多官能性有機ケイ素化合物は、以下の一般式:
[式中、Xは、H及びエチレン性不飽和部分から選択され、各Yは、独立して、アルコキシシリル部分、アクリルオキシ部分、及びエポキシド部分から選択される官能性部分を含み、各Rは、独立して選択されるヒドロカルビル基であり、各R1は、独立して選択されるヒドロカルビル基であり、下付き文字aは1、2、又は3であり、各下付き文字bは、独立して、0、1、又は2である]を有する。
多官能性有機ケイ素化合物の各Rは、独立して選択されるヒドロカルビル基である。適切なヒドロカルビル基は、置換又は非置換であってもよい。このようなヒドロカルビル基に関して、「置換」という用語は、1個以上の水素原子が水素以外の原子(例えば、塩素、フッ素、臭素などのハロゲン原子)で置き換えられている、炭化水素の鎖内の炭素原子が炭素以外の原子で置き換えられている(即ち、Rが鎖内に1個以上のヘテロ原子(酸素、硫黄、窒素など)を含む、又はその両方である炭化水素部分を表す。したがって、Rがエーテルなどを含んでもよく、又はエーテルなどであってもよいように、Rは、炭素鎖/主鎖内及び/又は上に(即ち、その炭素鎖/主鎖に付加される及び/又は一体である)置換基を有し得る炭化水素部分を含むことが理解されるであろう。
一般に、Rに好適なヒドロカルビル基は、独立して、直鎖、分枝鎖、環状、又はこれらの組み合わせであってもよい。環状ヒドロカルビル基は、アリール基、及び飽和又は非共役環状基を包含する。環状ヒドロカルビル基は、独立して、単環式又は多環式であってもよい。直鎖状及び分岐状ヒドロカルビル基は独立して、飽和又は不飽和であってよい。直鎖及び環状ヒドロカルビル基の組み合わせの一例は、アラルキル基である。ヒドロカルビルの一般的な例としては、アルキル基、アリール基、アルケニル基、ハロ炭素基など、並びにその誘導体、改質物(modifications)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好適なアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル(例えば、イソプロピル及び/又はn-プロピル)、ブチル(例えば、イソブチル、n-ブチル、tert-ブチル及び/又はsec-ブチル)、ペンチル(例えば、イソペンチル、ネオペンチル及び/又はtert-ペンチル)、ヘキシル、並びに6~18個の炭素原子を有する分枝状飽和炭化水素基が挙げられる。好適なアリール基の例としては、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、ベンジル、及びジメチルフェニルが挙げられる。好適なアルケニル基の例としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、ヘプテニル基、ヘキセニル基、及びシクロヘキセニル基が挙げられる。好適な一価ハロゲン化炭化水素基(即ち、ハロ炭素基)の例としては、ハロゲン化アルキル基、アリール基、及びこれらの組み合わせが挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、水素原子のうちの1つ以上が、F又はClなどのハロゲン原子で置換された、上述のアルキル基が挙げられる。ハロゲン化アルキル基の例としては、フルオロメチル、2-フルオロプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル、4,4,4-トリフルオロブチル、4,4,4,3,3-ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3-ヘプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3-ノナフルオロヘキシル、及び8,8,8,7,7-ペンタフルオロオクチル、2,2-ジフルオロシクロプロピル、2,3-ジフルオロシクロブチル、3,4-ジフルオロシクロヘキシル、及び3,4-ジフルオロ-5-メチルシクロヘプチル、クロロメチル、クロロプロピル、2-ジクロロシクロプロピル、及び2,3-ジクロロシクロペンチル基、並びにそれらの誘導体が挙げられる。ハロゲン化アリール基の例としては、水素原子のうちの1つ以上が、F又はClなどのハロゲン原子で置換された、上述のアリール基が挙げられる。ハロゲン化アリール基の具体例としては、クロロベンジル基及びフルオロベンジル基が挙げられる。
各Rは、多官能性有機ケイ素化合物中の任意の他のRと同じであっても異なっていてもよい。特定の実施形態では、各Rは同じである。他の実施形態では、少なくとも1つのRは、多官能性有機ケイ素化合物の少なくとも1つの他のRとは異なる。典型的には、各Rは、独立して、メチル基、エチル基などのアルキル基から選択される。特定の実施形態では、各Rはメチルである。
存在する場合(即ち、下に更に記載されるように、下付き文字aが1又は2である場合)、多官能性有機ケイ素化合物の各R1は、ヒドロカルビル基から独立して選択される。好適なヒドロカルビル基は、置換又は非置換であってもよく、Rに関して上述したヒドロカルビル基によって例示される。したがって、各R1は、多官能性有機ケイ素化合物中の任意のR又は各Rと同じであってもよい。しかしながら、特定の実施形態では、各R1は、多官能性有機ケイ素化合物中の少なくとも1つのR又は各Rとは異なる。同様に、各R1は、多官能性有機ケイ素化合物中の任意の他のR1と同じであっても異なっていてもよい。特定の実施形態では、各R1は同じである。他の実施形態では、少なくとも1つのR1は、多官能性有機ケイ素化合物の少なくとも1つの他のR1とは異なる。典型的には、R1は、メチル基、エチル基などのアルキル基から選択される。例えば、特定の実施形態では、R1はメチルである。しかしながら、アリール、アルカリール、及び他の種類のR1も使用することができる。加えて、R1は、上述したように、選択されたヒドロカルビル基の炭化水素鎖に対して、内部、末端、及び/又はペンダントで置換されてもよい。
一般に、多官能性有機ケイ素化合物のXは、H(即ち、ケイ素結合水素原子)及びエチレン性不飽和部分から選択される、ヒドロシリル化が可能な部分である。したがって、特定の実施形態では、Xは、Hである。他の実施形態では、Xはエチレン性不飽和部分である。エチレン性不飽和基の例としては、一般に、少なくとも1つのアルケン官能基又はアルキン官能基を有する置換又は非置換炭化水素基が挙げられる。例えば、特定の実施形態では、Xは、アルケニル基又はアルキニル基を含む、あるいはアルケニル基又はアルキニル基である。具体例としては、H2C=CH-、H2C=CHCH2-、H2C=CHCH2CH2-、H2C=CH(CH2)3-、H2C=CH(CH2)4-、H2C=C(CH3)-、H2C=C(CH3)CH2-、H2C=C(CH3)CH2CH2-、H2C=C(CH3)CH2CH(CH3)-、H2C=C(CH3)CH(CH3)CH2-、H2C=C(CH3)C(CH3)2-、HC≡C-、HC≡CCH2-、HC≡CCH(CH3)-、HC≡CC(CH3)2-、及びHC≡CC(CH3)2CH2-が挙げられる。特定の実施形態では、Xは、式-(CH2)nCHCH2を有するアルケニル部分を含み、又はこのような部分であり、式中、下付き文字nは0~4である。
特定の実施形態では、Xは、一般式-[D2]i-R6を有するエチレン性不飽和部分であり、式中、各D2は、独立して選択される二価の基であり、下付き文字iは0又は1~10であり、R6は、上記のアルケニル基又はアルキル基のうちの1つなどのアルケニル基又はアルキル基である。いくつかのこのような実施形態では、R6は、式-(R7)CCH2のアルケニル基であり、式中、R7は、1~6個の炭素原子を有するヒドロカルビル基、アルコキシ基、シリル基、又はHである。いくつかのこのような実施形態では、R7は、H又は-CH3である。これらの又は他の実施形態では、下付き文字i≧1であり、D2は、置換及び非置換炭化水素基、シロキサン基、シリル基、及びこれらの組み合わせから選択される。特定の実施形態では、下付き文字iは1であり、D2は、一般式-(CH2)jを有する部分を含み、式中、1≦j≦10である。
多官能性有機ケイ素化合物の各Yは、一般に、アルコキシシリル部分、アクリルオキシ部分、及びエポキシド部分から選択される官能性部分を含む。言い換えれば、各官能性部分Yは、以下に更に詳細に記載されるように、少なくとも1つの独立して選択されるアルコキシシリル置換基、エポキシド置換基、又はアクリルオキシ置換基を含む。多官能性有機ケイ素化合物は、1つ、2つ、又は3つの官能性部分Y(即ち、下付き文字aは、それぞれ1、2、又は3である)を含み、これらはそれぞれ独立して選択される。したがって、2つ以上の官能性部分Yが存在する場合、各Yは、多官能性有機ケイ素化合物中の任意の他のYと同じであっても異なっていてもよい。特定の実施形態では、各Yは同じである。他の実施形態では、少なくとも1つのYは、多官能性有機ケイ素化合物の少なくとも1つの他のYとは異なる。特定の実施形態では、多官能性有機ケイ素化合物の各Yは互いに異なる。いずれにせよ、多官能性有機ケイ素化合物は、様々な実施形態において2つ又は3つの官能性部分Yを含むため、本明細書中における、多官能性有機ケイ素化合物に関する単数形の「官能性部分Y」又は単に「Y」の言及は、多官能性有機ケイ素化合物のYのうちの各Yを集合的に指す(即ち、2つ又は3つの官能性部分Yが存在する場合に、その2つ又は3つの官能性部分Yのそれぞれ)ものとして理解されるべきである。
官能性部分Yのアルコキシシリル置換基、エポキシド置換基、又はアクリルオキシ置換基は、上記の多官能性有機ケイ素化合物の一般式に示されるケイ素原子(即ち、多官能性有機ケイ素化合物のシロキサン主鎖)に直接的に(例えば、共有結合を介して)又は間接的に(例えば、二価連結基を介して)結合されてもよい。特定の実施形態では、官能性部分Yのアルコキシシリル置換基、エポキシド置換基、又はアクリルオキシ置換基は、多官能性有機ケイ素化合物のシロキサン主鎖に直接結合され、それにより、上述するように、Y自体が、アルコキシシリル基、エポキシド基、又はアクリルオキシ基を表す。
いくつかの実施形態では、各官能性部分Yは、式-D-R2を有し、式中、更に後述するように、Dは二価連結基であり、R2は、アルコキシシリル基、アクリルオキシ基、又はエポキシド基を含む。
このような実施形態では、各Dは、独立して選択される二価連結基であり、直鎖又は分枝鎖であってよく、置換又は非置換であってもよい。典型的には、各Dは、二価の置換又は非置換の炭化水素基から選択される。例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのDは、式-(CH2)m-を有する炭化水素部分を含み、式中、下付き文字mは1~16又は1~6である。これらの又は他の実施形態では、少なくとも1つのDは、置換炭化水素、即ち、少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、O、N、Sなど)を有する主鎖を含む炭化水素基を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのDは、エーテル部分を含む主鎖を有する炭化水素である。各Dは、多官能性有機ケイ素化合物中の任意の他のDと同じであっても異なっていてもよい(例えば、各官能性部分Yは、任意の他の官能性部分Yと同じ又は異なるDを含んでもよい)。特定の実施形態では、各Dは同じである。他の実施形態では、少なくとも1つのDは、多官能性有機ケイ素化合物の少なくとも1つの他のDとは異なる。
一般に、各R2は、アルコキシシリル基、アクリルオキシ基、及びエポキシド基から独立して選択される。これらの基は特に限定されず、以下の一般的及び具体的な例によって例示される。したがって、代替的なアルコキシシリル基、アクリルオキシ基、及び/又はエポキシド基は、本明細書の説明を考慮に入れた当業者によって容易に想定されるであろう。各R2は、多官能性有機ケイ素化合物中の任意の他のR2と同じであっても異なっていてもよい(例えば、各官能性部分Yは、任意の他の官能性部分Yと同じ又は異なるR2を含んでもよい)。特定の実施形態では、各R2は同じである。他の実施形態では、少なくとも1つのR2は、多官能性有機ケイ素化合物の少なくとも1つの他のR2とは異なる。特定の実施形態では、多官能性有機ケイ素化合物は、少なくとも2つ又は3つの異なるR2置換基を含む。いずれにせよ、多官能性有機ケイ素化合物は、2つ又は3つの官能性部分Yを含み、これらはそれぞれ、式-D-R2を有してもよく、本明細書において単数形のR2の言及は、多官能性有機ケイ素化合物中の(即ち、2つ又は3つの官能性部分Yのそれぞれにおいて)1つのみのR2に又は各R2に適用され得る。
特定の実施形態において、R2は、以下の式を有するアルコキシシリル基である。
式中、各R3は独立して選択されるヒドロカルビル基であり、下付き文字cは0、1、又は2であり、Rは上記定義のとおりである。このような実施形態では、各R3は、アルコキシシリル基中の任意の他のR3と同じであっても異なっていてもよい。R3に好適なヒドロカルビル基の例としては、上記Rに関して記載したものが挙げられる。典型的には、各R3は、独立して、メチル基、エチル基などのアルキル基から選択される。特定の実施形態では、各R3はメチルである。他の実施形態において、各R3はエチルである。
アルコキシシリル基がそれぞれトリアルコキシシリル基、ジアルコキシアルキルシリル基、又はアルコキシルジアルキルシリル基として定義され得るように、下付き文字cは、0、1、又は2である。典型的には、下付き文字cは0又は1であり、アルコキシシリル基は少なくとも2つのアルコキシ基を含む。特定の実施形態では、下付き文字cは0であり、各R3はメチルであり、R2は、(例えば、式-Si(OCH3)3の)トリメトキシシリル基である。他の実施形態では、下付き文字cは0であり、各R3はエチルであり、R2は、(例えば、式-Si(OCH2CH3)3の)トリエトキシシリル基である。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの部分YのR2はエポキシド基である。エポキシド基は、特に限定されず、エポキシド(例えば、炭素が2個の3原子環状エーテル)を含む任意の基であってもよい。例えば、R2は、環状エポキシド又は直鎖エポキシドであってもよい。当業者には理解されるように、エポキシド(例えばエポキシド基)は、2つのエポキシド炭素が構成する炭素鎖骨格(例えば、アルケンのエポキシ化から誘導されるエポキシアルカン)の点から概略的に記載されている。例えば、直鎖状エポキシドは、一般に、同じ酸素原子に結合した2個の隣接する炭素原子を含む直鎖炭化水素を含む。同様に、環状エポキシドは、一般に、同じ酸素原子に結合した2個の隣接する炭素原子を含む環状炭化水素を含み、隣接する炭素原子の少なくとも1つ、典型的には両方ともが環状構造の環にある(即ち、エポキシド環及び炭化水素環の両方の一部を成す)。エポキシドは、末端エポキシド又は内部エポキシドであってもよい。好適なエポキシドの具体例としては、エポキシエチル基、エポキシプロピル基、及びエポキシヘキシル基などのエポキシアルキル基、並びに、エポキシシクロペンチル基及びエポキシシクロヘキシル基などのエポキシシクロアルキル基、などが挙げられる。当業者であれば、かかるエポキシド基は、置換又は非置換であってもよいと理解するであろう。
特定の実施形態では、R2は、以下の式を有するエポキシエチル基である。
他の実施形態では、R2は、以下の式を有するエポキシシクロヘキシル基である。
特定の実施形態では、少なくとも1つの部分YのR2は、以下の式を有するアクリルオキシ基である。
式中、R4は、独立して選択されるヒドロカルビル基又はHである。R4に好適なヒドロカルビル基の例としては、上記Rに関して記載したものが挙げられる。
特定の実施形態では、R4はHであり、R2はアクリレート基として定義され得る。他の実施形態では、R4は、Rに関して上述したもののいずれかなどの置換又は非置換ヒドロカルビル基から選択される。いくつかのこのような実施形態では、R4はアルキル基であり、R2はアルキルアクリレート基として定義され得る。特定の実施形態では、R4はメチルであり、R2はメタクリレート基として定義され得る。
上記のように、多官能性有機ケイ素化合物の各Yは、独立して選択される。特定の実施形態では、少なくとも1つのY、又は少なくとも2つのY、又は各Yは、メチルグリシジルエーテル基、エチルグリシジルエーテル基、プロピルグリシジルエーテル基などのアルキルグリシジルエーテル基を含む、又はこのようなアルキルグリシジルエーテル基である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのY、又は少なくとも2つのY、又は各Yは、エポキシシクロヘキシルメチル基、エポキシシクロヘキシルエチル基、エポキシシクロヘキシルプロピル基などのエポキシシクロヘキシルアルキル基を含む、又はこのようなエポキシシクロヘキシルアルキル基である。特定の実施形態では、少なくとも1つのY、又は少なくとも2つのY、又は各Yは、トリメトキシシリルメチル基、トリメトキシシリルエチル基、ジエトキシメチルシリルブチル基などのアルコキシシリルアルキル基を含む、又はこのようなアルコキシシリルアルキル基である。
多官能性有機ケイ素化合物の下付き文字aは、1、2、又は3である。したがって、特定の実施形態では、下付き文字aは1であり、多官能性有機ケイ素化合物は、以下の一般式を有し、
式中、各R、R1、Y、X、及び下付き文字bは、本明細書で定義されるとおりである。特定の実施形態では、下付き文字aは2であり、多官能性有機ケイ素化合物は、以下の一般式を有し、
式中、各R、R1、Y、X、及び下付き文字bは、本明細書で定義されるとおりである。他の実施形態では、下付き文字aは3であり、多官能性有機ケイ素化合物は、以下の一般式を有し、
式中、各R、R1、Y、X、及び下付き文字bは、本明細書で定義されるとおりである。
多官能性有機ケイ素化合物の各下付き文字bは、下付き文字aによって指定される各部分において独立して0、1、又は2である。したがって、当業者であれば、下付き文字aによって示される各部分は、独立して、式Y-Si(R)2O-(即ち、モノシロキサン、式中、bは0である)、Y-Si(R)2O-Si(R)2O-(即ち、ジシロキサン、式中、bは1である)、又は、Y-Si(R)2O-Si(R)2O-Si(R)2O-(即ち、トリシロキサン、式中、bは2である)であってもよく、各Y及びRは本明細書に定義されるとおりであることを容易に理解するであろう。
特定の実施形態では、下付き文字aによって指定される各部分において、各下付き文字bは0である。いくつかのこのような実施形態において、下付き文字aは2であり、多官能性有機ケイ素化合物は、以下の一般式を有し、
式中、各R、R1、Y、及びXは、本明細書で定義されるとおりである。他のこのような実施形態では、下付き文字aは3であり、多官能性有機ケイ素化合物は、以下の一般式を有し、
式中、各R、Y、及びXは、本明細書で定義されるとおりである。
特定の実施形態では、下付き文字aによって指定される各部分において、各下付き文字bは1である。いくつかのこのような実施形態において、下付き文字aは2であり、多官能性有機ケイ素化合物は、以下の一般式を有し、
式中、各R、R1、Y、及びXは、本明細書で定義されるとおりである。他のこのような実施形態では、下付き文字aは3であり、多官能性有機ケイ素化合物は、以下の一般式を有し、
式中、各R、Y、及びXは、本明細書で定義されるとおりである。
特定の実施形態では、下付き文字aによって指定される各部分において、各下付き文字bは2である。いくつかのこのような実施形態において、下付き文字aは2であり、多官能性有機ケイ素化合物は、以下の一般式を有し、
式中、各R、R1、Y、及びXは、本明細書で定義されるとおりである。他のこのような実施形態では、下付き文字aは3であり、多官能性有機ケイ素化合物は、以下の一般式を有し、
式中、各R、Y、及びXは、本明細書で定義されるとおりである。
上述したように、多官能性有機ケイ素化合物の各下付き文字bは同じである必要はなく、代わりに別の下付き文字bと異なっていてもよい。ただし、一例として、式中、下付き文字aが2であり、多官能性有機ケイ素化合物が下付き文字aで示される1つの部分を含み(式中、bは0である)、下付き文字aで示される1つの部分を含む(式中、bは1である)場合、多官能性有機ケイ素化合物は以下の式を有し、
式中、各R、R1、Y、及びXは、本明細書で定義されるとおりである。
多官能性有機ケイ素化合物を調製する方法(「調製方法」)も提供される。調製方法は、有機シラノール化合物(A)と、少なくとも2つの加水分解性基を有するシラン化合物(B)とを反応させることを含み、本明細書の説明を考慮して当業者に理解されるように、調製方法で使用される有機シラノール化合物(A)は、上記一般式中の下付き文字aによって指定された部分に対応する多官能性有機ケイ素化合物の一部を形成し、調製方法で使用されるシラン化合物(B)は、本明細書に記載されるように、式-Si(X)-(R1)3-aで表される部分に対応する多官能性有機ケイ素化合物の一部を形成する。
一般に、有機シラノール化合物(A)は、以下の式:
[式中、下付き文字aによって指定される部分に関して上述したように、Yは、アルコキシシリル部分、アクリルオキシ部分、及びエポキシド部分から選択される官能性部分を含み、各Rは、独立して選択されるヒドロカルビル基であり、下付き文字bは0、1、又は2である]を有する。上記にもかかわらず、当業者であれば、上記多官能性有機ケイ素化合物の下付き文字aによって指定される部分の説明を考慮に入れて、有機シラノール化合物(A)の限定の特定の変形を容易に理解するであろう。したがって、式、構造、部分、基、又は他のそのようなモチーフが多官能性有機ケイ素化合物と有機シラノール化合物(A)との間で共有される場合、かかる共有モチーフに関する上記の説明は、有機シラノール化合物も(例えば、各R、下付き文字a、官能性部分Yなどに関して)均等に表し得る。
より具体的には、各場合において、Rは、独立して、有機シラノール化合物(A)中の置換又は非置換ヒドロカルビル基である。好適なヒドロカルビル基の例は、上述のとおりである。典型的には、各Rは、独立して、メチル基、エチル基などのアルキル基から選択される。特定の実施形態では、各Rはメチルである。
有機シラノール化合物(A)の官能性部分Yは、アルコキシシリル部分、アクリルオキシ部分、及びエポキシド部分から選択される官能性部分を含む。これらのアルコキシシリル部分、アクリルオキシ部分、及びエポキシド部分の例は、上記のとおりである。
例えば、いくつかの実施形態では、官能性部分Yは、式-D-R2を有し、式中、Dは二価連結基であり、R2は、上記のアルコキシシリル基、アクリルオキシ基、又はエポキシド基のうちの1つを含む。このような実施形態では、Dは、二価の置換又は非置換の炭化水素基などの独立して選択される二価連結基である。例えば、いくつかの実施形態では、Dは、式-(CH2)m-を有する炭化水素部分を含み、式中、下付き文字mは1~16又は1~6である。これらの又は他の実施形態では、Dは、エーテル部分などの置換炭化水素を含み得る。
特定の実施形態では、有機シラノール化合物(A)は、上記式を有する化合物の混合物を含み、式中、官能性部分Yは、式-D-R2を有し、この化合物は二価の基Dに対して互いに異なる。いくつかのこのような実施形態では、各Dは直鎖又は分枝鎖炭化水素基であり、有機シラノール化合物(A)は、50:50、又は65:35、又は>90:10、又は>95:5(直鎖状:分枝状)の直鎖又は分枝鎖基の比を有する化合物である。特定の実施形態では、各Dは、上記一般式を有する使用される分子の少なくとも70モル%、又は少なくとも75モル%、又は少なくとも80モル%、又は少なくとも85モル%、又は少なくとも90モル%、又は少なくとも95モル%において、直鎖炭化水素基である。
有機シラノール化合物(A)の下付き文字bは、独立して、0、1、又は2である。例えば、特定の実施形態では、下付き文字bは0であり、有機シラノール化合物(A)は以下の式を有し、
式中、各R及びYは、上述のとおりである。他の実施形態では、下付き文字bは1であり、有機シラノール化合物(A)は以下の式を有し、
式中、各R及びYは、上述のとおりである。他の実施形態では、下付き文字bは2であり、有機シラノール化合物(A)は以下の式を有し、
式中、各R及びYは、上述のとおりである。
特定の実施形態において、R2は、以下の式を有するアルコキシシリル基である。
式中、各R3は独立して選択されるヒドロカルビル基であり、下付き文字cは0、1、又は2であり、Rは上記定義のとおりである。このような実施形態では、各R3は、アルコキシシリル基中の任意の他のR3と同じであっても異なっていてもよい。特定の実施形態において、各R3はメチルである。特定の実施形態において、各R3はエチルである。これらの又は他の実施形態において、下付き文字cは0又は1であり、アルコキシシリル基は少なくとも2つのアルコキシ基を含む。特定の実施形態では、下付き文字cは0であり、各R3はメチルであり、そのため、R2は、(例えば、式-Si(OCH3)3の)トリメトキシシリル基である。他の実施形態では、下付き文字cは0であり、各R3はエチルであり、そのため、R2は、(例えば、式-Si(OCH2CH3)3)のトリエトキシシリル基である。
いくつかの実施形態では、R2は、環状エポキシド基又は直鎖エポキシド基である。いくつかのこのような実施形態では、R2は、以下の式を有するエポキシエチル基である。
他の実施形態では、R2は、以下の式を有するエポキシシクロヘキシル基である。
特定の実施形態では、R2は、以下の式を有するアクリルオキシ基である。
式中、R4は、独立して選択されるヒドロカルビル基又はHである。いくつかのこのような実施形態では、R4はHである。他のこのような実施形態では、R4はメチルである。
有機シラノール化合物(A)全体に関して、特定の実施形態では、各Rはメチルである。これらの又は他の実施形態では、下付き文字bは0又は1である。特定の実施形態では、Yは、エチルグリシジルエーテル基、エポキシシクロヘキシルエチル基、トリメトキシシリルメチル基、又はトリメトキシシリルエチル基を含み、又は当該基である。
別段の指示がない限り、調製方法に等しく適用することが理解されるであろう多官能性有機ケイ素化合物の説明から認識されるように、存在する場合、R、R2、R3、R4、D、Y、及び下付き文字bのそれぞれの選択は限定されず、上述の多官能性有機ケイ素化合物の調製に必要なあらゆる全ての選択及び選択の組み合わせを含む。
有機シラノール化合物(A)は、任意の形態、例えば、未希釈でもよく(即ち、溶媒、担体ビヒクル、希釈剤などが存在しない)、又は溶媒若しくは分散剤などの担体ビヒクル中に配給されてもよい。担体ビヒクルは、存在する場合、有機溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ヘプタン、ヘキサン、又はオクタンなどの脂肪族炭化水素;ジクロロメタン、1,1,1-トリクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素;など;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル)、シリコーン流体、又はこれらの組み合わせ、を含み得る、あるいはいずれかであり得る。特定の実施形態では、有機シラノール化合物(A)は、担体ビヒクルの非存在下で使用される。いくつかのこのような実施形態では、有機シラノール化合物(A)は、有機シラノール化合物(A)及び/又はシラン化合物(B)と反応する水及び担体ビヒクル/揮発性物質が存在しない状態で使用される。例えば、特定の実施形態では、本方法は、有機シラノール化合物(A)から揮発性物質及び/又は溶媒(例えば、有機溶媒、水など)をストリッピングすることを含んでもよい。有機シラノール化合物(A)からストリッピングする技術は、当該技術分野において既知であり、蒸留、加熱、減圧/真空の適用、溶媒との共沸混合、モレキュラーシーブの使用、及びこれらの組み合わせを含んでもよい。
有機シラノール化合物(A)は、当業者によって選択される任意の量で使用されてもよく、例えば、選択される特定のシラン化合物(B)、採用される反応パラメータ、反応の規模(例えば、反応させられる成分(A)及び/又は(B)及び/又は調製される多官能性有機ケイ素化合物の総量)などに応じて異なる。
特定の実施形態では、本方法は、2、3、4、又はそれ以上の有機シラノール化合物(A)などの2つ以上の有機シラノール化合物(A)を使用することを含む。このような実施形態では、各有機シラノール化合物(A)は、独立して選択され、(例えば、シロキサン主鎖、官能性部分Y、置換基Rなどの観点から)任意の他の有機シラノール化合物(A)と同じであっても異なっていてもよい。
一般に、シラン化合物(B)は以下の式:
[式中、各Zは、独立して選択される加水分解性基であり、Xは、H及びエチレン性不飽和部分から選択され、各R1は、独立して選択されるヒドロカルビル基であり、下付き文字aは1、2、又は3である]を有する。上記にもかかわらず、当業者であれば、上記の式-Si(X)-(R1)3-aで表される部分の説明を考慮して、シラン化合物(B)の限定について特定の変形例を容易に推測するであろう。したがって、式、構造、部分、基、又は他のそのようなモチーフが多官能性有機ケイ素化合物とシラン化合物(B)との間で共有される場合(例えば、各R1、X、下付き文字aなどに関する場合)、かかる共有モチーフに関する上記の説明は、シラン化合物(B)を等しく表し得る。
下付き文字aは、1、2又は3である。したがって、特定の実施形態では、下付き文字aは2であり、シラン化合物(B)は、以下の式を有し、
式中、各Z、R1、及びXは、本明細書に記載のとおりである。他の実施形態では、下付き文字aは3であり、シラン化合物(B)は、以下の式を有し、
式中、各Z及びXは、本明細書に記載のとおりである。
