JP2023139800A - 空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【課題】外気が比較的低温の場合の暖房であっても圧縮機が劣化するのを抑制することができる空気調和機を得る。【解決手段】実施形態に係る空気調和機は、第1の配管に設けられた第1の圧縮機と、第1の配管に設けられた第2の圧縮機と、第2の配管に設けられた第1の膨張弁と、第2の配管に設けられた気液分離機と、第1の熱交換器と、第3の配管と、を備える。第1の配管は、第1の圧縮機と第2の圧縮機とを接続する第1の部分と、第1の圧縮機と室外熱交換器とを接続する第2の部分と、を含む。第1の熱交換器は、第1の部分と第2の部分との熱交換が可能である。第3の配管は、気液分離機と第1の部分とを接続し、気液分離機からの冷媒を第1の部分に導入可能である。【選択図】図2
Description
本発明の実施形態は、空気調和機に関する。
エアコンディショナのような空気調和機は、冷凍サイクルにおける冷媒の凝縮及び蒸発により、室内の温度を調節する。
この種の空気調和機では、外気が比較的低温の場合の暖房であっても圧縮機が劣化するのを抑制することができれば有益である。
本発明が解決する課題の一例は、外気が比較的低温の場合の暖房であっても圧縮機が劣化するのを抑制することができる空気調和機を得る。
本発明の実施形態に係る空気調和機は、室内熱交換器と、室外熱交換器と、前記室内熱交換器と前記室外熱交換器とを接続し、冷媒が流れる、第1の配管と、前記室外熱交換器と前記室内熱交換器とを接続し、前記冷媒が流れる、第2の配管と、前記第1の配管に設けられた第1の圧縮機と、前記第1の配管に設けられた第2の圧縮機と、前記第1の配管に設けられ、前記冷媒が流れる方向を変更可能な、四方弁と、前記第2の配管に設けられた第1の膨張弁と、前記第2の配管に設けられた気液分離機と、第1の熱交換器と、第3の配管と、を備え、前記第1の配管は、前記第1の圧縮機と前記第2の圧縮機とを接続する第1の部分と、前記第1の圧縮機と前記室外熱交換器とを接続する第2の部分と、を含み、前記第1の熱交換器は、前記第1の部分と前記第2の部分との熱交換が可能であり、前記第3の配管は、前記気液分離機と前記第1の部分とを接続し、前記気液分離機からの前記冷媒を前記第1の部分に導入可能である。
前記空気調和機は、例えば、第2の熱交換器を備え、前記第1の配管は、前記第1の圧縮機と前記室内熱交換器とを接続する第3の部分を含み、前記第2の熱交換器は、前記第2の部分と前記第3の部分との熱交換が可能である。
前記空気調和機は、例えば、前記第2の配管における前記室内熱交換器と前記気液分離機との間に設けられた第2の膨張弁を備える。
前記空気調和機は、前記第3の部分に設けられた蓄熱材を備える。
以上の空気調和機によれば、例えば、外気が比較的低温の場合の暖房であっても圧縮機が劣化するのを抑制することができる。
以下に添付図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、本明細書では、序数は、部品や、部材、部位、位置、方向等を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
図1は、本実施形態に係る冷房運転時の空気調和機10を概略的に示す冷媒系統図である。空気調和機10は、例えば、家庭用のエアコンディショナである。なお、空気調和機10は、この例に限られず、業務用のエアコンディショナのような他の空気調和機であっても良い。
図1に示すように、空気調和機10は、室外機11と、室内機12と、冷媒配管13と、制御装置14とを有する。室外機11は、例えば、屋外に配置される。室内機12は、例えば、屋内に配置される。
空気調和機10は、室外機11と室内機12とが冷媒配管13により接続された冷凍サイクルを備える。室外機11と室内機12との間で、冷媒配管13を通り、冷媒が流れる。また、室外機11と室内機12とは、例えば電気配線により互いに電気的に接続される。
室外機11は、室外熱交換器21と、室外送風ファン22と、第1の圧縮機23Aと、第2の圧縮機23Bと、アキュムレータ24A,24Bと、四方弁25と、第1の膨張弁31Aと、第2の膨張弁31Bと、第3の膨張弁31Cと、切替弁33A~33Cと、開閉弁34A,34Bと、逆止弁35と、気液分離機36とを有する。室内機12は、室内熱交換器41と、室内送風ファン42とを有する。なお、第1の圧縮機23Aと、第2の圧縮機23Bとの総称として圧縮機23を用い、第1の膨張弁31Aと、第2の膨張弁31Bと、第3の膨張弁31Cとの総称として膨張弁31を用いる。
冷媒配管13は、例えば、銅またはアルミニウムのような金属で作られた管である。冷媒配管13は、第1の配管51と、第2の配管52と、第3の配管53と、第4の配管54とを有する。
第1の配管51は、室内熱交換器41と室外熱交換器21とを接続する。第1の圧縮機23A、第2の圧縮機23B、第3の膨張弁31C、アキュムレータ24A,24B、四方弁25、切替弁33A~33C、開閉弁34A、及び逆止弁44は、第1の配管51に設けられる。
第2の配管52は、室外熱交換器21と室内熱交換器41とを接続する。第1の膨張弁31A、第2の膨張弁31B、及び気液分離機36は、第2の配管52に設けられる。
第3の配管53は、第1の配管51と第2の配管52における気液分離機36とを接続する。第3の膨張弁31C及び切替弁33Cは、第3の配管53に設けられる。
第4の配管54は、第1の配管51と第2の配管52とを接続する。開閉弁34Bは、第4の配管54に設けられる。
冷房運転において、冷媒は、第1の配管51を通って室内熱交換器41から室外熱交換器21へ流れ、第2の配管52を通って室外熱交換器21から室内熱交換器41へ流れる。このとき、第2の配管52中の気体状の冷媒は、第2の配管52から気液分離機36を介して第3の配管53に流れ、室内熱交換器41を通らずに、第1の配管51に戻る。図1の矢印は、冷房運転時における冷媒の流れを示す。
図2は、本実施形態の暖房運転時の空気調和機10を概略的に示す冷媒系統図である。図2に示すように、暖房運転において、冷媒は、第1の配管51を通って室外熱交換器21から室内熱交換器41へ流れ、第2の配管52を通って室内熱交換器41から室外熱交換器21へ流れる。このとき、第2の配管52中の気体状の冷媒は、第2の配管52から気液分離機36を介して第3の配管53に流れ、室外熱交換器21を通らずに、第1の配管51に戻る。図2の実線の矢印は、暖房運転時における冷媒の流れを示す。
室外機11の室外熱交換器21は、冷媒の流れる方向に応じて、蒸発器として冷媒の吸熱を行い、または凝縮器として冷媒の放熱を行う。室外送風ファン22は、室外熱交換器21に向かって送風し、室外熱交換器21における冷媒と空気との熱交換を促進する。言い換えると、室外送風ファン22は、室外熱交換器21と熱交換する気流を生成する。
第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bは、それぞれ、吸入口23Aa,23Baと吐出口23Ab,23Bbとを有する。第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bは、吸入口23Aa,23Baから冷媒を吸入し、圧縮した冷媒を吐出口23Ab,23Bbから吐出する。これにより、第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bは、冷凍サイクルにおいて冷媒を圧縮するとともに、冷媒の循環を生じさせる。
アキュムレータ24A,24Bは、それぞれ、第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bの吸入口23Aa,23Baに接続される。アキュムレータ24A,24Bは、気体状の冷媒と液体状の冷媒とを分離する。これにより、第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bは、アキュムレータ24A,24Bを通過した気体状の冷媒を吸入口23Aa,23Baから吸入することができる。アキュムレータ24A,24Bは、第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bと一体に構成されることで、第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bの吸入口となることができる。
