JP7536739B2 - 電気炉における吸窒防止方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電気炉の操業に関する技術であって、溶鋼の窒素吸収を防止する技術に関する。
従来、電気炉で鋼を製造するに際しては、スクラップや還元鉄などの鉄源をフラックスと一緒に炉内に装入し、アークにより鉄源を加熱し溶解している。その鉄源が十分に溶解した後、ランスより酸素ガスを溶鋼に吹き込みながら脱りんを行っている。
近年では、省エネルギーやリサイクルの観点から電気炉による製鋼法の重要性が再認識されつつある。ところが、電気炉鋼は、窒素含有量が高いため用途範囲が限られている。このようなことから、鋼中に窒素が吸収されることを抑制する技術が存在する。
特許文献1、2には、アーク炉でスクラップ、還元鉄及び銑鉄等の鉄源を原料とした時の低窒素鋼の溶製方法が開示されている。
特許文献1は、スクラップ等の原料溶け落ち後、溶鉄に02及びCを供給する。また、02の純度を99.5vol.%以上、送酸速度Qo2及び送酸時間t*を下記に限定することとされている。
0.55≦Qo2≦1.35(Nm3/min/ton)、
t*≧-7.2Qo2+15(min)。
且つ、次式:Cadd≧(12/11.2)Qo2t*W-CMD(kg)の右辺の値が正の値の場合には、上記式を満たすC添加量Caddを溶鉄に供給する。その際、Cのキャリアーガス中N濃度を3vol.%以下とすることとされている。ただし、W:原料溶解終了時の溶鉄量(ton)、CMD:原料溶解終了時の溶鉄に含まれる炭素重量(kg)である。
特許文献2は、原料溶解後、溶鉄に純度99.0vol.%以上の純酸素を、送酸速度Qo2で送酸時間t*の間吹錬することとされている。ここで、
Qo2=0.55~1.35(Nm3/min/ton)の範囲内、
t*≧-7.2 Qo2+15(min)
この吹錬中、式:Cadd≧(12/11.2)Qo2t*W-CMD
但し、W:原料溶解終了時の溶鉄量(ton)、CMD:原料溶解終了時の溶鉄に含まれる炭素重量(kg)、で算出される炭素添加量Caddを添加する。
また、特許文献3には、アーク式電気炉で鋼を溶製する技術が開示されている。特許文献3は、冷鉄源および/または溶銑を原料としてアーク式電気炉で鋼を溶製するにあたり、溶湯の精錬及び昇温期に排ガス中NOx濃度からスラグフォーミング状況を把握して、溶鋼と大気との接触を完全に断つことを目的としている。具体的には、アーク式電気炉で、鉄スクラップを順次溶解、精錬、昇温して溶鋼を製造するに際して、溶湯の精錬及び昇温期に排ガスNOx濃度を測定し、その測定値に基づきスラグフォーミング状態を判別する。スラグ中には炭剤を吹込みフォーミングさせる。測定したNOx累積量を4000ppm以下に納めることでスラグフォーミング状態を維持して溶鋼と大気の接触を断つこととされている。
特許文献4には、アーク式電気炉において低窒素鋼を製造する方法が開示されている。具体的には、フラットバスを形成するまでの時間帯は、炉の排滓口を全閉とした状態でアーク加熱を行うことで、大気からの吸窒を抑制する。脱炭反応による昇熱を行うため、溶鋼温度が1500℃以上に上昇し、かつ溶鋼中のC濃度が1.0重量%以上のフラットバスを形成した後は通電を停止して排滓口を開放し、開放された排滓口から装入したランスによって溶鋼中に酸素を吹込む。この条件とすることで、Feの酸化および追加の通電無く昇温することができるとされている。また、追加の通電がないので、アークスポットからの吸窒が起こらないとされている。
特許文献5には、混銑車等で溶銑を脱珪するが開示されている。具体的には、混銑車等で溶銑の脱珪を行う際に、スラグフォーミングを少なくすることを目的とし、混銑車等の反応容器内の溶銑を脱珪処理するにあたって、酸化剤の送酸速度と脱珪処理後のスラグ塩基度が以下を満たすようにすることが開示されている。
1.0>塩基度≧1.2×送酸速度+0.55