各加水分解性基Zは、独立して選択され、シラン化合物(B)中の任意の他の加水分解性基Zと同じであっても異なっていてもよい。特定の実施形態では、各加水分解性基Zは同じである。他の実施形態では、少なくとも1つの加水分解性基Zは、シラン化合物(B)の少なくとも1つの他の加水分解性基Zとは異なる。シラン化合物(B)に好適な加水分解性基は限定されず、有機シラノール化合物(A)のシラノール基とシラン化合物(B)との縮合を促進することができる任意の基であってもよい。
特定の実施形態では、各加水分解性基Zは、ハロゲン(例えば、塩素、臭素など)、アセトキシ基(例えば、-OC(O)CH3)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基など)、オキシム基(例えば、-ONC(CH2CH3)2)、及びアミノキシ基(例えば、-ON(CH2CH3)2)から独立して選択される。特定の実施形態では、各加水分解性基Zは、ハロゲンである。特定の実施形態では、各加水分解性基Zは、塩素である。
存在する場合(即ち、下で更に説明するように、下付き文字aが2である場合)、シラン化合物(B)のR1は、ヒドロカルビル基である。特定の実施形態では、R1は、メチル基、エチル基などのアルキル基から選択される。例えば、特定の実施形態では、R1はメチルである。
一般に、シラン化合物(B)のXは、ヒドロシリル化が可能な部分である。したがって、上述のように、Xは、H(即ち、ケイ素結合水素原子)及びエチレン性不飽和部分から選択される。特定の実施形態では、XはHである。他の実施形態では、Xは、アルケニル基又はアルキニル基などのエチレン性不飽和部分である。特定の実施形態では、Xは、式-(CH2)nCHCH2を有するアルケニル部分を含み、又はこのようなアルケニル部分であり、式中、下付き文字nは0~4である。
シラン化合物(B)は、任意の形態、例えば、未希釈でもよく(即ち、溶媒、担体ビヒクル、希釈剤などが存在しない)、又は溶媒若しくは分散剤などの担体ビヒクル中に配給されてもよい。担体ビヒクルは、存在する場合、有機溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ヘプタン、ヘキサン、又はオクタンなどの脂肪族炭化水素;ジクロロメタン、1,1,1-トリクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素;など;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル)、シリコーン流体、又はこれらの組み合わせ、を含み得る、あるいはいずれかであり得る。
いくつかの実施形態では、シラン化合物(B)は、有機シラノール化合物(A)及び/又はシラン化合物(B)と反応する水及び担体ビヒクル/揮発性物質の非存在下で使用される。例えば、特定の実施形態では、本方法は、シラン化合物(B)から揮発性物質及び/又は溶媒(例えば、水、反応性溶媒など)をストリッピングすることを含んでもよい。シラン化合物(B)からストリッピングする技術は、当該技術分野において既知であり、加熱、乾燥、減圧/真空の適用、溶媒との共沸混合、モレキュラーシーブの使用、及びこれらの組み合わせを含んでもよい。
特定の実施形態では、本方法は、2、3、又は4以上のシラン化合物(B)などの、2つ以上のシラン化合物(B)を使用することを含む。このような実施形態では、各シラン化合物(B)は、独立して選択され、(例えば、加水分解性基Z、ヒドロシリル化が可能な部分Xなどに関して)任意の他のシラン化合物(B)と同じであっても異なっていてもよい。
シラン化合物(B)は、当業者によって選択される任意の量で使用されてもよく、例えば、選択される特定の有機シラノール化合物(A)、採用される反応パラメータ、反応の規模(例えば、変換させられる成分(A)及び/又は調製される多官能性有機ケイ素化合物の総量)などに応じて異なる。
使用される有機シラノール化合物(A)及びシラン化合物(B)の相対量は、例えば、選択される特定の有機シラノール化合物(A)、選択される特定のシラン化合物(B)、使用される反応パラメータなどに基づいて異なり得る。当業者には理解されるように、成分(A)及び成分(B)の反応の理論最大モル比は、下付き文字a、即ち、加水分解性基Zの数に応じて異なる。例えば、下付き文字aが2である場合(即ち、シラン化合物(B)が2個の加水分解性基Zを有する場合)、成分(A)及び成分(B)は、2:1の比(A):(B)で反応され得る。同様に、下付き文字aが3である(即ち、シラン化合物(B)が3つの加水分解性基Zを有する)場合、成分(A)及び成分(B)は、3:1の比(A):(B)で反応され得る。
反応の特定の理論最大モル比にかかわらず、例えば、形成された反応生成物の精製を単純化するために、典型的には成分のうちの1つが過剰に使用されて成分(A)又は(B)を完全に消費する。したがって、特定の実施形態では、有機シラノール化合物(A)とシラン化合物(B)は、10:1~1:10(A):(B)、例えば、8:1~1:8、又は6:1~1:6、又は4:1~1:4(A):(B)のモル比で反応する。特定の実施形態では、成分(A)及び成分(B)の多官能性有機ケイ素化合物への変換率を最大化するために、有機シラノール化合物(A)が相対的に過剰に使用される。このような実施形態では、有機シラノール化合物(A)及びシラン化合物(B)は、(A):(B)のモル比6:1~1.1:1、例えば5:1~1.1:1、又は4:1~1.1:1、又は3:1~1.1:1で反応する。特に、このような実施形態では、有機シラノール化合物(A)及びシラン化合物(B)は、(A):(B)のモル比3.5:1~3.01:1(例えば、シラン化合物(B)が3つの加水分解性基Zを有する場合)、又は(A):(B)のモル比2.5:1~2.01:1(例えば、シラン化合物(B)が2つの加水分解性基Zを有する場合)で反応する。
これらの範囲外の比率も同様に使用され得ることが理解されるであろう。例えば、特定の実施形態では、例えば、反応中に有機シラノール化合物(A)が担体(即ち、溶媒、希釈剤など)として使用されるとき、有機シラノール化合物(A)は、例えば、シラン化合物(B)のモル量の10倍以上、又は15倍以上、又は20倍以上の総過剰量で使用される。他の実施形態では、例えば、反応中にシラン化合物(B)が担体(即ち、溶媒、希釈剤など)として使用されるとき、シラン化合物(B)は、例えば、有機シラノール化合物(A)のモル量の10倍以上、又は15倍以上、又は20倍以上の総過剰量で使用される。
有機シラノール化合物(A)とシラン化合物(B)とを反応させることは、一般に、有機シラノール化合物(A)とシラン化合物(B)とを混合すること(例えば、混合)を含む。別の言い方をすれば、有機シラノール化合物(A)とシラン化合物(B)とを混合すること以外に、還元反応に必要とされる積極的工程は存在しない。しかしながら、特定の実施形態では、成分(A)及び成分(B)のうちの1つは、その場で生成されてもよい。例えば、当業者には理解されるように、Si-OH基とSi-Cl基との縮合は、直接的に、又はまずはSi-Cl基のSi-OH基への加水分解及びその後の2つのSi-OH基の縮合によって間接的に行われてもよい。このように、有機シラノール化合物(A)は、以下の式を有する塩素官能性有機ケイ素化合物などのハロゲン官能性有機ケイ素化合物の加水分解によって調製され得ることを理解されたい。
式中、各R、Y、及び下付き文字bは、上記のとおりである。同様に、成分(B)は、間接的に反応してもよく、即ち、成分(B)の加水分解性基Zのうちの1つ以上の加水分解後に有機シラノール化合物(A)と反応してもよいことも理解されたい。更に、有機シラノール化合物(A)については、シラノール官能基(即ち、そのSi-OH基)に関して上述したが、特定の条件下では、上記塩素官能性有機ケイ素化合物は、それ自体が1つ以上のSi-OH基を含む成分(B)の1つ以上の加水分解反応生成物の加水分解により、自身と反応し得ると理解することができる。このような場合、有機シラノール化合物(A)は、その方法中にシラノール(即ち、Si-OH官能基)になることはない。したがって、有機シラノール化合物(A)に関して使用される用語「有機シラノール」は、限定されるものではなく、加水分解条件下で対応する有機シラノール化合物に容易に変換されるハロゲン官能性有機ケイ素化合物を包含するものと理解されるべきである。
いくつかの実施形態では、成分(A)及び成分(B)は、自己反応性であってもよく、即ち、追加の成分が存在することを必要とせずに、多官能性有機ケイ素化合物を形成してもよい。しかしながら、特定の実施形態では、有機シラノール化合物(A)及びシラン化合物(B)は、反応触媒(C)の存在下で反応する。
触媒(C)は限定されず、例えば、使用される特定の有機シラノール化合物(A)、使用される特定のシラン化合物(B)、採用される反応パラメータ、反応の規模(例えば、成分(A)及び成分(B)の総量、多官能性有機ケイ素化合物の総量)などに基づいて、当業者によって容易に選択されるであろう。多官能性有機ケイ素化合物を調製するための反応は、有機シラノール化合物(A)のシラノール官能基と、シラン化合物(B)の加水分解性基Zとを含むことから(例えば、当業者には理解されるように、付加及び/又は縮合機構などを介する)、一般に、使用される特定の触媒(C)は、選択される特定の有機シラノール化合物(A)及びシラン化合物(B)に応じて異なる。しかしながら、触媒(C)の選択はまた、例えば、反応中にこれらの部分が影響を受けない(即ち、反応及び/又は変換しない)ように、有機シラノール化合物(A)の特定の官能性部分及びシラン化合物(B)のヒドロシリル化が可能な部分Xを考慮に入れて行われる。
典型的には、触媒(C)は、塩基触媒、酸触媒、金属触媒(例えば、遷移金属触媒)、又はこれらの組み合わせを含む、あるいはこのような触媒若しくはその組み合わせである。しかしながら、上記に紹介したように、特定の触媒は、特定の成分(A)及び成分(B)に基づいて、即ち、成分(A)の官能性部分Y中に存在する官能基(例えばエポキシ、アクリレート、又はアルコキシ)及び成分(B)の加水分解性基Z(複数可)(例えば、アルコキシ、クロロ、オキシム、アセトキシ、又はアミノキシ)に基づいて選択される。例えば、当業者には理解されるように、Si-OH基とSi-Cl基との反応は触媒を必要としないが、典型的には、生成されたHClを中和するために塩基(例えばピリジンなど)の存在下で実施される。そのようなHClは、そうでなければ、Si-OH基縮合反応、エポキシド基(例えば、任意選択的に、官能性部分Y)の開環反応などに触媒作用を及ぼす。別の例として、アルコキシシリル基(例えば、Si-OCH3)とのSi-OH基の反応は、典型的には、触媒(例えば、酸/塩基/金属)を必要とする。しかしながら、この特定の反応は、成分(A)がアルコキシシリル基官能性部分Yを含み、成分(B)がアルコキシ加水分解性基(複数可)Zを含む場合には選択されない。その理由は、必要とされる触媒はまた、官能性部分Yのアルコキシシリル基(複数可)とSi-OH基の反応にも(即ち、成分(B)のアルコキシ加水分解性基(複数可)Zとのみではない)触媒作用を及ぼすからである。同様に、酸及び/又は金属触媒は、成分aの官能性部分Yがエポキシド官能性である場合、かかる触媒がエポキシド基の開環を促進し得るため、典型的には使用されない。しかしながら、これらの選択例は、例示として理解されるべきであり、限定するものではないが、当業者には理解されるように、任意の触媒系を成分(A)及び成分(B)の任意の官能基と共に使用し、望ましくない副反応を最小限に抑えるために、特定の条件が使用されてもよい。
「塩基性」触媒としても知られる好適な塩基触媒の例は、様々であり、ブレンステッド・ローリー型塩基として作用するか、又は別の方法で機能することが当該技術分野において既知である組成物及び/又は化合物が挙げられる。塩基触媒の具体例としては、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化セシウム(CsOH)など)、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属水酸化物とアルコールとの錯体、アルカリ金属シラノレート(例えば、シラノール酸カリウム又はトリメチルカリウムシラノレート)、テトラアルキルホスホニウムヒドロキシド、テトラアルキルホスホニウムシラノレート、ホスホニトリルハライド(クロロホスファゼン)、ホスファゼン塩基、スルホン酸、金属カルボキシレート、及びアミン(例えば、第一級、第二級、及び第三級アミン、例えばアンモニア、アルキルアミン(例えば、トリエチルアミンなど)、アミノアルコール、複素環アミン(例えばピリジン)、錯体アミン(例えば、テトラメチルグアニジン、ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU);1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン;1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)など、並びにこれらの誘導体及び組み合わせが挙げられる。
特定の実施形態では、触媒(C)は、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどの第三級アミン化合物を含む、又はそのような第三級アミン化合物である。特定の実施形態では、触媒(C)は、シッフ塩基として当該技術分野において既知のイミン化合物、及びピリミジン化合物(例えばピリジン)などの複素環式イミンを含む、又はこのような化合物である。
好適な酸触媒の例は、「酸性」触媒としても既知であり、様々であり、ブレンステッド・ローリー型(即ち、「プロトン酸」)又はルイス型酸(即ち、「ルイス酸」)として作用する、又は他の方法で機能することが当該技術分野において既知である組成物及び/又は化合物が挙げられる。酸触媒の具体例としては、カルボン酸(例えば、オクタン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸(TFAA)など)、スルホン酸(例えば、トリフルオロメタンスルホン酸など)、鉱酸(例えば、硫酸、塩酸など)、ルイス酸(例えば、三フッ化ホウ素FeCl3、AlCl3、ZnCl2、ZnBr2など)など、並びにこれらの誘導体及び組み合わせが挙げられる。
好適な金属触媒の例は限定されず、典型的には遷移金属及びp-ブロック金属から選択される金属を含むが、より高次のs-ブロック金属も使用され得る。金属触媒の一般的な例としては、スズ、鉛、アンチモン、鉄、カドミウム、バリウム、マンガン、亜鉛、クロム、コバルト、ニッケル、チタン、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、ジルコニウムを含むものが挙げられる。このような触媒は当該技術分野において周知であり、任意の種類の有機配位子及び/又は対イオン、無機及び/又は元素対イオン、並びにこれらの組み合わせを含んでもよい。
使用される場合、金属触媒は、典型的には、スズ触媒、チタン触媒、ジルコン酸触媒、及びジルコニウム触媒から選択される。好適なスズ触媒の一般的な例としては、スズの価数が+4又は+2のいずれかである有機スズ化合物(即ち、スズ(IV)化合物又はスズ(II)化合物)が挙げられる。スズ(IV)化合物の具体例としては、カルボン酸の第二スズ塩、例えば、二ラウリン酸ジブチルスズ、二ラウリン酸ジメチルスズ、ジ-(n-ブチル)スズビス-ケトネート、二酢酸ジブチルスズ、マレイン酸ジブチルスズ、ジブチルスズジアセチルアセトネート、ジブチルスズジメトキシド、カルボメトキシフェニルスズトリス-ウベレート、二オクタン酸ジブチルスズ、二ギ酸ジブチルスズ、イソブチルスズトリセロエート、二酪酸ジメチルスズ、ジメチルスズジ-ネオデコノエート、ジブチルスズジ-ネオデコノエート、酒石酸トリエチルスズ、二安息香酸ジブチルスズ、トリス2-エチルヘキサン酸ブチルスズ、二酢酸ジオクチルスズ、オクチル酸スズ、オレイン酸スズ、酪酸スズ、ナフテン酸スズ、二塩化ジメチルスズなど、これらの組み合わせ、及び/又はこれらの部分加水分解生成物が挙げられる。スズ(II)化合物の例としては、有機カルボン酸のスズ(II)塩、例えば、二酢酸スズ(II)、ジオクタン酸スズ(II)、ジエチルヘキサン酸スズ(II)、二ラウリン酸スズ(II)、カルボン酸の第一スズ塩、例えば、オクチル酸スズ、オレイン酸スズ、酢酸スズ、二ドデカン酸スズ、ステアリン酸スズ、ナフテン酸スズ、ヘキサン酸スズ、コハク酸スズ、カプリル酸スズ、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好適なチタン触媒の例としては、テトラ-n-ブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ-2-エチルヘキシルチタネート、テトラフェニルチタネート、トリエタノールアミンチタネート、オルガノシロキシチタン化合物などのチタンエステル、並びにチタンエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシジ(エトキシアセトアセチル)チタン、及びビス(アセトアセトニル)-ジイソプロポキシチタン(IV)などのジカルボニルチタン化合物が挙げられる。
上記に例示された触媒(C)の調製方法は、当該技術分野において周知であり、触媒自体及び/又はその調製に使用される化合物は、様々な供給元から市販されている。したがって、触媒(C)は、方法の一部として調製されてもよく、又は他の方法で(即ち、調製された化合物として)得られてもよい。触媒(C)の調製は、成分(A)及び成分(B)の反応前に、又はその場で(即ち、成分(A)及び成分(B)の反応中に)行うことができる。
触媒(C)は、任意の形態、例えば、未希釈でもよく(即ち、溶媒、担体ビヒクル、希釈剤などが存在しない)、又は溶媒若しくは分散剤(例えば、有機シラノール化合物(A)に関して上述したもののうちのいずれか)などの担体ビヒクル中に配給されてもよい。いくつかの実施形態では、触媒(C)は、有機シラノール化合物(A)、シラン化合物(B)、及び/又は触媒(C)自体(即ち、成分(A)及び成分(B)と混合されるまで)と反応する水及び担体ビヒクル/揮発性物質の非存在下で使用される。例えば、特定の実施形態では、本方法は、触媒(C)から揮発性物質及び/又は溶媒(例えば、水、有機溶媒など)をストリッピングすることを含んでもよい。触媒(C)からストリッピングする技術は、当該技術分野において既知であり、加熱、乾燥、減圧/真空の適用、溶媒との共沸混合、モレキュラーシーブの使用、及びこれらの組み合わせを含んでもよい。特定の実施形態では、触媒(C)は、成分(A)及び成分(B)の反応における担体として使用されてもよい。例えば、特定の実施形態では、触媒(C)は、成分(A)及び/又は(B)、又は多官能性有機ケイ素化合物を担持するために使用され得る液体(例えば、ピリジン)である。
触媒(C)は、任意の量で使用されてもよく、これは、例えば、選択される特定の触媒(C)、採用される反応パラメータ、反応の規模(例えば、成分(A)及び成分(B)の合計量)などに応じて異なる。反応に使用される成分(A)及び/又は(B)に対する触媒(C)のモル比は、成分(A)及び成分(B)の反応の速度及び/又は量に影響し、共に多官能性有機ケイ素化合物を調製することができる。したがって、成分(A)及び/又は(B)に対する触媒(C)の量、並びに両者間のモル比は変化し得る。典型的には、これらの相対量及びモル比は、(例えば、反応の経済的効率の向上、形成される反応生成物の精製の簡易化などのために)触媒(C)の充填を最小化しつつ、成分(A)及び成分(B)の結合を最大化して有機シラノール化合物を調製するように選択される。
特定の実施形態では、触媒(C)は、使用される成分(A)の総量に基づいて、0.001モル%~10モル%の量で反応に使用される。例えば、触媒(C)は、使用される成分(A)の総量に基づいて、0.005~10モル%、又は0.005~5モル%、又は0.01~5モル%の量で使用されてもよい。
特定の実施形態では、触媒(C)は、使用される成分(B)の総量に基づいて、0.001モル%~10モル%の量で反応に使用される。例えば、触媒(C)は、使用される成分(B)の総量に基づいて、0.005~10モル%、又は0.005~5モル%、又は0.01~5モル%の量で使用されてもよい。
特定の実施形態では、触媒(C)は、成分(A)及び成分(B)のうちの1つに対応して反応に使用される。例えば、シラン化合物(B)及び触媒(C)は、(B):(C)のモル比5:1~1:10で使用されてもよい。例えば、特定の実施形態では、シラン化合物(B)及び触媒(C)は、(A):(B)のモル比1:1~1:5、又は1:1~1:4、又は1:1~1:3、又は1:1~1:2、又は1:1.1~1:2で使用されてもよい。これらの範囲外の比率も同様に使用され得ることが理解されるであろう。例えば、特定の実施形態では、例えば、反応中に触媒(C)が担体(即ち、溶媒、希釈剤など)として使用されるとき、触媒(C)は、例えば、シラン化合物(B)のモル量の10倍以上、又は15倍以上、又は20倍以上の総過剰量で使用される。
特定の実施形態では、有機シラノール化合物(A)及びシラン化合物(B)は、反応阻害剤(D)の存在下で反応する。反応阻害剤(D)は限定されず、多官能性有機ケイ素化合物の調製に所望される反応及び/又は必要とされる反応以外の反応を防止、抑制、ないしは別の方法で阻害することができる任意の化合物又は組成物を含んでもよく、又はそのような任意の化合物又は組成物であってもよい。
いくつかの実施形態では、例えば、有機シラノール化合物(A)がアクリルオキシ官能基である場合、反応阻害剤(D)は、重合阻害剤を含む、又は重合阻害剤である。
重合阻害剤は、限定されず、ラジカル捕捉剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤など、又はこれらの組み合わせを含んでもよい、あるいはこれらのいずれかであってもよい。このような化合物は、当該技術分野において既知であり、例えば、共有結合の形成を通じた遊離基の除去を介して、遊離基と相互作用して遊離基を不活性にすることができる化学化合物又は部分である、あるいはこれらのいずれかを含む。重合阻害剤(D)はまた、又は代替的に、重合遅延剤、即ちラジカル重合の開始及び/又は伝播速度を低減する化合物であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、重合阻害剤(D)は、酸素ガスを含む、又は酸素ガスである。一般に、重合阻害剤(D)は、有機シラノール化合物(A)、シラン化合物(B)(例えば、エチレン性不飽和部分を含む場合)、及び/又は多官能性有機ケイ素化合物(例えば、エチレン性不飽和部分、アクリルオキシ部分などを含む場合)のラジカル重合によって形成され得る副生成物の形成を防止及び/又は抑制するために使用される。
特定の実施形態では、重合阻害剤(D)は、フェノール化合物、キノン化合物若しくはヒドロキノン化合物、N-オキシル化合物、フェノチアジン化合物、ヒンダードアミン化合物、又はこれらの組み合わせを含む、あるいはこれらのいずれかである。
フェノール化合物の例としては、フェノール、アルキルフェノール、アミノフェノール(例えばp-アミノフェノール)、ニトロソフェノール、及びアルコキシフェノールが挙げられる。このようなフェノール化合物の具体例としては、o-、m-及びp-クレゾール(メチルフェノール)、2-tert-ブチル-4-メチルフェノール、6-tert-ブチル-2,4-ジメチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2-tert-ブチルフェノール、4-tert-ブチルフェノール、2,4-ジ-tert-ブチルフェノール、2-メチル-4-tert-ブチルフェノール、4-tert-ブチル-2,6-ジメチルフェノール、又は2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、4,4’-オキシビフェニル、3,4-メチレンジオキシジフェノール(セサモール)、3,4-ジメチルフェノール、ピロカテコール(1,2-ジヒドロキシベンゼン)、2-(1’-メチルシクロヘキサ-1’-イル)-4,6-ジメチルフェノール、2-又は4-(1’-フェニルエタ-1’-イル)フェノール、2-tert-ブチル-6-メチルフェノール、2,4,6-トリス-tert-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、ノニルフェノール、オクチルフェノール、2,6-ジメチルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールC、ビスフェノールF、ビスフェノールS、3,3’,5,5’-テトラブロモビスフェノールA、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、メチル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ安息香酸メチル、4-tert-ブチルピロカテコール、2-ヒドロキシベンジルアルコール、2-メトキシ-4-メチルフェノール、2,3,6-トリメチルフェノール、2,4,5-トリメチルフェノール、2,4,6トリメチルフェノール、2-イソプロピルフェノール、4-イソプロピルフェノール、6-イソプロピル-m-クレゾール、n-オクタデシルβ-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、1,3,5-トリメチル-2,4,6トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピニルオキシエチルイソシアヌレート、1,3,5-トリス(2,6-ジメチル-3-ヒドロキシ-4-tert-ブチルベンジル)イソシアヌレート又はペンタエリスリチルテトラキス[p-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,6-ジ-tert-ブチル-4-ジメチルアミノメチルフェノール、6-sec-ブチル-2,4-ジニトロフェノール、オクタデシル3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ヘキサデシル3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクチル3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3-チア-1,5-ペンタンジオールビス[(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,8-ジオキサ-1,11-ウンデカンジオールビス[(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,8ジオキサ-1,11-ウンデカンジオールビス[(3’-tert-ブチル-4’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)プロピオネート]、1,9-ノナンジオールビス[(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,7ヘプタンジアミンビス[3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、1,1-メタンジアミンビス[3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ヒドラジド、3-(3’,5’-ジメチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ヒドラジド、ビス(3-tert-ブチル-5-エチル-2-ヒドロキシフェニル-1-イル)メタン、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェン-1-イル)メタン、ビス[3-(1’-メチルシクロヘキサ-1’-イル)-5-メチル-2-ヒドロキシフェン-1-イル]メタン、ビス(3-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルフェン-1-イル)メタン、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェン-1-イル)エタン、ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェン-1-イル)スルフィド、ビス(3-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルフェン-1-イル)スルフィド、1,1-ビス(3,4-ジメチル-2-ヒドロキシフェン-1-イル)-2-メチルプロパン、1,1-ビス(5-tert-ブチル-3-メチル-2-ヒドロキシフェン-1-イル)ブタン、1,3,5-トリス-[1’-(3Δ,5’’-ジ-tert-ブチル-4’’-ヒドロキシフェン-1’’-イル)メタ-1’-イル]-2,4,6トリメチルベンゼン、1,1,4-トリス(5’-tert-ブチル-4’-ヒドロキシ-2’-メチルフェン-1’-イル)ブタン及びtert-ブチルエアテコール(butyleatechol)、p-ニトロソフェノール、p-ニトロソ-o-クレゾール、メトキシフェノール(グアホコール、ピロカテコールモノメチルエーテル)、2-エトキシフェノール、2-イソプロポキシフェノール、4-メトキシフェノール(ヒドロキノンモノメチルエーテル)、モノ-又はジ-tert-ブチル-4-メトキシフェノール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3-ヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール、2,5-ジメトキシ-4-ヒドロキシベンジルアルコール(シリンジアルコール)、4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド(バニリン)、4-ヒドロキシ-3-エトキシベンズアルデヒド(エチルバニリン)、3-ヒドロキシ-4-メトキシベンズアルデヒド(イソバニリン)、1-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)エタノン(アセトバニロン)、オイゲノール、ジヒドロオイゲノール、イソオイゲノール、α-、β-、γ-、δ-及びε-トコフェロール、トコール、α-トコフェロールヒドロキノンなどのトコフェロール、2,3-ジヒドロ-2,2-ジメチル-7-ヒドロキシベンゾフラン(2,2-ジメチル-7-ヒドロキシクマリン)などが挙げられる。
