(nD)とした。
測定試料をジメチルスルホキシドに溶解させ、所定濃度の溶液を作成し、各濃度の溶液の屈折率をATAGO社製DR-M2アッベ屈折計を用い、25℃におけるD線屈折率を測定した。各濃度の測定結果から濃度100%に外挿した値を実施例で得られた化合物の屈折率(nD)とした。
(4)ポリマーの屈折率
各ポリマーの3mm厚試験片を作製し研磨した後、島津製作所製のカルニュー精密屈折計KPR-2000を使用して、20℃における屈折率nd(587.56nm)を測定した。
各ポリマーの3mm厚試験片を作製し研磨した後、島津製作所製のカルニュー精密屈折計KPR-2000を使用して、20℃における屈折率nd(587.56nm)を測定した。
(5)アッベ数
アッベ数の測定波長は、486.13nm、587.56nm、656.27nmの屈折率から下記の式を用いて算出した。
νd=(nd-1)/(nF-nC)
nd:波長587.56nmでの屈折率、
nF:波長486.13nmでの屈折率、
nC:波長656.27nmでの屈折率を意味する。
アッベ数の測定波長は、486.13nm、587.56nm、656.27nmの屈折率から下記の式を用いて算出した。
νd=(nd-1)/(nF-nC)
nd:波長587.56nmでの屈折率、
nF:波長486.13nmでの屈折率、
nC:波長656.27nmでの屈折率を意味する。
[実施例1:フルオレン化合物の製造]
<工程1および工程2>
撹拌機、冷却器、さらには温度計を備え付けたフラスコに2,7-ジブロモフルオレノン(以下、DBFNと略記することがある)28.1g(0.08モル)、2-ナフトール28.8g(0.20モル)、n-ドデカンチオール1.8g(0.01モル)、12タングスト(VI)リン酸n水和物(H3[PW12O40]・nH2O)0.4g(0.12ミリモル)、トルエン30ml、エチレンカーボネート7.7gを加えたのち、50kPaに減圧後、100℃まで昇温し、同温度で5時間撹拌した。反応の進行具合はHPLCにて確認し、DBFNの残存量が0.0%であることを確認し反応を終了させた。
<工程1および工程2>
撹拌機、冷却器、さらには温度計を備え付けたフラスコに2,7-ジブロモフルオレノン(以下、DBFNと略記することがある)28.1g(0.08モル)、2-ナフトール28.8g(0.20モル)、n-ドデカンチオール1.8g(0.01モル)、12タングスト(VI)リン酸n水和物(H3[PW12O40]・nH2O)0.4g(0.12ミリモル)、トルエン30ml、エチレンカーボネート7.7gを加えたのち、50kPaに減圧後、100℃まで昇温し、同温度で5時間撹拌した。反応の進行具合はHPLCにて確認し、DBFNの残存量が0.0%であることを確認し反応を終了させた。
反応後、25重量%水酸化ナトリウム水溶液を加えて12タングスト(VI)リン酸n水和物(H3[PW12O40]・nH2O)を中和したのち、120℃で系内の水を留去した。その後、炭酸カリウム0.6g(4.16ミリモル)、エチレンカーボネート28.9g(0.33モル)、ジメチルホルムアミド100mLを加えて、110℃で5時間撹拌し反応をおこなった。反応の進行具合をHPLCで確認し、9,9’-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)-2,7-ジブロモフルオレンの残存量が0.0%であることを確認して反応を終了させた。反応終了後、得られた反応液に水および25重量%水酸化ナトリウム水溶液を加え85℃で1.5時間撹拌した後、水層を分離した。得られた反応液を濃縮し、トルエンを加え溶解させた後、温水洗浄を5回行った。その後、メタノールで再結晶を2回行い、一晩減圧加熱乾燥し、9,9-ビス[6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル]-2,7-ジブロモフルオレン(以下、BNDBと略記することがある)の白色結晶を収率77%、純度97.4%で得た。
<工程3>
撹拌機、冷却器、水分離器、さらには温度計を備え付けたフラスコに、工程1および2で製造したBNDB25.3g(0.036モル)、4-エチルフェニルボロン酸12.0g(0.080モル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.08g(0.07ミリモル)、2M炭酸カリウム水溶液44ml、トルエン165ml、エタノール54mlを加えた後、80℃で3時間撹拌した。反応の進行具合はHPLCにて確認し、BNDBの残存量が0.0%であることを確認し反応を終了させた。反応液を冷却したところ、目的物である9,9-ビス[6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル]-2,7-ビス(4-エチルフェニル)フルオレン(以下、BNDePと略記することがある)は反応液に溶解したままであった。その後、反応液中からエタノールをエバポレータで留去した後、残った反応液を1M水酸化ナトリウム水溶液で1回、蒸留水で3回洗浄した。さらに活性炭処理を行った後、トルエンで再結晶を行い、得られた結晶を一晩減圧加熱乾燥し、BNDePの白色結晶を収率88%、純度98.9%で得た。また、APHAは50、屈折率は1.716であった。BNDePは反応溶媒であるトルエンやエタノールへの溶解度が高いため、反応後の後処理が容易であり、収率が高かった。
