JP2016211802A - 蓄熱式空気調和機 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の実施形態に係る蓄熱式空気調和機(10)は、室内の冷房と暖房とを切り換えて行う。蓄熱式空気調和機(10)は、冷媒の冷熱を蓄熱媒体に蓄え、この冷熱を冷房に利用する。蓄熱式空気調和機(10)は、冷媒の温熱を蓄熱媒体に蓄え、この温熱を暖房に利用する。
図1に示すように、蓄熱式空気調和機(10)は、室外ユニット(20)と、蓄熱ユニット(40)と、複数の室内ユニット(70)とを備えている。室外ユニット(20)及び蓄熱ユニット(40)は、室外に設置される。複数の室内ユニット(70)は、室内に設置される。なお、図1では便宜上、1台の室内ユニット(70)のみを図示している。
室外ユニット(20)には、冷媒回路(11)の一部を成す室外回路(21)が設けられる。室外回路(21)には、圧縮機(22)、室外熱交換器(23)、室外膨張弁(24)、及び四方切換弁(25)が接続される。室外回路(21)には、第1過冷却回路(30)と、中間吸入管(35)とが接続されている。
実施形態の圧縮機(22)は、単段式の1台の圧縮機であり、冷媒を圧縮して吐出する圧縮部を構成している。圧縮機(22)では、ケーシング(22a)の内部にモータ及び圧縮機構(図示省略)が収容されている。実施形態の圧縮機構は、スクロール式の圧縮機構で構成されている。しかし、圧縮機構は、揺動ピストン式、ローリングピストン式、スクリュー式、ターボ式等の種々の方式を採用できる。圧縮機構では、渦巻き状の固定スクロールと可動スクロールの間に圧縮室が形成され、この圧縮室の容積が徐々に小さくなることで冷媒が圧縮される。圧縮機(22)のモータは、インバータ部によって運転周波数が可変に構成されている。つまり、圧縮機(22)は、回転数(容量)が可変なインバータ式の圧縮機である。
室外熱交換器(23)は、例えばクロスフィン・アンド・チューブ式の熱交換器で構成されている。室外熱交換器(23)の近傍には、室外ファン(26)が設けられている。室外熱交換器(23)では、室外ファン(26)が搬送する空気と、室外熱交換器(23)を流れる冷媒とが熱交換する。
室外膨張弁(24)は、室外熱交換器(23)の液側端部と連絡配管(12)の接続端の間に配置されている。室外膨張弁(24)は、例えば電子膨張弁で構成され、その開度を変更することで冷媒の流量を調節する。
四方切換弁(25)は、第1から第4までのポートを有している。四方切換弁(25)の第1ポートは、圧縮機(22)の吐出管(27)に接続され、四方切換弁(25)の第2ポートは、圧縮機(22)の吸入管(28)(低圧吸入部)に接続されている。四方切換弁(25)の第3ポートは、室外熱交換器(23)のガス側端部に繋がり、四方切換弁(25)の第4ポートは、連絡配管(14)の接続端に繋がっている。
第1過冷却回路(30)は、第1導入管(31)と第1過冷却熱交換器(32)とを有している。第1導入管(31)の一端は、室外膨張弁(24)と連絡配管(12)の接続端との間に接続される。第1導入管(31)の他端は、圧縮機(22)の吸入管(28)に接続される。つまり、第1導入管(31)は、液ライン(L1)と圧縮機(22)の低圧側の吸入管(28)とを繋ぐ低圧導入管を構成している。ここで、液ライン(L1)は、室外熱交換器(23)の液側端部と室内熱交換器(72)の液側端部に亘るまでの流路である。第1導入管(31)には、その一端から他端に向かって順に、第1減圧弁(EV1)、第1伝熱流路(33)が接続されている。第1減圧弁(EV1)は、例えば電子膨張弁で構成され、その開度を変更することで第2伝熱流路(34)の出口の冷媒の過冷却度を調節する。第1過冷却熱交換器(32)は、第2伝熱流路(34)を流れる冷媒と、第1伝熱流路(33)を流れる冷媒とを熱交換させる第1熱交換器を構成する。第2伝熱流路(34)は、冷媒回路(11)の液ライン(L1)のうち、室外膨張弁(24)と連絡配管(12)の接続端との間に設けられる。