送酸速度は、0.10Nm3/t/min以上0.35Nm3/t/min以下
特許文献6には、アーク式電気炉で鋼を溶製する技術が開示されている。具体的には、冷鉄源および/または溶銑を原料としてアーク式電気炉で鋼を溶製するにあたり、排ガスの温度からスラグフォーミング状況を把握することを目的とし、電気炉の排ガス温度を連続的に測定し、その測定値の変化傾向に基づき炉内のスラグフォーミング状態等の炉内状況を監視する。なお、排ガス温度上昇速度とフォーミング高さについては鋭意検討し、排ガス温度上昇速度が臨界値以上の場合にはフォーミング高さが上昇し、臨界値未満の場合にはフォーミングが停滞することを発見したことが開示されている。
特開平11-012634号公報 特開平10-121123号公報 特許3743095号公報 特開平10-046226号公報 特許6658049号公報 特開2001-181727号公報
しかしながら、特許文献1~6には、アーク式の電気炉において鋼を製造する技術が開示されているが、溶鋼への窒素吸収を抑制するには技術的懸念があると考えられる。
特許文献1、2は、炭素添加をして酸素を投入することで、COガスを発生させて溶融スラグをフォーミングさせて溶鋼と大気との接触を遮断させているが、溶融スラグ条件の記載が無いため、所望のフォーミングが形成されない場合があり、溶鋼の低窒素化の実現が難しい虞がある。また、同文献では、酸素が照射されることによる溶鋼の飛散や酸化により、歩留が低下する虞がある。
また、特許文献3は、炭素添加をしてCOガスを発生させることで、溶融スラグをフォーミングさせて溶鋼と大気との接触を遮断させているが、溶融スラグ条件の記載が無いため、所望のフォーミングが形成されない場合があり、溶鋼の低窒素化の実現が難しい虞がある。
特許文献4は、処理の途中から電気炉への通電は行わずとも、排滓口を解放した状態で操業することから、スラグの厚み次第で溶鋼は吸窒してしまう虞がある。その吸窒を抑制するため、スラグ厚みに関する規定の記載が無く示唆もない。また、同文献は、COガスの気泡を発生させて脱窒を行うことにより、N濃度上昇を抑制するという技術であるが、時間の経過によりC濃度が低下しそれに伴いCOガスの発生速度が遅くなることから、低C濃度域では溶鋼が吸窒する虞がある。
特許文献5は、溶銑Si濃度が0.55%以上の実施例の開示しかなく、溶銑Si濃度が低い場合は脱C反応が起こりやすく、COガス生成によるフォーミングが発生してしまう虞がある。また、同文献は、スラグフォーミングを発生させない(少なくする)ことが目的であり、本発明が目的とする「スラグフォーミングを発生させること」とは全く異なる技術である。
特許文献6は、排ガス温度によってフォーミング状況を察知する技術であるが、フォーミングが不活性であった場合、操業方法を変更する手順等の具体的な記載がないため、適切なフォーミング状態に制御することが困難である。また、同文献の特許請求の範囲を参照すると、炉内状況の良否を判定すると記載されているが、判定基準の具体的な記載がないため、この記載内容から適切な判定を行うことが困難である。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、アーク式の電気炉で溶鋼を製造するにあたり、フォーミングしたスラグ層が所望の厚みとなるように形成して溶鋼を被覆することで、溶鋼への窒素吸収を防止することができる電気炉における吸窒防止方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明にかかる電気炉における吸窒防止方法は、アーク式の電気炉で溶鋼を製造する際に前記溶鋼が窒素を吸収することを防止するにあたって、前記電気炉の操業では、原料となる鉄源を加熱して溶解する工程と、溶解されてできた溶鋼に対して酸素を吹き込みつつスラグを形成して脱りんを行う工程と、を備えており、前記溶鋼を脱りんする工程において、前記スラグのフォーミングしやすさを示し、且つ、前記スラグ中に気泡が留まる時間を示す指数であって、下式[1]で算出される前記スラグのフォーミング指数Σ(sec)を0.14以上で前記溶鋼と大気の間となる前記溶鋼の表面にフォーミングしたスラグ層を形成することを特徴とする。