好適なキノン及びヒドロキノンとしては、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル(4-メトキシフェノール)、メチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2-メチル-p-ヒドロキノン、2,3-ジメチルヒドロキノン、トリメチルヒドロキノン、4-メチルピロカテコール、tert-ブチルヒドロキノン、3-メチルピロカテコール、ベンゾキノン、2-メチル-p-ヒドロキノン、2,3-ジメチルヒドロキノン、トリメチルヒドロキノン、tert-ブチルヒドロキノン、4-エトキシフェノール、4-ブトキシフェノール、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、p-フェノキシフェノール、2-メチルヒドロキノン、テトラメチル-p-ベンゾキノン、ジエチル-1,4-シクロヘキサンジオン2,5-ジカルボキシレート、フェニル-p-ベンゾキノン、2,5-ジメチル-3-ベンジル-p-ベンゾキノン、2-イソプロピル-5-メチル-p-ベンゾキノン(チモキノン)、2,6-ジイソプロピル-p-ベンゾキノン、2,5-ジメチル-3-ヒドロキシ-p-ベンゾキノン、2,5-ジヒドロキシ-p-ベンゾキノン、エンベリン、テトラヒドロキシ-p-ベンゾキノン、2,5-ジメトキシ-1,4-ベンゾキノン、2-アミノ-5-メチル-p-ベンゾキノン、2,5-ビスフェニルアミノ-1,4-ベンゾキノン、5,8-ジヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、2-アニリノ-1,4-ナフトキノン、アントラキノン、N,N-ジメチルインドアニリン、N,N-ジフェニル-p-ベンゾキノンジイミン、1,4-ベンゾキノンジオキシム、コエルリグノン、3,3’-ジ-tert-ブチル-5,5’-ジメチルジフェノキノン、p-ロゾール酸(アウリン)、2,6-ジ-tert-ブチル-4-ベンジリデンベンゾキノン、2,5-ジ-tert-アミルヒドロキノンなどが挙げられる。
好適なN-オキシル化合物(即ち、ニトロキシル基又はN-オキシル基)としては、少なくとも1つのN-O●基を有する化合物、例えば、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシル、4-オキソ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシルなど、4-メトキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシル、4-アセトキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシル、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシル(TEMPO)、4,4’,4’’-トリス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシル)ホスファイト、3-オキソ-2,2,5,5-テトラメチルピロリジン-N-オキシル、1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチル-4-メトキシピペリジン、1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチル-4-トリメチルシリルロピペリジン、1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル2-エチルヘキサノエート、1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イルセバケート、1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イルステアレート、1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル-ベンゾエート、1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル(4-tert-ブチル)ベンゾエート、ビス(1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジジン-4-イル)スクシネート、ビス(1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アジペート、ビス(1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)1,10-デカンジオエート、ビス(1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)n-ブチルマロネート、ビス(1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)フタレート、ビス(1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)イソフタレート、ビス(1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジニル-4-イル)テレフタレート、ビス(1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサヒドロテレフタレート、N,N’-ビス(1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アジパミド、N-(1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)カプロラクタム、N-(1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ドデシルスクシンイミド、2,4,6-トリス[N-ブチル-N-(1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル]トリアジン、N,N’-ビス(1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)-N,N’-ビスホルミル-1,6-ジアミノヘキサン、4,4’-エチレンビス(1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピリミジン-3-オン)などが挙げられる。
重合阻害剤(D)において、又は重合阻害剤(D)としての使用に好適な他の化合物としては、フェノチアジン(PTZ)及び同様の構造を有する化合物、例えば、フェノキサジン、プロマジン、N,N’-ジメチルフェナジン、カルバゾール、N-エチルカルバゾール、N-ベンジルフェノチアジン、N-(1-フェニルエチル)フェノチアジン、例えば、N-ベンジルフェノチアジン及びN-(1-フェニルエチル)フェノチアジンなどのN-アルキル化フェノチアジン誘導体が挙げられる。当然ながら、重合阻害剤(D)は、任意の数の特定の化合物を含んでもよく、これらはそれぞれ独立して選択されてもよく、重合阻害剤(D)の任意の他の化合物と同じであっても異なっていてもよい。
特定の実施形態では、重合阻害剤(D)は、(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)オキシル(TEMPO)、4-ヒドロキシ(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)オキシル(4HT)、ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)オキシルセバケート(Bis-TEMPO)、ポリマー結合TEMPO、又はこれらの組み合わせを含む、あるいはこれらのいずれかである。
使用される場合、重合阻害剤(D)は、別個の成分として反応に添加されてもよく、又は成分(A)及び成分(B)の反応前に別の成分(例えば、有機シラノール化合物(A))と混合されてもよい。重合阻害剤(D)は、当業者によって選択される任意の量で使用されてもよく、例えば、選択される特定の重合阻害剤(D)、使用される反応パラメータ、反応の規模(例えば、成分(A)及び/又は(B)の合計量)、反応雰囲気、反応の温度及び/又は圧力など)に応じて異なる。特定の実施形態では、重合阻害剤(D)は、50ppm~2000ppmの量、例えば50ppm、又は100ppm、又は250ppm、又は500ppm、又は1000ppm、又は1500ppm、又は2000ppmの量で反応中に存在する。しかしながら、当業者は、例えば、反応規模及び/又は条件が、追加量の重合阻害剤(D)を必要とする場合、これらの範囲及び例示的な量以外の量も使用され得ることを容易に理解するであろう。
重合阻害剤(D)は、本方法において、成分(A)及び成分(B)の反応前、反応中、及び反応後などの、任意の時点で方法において使用されてもよい。加えて、反応阻害剤(D)は、反応自体内での使用に加えて、例えば真空トラップ、蒸留及び/又は受容ポットなどにおいて方法中に補助的に使用されてもよい。更に、上記の量に加えて又はこれに代えて、酸素が、別個の成分として(例えば、上記化合物から選択される別個の重合阻害剤(D)の代わりに、又はそれに加えて)反応に添加されてもよい。このような場合、酸素は、任意選択的に他の気体(例えば空気の形態)の存在下で、酸素ガスの形態で反応に導入されてもよい。使用される場合、酸素ガスの量は、反応混合物の上の気相が爆発限界未満に留まるように選択される。
典型的には、多官能性有機ケイ素化合物を調製するための成分(A)及び成分(B)の反応は、容器又は反応器内で実施される。以下に記載されるように、反応が高温又は低温で実施されるとき、容器又は反応器は、例えば被覆物、覆い、交換器、槽、コイルなどを介して、任意の好適な方法で加熱又は冷却されてもよい。
成分(A)、成分(B)、及び成分(C)、並びに任意に成分(D)は、容器に一緒に又は別々に供給されてもよく、又は任意の順番で、及び任意の組み合わせで容器内に配給されてもよい。例えば、特定の実施形態では、成分(B)及び成分(C)は、成分(A)、及び任意に成分(D)を含有する容器に添加される。このような実施形態では、成分(B)及び成分(C)は、添加前に最初に混合されてもよく、又は容器に連続的に添加されてもよい(例えば、(C)の後に(B))。一般に、本明細書における「反応混合物」の言及は、一般に、(例えば、上記のような成分を組み合わせることによって得られるような)成分(A)、成分(B)、及び成分(C)を含む混合物を指す。当然のことながら、使用される場合、成分(D)も、反応混合物中に含まれてもよい。
本発明の方法は、反応混合物を撹拌することを更に含むことができる。撹拌は、例えば、反応混合物において組み合わされたときに、成分(A)、成分(B)、及び成分(C)をより一層混合及び接触させることができる。このような接触は独立して、撹拌を伴って(例えば、並行して又は連続的に)、又は撹拌を伴わずに(即ち、独立して、又はその代わりに)、他の条件を使用することもできる。他の条件は、多官能性有機ケイ素化合物を調製するために、有機シラノール化合物(A)とシラン化合物(B)との接触、ひいては反応(即ち、加水分解)を向上させるように調整され得る。他の条件は、反応収率を増大させるための、又は多官能性有機ケイ素化合物と共に、反応生成物に含まれる特定の反応副生成物の量を最小限に抑えるための有効な条件であってもよい。
特定の実施形態では、成分(A)及び成分(B)の反応は、担体ビヒクル又は溶媒、例えば上記のもののうちの1つ以上の存在下で実施される。例えば、担体ビヒクル又は溶媒の部分は、有機シラノール化合物(A)、シラン化合物(B)、触媒(C)、及び/又は反応阻害剤(D)(即ち、存在する場合)に個々に添加されてもよく、成分(A)、成分(B)、成分(C)、及び/又は成分(D)の混合物にまとめて添加されてもよく、又は反応混合物に一体として(as a whole)添加されてもよく、あるいは別の方法で混合されてもよい。反応混合物中に存在する担体ビヒクル/溶媒の総量は、例えば、選択される特定の成分(A)、成分(B)、及び/又は成分(C)、採用される反応パラメータなどに基づいて、当業者によって選択される。
反応の温度は、選択される特定の有機シラノール化合物(A)、選択される特定のシラン化合物(B)、選択される特定の触媒(C)、調製される特定の多官能性有機ケイ素化合物、及びこれらの組み合わせに応じて選択及び制御される。特に、当業者には理解されるように、反応温度は、典型的には、シラン化合物(B)の特定の加水分解性基Zに基づいて選択される。したがって、温度は、選択された反応条件及びパラメータ、並びに本明細書の説明を考慮して、当業者によって容易に選択される。
一般に、反応は、-78℃~100℃の温度で実行することができる。しかしながら、特定の範囲(例えば、-10℃~10℃、20℃~25℃、20℃~60℃など)が、反応させられる成分(A)及び成分(B)に基づいて選択されてもよい。
特定の実施形態では、反応は、低温で実行される。低温は、典型的には25℃(周囲温度)未満、例えば-78℃~周囲温度未満、又は-30℃~周囲温度未満、又は-15℃~周囲温度未満、又は-10℃~周囲温度未満、又は-10℃~20℃、又は-5℃~20℃である。いくつかの実施形態では、反応は、(例えば、氷を用いる及び/又は0℃に設定した、氷浴、循環器、又は冷却装置を用いて)約0℃の温度で実施される。いくつかの実施形態では、反応は、室温(即ち、20℃~25℃)で実施される。
反応温度はまた、上記の範囲と異なってもよいことを理解されたい。例えば、特定の実施形態では、反応は、25℃超~100℃などの高温で実施される。いくつかのこのような実施形態では、高温は、25℃超~90℃、又は30℃~90℃、又は30℃~80℃、又は30℃~60℃である。
同様に、反応パラメータは、成分(A)及び成分(B)の反応中に修正され得ることも理解されたい。例えば、温度、圧力、及び他のパラメータは、反応中に独立して選択又は修正されてもよい。これらのパラメータはいずれも、独立して、周囲パラメータ(例えば、室温及び/又は大気圧)及び/又は非周囲パラメータ(例えば、低温又は高温及び/又は減圧若しくは高圧)であってもよい。任意のパラメータはまた、動的に修正されてもよく、リアルタイムで、即ち、方法中に変更されてもよく、又は静的(例えば、反応の持続時間中又はその任意の一部)であってもよい。
多官能性有機ケイ素化合物を調製するための成分(A)及び成分(B)の反応が実行される時間は、規模、反応パラメータ及び条件、特定の成分の選択などに応じて異なる。特定の実施形態では、反応が実行される時間は、0時間超~48時間、例えば1分間~48時間である。比較的大規模(例えば、1kg超、又は5kg超、又は10kg超、又は50kg超、又は100kg超)な場合、反応は、当業者によって容易に決定されるように(例えば、クロマトグラフィー及び/又は分光法を介して、有機シラノール化合物(A)の変換、多官能性有機ケイ素化合物の生成などを監視することによって)、1時間~48時間、又は2時間~36時間、又は4時間~24時間、又は6時間、12時間、18時間、24時間、36時間、又は48時間実行されてもよい。比較的小規模(例えば、グラム規模、又は10kg未満、又は5kg未満、又は1kg未満)な場合、反応は、1分間~4時間、例えば1分間~1時間、5~35分間、又は10分間、15分間、20分間、25分間、若しくは30分間にわたって実行されてもよい。
一般に、成分(A)及び成分(B)の反応は、多官能性有機ケイ素化合物を含む反応生成物を調製する。特に、反応の過程で、成分(A)、成分(B)、成分(C)、及び成分(D)(存在する場合)を含む反応混合物は、多官能性有機ケイ素化合物の量を増加させることと、成分(A)及び成分(B)の量を減少させることとを含む。いったん反応が完了すると(例えば、成分(A)又は成分(B)のうちの1つが消費される、追加の多官能性有機ケイ素化合物が調製されない、など)、反応混合物は、多官能性有機ケイ素化合物を含む反応生成物と称され得る。このように、反応生成物は、典型的には、任意の残りの量の成分(A)、成分(B)、成分(C)、及び成分(D)(存在する場合)、並びにその分解及び/又は反応生成物(例えば、蒸留、ストリッピングなどによって以前に除去されなかった材料)を含む。反応が任意の担体ビヒクル又は溶媒中で実施される場合、反応生成物は、このような担体ビヒクル又は溶媒を含んでもよい。
特定の実施形態では、本方法は、反応生成物から多官能性有機ケイ素化合物を単離及び/又は精製することを更に含む。本明細書で使用されるとき、多官能性有機ケイ素化合物を単離することは、典型的には、多官能性有機ケイ素化合物の相対濃度を、(例えば、反応生成物又はその精製品において)それと組み合わせた他の化合物よりも高めることと定義される。したがって、当該技術分野において理解されるように、単離/精製は、他の化合物をこのような組み合わせから除去すること(即ち、多官能性有機ケイ素化合物と組み合わされた不純物の量を、例えば反応生成物中で減少させる)、及び/又は多官能性有機ケイ素化合物自体を組み合わせから除去することを含んでもよい。単離のための任意の好適な技術及び/又はプロトコルが使用されてもよい。好適な単離技術の例としては、蒸留、ストリッピング/蒸発、抽出、濾過、洗浄、分配、相分離、クロマトグラフィーなどが挙げられる。当業者には理解されるように、これらの技術のいずれも、多官能性有機ケイ素化合物を単離するために、任意の別の技術と組み合わせて(即ち、順次)使用することができる。単離は、多官能性有機ケイ素化合物を精製することを含んでもよく、したがって多官能性有機ケイ素化合物を精製すること、と称されてもよいことを理解されたい。しかしながら、多官能性有機ケイ素化合物の精製は、多官能性有機ケイ素化合物の単離に使用される技術と代替の及び/又は追加の技術を含み得る。選択された特定の技術(複数可)にかかわらず、多官能性有機ケイ素化合物の単離及び/又は精製は、反応自体と順に(即ち、ライン内で)実行されてもよく、したがって自動化されてもよい。他の例では、精製は、多官能性有機ケイ素化合物を含む反応生成物が供される独立型手順であってもよい。
特定の実施形態では、多官能性有機ケイ素化合物を単離することは、反応生成物を濾過すること(例えば、固体、塩、及び他の沈殿又は懸濁物質を除去すること)を含む。このような実施形態では、当業者に理解されるように、溶媒及び/又は希釈剤(例えば、トルエン、ジエチルエーテルなどの有機溶媒)を使用して、反応生成物の様々な成分を可溶化及び/又は沈殿させて、多官能性有機ケイ素化合物を単離するのを容易にすることができる。これらの又は他の実施形態では、多官能性有機ケイ素化合物を単離することは、反応生成物から揮発性物質を蒸留及び/又はストリッピングすることを含む。例えば、担体ビヒクルが使用される場合などの特定の実施形態では、揮発性物質は、多官能性有機ケイ素を含む反応混合物から蒸留及び/又はストリッピングされる。両方又はいずれかの場合、(例えば、濾過による固体の除去及び/又はストリッピング/蒸留による揮発性物質の除去後)、(固体及び/又は揮発性物質から分離された)反応生成物は、単離された多官能性有機ケイ素化合物と称され得る。
特定の実施形態では、本方法は、多官能性有機ケイ素化合物を精製することを更に含む。精製のための任意の好適な手法を使用することができる。特定の実施形態では、多官能性有機ケイ素化合物を精製することは、多官能性有機ケイ素化合物(例えば、留出物)を除去すること、又は他の化合物/成分をそこからストリッピングすること(即ち、反応混合物又は精製した反応混合物の高沸点成分としてポット内に多官能性有機ケイ素化合物を残す)を含む。当業者には理解されるように、多官能性有機ケイ素化合物を精製及び/又は単離するために反応生成物又は精製反応生成物を蒸留することが、典型的には、高温及び減圧下で実行される。高温及び減圧は、当業者によって容易に決定されるように、例えば、反応の特定の成分、調製される特定の多官能性有機ケイ素化合物、使用される他の単離/精製技術などに基づいて、独立して選択される。いくつかの実施形態では、多官能性有機ケイ素化合物の精製は、単離された多官能性有機ケイ素化合物を精製すること(例えば、精製が、多官能性有機ケイ素化合物の単離の後に行われる場合)として定義することができる。
官能化シロキサン化合物も提供される。官能化シロキサン化合物は、以下の一般式:
[R5
3SiO1/2]e[R5
2SiO2/2]f[R5SiO3/2]g[SiO4/2]h、
[式中、下付き文字e、f、g、及びhはそれぞれモル分率であり、e+f+g>0であることを条件としてe+f+g+h=1であり、各R5は独立して選択され、以下に記載される]を有する。
上記官能化シロキサン化合物の一般式に関して、当業者であれば、下付き文字e、f、g、及びhによって示される部分は、それぞれ[M]単位、[D]単位、[T]単位、及び[Q]単位に対応するシロキシ基を表し、これらはそれぞれ、オルガノポリシロキサン中に存在する個々の官能基の各構造単位であることを理解するであろう。より具体的には、当業者によって理解される従来のシリコーン命名法に従って、以下のシロキシ基の一般式によって示されるように、[M]は、一般式R5
3SiO1/2の単官能性単位を表し、[D]は、一般式R5
2SiO2/2の二官能性単位を表し、[T]は、一般式R5SiO3/2の三官能性単位を表し、及び[Q]は、一般式SiO4/2の四官能性単位を表す。
官能化シロキサン化合物、具体的には、[M]シロキシ単位、[D]シロキシ単位、及び[T]シロキシ単位)に関し、各R5は独立して選択され、官能化シロキサン化合物の任意の他のR5と同じであっても異なっていてもよい。更に、各特定の[M]シロキシ単位及び/又は[D]シロキシ単位の各R5は、同じシロキシ単位のR5いずれかと同一であっても異なっていてもよく、又は互いに異なっていてもよい。特定の実施形態では、官能化シロキサン化合物は、互いに同一ではない、少なくとも2個、又は少なくとも3個、又は少なくとも4個のR5置換基を含む。
当該技術分野において理解されるように、官能化シロキサン化合物のようなシロキシ単位に好適な特定の置換基は、一般に限定されず、一価又は多価、単原子又は多原子、有機又は無機、直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換、芳香族、脂肪族、飽和又は不飽和、及びこれらの組み合わせであってもよい。R5に好適な一般的な置換基としては、ヒドロカルビル基、シロキシ基、及びHが挙げられる。より具体的には、各R5は、典型的には独立して、置換又は非置換ヒドロカルビル基、シロキシ基、及びHから選択される。しかしながら、任意のR5は、本明細書の説明から理解されるように、かかるヒドロカルビル基とシロキシ基との組み合わせを含んでもよい。
R5として使用するのに好適な置換又は非置換ヒドロカルビル基の例は、Rに関して上述されている。したがって、本明細書に記載のRに好適なヒドロカルビル基の例は、R5に等しく当てはまる。別の言い方をすれば、当業者に容易に理解されるように、任意のR5は、置換基Rに関して上述したものなどの本明細書に記載のヒドロカルビル基のいずれか、並びに様々な誘導体、改質物、及びこれらの組み合わせを含み得る。
R5における又はR5としての使用に好適なシロキシ基の例は、[M]単位、[D]単位、[T]単位、及び[Q]単位(上記のように、それぞれ、オルガノポリシロキサン中に存在する個々の官能基の構造単位を表す)を含んでもよい。置換基R5に関して、使用するのに好適なシロキシ単位は、一般式R6
3SiO1/2の[M]単位;一般式R6
2SiO2/2の[D]単位;一般式R6SiO3/2の[T]単位;及び一般式SiO4/2の[Q]単位を含み、式中、各R6は、H、及び本明細書に記載されるもののいずれかなどの置換、非置換のヒドロカルビル基、から独立して選択される。典型的には、各R6は、独立して選択されるアルキル基である。特定の実施形態において、各R6はメチルである。
官能化シロキサン化合物の各R5は独立して選択されるが、少なくとも1つのR5は、以下の一般式を有する有機ケイ素部分であり、
本明細書では「有機ケイ素部分A」と称される。当業者であれば、上記多官能性有機ケイ素化合物の説明を考慮に入れて、有機ケイ素部分Aの限定の特定の変形を容易に理解するであろう。したがって、式、構造、部分、基、又は他のそのようなモチーフが、有機ケイ素部分Aと多官能性有機ケイ素化合物(並びに、同様に、調製方法で使用される有機シラノール化合物(A)及び/又はシラン化合物(B)の関連部分)との間で共有される場合、かかる共有モチーフに関する上記の説明は、有機ケイ素部分Aを(例えば、各R、R1、下付き文字a、下付き文字b、官能性部分Yなどに関して)等しく表し得る。
特に、有機ケイ素部分Aに関して、各Yは、アルコキシシラン部分、アクリルオキシ部分、及びエポキシド部分から独立して選択され、各Rは、独立して選択されるヒドロカルビル基であり、各R1は、独立して選択されるヒドロカルビル基であり、各D1は、独立して選択される二価連結基であり、下付き文字aは1、2、又は3であり、各下付き文字bは、独立して、0、1、又は2である。当業者であれば、本明細書の説明を考慮に入れて、有機ケイ素部分Aの様々な構成を容易に想定するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、各Rはメチルである。これらの又は他の実施形態において、各R1はメチルである。これらの又は他の実施形態において、下付き文字bは、下付き文字aによって指定される各部分において独立して0又は1である。
各D1(即ち、官能化シロキサン化合物の各有機ケイ素部分AのD1)は、独立して選択される二価連結基である。典型的には、各D1は、置換又は非置換の炭化水素基である。例えば、いくつかの実施形態では、D1は、式-(CH2)m-を有する炭化水素部分を含み、式中、下付き文字mは1~16又は1~6である。典型的には、下付き文字mは少なくとも2であり、D1はエチレン基を含む、又はエチレン基である。
官能化シロキサン化合物全体に関して、置換基R5の大部分は、典型的には非置換ヒドロカルビル基である。例えば、特定の実施形態では、官能化シロキサン化合物の置換基R5の大部分はメチル基である。これらの又は他の実施形態では、官能化シロキサン化合物の少なくとも1つ又は少なくとも2つの置換基R5はHである。これらの又は他の実施形態では、官能化シロキサン化合物の少なくとも1つ又は少なくとも2つの置換基R5は、アルケニル又はアルキニル基である。これらの又は他の実施形態では、少なくとも1つ、又は少なくとも2つ、又は少なくとも3つの置換基R5は、有機ケイ素部分Aである。
官能化シロキサン化合物の下付き文字e、f、g、及びhによって示されるシロキシ部分はそれぞれ、上で紹介され記載されるような[M]シロキシ単位、[D]シロキシ単位、[T]シロキシ単位、及び[Q]シロキシ単位に対応することが、当業者には理解されるであろう。いくつかの実施形態では、官能化シロキサン化合物は、反復[D]単位を含む、即ち、下付き文字f>0である。これらの実施形態では、下付き文字fは、典型的には、0.3~1(例えば、0.3≦f≦1)の値、例えば0.3~0.9999、又は0.3~0.999、又は0.3~0.99、又は0.3~0.9、又は0.5~0.999、又は0.6~0.999、又は0.7~0.99、又は0.8~0.99、又は0.85~0.99、又は0.9~0.99である。下付き文字eは、典型的には0~0.1(0≦e≦0.1)の値、例えば0~0.099、又は0~0.09、又は0~0.085、又は0~0.08、又は0~0.075、又は0~0.07、又は0~0.065、又は0~0.06、又は0~0.055、又は0~0.05、又は0.001~0.05、又は0.002~0.05、又は0.005~0.01である。下付き文字g及びhは、典型的にはそれぞれ、0~0.1(例えば、0≦g≦0.1及び0≦h≦0.1)の独立して選択される値、例えば0~0.09、又は0~0.075、又は0~0.05、又は0~0.025、又は0~0.009、又は0~0.001、又は0~0.0001である。特定の実施形態では、官能化シロキサン化合物は、直鎖状シロキサンセグメントを含み、式中、下付き文字fは0.9~1であり、下付き文字eは0~0.1であり、下付き文字g及びhはそれぞれ0である。官能化シロキサン化合物が、反復[D]単位を含む場合、任意の1つのシロキサンセグメント中の特定の[D]単位の数(即ち、重合度、DP)は限定されない。典型的には、このようなシロキサンセグメントは、1~700個の反復[D]単位、例えば、2~600個、又は2~500個、又は5~400個、又は5~300個、又は10~250個、又は10~200個、又は15~150個、又は15~100個、又は15~50個の反復[D]単位を含む。
官能化シロキサン化合物中の[M]単位、[D]単位、[T]単位、及び[Q]単位の存在及び割合は、各シロキシ単位の各R5の特定の置換基、並びに任意の特定のシロキシ単位の各R6のように独立して選択される。全体として、官能化シロキサン化合物が直鎖状オルガノポリシロキサンを含む場合など、官能化シロキサン化合物の直鎖性を増加させるように約0の[T]単位及び[Q]単位の割合が一般的に選択される。このようなオルガノポリシロキサンは、典型的には直鎖状又は実質的に直鎖状であるが、[T]単位及び/又は[Q]単位(例えば、g+h>0)に起因するいくつかの分枝を含んでもよいことが、当業者には理解される。官能化シロキサン化合物が分枝状又は樹脂性であるとき、[T]単位及び/又は[Q]単位の割合は0を超えるように選択される。したがって、当業者であれば、官能化シロキサン化合物又はそれを用いて調製された組成物の所望の/意図される特性及び/又は特徴(例えば、物理的、化学的、審美的など)に基づいて、官能化シロキサン化合物の組成を制御するようにシロキサンセグメントの組成を選択するであろう。例えば、官能化シロキサン化合物及び/又はそれを用いて調製された組成物が、高融点及び/又は軟化点を有することが望ましい場合があり、又はそれにより調製された配合物が特定の形態(例えば、固体、ゲルなどの形態)であることが望ましい場合があり、及び官能化シロキサン化合物の組成を選択することにより、当業者がそのような望ましい特性の範囲を達成することができる。一般に、直鎖状シロキサンセグメントは、[T]単位及び/又は[Q]単位により増加した分枝を含むオルガノポリシロキサンを使用するものと比較して、改善された感触(例えば、快適な付着)及び可撓性を有する層又はコーティングを形成するために、オルガノポリシロキサンに使用される。同様に、樹脂性オルガノポリシロキサンは、より多くの直鎖オルガノポリシロキサンが使用されるものと比較して、硬度、耐移染性などが向上した製品を形成する。
