JP7509812B2 - アルミニウム圧縮電線及びワイヤーハーネス - Google Patents

アルミニウム圧縮電線及びワイヤーハーネス Download PDF

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本発明は、アルミニウム圧縮電線及びワイヤーハーネスに関する。
アルミニウム圧縮電線は、自動車用ワイヤーハーネスの電線として用いられている。アルミニウム圧縮電線は、アルミニウム丸素線の撚線が圧縮されて形成された圧縮撚線導体からなる撚線導体と、撚線導体の外周を被覆する絶縁層と、を備える。
自動車用ワイヤーハーネス用の電線は、撚線導体の導体破断強度、アルミニウム素線の伸び率及び圧着端子に対するアルミニウム圧縮電線の固着力、等が大きいことが好ましい。
また、自動車用ワイヤーハーネス用の電線は、アルミニウム圧縮電線の製造時の断線頻度が小さいことが好ましい。なお、アルミニウム圧縮電線の製造時の断線頻度は、アルミニウム素線の伸び率が大きいと、小さくなりやすい。また、アルミニウム圧縮電線の製造時の断線頻度は、アルミニウム圧縮電線のR0.1mmの曲面での屈曲試験における断線までの屈曲回数(断線屈曲回数)とも、相関関係があると考えられている。すなわち、アルミニウム圧縮電線の製造時の断線頻度と、アルミニウム素線の伸び率と、アルミニウム圧縮電線の断線屈曲回数とは、相関関係があると考えられている。
例えば、アルミニウム素線の伸び率が大きい、例えば8%以上であると、アルミニウム圧縮電線の製造時の断線頻度が小さくなりやすく好ましい。また、アルミニウム素線の伸び率が8%以上であると、アルミニウム圧縮電線のR0.1mmでの屈曲試験における断線までの屈曲回数(断線屈曲回数)が通常5回以上となりやすく好ましい。
従って、アルミニウム圧縮電線のR0.1mmでの屈曲試験が5回以上であると、通常、アルミニウム圧縮電線の製造時の断線頻度が小さくなりやすく、好ましい。このように、従来、アルミニウム圧縮電線の製造時の断線頻度を低下させようとする場合、伸び率が8%以上のアルミニウム素線を用いたり、上記断線屈曲回数が5回以上のアルミニウム圧縮電線を用いたりすることが望まれていた。
また、従来、撚線導体としては、0.5sqのものが多く用いられてきた。これに対し、近年、アルミニウム圧縮電線の軽量化、細径化の要請から、撚線導体を0.22sqにすることが望まれている。
導体としては、特許文献1に、アルミニウムとの間で金属間化合物を生成する元素Xを所定量含有するアルミニウム鋳造体を微細化した0.2sq(断面積が0.2mm)のアルミニウム合金導体が開示されている。
特開2014-194078号公報
しかし、特許文献1の0.2sqの撚線導体では、高い導体破断強度とアルミニウム素線の高い伸び率とを両立することが困難であり、また、圧着端子に対するアルミニウム圧縮電線の固着力が十分でないおそれがある。このため、特許文献1の0.2sqの撚線導体では、アルミニウム圧縮電線の製造時や端子挿入作業時に断線するおそれがある。
また、0.22sqの撚線導体は、一般的に0.5sqの撚線導体よりも断線しやすい。このため、0.22sqの撚線導体を用いる場合は、撚線導体の製造設備に低張力化、低摩擦化等の対策を施すことが必要になる。このように0.22sqの撚線導体が0.5sqの撚線導体よりも断線しやすい場合は、0.5sqの撚線導体と同じ製造設備で0.22sqの撚線導体を製造することが困難になるため、生産性が低下しやすい。
このように、従来、0.22sqの撚線導体の導体破断強度及び圧着端子に対するアルミニウム圧縮電線の固着力が大きく、製造時の断線頻度が小さいアルミニウム圧縮電線及びこれを用いたワイヤーハーネスは知られていなかった。なお、上記のようにアルミニウム圧縮電線の製造時の断線頻度を小さくするためには、アルミニウム素線の伸び率が大きいことが好ましい。換言すれば、従来、0.22sqの撚線導体の導体破断強度、アルミニウム素線の伸び率及び圧着端子に対するアルミニウム圧縮電線の固着力が大きいアルミニウム圧縮電線及びこれを用いたワイヤーハーネスは知られていなかった。
なお、アルミニウム圧縮電線に端子を圧着する際は、圧縮撚線導体を露出させるために絶縁層の皮むきを行う。この絶縁層の皮むきは、圧縮撚線導体に傷をつけにくくする必要がある。このため、アルミニウム圧縮電線を構成する圧縮撚線導体は、通常、非圧縮撚線導体に、圧縮撚線導体に傷をつけにくい圧縮方法である円形圧縮を行うことで作製されている。ここで、円形圧縮とは、非圧縮撚線導体の横断面において外周から中心に向かって円形状に圧縮力を加える方法である。従来の0.22sqの銅圧縮電線では、円形圧縮が広く用いられている。
