JP7497998B2 - 着色硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ及び固体撮像素子 - Google Patents

着色硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ及び固体撮像素子 Download PDF

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本発明は、着色硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ及び固体撮像素子に関する。
特許文献1には、赤色顔料、下記式で表される化合物を含む着色硬化性樹脂組成物が提案されている。
Figure 0007497998000001
Figure 0007497998000002
特開2016-11419号公報
カラーフィルタの製造工程において、現像後に残渣が低減され、高い残膜率が得られる着色硬化性樹脂組成物が求められている。
本発明の目的は、現像性が良好な着色硬化性樹脂組成物を提供することである。
本発明は、以下の着色硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ及び固体撮像素子を提供するものである。
[1] 着色剤(A)と、樹脂(B)と、重合性化合物(C)と、重合開始剤(D)とを含む着色硬化性樹脂組成物であって、前記着色剤(A)が、赤色顔料と、キサンテン染料と、アゾ染料とを含む、着色硬化性樹脂組成物。
[2] 前記アゾ染料は、式(I)で表される化合物を含む染料である、[1]に記載の着色硬化性樹脂組成物。
-N=N-B (I)
[式中、
は、置換基を有していてもよい炭素数6~10の1価の芳香族炭化水素基を表し、
は、置換基を有していてもよい炭素数6~14の1価の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数3~14の1価の複素環基を表し、該複素環基に含まれる-CH-は、-CO-に置き換わっていてもよい。]
[3] Aは、カルボキシ基、スルホ基、スルファモイル基及びN-置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を2種以上有するフェニル基、又はスルホ基、スルファモイル基及びN-置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を2種以上有するナフチル基である、[2]に記載の着色硬化性樹脂組成物。
[4] Bは、置換基を有していてもよい炭素数3~14の1価の複素環基を表し、該複素環基に含まれる-CH-は、-CO-に置き換わっていてもよい、[2]又は[3]に記載の着色硬化性樹脂組成物。
[5] 前記アゾ染料は、式(II)で表される化合物を含む染料である、[1]~[4]のいずれかに記載の着色硬化性樹脂組成物。
2a-N=N-A2a-O-CO-L-CO-O-A2b-N=N-B2b (II)
[式中、
2a及びA2bは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数6~10の芳香族炭化水素基を含む2価の基を表し、
2a及びB2bは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数6~14の1価の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数3~14の1価の複素環基を表し、該複素環基に含まれる-CH-は、-CO-に置き換わっていてもよく、
Lは、置換基を有していてもよい炭素数1~16の2価の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる-CH-は、-CO-又は-O-で置き換わっていてもよい。]
[6] A2a及びA2bは、それぞれ独立に、式(AII)で表される基である、[5]に記載の着色硬化性樹脂組成物。
*-A-SONR10- (AII
[式中、
は、置換基を有していてもよい炭素数6~10の2価の芳香族炭化水素基を表し、
10は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~16の1価の飽和炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数2~18のアシル基を表し、
は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~16の2価の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる-CH-は、-CO-又は-O-で置き換わっていてもよく、
*は窒素原子との結合手を表す。]
[7] B2a及びB2bは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数3~14の1価の複素環基を表し、該複素環基に含まれる-CH-は、-CO-に置き換わっていてもよい、[5]又は[6]に記載の着色硬化性樹脂組成物。
[8] 前記複素環基は、複数存在する場合はそれぞれ独立に、式(Ba)で表される基である、[4]又は[7]に記載の着色硬化性樹脂組成物。
Figure 0007497998000003
[式中、
及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1~16の1価の飽和炭化水素基を表し、
は、シアノ基、又は-CO-NRで表される基を表し、
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~10の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数1~8のアルコキシ基が置換している炭素数1~10の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数6~20のアリール基、炭素数7~20のアラルキル基又は炭素数2~10のアシル基を表し、
*は窒素原子との結合手を表す。]
[9] [1]~[8]のいずれか一項に記載の着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタ。
[10] [9]に記載のカラーフィルタを含む固体撮像素子。
本発明によれば、現像性が良好な着色硬化性樹脂組成物を提供することができる。
[赤色顔料]
着色剤(A)に含まれる赤色顔料は、580nm以下の波長域に極大吸収を有することが好ましく、480nm以上560nm以下の波長域に極大吸収を有することがより好ましい。また、前記赤色顔料は、610nm以上の波長域の光を透過するものであることが好ましい。
該赤色顔料としては、公知の顔料を使用することができ、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメントに分類されている顔料のうち、赤色に分類されるものが挙げられる。2種以上を組合せてもよい。
赤色顔料の中でも、アントラキノン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、ジケトピロロピロール顔料が好ましく、アントラキノン顔料及びジケトピロロピロール顔料がより好ましい。
具体的には、C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、179、180、192、208、209、215、216、224、242、254、255、264、265、266、268、269、273、及び特開2013-014750に記載の式(P)で表される化合物等が挙げられ、C.I.ピグメントレッド177、208、242、254、269、及び特開2013-014750に記載の式(P)で表される化合物が好ましく、C.I.ピグメントレッド177、254、及び特開2013-014750に記載の式(P)で表される化合物がより好ましい。
赤色顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基又は塩基性基が導入された顔料誘導体等を用いた表面処理、高分子化合物等による顔料表面へのグラフト処理、硫酸微粒化法等による微粒化処理、又は不純物を除去するための有機溶剤や水等による洗浄処理、イオン性不純物のイオン交換法等による除去処理等が施されていてもよい。赤色顔料の粒径は、それぞれ均一であることが好ましい。
着色剤(A)の赤色顔料の含有率は、着色剤(A)の総量を基準に、例えば10質量%以上99質量%以下であってよく、より好ましくは20質量%以上99質量%以下であり、さらに好ましくは40質量%以上90質量%以下であり、特に好ましくは50質量%以上90質量%以下であり、とりわけ好ましくは60質量%以上85質量%以下である。
着色硬化性樹脂組成物が、溶剤(E)を含む場合、予め顔料と溶剤(E)とを含む顔料分散液を調製した後、顔料分散液を使用して着色硬化性樹脂組成物を調製してもよい。顔料分散液は、着色硬化性樹脂組成物に含有される溶剤(E)の一部又は全部を含んでいてもよい。
顔料分散液中の固形分の含有率は、顔料分散液の総量に対して、好ましくは0.1質量%以上99.9質量%以下、より好ましくは1質量%以上90質量%以下であり、さらに好ましくは3質量%以上80%以下であり、特に好ましくは5質量%以上50質量%以下である。
顔料分散液中の顔料の含有率は、顔料分散液中の固形分の総量中、好ましくは0.01質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上99.9質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以上99質量%以下であり、特に好ましくは30質量%以上90質量%以下である。
本明細書において「顔料分散液中の固形分の総量」とは、顔料分散液から溶剤(E)を除いた成分の合計量をいう。
赤色顔料は、顔料分散剤を含有させて分散処理を行うことで、顔料分散剤溶液の中で均一に分散した状態の顔料分散液とすることができる。赤色顔料は、それぞれ単独で分散処理してもよいし、複数種を混合して分散処理してもよい。
顔料分散剤としては、界面活性剤等が挙げられ、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性のいずれの界面活性剤であってもよい。具体的にはポリエステル系、ポリアミン系及びアクリル系等の界面活性剤等が挙げられる。これらの顔料分散剤は、単独でも2種以上を組合せて用いてもよい。顔料分散剤としては、商品名でKP(信越化学工業(株)製)、フローレン(共栄社化学(株)製)、ソルスパース(ゼネカ(株)製)、EFKA(BASF(株)製)、アジスパー(味の素ファインテクノ(株)製)、Disperbyk(ビックケミー社製)、BYK(登録商標)(ビックケミー(株)製)等が挙げられる。
顔料分散剤を用いる場合、その使用量は、赤色顔料100質量部に対して、好ましくは100質量部以下であり、より好ましくは5質量部以上50質量部以下である。顔料分散剤の使用量が前記の範囲にあると、均一な分散状態の顔料分散液が得られる傾向がある。
本発明において、固形分の総量及びこれに対する各成分の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定することができる。
[キサンテン染料]
キサンテン染料は、分子内にキサンテン骨格を有する化合物を含む染料である。キサンテン染料としては、例えば、C.I.アシッドレッド51(以下、C.I.アシッドレッドの記載を省略し、番号のみの記載とする。他も同様である。)、52、87、92、94、289、388、C.I.アシッドバイオレット9、30、102、C.I.ベーシックレッド1(ローダミン6G)、2、3、4、8、C.I.ベーシックレッド10、11、C.I.ベーシックバイオレット10(ローダミンB)、11、C.I.ソルベントレッド218、C.I.モーダントレッド27、C.I.リアクティブレッド36(ローズベンガルB)、スルホローダミンG、特開2010-32999号公報に記載のキサンテン染料及び特許第4492760号公報に記載のキサンテン染料等が挙げられる。有機溶剤に溶解するものが好ましい。