官能化シロキサン化合物を調製する方法(「第2の調製方法」又は「第2の方法」)も提供される。第2の方法は、ヒドロシリル化触媒の存在下で多官能性有機ケイ素化合物とポリシロキサンとを反応させることによって、官能化シロキサン化合物を調製することを含む。
本明細書の説明を考慮に入れて当業者には理解されるように、第2の方法で使用されるポリシロキサンは、上記に紹介及び記載された官能化シロキサン化合物の一般式に対応する官能化シロキサン化合物の一部を形成し、第2の方法で使用される多官能性有機ケイ素化合物は、有機ケイ素部分Aに対応する官能化シロキサン化合物の一般式に対応するシロキサン化合物の一部を形成する。
官能化シロキサン化合物の二価連結基D1は、一般に、多官能性有機ケイ素化合物とポリシロキサンとの反応によって調製方法中に形成される。より具体的には、本明細書の説明を考慮して理解されるように、調製方法は、一般に、ヒドロシリル化反応を介して多官能性有機ケイ素化合物及びポリシロキサンを一緒に結合することを含む。したがって、多官能性有機ケイ素化合物及びポリシロキサンはそれぞれ、化合物のヒドロシリル化結合を促進するように選択される、ヒドロシリル化が可能な基を含む。換言すれば、以下に更に詳細に記載されるように、多官能性有機ケイ素化合物及びポリシロキサンのうちの一方は、エチレン性不飽和基を含み、他方はケイ素結合水素原子を含む。これらのヒドロシリル化が可能な基のヒドロシリル化は、まとめて、官能化シロキサン化合物の二価連結基D1を形成する。本明細書の説明を考慮することで当業者には理解されるように、ヒドロシリル化が可能な基は、二価連結基D1全体を形成する必要はなく、その代わりにその一部を形成してもよい。
一般に、ポリシロキサンがエチレン性不飽和基を含むとき、多官能性有機ケイ素化合物はケイ素結合水素原子を含み、ポリシロキサンがケイ素結合水素原子を含むとき、多官能性有機ケイ素化合物はケイ素結合エチレン性不飽和基を含む。これらの2つのシナリオの間の特定の選択は、例えば、調製される特定の官能化シロキサン、使用される特定の多官能性有機ケイ素化合物、及び/又は使用される特定のポリシロキサンを考慮に入れて当業者によって行われる。この選択に使用され得る特定の要因としては、本明細書に記載の様々な多官能性有機ケイ素化合物及びポリシロキサンの空間的位置、エレクトロニクス、反応性、調製の容易さ、及び/又は商業的入手可能性が挙げられる。
多官能性有機ケイ素化合物は、上で詳細に説明される。多官能性有機ケイ素化合物を参照し、本明細書の説明を考慮して理解されるように、置換基Xは、集合的に官能化シロキサンの二価連結基D1を形成する、ヒドロシリル化が可能な基のうちの1つを含む。特に、Xは、H及びエチレン性不飽和部分から選択される。上記のように、XがHである場合、ポリシロキサンは、以下に更に詳細に記載されるように、エチレン性不飽和基を含む。同様に、Xがエチレン性不飽和基を含む場合、ポリシロキサンはケイ素結合水素原子を含む。
特定の実施形態では、多官能性有機ケイ素化合物のXは、Hである。他の実施形態では、多官能性有機ケイ素化合物のXは、エチレン性不飽和部分である。好適なエチレン性不飽和部分の例は、上記のとおりであり、一般に、少なくとも1つのアルケン又はアルキン官能基を有する置換及び非置換炭化水素基を含む。例えば、特定の実施形態では、Xは、アルケニル基又はアルキニル基を含む、あるいはアルケニル基又はアルキニル基である。特定の実施形態では、Xは、式-(CH2)nCHCH2を有するアルケニル部分を含み、又はアルケニル部分であり、式中、下付き文字nは0~4である。特定の実施形態では、多官能性有機ケイ素化合物のXは、一般式-[D2]i-R6を有するエチレン性不飽和部分であり、式中、各D2は、独立して選択される二価の基であり、下付き文字iは0又は1~10であり、R6は、上記のアルケニル基又はアルキル基のうちの1つなどのアルケニル基又はアルキル基である。特定の実施形態では、下付き文字iは1であり、D2は、一般式-(CH2)jを有する部分を含み、式中、1≦j≦10である。
官能化シロキサン化合物の説明から理解されるように、別途記載のない限り、第2の方法に等しく適用することが理解されるであろうが、R、R1、Y、下付き文字a、多官能性有機ケイ素化合物の下付き文字bは、本明細書に記載される境界及び条件によってのみ制限され、したがって、上述の官能化シロキサン化合物を調製するために必要なあらゆる全ての選択及び選択の組み合わせを含む。
ポリシロキサンは、以下の一般式:
[R5
3SiO1/2]e[R5
2SiO2/2]f[R5SiO3/2]g[SiO4/2]h、
[式中、各R5及び下付き文字e、f、g、及びhは、官能化シロキサン化合物に関して上記に定義したとおりであるが、ただし、少なくとも1つのR5は、ケイ素結合水素原子又はエチレン性不飽和基を含む、ヒドロシリル化が可能な部分であることを条件とする]を有する。
ポリシロキサンのヒドロシリル化が可能な部分R5は、まとめて官能化シロキサンの二価連結基D1を形成する、ヒドロシリル化が可能な基のうちの1つを含む。したがって、官能性化合物のポリシロキサンのヒドロシリル化が可能な部分R5は、ケイ素結合水素原子又はエチレン性不飽和基を含み得る。同様に、ポリシロキサンのヒドロシリル化が可能な部分R5がケイ素結合水素原子を含むとき、多官能性有機ケイ素化合物の置換基Xは、エチレン性不飽和基を含む。同様に、ポリシロキサンのヒドロシリル化が可能な部分R5がエチレン性不飽和基を含むとき、多官能性有機ケイ素化合物の置換基XはHである。
ポリシロキサンのヒドロシリル化が可能な部分R5に好適なエチレン性不飽和基の具体例としては、本明細書に記載のエチレン性不飽和基が挙げられる。例えば、特定の実施形態では、ポリシロキサンのヒドロシリル化が可能な部分R5は、上記のもののいずれかなどのアルケニル基又はアルキニル基を含み、あるいはこれらのいずれかである。別の例として、特定の実施形態では、ポリシロキサンのヒドロシリル化が可能な部分R5は、式-(CH2)oCHCH2を有するアルケニル部分を含み、あるいはこれらのいずれかであり、式中、下付き文字oは0~4である。特定の実施形態では、ポリシロキサンのヒドロシリル化が可能な部分R5は、一般式R8-[D3]j-を有する、ヒドロシリル化が可能な基を含み、各D3は、独立して選択される二価の基であり、下付き文字jは0又は1~10であり、R8は、ケイ素結合水素原子又は式CH2C(R9)-のアルケニル基であり、式中、R9は、1~6個の炭素原子を有するヒドロカルビル基、アルコキシ基、シリル基、又はHである。いくつかのこのような実施形態において、D3は、一般式-(CH2)dを有する部分を含み、式中、1≦d≦10である。
ヒドロシリル化触媒は限定されず、ヒドロシリル化反応を触媒するための任意の既知のヒドロシリル化触媒であってもよい。異なるヒドロシリル化触媒の組み合わせを使用してもよい。
特定の実施形態において、ヒドロシリル化触媒は、第VIII族~第XI族遷移金属を含む。第VIII族~第XI族遷移金属には、最新のIUPAC命名法を参照する。第VIII族遷移金属は、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、及びハシウム(Hs)であり、第IX族遷移金属は、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、及びイリジウム(Ir)であり、第X族遷移金属は、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、及び白金(Pt)であり、第XI族遷移金属は、銅(Cu)、銀(Ag)、及び金(Au)である。これらの組み合わせ、これらの錯体(例えば、有機金属錯体)、及びこのような金属のその他の形態を、ヒドロシリル化触媒として使用してもよい。
ヒドロシリル化触媒に好適な触媒の更なる例としては、レニウム(Re)、モリブデン(Mo)、第IV族遷移金属(即ち、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、及び/又はハフニウム(Hf))、ランタニド、アクチニド、並びに第I族及び第II族金属錯体(例えば、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、ストロンチウム(Sr)などを含むもの)が挙げられる。これらの組み合わせ、これらの錯体(例えば、有機金属錯体)、及びこのような金属のその他の形態を、ヒドロシリル化触媒として使用してもよい。
ヒドロシリル化触媒は、任意の好適な形態であってもよい。例えば、ヒドロシリル化触媒は固体であってもよく、その例としては、白金系触媒、パラジウム系触媒、及び同様の貴金属系触媒、並びにまたニッケル系触媒が挙げられる。その具体例としては、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、コバルト、及び同様の元素、並びにまた白金-パラジウム、ニッケル-銅-クロム、ニッケル-銅-亜鉛、ニッケル-タングステン、ニッケル-モリブデン、及び複数の金属の組み合わせを含む同様の触媒が挙げられる。固体触媒の更なる例としては、Cu-Cr、Cu-Zn、Cu-Si、Cu-Fe-AI、Cu-Zn-Ti、及び同様の銅含有触媒などが挙げられる。
ヒドロシリル化触媒は、固体担体中又は固体担体上に存在してもよい。担体の例としては、活性炭、シリカ、シリカアルミナ、アルミナ、ゼオライト、及びその他の無機粉末/粒子(例えば硫酸ナトリウム)などが挙げられる。ヒドロシリル化触媒はまた、例えば、ヒドロシリル化触媒を可溶化する溶媒、又は、単にヒドロシリル化触媒を担持しているが可溶化しないビヒクルにおいて付着させてもよい。このようなビヒクルは、当該技術分野において既知である。
特定の実施形態では、ヒドロシリル化触媒は、白金を含む。これらの実施形態において、ヒドロシリル化触媒は、例えば、白金黒、白金化合物(塩化白金酸、塩化白金酸六水和物、塩化白金酸と一価アルコールとの反応生成物、白金ビス(エチルアセトアセテート)、白金ビス(アセチルアセトネート)、白金クロライドなど)、及びこのような化合物のオレフィン又はオルガノポリシロキサンとの錯体、並びにマトリックス又はコアシェル型化合物内にマイクロカプセル化された白金化合物により例示される。マイクロカプセル化したヒドロシリル化触媒及びその調製方法は、米国特許第4,766,176号及び同第5,017,654号に例示されるように、当該技術分野において既知であり、これらは、その全容が参照により本明細書に組み込まれる。
ヒドロシリル化触媒として使用するのに好適なオルガノポリシロキサンの白金錯体としては、1,3-ジエテニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンの白金錯体が挙げられる。これらの錯体は、樹脂マトリックス中にマイクロカプセル化されていてもよい。又は、ヒドロシリル化触媒は、1,3-ジエテニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンの白金錯体を含んでもよい。ヒドロシリル化触媒は、塩化白金酸を、ジビニルテトラメチルジシロキサンなどの脂肪族性不飽和有機ケイ素化合物、又はアルケン-白金-シリル錯体と反応させることを含む方法によって調製され得る。アルケン-白金-シリル錯体は、例えば、0.015モルの(COD)PtCl2を、0.045モルのCOD及び0.0612モルのHMeSiCl2と混合することによって調製されてもよく、CODはシクロオクタジエンを表す。
成分に好適なヒドロシリル化触媒の更なる例は、例えば、米国特許第3,159,601号、同3,220,972号、同3,296,291号同3,419,593号、同3,516,946号、同3,814,730号、同3,989,668号、同4,784,879号同第5,036,117号、及び同第5,175,325号に記載されており、これらの開示は、その全容が参照により本明細書に組み込まれる。
ヒドロシリル化触媒は、更にまた又は別の方法として、照射及び/又は加熱により硬化を開始し得る、光で活性化可能なヒドロシリル化触媒であってもよい。光で活性化可能なヒドロシリル化触媒は、特に、150~800ナノメートル(nm)の波長を有する放射線に曝露するとヒドロシリル化反応を触媒できる、任意のヒドロシリル化触媒であってもよい。
多官能性有機ケイ素化合物及びポリシロキサンは、典型的には、1.5:1~1:1.5、又は1.4:1~1:1.4、又は1.3:1~1:1.3、又は1.2:1~1:1.2、又は1.1:1~1:1.1、又は1.1:1~1:1のモル比で反応する。しかしながら、当業者は、例えば、調製される特定の官能化シロキサン化合物、使用される特定の多官能性有機ケイ素化合物、及び/又は使用されるポリシロキサン、官能化シロキサン化合物の所望の使用などを考慮に入れて、使用される特定の比を選択するであろう。
官能化シロキサン化合物を含む接着剤組成物も提供される。一般に、接着剤組成物は、官能化シロキサン化合物を含むが、特に限定されない。むしろ、本明細書の説明を考慮して理解されるように、接着剤組成物は、当該技術分野において既知の任意の方法で配合されてもよく、官能化シロキサン化合物との使用に好適である。
特定の実施形態では、接着剤組成物は縮合反応触媒を含む。このような実施形態では、縮合反応触媒は限定されず、いくつかの実施形態では、スズ触媒、チタン触媒、ジルコン酸触媒、及びジルコニウム触媒によって例示される。好適なスズ触媒の一般的な例としては、スズの価数が+4又は+2のいずれかである有機化合物(即ち、スズ(IV)化合物又はスズ(II)化合物)が挙げられる。スズ(IV)化合物の具体例としては、カルボン酸の第二スズ塩、例えば、二ラウリン酸ジブチルスズ、二ラウリン酸ジメチルスズ、ジ-(n-ブチル)スズビス-ケトネート、二酢酸ジブチルスズ、マレイン酸ジブチルスズ、ジブチルスズジアセチルアセトネート、ジブチルスズジメトキシド、カルボメトキシフェニルスズトリス-ウベレート、二オクタン酸ジブチルスズ、二ギ酸ジブチルスズ、イソブチルスズトリセロエート、二酪酸ジメチルスズ、ジメチルスズジ-ネオデコノエート、ジブチルスズジ-ネオデコノエート、酒石酸トリエチルスズ、二安息香酸ジブチルスズ、三-2-エチルヘキサン酸ブチルスズ、二酢酸ジオクチルスズ、オクチル酸スズ、オレイン酸スズ、酪酸スズ、ナフテン酸スズ、二塩化ジメチルスズなど、これらの組み合わせ、及び/又はこれらの部分加水分解生成物が挙げられる。スズ(IV)化合物の追加の例は、当該技術分野において既知であり、例えば、The Dow Chemical Companyの事業部門である欧州スイスのAcima Specialty ChemicalsからMetatin(登録商標)740及びFascat(登録商標)4202、並びにルイジアナ州HahnvilleのGalata ChemicalsからFormrez(登録商標)UL-28として市販されている。スズ(II)化合物の具体例としては、有機カルボン酸のスズ(II)塩、例えば、二酢酸スズ(II)、ジオクタン酸スズ(II)、ジエチルヘキサン酸スズ(II)、二ラウリン酸スズ(II)、カルボン酸の第一スズ塩、例えば、オクチル酸スズ、オレイン酸スズ、酢酸スズ、二ドデカン酸スズ、ステアリン酸スズ、ナフテン酸スズ、ヘキサン酸スズ、コハク酸スズ、カプリル酸スズ、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好適なチタン触媒の例としては、テトラ-n-ブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ-2-エチルヘキシルチタネート、テトラフェニルチタネート、トリエタノールアミンチタネート、オルガノシロキシチタン化合物などのチタンエステル、並びにチタンエチルアセトアセテート及びジイソプロポキシジ(エトキシアセトアセチル)チタニウム及びビス(アセトアセトニル)-ジイソプロポキシチタン(IV)などのジカルボニルチタン化合物が挙げられる。これらのチタン触媒の多くは、テキサス州、HoustonのDorf Ketal Specialty Catalysts LLCからTyzor(商標)DC、Tyzor(商標)TnBT、及びTyzor(商標)9000などとして市販されている。特定の実施形態では、縮合反応触媒は、上記に例示したもののうちの1つなどのチタン触媒であり、例えば、接着剤組成物は室温加硫接着剤組成物として配合される、又は配合されてもよい。接着剤組成物中に存在する縮合反応触媒の量は、様々な要因(例えば、官能化シロキサン化合物の量及び/又は種類、接着剤組成物中に存在する任意の追加の材料の種類及び/又は量など)に応じてさまざまであり、当業者によって容易に決定され得る。典型的には、接着剤組成物は、接着剤組成物中に存在する官能化シロキサン化合物の総重量に基づいて、0.2重量部~6重量部、又は0.5重量部~3重量部の量で縮合反応触媒を含む。
いくつかの実施形態において、接着剤組成物は、1つ以上の添加剤を更に含む。接着剤組成物中に存在し得る好適な添加剤の例としては、充填剤、処理剤(例えば、充填剤処理剤)、架橋剤、接着促進剤、表面改質剤、乾燥剤、増量剤、殺生物剤、難燃剤、可塑剤、末端遮断剤、結合剤、老化防止剤、水放出剤、顔料、レオロジー変性剤、担体、粘着付与剤、腐食防止剤、触媒阻害剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤など、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態において、接着剤組成物は充填剤を含む。充填剤は、補強充填剤、増量充填剤、導電性充填剤(例えば、導電性、熱伝導性、又はその両方)など、又はこれらの組み合わせであってもよく、又はこれらを含んでもよい。好適な補強充填剤の例としては、沈降性炭酸カルシウム及び補強シリカ充填剤(例えば、ヒュームドシリカ、シリカエアロゲル、シリカキセロゲル及び沈殿シリカ)が挙げられる。特定の好適な沈降炭酸カルシウムとしては、SolvayからのWinnofil(登録商標)SPM、及びSpeciality Minerals,Inc.からのUltrapflex(登録商標)及びUltrapflex(登録商標)100が挙げられる。ヒュームドシリカの例は、当該技術分野において既知であり、米国マサチューセッツ州のCabot CorporatuionによってCAB-O-SILの名称で販売されているものを含め市販されている。好適な増量充填剤の例としては、破砕石英、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム(例えば、粉砕炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム)、酸化亜鉛、タルク、珪藻土、酸化鉄、粘土、雲母、白亜、二酸化チタン、ジルコニア、砂、カーボンブラック、グラファイト又はこれらの組み合わせが挙げられる。増量充填剤の例は、当該技術分野において既知であり、例えば、ウェストバージニア州、Berkeley SpringsのU.S.SilicaによってMIN-U-SILの名称で販売されている石英粉末などとして市販されている。市販の増量充填剤の他の例としては、ImerysからCS-11、HuberからG3T、Specialty Minerals,Inc.からPfinyl402、及びOmyaからOmyacarb2Tの名称で販売されている炭酸カルシウムが挙げられる。接着剤組成物中に存在する充填剤の量は、様々な要因(例えば、官能化シロキサン化合物の量及び/又は種類、接着剤組成物中に存在する任意の追加の材料の種類及び/又は量など)に応じてさまざまであり、当業者によって容易に決定され得る。接着剤組成物の特定の実施態様において用いられる充填剤の正確な量は、2種類以上の充填剤が使用されるか否かにも応じて異なる。典型的には、接着剤組成物は、接着剤組成物の重量に基づいて、0.1重量%~95重量%、又は1重量%~60重量%、又は1重量%~20重量%の量で充填剤(存在する場合)を含む。
特定の実施形態では、接着剤組成物は、処理剤を含む。処理剤は限定されず、接着剤組成物中に存在し得る充填剤及び他の添加剤(例えば、物理的乾燥剤、難燃剤、顔料、及び/又は水放出剤)などの接着剤組成物の添加剤の処理(例えば表面処理)に使用するのに好適な任意の処理剤であってもよい。より具体的には、固体及び/又は微粒子添加剤は、接着剤組成物に添加される前に処理剤で処理されてもよい。あるいは、又は更に、固体及び/又は微粒子添加剤は、その場で処理剤で処理されてもよい。好適な処理剤の一般的な例としては、アルコキシシラン、アルコキシ官能性オリゴシロキサン、環状ポリオルガノシロキサン、ヒドロキシル官能性オリゴシロキサン(例えば、ジメチルシロキサン又はメチルフェニルシロキサン)、脂肪酸(例えば、ステアリン酸カルシウムなどのステアリン酸塩)など、並びにこれらの組み合わせを含むものが挙げられる。処理剤の具体例としては、アルキルチオール、脂肪酸、チタン酸塩、チタン酸塩カップリング剤、ジルコン酸塩カップリング剤など、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態では、処理剤は、有機ケイ素充填剤処理剤であるか、又は有機ケイ素充填剤処理剤を含む。このような有機ケイ素充填剤処理剤の例としては、オルガノクロロシラン、オルガノシロキサン、オルガノジシラザン(例えば、ヘキサアルキルジシラザン)、及びオルガノアルコキシシラン(例えば、CH3Si(OCH3)3、C6H13Si(OCH3)3、C8H17Si(OC2H5)3、C10H21Si(OCH3)3、C12H25Si(OCH3)3、C14H29Si(OC2H5)3、C6H5CH2CH2Si(OCH3)3など)などのシリカ充填剤を処理するのに好適な組成物が挙げられる。これらの又は他の実施形態では、処理剤は、式(X):R10
ASi(OR11)4-Aを有するアルコキシシランであるか、又はそれを含む。式(X)において、下付き文字Aは、1、2、又は3などの1~3の整数である。各R10は、例えば、1個~50個の炭素原子、又は8個~30個の炭素原子、又は8個~18個の炭素原子、又は1個~5個の炭素原子を有する一価の炭化水素基などの独立して選択される一価有機基である。R10は、飽和でも不飽和でもよく、分枝状でも非分枝状でもよい。あるいは、R10は、飽和及び非分枝状であってもよい。R10は、メチル、エチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、及びオクタデシルなどのアルキル基;ビニルなどのアルケニル基、並びにベンジル及びフェニルエチルなどの芳香族基によって例示される。各R11は、独立して選択される、1~4個の炭素原子又は1~2個の炭素原子を有する飽和炭化水素基である。有機ケイ素充填剤処理剤の具体例としては、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、フェニルエチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、及びこれらの組み合わせも挙げられる。
いくつかの実施形態では、処理剤はアルコキシ官能性オリゴシロキサンである、又はそれを含む。例えば、好適なアルコキシ官能性オリゴシロキサンとしては、一般式(XI):(R12O)BSi(OSiR13
2R14)(4-B)のものが挙げられる。式(XI)中、下付き文字Bは、1、2、又は3である。いくつかの実施形態では、下付き文字Bは3である。各R12は、独立して選択されるアルキル基である。各R13は、独立して選択される、1~10個の炭素原子を有する不飽和一価炭化水素基である。各R14は、独立して選択される、少なくとも10個の炭素原子を有する不飽和一価炭化水素基である。
特定の実施形態では、処理剤は、水素結合可能なポリオルガノシロキサンである、又はそれを含む。このような処理剤は、処理される接着剤組成物成分(例えば充填剤)の表面に相溶化部分を繋げる手段として、クラスター化及び/又は分散される複数の水素結合を利用する。水素結合が可能な好適なポリオルガノシロキサンは、1分子当たりに、水素結合が可能なケイ素結合基を平均して少なくとも1つ有し、これは典型的には、複数のヒドロキシル官能基を有する有機基、少なくとも1つのアミノ官能基を有する有機基、及びこれらの組み合わせから選択される。換言すれば、水素結合可能なポリオルガノシロキサンは、典型的には、充填剤への結合について基本的な様式として水素結合を利用する。したがって、いくつかの実施形態では、ポリオルガノシロキサンは、充填剤と共有結合を形成することができない。ポリオルガノシロキサンは、縮合可能なシリル基(例えば、ケイ素が結合したアルコキシ基、シラザン、及びシラノール)を含まなくてもよい。接着剤組成物中に又は接着剤組成物として使用するのに好適なポリオルガノシロキサンの例としては、サッカリドシロキサンポリマー、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。特定の実施形態では、接着剤組成物は、サッカリドシロキサンポリマーを含むポリオルガノシロキサンを含む。
接着剤組成物中に存在する処理剤の量は、様々な要因(例えば、官能化シロキサン化合物の量及び/又は種類、接着剤組成物中に存在する任意の追加の材料(例えば、処理剤で処理されるものなど)の種類及び/又は量など)に応じて異なり、当業者によって容易に決定され得る。典型的には、処理剤の量は、選択される処理剤の種類、処理される粒子の種類及び量、並びに粒子が接着剤組成物への添加前に処理されるか又はその場で処理されるかのいずれかに応じて異なり得る。典型的には、接着剤組成物は、接着剤組成物の重量に基づいて、0.01重量%~20重量%、又は0.1重量%~15重量%、又は0.5重量%~5重量%の量で処理剤(存在する場合)を含む。
いくつかの実施形態では、接着剤組成物は、架橋剤、鎖延長剤、可塑剤、末端遮断剤など、又はこれらの組み合わせなどのポリマー添加剤を含む。一般に、好適なポリマー添加剤としては、接着剤組成物の官能化シロキサン化合物中に存在する官能基と反応する官能基を有する化合物、又はそれと反応した別のポリマー添加剤中に存在する官能基を有する化合物が挙げられる。特定のポリマー添加剤は、意図される機能(例えば、架橋、鎖延長、末端封鎖など)に基づいて命名されてもよい。しかしながら、本明細書に記載される特定のポリマー添加剤は、当業者によって容易に理解されるように、2つ以上の機能を有し得るため、ポリマー添加剤の種類間で機能に重複が存在し得ることを理解されたい。例えば、好適な架橋剤としては、官能化シロキサン化合物中に存在するアルコキシ基と反応する、1分子当たりに平均2つ以上の置換基を有する化合物を含むものが挙げられ、好適な鎖延長剤としては、官能化シロキサン化合物内に存在するアルコキシ基と反応する又は官能化シロキサン化合物と反応する別のポリマー添加剤中に存在する基と反応する、1分子当たりに平均2つの置換基を有する化合物を含むものが挙げられる。したがって、当業者には理解されるように、様々な化合物が架橋剤及び/又は鎖延長剤として使用され得る。同様に、以下に記載される特定の可塑剤によって例示される様々な可塑剤はまた、接着剤組成物の架橋剤及び/又は鎖延長剤中で、又は架橋剤及び/又は鎖延長剤として互換可能に使用されてもよい。
いくつかの実施形態では、接着剤組成物は、架橋剤を含む。好適な架橋剤のいくつかの例としては、加水分解性基を有するシラン架橋剤、又はその部分若しくは完全加水分解生成物が挙げられる。このようなシラン架橋剤の例として、一般式(XII):R15
CSi(R16)(4-C)を有するケイ素化合物を含むものが挙げられ、式中、各R15は、独立して選択されるアルキル基などの一価炭化水素基であり;各R16は、加水分解性置換基、例えば、ハロゲン原子、アセトアミド基、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、アルコキシ基、アミド基、アミノ基、アミノキシ基、ヒドロキシル基、オキシモ基、ケトキシモ基、又はメチルアセトアミド基であり、下付き文字Cは0~3、例えば、0、1、2、又は3である。下付き文字Cは、2を超える平均値を有する。あるいは、下付き文字Cは、3~4の範囲の値を有してもよい。典型的には、各R16は、ヒドロキシル、アルコキシ、アセトキシ、アミド、又はオキシムから独立して選択される。好適なシラン架橋剤の具体例としては、メチルジアセトキシメトキシシラン、メチルアセトキシジメトキシシラン、ビニルジアセトキシメトキシシラン、ビニルアセトキシジメトキシシラン、メチルジアセトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジエトキシシラン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態では、架橋剤は、アシルオキシシラン、アルコキシシラン、ケトキシモシラン、オキシモシランなど、又はこれらの組み合わせを含む。
