JP7510778B2 - テルペノイド配糖体含有o/d乳化組成物 - Google Patents
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Description
分子構造に親水基と疎水基を含有する両親媒性の素材は界面活性能力を有すとされている。そして一部の機能性素材も同様の構造を有しており、弱いながらも一定の乳化効果を示すことが知られている。しかしながらその能力は決して強いものではなく単独での乳化安定化は難しい。また自身が界面活性能を有しているため、界面活性剤を共存させての乳化を実施する際、寧ろ不安定化を引き起こし乳化が困難である場合も多い。その一例としてテルペノイド配糖体が挙げられる。テルペノイド配糖体を含有した安定的な乳化組成物を調製した報告は少なく、乳化組成物への配合量に大きく制限が生じているのが実情である。テルペノイド配糖体は有用な機能を有しているものも多く、安定に乳化組成物に配合する調製方法が求められている。
安定な乳化組成物を調製する方法は数多く報告されているが、テルペノイド配糖体を配合したO/D乳化組成物の調製方法は報告されていなかった。
しかしながら、単にO/D乳化を実施しているだけでありテルペノイド配糖体を配合した安定的な乳化は達成されていなかった。
さらに、テルペノイドを含有する水中油型エマルションの技術が報告されている(例えば、特許文献3、4参照。)。
しかしながら、何れも水中油型エマルション(O/W乳化組成物)であり、本願発明のO/D乳化組成物ではなく、また使用されているのはテルペノイドでありその配糖体ではなかった。
このように、難乳化性物質の乳化組成物調製方法は様々な検討がなされているが、テルペノイド配糖体を含有するO/D乳化組成物に関しては十分な乳化安定性と実用性を有するものはほとんど無く、更なる開発が求められていた。
本発明のテルペノイド配糖体含有O/D乳化組成物は、十分な乳化安定性及び飲食品中での分散性を得るために、界面活性剤、テルペノイド配糖体、及び食用油脂を含有し、乳化組成物中に含有する界面活性剤とテルペノイド配糖体の質量比率と、テルペノイド配糖体と食用油脂の質量比率が一定の範囲内であることを特徴とするO/D乳化組成物であることを特徴とする。
本発明のテルペノイド配糖体含有O/D乳化組成物の調製方法としては種々の方法が知られているが、その中でも、水相への混合時に微細なO/W乳化組成物を得る方法として界面科学的手法を用いたD相乳化法が知られている。D相乳化法とは、界面活性剤を含有する多価アルコール溶液又は多価アルコール水溶液(D相)に油相を添加して乳化する方法であり、これによってテルペノイド配糖体含有O/D乳化組成物が得られる。このO/D乳化組成物を水相に混合することで微細なO/W乳化組成物を得ることができる。
m=74n+18
OHV=56110(n+2)/m
n:ポリグリセリンの平均重合度
m:ポリグリセリンの平均分子量
OHV:ポリグリセリンの水酸基価
無機性値、有機性値のそれぞれについては、甲田らの報告(甲田善生著、有機概念図―基礎と応用―11頁~17頁、三共出版、1984年発行参照。)に基づき、分子中の炭素原子1個について有機性値が20、同水酸基1個について無機性値が100といったように、各種原子又は官能基に応じた無機性値、有機性値が設定されており、有機化合物中の全ての原子及び官能基の無機性値、有機性値を積算することによって、当該有機化合物のIOBが算出することができる。
界面活性剤:テルペノイド配糖体=1:30~30:1
テルペノイド配糖体:食用油脂=1:30~30:1
本発明における多価アルコール水溶液中の水の含有割合は、好ましくは多価アルコールに対して50質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下である。
以下、本発明の態様を実施例によりさらに記載し、開示する。この実施例は、単なる本発明の例示であり、何ら限定を意味するものではない。
表1、2に記載の界面活性剤とテルペノイド配糖体を用い、下記記載のO/D乳化組成物調製方法にて、本発明品1~20のO/D乳化組成物、比較品1、2を調製した。
全量1000gのO/D乳化組成物を調製するため、表3又は4に記載の配合割合にて、多価アルコールに界面活性剤及びテルペノイド配糖体を2Lのビーカーに添加し60℃に加温した。ホモミキサーを用い適宜攪拌し、この中に食用油脂を少量ずつ添加した後、上記の温度を保持したまま30分間攪拌し、本発明品又は比較品を調製した。