四方弁25は、室外熱交換器21と、室内熱交換器41と、第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bの吐出口23Ab,23Bbと、アキュムレータ24A,24B(第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bの吸入口23Aa,23Ba)とに接続される。四方弁25は、暖房運転時と冷房運転時とで、室外熱交換器21と、室内熱交換器41と、第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bの吐出口23Ab,23Bbと、アキュムレータ24A,24Bとのそれぞれに接続される流路を切り替え、冷媒が流れる方向を変更する。
図1に示すように、冷房運転時において、四方弁25は、室外熱交換器21と第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bの吐出口23Ab,23Bbとを接続する。さらに、冷房運転時において、四方弁25は、室内熱交換器41とアキュムレータ24A,24Bとを接続する。これにより、第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bで圧縮された冷媒が室外熱交換器21へ流れ、室内熱交換器41で蒸発した冷媒がアキュムレータ24A,24Bへ流れる。
図2に示すように、暖房運転時において、四方弁25は、室外熱交換器21とアキュムレータ24A,24Bとを接続する。さらに、暖房運転時において、四方弁25は、室内熱交換器41と第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bの吐出口23Ab,23Bbとを接続する。これにより、第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bで圧縮された冷媒が室内熱交換器41へ流れ、室外熱交換器21で蒸発した冷媒がアキュムレータ24A,24Bへ流れる。
第1の膨張弁31A、第2の膨張弁31B、及び第3の膨張弁31Cは、例えば、電磁膨張弁である。なお、第1の膨張弁31A、第2の膨張弁31B、及び第3の膨張弁31Cは、他の膨張弁であっても良い。第1の膨張弁31A、第2の膨張弁31B、及び第3の膨張弁31Cは、開度を制御されることで、通過する冷媒の量を調節する。
室内機12の室内熱交換器41は、冷媒の流れる方向に応じて、蒸発器として吸熱し、または凝縮器として放熱する。室内送風ファン42は、室内熱交換器41に向かって送風し、室内熱交換器41と空気との熱交換を促進する。言い換えると、室内送風ファン42は、室内熱交換器41と熱交換する気流を生成する。
以上のように各要素が配置された空気調和機10において、第1の配管51は、領域51aと、領域51bと、領域51cと、領域51dと、領域51eと、領域51fと、領域51gとを有する。
領域51aは、室内熱交換器41と四方弁25との間における第1の配管51の一部である。
領域51bは、四方弁25とアキュムレータ24A,24Bとの間における第1の配管51の一部である。また、領域51bは、領域51ba~51bdと、分岐点51beと、接続点51bfと、を含む。領域51baは、四方弁25と、分岐点51beとの間における領域51bの部分である。領域51bbは、分岐点51beと、アキュムレータ24Bとの間における領域51bの部分である。領域51bcは、分岐点51beと、接続点51bfとの間における領域51bの部分である。領域51bcには、開閉弁34Aが設けられている。開閉弁34Aは、領域53bcを開閉(開放、閉塞)する。領域51bdは、接続点51bfと、アキュムレータ24Bとの間における領域51bの部分である。
領域51cは、第1の圧縮機23Aの吐出口23Abと四方弁25との間における第1の配管51の一部である。
領域51dは、四方弁25と室外熱交換器21との間における第1の配管51の一部である。
領域51eは、第2の圧縮機23Bの吐出口23Bbと接続点51bfとの間における第1の配管の一部である。領域51eには、切替弁33Aと、逆止弁35と、切替弁33Bとが設けられている。逆止弁35は、切替弁33Aの下流側に設けられ、切替弁33Bは、逆止弁35の下流側に設けられている。領域51eは、領域51eaと、領域51ebと、領域51ecとを含む。領域51eaは、第2の圧縮機23Bの吐出口23Bbと切替弁33Aとの間における領域51eの一部である。領域51ebは、切替弁33Aと切替弁33Bとの間における領域51eの一部である。領域51ebには、逆止弁35が設けられている。また、領域51ebには、接続点51edが設けられている。接続点51edは、逆止弁35と切替弁33Bとの間に設けられている。領域51ecは、切替弁33Bと接続点51bfとの間における領域51eの一部である。
領域51fは、切替弁33Aと、接続点51edとを接続する。
領域51gは、切替弁33Bと領域51cとを第1の圧縮機23Aを介さずに接続する。
領域51ebと領域51bdとは、第1の圧縮機23Aと第2の圧縮機23Bとを接続する領域51hを構成する。領域51hは、第1の部分の一例である。また、領域51cと領域51dとは、第1の圧縮機23Aと室外熱交換器21とを接続する領域51iを構成する。領域51iは、第2の部分の一例である。また、領域51aと領域51cとは、第1の圧縮機23Aと室内熱交換器41とを接続する領域51jを構成する。領域51jは、第3の部分の一例である。
第2の配管52は、領域52aと、領域52bと、領域52cと、領域52dと、を有する。領域52aは、室外熱交換器21と第1の膨張弁31Aとの間における第2の配管52の一部である。領域52bは、第1の膨張弁31Aと気液分離機36との間における第2の配管52の一部である。領域52cは、気液分離機36と第2の膨張弁31Bとの間における第2の配管52の一部である。領域52dは、第2の膨張弁31Bと室内熱交換器41との間における第2の配管52の一部である。
第3の配管53は、領域53aと、領域53bと、領域53cとを有する。領域53aは、気液分離機36と切替弁33Cとの間における第3の配管53の一部である。領域53aには、第3の膨張弁31Cが設けられる。領域53bは、切替弁33Cと第1の配管51の領域51eとの間における第3の配管53の一部である。領域53cは、切替弁33Cと第1の配管51の領域51bcとの間における第3の配管53の一部である。
第4の配管54は、第1の配管51の領域51aと第2の配管の領域52aとを接続する。第4の配管54には、開閉弁34Bが設けられている。開閉弁34Bは、第4の配管54を開閉(開放、閉塞)する。
切替弁33A~33Cは、例えば、三方弁である。切替弁33Aは、第1の配管51の領域51ea,51eb,51fのそれぞれに接続される流路を切り替え、冷媒が流れる方向を変更する。すなわち、切替弁33Aは、領域51eaと領域51ebとの接続と、領域51eaと領域51fとの接続とを選択的に行うことができる。切替弁33Bは、第1の配管51の領域51eb,51ec,51gのそれぞれに接続される流路を切り替え、冷媒が流れる方向を変更する。すなわち、切替弁33Bは、領域51ebと領域51ecとの接続と、領域51ebと領域51gとの接続と、を選択的に行うことができる。切替弁33Cは、第3の配管53の領域53a,53b,53cのそれぞれに接続される流路を切り替え、冷媒が流れる方向を変更する。すなわち、切替弁33Cは、領域53aと領域53bとの接続と、領域53aと領域53cとの接続と、を選択的に行うことができる。
気液分離機36は、気体状の冷媒と液体状の冷媒とを分離する。気液分離機36に第2の配管52の領域52bから流入した冷媒は、気液分離機36によって気体状の冷媒と液体状の冷媒とを分離され、気体状の冷媒は第3の配管53に流入し、液体状の冷媒は第2の配管52の領域52cに流入する。気液分離機36に第2の配管52の領域52cから流入した冷媒は、気液分離機36によって気体状の冷媒と液体状の冷媒とを分離され、気体状の冷媒は第3の配管53に流入し、液体状の冷媒は第2の配管52の領域52bに流入する。