好適なアセトキシシラン架橋剤の例としては、テトラアセトキシシラン、オルガノトリアセトキシシラン、ジオルガノジアセトキシシラン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。アセトキシシランは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、及び三級ブチルなどのアルキル基;ビニル、アリル、又はヘキセニルなどのアルケニル基;フェニル、トリル、又はキシリルなどのアリール基;ベンジル又は2-フェニルエチルなどのアラルキル基;並びに3,3,3-トリフルオロプロピルなどのフッ素化アルキル基を含有してもよい。例示的なアセトキシシランとしては、テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、プロピルトリアセトキシシラン、ブチルトリアセトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、オクチルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、フェニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン、テトラアセトキシシラン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、架橋剤は、オルガノトリアセトキシシラン、例えば、メチルトリアセトキシシランとエチルトリアセトキシシランとを含む混合物を含む。
架橋剤への又は架橋剤としての使用に好適なアミノ官能性アルコキシシランの例としては、H2N(CH2)2Si(OCH3)3、H2N(CH2)2Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)3Si(OCH3)3、H2N(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)3Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)5Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)5Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、H2N(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)2SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)2SiCH3(OCH2CH3)2、H2N(CH2)3SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)5SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)5SiCH3(OCH2CH3)2、H2N(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
好適なオキシモシラン架橋剤の例としては、メチルトリオキシモシラン、エチルトリオキシモシラン、プロピルトリオキシモシラン、及びブチルトリオキシモシランなどのアルキルトリオキシモシラン;メトキシトリオキシモシラン、エトキシトリオキシモシラン、及びプロポキシトリオキシモシランなどのアルコキシトリオキシモシラン;又はプロペニルトリオキシモシラン若しくはブテニルトリオキシモシランなどのアルケニルトリオキシモシラン;ビニルオキシモシランなどのアルケニルオキシモシラン;ビニルメチルジオキシモシラン、ビニルエチルジオキシモシラン、ビニルメチルジオキシモシラン、若しくはビニルエチルジオキシモシランなどのアルケニルアルキルジオキシモシラン;又はこれらの組み合わせが挙げられる。
好適なケトキシモシラン架橋剤の例としては、メチルトリス(ジメチルケトキシモ)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、メチルトリス(メチルプロピルケトキシモ)シラン、メチルトリス(メチルイソブチルケトキシモ)シラン、エチルトリス(ジメチルケトキシモ)シラン、エチルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、エチルトリス(メチルプロピルケトキシモ)シラン、エチルトリス(メチルイソブチルケトキシモ)シラン、ビニルトリス(ジメチルケトキシモ)シラン、ビニルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、ビニルトリス(メチルプロピルケトキシモ)シラン、ビニルトリス(メチルイソブチルケトキシモ)シラン、テトラキス(ジメチルケトキシモ)シラン、テトラキス(メチルエチルケトキシモ)シラン、テトラキス(メチルプロピルケトキシモ)シラン、テトラキス(メチルイソブチルケトキシモ)シラン、メチルビス(ジメチルケトキシモ)シラン、メチルビス(シクロヘキシルケトキシモ)シラン、トリエトキシ(エチルメチルケトキシム)シラン、ジエトキシジ(エチルメチルケトキシム)シラン、エトキシトリ(エチルメチルケトキシム)シラン、メチルビニルビス(メチルイソブチルケトキシモ)シラン、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
特定の実施形態では、架橋剤は、ジアルキルジアルコキシシランなどのジアルコキシシラン;アルキルトリアルコキシシランなどのトリアルコキシシラン;テトラアルコキシシラン、によって例示されるアルコキシシラン、その部分的又は完全な加水分解生成物、あるいはこれらの組み合わせを含む。好適なトリアルコキシシランの例としては、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好適なテトラアルコキシシランの例としては、テトラエトキシシランが挙げられる。特定の実施形態では、架橋剤は、メチルトリメトキシシランを含む、又はメチルトリメトキシシランである。
特定の実施形態において、架橋剤はポリマーである。例えば、架橋剤は、ジシラン、例えば、ビス(トリエトキシシリル)ヘキサン、1,4-ビス[トリメトキシシリル(エチル)]ベンゼン、ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン)、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリメトキシシリル)エタン、及びこれらの組み合わせを含んでもよい。これらの又は他の実施形態では、加水分解性置換基、及びケイ素に結合した他の有機基、並びに、ポリマー架橋剤が使用される場合には、例えば、シロキサン単位、構造、分子量、配列などに基づいて、1つの単一の架橋剤、又は互いに異なる2つ以上の架橋剤を含む組み合わせであってもよい。
接着剤組成物中に存在する架橋剤の量は、様々な要因(例えば、官能化シロキサン化合物の量及び/又は種類、接着剤組成物中に存在する任意の追加の材料(例えば、他のポリマー添加剤)の種類及び/又は量、使用される架橋剤の種類など)に応じて異なり、当業者によって容易に決定され得る。一般に、接着剤組成物は、官能化シロキサン化合物の重量に基づいて、0.5重量%~15重量%、又は1重量%~10重量%、又は3重量%~10重量%の量で架橋剤(存在する場合)を含む。
いくつかの実施形態では、接着剤組成物は、可塑剤を含む。好適な可塑剤の例としては、カルボン酸エステル(例えばエステル)、フタレート(例えばフタレート)、カルボキシレート(例えば、カルボキシレート)、アジぺート(例えば、アジぺート)、又はこれらの組み合わせを含むものなどの有機可塑剤が挙げられる。好適な有機可塑剤の具体例としては、ビス(2-エチルヘキシル)テレフタレート;ビス(2-エチルヘキシル)-1,4-ベンゼンジカルボキシレート;2-エチルヘキシルメチル-1,4-ベンゼンジカルボキシレート;1,2シクロヘキサンジカルボン酸、ジノニルエステル(分岐鎖及び直鎖状);ビス(2-プロピルヘプチル)フタレート;ジイソノニルアジペート;及びこれらの組み合わせが挙げられる。
特定の実施形態では、可塑剤は、以下の式の基を平均で1分子当たり少なくとも1個有し得る。
式中、R17は、水素原子又は一価有機基(例えば、4~15個の炭素原子又は9個~12個の炭素原子のアルキル基などの分枝状又は直鎖の一価炭化水素基)を表す。これらの又は他の実施形態では、可塑剤は、環状炭化水素中の炭素原子に結合している上記式の基を、1分子当たりに平均して少なくとも2つ有し得る。このような場合、可塑剤は以下の一般式を有する。
この式において、Dは、3個以上の炭素原子又は3~15個の炭素原子を有する炭素環式基であり、不飽和、飽和、又は芳香族であってもよい。下付き文字Eは1~12である。各R18は、独立して、炭素原子が4個~15個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、ブチル基などのアルキル基)などの分枝状又は直鎖の一価炭化水素基である。各R19は、独立して、水素原子又は分枝状若しくは直鎖状の置換若しくは非置換の一価有機基である。例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのR19は、エステル官能基を含む部分である。
特定の実施形態では、接着剤組成物は、ポリマー可塑剤を含む。ポリマー可塑剤の例としては、アルケニルポリマー(例えば、様々な方法によりビニルモノマー若しくはアリルモノマーを重合させることによって得られるアルケニルポリマー);ポリアルキレングリコールエステル(例えば、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコール、ジベンゾエートペンタエリスリトールエステルなど);ポリエステル可塑剤(例えば、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸及びフタル酸などの二塩基酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール及びジプロピレングリコールなどの二価アルコールから得られるポリエステル可塑剤);500以上の分子量を有するポリエステルポリオールを含むポリエステル(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど);ポリスチレン(例えば、ポリスチレン、ポリ-α-メチルスチレンなど);ポリブテン及びポリブタジエン(例えば、ポリイソブチレン、ブタジエンアクリロニトリルなど);及びポリクロロプレンが挙げられる。様々な実施形態において、低分子量可塑剤及び高分子量ポリマー可塑剤は、接着剤組成物中に組み合わせて存在し得る。
特定の可塑剤は、当技術分野において既知であり、市販されている。このような可塑剤は、接着剤組成物中に単独で、又は組み合わせて存在してもよい。例えば、可塑剤は、以下を含んでいてよい:フタレート、例えば、ジアルキルフタレート、例えば、ジブチルフタレート(Eastman(商標)DBP Plasticizer)、ジヘプチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジ(2-エチルヘキシル)フタレート、又はジイソデシルフタレート(DIDP)、ビス(2-プロピルヘプチル)フタレート(BASF Palatinol(登録商標)DPHP)、ジ(2-エチルヘキシル)フタレート(Eastman(商標)DOP Plasticizer)、ジメチルフタレート(Eastman(商標)DMP Plasticizer);ジエチルフタレート(Eastman(商標)DMP Plasticizer);ブチルベンジルフタレート、及びビス(2-エチルヘキシル)テレフタレート(Eastman(商標)425 Plasticizer);ジカルボキシレート、例えば、ベンジル、C7~C9直鎖及び分枝状アルキルエステル、1,2,ベンジルジカルボン酸(Ferro SANTICIZER(登録商標)261A)、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(BASF Palatinol(登録商標)TOTM-I)、ビス(2-エチルヘキシル)-1,4-ベンゼンジカルボキシレート(Eastman(商標)168 Plasticizer);2-エチルヘキシルメチル-1,4-ベンゼンジカルボキシレート;分枝状及び直鎖の1,2シクロヘキサンジカルボン酸ジノニルエステル(BASF Hexamoll(登録商標)DINCH);ジイソノニルアジペート;トリメリテート、例えば、トリオクチルトリメリテート(Eastman(商標)TOTM Plasticizer);トリエチレングリコールビス(2-エチルヘキサノエート)(Eastman(商標)TEG-EH Plasticizer);トリアセチン(Eastman(商標)Triacetin);非芳香族二塩基酸エステル、例えば、ジオクチルアジペート、ビス(2-エチルヘキシル)アジペート(Eastman(商標)DOA Plasticizer及びEastman(商標)DOA Plasticizer,Kosher)、ジ-2-エチルヘキシルアジペート(BASF Plastomoll(登録商標)DOA)、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート及びジイソデシルスクシネート;脂肪族エステル、例えば、ブチルオレエート及びメチルアセチルレシノレート;ホスフェート、例えば、トリクレシルホスフェート及びトリブチルホスフェート;塩素化パラフィン;炭化水素油、例えば、アルキルジフェニル及び部分的に水素添加されたテルフェニル;プロセス油;エポキシ可塑剤、例えば、エポキシ化大豆油及びベンジルエポキシステアレート;トリス(2-エチルヘキシル)エステル;脂肪酸エステル;並びにこれらの組み合わせ。その他の適切な可塑剤とそれらの市販品としては、BASF Palamoll(登録商標)652及びEastman 168 Xtreme(商標)可塑剤が挙げられる。
接着剤組成物中に存在する可塑剤の量は、様々な要因(例えば、官能化シロキサン化合物の量及び/又は種類、接着剤組成物中に存在する任意の追加の材料(例えば、他のポリマー添加剤)の種類及び/又は量、使用される架橋剤の種類など)に応じて異なり、当業者によって容易に決定され得る。一般に、接着剤組成物は、接着剤組成物中の全ての成分の合計重量に基づいて、5重量部~150重量部の量で可塑剤(存在する場合)を含む。特定の実施形態では、接着剤組成物は、接着剤組成物の全重量に基づいて、0.1重量%~10重量%の量で可塑剤を含む。
いくつかの実施形態では、接着剤組成物は、増量剤を含む。例えば、非官能性ポリオルガノシロキサンは、式R20
2SiO2/2の二官能性単位及び式R21
3SiD’-の末端単位を含んでいてよく、式中、各R20及び各R21は、独立して、例えば、以下:メチル、エチル、プロピル及びブチルなどのアルキル;ビニル、アリル及びヘキセニルなどのアルケニル;フェニル、トリル、キシリル、及びナフチルなどのアリール;並びにフェニルエチルなどのアラルキル基;によって例示される一価炭化水素基などの一価有機基であり、D’は酸素原子又は二価の基である。非官能性ポリオルガノシロキサンは、当該技術分野において既知であり、市販されている。好適な非官能性ポリオルガノシロキサンは、ポリジメチルシロキサンによって例示されるが、これに限定されない。このようなポリジメチルシロキサンとしては、米国ミシガン州、MidIandのDOW Silicones Corporationから市販されているDOWSIL(登録商標)200Fluidsが挙げられ、5×10-5~0.1、又は5×10-5~0.05、又は0.0125~0.06m2/sの範囲の粘度を有し得る。接着剤組成物中に存在する増量剤の量は、様々な要因(例えば、官能化シロキサン化合物の量及び/又は種類、接着剤組成物中に存在する任意の追加の材料(例えば、他のポリマー添加剤)の種類及び/又は量、使用される架橋剤の種類など)に応じて異なり、当業者によって容易に決定され得る。一般に、接着剤組成物は、接着剤組成物の総重量に基づいて、0.1重量%~10重量%の量で増量剤(存在する場合)を含む。
いくつかの実施形態では、接着剤組成物は末端封鎖剤を含む。好適な末端封鎖剤は、M単位、即ち、式R22
3SiO1/2のシロキサン単位を含み、式中、各R22は独立して一価炭化水素基などの一価の有機基を表す。このような末端封鎖剤の一般的な例としては、トリオルガノシリル基、例えば(CH3)3SiO-によって一末端が、及びヒドロキシル基によって他末端が封鎖された、ポリオルガノシロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサンなどのポリジオルガノシロキサン)を含むものが挙げられる。適切な末端封鎖剤の他の例としては、全ての末端基の50%超、代替的には75%超を水酸基として有し得る、水酸末端基とトリオルガノシリル末端基の両方を有するポリジオルガノシロキサンが挙げられる。このような末端封鎖剤中のトリオルガノシリル基の量は変えることができ、典型的には、接着剤組成物の縮合反応により調製される反応生成物の弾性率を制御するために使用される。理論に束縛されるものではないが、トリオルガノシリル末端基の濃度が高いほど、特定の硬化生成物における弾性率が低くなり得ると考えられている。いくつかの実施形態では、接着剤組成物の末端封鎖剤は、単一の末端封鎖化合物を含む。しかしながら、他の実施形態では、接着剤組成物の末端封鎖剤は、例えば、構造、粘度、平均分子量、ポリマー単位、配列などの特性によって互いに異なる2つ以上の異なる末端封鎖化合物、又はこれらの組み合わせを含む。接着剤組成物中に存在する末端封鎖剤の量は、様々な要因(例えば、官能化シロキサン化合物の量及び/又は種類、接着剤組成物中に存在する任意の追加の材料(例えば、他のポリマー添加剤)の種類及び/又は量、使用される末端封鎖剤の種類など)に応じて異なり、当業者によって容易に決定され得る。一般に、接着剤組成物は、官能化シロキサン化合物の総重量に基づいて、0重量%~50重量%、又は0重量%~30重量%、又は0重量%~15重量%の量で末端封鎖剤(存在する場合)を含む。
特定の実施形態において、接着剤組成物は、表面改質剤を含む。好適な表面改質剤としては、接着促進剤、剥離剤など、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。典型的には、表面改質剤は、接着剤組成物の反応生成物の表面の外観を変化させるために使用することができる。例えば、表面改質剤は、反応生成物の表面の光沢を増加させるために使用され得る。好適な表面改質剤の具体例としては、アルキル基及びアリール基を有するポリジオルガノシロキサンが挙げられる。例えば、DOWSIL(登録商標)550 Fluidは、Dow Silicones Corporationから市販されている、0.000125m2/sの粘度を有するトリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチル/メチルフェニル)シロキサンである。好適な表面改質剤のこれらの及び他の例としては、天然油(例えば、植物又は動物源から得られるもの)、例えば、亜麻仁油、桐油、大豆油、ヒマシ油、魚油、麻実油、綿実油、オイチシカ油、菜種油など、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態では、表面改質剤は接着促進剤である。好適な接着促進剤は、アルコキシシランなどの炭化水素オキシシラン、アルコキシシランとヒドロキシ官能性ポリオルガノシロキサンとの組み合わせ、アミノ官能性シラン、エポキシ官能性シラン、メルカプト官能性シラン、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。接着促進剤は、当該技術分野において既知であり、式R23
FR24
GSi(OR25)4-(F+G)を有するシランを含んでもよく、式中、各R23は、独立して、少なくとも3個の炭素原子を有する一価有機基であり、R24は、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基又はアクリレート基などの接着促進基を有するSiC結合置換基を少なくとも1個含有し;各R25は独立して、一価の有機基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)であり、下付き文字Fは、0~2の範囲の値を有し、下付き文字Gは、1又は2のいずれかであり、(F+G)の合計は3以下である。特定の実施形態では、接着促進剤は、上述のシランの部分縮合体を含む。これらの又は他の実施形態では、接着促進剤は、アルコキシシランとヒドロキシ官能性ポリオルガノシロキサンとの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、接着促進剤は、不飽和又はエポキシ官能性化合物を含む。このような実施形態では、接着促進剤は、不飽和又はエポキシ官能性アルコキシシラン、例えば、式(XIII):R26
HSi(OR27)(4-H)(式中、下付き文字Hは1、2、又は3であり、又は下付き文字Hは1である)を有するものであってもよく、又はこれらを含んでもよい。各R26は、少なくとも1つのR26は、不飽和有機基又はエポキシ官能性有機基であることを条件として、独立して、一価有機基である。R26のエポキシ官能性有機基は、3-グリシドキシプロピル及び(エポキシシクロヘキシル)エチルによって例示される。R26の不飽和有機基は、3-メタクリロイルオキシプロピル、3-アクリロイルオキシプロピル、及びビニル、アリル、ヘキセニル、ウンデシレニルなどの不飽和一価炭化水素基によって例示される。各R27は、独立して、1~4個の炭素原子、又は1~2個の炭素原子を有する飽和炭化水素基である。R27は、メチル、エチル、プロピル、及びブチルによって例示される。
エポキシ官能性アルコキシシランの具体例としては、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、(エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシシラン、(エポキシシクロヘキシル)エチルジエトキシシラン及びこれらの組み合わせが挙げられる。好適な不飽和アルコキシシランの例としては、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、ウンデシレニルトリメトキシシラン、3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態では、接着促進剤は、ヒドロキシ末端ポリオルガノシロキサンとエポキシ官能性アルコキシシランとの反応生成物などのエポキシ官能性シロキサン(例えば、上述したもののいずれか)、又はヒドロキシ末端ポリオルガノシロキサンとエポキシ官能性アルコキシシランとの物理的ブレンドを含む。接着促進剤は、エポキシ官能性アルコキシシランとエポキシ官能性シロキサンとの組み合わせを含んでもよい。例えば、接着促進剤は、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランと、ヒドロキシ末端メチルビニルシロキサン及び3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランの反応生成物と、の混合物、又は3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランとヒドロキシ末端メチルビニルシロキサンとの混合物、又は3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランとヒドロキシ末端メチルビニル/ジメチルシロキサンコポリマーとの混合物によって例示される。
特定の実施形態では、接着促進剤は、アミノ官能性シラン、例えば、H2N(CH2)2Si(OCH3)3、H2N(CH2)2Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)3Si(OCH3)3、H2N(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)3Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)5Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)5Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、H2N(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)2SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)2SiCH3(OCH2CH3)2、H2N(CH2)3SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)5SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)5SiCH3(OCH2CH3)2、H2N(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、N-(3-(トリメトキシシリル)プロピル)エチレンジアミンなどのアミノ官能性アルコキシシラン、並びにこれらの組み合わせを含む。これらの又は他の実施形態では、接着促進剤は、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン又は3-メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト官能性アルコキシシランを含む。
表面改質剤の追加の例としては、エポキシアルキルアルコキシシラン、例えば3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及びアミノ置換アルコキシシラン、例えば3-アミノプロピルトリメトキシシラン、任意にアルキルアルコキシシラン、例えばメチルトリメトキシシラン、との、反応生成物である接着促進剤が挙げられる。
いくつかの実施形態では、表面改質剤は、剥離剤を含む、又は剥離剤である。適する離型剤は、フッ素化化合物(例えば、フルオロ官能性シリコーン又はフルオロ官能性有機化合物)により例示される。特定の実施形態では、接着剤組成物は、1種以上の接着促進剤、1種以上の剥離剤、1種以上の天然油、又はこれらの組み合わせなどの複数の表面改質剤を含む。
接着剤組成物中に存在する表面改質剤の量は、様々な要因(例えば、官能化シロキサン化合物の量及び/又は種類、接着剤組成物中に存在する任意の追加材料の種類及び/又は量、接着剤組成物が曝露されることを意図する硬化条件など)に応じて異なり、当業者によって容易に決定され得る。一般に、接着剤組成物は、接着剤組成物中の全ての成分の合計重量に基づいて、0.01重量部~50重量部、又は0.01重量部~10重量部、又は0.01重量部~5重量部の量で表面改質剤(存在する場合)を含む。
特定の実施形態では、接着剤組成物は、物理的乾燥剤(例えば、吸着剤)、化学乾燥剤などの乾燥剤を含む。一般に、乾燥剤は、様々な供給源からの水及び低分子量アルコールに結合する。例えば、乾燥剤は、水及びアルコールといった、官能化シロキサン化合物の関与する縮合反応の副生成物を捕捉することができる。物理的乾燥剤は、典型的には、このような水及び/又は副生成物を捕捉及び/又は吸着し、一方化学的乾燥剤は、典型的には、化学的手段により(例えば、共有結合を介して)水及び/又は他の副生成物に結合する。接着剤組成物に使用するのに好適な乾燥剤の例としては、無機微粒子を含むものなどの吸着剤が挙げられる。このような吸着剤は、典型的には、10マイクロメートル以下又は5マイクロメートル以下の粒径と、水及び低分子量アルコールを吸着するのに十分な平均孔径(例えば、平均孔径10Å(オングストローム)以下、又は5Å以下、又は3Å以下)とを有する。このような吸着剤の具体例としては、ゼオライト(例えば、菱沸石、モルデン沸石及び方沸石)と、アルカリ金属アルミノケイ酸塩、シリカゲル、シリカマグネシアゲル、活性炭、活性アルミナ、酸化カルシウム、及びこれらの組み合わせを含むモレキュラーシーブとが挙げられる。市販の乾燥剤の例としては、Grace Davidsonによって商標名SYLOSIV(登録商標)及び米国ケンタッキー州、LousvilleのZeochemによって商標名SYLOSIV(登録商標)で販売されている3Å(オングストローム)などのモレキュラーシーブ、及び英国WarrigntonのIneos Silicasによって商標Doucil zeolite4Aで販売されている4Åモレキュラーシーブが挙げられる。好適な乾燥剤の他の例としては、MOLSIV ADSORBENT TYPE 13X、3A、4A、及び5Aモレキュラーシーブ(これらは全て、米国イリノイ州のUOPから市販されている);米国ペンシルバニア州、PhiladelphiaのAtofinaからのSILIPORITE NK 30AP及び65xP;並びに様々な名称で米国MarylandのW.R.Graceから市販されているモレキュラーシーブが挙げられる。化学的乾燥剤の例としては、架橋剤に関して上述したものなどのシランが挙げられる。例えば、乾燥剤として好適なアルコキシシランとしては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。当業者には理解されるように、化学乾燥剤を、接着剤組成物又は接着剤組成物の一部(例えば、接着剤組成物が多液型組成物である場合)に添加して、接着剤組成物又はその一部が水を含まないようにしておくことができる。したがって、乾燥剤は、接着剤組成物が形成される前に、接着剤組成物の一部(例えば、乾燥部分)に添加され、それによってその部分を貯蔵可能にすることができる。あるいは、又は更に、乾燥剤は、配合後(例えば、接着剤組成物の各部分が一緒に混合/混合された後)に接着剤組成物が水を含まないようにしておくことができる。接着剤組成物中に存在する乾燥剤の量は、様々な要因(例えば、官能化シロキサン化合物の量及び/又は種類、接着剤組成物中に存在する任意の追加材料の種類及び/又は量、接着剤組成物が曝露されることを意図する硬化条件など)に応じて異なり、当業者によって容易に決定され得る。一般に、接着剤組成物は、接着剤組成物中の全成分の合計重量に基づいて、0.1重量部~5重量部の量で乾燥剤(存在する場合)を含む。