中間吸入管(35)は、中間圧の冷媒を圧縮機(22)の圧縮室の圧縮途中に導入する中間吸入部を構成している。中間吸入管(35)の始端は、連絡配管(13)の接続端に接続され、中間吸入管(35)の終端は、圧縮機(22)の圧縮機構の圧縮室に接続されている。中間吸入管(35)は、圧縮機(22)のケーシング(22a)の内部に位置する内側配管部(36)を有している。中間吸入管(35)の内圧は、基本的に、冷媒回路(11)の高圧と低圧の間の中間圧力に相当する。中間吸入管(35)には、上流側から下流側に向かって順に、第1電磁弁(SV1)、逆止弁(CV1)が接続される。第1電磁弁(SV1)は、流路を開閉する開閉弁である。逆止弁(CV1)は、主蓄熱用流路(44)(詳細は後述する)から圧縮機(22)へ向かう方向(図1の矢印方向)の冷媒の流れを許容し、圧縮機(22)から主蓄熱用流路(44)へ向かう方向の冷媒の流れを禁止する。
蓄熱ユニット(40)は、室外ユニット(20)と室内ユニット(70)に介在する中継ユニットを構成している。蓄熱ユニット(40)には、冷媒回路(11)の一部を成す中間回路(41)が設けられる。中間回路(41)には、主液管(42)、主ガス管(43)、及び主蓄熱用流路(44)が接続されている。中間回路(41)には、第2過冷却回路(50)が接続されている。蓄熱ユニット(40)には、蓄熱装置(60)が設けられる。
主液管(42)は、液ライン(L1)の一部を構成している。主液管(42)は、連絡配管(12)の接続端と連絡配管(15)の接続端とを接続している。主液管(42)には、第2電磁弁(SV2)が接続される。第2電磁弁(SV2)は、流路を開閉する開閉弁である。主液管(42)は、単純暖房運転(1)において、室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒が蓄熱用熱交換器(63)をバイパスして室外熱交換器(23)へ送る第2バイパス流路を構成している。
主ガス管(43)は、ガスライン(L2)の一部を構成している。ここで、ガスライン(L2)は、四方切換弁(25)の第4ポートから室内熱交換器(72)のガス側端部に亘るまでの流路である。主ガス管(43)は、連絡配管(14)の接続端と連絡配管(16)の接続端とを連結している。
主蓄熱用流路(44)は、主液管(42)と主ガス管(43)との間に接続されている。主蓄熱用流路(44)の一端は、連絡配管(12)の接続端と第2電磁弁(SV2)の間に接続されている。主蓄熱用流路(44)には、主液管(42)側から主ガス管(43)側に向かって順に、第3電磁弁(SV3)、予熱側冷媒流路(64b)、蓄熱用膨張弁(45)、蓄熱側冷媒流路(63b)、第4電磁弁(SV4)が接続されている。第3電磁弁(SV3)及び第4電磁弁(SV4)は、流路を開閉する開閉弁である。蓄熱用膨張弁(45)は、例えば電子膨張弁で構成され、その開度を変更することで冷媒の圧力を調節する。
第2過冷却回路(50)は、第2導入管(51)と第2過冷却熱交換器(52)とを有している。第2導入管(51)の一端は、第2電磁弁(SV2)と連絡配管(15)の接続端との間に接続される。第2導入管(51)の他端は、主ガス管(43)に接続される。主ガス管(43)において、第2導入管(51)の接続部は、主蓄熱用流路(44)の接続部と連絡配管(16)の接続端の間に位置している。第2導入管(51)には、その一端から他端に向かって順に、第2減圧弁(EV2)、第3伝熱流路(53)が接続されている。第2減圧弁(EV2)は、例えば電子膨張弁で構成され、その開度を変更することで第4伝熱流路(54)の出口の冷媒の過冷却度を調節する。第2過冷却熱交換器(52)は、第4伝熱流路(54)を流れる冷媒と、第3伝熱流路(53)を流れる冷媒とを熱交換させる。第4伝熱流路(54)は、主液管(42)のうち第2電磁弁(SV2)と連絡配管(15)の接続端の間に設けられる。第2過冷却回路(50)は、詳細は後述する利用冷房運転や利用蓄冷運転において、連絡配管(15)を流れる冷媒が気化してフラッシュするのを防止するための過冷却器を構成する。