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、0.22sqの撚線導体の導体破断強度、アルミニウム素線の伸び率及び圧着端子に対するアルミニウム圧縮電線の固着力が大きいアルミニウム圧縮電線及びこれを用いたワイヤーハーネスを提供することにある。
本発明の態様に係るアルミニウム圧縮電線は、7本のアルミニウム素線の撚線が圧縮された圧縮撚線導体からなり導体断面積0.22sqの撚線導体と、前記撚線導体の外周を被覆する絶縁層と、を備え、
前記撚線導体は、下記式(1)で表される第1の圧縮率CR[%]が9~11%、導体破断強度が284MPa以上であり、
[数1]
CR={1-(Cmin/Bmax)}×100 (1)
(Cmin:圧縮撚線導体の最小外径[mm]、Bmax:非圧縮撚線導体の最大外径[mm])
前記アルミニウム素線は、圧縮前のアルミニウム素線である非圧縮アルミニウム素線の伸び率が8%以上である。
本発明の他の態様に係るワイヤーハーネスは、前記アルミニウム圧縮電線を備える。
本発明によれば、0.22sqの撚線導体の導体破断強度、アルミニウム素線の伸び率及び圧着端子に対するアルミニウム圧縮電線の固着力が大きいアルミニウム圧縮電線及びこれを用いたワイヤーハーネスを提供することができる。
本実施形態に係るアルミニウム圧縮電線の一例を示す断面図である。 従来のアルミニウム非圧縮電線の一例を示す断面図である。 非圧縮撚線導体を圧縮して、圧縮撚線導体を作製する様子を説明する断面図である。 図1の断面図に寸法を示す符号を加えた図である。 導体破断強度と、圧着端子に対するアルミニウム圧縮電線の固着力と、の関係を示すグラフである。 アルミニウム圧縮電線の断線頻度測定する屈曲試験を説明する図である。 屈曲試験の結果の一例を示す図である。
以下、図面を用いて本実施形態に係るアルミニウム圧縮電線及びこれを用いたワイヤーハーネスについて詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
[アルミニウム圧縮電線]
図1は、本実施形態に係るアルミニウム圧縮電線の一例を示す断面図である。図1に示すアルミニウム圧縮電線1A(1)は、撚線導体20と、撚線導体20の外周を被覆する絶縁層30とを備える。
図2は、従来のアルミニウム非圧縮電線の一例を示す断面図である。図3は、非圧縮撚線導体を圧縮して、圧縮撚線導体を作製する様子を説明する断面図である。図3に示す非圧縮撚線導体21は、図2に示す従来のアルミニウム非圧縮電線5A(5)を構成する非圧縮撚線導体21と同様の構成になっている。図4は、図1の断面図に寸法を示す符号を加えた図である。
(撚線導体)
撚線導体20は、7本のアルミニウム素線10の撚線が圧縮された圧縮撚線導体22からなる。ここで、圧縮撚線導体22とは、圧縮されていない撚線導体20である非圧縮撚線導体21を、アルミニウム圧縮電線1Aの製造の際に圧縮された撚線導体20を意味する。
このように、圧縮されていない撚線導体20を非圧縮撚線導体21ともいい、アルミニウム圧縮電線1Aの製造の際に圧縮された撚線導体20を圧縮撚線導体22ともいう。また、非圧縮撚線導体21を構成するアルミニウム素線10を非圧縮アルミニウム素線11ともいい、圧縮撚線導体22を構成するアルミニウム素線10を圧縮アルミニウム素線12ともいう。
図1に示す圧縮撚線導体22(撚線導体20)は、アルミニウム圧縮電線1Aの製造の際に圧縮された7本のアルミニウム素線10からなる。換言すれば、圧縮撚線導体22は、7本の圧縮アルミニウム素線12からなる。
具体的には、圧縮撚線導体22は、7本の圧縮アルミニウム素線12(12a、12b、12c、12d、12e、12f、12g)からなる。より具体的には、圧縮撚線導体22は、横断面において中央部に配置される1本の圧縮アルミニウム素線12aと、圧縮アルミニウム素線12aの周囲を取り囲む6本の圧縮アルミニウム素線12b、12c、12d、12e、12f、12gからなる。図1に示すように、6本の圧縮アルミニウム素線12b、12c、12d、12e、12f、12gは六角形状に配置される。
このように、本実施形態に係るアルミニウム圧縮電線1Aの圧縮撚線導体22は、1本の圧縮アルミニウム素線12と、この圧縮アルミニウム素線12の周囲を取り囲んで六角形状に配置される6本の圧縮アルミニウム素線12とを備える。なお、六角形状に配置される6本の圧縮アルミニウム素線12は、正六角形状に配置されていてもよいが、正六角形以外の変形した六角形状に配置されていてもよい。