いくつかの実施形態では、接着剤組成物は、殺生物剤を含む。好適な殺生物剤の一般的な例としては、殺真菌剤、除草剤、殺虫剤、抗菌剤など、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。例えば、特定の実施形態では、殺生物剤は殺真菌剤を含む、又は殺真菌剤である。殺真菌剤の具体例としては、N-置換ベンゾイミダゾールカルバメート、ベンゾイミダゾリルカルバメート(例えば、メチル2-ベンゾイミダゾリルカルバメート、エチル2-ベンゾイミダゾリルカルバメート、イソプロピル2-ベンゾイミダゾリルカルバメート、メチルN-{2-[1-(N,N-ジメチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN-{2-[1-(N,N-ジメチルカルバモイル)-6-メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN-{2-[1-(N,N-ジメチルカルバモイル)-5-メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN-{2-[1-(N-メチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN-{2-[1-(N-メチルカルバモイル)-6-メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN-{2-[1-(N-メチルカルバモイル)-5-メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エチルN-{2-[1-(N,N-ジメチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エチルN-{2-[2-(N-メチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エチルN-{2-[1-(N,N-ジメチルカルバモイル)-6-メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エチルN-{2-[1-(N-メチルカルバモイル)-6-メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、イソプロピルN-{2-[1-(N,N-ジメチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、イソプロピルN-{2-[1-(N-メチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN-{2-[1-(N-プロピルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN-{2-[1-(N-ブチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メトキシエチルN-{2-[1-(N-プロピルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メトキシエチルN-{2-[1-(N-ブチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エトキシエチルN-{2-[1-(N-プロピルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エトキシエチルN-{2-[1-(N-ブチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN-{1-(N,N-ジメチルカルバモイルオキシ)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN-{2-[N-メチルカルバモイルオキシ)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN-{2-[1-(N-ブチルカルバモイルオキシ)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エトキシエチルN-{2-[1-(N-プロピルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エトキシエチルN-{2-[1-(N-ブチルカルバモイルオキシ)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN-{2-[1-(N,N-ジメチルカルバモイル)-6-クロロベンゾイミダゾリル]}カルバメート、及びメチルN-{2-[1-(N,N-ジメチルカルバモイル)-6-ニトロベンゾイミダゾリル]}カルバメート);10,10’-オキシビスフェノキサルシン(商品名:Vinyzene,OBPA);ジ-ヨードメチル-パラ-トリルスルホン;ベンゾチオフェン-2-シクロヘキシルカルボキサミド-S、S-ジオキシド;N-(フルオルジクロリデメチルチオ)フタルイミド(商標名:Fluor-Folper、Preventol A3);メチル-ベンズイミダゾール-2-イルカルバメート(商標名:Carbendazim、Preventol BCM);亜鉛-ビス(2-ピリジルチオ-1-オキシド);ジンクピリチオン;2-(4-チアゾリル)-ベンゾイミダゾール;N-フェニル-ヨードプロパルギルカルバメート;N-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン;4,5-ジクロリド-2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン;N-ブチル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン;テブコナゾールなどのトリアゾリル化合物、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。特定の実施形態では、このような殺真菌剤は、ミネラル(例えば、ゼオライト)、金属(例えば、銅、銀、白金など)、及びこれらの組み合わせなどの1つ以上の無機材料と組み合わせて使用される。
特定の実施形態では、殺生物剤は、除草剤を含む、又は除草剤である。除草剤の具体例としては、アリドクロール又はN,N-ジアリル-2-クロロアセトアミドなどのアミド除草剤;CDEA2-クロロ-N,N-ジエチルアセトアミド;エタニプロミド(RS)-2-[5-(2,4-ジクロロフェノキシ)-2-ニトロフェノキシ]-N-エチルプロピオンアミド;シスアニリドシス-2,5-ジメチルピロリジン-1-カルボキシアニリドなどのアニリド除草剤;フルフェナセット4’-フルオロ-N-イソプロピル-2-[5-(トリフルオロメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イルオキシ]アセトアニリド;ナプロアニリド(RS)-α-2-ナフトキシプロピオンアニリド;ベンゾイルプロップN-ベンゾイル-N-(3,4-ジクロロフェニル)-DL-アラニンなどのアリールアラニン除草剤;フラムプロップ-M N-ベンゾイル-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-D-アラニン;ブタクロール又はN-ブトキシメチル-2-クロロ-2’,6’-ジエチルアセトアニリドなどのクロロアセトアニリド除草剤;メタザクロール又は2-クロロ-N-(ピラゾール-1-イルメチル)アセト-2’,6’-キシリド;プリナクロル(RS)-2-クロロ-N-(1-メチルプロパ-2-イニル)アセトアニリド;クロランスラム3-クロロ-2-(5-エトキシ-7-フルオロ[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジン-2-イルスルホンアミド)安息香酸などのスルホンアニリド除草剤;メトスラム2’,6’-ジクロロ-5,7ジメトキシ-3’-メチル[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-2-スルホンアニリド;ビラナホス(bilanafos)4-[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]-Lホモアラニル-Lアラニル-Lアラニンなどの抗生物質除草剤;クロラムベン3-アミノ-2,5-ジクロロ安息香酸などの安息香酸除草剤;2,3,6-TBA2,3,6-トリクロロ安息香酸;ビスピリバック2,6-ビス(4,6ジメトキシピリミジン-2-イルオキシ)安息香酸などのピリミジニルオキシ安息香酸除草剤;ピリチオバック2-クロロ-6-(4,6ジメトキシピリミジン-2-イルチオ)安息香酸などのピリミジニルチオ安息香酸除草剤;クロルタールテトラクロロテレフタル酸などのフタル酸除草剤;アミノピラリド4-アミノ-3,6-ジクロロピリジン-2-カルボン酸などのピコリン酸除草剤;キンクロラック3,7ジクロロキノリン-8-カルボン酸などのキノリンカルボン酸除草剤;CMAカルシウムビス(メチルアルソン酸水素)などのヒ素性除草剤;MAMAメチルアルソン酸水素アンモニウム;亜ヒ酸ナトリウム;メソトリオン2-(4-メシル-2-ニトロベンゾイル)シクロヘキサン-1,3-ジオンなどのベンゾイルシクロヘキサンジオン除草剤;ベンフレセート2,3-ジヒドロ-3,3-ジメチルベンゾフラン-5-イルエタンスルホネートなどのベンゾフラニルアルキルスルホネート殺草剤;カルボキサゾールメチル5-tert-ブチル-1,2-オキサゾール-3-イルカルバメートなどのカルバメート除草剤;フェナスラムメチル4-[2-(4-クロロ-o-トリルオキシ)アセトアミド]フェニルスルホニルカルバメート;BCPC(RS)-sec-ブチル3-クロロカルバニレートなどのカルバニレート除草剤;デスメディファムエチル3-フェニルカルバモイルオキシフェニルカルバメート;スウェップメチル3,4-ジクロロカルバニレート;ブトロキシジム(RS)-(EZ)-5-(3-ブチリル-2,4,6トリメチルフェニル)-2-(1-エトキシイミノプロピル)-3-ヒドロキシシクロヘキサ-2-エン-1-オンなどのシクロヘキセンオキシム除草剤;テプラロキシジム(RS)-(EZ)-2-{1-[(2E)-3-クロロアリルオキシイミノ]プロピル}-3-ヒドロキシ-5-ペルヒドロピラン-4-イルシクロヘキサ-2-エン-1-オン;イソキサクロルトール4-クロロ-2-メシルフェニル5-シクロプロピル-1,2-オキサゾール-4-イルケトンなどのシクロプロピルイソオキサゾール除草剤;フルメジン2-メチル-4-(α,α,α-トリフルオロ-m-トリル)-1,2,4-オキサジアジナン-3,5-ジオンなどのジカルボキシイミド除草剤;エタルフルラリンN-エチル-α,α,α-トリフルオロ-N-(2-メチルアリル)-2,6-ジニトロ-p-トルイジンなどのジニトロアニリン除草剤;プロジアミン5-ジプロピルアミノ-α,α,α-トリフルオロ-4,6-ジニトロ-o-トルイジン;ジノプロップ4,6ジニトロ-o-シメン-3-オールなどのジニトロフェノール除草剤;エチノフェンα-エトキシ-4,6-ジニトロ-o-クレゾール;エトキシフェンO-[2-クロロ-5-(2-クロロ-α,α,α-トリフルオロ-p-トリルオキシ)ベンゾイル]-L乳酸などのジフェニルエーテル除草剤;アクロニフェン2-クロロ-6-ニトロ-3-フェノキシアニリンなどのニトロフェニルエーテル除草剤;ニトロフェン2,4-ジクロロフェニル4-ニトロフェニルエーテル;ダゾメット3,5-ジメチル-1,3,5-チアジアジナン-2-チオンなどのジチオカルバメート除草剤;ダラポン2,2-ジクロロプロピオン酸などのハロゲン化脂肪族除草剤;クロロ酢酸;イマザピル(RS)-2-(4-イソプロピル-4-メチル-5-オキソ-2-イミダゾリン-2-イル)ニコチン酸などのイミダゾリノン除草剤;四ホウ酸二ナトリウム十水和物などの無機除草剤;アジ化ナトリウム、クロロキシニル3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシベンゾニトリルなどのニトリル除草剤;イオキシニル4-ヒドロキシ-3,5-ジヨードベンゾニトリル;アニロホスS-4-クロロ-N-イソプロピルカルバニルオキシメチルO,O-ジメチルホスホロジチオエートなどの有機リン除草剤;グルホシネート4-[ヒドロキシ(メチル)ホスフィニル]-DL-ホモアラニン;クロメプロップ(RS)-2-(2,4-ジクロロ-m-トリルオキシ)プロピオンアニリドなどのフェノキシ除草剤;フェンテラコール2-(2,4,5-トリクロロフェノキシ)エタノール;MCPA(4-クロロ-2-メチルフェノキシ)酢酸などのフェノキシ酢酸除草剤;MCPB 4-(4-クロロ-o-トリルオキシ)酪酸などのフェノキシ酪酸除草剤;フェノプロップ(RS)-2-(2,4,5-トリクロロフェノキシ)プロピオン酸などのフェノキシプロピオン酸殺草剤;イソキサピリホップ(RS)-2-[2-[4-(3,5-ジクロロ-2-ピリジルオキシ)フェノキシ]プロピオニル]イソオキサゾリジンなどのアリールオキシフェノキシプロピオン酸除草剤;ジニトラミンN1,N1-ジエチル-2,6-ジニトロ-4-トリフルオロメチル-m-フェニレンジアミンなどのフェニレンジアミン除草剤、ピラゾキシフェン2-[4-(2,4-ジクロロベンゾイル)-1,3-ジメチルピラゾール-5-イルオキシ]アセトフェノンなどのピラゾリルオキシアセトフェノン除草剤;ピラフルフェン2-クロロ-5-(4-クロロ-5-ジフルオロメトキシ-1-メチルピラゾール-3-イル)-4-フルオロフェノキシ酢酸などのピラゾリルフェニル除草剤;ピリダホル(pyridafol)6-クロロ-3-フェニルピリダジン-4-オールなどのピリダジン除草剤;クロリダゾン5-アミノ-4-クロロ-2-フェニルピリダジン-3(2H)-オンなどのピリダジノン除草剤;オキサピラゾン5-ブロモ-1,6-ジヒドロ-6-オキソ-1-フェニルピリダジン-4-イルオキサミン酸;フルロキシピル4-アミノ-3,5-ジクロロ-6-フルオロ-2-ピリジルオキシ酢酸などのピリジン除草剤;チアゾピルメチル2-ジフルオロメチル-5-(4,5-ジヒドロ-1,3-チアゾール-2-イル)-4-イソブチル-6-トリフルオロメチルニコチネート;イプリミダム6-クロロ-N4-イソプロピルピリミジン-2,4-ジアミンなどのピリミジンジアミン殺草剤;ジエタムクアット(diethamquat)1,1’-ビス(ジエチルカルバモイルメチル)-4,4’-ビピリジニウムなどの第四級アンモニウム除草剤;パラクアット1,1-ジメチル-4,4’-ビピリジニウム;シクロレートS-エチルシクロヘキシル(エチル)チオカルバメートなどのチオカルバメート除草剤;チオカルバジルS-ベンジルジ-sec-ブチルチオカルバメート、EXD O、O-ジエチルジチオビス(チオホルメート)などのチオカーボネート除草剤;メチウロン1,1-ジメチル-3-m-トリル-2-チオ尿素などのチオ尿素除草剤;トリアジフラム(RS)-N-[2-(3,5-ジメチルフェノキシ)-1-メチルエチル]-6-(1-フルオロ-1-メチルエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミンなどのトリアジン除草剤;シプラジン6-クロロ-N2-シクロプロピル-N4-イソプロピル-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミンなどのクロロトリアジン除草剤;プロパジン6-クロロA2,N4-ジ-イソプロピル-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン;プロメトンN2,N4-ジ-イソプロピル-6-メトキシ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミンなどのメトキシトリアジン除草剤;シアナトリン2-(4-エチルアミノ-6-メチルチオ-1,3,5-トリアジン-2-イルアミノ)-2-メチルプロピオニトリルなどのメチルチオトリアジン除草剤;ヘキサジノン3-シクロヘキシル-6-ジメチルアミノ-1-メチル-1,3,5-トリアジン-2,4(1H,3H)-ジオンなどのトリアジノン除草剤;エプロナズN-エチル-N-プロピル-3-プロピルスルホニル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-カルボキサミドなどのトリアゾール除草剤;カルフェントラゾン(RS)-2-クロロ-3-{2-クロロ-5-[4-(ジフルオロメチル)-4,5-ジヒドロ-3-メチル-5-オキソ-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]-4-フルオロフェニル}プロピオン酸などのトリアゾロン除草剤;フロラスラム2’,6’,8トリフルオロ-5-メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジン-2-スルホンアニリドなどのトリアゾロピリミジン除草剤;フルプロパシルイソプロピル2-クロロ-5-(1,2,3,6-テトラヒドロ-3-メチル-2,6-ジオキソ-4-トリフルオロメチルピリピジン-1-イル)安息香酸などのウラシル除草剤;シクルロン3-シクロ-オクチル-1,1-ジメチル尿素などの尿素除草剤;モニソウロン1-(5-tert-ブチル-1,2-オキサゾール-3-イル)-3-メチル尿素;クロロキサロン(chloroxuron)3-[4-(4-クロロフェノキシ)フェニル]-1,1-ジメチル尿素などのフェニル尿素除草剤;シデュロン(siduron)1-(2-メチルシクロヘキシル)-3-フェニル尿素;フラザスルフロン1-(4,6ジメトキシピリミジン-2-イル)-3-(3-トリフルオロメチル-2-ピリジルスルホニル)尿素などのピリミジンスルホニル尿素除草剤;ピラゾスルフロン5-[(4,6ジメトキシピリミジン-2-イルカルバモイル)スルファモイル]-1-メチルピラゾール-4-カルボン酸;チフェンスルフロン3-(4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イルカルバモイルスルファモイル)チオフェン-2-カルボン酸などのトリアジニルスルホニル尿素除草剤;テブチウロン1-(5-tert-ブチル-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,3-ジメチル尿素などのチアジアゾリル尿素、及び/又はクロルフェナク(2,3,6-トリクロロフェニル)酢酸などの未分類の除草剤;メタゾール2-(3,4-ジクロロフェニル)-4-メチル-1,2,4-オキサジアゾリジン-3,5-ジオン;トリタック(RS)-1-(2,3,6-トリクロロベンジルオキシ)プロパン-2-オール;2,4-D、クロリムロン、及びフェノキサプロップなど、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態では、殺生物剤は殺虫剤を含む、又は殺虫剤である。殺虫剤の具体例は、昆虫忌避剤(例えば、N,N-ジエチル-メタ-トルアミド)及びプレスロイド(例えば、ピレトリン)を含む。殺虫剤の具体例としては、アトラジン、ダイアジノン、及びクロルピリホスが挙げられる。これらの又は他の実施形態において、殺生物剤は抗菌剤を含む、又は抗菌剤である。抗菌剤の種類及び性質は様々であってよく、当業者によって容易に決定することができる。特定の実施形態では、殺生物剤は、ホウ酸無水物、ホウ砂、又は八ホウ酸二ナトリウム四水和物などのホウ素含有材料を含む、又はそのようなホウ素含有材料である。様々な実施形態において、接着剤組成物は、2種以上の殺生物剤を含み、これらはそれぞれ独立して殺真菌剤、除草剤、抗菌剤、及び本明細書に例示される他の殺生物成分から選択される。
接着剤組成物中に存在する殺生物剤の量は、様々な要因(例えば、使用される殺生物剤の種類、官能化シロキサン化合物の量及び/又は種類、接着剤組成物の意図される使用、接着剤組成物が曝露されることを意図する硬化条件など)に応じて異なり、当業者によって容易に決定され得る。一般に、接着剤組成物は、接着剤組成物の総重量に基づいて、0.01重量%~10重量%、又は0.1重量%~5重量%の量(存在する場合)の殺生物剤又は殺生物剤の組み合わせを含む。
特定の実施形態では、接着剤組成物は難燃剤を含む。好適な難燃剤の例としては、有機/炭素質難燃剤(例えば、カーボンブラックなど)、無機/鉱物系難燃剤(例えば、水酸化アルミニウム水和物、珪灰石などのケイ酸塩、白金及び/又は白金の金属錯体など)、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。好適な難燃剤の追加例としては、ハロゲン系難燃剤(例えば、デカブロモジフェニルオキシド、オクタブロモジフェニルオキシド、ヘキサブロモシクロドデカン、デカブロモビフェニルオキシド、ジフェニルオキシベンゼン、エチレンビス-テトラブロモフタルアミド、ペンタブロモエチルベンゼン、ペンタブロモベンジルアクリレート、トリブロモフェニルマレイン酸イミド、テトラブロモビスフェニルA、ビス-(トリブロモフェノキシ)エタン、ビス-(ペンタブロモフェノキシ)エタン、ポリジブロモフェニレンオキシド、トリブロモフェニルアリールエーテル、ビス-ジブロモプロピルエーテル、テトラブロモフタル酸無水物、ジブロモネオペンチルグリコール、ジブロモエチルジブロモシクロヘキサン、ペンタブロモジフェニルオキシド、トリブロモスチレン、ペンタブロモクロロシクロヘキサン、テトラブロモキシレン、ヘキサブロモシクロドデカン、臭素化ポリスチレン、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、トリフルオロプロペン及びPVC;リン系難燃剤、例えば、(2,3-ジブロモプロピル)-ホスフェート、リン、環状リン酸塩、トリアリールホスフェート、ビス-メラミニウムペンテート、ペンタエリスリトール二環式リン酸塩、ジメチルメチルホスフェート、ホスフィンオキシドジオール、トリフェニルホスフェート、トリス-(2-クロロエチル)リン酸塩、リン酸エステル、例えば、トリクレイル-、トリキシレニル-、イソデシルジフェニル-、エチルヘキシルジフェニル-、トリオクチル-、トリブチル-、及びトリブトキシエチルホスフェートエステル、並びに様々なアミン(例えば、リン酸アンモニウム)のリン酸塩;テトラエチル鉛などのテトラアルキル鉛化合物;ペンタカルボニル鉄;マンガンメチルシクロペンタジエニルトリカルボニル;メラミン及びその誘導体、例えばメラミン塩;グアニジン;ジシアンジアミド;スルホン酸アンモニウム;アルミナ三水和物;水酸化マグネシウムアルミナ三水和物など、並びに誘導体、改質物、及びこれらの組み合わせが挙げられる。接着剤組成物中に存在する難燃剤の量は、様々な要因(例えば、官能化シロキサン化合物の量及び/又は種類、接着剤組成物の意図される使用、接着剤組成物が曝露されることを意図する硬化条件、ビヒクル/溶媒の有無など)に応じて異なり、当業者によって容易に決定され得る。一般に、接着剤組成物は、接着剤組成物の総重量に基づいて、0.01重量%~15重量%又は0.1重量%~10重量%の量の難燃剤(存在する場合)を含む。
特定の実施形態では、接着剤組成物は、結合剤を含む。典型的には、結合剤は、非反応性エラストマー有機ポリマーであり、即ち、官能化シロキサン化合物と反応しないエラストマー有機ポリマーである。更に、結合剤は、典型的には、官能化シロキサン化合物と相溶性であり、即ち、結合剤は、官能化シロキサン化合物と共に接着剤組成物中に配合されたときに二相系を形成しない。一般に、好適な結合剤は、低いガス透過性及び水分透過性を有し、典型的には、30,000~75,000の数平均分子量(Mn)を有する。しかしながら、結合剤は、様々な非反応性エラストマー有機ポリマーのブレンド(例えば、低分子量を有するポリマーと高分子量を有するポリマー)を含んでもよい。この場合、高分子量ポリマーは、典型的には、100,000~600,000のMnを有してもよく、低分子量ポリマーは、典型的には、900~10,000、又は900~3,000のMnを有してもよい。Mn範囲の下端の値は、典型的には、当業者に理解されるように、結合剤が官能化シロキサン化合物及び接着剤組成物の他の成分と相溶性を有するように選択される。結合剤は、1つの非反応性エラストマー有機ポリマーを含んでもよく若しくは1つの非反応性エラストマー有機ポリマーであってもよく、又は、例えば、構造、粘度、平均分子量(Mn若しくはMw)、ポリマー単位、配列など、若しくはこれらの組み合わせに基づいて、互いに異なる2つ以上の非反応性エラストマー有機ポリマーを含んでもよい。
適切な結合剤の例としては、当該技術分野において既知であり、市販されているポリイソブチレンが挙げられる。ポリイソブチレンの具体例としては、ドイツ、BASF Corporationによって商標名OPPANOL(登録商標)で市販されているもの、並びに日本のNOF Corp.によって商標名PARLEAM(登録商標)で市販されている様々なグレードの水素化ポリイソブテンが挙げられる。好適なポリイソブチレンの更なる例は、米国テキサス州、BaytownのExxon Mobil Chemical Co.から商標名VISTANEX(登録商標)で市販されている。これらには、鎖端オレフィン結合のみを含有する長鎖の直鎖高分子から構成されるパラフィン系炭化水素ポリマーであるVISTANEX(登録商標)MML-80、MML-100、MML-120、及びMML-140が含まれる。VISTANEX(登録商標)MMポリイソブチレンは、70,000~90,000の粘度平均分子量を有し、VISTANEX(登録商標)LMポリイソブチレン(例えば、LM-MS)は、8,700~10の粘度平均分子量を有する低分子量ポリイソブチレンである。ポリイソブチレンの更なる例としては、VISTANEXLM-MH(粘度平均分子量10,000~11,700);米国イリノイ州、ChicagoのAmoco Corp.からのSoltexPB-24(Mn950)、Indopol(登録商標)H-100(Mn910)、Indopol(登録商標)H-1200(Mn2100);英国LondonのBP ChemicalsからのNAPVIS(登録商標)及びHYVIS(登録商標)(例えば、NAPVIS(登録商標)200、D10、及びDE3;及びHYVIS(登録商標)200)が挙げられる。NAPVIS(登録商標)ポリイソブチレンは、典型的には、900~1300のMnを有し得る。ポリイソブチレン(複数可)に加えて、又はその代わりに、結合剤は、ブチルゴム、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン(SEBS)ブロックコポリマー、スチレン-エチレン/プロピレン-スチレン(SEPS)ブロックコポリマー、ポリオレフィンプラストマー、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。SEBS及びSEPSブロックコポリマーは、当該技術分野において既知であり、米国、テキサス州、HoustonのKraton Polymers U.S.LLCからKraton(登録商標)G polymersとして、及び米国、ニューヨーク州、New YorkのKuraray America,Inc.からSepton polymersとして市販されている。ポリオレフィンプラストマーは、当該技術分野において既知であり、米国ミシガン州、MidlandのDow Chemical Company,Elastomers&Specialty Products DivisionからAFFINITY(登録商標)GA 1900組成物及びAFFINITY(登録商標)GA 1950組成物として市販されている。
接着剤組成物中に存在する結合剤の量は、様々な要因(例えば、官能化シロキサン化合物の量及び/又は種類、接着剤組成物の意図される使用、接着剤組成物が曝露されることを意図する硬化条件、ビヒクル/溶媒の有無など)に応じて異なり、当業者によって容易に決定され得る。一般に、接着剤組成物は、接着剤組成物中の全ての成分の総重量に基づいて、1~50重量部、又は5~40重量部、又は5~35重量部の量(存在する場合)で結合剤を含む。
いくつかの実施形態では、接着剤組成物は、老化防止剤を含む。老化防止剤の例としては、抗酸化剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、熱安定剤、及びこれらの組み合わせが挙げられる。老化防止剤は、1種の老化防止剤であってよく、若しくはこれを含んでもよく、又は2種以上の異なる老化防止剤を含んでもよい。更に、特定の老化防止剤のなかには、複数の機能(例えば、紫外線吸収剤及び紫外線安定剤の両方として、酸化防止剤及び紫外線吸収剤の両方として)を提供することができるものもある。多くの適切な老化防止剤が、当技術分野において既知であり、市販されている。例えば、好適な酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤(例えば、立体的に完全なるヒンダードフェノール及び立体的に部分的なヒンダードフェノール)、並びにフェノール系酸化防止剤と安定剤(例えば、「ヒンダードアミン光安定剤」(HALS)としても知られる、テトラメチルピペリジン誘導体などの立体ヒンダードアミン)との組み合わせが挙げられる。好適なフェノール系酸化防止剤としては、ビタミンE及びBASFからのIRGANOX(登録商標)1010が挙げられる。IRGANOX(登録商標)1010は、ペンタエリスリトールテトラキス(3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)を含む。紫外線吸収剤の例としては、分枝状及び直鎖状の、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-ドデシル-4-メチル-フェノール(TINUVIN(登録商標)571)が挙げられる。UV安定剤の例としては、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート;メチル1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル/セバケート;及びこれらの組み合わせ(TINUVIN(登録商標)272)が挙げられる。これらの及び他のTINUVIN(登録商標)添加剤、例えば、TINUVIN(登録商標)765がBASFから市販されている。他のUV及び光安定剤は、ChemturaからのLowLite、PolyOneからのOnCap、E.I.du Pont de Nemours and Company(米国デラウェア州)からのLight Stabilizer210によって市販され、例示される。オリゴマー(高分子量)安定剤はまた、例えば、老化防止剤が接着剤組成物又はその硬化生成物から移動する可能性を最小限に抑えるために、老化防止剤中に又は老化防止剤として使用されてもよい。オリゴマー酸化防止剤安定剤の例としては、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールと共重合したブタン二酸のジメチルエステルであるTINUVIN(登録商標)622が挙げられる。熱安定剤の例としては、酸化鉄、カーボンブラック、カルボン酸鉄塩、セリウム水和物、ジルコン酸バリウム、セリウム及びジルコニウムオクトエート、ポルフィリンなど、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
