JP7514753B2 - 空気調和機 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、空気調和機に関する。
エアコンディショナのような空気調和機は、冷凍サイクルにおける冷媒の凝縮及び蒸発により、室内の温度を調節する。例えば冷房運転時において、冷媒は、室外熱交換器で凝縮し、室内熱交換器で蒸発する。
特許第6188932号公報
冷房運転時に外気温が高い場合、室外熱交換器の熱交換の効率が低下するとともに、輻射熱により室内熱交換器の顕熱負荷が上昇する。このため、室内の温度が低下しにくくなり、空気調和機の省エネルギー性能が低下してしまう。
本発明が解決する課題の一例は、省エネルギー化可能な空気調和機を提供することである。
本発明の一つの実施形態に係る空気調和機は、室内熱交換器と、室外熱交換器と、第1の配管と、第2の配管と、圧縮機と、四方弁と、第1の膨張弁と、蓄熱材と、第2の膨張弁と、第1の伝熱部と、を備える。前記第1の配管は、前記室内熱交換器と前記室外熱交換器とを接続し、冷媒が流れる。前記第2の配管は、前記室外熱交換器と前記室内熱交換器とを接続し、冷媒が流れる。前記圧縮機は、前記第1の配管に設けられ、前記冷媒を吸入する吸入口と、前記冷媒を吐出する吐出口と、を有する。前記四方弁は、前記第1の配管に設けられ、前記冷媒が流れる方向を変更可能である。前記第1の膨張弁は、前記第2の配管に設けられる。前記蓄熱材は、前記室内熱交換器と前記四方弁との間と、前記四方弁と前記圧縮機の前記吸入口との間と、のうち少なくとも一方で前記第1の配管に熱的に接続される。前記第2の膨張弁は、前記四方弁と前記圧縮機の前記吸入口との間、且つ前記蓄熱材と前記圧縮機の前記吸入口との間、で前記第1の配管に設けられる。前記第1の伝熱部は、前記第2の膨張弁と前記圧縮機の前記吸入口との間で前記第1の配管に熱的に接続されるとともに、前記室外熱交換器と前記第1の膨張弁との間で前記第2の配管に熱的に接続される。
上記空気調和機において、前記蓄熱材は、前記室内熱交換器と前記四方弁との間で前記第1の配管に熱的に接続されるとともに、前記四方弁と前記圧縮機の前記吸入口との間で前記第1の配管に熱的に接続される。
上記空気調和機は、第3の配管と、切替弁と、第2の伝熱部とをさらに備える。前記第3の配管は、一方の端部が前記第2の膨張弁と前記第1の伝熱部との間で前記第1の配管に接続され、他方の端部が前記第1の伝熱部と前記圧縮機の前記吸入口との間で前記第1の配管に接続される。前記切替弁は、前記第3の配管の前記一方の端部と前記第1の配管との接続部分に設けられ、前記冷媒が流れる方向を変更可能である。前記第2の伝熱部は、前記第3の配管に熱的に接続されるとともに、前記室内熱交換器と前記第1の膨張弁との間で前記第2の配管に熱的に接続される。
上記空気調和機は、制御装置をさらに備える。前記制御装置は、前記四方弁と、前記第1の膨張弁と前記第2の膨張弁とを制御する。前記制御装置は、前記圧縮機の前記吐出口から前記室内熱交換器へ前記冷媒が流れるように前記四方弁を制御し、前記室内熱交換器から出た前記冷媒が液体よりも気体を多く含むように前記第1の膨張弁を制御する、暖房運転、を実行可能である。
以上の空気調和機によれば、例えば、空気調和機が省エネルギー化することができる。
図1は、一つの実施形態に係る冷房運転時の空気調和機を概略的に示す冷媒系統図である。 図2は、上記実施形態の暖房運転時の空気調和機を概略的に示す冷媒系統図である。 図3は、上記実施形態の空気調和機の構成を機能的に示すブロック図である。 図4は、上記実施形態の空気調和機の冷房運転制御の一例を示すフローチャートである。 図5は、上記実施形態の空気調和機の蓄冷運転制御の一例を示すフローチャートである。 図6は、上記実施形態の空気調和機の暖房運転制御の一例を示すフローチャートである。 図7は、上記実施形態の制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
以下に、一つの実施形態について、図1乃至図7を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
図1は、一つの実施形態に係る冷房運転時の空気調和機10を概略的に示す冷媒系統図である。空気調和機10は、例えば、家庭用のエアコンディショナである。なお、空気調和機10は、この例に限られず、業務用のエアコンディショナのような他の空気調和機であっても良い。
図1に示すように、空気調和機10は、室外機11と、室内機12と、冷媒配管13と、制御装置14とを有する。室外機11は、例えば、屋外に配置される。室内機12は、例えば、屋内に配置される。
空気調和機10は、室外機11と室内機12とが冷媒配管13により接続された冷凍サイクルを備える。室外機11と室内機12との間で、冷媒配管13を通り、冷媒が流れる。また、室外機11と室内機12とは、例えば電気配線により互いに電気的に接続される。
室外機11は、室外熱交換器21と、室外送風ファン22と、圧縮機23と、アキュムレータ24と、四方弁25と、第1の膨張弁31と、第2の膨張弁32と、切替弁33と、第1の逆止弁34と、第2の逆止弁35とを有する。室内機12は、室内熱交換器41と、室内送風ファン42とを有する。
冷媒配管13は、例えば、銅又はアルミニウムのような金属で作られた管である。冷媒配管13は、第1の配管51と、第2の配管52と、第3の配管53とを有する。第1の配管51は、室内熱交換器41と室外熱交換器21とを接続する。圧縮機23、アキュムレータ24、四方弁25、第2の膨張弁32、切替弁33、及び第1の逆止弁34は、第1の配管51に設けられる。第2の配管52は、室外熱交換器21と室内熱交換器41とを接続する。第1の膨張弁31は、第2の配管52に設けられる。第3の配管53は、第1の配管51に接続される。第2の逆止弁35は、第3の配管53に設けられる。
冷房運転において、冷媒は、第1の配管51を通って室内熱交換器41から室外熱交換器21へ流れ、第2の配管52を通って室外熱交換器21から室内熱交換器41へ流れる。図1の矢印は、冷房運転時における冷媒の流れを示す。
図2は、本実施形態の暖房運転時の空気調和機10を概略的に示す冷媒系統図である。図2に示すように、暖房運転において、冷媒は、第1の配管51を通って室外熱交換器21から室内熱交換器41へ流れ、第2の配管52を通って室内熱交換器41から室外熱交換器21へ流れる。図2の矢印は、暖房運転時における冷媒の流れを示す。
室外機11の室外熱交換器21は、冷媒の流れる方向に応じて、蒸発器として冷媒の吸熱を行い、又は凝縮器として冷媒の放熱を行う。室外送風ファン22は、室外熱交換器21に向かって送風し、室外熱交換器21における冷媒と空気との熱交換を促進する。言い換えると、室外送風ファン22は、室外熱交換器21と熱交換する気流を生成する。
圧縮機23は、吸入口23aと吐出口23bとを有する。圧縮機23は、吸入口23aから冷媒を吸入し、圧縮した冷媒を吐出口23bから吐出する。これにより、圧縮機23は、冷凍サイクルにおいて冷媒を圧縮するとともに、冷媒の循環を生じさせる。
アキュムレータ24は、圧縮機23の吸入口23aに接続される。アキュムレータ24は、気体状の冷媒と液体状の冷媒とを分離する。これにより、圧縮機23は、アキュムレータ24を通過した気体状の冷媒を吸入口23aから吸入することができる。アキュムレータ24は、圧縮機23と一体に構成されることで、圧縮機23の吸入口となることができる。
四方弁25は、室外熱交換器21と、室内熱交換器41と、圧縮機23の吐出口23bと、アキュムレータ24(圧縮機23の吸入口23a)とに接続される。四方弁25は、暖房運転時と冷房運転時とで、室外熱交換器21、室内熱交換器41、圧縮機23の吐出口23b、及びアキュムレータ24のそれぞれに接続される流路を切り替え、冷媒が流れる方向を変更する。