図4に示すように、横断面において中央部に配置される1本の圧縮アルミニウム素線12aは、横断面が六角形に類似する形状になっている。また、圧縮アルミニウム素線12aの周囲を取り囲む6本の圧縮アルミニウム素線12b、12c、12d、12e、12f、12gは、それぞれ台形に類似する形状になっている。
後述のように、アルミニウム圧縮電線1Aは、圧縮撚線導体22(撚線導体20)の第1の圧縮率CRを用いて規定される。第1の圧縮率CRは、例えば、図3に示すように非圧縮撚線導体21から圧縮撚線導体22を製造する場合の撚線導体の断面形状の変化に基づいて算出される圧縮率である。第1の圧縮率CRの算出には後述の圧縮撚線導体22の最小外径Cmin[mm]が用いられる。図4では、Cminは、横断面において中央部に配置される1本の圧縮アルミニウム素線12aの対辺長Hと、対辺長Hの延長方向に位置する2本の圧縮アルミニウム素線12b、12eの対辺長H、Hと、の和(H+H+H)になっている。Cminについては後に詳述する。
図1に示す圧縮撚線導体22(撚線導体20)は、図3に示す非圧縮撚線導体21(撚線導体20)の外周に矢印Fの力を加えることで形成される。なお、図3に示す非圧縮撚線導体21(撚線導体20)は、図2に示す従来のアルミニウム非圧縮電線5A(5)構成する撚線導体20である。従来のアルミニウム非圧縮電線5Aは、非圧縮撚線導体21(撚線導体20)と、非圧縮撚線導体21の外周を被覆する絶縁層30と、備える。従来のアルミニウム非圧縮電線5Aは、本実施形態に係るアルミニウム圧縮電線1Aにおいて、圧縮撚線導体22に代えて非圧縮撚線導体21を用いたものに相当する。
非圧縮撚線導体21は、7本の非圧縮アルミニウム素線11(10)からなる撚線導体20である。具体的には、非圧縮撚線導体21は、7本の非圧縮アルミニウム素線11(11a、11b、11c、11d、11e、11f、11g)からなる。より具体的には、非圧縮撚線導体21は、横断面において中央部に配置される1本の非圧縮アルミニウム素線11aと、非圧縮アルミニウム素線11aの周囲を取り囲む6本の非圧縮アルミニウム素線11b、11c、11d、11e、11f、11gからなる。図2及び図3に示すように、6本の非圧縮アルミニウム素線11b、11c、11d、11e、11f、11gは六角形状に配置される。
7本の非圧縮アルミニウム素線11のそれぞれは、図2及び図3に示すように横断面が円形の、いわゆる丸素線になっている。
上記第1の圧縮率CRの算出には、後述の非圧縮撚線導体21の最大外径Bmax[mm]が用いられる。図2では、Bmaxは、横断面において中央部に配置される非圧縮アルミニウム素線11aの直径Dと、非圧縮アルミニウム素線11aと接して断面上一直線上に配置される2本の非圧縮アルミニウム素線11b、11eの直径D、Dと、の和になっている。図2では、Bmaxは、(D+D+D)である。Bmaxについては後に詳述する。
図3に示すように、ダイス等を用いて、非圧縮撚線導体21の外周に矢印Fの力を加えられると、図1及び図4に示す圧縮撚線導体22が形成される。
本実施形態に係るアルミニウム圧縮電線1Aを構成する圧縮撚線導体22は、導体断面積が0.22sqである。ここで、圧縮撚線導体22の導体断面積とは、7本の圧縮アルミニウム素線12(12a、12b、12c、12d、12e、12f、12g)の断面積の総和を意味する。また、0.22sqとは、0.22±0.02mmを意味する。
<撚線導体の第1の圧縮率CR
アルミニウム圧縮電線1Aを構成する圧縮撚線導体22(撚線導体20)は、下記式(1)で表される第1の圧縮率CRが9~11%である。
[数2]
CR={1-(Cmin/Bmax)}×100 (1)
(Cmin:圧縮撚線導体の最小外径[mm]、Bmax:非圧縮撚線導体の最大外径[mm])
圧縮撚線導体22の第1の圧縮率CRが上記範囲内にあると、後述のアルミニウム圧縮電線1Aの断線頻度Fが小さくなりやすいため好ましい。
圧縮撚線導体の最小外径Cminとは、圧縮撚線導体22の横断面における外周に接する内接円の直径を意味する。図4では、Cminは、横断面において中央部に配置される1本の圧縮アルミニウム素線12aの対辺長Hと、対辺長Hの延長方向に位置する2本の圧縮アルミニウム素線12b、12eの対辺長H、Hと、の和(H+H+H)になっている。