Figure 0007536739000001
ただし、Σ:フォーミング指数(sec)
μ:粘度(Ns/m2)
σ:表面張力(N/m)
ρ:密度(kg/m3)
Db:ガス直径(m)
本発明によれば、アーク式の電気炉で溶鋼を製造するにあたり、フォーミングしたスラグ層が所望の厚みとなるように形成して溶鋼を被覆することで、溶鋼への窒素吸収を防止することができる。
本発明の電気炉における吸窒防止方法の概略を模式的に示した図であり、スラグフォーミング指数Σが規定範囲内の場合の電気炉の状況を示した図である。 取鍋精錬中の吸窒量を示した図である。 スラグフォーミング指数Σが規定から外れた場合の電気炉の状況を模式的に示した図である。 スラグフォーミング指数Σと、処理後の溶鋼中窒素濃度との関係を示した図である。
以下、本発明にかかる電気炉における吸窒防止方法の実施形態を、図を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。
まず、本発明にかかる吸窒防止方法が行われる電気炉1について説明する。ただし、本発明の吸窒防止方法は、以下に例示する電気炉1以外の型式のものであってもよい。
図1に、本発明の電気炉1における吸窒防止方法の概略の模式図を示す。
図1に示すように、電気炉1は、上下に分割可能となっている。つまり、電気炉1は、上部が開口され且つ冷鉄源(還元鉄)などが装入可能な本体2と、その本体2の開口を覆う蓋体(図示略)と、を有している。本体2と蓋体の内部は、耐火レンガなどが施工されている。
電気炉1の側面には、排滓口3が形成されている。また、電気炉1には、排滓口3と反対側の側面に溶鋼Mを出鋼する出鋼口4が形成されている。電気炉1は、開蓋状態で装入された冷鉄源(還元鉄など)及びフラックスを本体2内部で溶解して溶湯M(溶鋼M)として収容可能となっている。
電気炉1には、上方から内部に向かって挿し込まれる複数の電極5が設けられている。本実施形態では、電極5が3本挿入されている。この電極5は、黒鉛電極であって三相交流が供給されており、電極5と内部に装入された冷鉄源(還元鉄など)との間にアークを
発生して冷鉄源(還元鉄など)が溶解して溶湯Mを形成可能となっている。
電気炉1の排滓口3からは、酸素ランス6が挿し込み可能となっている。酸素ランス6から溶湯Mに対して酸素ガスを吹き込むことで、滓化を促進して脱りん処理や脱炭処理ができるようになっている。
なお、電気炉1には姿勢を傾動させる炉傾動装置(図示略)が設けられている。この炉傾動装置を作動させて排滓口3が低くなるように電気炉1を傾動させることで、スラグSが排滓口3から排滓がされる。また、炉傾動装置を作動させて出鋼口4が低くなるように電気炉1を傾動させることで、溶鋼Mが出鋼口4から出鋼される。
図1に示すように、本発明の電気炉1における吸窒防止方法、すなわち溶鋼Mの吸窒を防止する電気炉1内におけるスラグSの制御方法は、アーク式の電気炉1で溶鋼Mを製造するにあたって、電気炉1の操業では、原料となる鉄スクラップ又は直接還元鉄(鉄源)をアーク加熱などにより溶解する工程と、溶解されてできた溶鋼Mに対して酸素ランス6から酸素を吹き込みつつスラグSを形成して脱りんを行う工程と、を備えており、酸素を吹き込んで溶鋼Mを脱りんする工程において、後述する下式[1]で算出されるスラグSのフォーミング指数Σを0.14以上で、溶鋼Mと大気の間となる溶鋼Mの表面にフォーミングしたスラグ層を形成し、溶鋼Mが窒素を吸収することを防止することを特徴とする。
次いで、本発明の電気炉1における吸窒防止方法を具体的に説明する。