中間回路(41)には、中間中継管(46)と、第1分岐管(47)と、第2分岐管(48)と、第3分岐管(49)とが接続される。中間中継管(46)の一端は、主蓄熱用流路(44)における第3電磁弁(SV3)と予熱側冷媒流路(64b)との間に接続される。中間中継管(46)の他端は、連絡配管(13)を介して中間吸入管(35)と接続している。第1分岐管(47)の一端は、主蓄熱用流路(44)における蓄熱側冷媒流路(63b)と第4電磁弁(SV4)との間に接続される。
蓄熱装置(60)は、冷媒回路(11)の冷媒と蓄熱媒体とを熱交換させる蓄熱部を構成している。蓄熱装置(60)は、蓄熱回路(61)と、該蓄熱回路(61)に接続される蓄熱タンク(62)とを有している。蓄熱装置(60)は、蓄熱用熱交換器(63)及び予熱用熱交換器(64)を有している。
蓄熱回路(61)に充填される蓄熱媒体について詳細に説明する。蓄熱媒体には、冷却によって包接水和物が生成される蓄熱材、即ち流動性を有する蓄熱材が採用される。蓄熱媒体の具体例としては、臭化テトラnブチルアンモニウムを含有する臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB:Tetra Butyl Ammonium Bromide)水溶液、トリメチロールエタン(TME:Trimethylolethane)水溶液、パラフィン系スラリーなどが挙げられる。例えば、臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液は、安定的に冷却されて当該水溶液の温度が水和物生成温度よりも低くなった過冷却状態でもその水溶液の状態を維持するが、この過冷却状態にて何らかのきっかけが与えられると、過冷却の溶液が包接水和物を含んだ溶液(即ちスラリー)へと遷移する。即ち、臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液は、過冷却状態を解消して、臭化テトラnブチルアンモニウムと水分子とからなる包接水和物(水和物結晶)が生成されて粘性の比較的高いスラリー状となる。ここで、過冷却状態とは、蓄熱媒体が水和物生成温度以下の温度となっても包接水和物が生成されずに溶液の状態を保っている状態を言う。逆に、スラリー状となっている臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液は、加熱により当該水溶液の温度が水和物生成温度よりも高くなると、包接水和物が融解して流動性の比較的高い液状態(溶液)となる。
複数の室内ユニット(70)には、冷媒回路(11)の一部を成す室内回路(71)がそれぞれ設けられる。複数の室内回路(71)は、連絡配管(15)(液管)と連絡配管(16)(ガス管)との間に並列に接続されている。複数の室内回路(71)と上述した主蓄熱用流路(44)とは、液ライン(L1)とガスライン(L2)の間に並列に接続されている。各室内回路(71)には、ガス側端部から液側端部に向かって順に、室内熱交換器(72)と室内膨張弁(73)とがそれぞれ接続されている。
室内熱交換器(72)は、例えばクロスフィン・アンド・チューブ式の熱交換器で構成されている。室内熱交換器(72)の近傍には、室内ファン(74)が設けられている。室内熱交換器(72)では、室内ファン(74)が搬送する空気と、室内熱交換器(72)を流れる冷媒とが熱交換する。
室内膨張弁(73)は、室内熱交換器(72)の液側端部と連絡配管(15)の接続端の間に配置されている。室内膨張弁(73)は、例えば電子膨張弁で構成され、その開度を変更することで冷媒の流量を調節する。
蓄熱式空気調和機(10)は、各種のセンサ(S1〜S4)を備えている。なお、これらのセンサ(S1〜S4)は、便宜上、図1のみに図示し、残りの図での図示は省略している。
図1に示すように、本実施形態のコントローラ(運転制御部)は、第1コントローラ部(100)と、第2コントローラ部(200)とで構成されている。第1コントローラ部(100)は、室外ユニット(20)に設けられ、第2コントローラ部(200)は、蓄熱ユニット(40)に設けられる。