これらの中でも、キサンテン染料としては、式(1a)で表される化合物(以下、「化合物(1a)」という場合がある。)を含む染料が好ましい。化合物(1a)は、その互変異性体であってもよい。化合物(1a)を用いる場合、キサンテン染料中の化合物(1a)の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。特に、キサンテン染料として、化合物(1a)のみを使用することが好ましい。式(1a)で表される化合物には、その互換異性体も含まれる。
Figure 0007497998000004
[式(1a)中、R1a~R4aは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数6~10の1価の芳香族炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-CO-又は-NR11a-で置き換わっていてもよい。R1a及びR2aは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、R3a及びR4aは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
5aは、ハロゲン原子、-OH、-SO 、-SOH、-SO Za、-COH、-CO Za、-CO8a、-SO8a又は-SONR9a10aを表す。
6a及びR7aは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表す。
mは、0~5の整数を表す。mが2以上のとき、複数のR5aは同一でも異なってもよい。
aは、0又は1の整数を表す。
Xaは、対イオンを表す。
Zaは、N(R11a、Na又はKを表し、4つのR11aは同一でも異なってもよい。
8aは、炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
9a及びR10aは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-CO-、-NH-又は-NR8a-で置き換っていてもよく、R9a及びR10aは、互いに結合して窒素原子を含んだ3~10員環の複素環を形成していてもよい。
11aは、水素原子、炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基又は炭素数7~10のアラルキル基を表す。]
式(1a)において、-SO が存在する場合、その数は1個である。
1a~R4aにおける炭素数6~10の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基、メシチル基、プロピルフェニル基及びブチルフェニル基等が挙げられる。
該芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、カルボキシ基、有機ケイ素基、-R8a、-OH、-OR8a、-SO 、-SOH、-SO Za、-COH、-CO8a、-SR8a、-SO8a、-SO8a、及び-SONR9a10aが挙げられる。これらの中でも、置換基としては、有機ケイ素基、-SO 、-SOH、-SO Za、-SONR9a10aが好ましく、有機ケイ素基、-SO Za及び-SONR9a10aがより好ましい。この場合の-SO Zaとしては、-SO N(R11aが好ましい。R1a~R4aがこれらの基であると、化合物(1a)を含む本発明の着色硬化性樹脂組成物からは、異物の発生が少なく、且つ耐熱性に優れるカラーフィルタを形成できる。有機ケイ素基とは、炭素-ケイ素結合を有する基を表す。
有機ケイ素基としては、例えば式(ii)で表される基であってよい。
-R50a-Si(R29a (ii)
[式中、R29aは、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1~4のアルキル基または炭素数1~4のアルコキシ基を表し、複数のR29aは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
50aは炭素数1~10のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基を構成する-CH-は、-O-、-CO-、-NR51a-、-OCO-、-COO-、-OCONH-、-CONH-または-NHCO-で置換されていてもよい。
51aは、水素原子又は炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基を表す。]
29aは好ましくは、ヒドロキシ基、炭素数1~4のアルコキシ基である。有機ケイ素基の具体例としては、シリルオキシ基、例えばトリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等が挙げられる。
式(ii)で表される基としては、例えば、下記式(ii-13)で表される基~式(ii-24)で表される基、式(i-1)表される基~式(i-12)で表される基が挙げられる。
Figure 0007497998000005
Figure 0007497998000006
式(ii)中、R50aを構成する-CH-が-O-で置換された基としては、例えば、下記で表される基が挙げられる(*は結合手を表す)。
Figure 0007497998000007
Figure 0007497998000008
式(ii)中、R50aを構成する-CH-が-CO-で置換された基としては、例えば、下記で表される基が挙げられる(*は結合手を表す)。
Figure 0007497998000009
Figure 0007497998000010
式(ii)中、R50aを構成する-CH-が-NR11-で置換された基としては、例えば、下記で表される基が挙げられる(*は結合手を表す)。
Figure 0007497998000011
Figure 0007497998000012
式(ii)中、R50aを構成する-CH-が-OCO-で置換された基としては、例えば、下記で表される基が挙げられる(*は結合手を表す)。
Figure 0007497998000013
Figure 0007497998000014
式(ii)中、R50aを構成する-CH-が-COO-で置換された基としては、例えば、下記で表される基が挙げられる(*は結合手を表す)。
Figure 0007497998000015
Figure 0007497998000016
式(ii)中、R50aを構成する-CH-が-OCONH-で置換された基としては、例えば、下記で表される基が挙げられる(*は結合手を表す)。
Figure 0007497998000017
Figure 0007497998000018
式(ii)中、R50aを構成する-CH-が-CONH-で置換された基としては、例えば、下記で表される基が挙げられる(*は結合手を表す)。
Figure 0007497998000019
Figure 0007497998000020
式(ii)中、R50aを構成する-CH-が-NHCO-で置換された基としては、例えば、下記で表される基が挙げられる(*は結合手を表す)。
Figure 0007497998000021
Figure 0007497998000022
1a~R4a及びR8a~R11aにおける炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、イコシル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2-エチルヘキシル基等の分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基等の炭素数3~20の脂環式飽和炭化水素基が挙げられる。
1a~R4aにおける該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、例えば、カルボキシ基、炭素数6~10の芳香族炭化水素基、有機ケイ素基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい。炭素数6~10の芳香族炭化水素基の例示は上記と同一である。有機ケイ素基の例示及び好ましい範囲は、上記と同一である。
9a及びR10aにおける該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、例えば、ヒドロキシ基、有機ケイ素基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい。炭素数6~10の芳香族炭化水素基の例示は上記と同一である。有機ケイ素基の例示及び好ましい範囲は、上記と同一である。
1a及びR2aが一緒になって形成する環、並びにR3a及びR4aが一緒になって形成する環としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 0007497998000023
-OR8aとしては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基及びイコシルオキシ基等が挙げられる。
-CO8aとしては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基及びイコシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
-SR8aとしては、例えば、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、ブチルスルファニル基、ヘキシルスルファニル基、デシルスルファニル基及びイコシルスルファニル基等が挙げられる。
-SO8aとしては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、デシルスルホニル基及びイコシルスルホニル基等が挙げられる。
-SO8aとしては、例えば、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、プロポキシスルホニル基、tert-ブトキシスルホニル基、ヘキシルオキシスルホニル基及びイコシルオキシスルホニル基等が挙げられる。
-SONR9a10aとしては、例えば、スルファモイル基;
N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N-プロピルスルファモイル基、N-イソプロピルスルファモイル基、N-ブチルスルファモイル基、N-tert-ブチルスルファモイル基、N-ペンチルスルファモイル基、NN-(1,1-ジメチルプロピル)スルファモイル基、N-(2,2-ジメチルプロピル)スルファモイル基、NN-(2-メチルブチル)スルファモイル基、N-シクロペンチルスルファモイル基、N-ヘキシルスルファモイル基、N-(1,3-ジメチルブチル)スルファモイル基、N-ヘプチルスルファモイル基、N-(1-メチルヘキシル)スルファモイル基、N-オクチルスルファモイル基、N-(2-エチルヘキシル)スルファモイル基、N-(1,1,2,2-テトラメチルブチル)スルファモイル基等のN-1置換スルファモイル基;
N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-エチルメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N,N-プロピルメチルスルファモイル基、N,N-イソプロピルメチルスルファモイル基、N,N-tert-ブチルメチルスルファモイル基、N,N-ブチルエチルスルファモイル基、N,N-ビス(1-メチルプロピル)スルファモイル基、N,N-ヘプチルメチルスルファモイル基等のN,N-2置換スルファモイル基等が挙げられる。