また、非圧縮撚線導体の最大外径Bmaxとは、非圧縮撚線導体21の横断面における外周に接する外接円の直径を意味する。図2では、Bmaxは、横断面において中央部に配置される非圧縮アルミニウム素線11aの直径Dと、非圧縮アルミニウム素線11aと接して断面上一直線上に配置される2本の非圧縮アルミニウム素線11b、11eの直径D、Dと、の和になっている。図2では、Bmaxは、(D+D+D)である。
また、圧縮撚線導体22は、上記第1の圧縮率CRが好ましくは9~10%である。圧縮撚線導体22の第1の圧縮率CRが上記範囲内にあると、圧縮率CRが9~11%の場合に比較して、0.2sqの圧縮撚線導体22の導体破断強度が特に大きくなりやすいため好ましい。
本実施形態において上記第1の圧縮率CRを用いる理由を説明する。従来、アルミニウム圧縮電線1Aの製造時の断線頻度を低下させようとする場合、伸び率が8%以上のアルミニウム素線を用いたり、断線屈曲回数が5回以上のアルミニウム圧縮電線を用いたりすることが行われていた。ここで、断線屈曲回数とは、アルミニウム圧縮電線のR0.1mmでの屈曲試験における断線までの屈曲回数(断線屈曲回数)である。
図6に、アルミニウム圧縮電線の断線頻度を測定する屈曲試験を説明する図を示す。また、図7に、屈曲試験の結果の一例を示す。図7に示すように、断線屈曲回数が5回以上であることと、アルミニウム圧縮電線の原料である非圧縮アルミニウム素線の伸び率が8%以上であること、とは一般的に関連する。しかし、近年のアルミニウム圧縮電線1Aの撚線導体の0.22sqへの細線化に鑑みると、アルミニウム圧縮電線1Aの製造時の断線頻度の低下を推定可能な指標が他にもあることが望ましい。そこで、本発明者は、このアルミニウム圧縮電線1Aの製造時の断線頻度の低下を推定可能な指標として、撚線導体の第1の圧縮率CRを見出した。
<撚線導体の導体破断強度>
アルミニウム圧縮電線1Aを構成する圧縮撚線導体22(撚線導体20)は、導体破断強度が284MPa以上である。ここで、導体破断強度とは、絶縁層30で被覆されていない圧縮撚線導体22が引張により破断するまでに測定された最大引張強度を意味する。導体破断強度は、JIS C 3002に準拠して測定される。
なお、導体破断強度の「284MPa以上」という数値範囲は、後述の式(3)を用いて固着力が50[N]以上になるように算出した数値範囲である。固着力については、後述する。
<アルミニウム素線の伸び率>
圧縮アルミニウム素線12(アルミニウム素線10)は、圧縮前のアルミニウム素線である非圧縮アルミニウム素線11の伸び率が8%以上である。非圧縮アルミニウム素線11の伸び率とは、1本の非圧縮アルミニウム素線11の伸び率を意味する。非圧縮アルミニウム素線11の伸び率は、JIS C 3002に準拠して測定される。
非圧縮アルミニウム素線11の伸び率が上記範囲内にあると、アルミニウム圧縮電線1AがR0.1±0.01mmの非常に小さな曲率の角部に沿って屈曲しても断線頻度が小さくなりやすい。
<アルミニウム素線の材質>
圧縮撚線導体22(撚線導体20)を構成する圧縮アルミニウム素線12(アルミニウム素線10)は、アルミニウムと、アルミニウムとの間で金属間化合物を生成する固溶元素と、を含むアルミニウム含有金属からなる。
圧縮撚線導体22を構成するアルミニウム含有金属は、アルミニウムからなるアルミニウム微細結晶粒と、このアルミニウム微細結晶粒内に存在する第1のナノ粒子と、前記アルミニウム微細結晶粒の粒界に存在する第2のナノ粒子とを有する。第1のナノ粒子及び第2のナノ粒子は、それぞれ、上記金属間化合物からなる。
アルミニウム含有金属を構成するアルミニウム微細結晶粒の平均粒径は通常400~800nmである。ここで、アルミニウム微細結晶粒の平均粒径とは、切断法で算出した粒径を意味する。アルミニウム微細結晶粒の平均粒径が上記範囲内にあると、強度・伸びのバランス確保のため好ましい。
また、アルミニウム含有金属を構成する第1のナノ粒子の平均粒径は、通常50~300nmである。さらに、アルミニウム含有金属を構成する第2のナノ粒子の平均粒径は、通常200~500nmである。ここで、第1のナノ粒子及び第2のナノ粒子の平均粒径は、上記アルミニウム微細結晶粒の平均粒径と同様の方法で算出した粒径を意味する。第1のナノ粒子の平均粒径が上記範囲内にあると、強度向上のため好ましい。第2のナノ粒子の平均粒径が上記範囲内にあると、伸び向上のため好ましい。