本実施形態の室外機11は、第1の熱交換器38Aと、第2の熱交換器38Bと、蓄熱材61と、温度センサ71A~71Оと、圧力センサ72A,72Bと、人感センサ73とをさらに有する。
第1の熱交換器38A及び第2の熱交換器38Bは、例えば、蓄熱材である。蓄熱材は、ブロック状の容器に充填された潜熱蓄熱材を有する。潜熱蓄熱材は、例えば、塩化カルシウムである。第1の熱交換器38A及び第2の熱交換器38Bは、他の潜熱蓄熱材を有しても良い。本実施形態における第1の熱交換器38A及び第2の熱交換器38Bは、例えば、約10℃乃至約100℃の温度帯で使用可能な蓄熱材である。
第1の熱交換器38A及び第2の熱交換器38Bは、上述の例に限られず、例えば、顕熱蓄熱材のような他の蓄熱材であっても良いし、他の温度帯で使用可能な蓄熱材であっても良い。また、第1の熱交換器38A及び第2の熱交換器38Bは、互いに異なる蓄熱材であっても良い。
第1の熱交換器38Aは、第1の配管51の領域51eb、第1の配管の領域51dと、のそれぞれに熱的に接続される。例えば、第1の配管51の領域51eb及び第1の配管51の領域51dは、互いに離間するとともに、第1の熱交換器38Aを貫通する。
このような構成の第1の熱交換器38Aは、第1の配管51の領域51ebと、第1の配管51の領域51dと、の間で、熱交換を行う。すなわち、第1の熱交換器38Aにおいて、第1の配管51の領域51eb内の冷媒と、第1の配管51の領域51d内の冷媒と、の間で、熱交換が行われる。
第1の熱交換器38Aは、第1の配管51の領域51eb及び第1の配管51の領域51dのそれぞれよりも、蓄積可能な熱量(蓄熱容量)が大きい。また、領域51eb及び領域51dは、金属で作られており、第1の熱交換器38Aの潜熱蓄熱材に密着する。このため、領域51eb及び領域51dと、第1の熱交換器38Aの潜熱蓄熱材との間で、熱伝導が生じやすい。
第2の熱交換器38Bは、第1の配管51の領域51a、第1の配管の領域51dと、のそれぞれに熱的に接続される。例えば、第1の配管51の領域51a及び第1の配管51の領域51dは、互いに離間するとともに、第2の熱交換器38Bを貫通する。
このような構成の第2の熱交換器38Bは、第1の配管51の領域51aと、第1の配管51の領域51dと、の間で、熱交換を行う。すなわち、第2の熱交換器38Bにおいて、第1の配管51の領域51a内の冷媒と、第1の配管51の領域51d内の冷媒と、の間で、熱交換が行われる。
第2の熱交換器38Bは、第1の配管51の領域51a及び第1の配管51の領域51dのそれぞれよりも、蓄積可能な熱量(蓄熱容量)が大きい。また、領域51a及び領域51dは、金属で作られており、第2の熱交換器38Bの潜熱蓄熱材に密着する。このため、領域51a及び領域51dと、第2の熱交換器38Bの潜熱蓄熱材との間で、熱伝導が生じやすい。
蓄熱材61、例えば、ブロック状の容器に充填された潜熱蓄熱材を有する。潜熱蓄熱材は、例えば、塩化カルシウムである。蓄熱材61は、他の潜熱蓄熱材を有しても良い。本実施形態における蓄熱材61、例えば、約10℃乃至約100℃の温度帯で使用可能な蓄熱材である。
蓄熱材61は、上述の例に限られず、例えば、顕熱蓄熱材のような他の蓄熱材であっても良いし、他の温度帯で使用可能な蓄熱材であっても良い。
蓄熱材61は、室内熱交換器41と四方弁25との間で、第1の配管51の領域51aに熱的に接続される。
蓄熱材61は、領域51aよりも、蓄積可能な熱量(蓄熱容量)が大きい。また、領域51aは、金属で作られており、蓄熱材61の潜熱蓄熱材に密着する。このため、領域51aと蓄熱材61の潜熱蓄熱材との間で、熱伝導が生じやすい。
温度センサ71Aは、例えば、室外機11の筐体中に配置される。具体的には、温度センサ71Aは、室外熱交換器21の中央部分に配置されうる。なお、図1等では、便宜上、温度センサ71Aは、室外熱交換器21から離間した位置に示されている。温度センサ71Aは、室外機11が配置された屋外の環境の外気温を検出する。
温度センサ71Bは、室外熱交換器21に設けられる。温度センサ71Bは、室外熱交換器21を流れる冷媒の温度を検出する。例えば、温度センサ71Bは、室外熱交換器21を流れる冷媒の飽和温度が取得可能な位置に配置される。
温度センサ71Cは、室外熱交換器21の第2の配管52側に設けられる。温度センサ71Cは、室外熱交換器21近傍の第2の配管52を流れる冷媒の温度を検出する。
温度センサ71Dは、室内熱交換器41に設けられる。温度センサ71Dは、室内熱交換器41を流れる冷媒の温度を検出する。例えば、温度センサ71Dは、室内熱交換器41を流れる冷媒の飽和温度が取得可能な位置に配置される。
温度センサ71Eは、室内熱交換器41の第1の配管51側に設けられる。温度センサ71Dは、室内熱交換器41近傍の第1の配管51を流れる冷媒の温度を検出する。
温度センサ71Оは、室内機12が吸い込む室内の空気の温度を検出する。
温度センサ71Fは、第1の圧縮機23Aの吸入口23Aaの近傍において、第1の配管51の領域51bdに設けられる。温度センサ71Fは、第1の圧縮機23Aの吸入口23Aaの近傍において、領域51bdを流れる冷媒の温度を検出する。
温度センサ71Gは、第2の圧縮機23Bの吸入口23Baの近傍において、第1の配管51の領域51bbに設けられる。温度センサ71Gは、第2の圧縮機23Bの吸入口23Baの近傍において、領域51bbを流れる冷媒の温度を検出する。
温度センサ71Hは、第2の圧縮機23Bの吐出口23Bbの近傍において、第1の配管51の領域51eaに設けられる。温度センサ71Hは、第2の圧縮機23Bの吐出口23Bbの近傍において、領域51eaを流れる冷媒の温度を検出する。
温度センサ71Iは、第1の膨張弁31A近傍の第2の配管52の領域52aに設けられる。温度センサ71Iは、第1の膨張弁31A近傍の第2の配管52の領域52aを流れる冷媒の温度を検出する。
温度センサ71Jは、第2の膨張弁31B近傍の第2の配管52の領域52dに設けられる。温度センサ71Jは、第2の膨張弁31B近傍の第2の配管52の領域52dを流れる冷媒の温度を検出する。
温度センサ71Kは、第1の熱交換器38Aに設けられる。温度センサ71Kは、第1の熱交換器38Aの温度を検出する。
温度センサ71Lは、第2の熱交換器38Bに設けられる。温度センサ71Lは、第2の熱交換器38Bの温度を検出する。
温度センサ71Mは、蓄熱材61に設けられる。温度センサ71Mは、蓄熱材61の温度を検出する。
温度センサ71Nは、第1の熱交換器38Aの下流側の第1の配管51の領域51ebにおいて第1の熱交換器38Aの近傍に設けられる。温度センサ71Nは、第1の熱交換器38Aの下流側における第1の熱交換器38Aの近傍の領域51ebを流れる冷媒の温度を検出する。
圧力センサ72Aは、第1の配管51の領域51bbに設けられる。圧力センサ72Aは、領域51bbを流れる冷媒の圧力を検出する。圧力センサ72Bは、第1の配管51の領域51cに設けられる。圧力センサ72Bは、領域51cを流れる冷媒の圧力を検出する。圧力センサ72A,72Bは、例えば、第2の圧縮機23Bの過熱度の制御において用いられうる。第2の圧縮機23Bの過熱度の制御は、例えば、膨張弁31の制御することにより実行されうる。
人感センサ73は、室内機12に設けられる。人感センサ73は、室内機12が設置される室内の人間(動物)を検出する。
図1に示すように、制御装置14は、例えば、室外制御装置14aと、室内制御装置14bとを有する。室外制御装置14aと室内制御装置14bとは、互いに電気配線により電気的に接続される。室外制御装置14a及び室内制御装置14bのうち少なくとも一方は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはマイクロコントローラのような制御装置と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、フラッシュメモリのような記憶装置とを有するコンピュータである。なお、制御装置14は、この例に限られない。例えば、制御装置14は、室外制御装置14a及び室内制御装置14bのうち一方のみを有しても良い。