5aは、-COH、-CO Za、-CO8a、-SO 、-SO Za、-SOH又はSONHR9aが好ましく、SO 、-SO Za、-SOH又はSONHR9aがより好ましい。
mは、1~4が好ましく、1又は2がより好ましい。
6a及びR7aにおける炭素数1~6のアルキル基としては、上記で挙げたアルキル基のうち、炭素数1~6のものが挙げられる。
11aにおける炭素数7~10のアラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルブチル基等が挙げられる。
Zaは、N(R11a、Na又はKであり、好ましくはN(R11aである。
前記N(R11aとしては、4つのR11aのうち、少なくとも2つが炭素数5~20の1価の飽和炭化水素基であることが好ましい。また、4つのR11aの合計炭素数は20~80が好ましく、20~60がより好ましい。化合物(1a)中にN(R11aが存在する場合、R11aがこれらの基であると、化合物(1a)を含む本発明の着色硬化性樹脂組成物から、異物が少ないカラーフィルタを形成できる。
Xaで表される対イオンは、ハロゲン化物イオン、式(y1)および式(y2)で表される対イオンが挙げられる。
Figure 0007497998000024
[式(y1)において、RB1は、炭素数1~12のフッ化アルキル基を表す。
式(y2)において、RB2及びRB3は、それぞれ独立に、ハロゲン原子又は炭素数1~12のフッ化アルキル基を表す。]
ハロゲン化物イオンとしては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオンが挙げられる。
B1で表される炭素数1~12のフッ化アルキル基としては、具体的には、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1,1,2,2,2-ペンタフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、3-(トリフルオロメチル)-3,4,4,4-ペンタフルオロブチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec-ブチル基、ペルフルオロtert-ブチル基、ペルフルオロペンチル基及びペルフルオロヘキシル基が挙げられ、好ましくは水素原子が全てフッ素原子で置換された基が挙げられ、より好ましくは-CF、-CFCF、-CFCFCF、-CF(CF、-CFCFCFCF、-CFCF(CF、-C(CFが挙げられる。
B2及びRB3で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
B2及びRB3で表される炭素数1~12のフッ化アルキル基としては、RB1で表されるフッ化アルキル基と同じものが挙げられ、好ましくは-CF、-CFCF、-CFCFCF、-CF(CF、-CFCFCFCF、-CFCF(CF、-C(CFが挙げられる。
B2及びRB3は、互いに結合して-SO-N-SO-を含む環を形成してもよい。
化合物(1a)としては、式(2a)で表される化合物(以下「化合物(2a)」という場合がある。)が好ましい。化合物(2a)は、その互変異性体であってもよい。
Figure 0007497998000025
[式(2a)中、R21a~R24aは、それぞれ独立に、水素原子、-R26a、置換基を有していてもよい炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基、又は置換基を有していてもよい炭素数6~10の1価の芳香族炭化水素基を表す。R21a及びR22aは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、R23a及びR24aは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
25aは、ハロゲン原子、-SO 、-SOH、-SO Za1又は-SONHR26aを表す。
m1は、0~5の整数を表す。m1が2以上のとき、複数のR25aは同一でも異なってもよい。
a1は、0又は1の整数を表す。
Xa1は、対イオンを表す。
26aは、ハロゲン原子又はカルボキシ基を有していてもよい炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基を表す。
Za1は、N(R27a、Na又はKを表し、4つのR27aは同一でも異なってもよい。
27aは、炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基又はベンジル基を表す。]
21a~R24aにおける炭素数6~10の1価の芳香族炭化水素基としては、前記R1a~R4aの芳香族炭化水素基として挙げたものと同様の基が挙げられる。該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、有機ケイ素基、-SO 、-SOH、-SO Za1、-SO26a又は-SONHR26aで置換されていてもよい。
21a~R24aの組合せとしては、R21a及びR23aが、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~10の飽和炭化水素基(該飽和炭化水素基はハロゲン原子、有機ケイ素基又はカルボキシ基を有していてもよい。)であり、R22a及びR24aが炭素数6~10の1価の芳香族炭化水素基であって、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子が、有機ケイ素基、-SO 、-SOH、-SO Za1、-SO26a又は-SONHR26aで置換されているものが好ましい。さらに好ましい組合せは、R21a及びR23aが、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~8のアルキル基(該アルキル基はハロゲン原子、有機ケイ素基又はカルボキシ基を有していてもよい。)であり、R22a及びR24aが炭素数6~10の1価の芳香族炭化水素基であって、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子が、有機ケイ素基、-SO Za1又は-SONHR26aで置換されていているものである。R21a~R24aがこれらの基であると、化合物(2a)を含む本発明の着色硬化性樹脂組成物から、耐熱性に優れるカラーフィルタを形成できる。有機ケイ素基の例示及び好ましい範囲は、上述の式(1a)の説明における例示及び好ましい範囲と同じである。
21a~R24aにおける置換基を有していてもよい炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基としては、前記R1a~R4aの芳香族炭化水素基として挙げたものと同様の基が挙げられる。該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、有機ケイ素基、-SO 、-SOH、-SO Za1、-SO26a又は-SONHR26aで置換されていてもよい。有機ケイ素基の例示及び好ましい範囲は、上述の式(1a)の説明における例示及び好ましい範囲と同じである。
21a及びR22aが一緒になって形成する窒素原子を含む環、並びに、R23a及びR24aが一緒になって形成する窒素原子を含む環としては、R1a及びR2aが一緒になって形成する環と同様のものが挙げられる。中でも、脂肪族複素環が好ましい。該脂肪族複素環としては、例えば、下記のものが挙げられる。
Figure 0007497998000026
26a及びR27aにおける炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基としては、R8a~R11aで飽和炭化水素基として挙げたものと同様の基が挙げられる。
21a~R24aが-R26aである場合、-R26aは、それぞれ独立に、メチル基又はエチル基であることが好ましい。また、-SO26a及び-SONHR26aにおけるR26aとしては、炭素数3~20の分枝鎖状アルキル基が好ましく、炭素数6~12の分枝鎖状アルキル基がより好ましく、2-エチルヘキシル基がさらに好ましい。R26aがこれらの基であると、化合物(2a)を含む本発明の着色硬化性樹脂組成物から、異物の発生が少ないカラーフィルタを形成できる。
Za1は、N(R27a、Na又はKであり、好ましくはN(R27aである。
前記N(R27aとしては、4つのR27aのうち、少なくとも2つが炭素数5~20の1価の飽和炭化水素基であることが好ましい。また、4つのR27aの合計炭素数は20~80が好ましく、20~60がより好ましい。化合物(2a)中にN(R27aが存在する場合、R27aがこれらの基であると、化合物(2a)を含む本発明の着色硬化性樹脂組成物から、異物の発生が少ないカラーフィルタを形成できる。
m1は、1~4が好ましく、1又は2がより好ましい。
Xa1で表される対イオンは、上記Xaの説明における例示及び好ましい範囲と同じである。
また、化合物(1a)としては、式(3a)で表される化合物(以下「化合物(3a)」という場合がある。)も好ましい。化合物(3a)は、その互変異性体であってもよい。
Figure 0007497998000027
[式(3a)中、R31a及びR32aは、それぞれ独立に、炭素数1~10の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数6~10の芳香族炭化水素基、カルボキシ基、有機ケイ素基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、有機ケイ素基又は炭素数1~3のアルコキシ基で置換されていてもよく、前記飽和炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-CO-又は-NR11a-で置き換わっていてもよい。
33a及びR34aは、それぞれ独立に、有機ケイ素基、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルキルスルファニル基又は炭素数1~4のアルキルスルホニル基を表す。
31a及びR33aは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、R32a及びR34aは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
p及びqは、それぞれ独立に、0~5の整数を表す。pが2以上のとき、複数のR33aは同一でも異なってもよく、qが2以上のとき、複数のR34aは同一でも異なってもよい。
11aは、上記と同じ意味を表す。]
31a及びR32aにおける炭素数1~10の1価の飽和炭化水素基としては、R8aにおけるもののうち炭素数1~10の基が挙げられる。
置換基として有していてもよい炭素数6~10の芳香族炭化水素基としては、R1aにおけるものと同じ基が挙げられる。
炭素数1~3のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。
31a及びR32aは、それぞれ独立に、炭素数1~3の1価の飽和炭化水素基(該飽和炭化水素基はハロゲン原子又はカルボキシ基を有していてもよい)であることが好ましい。
有機ケイ素基の例示及び好ましい範囲は、上述の式(1a)の説明における例示及び好ましい範囲と同じである。
33a及びR34aにおける炭素数1~4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
33a及びR34aにおける炭素数1~4のアルキルスルファニル基としては、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、プロピルスルファニル基、ブチルスルファニル基及びイソプロピルスルファニル基等が挙げられる。