接着剤組成物中に存在する老化防止剤の量は、様々な要因(例えば、官能化シロキサン化合物の量及び/又は種類、接着剤組成物の意図される使用、接着剤組成物が曝露されることを意図する硬化条件など)に応じて異なり、当業者によって容易に決定され得る。一般に、接着剤組成物は、接着剤組成物の総重量に基づいて、0重量%超~5重量%、又は0.1重量%~4重量%、又は0.5重量%~3重量%の量で老化防止剤(存在する場合)を含む。
特定の実施形態では、接着剤組成物は、水分放出剤、即ち、水を経時的に放出する(例えば、温度及び/又は圧力などの適用条件に応答して)成分を含む。典型的には、水分放出剤は、接着剤組成物を部分的に、又は完全に反応させるのに十分な量の水を含有しており、したがって、適用条件(例えば、接着剤組成物の使用温度)に曝露されたときにその量の水を放出するように選択される。しかしながら、一般に、水分放出剤は、水に十分に結合することによって、接着剤組成物の製造及び/又は貯蔵中に過度に多くの水が放出されることを防止するように選択される。例えば、水分放出剤は、典型的には、組成物の混錬/配合中に十分に水と結合するため、組成物が使用される適用プロセスの間又はその後に、十分な水が官能化シロキサン化合物の縮合反応に使用可能となる。この「制御放出」特性はまた、適用プロセス中に過度の水が放出されないようにする及び/又は水があまりにも急速に放出されないようにするという効果をもたらし得るが、それは、接着剤組成物の官能化シロキサン化合物の縮合反応により形成される反応組成物中に発泡又は空隙を生成し得るからである。選択される特定の水分放出剤は、様々な要因(例えば、接着剤組成物の他の成分、官能化シロキサン化合物の量/種類、縮合反応触媒の種類、接着剤組成物が配合されるプロセス条件など)に応じて異なり、当業者によって容易に決定され得る。好適な水分放出剤の例としては、金属塩水和物、水和モレキュラーシーブ、及び沈降炭酸塩が挙げられる。特定の例としては、Solvayから商標名WINNOFIL(登録商標)SPMで入手可能な沈降炭酸カルシウムが挙げられる。特定の実施形態では、水分放出剤は、沈降炭酸カルシウムを含むか、又は沈降炭酸カルシウムであるように選択される。水分放出剤は、十分な時間にわたって適用温度範囲に曝露されるときに官能化シロキサン化合物の縮合反応に十分な量の水を放出しながらも、混練中に含水量の全てを放出しないように選択され得る。接着剤組成物中に存在する水分放出剤の量は、様々な要因(例えば、官能化シロキサン化合物の透水性、ビヒクル/溶媒の有無、乾燥剤の有無、接着剤組成物を配合/調製する方法など)に応じて異なり、当業者によって容易に決定され得る。一般に、接着剤組成物は、接着剤組成物中の全ての成分の総重量に基づいて、1重量部~50重量部、又は5重量部~40重量部、又は5重量部~30重量部の量(存在する場合)で水分放出剤を含む。
いくつかの実施形態では、接着剤組成物は、顔料(即ち、接着剤組成物及び/又はその反応生成物に色を付与する成分)を含む。このような顔料は、任意の無機化合物、例えば、酸化クロム、酸化チタン、コバルト顔料などの金属、並びにそのような金属に基づかないもの、例えば非金属無機化合物を含んでもよい。好適な顔料の例としては、インジゴ、二酸化チタン、カーボンブラック、及びこれらの組み合わせ、並びにPolyOneから入手可能なStan-Tone505P01 Greenなどの他の市販の顔料が挙げられる。特定の実施形態では、顔料はカーボンブラックを含む。カーボンブラックの具体例としては、Chevron Phillips Chemical Company LPから市販されているShawiniganアセチレンブラック;米国イリノイ州、Fairview HeightsのElementis Pigments Inc.から供給されるSUPERJET(登録商標)カーボンブラック(例えばLB-1011);米国オハイオ州、AkronのSid Richardson Carbon Coから供給されるSR511;及び米国ニュージャージー州、ParsippanyのDegussa Engineered CarbonsからのN330、N550、N762、N990が挙げられる。接着剤組成物中に存在する顔料の量は、様々な要因(例えば、官能化シロキサン化合物の量及び/又は種類、接着剤組成物の意図される使用、ビヒクル/溶媒の有無など)に応じて異なり、当業者によって容易に決定され得る。一般に、接着剤組成物は、接着剤組成物の総重量に基づいて、0重量%超~20重量%、又は0.001重量%~10重量%、又は0.001重量%~5重量%の量(存在する場合)で顔料を含む。
特定の実施形態では、接着剤組成物は、レオロジー変性剤及び/又は粘度調整剤などのレオロジー添加剤を含む。好適なレオロジー添加剤の例としては、ワックス;ポリアミド;ポリアミドワックス;硬化ヒマシ油誘導体;カルシウム、アルミニウム、及び/又はステアリン酸バリウムなどの金属石鹸、並びにその誘導体、改質物、及びこれらの組み合わせが挙げられる。特定の実施形態では、レオロジー変性剤は、当業者によく理解されるように、充填剤の混入、配合、脱気、及び/又は接着剤組成物の混合(例えば、その調製中)を促進するように選択される。レオロジー添加剤の具体例としては、市販されている当該技術分野において既知のものが挙げられる。このようなレオロジー添加剤の例としては、Evonikから市販されているPolyvest;King Industriesから市販されているDisparlon;Du Pontから市販されているKevlar Fibre Pulp;Nanocorから市販されるRheospan;Lubrizolから市販されているIrcogel;Palmer Hollandから市販されているCrayvallac(登録商標)SLX、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態では、レオロジー変性剤は、ワックス(例えば、パラフィンワックス、微結晶ワックス、又はこれらの組み合わせ)を含む。ワックスは、典型的には、分枝状構造、環状構造、又はこれらの組み合わせを含み得る非極性炭化水素を含む。好適なワックスの例としては、米国ニューヨーク州West BabylonのStrahl&Pitsch,Inc.から、SP96(62℃~69℃の範囲の融点)、SP18(73℃~80℃の範囲の融点)、SP19(76℃~83℃の範囲の融点)、SP26(76℃~83℃の範囲の融点)、SP60(79℃~85℃の範囲の融点)、SP617(88℃~93℃の範囲の融点)、SP89(90℃~95℃の範囲の融点)、及びSP624(90℃~95℃の範囲の融点)の名称で入手可能な石油系微結晶性ワックスが挙げられる。他の好適なワックスとしては、米国、ペンシルバニア州、PetroliaのCrompton Corporationによって商標Multiwax(登録商標)で販売されているワックスが挙げられる。このようなワックスとしては、飽和分枝状及び環状非極性炭化水素を含み、79℃~87℃の融点を有するMultiwax(登録商標)180-W;飽和分枝状及び環状非極性炭化水素を含み、76℃~83℃の融点を有するMultiwax(登録商標)W-445、並びに飽和分枝状及び環状非極性炭化水素を含み、73℃~80℃の融点を有するMultiwax(登録商標)W-835が挙げられる。特定の実施形態では、ワックスは、室温(25℃)で固体である微結晶性ワックスを含むか、又はこのような微結晶ワックスである。いくつかの実施形態では、ワックスは、所望の適用温度範囲(即ち、接着剤組成物が使用/適用されることを意図する温度範囲)内の融点を有するように選択される。ワックスは溶融すると、加工助剤として働き、合成中の組成物における充填剤の組み込み、合成プロセス自体、並びに使用される場合には脱気工程を大幅に容易にすると考えられる。例えば、特定の実施形態では、ワックスは、100℃未満の溶融温度を有し、単純な静的ミキサーであっても、適用前に(例えば、接着剤組成物が複数成分組成物である場合)の混合を容易にし得る。このような場合、ワックスはまた、80℃~110℃、又は90℃~100℃の範囲の温度で、良好なレオロジーを伴って接着剤組成物の適用を促進し得る。
接着剤組成物中に存在するレオロジー添加剤の量は、様々な要因(例えば、官能化シロキサン化合物の量及び/又は種類、接着剤組成物の意図される使用、接着剤組成物が曝露されることを意図した硬化条件、ビヒクル/溶媒の有無など)に応じて異なり、当業者によって容易に決定され得る。一般に、接着剤組成物は、接着剤組成物中の全ての成分の総重量に基づいて、0重量部超~20重量部、又は1重量部~15重量部、又は1重量部~5重量部の量(存在する場合)でレオロジー添加剤を含む。
特定の実施形態では、接着剤組成物は、ビヒクル(例えば、溶媒及び/又は希釈剤などの担体ビヒクル)を含む。接着剤組成物の様々な成分の選択に応じて、担体ビヒクルは、例えば、油(例えば、有機油及び/又はシリコーン油)、溶媒、水などであってもよい。当業者には理解されるように、使用される特定のビヒクルは、存在する場合、接着剤組成物又はその一部(例えば、接着剤組成物が複数液型組成物であるときの接着剤組成物の1つ以上の部分)の流れ、並びに特定成分(例えば、官能化シロキサン化合物、鎖延長剤、末端封鎖剤など)の導入を容易にする(例えば、増加させる)ように選択される。したがって、好適なビヒクルは様々であり、一般に、接着剤組成物の1つ以上の成分を流動化するのに役立つものの成分のいずれともほぼ反応しないものを含む。したがって、ビヒクルは、接着剤組成物の1つ以上の成分の溶解度、揮発性、又はその両方に基づいて選択されてもよい。この意味では、溶解度とは、ビヒクルが接着剤組成物の1つ以上の成分を溶解及び/又は分散させるのに十分なものであることを指し、揮発性は、ビヒクルの蒸気圧を指す。ビヒクルの揮発性が高すぎる場合(即ち、意図される使用にとって蒸気圧が高すぎる)場合、塗布温度で接着剤組成物中に気泡が形成される可能性があり、この気泡により亀裂を招き得る、及び/又は接着剤組成物から形成された硬化生成物の特性を別の形で弱める又は特性に悪影響を及ぼし得る。しかしながら、ビヒクルの揮発性が十分でない場合(即ち、意図される使用にとって蒸気圧が低すぎる)場合、ビヒクルが、接着剤組成物の硬化生成物中に残存する、及び/又はその中で可塑剤として機能することがある。好適なビヒクルの例としては、一般に、シリコーン流体、有機流体、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態では、接着剤組成物のビヒクルは、シリコーン流体を含むか、又はシリコーン流体である。シリコーン流体は、典型的には、低粘度及び/又は揮発性シロキサンである。いくつかの実施形態では、シリコーン流体は、低粘度オルガノポリシロキサン、揮発性メチルシロキサン、揮発性エチルシロキサン、揮発性メチルエチルシロキサンなど、又はこれらの組み合わせである。典型的には、シリコーン流体は、25℃で1~1,000mm2/sの範囲の粘度を有する。いくつかの実施形態では、シリコーン流体は、一般式(R28R29SiO)Iを有するシリコーンを含み、式中、各R28及びR29は、Hと置換又は非置換ヒドロカルビル基とから独立して選択され、下付き文字Iは3~8である。好適なシリコーン流体の具体例としては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサン、ヘプタメチル-3-{(トリメチルシリル)オキシ)}トリシロキサン、ヘキサメチル-3,3,ビス{(トリメチルシリル)オキシ}トリシロキサンペンタメチル{(トリメチルシリル)オキシ}シクロトリシロキサン及びポリジメチルシロキサン、ポリエチルシロキサン、ポリメチルエチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、カプリリルメチコン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキシルトリメチコンなど、並びに誘導体、改質物、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好適なシリコーン流体の更なる例としては、5×10-7~1.5×10-6m2/sなどの好適な蒸気圧を有するポリオルガノシロキサンが挙げられ、例えば、DOWSIL(登録商標)200Fluids(登録商標)及びDOWSIL(登録商標)OS FLUIDSが、米国ミシガン州、MidlandのDow Silicones Corporationから市販されている。
特定の実施形態では、接着剤組成物のビヒクルは、揮発性及び/又は半揮発性炭化水素、エステル、及び/又はエーテルを含む有機油を典型的に含む有機流体を含む、又はそのような有機流体である。このような有機流体の一般的な例としては、C6~C16アルカン、C8~C16イソアルカン(例えば、イソデカン、イソドデカン、イソヘキサデカンなど)が挙げられる。C8~C16分枝状エステル(例えば、イソヘキシルネオペンタノエート、イソデシルネオペンタノエートなど)、並びに誘導体、改質物、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好適な有機流体の更なる例としては、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、3個超の炭素原子を有するアルコール、アルデヒド、ケトン、アミン、エステル、エーテル、グリコール、グリコールエーテル、アルキルハライド、芳香族ハロゲン化物、及びこれらの組み合わせが挙げられる。炭化水素としては、イソドデカン、イソヘキサデカン、アイソパーL(C11~C13)、アイソパーH(C11~C12)、水素添加(hydrogentated)ポリデセンが挙げられる。エーテル及びエステルとしては、イソデシルネオペンタノエート、ネオペンチルグリコールヘプタノエート、グリコールジステアレート、ジカプリリルカーボネート、ジエチルヘキシルカーボネート、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、エチル-3エトキシプロピオネート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、トリデシルネオペンタノエート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、オクチルドデシルネオペンタノエート、ジイソブチルアジペート、ジイソプロピルアジペート、プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート、オクチルエーテル、オクチルパルミテート、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態では、ビヒクルは、有機溶媒を含む、又は有機溶媒である。有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、及びn-プロパノールなどのアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、又はメチルイソブチルケトンなどのケトン;ベンゼン、トルエン、及びキシレンなどの芳香族炭化水素;ヘプタン、ヘキサン、及びオクタンなどの脂肪族炭化水素;プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、及びエチレングリコールn-ブチルエーテルなどのグリコールエーテル;ジクロロメタン、1,1,1-トリクロロエタン及び塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素;クロロホルム;ジメチルスルホキシド;ジメチルホルムアミド、アセトニトリル;テトラヒドロフラン;ホワイトスピリット;ミネラルスピリット;ナフサ;n-メチルピロリドンなど、並びに誘導体、改質物、及びこれらの組み合わせを含むものが挙げられる。
他のビヒクルもまた、接着剤組成物に使用されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ビヒクルは、イオン液体を含む、又はイオン液体である。イオン液体の例としては、アニオン及びカチオンの組み合わせが挙げられる。一般に、アニオンは、アルキルスルファート系アニオン、トシラートアニオン、スルホン酸系アニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、テトラフルオロボレートアニオンなどから選択され、カチオンは、イミダゾリウム系カチオン、ピロリジニウム系カチオン、ピリジニウム系カチオン、リチウムカチオンなどから選択される。しかしながら、複数のカチオン及びアニオンの組み合わせも使用されてもよい。イオン液体の具体例としては、1-ブチル-1-メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-メチル-1-プロピルピロリジニウムビス-(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、3-メチル-1-プロピルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N-ブチル-3-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-メチル-1-プロピルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メチルトリオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,2-ジメチル-3-プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-ビニルイミダゾリウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-アリルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-アリル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドなど、並びに誘導体、改質物、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
接着剤組成物中に存在するビヒクルの量は、様々な要因(例えば、官能化シロキサン化合物の量及び/又は種類、接着剤組成物が配合される方法、接着剤組成物が曝露されることを意図する硬化条件など)に応じて異なり、当業者によって容易に決定され得る。一般に、接着剤組成物は、接着剤組成物の総重量に基づいて、1重量%~99重量%、又は1重量%~75重量%、又は2重量%~60重量%、又は2重量%~50重量%の量(存在する場合)でビヒクルを含む。
特定の実施形態では、接着剤組成物は粘着付与剤を含む。好適な粘着付与剤の一般的な例としては、典型的には、脂肪族炭化水素樹脂(例えば、6個~20個の炭素原子を有する水素添加ポリオレフィン)、水素添加テルペン樹脂、ロジンエステル、水素添加ロジングリセロールエステル、又はこれらの組み合わせが挙げられる。好適な粘着付与剤の具体例としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、蒸留ロジン、水素化ロジン、二量化ロジン、及び重合ロジンなどの天然又は変性ロジン;天然又は変性ロジンのグリセロール及びペンタエリスリトールエステル、例えば、白木ロジンのグリセロールエステル、水素化ロジンのグリセロールエステル、重合ロジンのグリセロールエステル、水素化ロジンのペンタエリスリトールエステル、及びロジンのフェノール変性ペンタエリスリトールエステル;スチレン/テルペン及び/又はα-メチルスチレン/テルペンポリマーなどの天然テルペンのコポリマー及び/又はターポリマー;ASTM法E28によって決定されるように、60℃~150℃の軟化点を有するポリテルペン樹脂、例えば、フリーデル・クラフツ触媒の存在下でテルペン炭化水素(例えばピネン)の重合によって生成されるポリテルペン樹脂、並びにその水素化生成物(例えば、水素化ポリテルペン);酸による二環式テルペンとフェノールとの縮合によって生成されるものなどのフェノール変性テルペン樹脂及びその水素化誘導体;主にオレフィン及びジオレフィンからなるモノマーの重合によって生成されるもの、60℃~135℃の環球式軟化点を有するものなどの脂肪族石油炭化水素樹脂、及び水素化脂肪族石油炭化水素樹脂;脂環式石油炭化水素樹脂及びその水素化誘導体;脂肪族/芳香族又は脂環式/芳香族コポリマー及びその水素化誘導体;並びにこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、接着剤組成物は、固体粘着付与剤(即ち、25℃を超える環球式軟化点を有する粘着付与剤)を含む。好適な粘着付与剤の他の例としては、Exxon ChemicalからESCOREZ1102、1304、1310、1315、及び5600によって例示される脂肪族炭化水素樹脂、並びにEastmanからのEastotac H-100、H-115E、及びH-130L;荒川化学工業株式会社からのArkon P100、及びGoodyearからのWingtack95により例示される水素添加テルペン樹脂;HerculesからのStaybelite Ester 10及びForalにより例示される水素添加ロジングリセロールエステル;HerculesからのPiccolyteA125によって例示されるポリテルペン;Exxon ChemicalからのECR149B及びECR179Aによって例示される脂肪族/芳香族及び/又は脂環式/芳香族樹脂、などといった、市販の均等物、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。接着剤組成物中に存在する粘着付与剤の量は、様々な要因(例えば、官能化シロキサン化合物の量及び/又は種類、接着剤組成物の他の成分の種類及び/又は量、接着剤組成物の意図される使用など)に応じて異なり、当業者によって容易に決定され得る。一般に、接着剤組成物は、接着剤組成物中の全ての成分の総重量に基づいて、1重量部~20重量部の量(存在する場合)で粘着付与剤を含む。
特定の実施形態において、接着剤組成物は、腐食防止剤を更に含む。好適な腐食防止剤の例としては、ベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾトリアゾールなど、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。好適な腐食防止剤の具体例は、当該技術分野において既知であり、市販されており、例えば、CUVAN(登録商標)826(例えば、2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾール誘導体)及びCUVAN(登録商標)484(アルキルチアジアゾール)が、米国コネチカット州、NorwalkのR.T.Vanderbiltから入手可能である。
接着剤組成物中に存在する腐食防止剤の量は、様々な要因(例えば、官能化シロキサン化合物の量及び/又は種類、接着剤組成物の意図される使用、接着剤組成物が曝露されることを意図する硬化条件など)に応じて異なり、当業者によって容易に決定され得る。一般に、存在する場合、接着剤組成物は、接着剤組成物の総重量に基づいて、0.05重量%~0.5重量%の量で腐食防止剤を含む。
上記の様々な部分に導入されるように、接着剤組成物の様々な成分を複数の目的で使用することができ、したがって、特定の添加剤は、本明細書に記載される成分と重複する場合がある。例えば、特定のアルコキシシランは、充填剤処理剤として、接着促進剤として、及び架橋剤として有用である場合がある。更に、接着剤組成物は、触媒阻害剤、硬化促進剤、変色添加剤などの、上記に記載されていない追加の添加剤を更に含んでもよい。このような追加の添加剤は、独立して選択され、それぞれ、当業者によって容易に決定されるように、接着剤組成物において、意図される使用に基づいて選択される量で使用される。典型的には、存在する場合、接着剤組成物は、接着剤組成物の総重量に基づいて、0.001重量%~10重量%、又は0.01重量%~5重量%、又は0.1重量%~1重量%の量で上記添加剤のそれぞれを含む。
添付の特許請求の範囲は、詳細な説明に記載されている表現、及び特定の化合物、組成物又は方法に限定されず、これらは、添付の特許請求の範囲内にある特定の実施形態の間で変化し得ることが、理解されるべきである。本明細書で様々な実施形態の具体的な特徴又は態様の記述が依拠している任意のマーカッシュ群に関して、異なる、特殊な及び/又は不測の結果が、全ての他のマーカッシュ群の要素から独立して、それぞれのマーカッシュ群の各要素から得られる場合がある。マーカッシュ群の各要素は、個々に、及び、又は組み合わされて依拠とされ得、添付の特許請求の範囲内で、特定の実施形態を十分にサポートすることができる。
更に、本発明の様々な実施形態を説明する際に依拠とされる任意の範囲及び部分範囲は、独立して及び包括的に、添付の特許請求の範囲内に入り、本明細書にその中の全部及び/又は一部の値が明記されていなくても、そのような値を包含する全範囲を説明及び想到するものと理解される。当業者であれば、列挙された範囲及び部分的範囲が、本発明の様々な実施形態を十分に説明し、可能にし、そのような範囲及び部分的範囲は、更に関連性がある2等分、3等分、4等分、5等分などに線引きされ得ることを容易に認識する。単なる一例として、「0.1~0.9」の範囲は、更に、下方の3分の1、即ち、0.1~0.3、中央の3分の1、即ち、0.4~0.6、及び上方の3分の1、即ち、0.7~0.9に線引きされ得、これらは、個々に、及び包括的に、添付の特許請求の範囲内であり、個々に、及び/又は包括的に依拠とされ得、添付の特許請求の範囲内で、特定の実施形態を十分に裏付けることができる。更に、範囲を定義する、又は修飾する言葉、例えば「少なくとも」、「超」「未満」「以下」などに関して、そのような言葉は、部分範囲及び/又は上限若しくは下限を含むと理解されるべきである。別の例として、「少なくとも10」の範囲は、少なくとも10~35の部分範囲、少なくとも10~25の部分範囲、25~35の部分範囲などを本質的に含み、各部分範囲は、個々に、及び/又は包括的に依拠とされ得、添付の特許請求の範囲内で、特定の実施形態を十分にサポートするものである。最終的に、開示した範囲内の個々の数が依拠とされ得、添付の特許請求の範囲内で、特定の実施形態を十分にサポートすることができる。例えば、「1~9」の範囲は、様々な個々の整数、例えば3、並びに、小数点を含む個々の数(又は分数)、例えば4.1を含み、これは、依拠とされ得、添付の特許請求の範囲内で、特定の実施形態を十分にサポートすることができる。
以下の実施例は、本発明を例示することを意図しており、決して本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではない。すぐ下の概要は、特定の略語、短縮表記、及び実施例で使用される構成要素に関する情報を提供する。
有機シラノール化合物
「AMA-シラノール」は、以下の一般式を有する有機シラノール化合物である。
「ETM-シラノール」は、以下の一般式を有する有機シラノール化合物である。
「VCMX-シラノール」は、以下の一般式を有する有機シラノール化合物である。
「AGEシラノール」は、以下の一般式を有する有機シラノール化合物である。
多官能性有機ケイ素化合物
「二官能性-AMA Si-Hコンバータ」又は「水素化ケイ素ジメタクリレートコンバータ」は、以下の一般式を有する多官能性有機ケイ素化合物であり、
以下の実施例2で調製される。
「ビニルジメタクリレートSi-ビニルコンバータ」は、以下の一般式を有する多官能性有機ケイ素化合物であり、
以下の実施例3で調製される。
「三官能性AMA Si-Hコンバータ」は、以下の一般式を有する多官能性有機ケイ素化合物であり、
以下の実施例4で調製される。
「三官能性-AMA Si-ヘキセニルコンバータ」又は「ヘキセニルトリメタクリレートコンバータ」は、以下の一般式を有する多官能性有機ケイ素化合物であり、
以下の実施例5で調製される。
「混合AMA:ETM Si-Hコンバータ」は、以下の一般式を有する多官能性有機ケイ素化合物であり、
式中、a’+b’=2であり、以下の実施例6で調製される。
「二官能性VCMX Si-ビニルコンバータ」は、以下の一般式を有する多官能性有機ケイ素化合物であり、
以下の実施例7で調製される。
「二官能性AGE Si-Hコンバータは、以下の一般式を有する多官能性有機ケイ素化合物であり、
以下の実施例8で調製される。
「二官能性-ETM Si-Hコンバータ」は、以下の一般式を有する多官能性有機ケイ素化合物であり、
以下の実施例9で調製される。
「二官能性-ETM Si-ビニルコンバータ」は、以下の一般式を有する多官能性有機ケイ素化合物であり、
以下の実施例10で調製される。