実施形態に係る蓄熱式空気調和機(10)の運転動作について説明する。蓄熱式空気調和機(10)は、単純冷房運転、蓄冷運転、利用冷房運転、冷房蓄冷運転、単純暖房運転、蓄熱運転、利用暖房運転、及び暖房蓄熱運転を切り換えて行う。コントローラ(100,200)は、これらの各運転を切り換えるように、各機器を制御する。
単純冷房運転では、蓄熱装置(60)が停止し、室内ユニット(70)で室内の冷房が行われる。図2に示す単純冷房運転では、四方切換弁(25)が第1状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第2電磁弁(SV2)、第4電磁弁(SV4)、及び第5電磁弁(SV5)が開状態になり、残りは閉状態になる。第2減圧弁(EV2)及び第4減圧弁(EV4)が全閉状態に、室外膨張弁(24)が全開状態に、第1減圧弁(EV1)及び室内膨張弁(73)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)、及び室内ファン(74)は作動する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が停止状態となり作動しない。単純冷房運転の冷媒回路(11)では、室外熱交換器(23)が凝縮器となり、第1過冷却熱交換器(32)が過冷却器となり、室内熱交換器(72)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。単純冷房運転では、低圧側のガスライン(L2)と主蓄熱用流路(44)とが連通する。これにより、主蓄熱用流路(44)の内部での液溜まりを回避できる。
蓄冷運転では、蓄熱装置(60)が作動し、蓄熱タンク(62)の蓄熱媒体に冷熱が蓄えられる。図3に示す蓄冷運転では、四方切換弁(25)が第1状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第2電磁弁(SV2)、第3電磁弁(SV3)、及び第4電磁弁(SV4)が開状態になり、残りは閉状態になる。第1減圧弁(EV1)、第2減圧弁(EV2)、第3減圧弁(EV3)、第4減圧弁(EV4)、及び室内膨張弁(73)が全閉状態に、室外膨張弁(24)が全開状態に、蓄熱用膨張弁(45)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)は作動し、室内ファン(74)は停止する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が運転状態となり作動する。蓄冷運転の冷媒回路(11)では、室外熱交換器(23)が凝縮器となり、予熱用熱交換器(64)が放熱器(冷媒冷却器)となり、蓄熱用熱交換器(63)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。蓄冷運転では、高圧の液ライン(L1)から室内ユニット(70)までに亘る流路に余剰の冷媒を保持することができる。
利用冷房運転では、蓄熱装置(60)が作動し、蓄熱タンク(62)に蓄えられた蓄熱媒体の冷熱が、室内の冷房に利用される。図4に示す利用冷房運転では、四方切換弁(25)が第1状態に第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第3電磁弁(SV3)、第5電磁弁(SV5)、及び第6電磁弁(SV6)が開状態になり、残りは閉状態となる。第1減圧弁(EV1)、第4減圧弁(EV4)が全閉状態に、室外膨張弁(24)が全開状態に、第2減圧弁(EV2)及び室内膨張弁(73)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)、及び室内ファン(74)は作動する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が運転状態となり作動する。利用冷房運転の冷媒回路(11)では、室外熱交換器(23)が凝縮器となり、予熱用熱交換器(64)、蓄熱用熱交換器(63)、及び第2過冷却熱交換器(52)が放熱器(冷媒冷却器)となり、室内熱交換器(72)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