撹拌機、冷却器、水分離器、さらには温度計を備え付けたフラスコに、工程1および2で製造したBNDB25.3g(0.036モル)、4-エチルフェニルボロン酸12.0g(0.080モル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.08g(0.07ミリモル)、2M炭酸カリウム水溶液44ml、トルエン165ml、エタノール54mlを加えた後、80℃で3時間撹拌した。反応の進行具合はHPLCにて確認し、BNDBの残存量が0.0%であることを確認し反応を終了させた。反応液を冷却したところ、目的物である9,9-ビス[6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル]-2,7-ビス(4-エチルフェニル)フルオレン(以下、BNDePと略記することがある)は反応液に溶解したままであった。その後、反応液中からエタノールをエバポレータで留去した後、残った反応液を1M水酸化ナトリウム水溶液で1回、蒸留水で3回洗浄した。さらに活性炭処理を行った後、トルエンで再結晶を行い、得られた結晶を一晩減圧加熱乾燥し、BNDePの白色結晶を収率88%、純度98.9%で得た。また、APHAは50、屈折率は1.716であった。BNDePは反応溶媒であるトルエンやエタノールへの溶解度が高いため、反応後の後処理が容易であり、収率が高かった。
[参考例1]
撹拌機、冷却器、水分離器、さらには温度計を備え付けたフラスコに、工程1および2で製造したBNDB44.7g(0.06モル)、フェニルボロン酸17.2g(0.14モル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.7g(0.64ミリモル)、2M炭酸カリウム水溶液78ml、トルエン292ml、エタノール96mlを加えた後、80℃で3時間撹拌した。反応の進行具合はHPLCにて確認し、BNDBの残存量が0.0%であることを確認し反応を終了させた。反応液を冷却したところ、9,9-ビス[6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル]-2,7-ジフェニルフルオレン(以下、BNDPと略記することがある)が析出した。析出したBNDPをろ過回収した後、テトラヒドロフランに溶解させ活性炭処理を行った。その後、エバポレータでテトラヒドロフランを留去し、BNDPをトルエンに溶解し、再結晶を行い、得られた結晶を一晩減圧加熱乾燥し、BNDPの白色結晶を収率74%、純度99.2%で得た。また、APHAは60、屈折率は1.732であった。BNDPは反応溶媒であるトルエンやエタノールへの溶解度が低いため、反応後の後処理が容易でなく、収率が低かった。
撹拌機、冷却器、水分離器、さらには温度計を備え付けたフラスコに、工程1および2で製造したBNDB44.7g(0.06モル)、フェニルボロン酸17.2g(0.14モル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.7g(0.64ミリモル)、2M炭酸カリウム水溶液78ml、トルエン292ml、エタノール96mlを加えた後、80℃で3時間撹拌した。反応の進行具合はHPLCにて確認し、BNDBの残存量が0.0%であることを確認し反応を終了させた。反応液を冷却したところ、9,9-ビス[6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル]-2,7-ジフェニルフルオレン(以下、BNDPと略記することがある)が析出した。析出したBNDPをろ過回収した後、テトラヒドロフランに溶解させ活性炭処理を行った。その後、エバポレータでテトラヒドロフランを留去し、BNDPをトルエンに溶解し、再結晶を行い、得られた結晶を一晩減圧加熱乾燥し、BNDPの白色結晶を収率74%、純度99.2%で得た。また、APHAは60、屈折率は1.732であった。BNDPは反応溶媒であるトルエンやエタノールへの溶解度が低いため、反応後の後処理が容易でなく、収率が低かった。
[実施例2:ポリカーボネート樹脂の製造]
9,9-ビス[6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル]-2,7-ビス(4-エチルフェニル)フルオレン(以下、BNDePと略記することがある)を5.6質量部(10mоl%)、9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(以下、BPEFと省略することがある)29.6質量部(90mоl%)、ジフェニルカーボネート(以下、DPCと省略することがある)16.23質量部(101mоl%)、及び触媒として濃度60mmol/Lの濃度で炭酸水素ナトリウムを6.35×10-5質量部(1.00×10-3mоl%)を加え、窒素雰囲気下200℃に加熱し溶融させた。その後、5分間かけて減圧度を20kPaに調整した。40℃/hrの昇温速度で260℃まで昇温を行い、フェノールの流出量が70%になった後で60kPa/hrで減圧し、所定の電力に到達するまで重合反応を行い、反応終了後フラスコから樹脂を取り出した。得られたポリカーボネート樹脂を、1H NMRにより分析し、全モノマー成分に対してBNDeP成分が10mol%、BPEF成分が90mol%導入されていることを確認した。得られたポリカーボネート樹脂の屈折率は1.6493、アッベ数は21.0であった。