全量1000gのO/D乳化組成物を調製するため、表3又は4に記載の配合割合にて、テルペノイド配糖体と食用油脂を1Lのビーカーに添加し、ホモミキサーを用い適宜攪拌し、この中にテルペノイド配糖体を添加した油相を調製した。別途多価アルコールに界面活性剤を2Lのビーカーに添加し60℃に加温した。ホモミキサーを用い適宜攪拌し、この中にテルペノイド配糖体を添加した油相を少量ずつ添加した後、上記の温度を保持したまま30分間攪拌し、本発明品又は比較品を調製した。
全量1000gのO/D乳化組成物を調製するため、表3又は4に記載の配合割合にて、テルペノイド配糖体と食用油脂を1Lのビーカーに添加し、ホモミキサーを用い適宜攪拌し、この中にテルペノイド配糖体を添加した油相を調製した。別途多価アルコールに界面活性剤を2Lのビーカーに添加し60℃に加温した。ホモミキサーを用い適宜攪拌し、この中にテルペノイド配糖体を添加した油相を少量ずつ添加した後、上記の温度を保持したまま30分間攪拌した。攪拌終了後水を加え、60℃で高圧ホモジナイザー処理をし、本発明品又は比較品を調製した。
得られた本発明品1~20のO/D乳化組成物、比較品1、2について、25℃の恒温槽に1ヶ月保管、又は55℃の恒温槽に1週間保管し乳化安定性を評価した。性状については、乳化又は分離の状態を目視で観察することで、下記評価基準にて評価した。その結果を表3又は4に記載した。
20:外観に変化は見られない。
15:外観に大きな変化は見られないが下層部に濃度勾配が見られる。
10:油相の分離は見られないが全体的に濃度勾配が見られる。
5:上部に若干の油滴が観察される。
1:油相と水相が完全に分離している。
コーヒー抽出液(Bx3.0) 30.0g
牛乳 20.0g
乳化剤 0.1g
重曹 0.1g
本発明品8 0.1g
水 残部
合計 100.0g
上記処方に従って各成分を混合し、加熱溶解後、ホモジナイザー(15MPa)にて均質化した。缶に充填後、121℃で30分間レトルト殺菌した。得られた缶コーヒーは油脂の分離もなく安定な状態であった。
A:水 35.3g
脱脂粉乳 9.0g
無塩バター 5.0g
B:水 47.0g
HMペクチン 0.5g
本発明品9 0.2g
Aの各成分を混合して50℃で加熱溶解した。これを、80℃で10分間加熱して調製したBの混合物に配合して、全量を水にて97gに調製した。次いでホモジナイザー(15MPa)にて均質化し、90℃で5分間殺菌した。40℃まで冷ました後、スターターヨーグルト3gを加え容器に充填し、40℃恒温器にて6時間発酵させてヨーグルトを調製した。得られたヨーグルトは油脂の分離もなく安定な状態であった。
Claims (6)
- 乳化物の外相が多価アルコール又は多価アルコール水溶液である乳化組成物であって、界面活性剤(A)、テルペノイド配糖体(B)、及び食用油脂(C)を含有し、界面活性剤(A)が、構成するポリグリセリンの平均重合度が3以上、構成する脂肪酸の炭素数が12以上、及びIOBが1以上であるポリグリセリン脂肪酸エステル、又はIOBが1.5以上のショ糖脂肪酸エステルであり、食用油脂(C)がパーム油、ヤシ油及び中鎖脂肪酸含有トリグリセリドからなる群より選択される少なくとも1種以上であり、乳化組成物中に含有するAとBの質量比率が1:30~30:1、かつBとCの質量比率が1:10~10:1であることを特徴とする、テルペノイド配糖体含有O/D乳化組成物。
- テルペノイド配糖体(B)の平均分子量が500~1500であり、テルペノイド配糖体を構成するテルペノイドの炭素数が10、15、20、30のいずれかのイソプレノイドである請求項1記載のテルペノイド配糖体含有O/D乳化組成物。
- 多価アルコールがグリセリン又は糖アルコールであり、水の含有比率が多価アルコールに対して50質量%以下である請求項1又は2記載のテルペノイド配糖体含有O/D乳化組成物。
- テルペノイド配糖体(B)と食用油脂(C)を混合した油相を調製する工程と、この油相を多価アルコール又は多価アルコール水溶液と界面活性剤(A)を含有するD相中に添加して乳化組成物を調製する工程を有する、請求項1~3いずれか記載のテルペノイド配糖体含有O/D乳化組成物の製造方法。
- テルペノイド配糖体(B)と食用油脂(C)を混合したものを油相とし、この油相を多価アルコール又は多価アルコール水溶液と界面活性剤(A)を含有するD相中に添加して乳化組成物を調製することを特徴とする請求項1~3いずれか記載のテルペノイド配糖体含有O/D乳化組成物の安定化方法。
- 請求項1~3いずれか記載のテルペノイド配糖体含有O/D乳化組成物を含有する飲食品。
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