冷房蓄冷運転では、蓄熱装置(60)が作動し、蓄熱媒体に冷熱が蓄えられるとともに、室内ユニット(70)で室内の冷房が行われる。図5に示す冷房蓄冷運転では、四方切換弁(25)が第1状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第2電磁弁(SV2)、第3電磁弁(SV3)、及び第4電磁弁(SV4)が開状態になり、残りは閉状態となる。第1減圧弁(EV1)、第3減圧弁(EV3)、及び第4減圧弁(EV4)が全閉状態に、室外膨張弁(24)が全開状態に、第2減圧弁(EV2)、蓄熱用膨張弁(45)、及び室内膨張弁(73)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)及び室内ファン(74)は作動する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が運転状態となり作動する。冷房蓄冷運転の冷媒回路(11)では、室外熱交換器(23)が凝縮器となり、予熱用熱交換器(64)及び第2過冷却熱交換器(52)が放熱器(冷媒冷却器)となり、蓄熱用熱交換器(63)及び室内熱交換器(72)が蒸発器となる。
単純暖房運転では、蓄熱装置(60)が停止し、室内ユニット(70)で室内の暖房が行われる。図6に示す単純暖房運転では、四方切換弁(25)が第2状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第2電磁弁(SV2)が開状態となり、残りは全て閉状態なる。第1減圧弁(EV1)、第2減圧弁(EV2)、第3減圧弁(EV3)、第4減圧弁(EV4)、及び蓄熱用膨張弁(45)が全閉状態に、室内膨張弁(73)及び室外膨張弁(24)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)、及び室内ファン(74)は作動する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が停止状態となり作動しない。単純暖房運転の冷媒回路(11)では、室内熱交換器(72)が凝縮器となり、室外熱交換器(23)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。室内膨張弁(73)は、室内熱交換器(72)の出口冷媒の過冷却度を制御する。
蓄熱運転では、蓄熱タンク(62)に温熱を蓄えた蓄熱媒体が貯留される。図7に示す蓄熱運転では、四方切換弁(25)が第2状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第3電磁弁(SV3)、第4電磁弁(SV4)、及び第5電磁弁(SV5)が開状態になり、残りは閉状態となる。第1減圧弁(EV1)、第2減圧弁(EV2)、第3減圧弁(EV3)、第4減圧弁(EV4)、及び室内膨張弁(73)が全閉状態に、室外膨張弁(24)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)は作動し、室内ファン(74)は停止する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が運転状態となり作動する。蓄熱運転の冷媒回路(11)では、蓄熱用熱交換器(63)及び予熱用熱交換器(64)が凝縮器となり、室外熱交換器(23)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
利用暖房運転では、蓄熱装置(60)が作動し、蓄熱タンク(62)に蓄えられた蓄熱媒体の温熱が、室内の暖房に利用される。利用暖房運転は、第1利用暖房運転(以下、利用暖房運転(1)という)と、第2利用暖房運転(以下、利用暖房運転(2)という)とに大別される。
利用暖房運転(1)は、蓄熱用熱交換器(63)で蒸発する冷媒の圧力(MP)と、室外熱交換器(23)で蒸発する冷媒の圧力(LP)との差(MP−LP)が比較的小さくなるような条件下で実行される。例えば冬季において、外気温度が比較的高い一方、蓄熱装置(60)の蓄熱回路(61)の蓄熱媒体の温度が比較的低いような場合が、この条件に相当する。