33a及びR34aにおける炭素数1~4のアルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基及びイソプロピルスルホニル基等が挙げられる。
33a及びR34aは、炭素数1~4のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
33a及びR34aにおける有機ケイ素基の例示及び好ましい範囲は、上述の式(1a)の説明における例示及び好ましい範囲と同じである。
p及びqは、0~2の整数が好ましく、0又は1が好ましい。
化合物(1a)としては、例えば、式(1-1)~式(1-97)で表される化合物が挙げられる。なお、式中、R40aは、炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基を表し、好ましくは炭素数6~12の分枝鎖状アルキル基、さらに好ましくは2-エチルヘキシル基である。R26aは、式(2a)におけるものと同じ意味を有する。
Figure 0007497998000028
Figure 0007497998000029
Figure 0007497998000030
Figure 0007497998000031
Figure 0007497998000032
Figure 0007497998000033
Figure 0007497998000034
Figure 0007497998000035
Figure 0007497998000036
Figure 0007497998000037
Figure 0007497998000038
Figure 0007497998000039
Figure 0007497998000040
Figure 0007497998000041
Figure 0007497998000042
Figure 0007497998000043
Figure 0007497998000044
Figure 0007497998000045
Figure 0007497998000046
上記化合物のうち、式(1-1)~式(1-14)、式(1-27)~式(1-75)及び式(1-92)~式(1-97)で表される化合物は化合物(2a)に相当し、式(1-15)~式(1-26)及び式(1-76)~式(1-91)で表される化合物は化合物(3a)に相当する。
これらの中でも、式(1-22)、式(1-34)、式(1-87)で表される化合物等が好ましい。
キサンテン染料は、市販されているキサンテン染料(例えば、中外化成(株)製の「Chugai Aminol Fast Pink R-H/C」、田岡化学工業(株)製の「Rhodamin 6G」)を用いることができる。また、市販されているキサンテン染料を出発原料として、特開2010-32999号公報を参考に合成することもできる。
着色剤(A)中のキサンテン染料の含有率は、着色剤(A)の総量を基準に、例えば1質量%以上90質量%以下であってよく、より好ましくは2質量%以上70質量%以下であり、さらに好ましくは3質量%以上50質量%以下であり、特に好ましくは4質量%以上40質量%以下であり、とりわけ好ましくは5質量%以上30質量%以下である。
[アゾ染料]
アゾ染料は、分子内にアゾ基(-N=N-)を有する化合物(以下、アゾ化合物ともいう)を含む染料であり、好ましくは芳香族炭化水素基及び複素環基の少なくとも一方を有するアゾ化合物を含む染料である。
本発明の好ましい実施態様では、アゾ染料は、式(I)で表される化合物(以下、化合物(I)ともいう)を含む。
-N=N-B (I)
[式中、
は、置換基を有していてもよい炭素数6~10の1価の芳香族炭化水素基を表し、
は、置換基を有していてもよい炭素数6~14の1価の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数3~14の1価の複素環基を表し、該複素環基に含まれる-CH-は、-CO-に置き換わっていてもよい。]
アゾ染料に含まれる化合物(I)は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
における炭素数6~10の1価の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、トルイル基、キシリル基、メシチル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基及びナフチル等が挙げられる。Aにおける炭素数6~10の1価の芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、例えばスルホ基、スルファモイル基、N-置換スルファモイル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、炭素数1~8のアルコキシ基、炭素数1~10のアルキルカルボニルオキシ基、及びハロゲン原子等が挙げられる。炭素数6~10の1価の芳香族炭化水素基が置換基を有する場合、置換基の数は、例えば1個でも2個でもよい。
N-置換スルファモイル基としては、-SONHR基、又は-SONR基が挙げられる。R及びRは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~16の1価の飽和炭化水素基、炭素数2~18のアシル基、炭素数6~20のアリール基又は炭素数7~20のアラルキル基を表す。
炭素数1~16の1価の飽和炭化水素基としては、例えば炭素数1~16の1価の飽和脂肪族炭化水素基又は飽和脂環式炭化水素基であってよい。飽和脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよい。飽和脂肪族炭化水素基の炭素数には置換基の炭素数は含まれず、その数は、通常、1~10、好ましくは1~8である。飽和脂肪族炭化水素基の例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、メチルブチル基(1,1,3,3-テトラメチルブチル基等)、メチルヘキシル基(1-メチルヘキシル基、1,5-ジメチルヘキシル基等)、エチルヘキシル基(2-エチルヘキシル基等)等の飽和脂肪族炭化水素基、及びシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基(2-メチルシクロヘキシル基等)、シクロヘキシルアルキル基等の飽和脂環式炭化水素基が挙げられる。該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1~8のアルコキシ基、炭素数1~10のアルキルカルボニルオキシ基、又はカルボキシ基で置換されていてもよい。炭素数1~8のアルコキシ基としては、プロポキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基等が挙げられる。炭素数1~10のアルキルカルボニルオキシ基としては、エチルカルボニルオキシ基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルカルボニルオキシ基などが挙げられる。なお、該飽和炭化水素基、及び該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる-CH-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、さらに、水素原子は芳香族炭化水素基を有するスルホニルアミノ基に置き換わっていてもよい。芳香族炭化水素基が、-N=N-Aを有する場合、化合物(I)は、2つのアゾ基を持つ化合物となり、後述の式(II)で表される化合物になってもよい。
炭素数6~20のアリール基は、無置換であってもよく、ハロゲン原子又はヒドロキシ基などの置換基を有していてもよい。アリール基の炭素数は、置換基の炭素数を含めて数えられ、通常、6~20、好ましくは6~10である。これらアリール基としては、例えばフェニル基、トルイル基、ヒドロキシフェニル基(4-ヒドロキシフェニル基など)、トリフルオロメチルフェニル基(4-トリフルオロメチルフェニル基等)等の置換又は無置換フェニル基などが挙げられる。
炭素数7~20のアラルキル基のアルキル部分は、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよい。アラルキル基の炭素数は、通常、7~20、好ましくは7~10である。該アラルキル基としては、ベンジル基、フェニルプロピル基(1-メチル-3-フェニルプロピル基等)、フェニルブチル基(3-アミノ-1-フェニルブチル基等)等のフェニルアルキル基が代表的である。
炭素数2~18のアシル基は、無置換であってもよく、飽和脂肪族炭化水素基、アルコキシ基などの置換基が結合していてもよい。アシル基の炭素数は、置換基の炭素数を含めて数えられ、その数は、通常、2~10、好ましくは6~10である。置換基を有していてもよい炭素数2~18のアシル基としては、例えばアセチル基、ベンゾイル基、メトキシベンゾイル基(p-メトキシベンゾイル基等)が挙げられる。
及びRは、色濃度、油溶性などをより一層高める観点から好ましくはメチルブチル基(1,1,3,3-テトラメチルブチル基等)、メチルへキシル基(1,5-ジメチルへキシル基等)、エチルへキシル基(2-エチルヘキシル基等)、メチルシクロへキシル基(2-メチルシクロヘキシル基等)、フェニルプロピル基(1-メチル-3-フェニルプロピル基等)、フェニルブチル基(3-アミノ-1-フェニルブチル基等)などの枝分かれ炭素を有する飽和脂肪族炭化水素基、又はアラルキル基である。
炭素数1~8のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基及びヘキシル基等が挙げられ、炭素数1~4のアルキル基が好ましく、メチル基及びエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
炭素数1~8のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基及びヘキシルオキシ基等が挙げられ、炭素数1~4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基及びエトキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子及び臭素原子が挙げられる。
は、好ましくはカルボキシ基、スルホ基、スルファモイル基及びN-置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を2種以上有するフェニル基、又はスルホ基、スルファモイル基及びN-置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を2種以上有するナフチル基であり、その例としては、スルホ基及びN-置換スルファモイル基の一方又は両方を有するフェニル基及びナフチル基、スルホ基のみ又はN-置換スルファモイル基のみを有するフェニル基及びナフチル基等が挙げられる。
N-置換スルファモイル基が存在する場合、化合物(I)は、水溶性及び油溶性の両方に優れ、色素としての有用性が高まる。Aが、1つのN-置換スルファモイル基を有するフェニル基又は2つのN-置換スルファモイル基を有するナフチル基であることが好ましく、1つのN-置換スルファモイル基を有するフェニル基であることが特に好ましい。