図1に示すように、冷房運転時において、四方弁25は、室外熱交換器21と圧縮機23の吐出口23bとを接続する。さらに、冷房運転時において、四方弁25は、室内熱交換器41とアキュムレータ24とを接続する。これにより、圧縮機23で圧縮された冷媒が室外熱交換器21へ流れ、室内熱交換器41で蒸発した冷媒がアキュムレータ24へ流れる。
図2に示すように、暖房運転時において、四方弁25は、室外熱交換器21とアキュムレータ24とを接続する。さらに、暖房運転時において、四方弁25は、室内熱交換器41と圧縮機23の吐出口23bとを接続する。これにより、圧縮機23で圧縮された冷媒が室内熱交換器41へ流れ、室外熱交換器21で蒸発した冷媒がアキュムレータ24へ流れる。
第1の膨張弁31及び第2の膨張弁32は、例えば、電磁膨張弁である。なお、第1の膨張弁31及び第2の膨張弁32は、他の膨張弁であっても良い。第1の膨張弁31及び第2の膨張弁32は、開度を制御されることで、通過する冷媒の量を調節する。
室内機12の室内熱交換器41は、冷媒の流れる方向に応じて、蒸発器として吸熱し、又は凝縮器として放熱する。室内送風ファン42は、室内熱交換器41に向かって送風し、室内熱交換器41と空気との熱交換を促進する。言い換えると、室内送風ファン42は、室内熱交換器41と熱交換する気流を生成する。
以上のように各要素が配置された空気調和機10において、第1の配管51は、第1の領域51aと、第2の領域51bと、第3の領域51cと、第4の領域51dとを有する。第1の領域51aは、室内熱交換器41と四方弁25との間における第1の配管51の一部である。第2の領域51bは、四方弁25とアキュムレータ24との間における第1の配管51の一部である。第3の領域51cは、圧縮機23の吐出口23bと四方弁25との間における第1の配管51の一部である。第4の領域51dは、四方弁25と室外熱交換器21との間における第1の配管51の一部である。
第2の配管52は、第5の領域52aと、第6の領域52bとを有する。第5の領域52aは、室外熱交換器21と第1の膨張弁31との間における第2の配管52の一部である。第6の領域52bは、第1の膨張弁31と室内熱交換器41との間における第2の配管52の一部である。
第2の膨張弁32は、第1の配管51の第2の領域51bに設けられる。言い換えると、第2の膨張弁32は、四方弁25と圧縮機23の吸入口23aとの間で、第1の配管51に設けられる。
切替弁33は、例えば、三方弁である。なお、切替弁33は、四方弁のような、冷媒が流れる方向を変更可能な他の切替弁であっても良い。切替弁33は、第2の膨張弁32と圧縮機23の吸入口23aとの間で、第1の配管51の第2の領域51bに設けられる。
第3の配管53は、第1の配管51の第2の領域51bに接続される。第3の配管53の第1の端部53aは、切替弁33に接続される。すなわち、切替弁33は、第3の配管53の第1の端部53aと第1の配管51との接続部分に設けられる。第3の配管53の第2の端部53bは、切替弁33と圧縮機23の吸入口23aとの間で、第1の配管51に接続される。第1の端部53aは、第3の配管の一方の端部の一例である。第2の端部53bは、第3の配管の他方の端部の一例である。
切替弁33は、四方弁25、圧縮機23の吸入口23a、及び第3の配管53のそれぞれに接続される流路を切り替え、冷媒が流れる方向を変更する。すなわち、切替弁33は、四方弁25から圧縮機23の吸入口23aへ向かって流れる冷媒を、第3の配管53を経由して圧縮機23の吸入口23aへ流すことができる。
第1の逆止弁34は、切替弁33と、第3の配管53の第2の端部53bとの間で第1の配管51に設けられる。第1の逆止弁34は、切替弁33から圧縮機23の吸入口23aへ向かう方向へ流れる冷媒を通過させる。一方、第1の逆止弁34は、圧縮機23の吸入口23aから切替弁33へ向かう方向へ流れる冷媒を遮断する。
第2の逆止弁35は、切替弁33と第3の配管53の第2の端部53bとの間で第3の配管53に設けられる。第2の逆止弁35は、切替弁33から圧縮機23の吸入口23aへ向かう方向へ流れる冷媒を通過させる。一方、第2の逆止弁35は、圧縮機23の吸入口23aから切替弁33へ向かう方向へ流れる冷媒を遮断する。
本実施形態の室外機11は、第1の蓄熱材61と、第2の蓄熱材62と、第3の蓄熱材63と、第1の温度センサ71と、第2の温度センサ72と、第3の温度センサ73と、第4の温度センサ74と、第5の温度センサ75と、第6の温度センサ76と、第7の温度センサ77とをさらに有する。第1の蓄熱材61は、蓄熱材の一例である。第2の蓄熱材62は、第1の伝熱部の一例である。第3の蓄熱材63は、第2の伝熱部の一例である。第2の温度センサ72は、室内機温度センサの一例である。第3の温度センサ73は、蓄熱材温度センサの一例である。
第1の蓄熱材61、第2の蓄熱材62、及び第3の蓄熱材63は、例えば、ブロック状の容器に充填された潜熱蓄熱材を有する。潜熱蓄熱材は、例えば、塩化カルシウムである。第1の蓄熱材61、第2の蓄熱材62、及び第3の蓄熱材63は、他の潜熱蓄熱材を有しても良い。本実施形態における第1の蓄熱材61、第2の蓄熱材62、及び第3の蓄熱材63は、例えば、約10℃乃至約100℃の温度帯で使用可能な蓄熱材である。
第1の蓄熱材61、第2の蓄熱材62、及び第3の蓄熱材63は、上述の例に限られず、例えば、顕熱蓄熱材のような他の蓄熱材であっても良いし、他の温度帯で使用可能な蓄熱材であっても良い。また、第1の蓄熱材61、第2の蓄熱材62、及び第3の蓄熱材63は、互いに異なる蓄熱材であっても良い。
第1の蓄熱材61は、室内熱交換器41と四方弁25との間で、第1の配管51の第1の領域51aに熱的に接続される。さらに、第1の蓄熱材61は、四方弁25と圧縮機23の吸入口23aとの間で、第1の配管51の第2の領域51bに熱的に接続される。なお、第1の蓄熱材61は、第1の領域51aと第2の領域51bとのうち一方のみに熱的に接続されていても良い。
例えば、第1の配管51の第1の領域51a及び第2の領域51bは、互いに離間するとともに、第1の蓄熱材61を貫通する。このため、第1の領域51aと第2の領域51bとは、第1の蓄熱材61を介して互いに熱的に接続される。
本実施形態では、第1の蓄熱材61は、四方弁25と、第2の膨張弁32との間で、第1の配管51の第2の領域51bに熱的に接続される。このため、第2の膨張弁32は、第1の蓄熱材61と圧縮機23の吸入口23aとの間で、第1の配管51に設けられる。
第1の蓄熱材61は、第1の領域51a及び第2の領域51bのそれぞれよりも、蓄積可能な熱量(蓄熱容量)が大きい。また、第1の領域51a及び第2の領域51bは、金属で作られており、第1の蓄熱材61の潜熱蓄熱材に密着する。このため、第1の領域51a及び第2の領域51bと、第1の蓄熱材61の潜熱蓄熱材との間で、熱伝導が生じやすい。
第2の蓄熱材62は、第2の膨張弁32と圧縮機23の吸入口23aとの間で第1の配管51の第2の領域51bに熱的に接続される。本実施形態では、第2の蓄熱材62は、切替弁33と第1の逆止弁34との間で、第1の配管51に熱的に接続される。このため、第3の配管53の第1の端部53aは、第2の膨張弁32と第2の蓄熱材62との間で第1の配管51に接続されている。さらに、第3の配管53の第2の端部53bは、第2の蓄熱材62と圧縮機23の吸入口23aとの間で第1の配管51に接続されている。
さらに、第2の蓄熱材62は、室外熱交換器21と第1の膨張弁31との間で第2の配管52の第5の領域52aに熱的に接続される。例えば、第1の配管51及び第2の配管52は、互いに離間するとともに、第2の蓄熱材62を貫通する。このため、第2の蓄熱材62は、第1の配管51と第2の配管52とを互いに熱的に接続させる。
第2の蓄熱材62は、第2の領域51b及び第5の領域52aのそれぞれよりも、蓄熱容量が大きい。また、第2の領域51b及び第5の領域52aは、金属で作られており、第2の蓄熱材62の潜熱蓄熱材に密着する。このため、第2の領域51b及び第5の領域52aと、第2の蓄熱材62の潜熱蓄熱材との間で、熱伝導が生じやすい。