利用暖房運転(2)は、蓄熱用熱交換器(63)で蒸発する冷媒の圧力(MP)と、室外熱交換器(23)で蒸発する冷媒の圧力(LP)との差(MP−LP)が比較的大きくなるような条件下で実行される。例えば冬季において、外気温度が比較的低い一方、蓄熱装置(60)の蓄熱回路(61)の蓄熱媒体の温度が比較的高いような場合が、この条件に相当する。
暖房蓄熱運転では、蓄熱装置(60)が作動し、蓄熱タンク(62)に温熱が蓄えられるとともに、室内ユニット(70)で室内の暖房が行われる。
蓄熱式空気調和機(10)では、上述した各種の運転が切り換えられる。より具体的に、蓄熱式空気調和機(10)では、冷媒と蓄熱媒体とが熱交換しない冷凍サイクルである第1動作(即ち、単純冷房運転、単純暖房運転)と、冷媒と蓄熱媒体とが熱交換する冷凍サイクルである第2動作(即ち、利用冷房運転、冷房蓄冷運転、利用暖房運転(1)、利用暖房運転(2)、暖房蓄熱運転)とが相互に切り換えられる。このように第1動作と第2動作とが切り換えられると、例えば冷房時において、冷房能力が過剰となったり、不足したりする問題が生じる。また、暖房時において、暖房能力が過剰となったり、不足したりする問題も生じる。そこで、本実施形態では、2つの動作の切換のタイミングに同期して圧縮機(22)の回転数を強制的に制御する回転数制御動作が行われる。
単純冷房運転から利用冷房運転へ切り換わる際の回転数制御動作について図11の左側のフローチャートを参照しながら説明する。
利用冷房運転から単純冷房運転へ切り換わる際の回転数制御動作について図11の右側のフローチャートを参照しながら説明する。
単純冷房運転から冷房蓄冷運転へ切り換わる際の回転数制御動作について図12の左側のフローチャートを参照しながら説明する。
冷房蓄冷運転から単純冷房運転へ切り換わる際の回転数制御動作について図12の右側のフローチャートを参照しながら説明する。
単純暖房運転から利用暖房運転(1)へ切り換わる際の回転数制御動作について図13の左側のフローチャートを参照しながら説明する。
利用暖房運転(1)から単純暖房運転へ切り換わる際の回転数制御動作について図13の右側のフローチャートを参照しながら説明する。
単純暖房運転から利用暖房運転(2)へ切り換わる際の回転数制御動作について図14の右側のフローチャートを参照しながら説明する。
利用暖房運転(2)から単純暖房運転へ切り換わる際の回転数制御動作について図14の左側のフローチャートを参照しながら説明する。
単純暖房運転から暖房蓄熱運転へ切り換わる際の回転数制御動作について図15の左側のフローチャートを参照しながら説明する。
暖房蓄熱運転から単純暖房運転へ切り換わる際の回転数制御動作について図15の右側のフローチャートを参照しながら説明する。
実施形態によれば、冷媒が蓄熱媒体と熱交換しない第1動作(単純冷房運転、単純暖房運転)と、冷媒が蓄熱媒体と熱交換する第2動作(利用冷房運転、冷房蓄冷運転、利用暖房運転、暖房蓄熱運転、)とを相互に切り換える際、このタイミングに同期して圧縮機(22)の回転数を強制的に変更するので、切換直後に空調能力が過剰となったり、不足したりするのを未然に回避できる。
上記実施形態では、例えば図11等に示すように、入力部(101)に制御信号が入力された後であり、各運転を切り換える直前に圧縮機(22)の回転数を強制的に変更するようにしている。しかしながら、例えば入力部(101)に制御信号が入力されると直ぐに各運転が切り換えられ、この切換と同時又は直後に圧縮機(22)の回転数を強制的に変更するようにしてもよい。
11 冷媒回路
22 圧縮機
23 室外熱交換器
63 蓄熱用熱交換器(蓄熱部)
72 室内熱交換器
100 運転制御部(第1コントローラ部、コントローラ)
101 入力部
104 圧縮機制御部
200 運転制御部(第2コントローラ部、コントローラ)
Claims (6)
- 蓄熱式空気調和機であって、
圧縮機(22)と、室外熱交換器(23)と、室内熱交換器(72)とが接続され、冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる冷媒回路(11)と、