室外制御装置14aは、室外機11の室外送風ファン22、圧縮機23、四方弁25、膨張弁31、切替弁33A~33C、及び開閉弁34A,34B等を制御する。室内制御装置14bは、室内機12の室内送風ファン42等を制御する。
制御装置14が室外機11及び室内機12を制御することで、空気調和機10は、冷房運転、暖房運転、除霜運転、蓄冷運転、蓄熱運転及び他の運転を行う。室内制御装置14bは、例えば、リモートコントローラから信号を入力されても良いし、通信装置を通じてスマートフォンのような情報端末から信号を入力されても良い。
図3は、本実施形態の空気調和機10の構成を機能的に示すブロック図である。図3に示すように、本実施形態の空気調和機10は、室外ファン駆動回路81と、室内ファン駆動回路82と、インバータ回路83と、四方弁駆動回路84と、膨張弁駆動回路85と、切替弁駆動回路87と、開閉弁駆動回路88とをさらに有する。
室外ファン駆動回路81は、室外送風ファン22の駆動回路である。室内ファン駆動回路82は、室内送風ファン42の駆動回路である。インバータ回路83は、各圧縮機23をインバータ制御し、各圧縮機23の運転周波数を変更する。インバータ回路83は、例えば、PAM(Pulse Amplitude Modulation)方式のインバータ回路である。なお、インバータ回路83は、この例に限られない。
四方弁駆動回路84は、四方弁25の駆動回路である。膨張弁駆動回路85は、膨張弁31の駆動回路である。切替弁駆動回路87は、切替弁33A~33Cの駆動回路である。開閉弁駆動回路88は、開閉弁34A,34Bの駆動回路である。
制御装置14は、温度センサ71A~71Оと、圧力センサ72A,72Bと、人感センサ73と、室外ファン駆動回路81と、室内ファン駆動回路82と、インバータ回路83と、四方弁駆動回路84と、膨張弁駆動回路85と、切替弁駆動回路87と、開閉弁駆動回路88とに接続される。制御装置14は、温度取得部91と、運転切替部92と、室外ファン制御部93と、室内ファン制御部94と、圧縮機制御部95と、弁制御部96とを備える。
温度取得部91は、温度センサ71A~71Оを用いて、外気温、冷媒の温度、第1の熱交換器38Aの温度、第2の熱交換器38Bの温度、及び蓄熱材61の温度を取得する。例えば、温度取得部91は、温度センサ71A~71Оの出力信号から、外気温、冷媒の温度、第1の熱交換器38Aの温度、第2の熱交換器38Bの温度、及び蓄熱材61の温度を算出する。
運転切替部92は、空気調和機10における冷房運転と、暖房運転と、除霜運転と、蓄冷運転と、蓄熱運転とを切り替える。なお、運転切替部92は、空気調和機10の運転を他の運転方式に切り替えても良い。
室外ファン制御部93は、室外送風ファン22を制御する。例えば、室外ファン制御部93は、室外ファン駆動回路81を制御することで、室外送風ファン22のモータの回転数を制御する。
室内ファン制御部94は、室内送風ファン42を制御する。例えば、室内ファン制御部94は、室内ファン駆動回路82を制御することで、室内送風ファン42のモータの回転数を制御する。
圧縮機制御部95は、圧縮機23を制御する。例えば、圧縮機制御部95は、インバータ回路83を制御することで、インバータ制御により圧縮機23の運転周波数を制御する。
弁制御部96は、四方弁25、膨張弁31、切替弁33A~33C、及び開閉弁34A,34Bを制御する。弁制御部96は、四方弁駆動回路84を制御することで、四方弁25のアクチュエータを駆動し、四方弁25に冷媒が流れる方向を変更させる。弁制御部96は、膨張弁駆動回路85を制御することで、膨張弁31の開度を変更させる。弁制御部96は、切替弁駆動回路87を制御することで、切替弁33A~33Cに冷媒が流れる方向を変更させる。弁制御部96は、開閉弁駆動回路88を制御することで、開閉弁34A,34Bの開閉(開弁状態、閉弁状態)を制御する。
以下に、本実施形態の空気調和機10の冷房運転、蓄冷運転、暖房運転、蓄熱運転、及び除霜運転について説明する。なお、上述のように、空気調和機10は、冷房運転、蓄冷運転、暖房運転、蓄熱運転、及び除霜運転に限らず、他の運転を行うことができる。また、空気調和機10の冷房運転、蓄冷運転、暖房運転、蓄熱運転、及び除霜運転は、以下に説明される例に限られない。
図4は、本実施形態の空気調和機10の冷房運転制御の一例を示すフローチャートである。なお、例えば、空気調和機10の起動と冷房運転の開始が同時である場合、室外送風ファン22、第1の圧縮機23A、第2の圧縮機23B、及び室内送風ファン42は停止している。この場合、室外ファン制御部93、室内ファン制御部94、及び圧縮機制御部95は、冷房運転の開始時に、室外送風ファン22、第1の圧縮機23A、第2の圧縮機23B、及び室内送風ファン42を起動する。
冷房運転中において、室外ファン制御部93は、室外送風ファン22の回転数を調整する。室内ファン制御部94は、室内送風ファン42の回転数を調整する。圧縮機制御部95は、第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bの運転周波数を調整する。例えば、室内ファン制御部94は、室内機12が設置された室内の気温またはリモートコントローラから入力された信号に応じて、室内送風ファン42を弱風(低速)運転乃至強風(高速)運転の間で制御する。
図4に示すように、冷房運転が開始されると、弁制御部96が四方弁駆動回路84及び切替弁駆動回路87を制御し、四方弁25及び切替弁33A~33Cに冷媒が流れる方向を変更させる(S101)。また、このとき、弁制御部96は、開閉弁34Aを開弁状態とし、開閉弁34Bを閉弁状態とする。これにより、室外熱交換器21と第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bの吐出口23Ab,23Bbとが接続されるとともに、室内熱交換器41とアキュムレータ24A,24B(第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bの吸入口23Aa,23Ba)とが接続される。すなわち、制御装置14は、第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bの吐出口23Ab,23Bbから室外熱交換器21へ冷媒が流れるように四方弁25を制御する冷房運転を実行する。さらに、四方弁25と第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bの吸入口23Aa,23Baとが接続される。また、第2の圧縮機23Bの吐出口23Bbと四方弁25とが、第1の熱交換器38Aを介さずに、切替弁33A,33Bを介して接続される。また、気液分離機36が第3の配管53の領域53a,53b及び第1の配管51の領域51bc,51bdを介して、第1の圧縮機23Aの吸入口23Aaと接続される。
次に、運転切替部92は、冷房運転を終了するか否かを判定する(S102)。例えば、リモートコントローラから空気調和機10が停止信号または他の運転への切替信号を入力された場合、運転切替部92は、冷房運転が終了するものと判定し(S102:Yes)、冷房運転を終了する。
冷房運転が終了しない場合(S102:No)、弁制御部96は、温度C3と温度C1との差(過熱度)が5℃であるか否かを判定する(S103)。例えば、温度取得部91が、温度センサ71Jから、第2の膨張弁31B近傍の第2の配管52の領域52dの冷媒の温度を取得する。言い換えると、温度取得部91は、温度センサ71Jから、第2の膨張弁31Bから出た冷媒の温度C1を取得する。さらに、温度取得部91は、温度センサ71Dから、室内熱交換器41の冷媒の温度C1を取得する。
弁制御部96は、過冷却度(C3-C1)が5℃であるか否かを判定する。例えば、弁制御部96は、所定の時間に亘って過冷却度(C3-C1)が5℃であるか否かを判定する。なお、S103における判定はこの例に限られない。
過冷却度(C3-C1)が5℃でない場合(S103:No)、弁制御部96は、膨張弁駆動回路85を制御し、第1の膨張弁31Aの開度を調整する(S104)。弁制御部96は、過冷却度(C3-C1)が5℃となるように、第1の膨張弁31Aの開度を調整する。これにより、第1の膨張弁31Aによって冷媒が中圧にされ、乾き度が例えば20%となる。乾き度は、冷媒中の気体の割合である。S103において過冷却度(C3-C1)が5℃である場合(S103:Yes)、S104は省略される。