第3の蓄熱材63は、第3の配管53に熱的に接続される。本実施形態では、第3の蓄熱材63は、切替弁33と第2の逆止弁35との間で、第3の配管53に熱的に接続される。
さらに、第3の蓄熱材63は、室内熱交換器41と第1の膨張弁31との間で第2の配管52の第6の領域52bに熱的に接続される。例えば、第6の領域52b及び第3の配管53は、互いに離間するとともに、第3の蓄熱材63を貫通する。このため、第3の蓄熱材63は、第6の領域52bと第3の配管53とを互いに熱的に接続させる。
第3の蓄熱材63は、第3の配管53及び第6の領域52bのそれぞれよりも、蓄熱容量が大きい。また、第3の配管53及び第6の領域52bは、金属で作られており、第3の蓄熱材63の潜熱蓄熱材に密着する。このため、第3の配管53及び第6の領域52bと、第3の蓄熱材63の潜熱蓄熱材との間で、熱伝導が生じやすい。
第1の蓄熱材61は、第2の蓄熱材62及び第3の蓄熱材63のそれぞれよりも、潜熱蓄熱材の体積が大きく、且つ蓄熱容量が大きい。第2の蓄熱材62と第3の蓄熱材63とは、潜熱蓄熱材の体積及び蓄熱容量が略同一である。なお、第2の蓄熱材62と第3の蓄熱材63との潜熱蓄熱材の体積及び蓄熱容量が互いに異なっても良い。
第1の温度センサ71は、例えば、室外機11の筐体中に配置される。第1の温度センサ71は、室外機11が配置された屋外の環境の外気温を検出する。第2の温度センサ72は、室内熱交換器41に設けられる。第2の温度センサ72は、室内熱交換器41を流れる冷媒の温度を検出する。例えば、第2の温度センサ72は、室内熱交換器41を流れる冷媒の飽和温度が取得可能な位置に配置される。
第3の温度センサ73は、第1の蓄熱材61に設けられる。第3の温度センサ73は、第1の蓄熱材61の温度を検出する。第4の温度センサ74は、アキュムレータ24の近傍において、第1の配管51の第2の領域51bに設けられる。第4の温度センサ74は、アキュムレータ24の近傍において、第2の領域51bを流れる冷媒の温度を検出する。
第5の温度センサ75は、第3の配管53の第2の端部53bとアキュムレータ24との間、且つ第2の端部53bの近傍において、第1の配管51の第2の領域51bに設けられる。第5の温度センサ75は、第2の端部53bの近傍において、第2の領域51bを流れる冷媒の温度を検出する。
第6の温度センサ76は、室内熱交換器41と第3の蓄熱材63との間、且つ第3の蓄熱材63の近傍において、第2の配管52の第6の領域52bに設けられる。第6の温度センサ76は、第3の蓄熱材63の近傍において、第6の領域52bを流れる冷媒の温度を検出する。
制御装置14は、例えば、室外制御装置14aと、室内制御装置14bとを有する。室外制御装置14aと室内制御装置14bとは、互いに電気配線により電気的に接続される。室外制御装置14a及び室内制御装置14bのうち少なくとも一方は、例えば、CPU(Central Processing Unit)又はマイクロコントローラのような制御装置と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、フラッシュメモリのような記憶装置とを有するコンピュータである。なお、制御装置14は、この例に限られない。例えば、制御装置14は、室外制御装置14a及び室内制御装置14bのうち一方のみを有しても良い。
室外制御装置14aは、室外機11の室外送風ファン22、圧縮機23、四方弁25、第1の膨張弁31、第2の膨張弁32、及び切替弁33を制御する。室内制御装置14bは、室内機12の室内送風ファン42を制御する。
制御装置14が室外機11及び室内機12を制御することで、空気調和機10は、冷房運転、暖房運転、除湿運転、除霜運転、蓄冷運転、及び他の運転を行う。室内制御装置14bは、例えば、リモートコントローラから信号を入力されても良いし、通信装置を通じてスマートフォンのような情報端末から信号を入力されても良い。
図3は、本実施形態の空気調和機10の構成を機能的に示すブロック図である。図3に示すように、本実施形態の空気調和機10は、室外ファン駆動回路81と、室内ファン駆動回路82と、インバータ回路83と、四方弁駆動回路84と、第1の膨張弁駆動回路85と、第2の膨張弁駆動回路86と、切替弁駆動回路87とをさらに有する。
室外ファン駆動回路81は、室外送風ファン22の駆動回路である。室内ファン駆動回路82は、室内送風ファン42の駆動回路である。インバータ回路83は、圧縮機23をインバータ制御し、圧縮機23の運転周波数を変更する。インバータ回路83は、例えば、PAM(Pulse Amplitude Modulation)方式のインバータ回路である。なお、インバータ回路83は、この例に限られない。
四方弁駆動回路84は、四方弁25の駆動回路である。第1の膨張弁駆動回路85は、第1の膨張弁31の駆動回路である。第2の膨張弁駆動回路86は、第2の膨張弁32の駆動回路である。切替弁駆動回路87は、切替弁33の駆動回路である。
制御装置14は、第1乃至第7の温度センサ71~77と、室外ファン駆動回路81と、室内ファン駆動回路82と、インバータ回路83と、四方弁駆動回路84と、第1の膨張弁駆動回路85と、第2の膨張弁駆動回路86と、切替弁駆動回路87とに接続される。制御装置14は、温度取得部91と、運転切替部92と、室外ファン制御部93と、室内ファン制御部94と、圧縮機制御部95と、弁制御部96とを備える。
温度取得部91は、第1乃至第7の温度センサ71~77を用いて、外気温、冷媒の温度、及び第1の蓄熱材61の温度を取得する。例えば、温度取得部91は、第1乃至第7の温度センサ71~77の出力信号から、外気温、冷媒の温度、及び第1の蓄熱材61の温度を算出する。
運転切替部92は、空気調和機10における冷房運転と、暖房運転と、除湿運転と、除霜運転と、蓄冷運転とを切り替える。なお、運転切替部92は、空気調和機10の運転を他の運転方式に切り替えても良い。
室外ファン制御部93は、室外送風ファン22を制御する。例えば、室外ファン制御部93は、室外ファン駆動回路81を制御することで、室外送風ファン22のモータの回転数を制御する。
室内ファン制御部94は、室内送風ファン42を制御する。例えば、室内ファン制御部94は、室内ファン駆動回路82を制御することで、室内送風ファン42のモータの回転数を制御する。
圧縮機制御部95は、圧縮機23を制御する。例えば、圧縮機制御部95は、インバータ回路83を制御することで、インバータ制御により圧縮機23の運転周波数を制御する。
弁制御部96は、四方弁25、第1の膨張弁31、第2の膨張弁32、及び切替弁33を制御する。弁制御部96は、四方弁駆動回路84を制御することで、四方弁25のアクチュエータを駆動し、四方弁25に冷媒が流れる方向を変更させる。弁制御部96は、第1の膨張弁駆動回路85及び第2の膨張弁駆動回路86を制御することで、第1の膨張弁31及び第2の膨張弁32の開度を変更させる。さらに、弁制御部96は、切替弁駆動回路87を制御することで、切替弁33に冷媒が流れる方向を変更させる。
以下に、本実施形態の空気調和機10の冷房運転、蓄冷運転、及び暖房運転について説明する。なお、上述のように、空気調和機10は、冷房運転、蓄冷運転、及び暖房運転に限らず、除湿運転及び除霜運転のような他の運転を行うことができる。また、空気調和機10の冷房運転、蓄冷運転、及び暖房運転は、以下に説明される例に限られない。
図4は、本実施形態の空気調和機10の冷房運転制御の一例を示すフローチャートである。なお、例えば、空気調和機10の起動と冷房運転の開始が同時である場合、室外送風ファン22、圧縮機23、及び室内送風ファン42は停止している。この場合、室外ファン制御部93、室内ファン制御部94、及び圧縮機制御部95は、冷房運転の開始時に、室外送風ファン22、圧縮機23、及び室内送風ファン42を起動する。