冷却されることによって包接水和物が生成される蓄熱媒体と上記冷媒回路(11)の冷媒とを熱交換させる蓄熱部(63)と、
上記冷媒回路(11)の冷媒が蓄熱部(63)の蓄熱媒体とが熱交換せずに上記冷凍サイクルが行われる第1動作と、上記冷媒回路(11)の冷媒が上記蓄熱部(63)を通過して上記冷凍サイクルが行われる第2動作とを切り換える運転制御部(100,200)とを備え、
上記運転制御部(100,200)は、
上記第1動作と第2動作とを相互に切り換える制御信号が入力される入力部(101)と、
上記入力部(101)に上記制御信号が入力されるタイミングに同期して上記圧縮機(22)の回転数を強制的に変更させる回転数制御動作を行う圧縮機制御部(104)と
を備えていることを特徴とする蓄熱式空気調和機。 - 請求項1において、
上記圧縮機制御部(104)は、上記入力部(101)に制御信号が入力された後、上記運転制御部(100,200)が上記第1動作から第2動作へ又は該第2動作から第1動作へ切り換える前に、上記回転数制御動作を行うように構成されている
ことを特徴とする蓄熱式空気調和機。 - 請求項1又は2において、
上記第1動作は、上記室外熱交換器(23)で冷媒が凝縮し、上記室内熱交換器(72)で冷媒が蒸発する単純冷房運転を含み、
上記第2動作は、上記室外熱交換器(23)で冷媒が凝縮し、上記蓄熱部(63)で冷媒が冷却され、上記室内熱交換器(72)で冷媒が蒸発する利用冷房運転を含み、
上記圧縮機制御部(104)は、上記回転数制御動作において、上記単純冷房運転から上記利用冷房運転へ移行するタイミングに同期して上記圧縮機(22)の回転数を低減させ、上記利用冷房運転から上記単純冷房運転へ移行するタイミングに同期して上記圧縮機(22)の回転数を増大させることを特徴とする蓄熱式空気調和機。 - 請求項1乃至3のいずれか1つにおいて、
上記第1動作は、上記室外熱交換器(23)で冷媒が凝縮し、上記室内熱交換器(72)で冷媒が蒸発する単純冷房運転を含み、
上記第2動作は、上記室外熱交換器(23)で冷媒が凝縮し、上記蓄熱部(63)及び上記室内熱交換器(72)で冷媒が蒸発する冷房蓄冷運転を含み、
上記圧縮機制御部(104)は、上記回転数制御動作において、上記単純冷房運転から上記冷房蓄冷運転へ移行するタイミングに同期して上記圧縮機(22)の回転数を増大させ、該冷房蓄冷運転から上記単純冷房運転へ移行するタイミングに同期して上記圧縮機(22)の回転数を低減させることを特徴とする蓄熱式空気調和機。 - 請求項1乃至4のいずれか1つにおいて、
上記第1動作は、上記室内熱交換器(72)で冷媒が凝縮し、上記室外熱交換器(23)で冷媒が蒸発する単純暖房運転を含み、
上記第2動作は、上記室内熱交換器(72)で冷媒が凝縮し、上記蓄熱部(63)で冷媒が加熱され、上記室外熱交換器(23)で冷媒が蒸発する利用暖房運転を含み、
上記圧縮機制御部(104)は、上記回転数制御動作において、上記単純暖房運転から上記利用暖房運転へ移行するタイミングに同期して上記圧縮機(22)の回転数を減少させ、該利用暖房運転から上記単純暖房運転へ移行するタイミングに同期して上記圧縮機(22)の回転数を増大させることを特徴とする蓄熱式空気調和機。 - 請求項1乃至5のいずれか1つにおいて、
上記第1動作は、上記室内熱交換器(72)で冷媒が凝縮し、上記室外熱交換器(23)で冷媒が蒸発する単純暖房運転を含み、
上記第2動作は、上記室内熱交換器(72)で冷媒が凝縮し、上記蓄熱部(63)で蓄熱媒体が加熱され、上記室外熱交換器(23)で冷媒が蒸発する蓄熱暖房運転を行うように構成され、
上記圧縮機制御部(104)は、上記回転数制御動作において、上記単純暖房運転から上記蓄熱暖房運転へ移行するタイミングに同期して上記圧縮機(22)の回転数を増大させ、該蓄熱暖房運転から上記単純暖房運転へ移行するタイミングに同期して上記圧縮機(22)の回転数を減少させることを特徴とする蓄熱式空気調和機。
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