次に、弁制御部96は、過熱度SHが約2℃であるかを判定する(S105)。過熱度SHは、過熱度SH1または過熱度SH2である。弁制御部96は、過熱度SH1と過熱度SH2とのうち低い方を過熱度SHとして採用する。過熱度SH1は、温度Su1と温度Th5との差である。温度Su1は、温度センサ71Fが検出する温度である。すなわち、温度Su1は、第1の圧縮機23Aの吸入口23Aaの近傍において、領域51bdを流れる冷媒の温度である。温度Th5は、温度センサ71Hが検出する温度である。すなわち、温度Th5は、第2の圧縮機23Bの吐出口23Bbの近傍において、領域51eaを流れる冷媒の温度である。過熱度SH2は、温度Su2と飽和温度LP1との差である。温度Su2は、温度センサ71Gが検出する温度である。すなわち、温度Su2は、第2の圧縮機23Bの吸入口23Baの近傍において、領域51bdを流れる冷媒の温度である。飽和温度LP1は、圧力センサ72Aが検出した圧力から換算された冷媒の温度である。
弁制御部96は、過熱度SHが約2℃であるか否かを判定する。例えば、弁制御部96は、所定の時間に亘って過熱度SHが約2℃であるか否かを判定する。なお、S105における判定はこの例に限られない。
過熱度SHが約2℃でない場合(S105:No)、弁制御部96は、膨張弁駆動回路85を制御し、第2の膨張弁31Bの開度を調整する(S106)。弁制御部96は、過熱度SHが約2℃となるように、第2の膨張弁31Bの開度を調整する。S105において過熱度SHが約2℃である場合(S105:Yes)、S106は省略される。
弁制御部96が第2の膨張弁31Bを調整し、または過熱度SHが約2℃であるならば、S102に戻り、運転切替部92が冷房運転を終了するか否かを再度判定する。冷房運転が終了するまで、S102~S106が繰り返される。上記の処理により、第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bに液バックが生じるのが抑制される。
上記の処理においては、例えば、制御装置14は、第1の圧縮機23Aと第2の圧縮機23Bとを以下のように運転する。室内機12の吸込空気の温度と設定温度との差が3℃以上の場合は、第1の圧縮機23Aが親機となり、制御装置14は、第1の圧縮機23Aを最大周波数で運転する。この運転でも設定温度にならない場合には、制御装置14は、第2の圧縮機23Bの周波数を上げる。また、室内機12の吸込空気の温度と設定温度との差が1℃以上の場合は、制御装置14は、第1の圧縮機23Aを最大周波数の半分の周波数で運転する。この運転でも設定温度にならない場合には、制御装置14は、第2の圧縮機23Bの周波数を上げる。また、室内機12の吸込空気の温度と設定温度との差が1℃未満の場合は、制御装置14は、第1の圧縮機23Aと第2の圧縮機23Bとのうち一方だけを運転する。この場合、制御装置14は、所定時間ごとに第1の圧縮機23Aの運転と第2の圧縮機23Bの運転とを切り替える。これにより、第1の圧縮機23Aの運転時間と第2の圧縮機23Bの運転時間とが平準化される。
図1に示すように、冷房運転において、第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bの吐出口23Ab,23Bbから吐出された高温高圧の気体状の冷媒は、四方弁25を通り、室外熱交換器21で放熱する。室外熱交換器21で凝縮した中温中圧の冷媒は、第1の膨張弁31Aで減圧される。
第1の膨張弁31Aで減圧された低温低圧の冷媒は、気液分離機36によって気体と液体とに分離される。液体状の冷媒は、室内熱交換器41に流れ室内熱交換器41で吸熱する。室内熱交換器41で蒸発した気体状の冷媒は、第2の熱交換器38B、蓄熱材61、及びアキュムレータ24A,24Bを通り、第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bの吸入口23Aa,23Baに戻る。このとき、蓄熱材61は、後述する蓄冷運転によって冷却されている。よって、冷媒が蓄熱材61によって冷却されるので、冷媒のエンタルピーが小さくなり、冷却能力が向上する。
図5は、本実施形態の空気調和機10の蓄冷運転制御の一例を示すフローチャートである。本実施形態の制御装置14は、例えば、空気調和機10が停止している夜間に、蓄冷運転を実行する。別の言い方をすると、制御装置14は、空気調和機10の低負荷時に蓄冷運転を実行する。なお、蓄冷運転が実行される時期は、この例に限られない。
まず、運転切替部92は、蓄冷運転の開始条件が達成されているか否かを判定する(S201)。例えば、運転切替部92は、空気調和機10が停止中であって、時刻が午前1時~3時(夜間)であると判定すると、蓄冷運転の開始条件が達成されていると判定する。
蓄冷運転の開始条件は、上述の例に限られない。例えば、運転切替部92は、外気温に基づいて蓄冷運転の開始条件を判定しても良い。この場合、温度取得部91が、温度センサ71Aから、外気温を取得する。運転切替部92は、空気調和機10が停止中であって、外気温が所定の時間に亘って閾値を下回る場合、蓄冷運転の開始条件が達成されていると判定する。
また、運転切替部92は、室内における人の存在に基づいて開始条件を判定しても良い。この場合、運転切替部92は、室内機12に設けられた人感センサ73の出力信号に基づき、室内が無人か否かを判定する。運転切替部92は、室内が所定の時間に亘って無人だと判定した場合、蓄冷運転の開始条件が達成されたと判定する。
さらに、運転切替部92は、空気調和機10の要求能力に基づいて蓄冷運転の開始条件を判定しても良い。この場合、運転切替部92は、室温とユーザが設定した目標温度との差等に基づいて、空気調和機10の要求能力(室温を目標温度にするために空気調和機10に要求される冷却能力)を算出する。運転切替部92は、空気調和機10の要求能力が所定の閾値以下の場合に、蓄冷運転の開始条件が達成されたと判定する。
運転切替部92は、蓄冷運転の開始条件が達成されない場合(S201:No)、蓄冷運転を開始せずに待機する。蓄冷運転の開始条件が達成されると(S201:Yes)、蓄冷運転を開始する(S202)。具体的には、室外ファン制御部93、室内ファン制御部94、圧縮機制御部95が、室外送風ファン22、第1の圧縮機23A、第2の圧縮機23B、室内送風ファン42、を起動及び調整する。
弁制御部96は、冷房運転と同様に、四方弁25及び切替弁33A~33Cに冷媒が流れる方向を変更させる。これにより、室外熱交換器21と第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bの吐出口23Ab,23Bbとが接続されるとともに、室内熱交換器41とアキュムレータ24A,24B(第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bの吸入口23Aa,23Ba)とが接続される。すなわち、制御装置14は、第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bの吐出口23Ab,23Bbから室外熱交換器21へ冷媒が流れるように四方弁25を制御する蓄冷運転を実行する。さらに、冷媒は、蓄熱材61、アキュムレータ24A,24Bを通り、第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bの吸入口23Aa,23Baに戻る。
室外ファン制御部93及び圧縮機制御部95は、冷房運転と同様に、室外送風ファン22、第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bを制御する。なお、蓄冷運転における室外ファン制御部93及び圧縮機制御部95の制御は、冷房運転における制御と異なっても良い。
一方、室内ファン制御部94は、室内送風ファン42を微風(低速)運転に制御する。すなわち、室内ファン制御部94は、冷房運転における最低速度で、室内送風ファン42を回転させる。なお、室内ファン制御部94の制御は、この例に限られない。例えば、室内ファン制御部94は、室内送風ファン42を停止させても良い。