スルホ基を有するフェニル基の具体例として、スルホ基とカルボキシ基とを有するもの、即ちカルボキシ-スルホフェニル基(2-カルボキシ-4-スルホフェニルなど);スルホ基のみを有するもの、例えば1つのスルホ基を有するフェニル基(2-、3-又は4-スルホフェニル基)、2つのスルホ基を有するフェニル基(2,4-ジスルホフェニル基など);スルホ基と1種の他の置換基を有するもの、例えばメチル-スルホフェニル基(4-メチル-2-スルホフェニル基、4-メチル-3-スルホフェニル基、2-メチル-3-スルホフェニル基、2-メチル-5-スルホフェニル基など)、ジメチル-スルホフェニル基(4,6-ジメチル-2-スルホフェニル基、2,4-ジメチル-6-スルホフェニル基など)、メトキシ-スルホフェニル基(4-メトキシ-2-スルホフェニル基、4-メトキシ-3-スルホフェニル基、2-メトキシ-3-スルホフェニル基、2-メトキシ-4-スルホフェニル基など)、ヒドロキシ-スルホフェニル基(2-ヒドロキシ-3-スルホフェニル基、2-ヒドロキシ-4-スルホフェニル基、2-ヒドロキシ-5-スルホフェニル基など);及びスルホ基と2種以上の他の置換基を有するもの、例えばヒドロキシ-ニトロ-スルホフェニル基(2-ヒドロキシ-3-ニトロ-5-スルホフェニル基など)などが挙げられる。これらの中でも色濃度及び水溶性の観点から、1つのスルホ基を有するフェニル基(モノスルホフェニル基とも言う);スルホ基とヒドロキシ基を有するフェニル基;スルホ基とメチル基を有するフェニル基;及びスルホ基とメトキシ基を有するフェニル基が好ましく、3-スルホフェニル基、4-スルホフェニル基及び4-メチル-3-スルホフェニル基がより好ましく、4-スルホフェニル基が特に好ましい。
スルホ基を有するナフチル基の具体例として、1つのスルホ基を有するナフチル基(5-、6-、7-又は8-スルホ-2-ナフチル基、4-、5-、6-又は7-スルホ-1-ナフチル基など)、2つのスルホフェニル基を有するナフチル基(6,8-、4,8-、5,7-又は3,6-ジスルホ-2-ナフチル基、3,6-又は4,6-ジスルホ-1-ナフチル基など)、および3つのスルホ基を有するナフチル基(3,6,8-又は4,6,8-トリスルホ-2-ナフチル基など)などが挙げられる。これらの中でも、2つのスルホフェニル基を有するナフチル基(ジスルホナフチル基とも言う)が好ましく、ジスルホ-2-ナフチル基がより好ましく、6,8-ジスルホ-2-ナフチル基がさらに好ましい。
スルファモイル基又はN-置換スルファモイル基を有するフェニル又はナフチル基の例としては、スルホ基を有するフェニル又はナフチル基の例で、スルホ基をスルファモイル基又はN-置換スルファモイル基で置き換えたものが挙げられる。
における炭素数6~14の1価の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。該芳香族炭化水素基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。
における炭素数3~14の1価の複素環基としては、下記式で表される基等が挙げられる。式中、Rは、水素原子又は有機基を表す。
Figure 0007497998000047
Rで示される有機基としては、例えば、後述のRと同様の基が挙げられる。
炭素数6~14の1価の芳香族炭化水素基及び炭素数3~14の1価の複素環基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1~16の脂肪族炭化水素基、シアノ基、アミノ基又はN-置換アミノ基で置換されていてもよい。また、前記の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、オキソ基で置換されていてもよい。前記の複素環基に含まれる-CH-は、-CO-で置き換わっていてもよい。
N-置換アミノ基として、-NHR基及び-SONR基が挙げられる。R及びRは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1価の炭素数1~16の脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい1価の炭素数3~14の複素環基を表す。置換基を有していてもよい1価の炭素数1~16の脂肪族炭化水素基及び置換基を有していてもよい1価の炭素数3~14の複素環基としては、上記の複素環基として挙げた基と同じものが挙げられる。
は、好ましくは、置換基を有していてもよい炭素数3~14の1価の複素環基を表し、該複素環基に含まれる-CH-は、-CO-に置き換わっていてもよく、より好ましくは式(Ba)で表される基である。
Figure 0007497998000048
[式中、
及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1~16の1価の飽和炭化水素基を表し、
は、シアノ基、又は-CO-NRで表される基を表し、
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~10の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数1~8のアルコキシ基が置換している炭素数1~10の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数6~20のアリール基、炭素数7~20のアラルキル基又は炭素数2~10のアシル基を表し、
*は窒素原子との結合手を表す。]
及びRを表す炭素数1~16の1価の飽和炭化水素基の例示及び好ましい範囲としては、R及びRの説明における例示及び好ましい範囲と同じである。
としては、メチルブチル基(1,1,3,3-テトラメチルブチル基など)、メチルへキシル基(1,5-ジメチルへキシル基など)、エチルへキシル基(2-エチルヘキシル基など)、メチルシクロへキシル基(2-メチルシクロヘキシル基など)、アルコキシプロピル基(3-(2-エチルヘキシルオキシ)プロピル基など)などの分枝鎖状飽和炭化水素基が好ましい。
としては、メチル基が好ましい。
及びRの飽和脂肪族炭化水素基、アリール基、アラルキル基及びアシル基の例示及び好ましい範囲としては、R及びRの説明における例示及び好ましい範囲と同じである。色濃度を高めるには、R及びRの少なくとも一つ(好ましくは両方)に、炭素数が3以下の飽和脂肪族炭化水素基(例えば、メチル基、エチル基など、特にメチル基)か、水素原子を選択することが好ましい。また溶解性を高めるためには、R及びRの少なくとも一つに、アセチル基を選択することが好ましい。
の具体例としては下記式で表される構成単位が挙げられる。*は窒素原子との結合手を示す。
Figure 0007497998000049
式(I)のうちで、Aがスルホ基を有する場合の好ましい例としては、式(I-1)~(I-14)が挙げられる。
Figure 0007497998000050
式(I)のうちで、AがN-置換スルファモイル基を有する場合の好ましい例としては、式(I-15)~(I-18)が挙げられる。
Figure 0007497998000051
化合物(I)は、例えば特開2010-152160号公報、特開2012-031218号公報等に記載の方法で製造することができる。
本発明の別の好ましい実施態様では、アゾ染料は、式(II)で表される化合物を含む。
2a-N=N-A2a-O-CO-L-CO-O-A2b-N=N-B2b (II)
[式中、
2a及びA2bは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数6~10の芳香族炭化水素を含む2価の基を表し、
2a及びB2bは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数6~14の1価の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数3~14の1価の複素環基を表し、該複素環基に含まれる-CH-は、-CO-に置き換わっていてもよく、
Lは、置換基を有していてもよい炭素数1~16の2価の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる-CH-は、-CO-又は-O-で置き換わっていてもよい。]
アゾ染料に含まれる化合物(II)は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
2a及びA2bで表される構成単位における炭素数6~10の2価の芳香族炭化水素としては、ベンゼン及びナフタレン等が挙げられ、好ましくはベンゼンである。該芳香族炭化水素の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。該芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基の例示及び好ましい範囲としては、上述の式(I)のAにおける炭素数6~10の1価の芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基の例示及び好ましい範囲と同じである。
2a及びA2bにおける置換基を有していてもよい炭素数6~10の1価の芳香族炭化水素基の例示及び好ましい範囲は、上述のAで表される置換基を有していてもよい炭素数6~10の1価の芳香族炭化水素基の例示及び好ましい範囲と同じである。A2a及びA2bは、好ましくは式(AII)で表される基である。
*-A-SONR10- (AII
[式中、
は、置換基を有していてもよい炭素数6~10の2価の芳香族炭化水素基を表し、
10は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~16の1価の飽和炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数2~18のアシル基を表し、
は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~16の2価の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる-CH-は、-CO-又は-O-で置き換わっていてもよい。*は窒素原子との結合手を表す。]
における炭素数6~10の2価の芳香族炭化水素基としては、フェニレン基及びナフタレンジイル基等が挙げられ、好ましくはフェニレン基である。該芳香族炭化水素基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。該芳香族炭化水素基が有していてよい置換基の例示及び好ましい範囲は、上記Aの説明で述べた置換基の例示及び好ましい範囲と同じである。
10で表される炭素数1~16の1価の飽和炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数2~18のアシル基の例示及び好ましい範囲としては、上述のR及びRの説明において述べた例示及び好ましい範囲と同じである。
で表される炭素数1~16の2価の脂肪族炭化水素基の炭素数には置換基の炭素数は含まれず、その数は、好ましくは2~10、より好ましくは2~8である。炭素数1~16の2価の脂肪族炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロパンジイル基、ブタンジイル基、ペンタンジイル基、へキサンジイル基、ヘプタンジイル基、オクタンジイル基、デカンジイル基、テトラデカンジイル基及びヘキサデカンジイル基等の炭素数1~16のアルカンジイル基;-CH=CH-、-CH-C(=CH)-、-(CH-C(=CH)-等の炭素数1~16のアルケンジイル基等が挙げられる。
炭素数1~16の2価の脂肪族炭化水素基に含まれる-CH-は、-CO-又は-O-で置き換わっていてもよく、炭素数1~16の2価の脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい。
としては、-CH-が-O-で置換されていてもよい炭素数1~8のアルカンジイル基であることが好ましく、-CH-が-O-で置換されていてもよい炭素数5~7のアルカンジイル基であることがより好ましい。好ましい基としては、例えば、-(CH-、-(CH-O-(CH-、-(CH-O-(CH-O-(CH-及び-CH-CH(CH)-が挙げられる。
式(AII)で表される構成単位の具体例としては下記式で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0007497998000052