9,9-ビス[6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル]-2,7-ビス(4-エチルフェニル)フルオレン(以下、BNDePと略記することがある)を5.6質量部(10mоl%)、9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(以下、BPEFと省略することがある)29.6質量部(90mоl%)、ジフェニルカーボネート(以下、DPCと省略することがある)16.23質量部(101mоl%)、及び触媒として濃度60mmol/Lの濃度で炭酸水素ナトリウムを6.35×10-5質量部(1.00×10-3mоl%)を加え、窒素雰囲気下200℃に加熱し溶融させた。その後、5分間かけて減圧度を20kPaに調整した。40℃/hrの昇温速度で260℃まで昇温を行い、フェノールの流出量が70%になった後で60kPa/hrで減圧し、所定の電力に到達するまで重合反応を行い、反応終了後フラスコから樹脂を取り出した。得られたポリカーボネート樹脂を、1H NMRにより分析し、全モノマー成分に対してBNDeP成分が10mol%、BPEF成分が90mol%導入されていることを確認した。得られたポリカーボネート樹脂の屈折率は1.6493、アッベ数は21.0であった。
[実施例3:ポリエステルカーボネート樹脂の製造]
BNDePを17.14質量部(27mоl%)、2,2’-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)-1,1’-ビナフチル(以下、BHEBと略記することがある)8.91質量部(28mоl%)、2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル(以下、BCMBと略記することがある)15.39質量部(45mоl%)、DPCを2.00質量部(11mоl%)、及びチタンテトラブトキシド1.46×10-2質量部(5.00×10-2mоl%)を加え、窒素雰囲気下200℃に加熱し溶融させた。その後、20分かけて40kPaまで減圧すると同時に、60℃/hrの速度でジャケットを260℃まで昇温し、エステル交換反応を行った。その後、70分かけて0.13kPaまで減圧した後、0.13kPa以下の条件下で所定の電力に到達するまで重合反応を行い、反応終了後フラスコから樹脂を取り出した。得られたポリエステルカーボネート樹脂を、1H NMRにより分析し、BNDeP成分、BHEB成分、BCBM成分が全モノマー成分に対してそれぞれ、27mоl%、28mоl%、45mоl%導入されていることを確認した。得られたポリエステルカーボネート樹脂の屈折率は1.6917、アッベ数は16.2であった。
BNDePを17.14質量部(27mоl%)、2,2’-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)-1,1’-ビナフチル(以下、BHEBと略記することがある)8.91質量部(28mоl%)、2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル(以下、BCMBと略記することがある)15.39質量部(45mоl%)、DPCを2.00質量部(11mоl%)、及びチタンテトラブトキシド1.46×10-2質量部(5.00×10-2mоl%)を加え、窒素雰囲気下200℃に加熱し溶融させた。その後、20分かけて40kPaまで減圧すると同時に、60℃/hrの速度でジャケットを260℃まで昇温し、エステル交換反応を行った。その後、70分かけて0.13kPaまで減圧した後、0.13kPa以下の条件下で所定の電力に到達するまで重合反応を行い、反応終了後フラスコから樹脂を取り出した。得られたポリエステルカーボネート樹脂を、1H NMRにより分析し、BNDeP成分、BHEB成分、BCBM成分が全モノマー成分に対してそれぞれ、27mоl%、28mоl%、45mоl%導入されていることを確認した。得られたポリエステルカーボネート樹脂の屈折率は1.6917、アッベ数は16.2であった。
本発明のフルオレン骨格を有する化合物は、高屈折率であるため、熱可塑性樹脂(例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂など)の原料として好適に用いることができる。また、本発明のフルオレン骨格を有する化合物を原料とする樹脂は、例えば、フイルム、レンズ、プリズム、光ディスク、透明導電性基板、光カード、シート、光ファイバー、光学膜、光学フィルター、ハードコート膜等の光学部材に用いることができ、特にレンズに極めて有用である。
Claims (6)
- 前記式(1)~(4)のいずれかで表される化合物をジメチルホルムアミドに溶解させた5重量%溶液のハーゼン単位色数(APHA)が100以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載のフルオレン骨格を有する化合物。
- 熱可塑性樹脂の原料として、請求項1~5のいずれか1項に記載のフルオレン骨格を有する化合物を使用する方法。
Priority Applications (1)
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JP2020119324A JP2022022902A (ja) | 2020-07-10 | 2020-07-10 | フルオレン骨格を有する化合物 |
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