次に、運転切替部92は、蓄冷運転を終了するか否かを判定する(S203)。例えば、リモートコントローラから空気調和機10が停止信号または他の運転への切替信号を入力された場合、運転切替部92は、蓄冷運転が終了するものと判定し(S203:Yes)、蓄冷運転を終了する。また、運転切替部92は、蓄冷運転の開始から所定時間が経過した場合にも蓄冷運転が終了するものと判定し(S203:Yes)、蓄冷運転を終了する。上記の信号の入力や所定時間の経過がしていない場合には、運転切替部92は、蓄冷運転が終了しないものと判定し(S203:Nо)、蓄冷運転を継続する。
蓄冷運転において、第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bの吐出口23Ab,23Bbから吐出された高温高圧の気体状の冷媒は、四方弁25を通り、室外熱交換器21で放熱する。室外熱交換器21で凝縮した中温中圧の液状の冷媒は、第1の膨張弁31Aで減圧される。第1の膨張弁31Aで減圧された低温低圧の液状の冷媒は、第1の膨張弁31Aから第2の膨張弁31Bを介して室内熱交換器41へ流れる。
蓄冷運転において、弁制御部96は、室内熱交換器41から出た冷媒が気体よりも液体を多く含むように、第1の膨張弁31Aを制御する。さらに、蓄冷運転において、室内ファン制御部94は、室内熱交換器41から出た冷媒が気体よりも液体を多く含むように、室内送風ファン42を制御する。
室内熱交換器41から出た低温低圧の液状の冷媒は、蓄熱材61と熱交換し、蓄熱材61を冷やす。
上述のように、蓄冷運転は1時間行われる。例えば夏であっても、夜間の外気温は昼間の外気温よりも低い。このため、蓄冷運転が行われる夜間に、蓄熱材61は十分に冷やされる。
図6は、本実施形態の空気調和機10の暖房運転制御の一例を示すフローチャートである。なお、例えば、空気調和機10の起動と暖房運転の開始が同時である場合、室外送風ファン22、第1の圧縮機23A、第2の圧縮機23B、及び室内送風ファン42は停止している。この場合、室外ファン制御部93、室内ファン制御部94、及び圧縮機制御部95は、暖房運転の開始時に、室外送風ファン22、第1の圧縮機23A、第2の圧縮機23B、及び室内送風ファン42を起動する。
図6に示すように、暖房運転が開始されると、弁制御部96が四方弁駆動回路84及び切替弁駆動回路87を制御し、四方弁25及び切替弁33A~33Cに冷媒が流れる方向を変更させる(S301)。このとき、弁制御部96は、開閉弁34A,34Bを閉弁状態とする。これにより、室内熱交換器41と第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bの吐出口23Ab,23Bbとが接続されるとともに、室外熱交換器21とアキュムレータ24A,24B(第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bの吸入口23Aa,23Ba)とが接続される。すなわち、制御装置14は、第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bの吐出口23Ab,23Bbから、蓄熱材61を通って室内熱交換器41に流れるように四方弁25を制御する暖房運転を実行する。さらに、第2の圧縮機23Bの吐出口23Bbから吐出された冷媒が、第1の熱交換器38Aを通って、第1の圧縮機23Aの吸入口23Aaに流れるように、切替弁33A,33Bが制御される。また、第3の配管53を通る冷媒が、第1の配管51の領域51eaを介して、第1の熱交換器38Aに流れるように、切替弁33Cが制御される。また、四方弁25と第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bの吸入口23Aa,23Baとが、第1の配管51の領域51bを経由して接続される。
次に、運転切替部92は、暖房運転を終了するか否かを判定する(S302)。例えば、リモートコントローラから空気調和機10が停止信号または他の運転への切替信号を入力された場合、運転切替部92は、暖房運転が終了するものと判定し(S302:Yes)、暖房運転を終了する。
暖房運転が終了しない場合(S302:No)、弁制御部96は、温度C3と温度C1との差(過熱度)が5℃であるか否かを判定する(S303)。例えば、温度取得部91が、温度センサ71Jから、第2の膨張弁31B近傍の第2の配管52の領域52dの冷媒の温度を取得する。言い換えると、温度取得部91は、温度センサ71Jから、第2の膨張弁31Bから出た冷媒の温度C1を取得する。さらに、温度取得部91は、温度センサ71Dから、室内熱交換器41の冷媒の温度C1を取得する。
弁制御部96は、過冷却度(C3-C1)が5℃であるか否かを判定する。例えば、弁制御部96は、所定の時間に亘って過冷却度(C3-C1)が5℃であるか否かを判定する。なお、S303における判定はこの例に限られない。
過冷却度(C3-C1)が5℃でない場合(S303:No)、弁制御部96は、膨張弁駆動回路85を制御し、第2の膨張弁31Bの開度を調整する(S304)。弁制御部96は、過冷却度(C3-C1)が5℃となるように、第2の膨張弁31Bの開度を調整する。これにより、第2の膨張弁31Bによって冷媒が中圧にされ、乾き度が例えば20%となる。S303において過冷却度(C3-C1)が5℃である場合(S303:Yes)、S304は省略される。
弁制御部96が第2の膨張弁31Bを調整し、または過冷却度(C3-C1)が5℃であるならば、S302に戻り、運転切替部92が暖房運転を終了するか否かを再度判定する。暖房運転が終了するまで、S302~S304が繰り返される。
上記の処理においては、例えば、制御装置14は、第1の圧縮機23Aと第2の圧縮機23Bとは以下のように運転する。制御装置14は、外気温度が0℃以下になると、第2の圧縮機23Bによって冷媒の圧力低圧から中圧に上昇させ、第1の圧縮機23Aによって冷媒の圧力を中圧から高圧に上昇させる。
図2に示すように、暖房運転において、室外熱交換器21で蒸発した気体状の冷媒は、第1の熱交換器38A及び第2の熱交換器38Bで吸熱する。また、第2の圧縮機23Bの吐出口23Bbから出た冷媒は、第1の熱交換器38Aで放熱して、第1の圧縮機23Aに入る。すなわち、第2の圧縮機23Bの吐出口23Bbから出た冷媒は、第1の熱交換器38Aで冷却されて、第1の圧縮機23Aに入る。また、第1の圧縮機23Aの吐出口23Abから出た冷媒は、四方弁25を通り、蓄熱材61と熱交換する。言い換えると、第1の圧縮機23Aの吐出口23Abから出た第1の配管51の領域51aの高温高圧の冷媒は、蓄熱材61と熱交換する。これにより、領域51bを流れる冷媒は、蓄熱材61で加熱される。このとき、蓄熱材61は、後述する蓄熱運転によって蓄熱している。また、蓄熱材61を通った冷媒は、第2の熱交換器38Bで放熱して、室内熱交換器41に入る。すなわち、第1の圧縮機23Aの吐出口23Abから出た冷媒は、第2の熱交換器38Bで冷却されて、室内熱交換器41に入る。
室内熱交換器41から出た冷媒は、第2の膨張弁31Bで減圧される。第2の膨張弁31Bで減圧された冷媒は、気液分離機36によって気体と液体に分離される。液体状の冷媒は、第1の膨張弁31Aで減圧されて室外熱交換器21に入る。冷媒は、室外熱交換器21で吸熱する。気液分離機36で分離された気体状の冷媒は、第3の配管53を通って第1の配管51の領域51eに入り、第2の圧縮機23Bから出た冷媒と合流して第1の熱交換器38Aに入る。
冷媒の圧力は、第1の膨張弁31Aによって高圧から中圧まで下げられ、乾き度が20%となる。その後、冷媒は、気液分離機36によって気体と液体に分離され、気体の冷媒が第2の圧縮機23Bから出た冷媒と合流する。これにより、第2の圧縮機23Bから出た冷媒の温度が下がる。次に、冷媒は、第1の熱交換器38Aで冷却されて、過熱度が0.5℃となるようにエンタルピーが下げられた状態で第1の圧縮機23Aに入る。また、本実施形態では、第1の熱交換器38Aによって、第2の圧縮機23Bに流れる冷媒をガス化する。これにより、一般的に、室外熱交換器21に流す冷媒の温度は外気温度に対して6℃程度低い温度(例えば、外気温度が-15℃の場合、冷媒の温度は-21℃)が必要であるのに対して、本実施形態では、室外熱交換器21に流す冷媒の温度を外気温度に対して2℃低い温度でよい。また、これにより、例えば、外気温度が-15℃の場合には、室外熱交換器21に流す冷媒の温度は-17℃であり、ほぼ露点付近の温度であるので、室外熱交換器21に霜が付きにくい。また、室外熱交換器21に霜がついた場合でも、除霜運転に入るまでの時間を長くすることができる。