冷房運転中において、室外ファン制御部93は、室外送風ファン22の回転数を調整する。室内ファン制御部94は、室内送風ファン42の回転数を調整する。圧縮機制御部95は、圧縮機23の運転周波数を調整する。例えば、室内ファン制御部94は、室内機12が設置された室内の気温又はリモートコントローラから入力された信号に応じて、室内送風ファン42を弱風(低速)運転乃至強風(高速)運転の間で制御する。
図4に示すように、冷房運転が開始されると、弁制御部96が四方弁駆動回路84及び切替弁駆動回路87を制御し、四方弁25及び切替弁33に冷媒が流れる方向を変更させる(S101)。これにより、室外熱交換器21と圧縮機23の吐出口23bとが接続されるとともに、室内熱交換器41とアキュムレータ24(圧縮機23の吸入口23a)とが接続される。すなわち、制御装置14は、圧縮機23の吐出口23bから室外熱交換器21へ冷媒が流れるように四方弁25を制御する冷房運転を実行する。さらに、第2の膨張弁32と圧縮機23の吸入口23aとが、第2の蓄熱材62を経由して接続される。
次に、運転切替部92は、冷房運転を終了するか否かを判定する(S102)。例えば、リモートコントローラから空気調和機10が停止信号又は他の運転への切替信号を入力された場合、運転切替部92は、冷房運転が終了するものと判定し(S102:Yes)、冷房運転を終了する。
冷房運転が終了しない場合(S102:No)、弁制御部96は、温度Taと温度Tcとの差(過熱度)が約0℃であるか否かを判定する(S103)。例えば、温度取得部91が、第2の温度センサ72から、室内熱交換器41の温度Tcを取得する。さらに、温度取得部91は、第3の温度センサ73から、第1の蓄熱材61の温度Taを取得する。
弁制御部96は、過熱度(Ta-Tc)が約0℃であるか否かを判定する。例えば、弁制御部96は、所定の時間に亘って過熱度(Ta-Tc)が0±0.5℃の範囲内にあるか否かを判定する。なお、S103における判定はこの例に限られない。
過熱度(Ta-Tc)が約0℃でない場合(S103:No)、弁制御部96は、第1の膨張弁駆動回路85を制御し、第1の膨張弁31の開度を調整する(S104)。弁制御部96は、過熱度(Ta-Tc)が約0℃となるように、第1の膨張弁31の開度を調整する。S103において過熱度(Ta-Tc)が約0℃である場合(S103:Yes)、S104は省略される。
次に、弁制御部96は、温度Suと温度Tkとの差(過熱度)が1~2℃であるか否かを判定する(S105)。例えば、温度取得部91が、第4の温度センサ74からアキュムレータ24の近傍における冷媒の温度Suを取得する。言い換えると、温度取得部91は、第4の温度センサ74から、圧縮機23の吸入口23aに入る冷媒の温度Suを取得する。さらに、温度取得部91は、第5の温度センサ75から第3の配管53の第2の端部53bの近傍における冷媒の温度Tkを取得する。言い換えると、温度取得部91は、第5の温度センサ75から、第2の蓄熱材62から出た冷媒の温度Tkを取得する。
弁制御部96は、過熱度(Su-Tk)が1~2℃であるか否かを判定する。例えば、弁制御部96は、所定の時間に亘って過熱度(Su-Tk)が1~2℃の範囲内にあるか否かを判定する。なお、S105における判定はこの例に限られない。
温度差(Su-Tk)が1~2℃でない場合(S105:No)、弁制御部96は、第2の膨張弁駆動回路86を制御し、第2の膨張弁32の開度を調整する(S106)。弁制御部96は、過熱度(Su-Tk)が1~2℃となるように、第2の膨張弁32の開度を調整する。S105において過熱度(Su-Tk)が1~2℃である場合(S105:Yes)、S106は省略される。
弁制御部96が第2の膨張弁32を調整し、又は過熱度(Su-Tk)が1~2℃であるならば、S102に戻り、運転切替部92が冷房運転を終了するか否かを再度判定する。冷房運転が終了するまで、S102~S106が繰り返される。
図1に示すように、冷房運転において、圧縮機23の吐出口23bから吐出された高温高圧の気体状の冷媒は、四方弁25を通り、室外熱交換器21で放熱する。室外熱交換器21で凝縮した中温中圧の液状の冷媒は、第1の膨張弁31で減圧される。
第1の膨張弁31で減圧された低温低圧の液状の冷媒は、室内熱交換器41で吸熱する。室内熱交換器41で蒸発した気体状の冷媒は、四方弁25を通り、第2の膨張弁32で減圧される。さらに、冷媒は、切替弁33及びアキュムレータ24を通り、圧縮機23の吸入口23aに戻る。
室外機11が配置された屋外の環境の外気温が高い場合、室外熱交換器21で冷媒が凝縮しにくい。このため、第5の領域52aを流れる冷媒において、乾き度が高くなり、気体の割合が増大する。第5の領域52aにおいて気体状の冷媒の割合が多いと、第1の膨張弁31を通過できる冷媒の量が低下し、室外熱交換器21の能力が低下することがある。
例えば、外気温が48℃の場合の空気調和機10の冷却能力(ワット)は、外気温が35℃の場合の空気調和機10の冷却能力(ワット)の半分程度に低下することがある。空気調和機10は、外気温の上昇が室内熱交換器41の能力を低下させることを抑制するため、以下の蓄冷運転を行う。
図5は、本実施形態の空気調和機10の蓄冷運転制御の一例を示すフローチャートである。本実施形態の制御装置14は、例えば、空気調和機10が停止している夜間に、蓄冷運転を実行する。なお、蓄冷運転が実行される時期は、この例に限られない。
まず、運転切替部92は、蓄冷運転の開始条件が達成されているか否かを判定する(S201)。例えば、運転切替部92は、空気調和機10が停止中であって、時刻が午前1時~3時(夜間)であると判定すると、蓄冷運転の開始条件が達成されていると判定する。
蓄冷運転の開始条件は、上述の例に限られない。例えば、運転切替部92は、外気温に基づいて蓄冷運転の開始条件を判定しても良い。この場合、温度取得部91が、第1の温度センサ71から、外気温を取得する。運転切替部92は、空気調和機が停止中であって、外気温が所定の時間に亘って閾値を下回る場合、蓄冷運転の開始条件が達成されていると判定する。
また、運転切替部92は、室内における人の存在に基づいて開始条件を判定しても良い。この場合、運転切替部92は、室内機12に設けられた人感センサの出力信号に基づき、室内が無人か否かを判定する。運転切替部92は、室内が所定の時間に亘って無人だと判定した場合、蓄冷運転の開始条件が達成されたと判定する。
さらに、運転切替部92は、空気調和機10の要求能力に基づいて蓄冷運転の開始条件を判定しても良い。この場合、運転切替部92は、室温とユーザーが設定した目標温度との差等に基づいて、空気調和機10の要求能力(室温を目標温度にするために空気調和機10に要求される冷却能力)を算出する。運転切替部92は、空気調和機10の要求能力が所定の閾値以下の場合に、蓄冷運転の開始条件が達成されたと判定する。
運転切替部92は、蓄冷運転の開始条件が達成されない場合(S201:No)、蓄冷運転を開始せずに待機する。蓄冷運転の開始条件が達成されると(S201:Yes)、室外ファン制御部93、室内ファン制御部94、及び圧縮機制御部95は、室外送風ファン22、圧縮機23、及び室内送風ファン42を起動及び調整する(S202)。
弁制御部96は、冷房運転と同様に、四方弁25及び切替弁33に冷媒が流れる方向を変更させる。これにより、室外熱交換器21と圧縮機23の吐出口23bとが接続されるとともに、室内熱交換器41とアキュムレータ24(圧縮機23の吸入口23a)とが接続される。すなわち、制御装置14は、圧縮機23の吐出口23bから室外熱交換器21へ冷媒が流れるように四方弁25を制御する蓄冷運転を実行する。さらに、第2の膨張弁32と圧縮機23の吸入口23aとが、第2の蓄熱材62を経由して接続される。
室外ファン制御部93及び圧縮機制御部95は、冷房運転と同様に、室外送風ファン22及び圧縮機23を制御する。なお、蓄冷運転における室外ファン制御部93及び圧縮機制御部95の制御は、冷房運転における制御と異なっても良い。