「二官能性-AGE Si-ビニルコンバータ」は、以下の一般式を有する多官能性有機ケイ素化合物であり、
以下の実施例11で調製される。
「二官能性-VCMX Si-Hコンバータは、以下の一般式を有する多官能性有機ケイ素化合物であり、
以下の実施例12で調製される。
「混合AMA:AGE Si-Hコンバータ」は、以下の一般式を有する多官能性有機ケイ素化合物であり、
式中、a’+b’=2であり、以下の実施例13で調製される。
ポリシロキサン
「Si-H化合物」は、1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサンである。
「MViD493MVi」は、ビニル官能性MDシリコーンポリマーであり、各MViはビニルジメチルシロキシ単位を表し、各Dはジメチルシロキシ単位を表す。
「MViD178.5MVi」は、ビニル官能性MDシリコーンポリマーであり、各MViはビニルジメチルシロキシ単位を表し、各Dはジメチルシロキシ単位を表す。
「MD92.3D’6.2M」は水素化官能性MDシリコーン流体であり、各Mはトリメチルシロキシ単位を表し、各Dはジメチルシロキシ単位を表し、各D’はメチル水素シロキシ単位を表す。
「M’D100.35M’」は、水素化官能性MDシリコーンポリマーであり、各M’は、水素ジメチルシロキシ単位を表し、各Dは、ジメチルシロキシ単位を表す。
「シリコーン樹脂1」は、ビニル官能性MQシリコーン樹脂である。
「テレケリックビニルシロキサン(約810dp)」は、ビニル含有量が0.090%、重合度(DP)が約810であるビニル官能性シロキサンである。
「テレケリックビニルシロキサン(約125dp)」は、ビニル含有量が0.585%、重合度(DP)が約125であるビニル官能性シロキサンである。
ヒドロシリル化触媒
「ヒドロシリル化触媒1」は、1重量%のPtのイソプロピルアルコール(IPA)溶液である。
阻害剤
「BHT」は、ブチル化ヒドロキシトルエンである。
接着剤添加剤
「アルコキシシラン接着促進剤スラリー」は、グリシジルオキシトリメトキシシランとアミノプロピルトリメトキシシランとの混合物である。
多官能性有機ケイ素化合物の実施例
実施例1:トリメチルクロロシランとAMA-シラノールとの縮合
磁気撹拌棒を備えた40mLのバイアルに、AMA-シラノール(4.1193g)、THF(10mL)、及びNEt3(2340μL;1.05当量)を投入して、混合物を形成する。THF(4mL)中のトリメチルクロロシランの溶液(2000μL;1.05当量)を混合物にゆっくりと添加して反応混合物を得、これを窒素雰囲気下で室温で一晩撹拌する。次に、ヘキサン(20mL)を反応混合物に添加し、得られた混合物を微細フリット漏斗を通して濾過して塩を除去する。濾液を濃縮してTHF及びヘキサンを除去し、濃縮物から、追加の塩沈殿物を20マイクロメートルのシリンジフィルタで濾過する。残りの揮発性物質を除去して生成物(「単官能性-AMA Si-Me化合物」)を得、これを次にNMRにより分析する(回収:5.1g;収率:98%;純度:95%)。
実施例2:二官能性-AMA Si-Hコンバータの調製
1000mLの三口フラスコに、窒素出口及び熱電対、添加漏斗及び窒素入口、並びにテフロン撹拌棒を備えた機械的撹拌機を装備する。フラスコにMeHSiCl2(10.6mL;100mmol)及びジエチルエーテル(400mL)を投入して溶液を得て、それを撹拌し、氷浴を用いて0℃に冷却する。添加漏斗にAMA-シラノール(55.22g;200mmol)及びピリジン(16.1mL;200mmol)を投入し、得られた混合物をフラスコ内の撹拌溶液に約15分(約5mL/分)の過程にわたって滴下して反応混合物を得る。添加後直ちに、白色沈殿物が形成される。添加完了後のGCMSでは、約97%のシラノール変換及び縮合生成物の形成が示される。次いで、沈殿塩を濾過により除去し、濾過ケークをジエチルエーテル(約100mL)で洗浄する。有機物を合わせ、HCl(1M;150mL)、飽和NaHCO3(150mL)、及びブライン(150mL)で洗浄し、MgSO4(約10g)で乾燥させ、濾過し、濃縮し(回転蒸発器)、透明液体を得て、次いで、高真空下で2時間乾燥させて、生成物(GCMSにより88.9%)を得る。
実施例3:二官能性-AMASi-ビニルコンバータの調製
100mL三口フラスコに、磁気撹拌棒、窒素出口及び熱電対、添加漏斗、及び窒素入口を装備する。フラスコにMeViSiCl2(1.63mL;12.5mmol)及びトルエン(50mL)を投入して混合物を得、これを撹拌し、氷浴を用いて0℃に冷却する。添加漏斗にAMA-シラノール(6.9g;25mmol)及びピリジン(2.2mL;27.5mmol)を投入し、次いで、フラスコ内の撹拌混合物に約15分かけて滴下して反応混合物を得る。添加後直ちに、白色沈殿物が形成される。添加完了後、GCMSは、約90%のシラノール変換及び縮合生成物の形成を示す。次いで、MeViSiCl2(0.16mL)及びピリジン(0.22mL)の追加の部分を添加する。次いで、沈殿物(塩)を濾過により除去し、濾過ケークをトルエンで洗浄する。有機物を合わせ、HCl(1M;50mL)、飽和NaHCO3(50mL)、及びブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し(回転蒸発器)、透明液体を得、次いで高真空下で乾燥させて生成物を得る(回収:6.52g;収率:84%;純度:GCMSにより89.3%)。
実施例4:三官能性AMA Si-Hコンバータの調製
200mLの三口フラスコに、電磁撹拌棒、窒素出口及び熱電対、及び追加の漏斗を装備する。フラスコにHSiCl3(1.4mL;14mmol)及びジエチルエーテル(75mL)を投入して溶液を得て、それを撹拌し、氷浴を用いて0℃に冷却する。添加漏斗にAMA-シラノール(10.4g;40mmol)、ピリジン(3.75mL;40.7mmol)及びジエチルエーテル(約5mL;20mLの総体積)を投入し、次いで、フラスコ内の撹拌溶液に約25分かけて滴下して反応混合物を得る。添加後、白色沈殿物が形成される。添加完了後、GCMSは、>99%のシラノール変換及び縮合生成物の形成を示す。次いで、反応混合物を0.45μmフリットを通して分液漏斗に濾過して沈殿物(塩)を除去し、濾過ケークをジエチルエーテル(約50mL)で洗浄し、合わせた有機物をHCl(1M;20mL)、飽和NaHCO3(20mL)、及びブライン(20mL)で洗浄し、MgSO4(約2g)で乾燥させ、濾過し、濃縮し(回転蒸発器)、透明液体を得、次いで、高真空下で乾燥させて生成物を得る(回収:10.8g;収率:95%;純度:GCMSにより77%)。
実施例5:三官能性AMA Si-ヘキセニルコンバータの調製
250mLの三口フラスコに、電磁撹拌棒、窒素出口及び熱電対、添加漏斗、及び窒素入口を装備する。フラスコにCH2CH(CH2)4SiCl3(3.3mL;16.66mmol)及びトルエン(100mL)を投入して溶液を得、これを撹拌し、氷浴を用いて0℃に冷却する。添加漏斗にAMA-シラノール(13.8g;50mmol)及びピリジン(4.4mL;55mmol)を投入し、フラスコ内の撹拌溶液に約25分かけて滴下して反応混合物を得る。添加後、白色沈殿物が形成される。添加完了後、GCMSは、約90%のシラノール変換を示す。次いで、反応混合物を濾過して沈殿物(塩)を除去し、濾液をHCl(1M)、飽和NaHCO3、及びブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、生成物を含む反応生成物を得、これを次にNMRにより分析する(回収:14.62g;66%トリコンバータ(生成物)、11%ジコンバータ、11%シラノール、12%他)。
実施例6:混合AMA:ETM Si-Hコンバータの調製
250mLの三口フラスコに、磁気撹拌棒、窒素供給、熱電対、及びセプタムを装備する。フラスコにジエチルエーテル(100mL)を投入し、氷浴を用いて0℃に冷却する。次いで、MeHSiCl2(2.5mL;25.2mmol)をフラスコに添加して混合物を形成する。ETM-シラノールの混合物(4.77g;16mmol)、AMA-シラノール(8.89g)、及びピリジン(4mL;50.4mmol)の混合物に、シリンジポンプを介して約30分間にわたってフラスコ内の撹拌混合物を添加して、反応混合物を得る。添加後直ちに、白色沈殿物が形成される。添加完了後、反応混合物を5分間撹拌し、GCMSにより分析する(約90%のシラノール変換を示す)。次いで、MeHSiCl2(0.25mL)及びピリジン(0.4mL)の追加の部分を添加し、反応混合物を35分間撹拌し、GCMSにより分析する(約95%のシラノール変換を示す)。次いで、反応混合物を濾過して沈殿物(塩)を除去し、濾液をHCl(1M)、飽和NaHCO3、及びブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し(回転蒸発器)、生成物を含む反応生成物を得、次いで、この反応生成物を高真空下で一晩撹拌しながら乾燥させて、生成物を得る(回収:12g;収率:82%;純度:51%混合付加生成物(a’=1;b’=1)、32%ジ-AMA付加生成物(a’=2;b’=0)、6.5%ジ-ETM付加生成物(a’=0;b’=2))。
実施例7:二官能性VCMX Si-ビニルコンバータの調製
100mLの三口フラスコに、磁気撹拌棒、窒素出口及び熱電対、添加漏斗、及び窒素入口を装備する。フラスコにMeViSiCl2(0.82mL;6.25mmol)、及びジエチルエーテル(25mL)を投入して溶液を得て、これを撹拌し、氷浴を用いて0℃に冷却する。添加漏斗にVCMX-シラノール(3.35g;12.2mmol)、及びピリジン(1.1mL;13.75mmol)を投入し、フラスコ内の撹拌溶液に約10分かけて滴下して反応混合物を得る。添加後、白色沈殿物が形成される。次いで、沈殿物(塩)を濾過により除去し、濾液をHCl(1M)、飽和NaHCO3、及びブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して生成物を得る(回収:3g;収率:81%;純度:GCMSにより約85%)。
実施例8:二官能性-AGE Si-Hコンバータの調製
50mLの三口フラスコに、磁気撹拌棒、窒素供給、熱電対、及びセプタムを装備する。フラスコにMeHSiCl2(0.27mL;約2.6mmol;1当量)及びトルエン(10mL)を投入して混合物を得、これを撹拌して、氷浴を用いて0℃に冷却する。AGEシラノール(1.32g、5mmol;約1.9当量)及びピリジン(0.89mL、11mmol)をシリンジ内で混合し、次いでフラスコ内の撹拌混合物にゆっくりと添加して反応混合物を得、これを窒素下で40分間撹拌する。次いで、反応中に形成された沈殿物(塩)を濾過により除去し、濾液をHCl(1M)、NaHCO3、及びブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して生成物を含む反応生成物を得、これを次に高真空下で一晩撹拌しながら乾燥させて、生成物を得る(回収:1.15g;収率:85%;純度:約80%)。
実施例9:二官能性-ETM Si-Hコンバータの調製
500mLの三口フラスコに、磁気撹拌棒、窒素出口及び熱電対、添加漏斗、及び窒素入口を装備する。フラスコにMeHSiCl2(5.4mL;51.25mmol)、及びトルエン(200mL)を投入して溶液を得て、これを撹拌し、氷浴を用いて0℃に冷却する。添加漏斗に、ETM-シラノール(29.85g;100mmol)、ピリジン(9mL;112.5mmol)、及びトルエン(約10mL)を投入し、次いで、フラスコ内の撹拌溶液に約40分(約1mL/分)かけて滴下して反応混合物を得る。添加後、白色沈殿物が形成される。次いで、反応混合物を濾過して沈殿物(塩)を除去し、濾液をHCl(1M;50mL)、飽和NaHCO3(50mL)、及びブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し(回転蒸発器)、反応生成物を得る(回収:27.7g;収率:93%)。
実施例10:二官能性-ETM Si-ビニルコンバータの調製
100mLの三口フラスコに、磁気撹拌棒、窒素出口及び熱電対、添加漏斗、及び窒素入口を装備する。フラスコにMeViSiCl2(0.82mL;6.25mmol)、及びトルエン(25mL)を投入して溶液を得て、これを撹拌し、氷浴を用いて0℃に冷却する。添加漏斗に、ETM-シラノール(3.72g;12.5mmol)及びピリジン(1.1mL;13.75mmol)を投入し、フラスコ内の撹拌溶液に約15分かけて滴下して反応混合物を得る。次いで、反応混合物を濾過して沈殿物(塩)を除去し、濾液をHCl(1M)、飽和NaHCO3、及びブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し(回転蒸発器)、反応生成物を得る(回収:2.6g;収率63%)。
実施例11:二官能性AGE Si-ビニルコポリマーの調製
1000mLの三口フラスコに、窒素出口及び熱電対、添加漏斗及び窒素入口、並びにテフロン撹拌棒を備えた機械的撹拌機を装備する。フラスコにMeViSiCl2(9.7mL;74.2mmol)、及びトルエン(285mL)を投入して溶液を得て、これを撹拌し、氷浴を用いて0℃に冷却する。添加漏斗に、AGE-シラノール(37.85g;143mmol)及びピリジン(12mL;148mmol)を投入し、得られた混合物をフラスコ内の撹拌溶液に約30分(約2mL/分)かけて滴下して反応混合物を得る。添加後、白色沈殿物が直ちに形成され、穏やかな発熱(約3℃)が観察される。反応混合物を1時間撹拌し、HCl(1M)で相分離し、有機物を除去し、NaOH(1M)で、次いでブラインで洗浄し、MgSO4(約10g)で乾燥させ、濾過し、濃縮し(回転蒸発器)、生成物を含む反応生成物を得、次いで、高真空下で乾燥させて生成物を得る(回収:36.13g;収率:84.8%)。
実施例12:二官能性VCMX Si-Hコンバータの調製
1000mLの三口フラスコに、窒素出口及び熱電対、添加漏斗及び窒素入口、並びにテフロン撹拌棒を備えた機械的撹拌機を装備する。フラスコにMeHSiCl2(10.6mL;101mmol)、及びトルエン(400mL)を投入して、撹拌し、氷浴を用いて0℃に冷却する。添加漏斗にVCMX-シラノール(52.8g;192.3mmol)及びピリジン(17.5mL;211.5mmol)を投入し、得られた混合物をフラスコ内の撹拌溶液に約60分(約2mL/分)かけて滴下して反応混合物を得る。添加後、白色沈殿物が直ちに形成され、穏やかな発熱(約3℃)が観察される。反応混合物を濾過して沈殿物(塩)を除去し、濾過ケークをトルエンで洗浄し、合わせた有機物をHCl(1M;150mL)、飽和NaHCO3(150mL)、及びブライン(150mL)で洗浄し、MgSO4(約2g)で乾燥させ、濾過し、濃縮して(回転蒸発器)、液体を得て、次いで、高真空下で乾燥させて生成物を得る(回収:39.24g;収率:69%;純度:NMRによる93%)。
実施例13:混合AMA:AGE Si-Hコンバータの調製
100mLの三口フラスコに、磁気撹拌棒、窒素供給、熱電対、及びセプタムを装備する。フラスコにトルエン(20mL)を入れ、氷浴を用いて0℃に冷却する。次いで、フラスコにMeHSiCl2(0.48mL;4.6mmol)を投入して混合物を得、これを0℃で撹拌する。AGE-シラノール(0.78g、2.94mmol)、AMA-シラノール(1.63g;5.88mmol)、及びピリジン(0.78mL、9.7mmol)をシリンジ内で混合した後、フラスコ内の撹拌混合物に10分かけてゆっくり添加して反応混合物を得る。添加後、白色沈殿物が直ちに形成される。反応混合物を窒素下で1時間撹拌し、濾過して沈殿物(塩)を除去し、HCl(1M)、NaHCO3、及びブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し(回転蒸発器)、生成物を得る(回収:2.3g;収率:85%;純度:NMRにより88%;1H積分により約2:1 AMA:AGE(即ち、平均でa’=1.33;b’=約0.67)。
官能化シロキサン化合物の実施例
実施例14:MViD493MVi及び二官能性-AMA Si-Hコンバータのヒドロシリル化
1000mLの三口フラスコに、MViD493MVi(338.54g)及び二官能性-AMA Si-Hコンバータ(11.76g)を投入して混合物を形成し、次いで混合し、80℃で約45分間加熱する。温度が80℃で安定したら、ヒドロシリル化触媒1(180μL)を添加して反応混合物を得る。触媒添加時に発熱は観察されない。反応混合物を80℃で撹拌したところ、完全なSi-H変換がFT-IR(約1時間)により示され、次いで室温まで冷却して生成物を得る。
実施例15:MViD178.5MVi及び二官能性-AMA Si-Hコンバータのヒドロシリル化
1000mLの三口フラスコに、MViD178.5MVi(300.35g)及び二官能性-AMA Si-Hコンバータ(28.12g)を投入して混合物を形成し、次いで混合し、75℃で約45分間加熱する。温度が75℃で安定したら、ヒドロシリル化触媒1(89μL)を添加して反応混合物を得る。触媒添加時に発熱は観察されない。反応混合物を75℃で撹拌し、次いで、80℃で2時間加熱して保持する。ヒドロシリル化触媒1(45μL)の追加の部分を反応混合物に添加し、次いで、完全なSi-H変換がFT-IRにより示されるまで(約45分)80℃で撹拌する。次いで、反応混合物を室温まで冷却して、生成物を得る。
実施例16:1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン及び三官能性AMA Si-ヘキセニルコンバータのヒドロシリル化
電磁撹拌棒を備えた0.5オンス試料バイアルに、Si-H化合物(0.67g)、三官能性AMA Si-ヘキセニルコンバータ(3.47g)、及びヒドロシリル化触媒1(6.0μL)を室温で投入し、反応混合物を得、次いで、混合しながら70℃で1時間加熱及び保持する。ヒドロシリル化触媒1(1μL)の追加の部分を反応混合物に添加し、次いで、70℃で3時間撹拌する。この時点で完全なSi-H変換がFT-IRにより示される。次いで、反応混合物を室温まで冷却して、生成物を得る。
実施例17:MD92.3D’6.2M及び三官能性AMA Si-ヘキセニルコンバータのヒドロシリル化
電磁撹拌棒を備えた0.5オンス試料バイアルに、MD92.3D’6.2M(5.32g)、三官能性AMA Si-ヘキセニルコンバータ(5.30g)、及びBHT(0.01g)を投入して、混合物を得る。混合物を混合しながら60℃に加熱し、混合物が55℃に達したときにヒドロシリル化触媒1(0.11g)を添加して反応混合物を得る。反応混合物を架橋して、触媒添加から約15~30分以内にゲルを形成し、この時点で溶液から熱を除去し、室温まで冷却して生成物を得る。
実施例18:M’D100.35M’及び三官能性AMA Si-ヘキセニルコンバータのヒドロシリル化
電磁撹拌棒を備えた0.5オンス試料バイアルに、M’D100.35M’(7.73g)及び三官能性AMA Si-ヘキセニルコンバータ(2.48g)を投入して混合物を得る。混合物を混合しながら60℃に加熱し、混合物が57℃に達したときにヒドロシリル化触媒1(0.05g)を添加して反応混合物を得る。触媒添加時に、起泡と共に約6℃の発熱が観察される。反応混合物を60℃で約1時間保持する。この時点で、完全なSi-H変換が、FT-IRにより示される。次いで、反応混合物を室温まで冷却して、生成物を得る。
実施例19:MD92.3D’6.2M及び二官能性-AMA Si-ビニルコンバータのヒドロシリル化
電磁撹拌棒を備えた0.5オンス試料バイアルに、MD92.3D’6.2M(6.14g)及び二官能性-AMA Si-ビニルコンバータ(3.92g)を投入して、混合物を得る。混合物を混合しながら60℃に加熱し、次いでヒドロシリル化触媒1(0.19g)を添加する。添加時には発熱が観察されない。反応混合物を60℃で約1時間保持し、その間、反応混合物中に少量のゲルが形成される。次いで、反応混合物を室温まで冷却して、生成物を得る。
実施例20:「M’D100.35M」及び二官能性-AMA Si-ビニルコンバータのヒドロシリル化
電磁撹拌棒を備えた0.5オンス試料バイアルに、M’D100.35M’(8.41g)及び二官能性-AMA Si-ビニルコンバータ(1.79g)を投入して、混合物を得る。混合物を混合しながら60℃に加熱し、次いでヒドロシリル化触媒1(0.15g)を投入する。反応混合物を60℃で約1.5時間保持する。この時点で、完全なSi-H変換が、FT-IRにより示される。次いで、反応混合物を室温まで冷却して、生成物を得る。
実施例21:ビニル官能性MQシリコーン樹脂及び二官能性-AMA Si-Hコンバータのヒドロシリル化
磁気撹拌棒を備えた0.5オンス試料バイアルに、シリコーン樹脂1(10.10g;キシレン中78.19重量%で希釈)及び二官能性-AMA Si-Hコンバータ(1.11g)を投入して、混合物を得る。混合物を混合しながら75℃に加熱し、次いでヒドロシリル化触媒1(3μL)を投入する。反応混合物を75℃で2時間保持する。この時点で、完全なSi-H変換が、FT-IRにより示される。次いで、反応混合物を室温まで冷却して、生成物を得る。
実施例22:二官能性AMA Si-Hコンバータによるテレケリックビニルシロキサン(約810dp)のヒドロシリル化
250mLの三口フラスコに、撹拌機構、水冷凝縮器、加熱マントル、及び熱電対を装備する。次いで、フラスコに、テレケリックビニルシロキサン(約810dp)(98.10g)、二官能性AMA Si-Hコンバータ(1.90g;Si-H:ビニル化学量論比0.98)、及びBHT(0.03g)を投入して混合物を形成し、次いで混合し、窒素下で70℃に加熱する。70℃に達したら、カルシュテット触媒(0.08g、重量で約4ppm白金)の希釈溶液を添加し、得られた反応混合物を70℃で1時間混合しながら保持する。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、125mLのナルゲンボトルに注ぎ、生成物(二官能性メタクリレート変換ポリマー1)を得る。生成物のサンプルを1H NMRにより分析する。反応の完了を意味する完全なSi-H変換(残留Si-Hなし及び微量のビニル官能基)が示される。生成物の粘度を、周囲条件下でブルックフィールドDV-II回転粘度計を用いて分析する。98,500cPの粘度を得る。
実施例23:二官能性AMA Si-Hコンバータを有するテレケリックビニルシロキサン(約125dp)のヒドロシリル化
250mLの三口フラスコに、撹拌機構、水冷凝縮器、加熱マントル、及び熱電対を装備する。次いで、フラスコに、テレケリックビニルシロキサン(約125dp)(89.10g)、二官能性AMA Si-Hコンバータ(10.90g;Si-H:ビニル化学量論比が0.95)、及びBHT(0.03g)を混合して混合物を形成し、次いで窒素下で60℃に加熱する。60℃に達したら、カルシュテット触媒(0.04g、重量で約4ppm白金)の希釈溶液を添加し、得られた反応混合物を1時間混合しながら70℃で加熱し、保持する。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、125mLのナルゲンボトルに注いで生成物を得る。生成物のサンプルを1H NMRにより分析する。反応の完了を意味する完全Si-H変換(残留Si-Hなし及び微量のビニル官能基)が示される。
実施例24:三官能性AMA Si-Hコンバータを有するテレケリックビニルシロキサン(約810dp)のヒドロシリル化
250mLの三口フラスコに、撹拌機構、水冷凝縮器、加熱マントル、及び熱電対を装備する。次いで、フラスコに、テレケリックビニルシロキサン(約810dp)(27.08g)、三官能性AMA Si-Hコンバータ(0.73g;Si-H:ビニル化学量論比0.95)、BHT(0.008g)、及びトルエン(28.0g;試薬グレード)を投入して混合物を形成し、次いで、窒素下で100℃に加熱する。100℃に達したら、カルシュテット触媒(0.085g、重量で約15ppm白金)の希釈溶液を添加し、得られた反応混合物を、20時間混合しながら100℃に保持する。この時点で、生成物のサンプルを1H NMRにより分析すると、反応の完了を意味するな完全Si-H変換(残留Si-Hなし及び微量ビニル官能基)を示す。次いで、反応混合物を回転蒸発器(浴温度:120℃;真空:15mmHg)を用いて除去し、室温まで冷却し、125mLのナルゲンボトルに注いで生成物を得る。生成物の粘度を周囲条件下でブルックフィールド DV-II回転粘度計を用いて分析し、103,200cPの粘度を得る。
実施例25:混合AMA:ETM Si-Hコンバータによるテレケリックビニルシロキサン(約810dp)のヒドロシリル化
250mLの三口フラスコに、撹拌機構、水冷凝縮器、加熱マントル、及び熱電対を装備する。次いで、フラスコに、テレケリックビニルシロキサン(約125dp)(98.05g)、混合AMA:ETM Si-Hコンバータ(1.95g;SiH:ビニル化学量論比0.98)、及びBHT(0.03g)を投入して混合物を形成し、次いで窒素下で70℃に加熱する。70℃に達したら、カルシュテット触媒(0.04g、重量で約4ppm白金)の希釈溶液を添加し、得られた反応混合物を70℃で1時間混合しながら保持する。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、125mLのナルゲンボトルに注いで生成物を得る。生成物のサンプルを1H NMRにより分析する。反応の完了を意味する完全なSi-H変換(残留Si-Hなし及び微量のビニル官能基)が示される。生成物の粘度を周囲条件下でブルックフィールドDV-II回転粘度計を用いて分析し、123,700cPの粘度を得る。
接着剤実施例
実施例26:二官能性AMA変換ポリマーで調製された接着剤配合物
200mLの歯科用カップに、二官能性メタクリレート変換ポリマー1(89.133g;実施例22で調製したもの)、酸化鉄顔料(0.301g)、ヒュームドシリカ(7.59g)、及び10マイクロメートルの粉砕石英(46.40g)を投入し、スパチュラを使用した手撹拌、次いで、二軸遠心ミキサー(1800rpm;30秒)を用いるサイクルでそれらの成分を混和させる。充填剤が分散するまで、成分混和サイクルを繰り返し、得られた混合物をアルミニウムパンに移す。次いで、パンを70℃に加熱した真空オーブンに入れ、1時間約27inHgまで排気する。次いで、パンをオーブンから取り出し、室温まで冷却し、混合物を200mLの歯科用カップに移す。この冷却混合物に、アルコキシシラン接着促進剤スラリー(3.022g)を添加し、スパチュラを使用して4回手撹拌し、その後二軸遠心ミキサー(1200rpm;30秒)を使用してこれらの成分を混和させる。メチルベンゾイルペルオキシド(3.45g、50重量%活性ペースト)及びチタン(IV)ビス(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシド(即ち、「チタン(IV)ジイソプロポキシジエチルアセトアセテート」又は「TDIDE」)(0.149g)を添加し、スパチュラを使用して2回手撹拌し、その後二軸遠心ミキサー(1200rpm;30秒)を用いてこれらの成分を混和させる。次いで、得られた材料を真空下で5分間真空脱気する(約27inHg)。
得られた接着剤は、30分間の試験及び100℃の予熱プレートを使用して、特性評価用のムービングダイレオメーターを用いて試験する。接着剤は、3.92in-lb/分の最大速度で8.3分以内に最終トルク(14.5in-lb)の90%を達成する。これは、以下の実施例27で調製及び分析されるモノ-メタクリレート系ポリマー系接着剤類似体よりも速い硬化である。
実施例27:単官能性AMA変換ポリマーを用いて調製される比較接着剤
上記実施例26の手順を、単官能性メタクリレートポリマーを用いて繰り返し、比較用の接着剤組成物を調製する。具体的には、実施例1の単官能性AMA Si-Me化合物を使用して実施例22の手順を繰り返して、単官能性メタクリレート変換ポリマーを得る。次いで、200mLの歯科用カップに、単官能性メタクリレート変換ポリマー(89.081g)、酸化鉄顔料(0.311g)、ヒュームドシリカ(7.589g)、及び10マイクロメートルの粉砕石英(46.401g)を投入して、混合物を得る。次いで、混合物の成分を、スパチュラを使用して数回手撹拌し、その後二軸遠心ミキサー(1800rpm;30秒)を用い、充填剤が分散するまで、成分混和サイクルを繰り返す。得られた混和混合物をアルミニウムパンに移し、次いで、70℃に加熱した真空オーブンに入れ、1時間約27inHgまで排気する。次いで、パンをオーブンから取り出し、室温まで冷却し、混合物を200mLの歯科用カップに移す。この冷却混合物に、アルコキシシラン接着促進剤スラリー(3.017g)を添加し、スパチュラを使用して4回手撹拌し、その後二軸遠心ミキサー(1200rpm;30秒)を用い、これらの成分を混和させる。次いで、メチルベンゾイルペルオキシド(3.45g、50重量%活性ペースト)及びTDIDE(0.150g)を添加し、スパチュラを使用して2回の手撹拌し、その後二軸遠心ミキサー(1200rpm;30秒)を使用してこれらの成分を混和させる。次いで、得られた材料を真空下で5分間真空脱気する(約27inHg)。
得られた接着剤は、30分間の試験及び100℃の予熱プレートを使用して、特性評価用のムービングダイレオメーターを用いて試験する。接着剤は、最大1.73in-lb/分の最大速度で15.4分以内に最終トルク(12.9in-lb)の90%を達成する。これは、上記実施例26の二官能性メタクリレート系ポリマー系接着剤類似体よりも遅い硬化である。
本発明は、例示的な様式で説明されており、使用されている用語は限定目的よりも、むしろ説明のための言葉としての性質が意図されているものと理解されるべきである。明らかに、本発明の多くの改変及び変更が上記教示から可能である。本発明は、具体的に記載した方法のとおり以外の方法でも実施され得る。