図7は、実施形態の空気調和機1のモリエル線図である。上記暖房運転時のモリエル線図は、図7のようになる。図7の点P1~P7は、図2の点P1~P7に対応する。図7に示すように、本実施形態では、第2の圧縮機23Bから出た冷媒に気液分離機36から出た気体状の冷媒が合流すことにより、点P7から点P8の間でエンタルピーが下がる。
図8は、実施形態の空気調和機10の蓄熱運転制御の一例を示すフローチャートである。本実施形態の制御装置14は、例えば、空気調和機10が停止している夜間に、蓄熱運転を実行する。なお、蓄熱運転が実行される時期は、この例に限られない。
まず、運転切替部92は、蓄熱運転の開始条件が達成されているか否かを判定する(S401)。例えば、運転切替部92は、空気調和機10が停止中であって、時刻が午前1時~3時(夜間)であると判定すると、蓄熱運転の開始条件が達成されていると判定する。
蓄熱運転の開始条件は、上述の例に限られない。例えば、運転切替部92は、外気温に基づいて蓄熱運転の開始条件を判定しても良い。この場合、温度取得部91が、温度センサ71から、外気温を取得する。運転切替部92は、空気調和機10が停止中であって、外気温が所定の時間に亘って閾値を下回る場合、蓄熱運転の開始条件が達成されていると判定する。また、運転切替部92は、例えば、人工知能によって、ユーザが暖房運転の開始操作をする時刻の傾向を学習し、学習した暖房運転の開始の1時間前に蓄熱運転を開始してもよい。
また、運転切替部92は、室内における人の存在に基づいて開始条件を判定しても良い。この場合、運転切替部92は、室内機12に設けられた人感センサ73の出力信号に基づき、室内が無人か否かを判定する。運転切替部92は、室内が所定の時間に亘って無人だと判定した場合、蓄熱運転の開始条件が達成されたと判定する。
さらに、運転切替部92は、空気調和機10の要求能力に基づいて蓄熱運転の開始条件を判定しても良い。この場合、運転切替部92は、室温とユーザが設定した目標温度との差等に基づいて、空気調和機10の要求能力(室温を目標温度にするために空気調和機10に要求される冷却能力)を算出する。運転切替部92は、空気調和機10の要求能力が所定の閾値以下の場合に、蓄熱運転の開始条件が達成されたと判定する。
運転切替部92は、蓄熱運転の開始条件が達成されない場合(S401:No)、蓄熱運転を開始せずに待機する。蓄熱運転の開始条件が達成されると(S401:Yes)、蓄熱運転を開始する。具体的には、室外ファン制御部93、室内ファン制御部94、及び圧縮機制御部95が、室外送風ファン22、第1の圧縮機23A、第2の圧縮機23B、及び室内送風ファン42を起動及び調整する。
弁制御部96は、暖房運転と同様に、四方弁25及び切替弁33A~33Cに冷媒が流れる方向を変更させる。また、このとき、弁制御部96は、開閉弁34A,34Bを閉じる。また、このとき、圧縮機制御部95は、第1の圧縮機23Aと第2の圧縮機23Bの周波数を規定の周波数以上に上げない。
次に、運転切替部92は、蓄熱運転を終了するか否かを判定する(S403)。例えば、リモートコントローラから空気調和機10が停止信号または他の運転への切替信号を入力された場合や既定の時間が経過した場合、運転切替部92は、蓄熱運転が終了するものと判定し(S403:Yes)、蓄熱運転を終了する。また、運転切替部92は、蓄熱運転の開始から所定時間が経過した場合にも蓄熱運転が終了するものと判定し(S403:Yes)、蓄熱運転を終了する。上記の信号の入力や所定時間の経過がしていない場合には、運転切替部92は、蓄熱運転が終了しないものと判定し(S403:Nо)、蓄冷運転を継続する。なお、蓄熱運転は上記に限定されない。例えば、蓄熱運転は、温度センサ71Dが検出する室内熱交換器41の冷媒の温度が43℃の状態が10分間継続しかつ温度センサ71Mが検出する蓄熱材61の温度が80℃になるまで、第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bの周波数を上げる形態であってもよい。
図2に示すように、蓄熱運転において、室外熱交換器21で蒸発した気体状の冷媒は、四方弁25を通り、蓄熱材61と熱交換する。言い換えると、第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bの吐出口23Ab,23Bbから出て第1の配管51の領域51aを流れる高温高圧の冷媒は、蓄熱材61と熱交換する。これにより、領域51bを流れる冷媒は、蓄熱材61を加熱する。すなわち、蓄熱材61にエンタルピー(エネルギー)が蓄えられる。
以上説明された空気調和機10において、暖房運転を行う場合に、室外熱交換器21は、蒸発器として冷媒の吸熱を行い、低温となる。これにより、空気中の水分が室外熱交換器21の外面において結露し、室外熱交換器21に霜として付着する場合がある。このため、空気調和機10は、暖房運転時に、室外熱交換器21に付着した霜を除去するために除霜運転を行う。
図9は、実施形態の空気調和機10の除霜運転制御の一例を示すフローチャートである。
まず、運転切替部92は、暖房運転時に除霜運転の開始条件が達成されているか否かを判定する(S501)。例えば、除霜運転の開始条件は、温度センサ71Bが検出する室外熱交換器21の冷媒の温度が2℃以下の状態が5分間継続することである。運転切替部92は、温度センサ71Bが検出する室外熱交換器21の冷媒の温度が2℃以下の状態が5分間継続した場合は、除霜運転の開始条件が達成されたと判定する(S501:Yes)。運転切替部92は、温度センサ71Bが検出する室外熱交換器21の冷媒の温度が2℃以下の状態が5分間継続しない場合は、除霜運転の開始条件が達成されていないと判定する(S501:No)。
運転切替部92は、除霜運転の開始条件が達成された判定し場合(S501:Yes)、除霜運転を開始する(S502)。具体的には、運転切替部92は、開閉弁34Bを開弁状態にする。これにより、第1の圧縮機23A及び第2の圧縮機23Bの吐出口23Ab,23Bbから吐出された高温高圧の気体状の冷媒(ホットガス)が、第4の配管54を通って室外熱交換器21に流入する。このときの第4の配管54における冷媒の流れが図2中に破線の矢印で示されている。ホットガスが室外熱交換器21を通ることで、室外熱交換器21の温度が上昇する。これにより、室外熱交換器21に付着した霜が溶けて除去される。
次に、運転切替部92は、除霜運転を終了するか否かを判定する(S503)。例えば、運転切替部92は、除霜運転を所定時間行った場合に、除霜運転を終了すると判定する(S503:Yes)。一方、運転切替部92は、除霜運転を所定時間行っていない場合に、除霜運転を終了しないと判定する(S503:No)。運転切替部92は、除霜運転を終了すると判定した場合には(S503:Yes)、除霜運転を終了する。
以上、説明したように、本実施形態の空気調和機10は、室内熱交換器41と、室外熱交換器21と、第1の配管51と、第2の配管52と、第1の圧縮機23Aと、第2の圧縮機23Bと、四方弁25と、第1の膨張弁31Aと、気液分離機36と、第1の熱交換器38Aと、第3の配管と、を備える。第1の配管51は、室内熱交換器41と室外熱交換器21とを接続し、冷媒が流れる。第2の配管52は、室外熱交換器21と室内熱交換器41とを接続し、冷媒が流れる。第1の圧縮機23Aは、第1の配管51に設けられる。第2の圧縮機23Bは、第1の配管51に設けられる。四方弁25は、第1の配管51に設けられ、冷媒が流れる方向を変更可能である。第1の膨張弁31Aは、第2の配管52に設けられる。気液分離機36は、第2の配管52に設けられる。第1の配管51は、第1の圧縮機23Aと第2の圧縮機23Bとを接続する領域51h(第1の部分)と、第1の圧縮機23Aと室外熱交換器21とを接続する領域51i(第2の部分)と、を含む。第1の熱交換器38Aは、領域51hと領域51iとの熱交換が可能である。第3の配管53は、気液分離機36と領域51hとを接続し、気液分離機36からの冷媒を領域51hに導入可能である。