一方、室内ファン制御部94は、室内送風ファン42を弱風(低速)運転に制御する。すなわち、室内ファン制御部94は、冷房運転における最低速度で、室内送風ファン42を回転させる。なお、室内ファン制御部94の制御は、この例に限られない。例えば、室内ファン制御部94は、室内送風ファン42を停止させても良い。
次に、運転切替部92は、蓄冷運転を終了するか否かを判定する(S203)。例えば、リモートコントローラから空気調和機10が停止信号又は他の運転への切替信号を入力された場合、運転切替部92は、蓄冷運転が終了するものと判定し(S203:Yes)、蓄冷運転を終了する。
蓄冷運転が終了しない場合(S203:No)、運転切替部92は、蓄冷運転の開始から所定時間が経過したか否かを判定する(S204)。例えば、運転切替部92は、蓄冷運転の開始から1時間が経過すると(S204:Yes)、蓄冷運転を終了する。
リモートコントローラから空気調和機10が停止信号を入力された場合、及び蓄冷運転の開始から所定時間が経過した場合、室外ファン制御部93、室内ファン制御部94、及び圧縮機制御部95は、室外送風ファン22、圧縮機23、及び室内送風ファン42を停止させる。
蓄冷運転の開始から所定時間が経過していない場合(S204:No)、弁制御部96は、温度Tcと温度Taとの差(過熱度)が約-2℃であるか否かを判定する(S205)。例えば、温度取得部91が、第2の温度センサ72から、室内熱交換器41の温度Tcを取得する。さらに、温度取得部91は、第3の温度センサ73から、第1の蓄熱材61の温度Taを取得する。
弁制御部96は、過熱度(Tc-Ta)が約-2℃であるか否かを判定する。例えば、弁制御部96は、所定の時間に亘って過熱度(Tc-Ta)が-2±0.5℃の範囲内にあるか否かを判定する。なお、S205における判定はこの例に限られない。
過熱度(Tc-Ta)が約-2℃でない場合(S205:No)、弁制御部96は、第1の膨張弁駆動回路85を制御し、第1の膨張弁31の開度を調整する(S206)。弁制御部96は、過熱度(Tc-Ta)が約-2℃となるように、第1の膨張弁31の開度を調整する。例えば、弁制御部96は、第1の膨張弁31の開度を比較的大きく設定する。S205において過熱度(Tc-Ta)が約-2℃である場合(S205:Yes)、S206は省略される。
次に、弁制御部96は、温度Suと温度Tkとの差(過熱度)が1~2℃であるか否かを判定する(S207)。例えば、温度取得部91が、第4の温度センサ74からアキュムレータ24の近傍における冷媒の温度Suを取得する。さらに、温度取得部91は、第5の温度センサ75から第3の配管53の第2の端部53bの近傍における冷媒の温度Tkを取得する。
弁制御部96は、過熱度(Su-Tk)が1~2℃であるか否かを判定する。例えば、弁制御部96は、所定の時間に亘って過熱度(Su-Tk)が1~2℃の範囲内にあるか否かを判定する。なお、S207における判定はこの例に限られない。
過熱度(Su-Tk)が1~2℃でない場合(S207:No)、弁制御部96は、第2の膨張弁駆動回路86を制御し、第2の膨張弁32の開度を調整する(S208)。弁制御部96は、過熱度(Su-Tk)が1~2℃となるように、第2の膨張弁32の開度を調整する。S207において過熱度(Su-Tk)が1~2℃である場合(S207:Yes)、S208は省略される。
弁制御部96が第2の膨張弁32を調整し、又は過熱度(Su-Tk)が1~2℃であるならば、S203に戻り、運転切替部92が蓄冷運転を終了するか否かを再度判定する。蓄冷運転が終了するまで、S203~S208が繰り返される。
図1に示すように、蓄冷運転において、圧縮機23の吐出口23bから吐出された高温高圧の気体状の冷媒は、四方弁25を通り、室外熱交換器21で放熱する。室外熱交換器21で凝縮した中温中圧の液状の冷媒は、第2の蓄熱材62と熱交換し、第1の膨張弁31で減圧される。第1の膨張弁31で減圧された低温低圧の液状の冷媒は、第1の膨張弁31から室内熱交換器41へ流れる。
蓄冷運転において、弁制御部96は、室内熱交換器41から出た冷媒が気体よりも液体を多く含むように、第1の膨張弁31を制御する。さらに、蓄冷運転において、室内ファン制御部94は、室内熱交換器41から出た冷媒が気体よりも液体を多く含むように、室内送風ファン42を制御する。
例えば、上述のように、第1の膨張弁31は、過熱度(Tc-Ta)が約-2℃となるように開度を調整される。これにより、冷媒は液状のまま室内熱交換器41を通過する。さらに、上述のように、室内送風ファン42は、弱風運転を行う。このため、室内熱交換器41において冷媒が熱交換しにくくなり、冷媒は液状のまま室内熱交換器41を通過する。なお、室内送風ファン42は、弱風運転することで、室内熱交換器41で結露が生じることを抑制する。
室内熱交換器41から出た低温低圧の液状の冷媒は、第1の蓄熱材61と熱交換し、第1の蓄熱材61を冷やす。低温低圧の冷媒は、第1の配管51の第1の領域51aを通過するときと、第2の領域51bを通過するときと、の二回に亘って第1の蓄熱材61を冷やす。
第1の蓄熱材61から出た液状の冷媒は、第2の膨張弁32で減圧される。第2の膨張弁32で減圧された液状の冷媒は、第2の蓄熱材62と熱交換する。言い換えると、第1の配管51の第2の領域51bを流れる低温低圧の液状の冷媒は、第2の配管52の第5の領域52aを流れる中温中圧の液状の冷媒と、第2の蓄熱材62を介して熱交換する。
第2の領域51bを流れる液状の冷媒は、第5の領域52aを流れる中温中圧の冷媒により第2の蓄熱材62を通じて温められ、気化する。第2の蓄熱材62に気化させられた冷媒は、アキュムレータ24を通って圧縮機23の吸入口23aに戻る。冷媒は、第2の蓄熱材62に気化されるため、液状のまま圧縮機23の吸入口23aに入ることを抑制できる。
蓄冷運転において、弁制御部96は、第2の蓄熱材62に伝熱した第2の領域51bの冷媒が気化するように、第2の膨張弁32を制御する。例えば、上述のように、第2の膨張弁32は、過熱度(Su-Tk)が1~2℃となるように開度を調整される。これにより、冷媒は第2の蓄熱材62との伝熱により気化する。別の表現によれば、第2の膨張弁32は、第2の蓄熱材62へ供給される冷媒の量を調整することで、圧縮機23の吸入口23aに戻る冷媒の過熱度を調整する。
一方、第5の領域52aを流れる冷媒は、第2の領域51bを流れる低温低圧の冷媒により冷やされる。第5の領域52aにおいて、室外熱交換器21で蒸発しなかった気体状の冷媒が流れることがある。この場合、気体状の冷媒は、第2の蓄熱材62で冷やされ、液化する。
第5の領域52aにおいて気体状の冷媒の割合が多いと、第1の膨張弁31を通過できる冷媒の量が低下することがある。本実施形態では、第2の蓄熱材62は、冷媒を液化することで、第1の膨張弁31を通過する冷媒における液体の割合を増大させる。これにより、第2の蓄熱材62は、室内熱交換器41に供給される冷媒の量が低減することを抑制する。
上述のように、蓄冷運転は1時間行われる。例えば夏であっても、夜間の外気温は昼間の外気温よりも低い。このため、蓄冷運転が行われる夜間に、第1の蓄熱材61は十分に冷やされる。
蓄冷運転の後の冷房運転では、第1の蓄熱材61が、室内熱交換器41から出た冷媒を冷やす。第1の蓄熱材61に冷却された冷媒は、第2の膨張弁32で減圧され、第2の蓄熱材62と熱交換する。言い換えると、第1の配管51の第2の領域51bを流れる冷媒は、第2の配管52の第5の領域52aを流れる中温中圧の液状の冷媒と、第2の蓄熱材62を介して熱交換する。
第2の領域51bを流れる冷媒は、第5の領域52aを流れる中温中圧の冷媒により温められ、気化する。第2の蓄熱材62に気化させられた冷媒は、アキュムレータ24を通って圧縮機23の吸入口23aに戻る。冷媒は、第2の蓄熱材62に気化されるため、液状のまま圧縮機23の吸入口23aに入ることを抑制できる。