2a及びB2bの置換基を有していてもよい炭素数6~14の1価の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数3~14の1価の複素環基の例示及び好ましい範囲としては、上記のBにおける例示及び好ましい範囲と同じである。B2a及びB2bは、化合物の溶解性の観点から好ましくは上述の構成単位(Ba-3)である。
Lにおける置換基を有していてもよい炭素数1~16の2価の脂肪族炭化水素基には、置換基の炭素数は含まれず、その数は、好ましくは2~10、より好ましくは2~8である。炭素数1~16の2価の脂肪族炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロパンジイル基、ブタンジイル基[-(CH-]、ペンタンジイル基、へキサンジイル基、ヘプタンジイル基、オクタンジイル基、デカンジイル基、テトラデカンジイル基及びヘキサデカンジイル基等の炭素数1~16のアルカンジイル基;-CH=CH-、-CH-C(=CH)-、-(CH-C(=CH)-等の炭素数1~16のアルケンジイル基等が挙げられる。
炭素数1~16の2価の脂肪族炭化水素基に含まれる-CH-は、-CO-又は-O-で置き換わっていてもよく、炭素数1~16の2価の脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい。
式(II)で表される化合物の具体例としては下記の化合物が挙げられる。
Figure 0007497998000053
式(II)で表される化合物は、溶解性の観点から好ましくは式(II-1)~(II-22)で示される化合物であり、より好ましくは式(II-6)及び(II-16)で示される化合物である。
化合物(II)の製造し易さの観点から好ましくはB2a及びB2bが同じ種類の基であり、さらに、A2a及びA2bがそれぞれ同じ種類の基であることがより好ましい。
また、化合物(II)は、式(II-C)で表される化合物と、式(II-D)で表される化合物及び式(II-D’)で表される化合物とを、カップリング反応させることにより製造できる。式(II-C)で表される化合物の塩と、式(II-D)で表される化合物及び式(II-D’)で表される化合物とを、例えば水性溶媒中20~60℃で反応させることにより、化合物(II)を製造することができる。
Figure 0007497998000054
[式(II-C)、式(II-D)及び(II-D’)中、A2a、A2b、B2a、B2b、Lは上記と同じ意味を表す。
は、無機アニオン又は有機アニオンを表す。]
前記の無機アニオン又は有機アニオンとしては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、次亜塩素酸イオン、CH-COO、Ph-COOなどが挙げられ、好ましくは塩化物イオン、臭化物イオン、CH-COOが挙げられる。
着色剤(A)中のアゾ染料の含有率は、着色剤(A)の総量を基準に、例えば1質量%以上90質量%以下であってよく、より好ましくは2質量%以上70質量%以下であり、さらに好ましくは3質量%以上50質量%以下であり、特に好ましくは4質量%以上40質量%以下であり、とりわけ好ましくは5質量%以上30質量%以下である。
化合物(II)は、例えば特開2012-031218号公報、特開2009-013112号公報等に記載の方法で製造することができる。
<着色剤(A)>
着色剤(A)中の赤色顔料、キサンテン染料及びアゾ染料の合計含有率は、着色剤(A)の総量を基準に、例えば50質量%以上100質量%以下であってよく、好ましくは60質量%以上100質量%、より好ましくは80質量%以上100質量%以下である。
着色剤(A)中の赤色顔料とキサンテン染料との割合は、例えば1:99~99:1であってよく、好ましくは10:90~95:5、より好ましくは30:70~95:15、さらに好ましくは70:30~95:15である。
着色剤(A)中の赤色顔料とアゾ染料との割合は、例えば1:99~99:1であってよく、好ましくは10:90~95:5、より好ましくは30:70~90:10、さらに好ましくは70:30~90:10である。
着色剤(A)中のキサンテン染料とアゾ染料との割合は、例えば1:99~99:1であってよく、好ましくは10:90~90:10、より好ましくは30:70~70:30、さらに好ましくは40:60~60:40である。
着色硬化性樹脂組成物における着色剤(A)の含有率は、着色硬化性樹脂組成物中の固形分の総量に対して、好ましくは5質量%以上80質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上70質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以上60質量%以下ある。着色剤(A)の含有率が前記の範囲内であると、所望とする分光や色濃度を得ることができる。
本明細書において「着色硬化性樹脂組成物中の固形分の総量」とは、着色硬化性樹脂組成物から溶剤(E)を除いた成分の合計量をいう。
着色剤(A)は、赤色顔料、キサンテン染料及びアゾ染料以外の着色剤[以下、着色剤(A1)ともいう]を更に含んでいてもよい。
着色剤(A1)は、上述の染料以外の染料及び上述の赤色顔料以外の顔料からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてよい。
着色剤(A1)に含まれる染料としては、公知の染料を使用することができ、溶剤染料、酸性染料、直接染料、媒染染料等が挙げられ、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でソルベント、アシッド、ベーシック、リアクティブ、ダイレクト、ディスパース、モルダント、又はバット等の染料に分類されている化合物や、染色ノート(色染社)に記載されている公知の染料が挙げられる。染料は、所望するカラーフィルタの分光スペクトルに合わせて適宜選択すればよい。これらの染料は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。染料は、有機溶剤可溶性染料が好ましい。
染料の具体例としては、C.I.ソルベントイエロー4(以下、C.I.ソルベントイエロー等の記載を省略し、番号のみの記載とする。)、14、15、23、24、38、62、63、68、82、94、98、99、117、162、163、167、189;
C.I.ソルベントレッド45、49、111、125、130、143、145、146、150、151、155、168、169、172、175、181、207、218、222、227、230、245、247;
C.I.ソルベントオレンジ2、7、11、15、26、56、77、86;
C.I.ソルベントバイオレット11、13、14、26、31、36、37、38、45、47、48、51、59、60;
C.I.ソルベントブルー4、5、14、18、35、36、37、45、58、59、59:1、63、67、68、69、70、78、79、83、90、94、97、98、100、101、102、104、105、111、112、122、128、132、136、139;
C.I.ソルベントグリーン1、3、4、5、7、28、29、32、33、34、35等のC.I.ソルベント染料、
C.I.アシッドイエロー1、3、7、9、11、17、23、25、29、34、36、38、40、42、54、65、72、73、76、79、98、99、111、112、113、114、116、119、123、128、134、135、138、139、140、144、150、155、157、160、161、163、168、169、172、177、178、179、184、190、193、196、197、199、202、203、204、205、207、212、214、220、221、228、230、232、235、238、240、242、243、251;
C.I.アシッドレッド1、4、8、14、17、18、26、27、29、31、33、34、35、37、40、42、44、50、51、52、57、66、73、76、80、87、88、91、92、94、95、97、98、103、106、111、114、129、133、134、138、143、145、150、151、155、158、160、172、176、182、183、195、198、206、211、215、216、217、227、228、249、252、257、258、260、261、266、268、270、274、277、280、281、289、308、312、315、316、339、341、345、346、349、382、383、388、394、401、412、417、418、422、426;
C.I.アシッドオレンジ6、7、8、10、12、26、50、51、52、56、62、63、64、74、75、94、95、107、108、169、173;
C.I.アシッドバイオレット6B、7、9、15、16、17、19、21、23、24、25、30、34、38、49、72、102;
C.I.アシッドブルー1、3、5、7、9、11、13、15、17、18、22、23、24、25、26、27、29、34、38、40、41、42、43、45、48、51、54、59、60、62、70、72、74、75、78、80、82、83、86、87、88、90、90:1、91、92、93、93:1、96、99、100、102、103、104、108、109、110、112、113、117、119、120、123、126、127、129、130、131、138、140、142、143、147、150、151、154、158、161、166、167、168、170、171、175、182、183、184、187、192、199、203、204、205、210、213、229、234、236、242、243、256、259、267、269、278、280、285、290、296、315、324:1、335、340;
C.I.アシッドグリーン1、3、5、6、7、8、9、11、13、14、15、16、22、25、27、28、41、50、50:1、58、63、65、80、104、105、106、109等のC.I.アシッド染料、
C.I.ダイレクトイエロー2、33、34、35、38、39、43、47、50、54、58、68、69、70、71、86、93、94、95、98、102、108、109、129、136、138、141;
C.I.ダイレクトレッド79、82、83、84、91、92、96、97、98、99、105、106、107、172、173、176、177、179、181、182、184、204、207、211、213、218、220、221、222、232、233、234、241、243、246、250;
C.I.ダイレクトオレンジ26、34、39、41、46、50、52、56、57、61、64、65、68、70、96、97、106、107;
C.I.ダイレクトバイオレット47、52、54、59、60、65、66、79、80、81、82、84、89、90、93、95、96、103、104;
C.I.ダイレクトブルー1、2、3、6、8、15、22、25、28、29、40、41、42、47、52、55、57、71、76、77、78、80、81、84、85、86、90、93、94、95、97、98、99、100、101、106、107、108、109、113、114、115、117、119、120、137、149、150、153、155、156、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、170、171、172、173、188、189、190、192、193、194、195、196、198、199、200、201、202、203、207、209、210、212、213、214、222、225、226、228、229、236、237、238、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、256、257、259、260、268、274、275、293;