アーク式の電気炉1で溶鋼Mを製造するにあたっては、日本国内においては一般的に、電気炉1にて溶解する原料はスクラップを用いている。なお、ガスの価格が安く且つスクラップ価格が高い諸外国においては、直接還元鉄を電気炉1の溶解原料として用いている(参考文献:(森井簾,電気炉製鋼法(2000))などを参照)。従って、スクラップや還元鉄の市場在庫などに応じて、そのスクラップと還元鉄のどちらかを単独で使用する操業、あるいは、両者を併用する操業も十分に考えられる。
また近年では、我が国の内外において省エネルギーやリサイクルの観点から、電気炉1による製鋼法の重要性が再認識されつつある。しかしながら、品質の面からみると、電気炉鋼は、転炉鋼に比べてCu,Sn,Crなどのトランプエレメント含有量が多いことや、窒素含有量が高いことを主として二つの理由により、鋼種制約が課せられている。
このように、溶鋼M中に固溶する窒素は、後工程における圧延工程または鍛造工程のときにおいて、鋼材表面に皺(しわ)や割れなどの欠陥をもたらすことが一般的に課題として知られている。そのため、電気炉1の操業中における溶鋼Mの吸窒を抑制し、電気炉1での処理後の窒素濃度を50ppm未満にすることが、欠陥の抑制(鋼材品質の向上)には必要となってくる。
さて、電気炉1の操業では、アーク加熱などにより鉄源を溶解する工程と、フラックスの添加および酸素ガスを供給することにより酸化精錬(脱りんと脱炭)を行う工程と、に大別される。
ただし、上記工程の区別に関し一概には言えない上に、溶解工程と酸化精錬工程の両工程の境目を明確に切り分けることは難しいが、一例としては、電気炉1の操業の全工程に要する時間は1~2時間程度である。その内訳としては、前半の鉄源溶解工程に要する時間が全体のおおよそ6~8割の時間であり、残り(4割~2割)の時間が酸化精錬工程の時間である。
酸化精錬工程では、溶落後の溶湯Mに対して電気炉1内下部にあるガスパイプ、若しくは、電気炉1内に挿入されるランス6から酸素などの所定のガスを吹き込んで溶鋼Mを攪拌しつつ酸素ガスによる脱炭を行うとともに、フラックスの添加によって形成させたスラグSとメタル(溶鋼M)との反応による脱りんを行う。
なお、本発明は、スラグメタル反応を起こすためのスラグ層を制御する技術に関わるので、少なくとも「脱りん工程を備えているもの」としている。つまり、本実施形態においては、脱炭工程について言及していない。
すなわち、本実施形態においては、アーク加熱などにより鉄源を溶解する工程と、酸素を投入して(吹き込んでバブリングして)スラグSを形成して、溶鋼Mの脱りんを行う工程を備えている電気炉1の操業を対象としている。
本発明は、溶鋼Mが窒素を吸収することを防止するにあたり、酸素を吹き込みつつスラグSを形成して溶鋼Mの脱りんを行う工程において、下式[1]で算出されるスラグSのフォーミング指数Σ(sec)を0.14以上にて、溶鋼Mと大気の間となる溶鋼Mの表面にフォーミングしたスラグ層を形成させる。
Figure 0007536739000002
ただし、Σ:フォーミング指数(sec)
μ:粘度(Ns/m2)
σ:表面張力(N/m)
ρ:密度(kg/m3)
Db:ガス直径(m)
ところで、電気炉鋼において窒素含有量が高いことは、大気中の窒素が溶鋼Mに吸収されることが起因している。
図2に、取鍋精錬中の吸窒量を示す。なお、図2については、詳しくは(阿部ら,鉄と鋼68(1982),1955.)などの参考文献を参照するとよい。
図2に示すように、溶鋼Mへの吸窒を抑制するためには、スラグSで溶鋼Mの表面を覆うことが効果的であり、参考文献でも示されているように、これまでに確認された事象でもある。
電気炉1にて処理中の溶鋼Mには炭素が含有しており、添加した酸素と反応してCOガスが発生する(C+O=CO)。このCOガスを含んだ溶融スラグSは、フォーミングされて溶鋼Mの表面を被覆する。
上記した式[1]のΣ(sec)は、スラグS中にCOガスなどの気泡が留まる時間であり、フォーミング指数と定義される(参考文献:(Zhang Y., Fruehan R. J.:Metall. Mater. Trans B26(1995), 803.)などを参照)。