上記金属間化合物を生成する固溶元素としては、例えば、鉄、マンガン、及びクロムからなる群より選択される1種以上の元素が用いられる。固溶元素がこれらの元素であると、圧縮撚線導体22の導体破断強度、非圧縮アルミニウム素線11の伸び率、及び圧着端子に対するアルミニウム圧縮電線1Aの固着力が大きくなりやすいため好ましい。上記導体破断強度、上記伸び率及び上記固着力が大きくなる理由は、アルミニウム含有金属中に第1のナノ粒子及び第2のナノ粒子が適量生成されるためであると推測される。
アルミニウム含有金属は、アルミニウム含有金属100質量%に対して、固溶元素を、例えば、0.1~10質量%、好ましくは0.3~5質量%含む。アルミニウム含有金属中の固溶元素の含有量が上記範囲内にあると、圧縮撚線導体22の導体破断強度、非圧縮アルミニウム素線11の伸び率、及び圧着端子に対するアルミニウム圧縮電線1Aの固着力が大きくなりやすいため好ましい。
(絶縁層)
絶縁層30は、圧縮撚線導体22(撚線導体20)の外周を被覆する層である。絶縁層30を構成する樹脂としては、特に限定されないが、例えば、架橋ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂;塩化ビニル等を用いることができる。
絶縁層30の厚さは、例えば160~250μm、好ましくは200~250μmである。絶縁層30の厚さが上記範囲内にあると、圧縮撚線導体22の導体破断強度、非圧縮アルミニウム素線11の伸び率、及び圧着端子に対するアルミニウム圧縮電線1Aの固着力が大きくなりやすいため好ましい。
(アルミニウム圧縮電線の固着力)
アルミニウム圧縮電線1Aは、例えば、図示しない端子を圧着して使用される。アルミニウム圧縮電線1Aへの端子の圧着方法としては、アルミニウム圧縮電線1Aから剥き出した撚線導体20のみへの端子の圧着、アルミニウム圧縮電線1Aから剥き出した撚線導体20と絶縁層30との両方への端子の圧着、等がある。
アルミニウム圧縮電線1Aのうち、少なくとも撚線導体20(圧縮撚線導体22)は、端子の圧着時に、端子との加締めにより撚線導体20が外周から圧縮される。このアルミニウム圧縮電線1Aへの端子の圧着時の撚線導体20の圧縮率を下記式(2)で表される第2の圧縮率CR[%]と定義する。第2の圧縮率CRは、例えば、アルミニウム圧縮電線1Aの撚線導体20(圧縮撚線導体22)を端子と加締めた場合の撚線導体の断面形状の変化に基づいて算出される圧縮率である。
[数3]
CR=(SC/SC)×100 (2)
(SC:アルミニウム圧縮電線への端子の圧着後の撚線導体の断面積[mm]、SC:アルミニウム圧縮電線への端子の圧着前の撚線導体の断面積[mm])
アルミニウム圧縮電線1Aは、第2の圧縮率CR[%]が80±1%になるように端子を圧着したとき、端子に対するアルミニウム圧縮電線1Aの固着力が50N以上であることが好ましい。ここで、固着力とは、端子を圧着した撚線導体20(圧縮撚線導体22)から端子を引っ張ったときに、圧縮撚線導体22が破断又は脱離するまでに測定された最大引張強度を意味する。固着力が50N以上であると、アルミニウム圧縮電線1Aに対して端子が実用上十分な圧着強度を満たすと推測される。
図5は、導体破断強度と、圧着端子に対するアルミニウム圧縮電線1Aの固着力と、の関係を示すグラフである。図5のグラフG1に示すように、圧縮撚線導体22の破断するまでの最大引張強度である導体破断強度X[MPa]と、圧縮撚線導体22の破断又は圧縮撚線導体22が端子から脱離するまでの最大引張強度である固着力Y[N]とは、直線関係を示す。具体的には、グラフG1は下記式(3)で示される。
[数4]
Y[N]=0.175X[MPa] (3)
このため、アルミニウム圧縮電線1Aの固着力をY[N]以上にすることを望む場合には、グラフG1を用いて固着力Y[N]以上に相当する領域にある導体破断強度X[MPa]以上の領域の特性を有するアルミニウム圧縮電線1Aを調製してもよい。図5では、固着力を50[N]が導体破断強度284[MPa]に対応している。このため、導体破断強度284[N]以上のアルミニウム圧縮電線1Aを調製すれば、固着力が50[N]以上になることが期待される。
<アルミニウム圧縮電線の作製時の断線頻度>
アルミニウム圧縮電線1Aは、アルミニウム圧縮電線1Aの作製時の断線頻度が、好ましくは70km/回以上、より好ましくは100[km/回]以上である。ここで、断線頻度は、アルミニウム圧縮電線1Aを作製する際の圧縮撚線導体22の断線頻度F[km/回]を意味する。
<アルミニウム圧縮電線の断線屈曲回数>