C.I.ダイレクトグリーン25、27、31、32、34、37、63、65、66、67、68、69、72、77、79、82等のC.I.ダイレクト染料、
C.I.ディスパースイエロー51、54,76;
C.I.ディスパースバイオレット26、27;
C.I.ディスパースブルー1、14、56、60等のC.I.ディスパース染料、
C.I.ベーシックレッド1、10;
C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、19、21、22、24、25、26、28、29、40、41、45、47、54、58、59、60、64、65、66、67、68、81、83、88、89;
C.I.ベーシックバイオレット2;
C.I.ベーシックレッド9;
C.I.ベーシックグリーン1等のC.I.ベーシック染料、
C.I.リアクティブイエロー2、76、116;
C.I.リアクティブオレンジ16;
C.I.リアクティブレッド36等のC.I.リアクティブ染料、
C.I.モーダントイエロー5、8、10、16、20、26、30、31、33、42、43、45、56、61、62、65;
C.I.モーダントレッド1、2、3、4、9、11、12、14、17、18、19、22、23、24、25、26、27、29、30、32、33、36、37、38、39、41、42、43、45、46、48、52、53、56、62、63、71、74、76、78、85、86、88、90、94、95;
C.I.モーダントオレンジ3、4、5、8、12、13、14、20、21、23、24、28、29、32、34、35、36、37、42、43、47、48;
C.I.モーダントバイオレット1、1:1、2、3、4、5、6、7、8、10、11、14、15、16、17、18、19、21、22、23、24、27、28、30、31、32、33、36、37、39、40、41、44、45、47、48、49、53、58;
C.I.モーダントブルー1、2、3、7、8、9、12、13、15、16、19、20、21、22、23、24、26、30、31、32、39、40、41、43、44、48、49、53、61、74、77、83、84;
C.I.モーダントグリーン1、3、4、5、10、13、15、19、21、23、26、29、31、33、34、35、41、43、53等のC.I.モーダント染料、C.I.バットグリーン1等のC.I.バット染料等が挙げられる。
また、染料としては、化学構造によれば、アントラキノン染料、テトラアザポルフィリン染料、トリアリールメタン系染料、シアニン染料、トリフェニルメタン染料、フタロシアニン染料、ナフトキノン染料、キノンイミン染料、メチン染料、アゾメチン染料、スクワリリウム染料、アクリジン染料、スチリル染料、クマリン染料、キノリン染料、ニトロ染料等が挙げられる。
着色剤(A1)に含まれる顔料としては、有機顔料、無機顔料が挙げられ、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメントに分類されている化合物が挙げられる。顔料は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、180、185、194、214等の黄色顔料;
C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73等のオレンジ色の顔料;
C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265等の赤色顔料;
C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、21、28、60、64および76等の青色顔料
;C.I.ピグメントバイオレット1、14、19、23、29、32、33、36、37、38等のバイオレット色顔料;
C.I.ピグメントグリーン7、10、15、25、36、47、58、59等の緑色顔料;
C.I.ピグメントブラウン23、25、28等のブラウン色顔料;
C.I.ピグメントブラック1、7等の黒色顔料等が挙げられる。
着色剤(A)が着色剤(A1)を含む場合、着色剤(A)中の着色剤(A1)の含有率は、着色剤(A)の固形分の総量を基準に、例えば0.1質量%以上99.9質量%以下であってよく、より好ましくは1質量%以上50質量%以下である。
<樹脂(B)>
樹脂(B)は、特に限定されないが、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。樹脂(B)としては、以下の樹脂[K1]~[K6]等が挙げられる。
樹脂[K1];不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種(a)(以下「(a)」という場合がある)に由来する構造単位と、炭素数2~4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b)(以下「(b)」という場合がある)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K2];(a)に由来する構造単位と(b)に由来する構造単位と、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)及び(b)とは異なる。)(以下「(c)」という場合がある)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K3];(a)に由来する構造単位と(c)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K4];(a)に由来する構造単位に(b)を付加させた構造単位と(c)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K5];(b)に由来する構造単位に(a)を付加させた構造単位と(c)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K6];(b)に由来する構造単位に(a)を付加させ、カルボン酸無水物をさらに付加させた構造単位と(c)に由来する構造単位とを有する共重合体。
(a)としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、o-、m-、p-ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸類;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3-ビニルフタル酸、4-ビニルフタル酸、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、1、4-シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和ジカルボン酸類;
メチル-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸、5-カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-5-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-6-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物類;
無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3-ビニルフタル酸無水物、4-ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6-ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン無水物等の不飽和ジカルボン酸類無水物;
こはく酸モノ〔2-(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2-(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸の不飽和モノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル類;
α-(ヒドロキシメチル)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシ基を含有する不飽和アクリレート類等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性の点や得られる樹脂のアルカリ水溶液への溶解性の点から、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等が好ましい。
(b)は、例えば、炭素数2~4の環状エーテル構造(例えば、オキシラン環、オキセタン環及びテトラヒドロフラン環からなる群から選ばれる少なくとも1種)とエチレン性不飽和結合とを有する重合性化合物をいう。(b)は、炭素数2~4の環状エーテルと(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体が好ましい。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」等の表記も、同様の意味を有する。
(b)としては、例えば、オキシラニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b1)(以下「(b1)」という場合がある)、オキセタニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b2)(以下「(b2)」という場合がある)、テトラヒドロフリル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b3)(以下「(b3)」という場合がある)等が挙げられる。
(b1)としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の脂肪族不飽和炭化水素がエポキシ化された構造を有する単量体(b1-1)(以下「(b1-1)」という場合がある)、脂環式不飽和炭化水素がエポキシ化された構造を有する単量体(b1-2)(以下「(b1-2)」という場合がある)が挙げられる。
(b1-1)としては、グリシジル(メタ)アクリレート、β-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、β-エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、p-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-p-ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3-ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4-ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,5-ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,6-ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,4-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,5-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,6-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、3,4,5-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4,6-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン等が挙げられる。