一方、第5の領域52aを流れる冷媒は、第2の領域51bを流れる冷媒により冷やされる。外気温が高い場合、室外熱交換器21で冷媒が凝縮しにくい。このため、第5の領域52aを流れる冷媒において、乾き度が高くなり、気体の割合が増大する。しかし、気体状の冷媒は、第2の蓄熱材62で冷やされて液化する。冷媒が第2の蓄熱材62に冷却されることで、冷媒の過冷却度が例えば5℃以上になる。これにより、第2の蓄熱材62は、液状の冷媒に第1の膨張弁31を通過させ、室内熱交換器41に供給される冷媒の量が低減することを抑制する。
上述のように、第2の蓄熱材62は、室内熱交換器41に供給される冷媒を低温低圧の液状にするとともに、室内熱交換器41に十分な量の冷媒を供給する。これにより、空気調和機10は、外気温が高くても、室内熱交換器41の能力が低下することを抑制できる。また、第1の蓄熱材61が第2の領域51bで冷媒を冷やすことで、第2の蓄熱材62が第5の領域52aの冷媒を冷やすことができる。
図6は、本実施形態の空気調和機10の暖房運転制御の一例を示すフローチャートである。なお、例えば、空気調和機10の起動と暖房運転の開始が同時である場合、室外送風ファン22、圧縮機23、及び室内送風ファン42は停止している。この場合、室外ファン制御部93、室内ファン制御部94、及び圧縮機制御部95は、暖房運転の開始時に、室外送風ファン22、圧縮機23、及び室内送風ファン42を起動する。
図6に示すように、暖房運転が開始されると、弁制御部96が四方弁駆動回路84及び切替弁駆動回路87を制御し、四方弁25及び切替弁33に冷媒が流れる方向を変更させる(S301)。これにより、室内熱交換器41と圧縮機23の吐出口23bとが接続されるとともに、室外熱交換器21とアキュムレータ24(圧縮機23の吸入口23a)とが接続される。すなわち、制御装置14は、圧縮機23の吐出口23bから室内熱交換器41へ冷媒が流れるように四方弁25を制御する冷房運転を実行する。さらに、第2の膨張弁32と圧縮機23の吸入口23aとが、第3の配管53及び第3の蓄熱材63を経由して接続される。
次に、運転切替部92は、暖房運転を終了するか否かを判定する(S302)。例えば、リモートコントローラから空気調和機10が停止信号又は他の運転への切替信号を入力された場合、運転切替部92は、暖房運転が終了するものと判定し(S302:Yes)、暖房運転を終了する。
暖房運転が終了しない場合(S302:No)、弁制御部96は、温度Tc1と温度Tcとの差(過冷却度)が約3℃であるか否かを判定する(S303)。例えば、温度取得部91が、第2の温度センサ72から、室内熱交換器41の温度Tcを取得する。さらに、温度取得部91は、第6の温度センサ76から、第3の蓄熱材63の近傍における冷媒の温度Tc1を取得する。
弁制御部96は、過冷却度(Tc1-Tc)が約3℃であるか否かを判定する。例えば、弁制御部96は、所定の時間に亘って過冷却度(Tc1-Tc)が3±0.5℃の範囲内にあるか否かを判定する。なお、S303における判定はこの例に限られない。
過冷却度(Tc1-Tc)が約3℃でない場合(S303:No)、弁制御部96は、第1の膨張弁駆動回路85を制御し、第1の膨張弁31の開度を調整する(S304)。例えば、弁制御部96は、第1の膨張弁31の開度を比較的大きく設定する。弁制御部96は、過冷却度(Tc1-Tc)が約3℃となるように、第1の膨張弁31の開度を調整する。過冷却度(Tc1-Tc)が約3℃である場合(S303:Yes)、S304は省略される。
次に、弁制御部96は、温度Suと温度Tkとの差(過冷却度)が約5℃であるか否かを判定する(S305)。例えば、温度取得部91が、第4の温度センサ74からアキュムレータ24の近傍における冷媒の温度Suを取得する。さらに、温度取得部91は、第5の温度センサ75から第3の配管53の第2の端部53bの近傍における冷媒の温度Tkを取得する。言い換えると、温度取得部91は、第5の温度センサ75から、第3の蓄熱材63から出た冷媒の温度Tkを取得する。
弁制御部96は、過冷却度(Su-Tk)が約5℃であるか否かを判定する。例えば、弁制御部96は、所定の時間に亘って過冷却度(Su-Tk)が5±0.5℃の範囲内にあるか否かを判定する。なお、S305における判定はこの例に限られない。
過冷却度(Su-Tk)が約5℃でない場合(S305:No)、弁制御部96は、第2の膨張弁駆動回路86を制御し、第2の膨張弁32の開度を調整する(S306)。弁制御部96は、過冷却度(Su-Tk)が約5℃となるように、第2の膨張弁32の開度を調整する。S305において過冷却度(Su-Tk)が約5℃である場合(S305:Yes)、S306は省略される。
次に、弁制御部96は、温度Teと外気温Toとの差が約2℃であるか否かを判定する(S307)。例えば、温度取得部91が、第1の温度センサ71から、外気温Toを取得する。さらに、温度取得部91が、第7の温度センサ77から、室外熱交換器21の温度Teを取得する。
弁制御部96は、温度差(Te-To)が約2℃であるか否かを判定する。例えば、弁制御部96は、所定の時間に亘って温度差(Te-To)が2±0.5℃の範囲内にあるか否かを判定する。なお、S307における判定はこの例に限られない。
温度差(Te-To)が約2℃でない場合(S307:No)、弁制御部96は、第1の膨張弁駆動回路85を制御し、第1の膨張弁31の開度を調整する(S308)。弁制御部96は、温度差(Te-To)が約2℃となるように、第1の膨張弁31の開度を調整する。S307において温度差(Te-To)が約2℃である場合(S307:Yes)、S308は省略される。本実施形態の空気調和機10は、温度差(Te-To)を約2℃と小さくすることで、室外熱交換器21の表面に霜がつくことを抑制できる。
次に、弁制御部96は、温度Teと温度Suとの差(過熱度)が0℃以下であるか否かを判定する(S309)。例えば、温度取得部91が、第4の温度センサ74からアキュムレータ24の近傍における冷媒の温度Suを取得する。さらに、温度取得部91が、第7の温度センサ77から、室外熱交換器21の温度Teを取得する。
弁制御部96は、過熱度(Te-Su)が0℃以下であるか否かを判定する。例えば、弁制御部96は、所定の時間に亘って過熱度(Te-Su)が0℃以下であるか否かを判定する。なお、S308における判定はこの例に限られない。
過熱度(Te-Su)が0℃以下である場合(S309:Yes)、弁制御部96は、第2の膨張弁駆動回路86を制御し、第2の膨張弁32の開度を調整する(S310)。弁制御部96は、過熱度(Te-Su)が0℃より高くなるように、第2の膨張弁32の開度を調整する。S309において過熱度(Te-Su)が0℃より高い場合(S309:No)、S310は省略される。
弁制御部96が第2の膨張弁32を調整し、又は過熱度(Te-Su)が0℃より高いならば、S302に戻り、運転切替部92が暖房運転を終了するか否かを再度判定する。暖房運転が終了するまで、S302~S310が繰り返される。
図2に示すように、暖房運転において、室外熱交換器21で蒸発した気体状の冷媒は、四方弁25を通り、第1の蓄熱材61と熱交換する。言い換えると、第1の配管51の第2の領域51bを流れる冷媒は、圧縮機23の吐出口23bから出て第1の配管51の第1の領域51aを流れる高温高圧の冷媒と、第1の蓄熱材61を介して熱交換する。これにより、第2の領域51bを流れる冷媒は、第1の領域51aを流れる冷媒により温められる。
第1の蓄熱材61で温められた冷媒は、第2の膨張弁32で減圧される。第2の膨張弁32で減圧された冷媒は、切替弁33を通り、第3の蓄熱材63と熱交換する。さらに、冷媒は、アキュムレータ24を通り、圧縮機23の吸入口23aに戻る。