アルミニウム圧縮電線1Aは、撚線導体20(圧縮撚線導体22)の断線屈曲回数が、好ましくは5回以上である。
上記断線屈曲回数とは、アルミニウム圧縮電線1A(1)を、R0.1±0.01mmの90°角部を有する一対の固定チャック装置に挟持し、張力2Nで前記90°角部に沿って180°の屈曲角度で屈曲させたときの断線屈曲回数を意味する。
図6は、アルミニウム圧縮電線1の断線屈曲回数を測定する屈曲試験を説明する図である。初めに、アルミニウム圧縮電線1の一方端をR0.1±0.01mmの90°角部Rを有する一対の固定チャック装置52、52で挟持し、アルミニウム圧縮電線1の他方端を可動チャック装置51で挟持する。次に、アルミニウム圧縮電線1の張力を2Nに維持しながら可動チャック装置51を弧を描くように移動させる。これにより、アルミニウム圧縮電線1を固定チャック装置52、52のR0.1±0.01mmの90°角部Rに沿って開度180°でU字屈曲させる。U字屈曲により、アルミニウム圧縮電線1は、図6のアルミニウム圧縮電線1aと1bとの間の状態をとる。
図6に示す状態のアルミニウム圧縮電線1がアルミニウム圧縮電線1a及び1bの状態を経てアルミニウム圧縮電線1に戻るまでのサイクルを屈曲回数1回とする。U字屈曲を速度30[回/分]で繰り返し、アルミニウム圧縮電線1(1A)の撚線導体20(圧縮撚線導体22)が断線したときの屈曲回数を断線屈曲回数N回とする。
(効果)
アルミニウム圧縮電線1Aによれば、0.22sqの撚線導体の導体破断強度、アルミニウム素線の伸び率及び圧着端子に対するアルミニウム圧縮電線の固着力が大きいアルミニウム圧縮電線が得られる。
[ワイヤーハーネス]
実施形態に係るワイヤーハーネスは、上記アルミニウム圧縮電線1Aを備える。
実施形態に係るワイヤーハーネスによれば、0.22sqの撚線導体の導体破断強度、アルミニウム素線の伸び率及び圧着端子に対するアルミニウム圧縮電線の固着力が大きいワイヤーハーネスが得られる。
このように、本実施形態の態様に係るアルミニウム圧縮電線は、7本のアルミニウム素線の撚線が圧縮された圧縮撚線導体22からなり導体断面積0.22sqの撚線導体と、前記撚線導体の外周を被覆する絶縁層と、を備え、前記撚線導体は、下記式(1)で表される第1の圧縮率CR[%]が9~11%、導体破断強度が284MPa以上であり、
[数5]
CR={1-(Cmin/Bmax)}×100 (1)
(Cmin:圧縮撚線導体の最小外径[mm]、Bmax:非圧縮撚線導体の最大外径[mm])
前記アルミニウム素線の圧縮前のアルミニウム素線である非圧縮アルミニウム素線11は、伸び率が8%以上である。
本実施形態の態様に係るアルミニウム圧縮電線は、下記式(2)で表される第2の圧縮率CR[%]が80±1%になるように端子を圧着したとき、
[数6]
CR=(SC/SC)×100 (2)
(SC:アルミニウム圧縮電線への端子の圧着後の撚線導体の断面積[mm]、SC:アルミニウム圧縮電線への端子の圧着前の撚線導体の断面積[mm])
前記端子に対する前記アルミニウム圧縮電線の固着力が50N以上であってもよい。
本実施形態の態様に係るアルミニウム圧縮電線は、前記アルミニウム圧縮電線を、R0.1±0.01mmの90°角部を有する一対の固定チャック装置に挟持し、張力2Nで前記90°角部に沿って180°の屈曲角度で屈曲させたとき、前記撚線導体の断線頻度が70km/回以上であってもよい。
本実施形態の態様に係るアルミニウム圧縮電線は、前記撚線導体を構成するアルミニウム素線は、アルミニウムと、アルミニウムとの間で金属間化合物を生成する固溶元素と、を含むアルミニウム含有金属からなり、前記固溶元素は、鉄、マンガン、及びクロムからなる群より選択される1種以上の元素であってもよい。
本実施形態の態様に係るワイヤーハーネスは、上記アルミニウム圧縮電線を備える。
以下、本実施形態を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(電線の作製)
図1に示すアルミニウム圧縮電線1A(1)(試料No.A3)を作製した。
<非圧縮撚線導体の作製>
非圧縮アルミニウム素線11(アルミニウム素線10)として、断面形状が円形で平均直径0.2mmのアルミニウム素線を7本用意した。
次に、非圧縮アルミニウム素線11の7本を撚り合わせて図2に示す構造の非圧縮撚線導体21(撚線導体20)を作製した。
<圧縮撚線導体の作製>