フォーミング指数Σは、スラグ粘度と相関がある。そのスラグ粘度が高くなれば、フォーミング指数Σは大きくなる(時間が長くなる)。つまり、Σの値が大きくなるとフォーミングしやすくなり、溶鋼M表面をスラグSによって覆われやすくなる。
図3に、スラグフォーミング指数Σが規定から外れた場合の電気炉1の状況を示す。
図3に示すように、スラグフォーミング指数Σを0.14未満になると、フォーミングスラグSが一様に形成されない(スラグ層の厚みが部分的に厚い、薄い、溶鋼M表面の露出など)ため、溶鋼Mが大気に接触して窒素を吸収してしまう。
図1に、スラグフォーミング指数Σが規定範囲内の場合の電気炉1の状況を示す。
図1に示すように、鋭意研究した結果、溶鋼Mの窒素吸収を抑制するためには、フォーミング指数Σを0.14以上にする必要があることを知見した。
スラグ粘度は、スラグ温度、スラグ組成と相関がある(参考文献:(飯田孝道ら,溶融スラグ・ガラスの粘性,2003.)などを参照)。
また、スラグ組成は、溶解原料の成分/量及び、投入するフラックスの成分/量に加えて、投入する酸素量に依存される。そのため、スラグSのフォーミング指数Σを0.14以上となるように、これら溶解原料、フラックス、酸素量などのパラメータを設定する。
本発明は、酸素を吹き込んで溶鋼Mの脱りんを行う工程において、スラグフォーミング指数Σ(sec)を常に0.14以上とする。つまり、実操業において、粘度μ(Ns/m2)を制御しスラグSを生成し、スラグSがフォーミングされたら、フォーミング指数Σ(sec)が0.14以上となるように維持する。
ここで、表1に、本実施形態に関するパラメータ(スラグフォーミング指数Σ、実験データのパラメータなど)の定義について示す。
Figure 0007536739000003
[実施例]
以下に、本発明の吸窒を防止する電気炉1内におけるスラグSの制御方法に従って実施した実施例及び、本発明と比較するために実施した比較例について、説明する。なお、本実施例に記載した内容は本発明の例示であって、これに限定されるものではない。
本実施例における実施条件については、以下の通りである。
表2に、電気炉1、溶解原料、スラグSなどの条件について示す。
Figure 0007536739000004
表2に示すように、電気炉1の容量については、20t,100tを用いて実施した。
表3に、使用したスクラップおよび銑鉄の組成の一例について示す。なお、表3については、主成分はFeである。またいずれも、その他不可避的混入成分を含むものとしている。また、表3は、あくまでも一例であって、スクラップおよび銑鉄の組成はこれに限定しない。
Figure 0007536739000005
表4に、HBI(Hot Briquetted Iron)の組成の一例について示す。本実施例においては、溶解原料としてHBIを採用する。なお、表4については、詳しくは(田中英年,神鋼R&D Vol.64(2014),No.1,p2-7.)の参考文献を参照するとよい。また、表4は、あくまでも一例であって、溶解原料としてはHBIに限定しない。また、表4については、その他不可避的混入成分を含むものとしている。
HBIの定義は、「650 ℃以上の温度でブリケットにした、5g/cm3以上の見掛密度をもつ還元鉄(JIS M 8700:2013より)」を基にしている。
Figure 0007536739000006
表5に、フラックスの組成(mass%)の一例について示す。なお、表5については、空欄は分析値無しであり、またいずれも、その他不可避的混入成分を含むものとしている。また、表5は、あくまでも一例であって、フラックスの組成はこれに限定しない。
Figure 0007536739000007
表6に、本発明の吸窒を防止する電気炉1内におけるスラグSの制御方法に従って実施した実施例、及び、本発明と比較するために実施した比較例を示す。
なお、表6のスラグ組成は、表5に示す複数のフラックスを、適宜組み合わせて使用してできるものである。