圧縮機23の吐出口23bから吐出された高温高圧の気体状の冷媒は、四方弁25を通り、第1の蓄熱材61と熱交換する。第1の蓄熱材61から出た冷媒は、室内熱交換器41で放熱する。本実施形態の暖房運転において、弁制御部96は、室内熱交換器41から出た冷媒が液体よりも気体を多く含むように、第1の膨張弁31を制御する。例えば、上述のように、第1の膨張弁31は、過冷却度(Tc1-Tc)が約3℃となるように開度を調整される。これにより、冷媒は気体状のままで室内熱交換器41を通過する。
気体状の冷媒は、液状の冷媒よりも、室内熱交換器41における熱交換の効率が高い。このため、第1の膨張弁31は、室内熱交換器41を通過する冷媒を気体状に保つことで、室内熱交換器41における熱交換の効率を向上させる。
室内熱交換器41を通過した中温中圧の気体状の冷媒は、第3の蓄熱材63と熱交換する。言い換えると、第2の配管52の第6の領域52bを流れる中温中圧の気体状の冷媒は、第3の配管53を流れる低温低圧の冷媒と、第3の蓄熱材63を介して熱交換する。
第6の領域52bを流れる気体状の冷媒は、第3の配管53を流れる低温低圧の冷媒により冷やされ、液化する。すなわち、第3の蓄熱材63は、第6の領域52bを流れる冷媒の過冷却度を補う。第3の蓄熱材63に液化させられた冷媒は、第1の膨張弁31で減圧される。冷媒は、第3の蓄熱材63に液化されるため、気体状のまま第1の膨張弁31に入ることを抑制できる。
第1の膨張弁31で減圧された低温低圧の液状の冷媒は、室外熱交換器21で吸熱する。室外熱交換器21で蒸発した気体状の冷媒は、上述のように、圧縮機23の吸入口23aへ向かって流れる。
第1の配管51の第2の領域51bを流れる冷媒は、第1の蓄熱材を介して第1の領域51aを流れる冷媒により温められるとともに、第3の蓄熱材を介して第6の領域52bを流れる冷媒により温められる。すなわち、第1の蓄熱材61及び第3の蓄熱材63は、第2の領域51bを流れる冷媒の過熱度を補う。
上述のように、第1の膨張弁31は、室内熱交換器41における冷媒を、熱交換の効率が高い気体状に保つ。さらに、第3の蓄熱材63は、室内熱交換器41から出た気体状の冷媒を液化させ、第1の膨張弁31に供給する。これにより、空気調和機10は、室内熱交換器41の能力を向上することができる。
室外機11が配置された屋外の環境の外気温が低い場合、空気調和機10の消費電力が増大することがある。例えば、外気温が2℃の場合の空気調和機10の消費電力(ワット)は、外気温が7℃の場合の空気調和機10の消費電力(ワット)の3倍以上に増大することがある。しかし、本実施形態の空気調和機10は、室内熱交換器41における熱交換の効率を向上させることができる。さらに、第3の蓄熱材63は、圧縮機23に戻される冷媒の温度及び圧力を上昇させることで、圧縮機23の仕事量が増大することを抑制できる。これにより、本実施形態の空気調和機10は、外気温の低下が空気調和機10の消費電力を増大させることを抑制でき、ひいては省エネルギー化することができる。
図7は、本実施形態の制御装置14のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。制御装置14は、例えば、図7に示すようなハードウェア構成のコンピュータ100により実現される。
コンピュータ100は、例えば、CPU101と、ROM102と、RAM103と、記憶装置104と、インターフェース(I/F)106とを有する。CPU101、ROM102、RAM103、記憶装置104、及びI/F106は、バスにより接続されている。
CPU101は、記憶装置104に記憶されたプログラムをRAM103に展開して実行し、各部を制御して入出力を行ったり、データの加工を行ったりすることができる。ROM102には、オペレーティングシステムの起動用プログラムを記憶装置104からRAM103に読み出すスタートプログラムが記憶されている。
記憶装置104は、例えば、フラッシュメモリである。記憶装置104は、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、及びデータを記憶している。これらのプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読み取り可能な記録メディアに記録して配布される。また、プログラムは、サーバからダウンロードすることにより配布されても良い。
I/F106は、例えば、第1乃至第7の温度センサ71~77、室外ファン駆動回路81、室内ファン駆動回路82、インバータ回路83、四方弁駆動回路84、第1の膨張弁駆動回路85、第2の膨張弁駆動回路86、及び切替弁駆動回路87に接続するためのインターフェース装置である。
本実施形態のコンピュータ100で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供され得る。
また、本実施形態のコンピュータ100で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のコンピュータ100で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成しても良い。また、本実施形態のプログラムを、ROM102等に予め組み込んで提供するように構成しても良い。
このようなコンピュータ100を制御装置14として機能させるためのプログラムは、温度取得モジュールと、運転切替モジュールと、室外ファン制御モジュールと、室内ファン制御モジュールと、圧縮機制御モジュールと、弁制御モジュールと、を含むモジュール構成となっている。コンピュータ100は、実際のハードウェアとしてはプロセッサ(CPU101)が記憶媒体(記憶装置104等)からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置(RAM103)上にロードされる。これにより、プロセッサ(CPU101)は、図3の温度取得部91、運転切替部92、室外ファン制御部93、室内ファン制御部94、圧縮機制御部95、及び弁制御部96として機能する。なお、コンピュータ100は、温度取得部91、運転切替部92、室外ファン制御部93、室内ファン制御部94、圧縮機制御部95、及び弁制御部96の構成の一部又は全部がハードウェアにより実現されていても良い。
以上説明された実施形態に係る空気調和機10において、第1の蓄熱材61が、室内熱交換器41と四方弁25との間と、四方弁25と圧縮機23の吸入口23aとの間と、のうち少なくとも一方で第1の配管51に熱的に接続される。第2の膨張弁32は、四方弁25と圧縮機23の吸入口23aとの間、且つ第1の蓄熱材61と圧縮機23の吸入口23aとの間、で第1の配管51に設けられる。第2の蓄熱材62は、第2の膨張弁32と圧縮機23の吸入口23aとの間で第1の配管51に熱的に接続されるとともに、室外熱交換器21と第1の膨張弁31との間で第2の配管52に熱的に接続される。これにより、例えば、外気温が所定の温度より低いときに、冷房運転、又は冷房運転と同一方向に冷媒を循環させる蓄冷運転により、室内熱交換器41から出た低温の冷媒が第1の蓄熱材61を冷却する。第1の蓄熱材61が冷却されることで、空気調和機10は、例えば外気温が所定の温度より高いときも、室内熱交換器41に入る冷媒の温度を所望の低温に保つことができる。例えば、室内熱交換器41から出た冷媒が、第1の蓄熱材61により冷却され、第2の膨張弁32を通過し、第2の蓄熱材62に到達する。第2の蓄熱材62は、第1の配管51の低温の冷媒と、高温の室外に位置する室外熱交換器21から出た冷媒と、の間で熱交換を行う。室外熱交換器21から出た冷媒は、第2の蓄熱材62により冷却され、液化し、第1の膨張弁31で減圧される。第2の蓄熱材62が冷媒を液化するため、十分な量の冷媒が第1の膨張弁31を通過できる。これにより、十分な量の低温低圧の液状の冷媒が室内熱交換器41(蒸発器)に入るため、空気調和機10は、外気温の上昇が室内熱交換器41の能力を低下させることを抑制でき、省エネルギー化することができる。さらに、第1の配管51の冷媒は、第2の蓄熱材62により加熱され気化し、圧縮機23の吸入口23aに入る。これにより、空気調和機10は、液状の冷媒が圧縮機23の吸入口23aに入ることを抑制できる。