非圧縮撚線導体21を、図3に示す圧縮力Fが働くように円形圧縮して、図1及び図3に示す構造の圧縮撚線導体22(撚線導体20)を作製した。具体的には、非圧縮撚線導体21を、下記式(1)で表される第1の圧縮率CR[%]が9%になるように圧縮して、圧縮撚線導体22を作製した。表1に、第1の圧縮率CRを示す。
[数7]
CR={1-(Cmin/Bmax)}×100 (1)
(Cmin:圧縮撚線導体の最小外径[mm]、Bmax:非圧縮撚線導体の最大外径[mm])
Figure 0007509812000001
<樹脂組成物の調製>
絶縁層30の原料となる樹脂組成物を調製した。具体的には、塩化ビニル樹脂100質量部、可塑剤30質量部、熱安定剤8質量部、補強剤5質量部、改質剤3質量部及び加工助剤0.5質量部を、オープンロールを用いて温度180℃で均一に溶融混練して、樹脂組成物を調製した。塩化ビニル樹脂、可塑剤、熱安定剤、補強剤、改質剤、及び加工助剤としては、以下のものを用いた。
・塩化ビニル樹脂:信越化学工業株式会社製ストリートポリマーTK-1300(平均重合度1300)
・可塑剤:ジェイプラス製TOTM(トリメリット酸トリス-2-エチルヘキシル)
・熱安定剤:株式会社ADEKA製非鉛系(Ca-Mg-Zn系)熱安定剤RUP-110
・補強剤:竹原化学工業株式会製炭酸カルシウム、商品名:NEOLIGHT SP
・改質剤:株式会社カネカ製カネエース B-564
・加工助剤:株式会社カネカ製カネエース PA-40
<アルミニウム圧縮電線の作製>
単軸押出機を用い、圧縮撚線導体22の外周を樹脂組成物が被覆するように圧縮撚線導体22と樹脂組成物とを同時押出しし、放冷したところ、図1に示す、絶縁層30の厚さが0.2mmのアルミニウム圧縮電線1Aが得られた。
(アルミニウム圧縮電線の評価)
<撚線導体の導体破断強度>
はじめに、アルミニウム圧縮電線1Aを構成する圧縮撚線導体22(撚線導体20)を用意した。次に、圧縮撚線導体22を用いJIS C 3002に準拠して試験を行い、圧縮撚線導体22が引張により破断するまでに測定された最大引張強度[MPa]を導体破断強度[MPa]とした。結果を表1に示す。
<アルミニウム素線の伸び率>
はじめに、アルミニウム圧縮電線1Aの原料である非圧縮アルミニウム素線11(アルミニウム素線10)を用意した。非圧縮アルミニウム素線11は断面形状が円形で平均直径0.2mmであった。次に、1本の非圧縮アルミニウム素線11を用いJIS C 3002に準拠して試験を行い、非圧縮アルミニウム素線11の伸び率[%]の最大値を測定した。結果を表1に示す。
<アルミニウム圧縮電線の作製時の断線頻度>
上記<アルミニウム圧縮電線の作製>に示す方法でアルミニウム圧縮電線1Aを作製する際の圧縮撚線導体22の断線頻度F[km/回]を測定した。
断線頻度は、100[km/回]以上を○(良好)、70[km/回]以上100[km/回]未満を△(可)、70[km/回]未満を×(不良)と評価した。結果を表1に示す。
<アルミニウム圧縮電線の固着力及び皮むき傷>
はじめに、アルミニウム圧縮電線1Aを構成する絶縁層30の皮むきを行い、圧縮撚線導体22(撚線導体20)を露出させた。このとき、圧縮撚線導体22の表面に、皮むき傷が生じているか否かを目視観察した。皮むき傷は、圧縮撚線導体22の表面に刃痕があるもの、素線切れが発生しているものを皮むき傷あり、圧縮撚線導体22の表面に刃痕がないもの、素線切れが発生していないものを皮むき傷なし、と評価した。結果を表1に示す。
次に、アルミニウム圧縮電線1Aの圧縮撚線導体22に端子を圧着した。圧縮撚線導体22への端子の圧着は、圧縮撚線導体22の下記式(2)で表される第2の圧縮率CR[%]が80%になるようにした。
[数8]
CR=(SC/SC)×100 (2)
(SC:アルミニウム圧縮電線への端子の圧着後の撚線導体の断面積[mm]、SC:アルミニウム圧縮電線への端子の圧着前の撚線導体の断面積[mm])
引張試験装置を用い、圧縮撚線導体22に端子を圧着したアルミニウム圧縮電線1Aの端子を引っ張って固着力[N]を測定した。固着力は、端子を圧着した圧縮撚線導体22から端子を引っ張ったときに、圧縮撚線導体22が破断又は脱離するまでに測定された最大引張強度とした。結果を表1に示す。
<アルミニウム圧縮電線の撚り崩れ>
はじめに、アルミニウム圧縮電線1A(1)を用意した。次に、アルミニウム圧縮電線1A(1)の絶縁体を取り除いた後、圧縮撚線導体22の外径を測定し、狙い値よりも+0.03mmを超えるものを撚り崩れあり、+0.03mm以内のものを撚り崩れなし、と評価した。結果を表1に示す。
<アルミニウム圧縮電線の断線屈曲回数>