このような構成によれば、圧縮機23が二つであるので、圧縮機23が一つの場合に比べて、各圧縮機23が吐出する冷媒の温度を低くすることができ、ひいては圧縮機23の合計の圧縮仕事を減らすことができる。よって、外気が比較的低温の場合の暖房であっても圧縮機23が劣化するのを抑制することができる。また、気液分離機36からの気体状の冷媒を領域51hに導入することができるので、室内熱交換器41と室外熱交換器21とのうち蒸発器として機能する方へ流入する冷媒の乾き度を小さくできる。よって、従来の冷凍サイクルで発生していた膨張損失を低減することができる。
また、空気調和機は、第2の熱交換器38Bを備える。第1の配管51は、第1の圧縮機23Aと室内熱交換器41とを接続する領域51j(第3の部分)を含む。第2の熱交換器38Bは、領域51iと領域51jとの熱交換が可能である。
このような構成によれば、第1の圧縮機23Aに入る冷媒の温度を下げることができるため、第1の圧縮機23Aから吐出される冷媒の温度を抑えることができる。
また、空気調和機は、第2の配管52における室内熱交換器41と気液分離機36との間に設けられた第2の膨張弁31Bを備える。
このような構成によれば、気液分離機36に入る冷媒の量を制御できるので、気液分離機36からでる気体状の冷媒の量を調整することができる。
また、空気調和機は、領域51jに設けられた蓄熱材61を備える。
このような構成によれば、蓄熱材61に蓄冷する蓄冷運転や蓄熱材61に蓄熱する蓄熱運転をすることができる。
以上の空気調和機10によれば、例えば、外気が比較的低温の場合の暖房であっても圧縮機が劣化するのを抑制することができる。
図10は、実施形態の制御装置14のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。制御装置14は、例えば、図10に示すようなハードウェア構成のコンピュータ100により実現される。
コンピュータ100は、例えば、CPU101と、ROM102と、RAM103と、記憶装置104と、インターフェース(I/F)106とを有する。CPU101、ROM102、RAM103、記憶装置104、及びI/F106は、バスにより接続されている。
CPU101は、記憶装置104に記憶されたプログラムをRAM103に展開して実行し、各部を制御して入出力を行ったり、データの加工を行ったりすることができる。ROM102には、オペレーティングシステムの起動用プログラムを記憶装置104からRAM103に読み出すスタートプログラムが記憶されている。
記憶装置104は、例えば、フラッシュメモリである。記憶装置104は、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、及びデータを記憶している。これらのプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読み取り可能な記録メディアに記録して配布される。また、プログラムは、サーバからダウンロードすることにより配布されても良い。
I/F106は、例えば、温度センサ71A~71О、室外ファン駆動回路81、室内ファン駆動回路82、インバータ回路83、四方弁駆動回路84、膨張弁駆動回路85、及び切替弁駆動回路87に接続するためのインターフェース装置である。
本実施形態のコンピュータ100で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供され得る。
また、本実施形態のコンピュータ100で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のコンピュータ100で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。また、本実施形態のプログラムを、ROM102等に予め組み込んで提供するように構成しても良い。
このようなコンピュータ100を制御装置14として機能させるためのプログラムは、温度取得モジュールと、運転切替モジュールと、室外ファン制御モジュールと、室内ファン制御モジュールと、圧縮機制御モジュールと、弁制御モジュールと、を含むモジュール構成となっている。コンピュータ100は、実際のハードウェアとしてはプロセッサ(CPU101)が記憶媒体(記憶装置104等)からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置(RAM103)上にロードされる。これにより、プロセッサ(CPU101)は、図3の温度取得部91、運転切替部92、室外ファン制御部93、室内ファン制御部94、圧縮機制御部95、及び弁制御部96として機能する。なお、コンピュータ100は、温度取得部91、運転切替部92、室外ファン制御部93、室内ファン制御部94、圧縮機制御部95、及び弁制御部96の構成の一部または全部がハードウェアにより実現されていても良い。
なお、上記実施形態では、蓄熱材61が設けられた例が示されたが、これに限定されない。例えば、蓄熱材61は、設けられなくてもよい。
また、上記実施形態では、第1の熱交換器38Aと第2の熱交換器38Bとは、蓄熱材によって構成された例が示されたが、これに限定されない。例えば、第1の熱交換器38Aと第2の熱交換器38Bとは、それぞれ、二重配管であってもよい。
また、上記実施形態では、第1の熱交換器38Aと第2の熱交換器38Bとが別体に設けられたが、これに限定されない。例えば、第1の熱交換器38Aと第2の熱交換器38Bとは、一体化されて3重熱交換器を構成してもよい。
また、上記実施形態では、第4の配管54が設けられるとともに除霜運転が有る例が示されたが、これに限定されなない。例えば、第4の配管54が設けられず除霜運転が無くてもよい。
また、上記実施形態では、蓄熱運転および蓄冷運転が有る例が示されたが、これに限定されない。例えば、蓄熱運転及び蓄冷運転が無くてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…空気調和機、21…室外熱交換器、23A…第1の圧縮機、23B…第2の圧縮機、25…四方弁、31A…第1の膨張弁、31B…第2の膨張弁、36…気液分離機、38A…第1の熱交換器、41…室内熱交換器、51…第1の配管、51h…領域(第1の部分)、51i…領域(第2の部分)、51j…領域(第3の部分)、52…第2の配管、53…第3の配管、61…蓄熱材。
Claims (4)
- 室内熱交換器と、
室外熱交換器と、
前記室内熱交換器と前記室外熱交換器とを接続し、冷媒が流れる、第1の配管と、
前記室外熱交換器と前記室内熱交換器とを接続し、前記冷媒が流れる、第2の配管と、
前記第1の配管に設けられた第1の圧縮機と、
前記第1の配管に設けられた第2の圧縮機と、
前記第1の配管に設けられ、前記冷媒が流れる方向を変更可能な、四方弁と、
前記第2の配管に設けられた第1の膨張弁と、
前記第2の配管に設けられた気液分離機と、
第1の熱交換器と、
第3の配管と、
を備え、
前記第1の配管は、
前記第1の圧縮機と前記第2の圧縮機とを接続する第1の部分と、
前記第1の圧縮機と前記室外熱交換器とを接続する第2の部分と、
を含み、
前記第1の熱交換器は、前記第1の部分と前記第2の部分との熱交換が可能であり、
前記第3の配管は、前記気液分離機と前記第1の部分とを接続し、前記気液分離機からの前記冷媒を前記第1の部分に導入可能である、
空気調和機。 - 第2の熱交換器を備え、
前記第1の配管は、前記第1の圧縮機と前記室内熱交換器とを接続する第3の部分を含み、
前記第2の熱交換器は、前記第2の部分と前記第3の部分との熱交換が可能である、
請求項1に記載の空気調和機。 - 前記第2の配管における前記室内熱交換器と前記気液分離機との間に設けられた第2の膨張弁を備える、
請求項1または2に記載の空気調和機。 - 前記第3の部分に設けられた蓄熱材を備える、
請求項2に記載の空気調和機。
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