第1の蓄熱材61は、室内熱交換器41と四方弁25との間で第1の配管51に熱的に接続されるとともに、四方弁25と圧縮機23の吸入口23aとの間で第1の配管51に熱的に接続される。これにより、例えば、外気温が所定の温度より低いときに、冷房運転又は蓄冷運転により、室内熱交換器41から出た低温の冷媒が第1の蓄熱材61をより冷却することができる。
第3の配管53の第1の端部53aが、第2の膨張弁32と第2の蓄熱材62との間で第1の配管51に接続される。第3の配管53の第2の端部53bは、第2の蓄熱材62と圧縮機23の吸入口23aとの間で第1の配管51に接続される。切替弁33は、第3の配管53の第1の端部53aと第1の配管51との接続部分に設けられ、冷媒が流れる方向を変更可能である。第3の蓄熱材63は、第3の配管53に熱的に接続されるとともに、室内熱交換器41と第1の膨張弁31との間で第2の配管52に熱的に接続される。例えば、切替弁33は、冷房運転時に冷媒を第2の蓄熱材62に向かって流し、暖房運転時に冷媒を第3の蓄熱材63に向かって流す。暖房運転時、室外熱交換器21から出た冷媒は、第1の蓄熱材61及び第2の膨張弁32を通過し、第3の蓄熱材63に到達する。第3の蓄熱材63は、第3の配管53の低温の冷媒と、室内熱交換器41から出た冷媒と、の間で熱交換を行う。室内熱交換器41から出た冷媒は、第3の蓄熱材63により冷却され、液化し、第1の膨張弁31で減圧される。第3の蓄熱材63が冷媒を液化するため、十分な量の冷媒が第1の膨張弁31を通過できる。これにより、十分な量の液状の冷媒が室外熱交換器21(蒸発器)に入るため、空気調和機10は、室外熱交換器21の能力が低下することを抑制でき、省エネルギー化することができる。また、第3の蓄熱材63が冷媒を液化するため、空気調和機10は、凝縮させることなく冷媒に室内熱交換器41で熱交換させることができる。気体状の冷媒は、熱交換の効率が高い。従って、空気調和機10は、室内熱交換器41の能力を向上させることができ、省エネルギー化することができる。さらに、室内熱交換器41における熱交換の効率が高まるため、空気調和機10は、圧縮機23の仕事を低減させることができ、省エネルギー化することができる。また、第1の蓄熱材61は、圧縮機23の吐出口23bから出た高温の冷媒と、室外熱交換器21から出た低温の冷媒と、を互いに熱交換させる。これにより、室外熱交換器21から出た冷媒は、第1の蓄熱材61及び第3の蓄熱材63に加熱され、十分に気化する。従って、空気調和機10は、液状の冷媒が圧縮機23の吸入口23aに入ることを抑制できる。
蓄冷運転において、制御装置14は、室内熱交換器41から出た冷媒が気体よりも液体を多く含むよう第1の膨張弁31及び室内送風ファン42を制御する。さらに、制御装置14は、第2の蓄熱材62に伝熱した冷媒が気化するように第2の膨張弁32を制御する。これにより、空気調和機10は、蓄冷運転において、液体である低温の冷媒が第1の蓄熱材61をより冷却することができる。さらに、第2の蓄熱材62で冷媒が気化するため、空気調和機10は、液状の冷媒が圧縮機23の吸入口23aに入ることを抑制できる。
制御装置14は、蓄冷運転において、第2の温度センサ72が検出した温度Tcと、第3の温度センサ73が検出した温度Taと、の差に基づいて第1の膨張弁31の開度を制御する。これにより、空気調和機10は、室内熱交換器41から出た冷媒において気体よりも液体を多くすることができる。
暖房運転において、制御装置14は、室内熱交換器41から出た冷媒が液体よりも気体を多く含むように第1の膨張弁31を制御する。気体状の冷媒は、液状の冷媒よりも、室内熱交換器41における熱交換の効率が高い。これにより、室内熱交換器41の能力が向上するため、空気調和機10が省エネルギー化することができる。
以上の実施形態において、第1の配管51の第2の領域51bと第2の配管52の第5の領域52aとは、第2の蓄熱材62を介して熱交換する。さらに、第3の配管53と第2の配管52の第6の領域52bとは、第3の蓄熱材63を介して熱交換する。しかし、第2の蓄熱材62及び第3の蓄熱材63の代わりに、例えば銅のような伝熱可能な部品(伝熱部)が設けられても良い。しかし、第2の蓄熱材62及び第3の蓄熱材63は、銅のような部品よりも、伝熱を安定させることができる。
また、以上の実施形態において、空気調和機10は、四方弁25により冷媒が流れる方向を変更し、冷房運転、蓄冷運転、及び暖房運転を行うことができる。しかし、空気調和機10は、四方弁25を持たず、冷房運転及び蓄冷運転のみを行うことが可能であっても良い。この場合、空気調和機10は、切替弁33、第3の配管53、及び第3の蓄熱材63を省略しても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…空気調和機、14…制御装置、21…室外熱交換器、23…圧縮機、23a…吸入口、23b…吐出口、25…四方弁、31…第1の膨張弁、32…第2の膨張弁、33…切替弁、41…室内熱交換器、42…室内送風ファン、51…第1の配管、52…第2の配管、53…第3の配管、61…第1の蓄熱材、62…第2の蓄熱材、63…第3の蓄熱材。

Claims (4)

  1. 室内熱交換器と、
    室外熱交換器と、
    前記室内熱交換器と前記室外熱交換器とを接続し、冷媒が流れる、第1の配管と、
    前記室外熱交換器と前記室内熱交換器とを接続し、前記冷媒が流れる、第2の配管と、
    前記第1の配管に設けられ、前記冷媒を吸入する吸入口と、前記冷媒を吐出する吐出口と、を有する圧縮機と、
    前記第1の配管に設けられ、前記冷媒が流れる方向を変更可能な、四方弁と、
    前記第2の配管に設けられた第1の膨張弁と、
    前記室内熱交換器と前記四方弁との間と、前記四方弁と前記圧縮機の前記吸入口との間と、のうち少なくとも一方で前記第1の配管に熱的に接続された蓄熱材と、
    前記四方弁と前記圧縮機の前記吸入口との間、且つ前記蓄熱材と前記圧縮機の前記吸入口との間、で前記第1の配管に設けられた第2の膨張弁と、
    前記第2の膨張弁と前記圧縮機の前記吸入口との間で前記第1の配管に熱的に接続されるとともに、前記室外熱交換器と前記第1の膨張弁との間で前記第2の配管に熱的に接続される、第1の伝熱部と、
    を具備する空気調和機。
  2. 前記蓄熱材は、前記室内熱交換器と前記四方弁との間で前記第1の配管に熱的に接続されるとともに、前記四方弁と前記圧縮機の前記吸入口との間で前記第1の配管に熱的に接続された、請求項1の空気調和機。
  3. 一方の端部が前記第2の膨張弁と前記第1の伝熱部との間で前記第1の配管に接続され、他方の端部が前記第1の伝熱部と前記圧縮機の前記吸入口との間で前記第1の配管に接続された、第3の配管と、
    前記第3の配管の前記一方の端部と前記第1の配管との接続部分に設けられ、前記冷媒が流れる方向を変更可能な、切替弁と、
    前記第3の配管に熱的に接続されるとともに、前記室内熱交換器と前記第1の膨張弁との間で前記第2の配管に熱的に接続される、第2の伝熱部と、
    をさらに具備する、請求項1又は請求項2の空気調和機。
  4. 前記四方弁と、前記第1の膨張弁と前記第2の膨張弁とを制御する制御装置、をさらに具備し、
    前記制御装置は、
    前記圧縮機の前記吐出口から前記室内熱交換器へ前記冷媒が流れるように前記四方弁を制御し、前記室内熱交換器から出た前記冷媒が液体よりも気体を多く含むように前記第1の膨張弁を制御する、暖房運転、
    を実行可能である、
    請求項3の空気調和機。
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