はじめに、アルミニウム圧縮電線1A(1)を用意した。次に、図6に示す屈曲試験にアルミニウム圧縮電線1をセットした。具体的には、アルミニウム圧縮電線1の一方端をR0.1mmの90°角部Rを有する一対の固定チャック装置52、52で挟持し、アルミニウム圧縮電線1の他方端を可動チャック装置51で挟持した。さらに、アルミニウム圧縮電線1の張力を2Nに維持しながら可動チャック装置51を弧を描くように移動させることにより、アルミニウム圧縮電線1を固定チャック装置52、52のR0.1mmの90°角部Rに沿って開度180°でU字屈曲を繰り返した。U字屈曲の速度は、30[回/分]とした。
図6に示すように、アルミニウム圧縮電線1がアルミニウム圧縮電線1a及び1bの状態を経てアルミニウム圧縮電線1に戻るまでのサイクルを屈曲回数1回とした。U字屈曲を繰り返し、アルミニウム圧縮電線1の撚線導体20が断線したときの屈曲回数を断線屈曲回数とした。
[実施例2及び3、比較例1~6]
表0に示すアルミニウム含有金属を用いかつ表1に示す第1の圧縮率CRにした以外は実施例1と同様にして、アルミニウム圧縮電線1A(1)(試料No.A1、A2、A4~A10)を作製した。
(アルミニウム圧縮電線の評価)
実施例1と同様にして、撚線導体の導体破断強度、アルミニウム素線の伸び率、アルミニウム圧縮電線の固着力、及びアルミニウム圧縮電線の断線頻度を測定した。結果を表1に示す。
表0及び表1より、第1の圧縮率CRが小さいほど、導体破断強度固着力、断線頻度が良好になる傾向があり、撚り崩れ、皮むき傷が不良になる傾向があることが分かった。一方、第1の圧縮率CRが大きいほど、撚り崩れ、皮むき傷が良好になる傾向があり、導体破断強度固着力、断線頻度が不良になる傾向があることが分かった。このため、第1の圧縮率CRが9.0~11.0、特に9.0~10.0の範囲内にあると、導体破断強度断線頻度、固着力、撚り崩れ、及び皮むき傷の特性が良好であることが分かった。
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
1、1A アルミニウム圧縮電線
5、5A アルミニウム非圧縮電線
10 アルミニウム素線
11、11a、11b、11c、11d、11e、11f、11g 非圧縮アルミニウム素線
12、12a、12b、12c、12d、12e、12f、12g 圧縮アルミニウム素線
20 撚線導体
21 非圧縮撚線導体
22 圧縮撚線導体
30 絶縁層
51 可動チャック装置
52 固定チャック装置
R 90°角部

Claims (5)

  1. 7本のアルミニウム素線の撚線が圧縮された圧縮撚線導体からなり導体断面積0.22sqの撚線導体と、
    前記撚線導体の外周を被覆する絶縁層と、
    を備え、
    前記撚線導体は、下記式(1)で表される第1の圧縮率CR[%]が9~11%、導体破断強度が284MPa以上であり、
    [数1]
    CR={1-(Cmin/Bmax)}×100 (1)
    (Cmin:圧縮撚線導体の最小外径[mm]、Bmax:非圧縮撚線導体の最大外径[mm])
    前記アルミニウム素線は、圧縮前のアルミニウム素線である非圧縮アルミニウム素線の伸び率が8%以上であるアルミニウム圧縮電線。
  2. 下記式(2)で表される第2の圧縮率CR[%]が80±1%になるように端子を圧着したとき、
    [数2]
    CR=(SC/SC)×100 (2)
    (SC:アルミニウム圧縮電線への端子の圧着後の撚線導体の断面積[mm]、SC:アルミニウム圧縮電線への端子の圧着前の撚線導体の断面積[mm])
    前記端子に対する前記アルミニウム圧縮電線の固着力が50N以上である、請求項1に記載のアルミニウム圧縮電線。
  3. 前記アルミニウム圧縮電線の作製時の断線頻度が70km/回以上である、請求項1又は2に記載のアルミニウム圧縮電線。
  4. 前記撚線導体を構成するアルミニウム素線は、アルミニウムと、アルミニウムとの間で金属間化合物を生成する固溶元素と、を含むアルミニウム含有金属からなり、
    前記固溶元素は、鉄、マンガン、及びクロムからなる群より選択される1種以上の元素である、請求項1~3のいずれか一項に記載のアルミニウム圧縮電線。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載のアルミニウム圧縮電線を備えるワイヤーハーネス。
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