Figure 0007536739000008
表6に示すように、本実施例の実験番号1は、スラグSのフォーミング指数Σ(sec)=0.15で(0.14以上)、電気炉1の処理後成分である窒素濃度Nf(mass ppm)=38となり、電気炉1での処理後の窒素濃度<50ppmを満たすものとなった。
また、本実施例の実験番号2は、スラグSのフォーミング指数Σ(sec)=0.24で(0.14以上)、電気炉1の処理後成分である窒素濃度Nf(mass ppm)=41となり、電気炉1での処理後の窒素濃度<50ppmを満たすものとなった。
一方で、例えば、比較例の実験番号3は、スラグSのフォーミング指数Σ(sec)=0.06で、電気炉1の処理後成分である窒素濃度Nf(mass ppm)=68となり、電気炉1での処理後の窒素濃度<50ppmを満たさないものとなった。また、比較例の実験番号4~6も同様に、電気炉1での処理後の窒素濃度<50ppmを満たさないものとなった。
図4に、スラグフォーミング指数Σ(sec)と、電気炉1での処理後の溶鋼中窒素濃度(mass%)との関係を示す。
図4に示すように、フォーミング指数Σ(sec)を0.14以上にすることによって、電気炉1での処理後(出鋼前)の溶鋼中窒素濃度を50ppm未満にすることが可能になる。すなわち、スラグ組成によってスラグ粘度を制御し、フォーミング指数Σ(sec)を規定範囲の0.14以上で制御すると、低窒素鋼を溶製することができるようになる。
なお、電気炉1での溶鋼中窒素濃度を50ppm未満にする理由については、以下の通りである。
溶鋼M中に固溶する窒素は、後工程における圧延工程または鍛造工程のときにおいて、鋼材の表面に皺(しわ)や割れなどの欠陥をもたらすことが、一般的に課題として知られている。そのため、吸窒による欠陥を抑制し鋼材の品質を高めるには、電気炉1での処理後の溶鋼中窒素濃度を50ppm未満にする必要がある。
このように、スラグSのフォーミング指数Σ(sec)を0.14以上で、溶鋼Mを被覆するフォーミングスラグ層を形成させることで、溶鋼Mへの窒素吸収を抑制し、出鋼時における溶鋼Mの窒素濃度を低位にする。
以上、本発明の電気炉1における吸窒防止方法によれば、アーク式の電気炉1で溶鋼Mを製造するにあたり、フォーミングしたスラグ層が所望の厚みとなるように形成して溶鋼Mを被覆することで、溶鋼Mへの窒素吸収を防止することができる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
特に、今回開示された実施形態において、明示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 電気炉
2 本体
3 排滓口
4 出鋼口
5 電極
6 酸素ランス
M 溶鋼(溶湯)
S スラグ

Claims (1)

  1. アーク式の電気炉で溶鋼を製造する際に前記溶鋼が窒素を吸収することを防止するにあたって、
    前記電気炉の操業では、原料となる鉄源を加熱して溶解する工程と、溶解されてできた溶鋼に対して酸素を吹き込みつつスラグを形成して脱りんを行う工程と、を備えており、
    前記溶鋼を脱りんする工程において、
    前記スラグのフォーミングしやすさを示し、且つ、前記スラグ中に気泡が留まる時間を示す指数であって、下式[1]で算出される前記スラグのフォーミング指数Σ(sec)を0.14以上で前記溶鋼と大気の間となる前記溶鋼の表面にフォーミングしたスラグ層を形成することを特徴とする電気炉における吸窒防止方法。
    Figure 0007536739000009
    ただし、Σ : フォーミング指数(sec)
    μ : 粘度(Ns/m2)
    σ : 表面張力(N/m)
    ρ : 密度(kg/m3)
    Db: ガス直径(m)
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