(b1-2)としては、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、1,2-エポキシ-4-ビニルシクロヘキサン(例えば、セロキサイド2000;(株)ダイセル製)、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマーA400;(株)ダイセル製)、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマーM100;(株)ダイセル製)、式(B-I)で表される化合物及び式(B-II)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0007497998000055
[式(B-I)及び式(B-II)中、R及びRは、水素原子、又は炭素数1~4のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。
及びXは、単結合、*-R-、*-R-O-、*-R-S-又は*-R-NH-を表す。
は、炭素数1~6のアルカンジイル基を表す。
*は、Oとの結合手を表す。]
炭素数1~4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
水素原子がヒドロキシで置換されたアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、1-ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシエチル基、1-ヒドロキシプロピル基、2-ヒドロキシプロピル基、3-ヒドロキシプロピル基、1-ヒドロキシ-1-メチルエチル基、2-ヒドロキシ-1-メチルエチル基、1-ヒドロキシブチル基、2-ヒドロキシブチル基、3-ヒドロキシブチル基、4-ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
及びRとしては、好ましくは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、1-ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシエチル基が挙げられ、より好ましくは水素原子、メチル基が挙げられる。
アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基等が挙げられる。
及びXとしては、好ましくは単結合、メチレン基、エチレン基、*-CH-O-及び*-CHCH-O-が挙げられ、より好ましくは単結合、*-CH-O-が挙げられる(*はOとの結合手を表す)。
式(B-I)で表される化合物としては、式(B-I-1)~式(B-I-15)のいずれかで表される化合物等が挙げられる。中でも、式(B-I-1)、式(B-I-3)、式(B-I-5)、式(B-I-7)、式(B-I-9)又は式(B-I-11)~式(B-I-15)で表される化合物が好ましく、式(B-I-1)、式(B-I-7)、式(B-I-9)又は式(B-I-15)で表される化合物がより好ましい。
Figure 0007497998000056
Figure 0007497998000057
式(B-II)で表される化合物としては、式(B-II-1)~式(B-II-15)のいずれかで表される化合物等が挙げられる。中でも、式(B-II-1)、式(B-II-3)、式(B-II-5)、式(B-II-7)、式(B-II-9)又は式(B-II-11)~式(B-II-15)で表される化合物が好ましく、式(B-II-1)、式(B-II-7)、式(B-II-9)又は式(B-II-15)で表される化合物がより好ましい。
Figure 0007497998000058
Figure 0007497998000059
式(B-I)で表される化合物及び式(B-II)で表される化合物は、それぞれ単独で用いても、2種以上を併用してもよい。式(B-I)で表される化合物及び式(B-II)で表される化合物を併用する場合、これらの含有比率〔式(B-I)で表される化合物:式(B-II)で表される化合物〕はモル基準で、好ましくは5:95~95:5、より好ましくは20:80~80:20である。
(b2)としては、オキセタニル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。(b2)としては、3-メチル-3-メタクリルロイルオキシメチルオキセタン、3-メチル-3-アクリロイルオキシメチルオキセタン、3-エチル-3-メタクリロイルオキシメチルオキセタン、3-エチル-3-アクリロイルオキシメチルオキセタン、3-メチル-3-メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3-メチル-3-アクリロイルオキシエチルオキセタン、3-エチル-3-メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3-エチル-3-アクリロイルオキシエチルオキセタン等が挙げられる。
(b3)としては、テトラヒドロフリル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。(b3)としては、具体的には、テトラヒドロフルフリルアクリレート(例えば、ビスコートV#150、大阪有機化学工業(株)製)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等が挙げられる。
(b)としては、得られるカラーフィルタの耐熱性、耐薬品性等の信頼性をより高くすることができる点で、(b1)であることが好ましい。さらに、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性が優れるという点で、(b1-2)がより好ましい。
(c)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8
-イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート」といわれている。また、「トリシクロデシル(メタ)アクリレート」という場合がある。)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン-8-イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート」といわれている。)、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、プロパルギル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-(2’-ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジ(2’-ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシ-5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシ-5-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシメチル-5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-tert-ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ビス(tert-ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ビス(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン等のビシクロ不飽和化合物類;
N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-スクシンイミジル-3-マレイミドベンゾエート、N-スクシンイミジル-4-マレイミドブチレート、N-スクシンイミジル-6-マレイミドカプロエート、N-スクシンイミジル-3-マレイミドプロピオネート、N-(9-アクリジニル)マレイミド等のジカルボニルイミド誘導体類;
スチレン、α-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ビニルトルエン、p-メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性及び耐熱性の点から、スチレン、ビニルトルエン、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン等が好ましい。
樹脂[K1]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K1]を構成する全構造単位中、
(a)に由来する構造単位;2~60モル%
(b)に由来する構造単位;40~98モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位;10~50モル%
(b)に由来する構造単位;50~90モル%
であることがより好ましい。
樹脂[K1]の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性、着色パターンを形成する際の現像性、及び得られるカラーフィルタの耐溶剤性に優れる傾向がある。
樹脂[K1]は、例えば、文献「高分子合成の実験法」(大津隆行著 発行所(株)化学同人 第1版第1刷 1972年3月1日発行)に記載された方法及び当該文献に記載された引用文献を参考にして製造することができる。
具体的には、(a)及び(b)の所定量、重合開始剤及び溶剤等を反応容器中に入れて、例えば、窒素により酸素を置換することにより、脱酸素雰囲気にし、攪拌しながら、加熱及び保温する方法が挙げられる。なお、ここで用いられる重合開始剤及び溶剤等は、特に限定されず、当該分野で通常使用されているものを使用することができる。例えば、重合開始剤としては、アゾ化合物(2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等)や有機過酸化物(ベンゾイルペルオキシド等)が挙げられ、溶剤としては、各モノマーを溶解するものであればよく、本発明の着色硬化性樹脂組成物の溶剤(E)として後述する溶剤等が挙げられる。
なお、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。特に、この重合の際に溶剤として、本発明の着色硬化性樹脂組成物に含まれる溶剤を使用することにより、反応後の溶液をそのまま本発明の着色硬化性樹脂組成物の調製に使用することができるため、本発明の着色硬化性樹脂組成物の製造工程を簡略化することができる。
樹脂[K2]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K2]を構成する全構造単位中、
(a)に由来する構造単位;2~45モル%
(b)に由来する構造単位;2~95モル%
(c)に由来する構造単位;1~65モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位;5~40モル%
(b)に由来する構造単位;5~80モル%
(c)に由来する構造単位;5~60モル%
であることがより好ましい。
樹脂[K2]の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性、着色パターンを形成する際の現像性、並びに、得られるカラーフィルタの耐溶剤性、耐熱性及び機械強度に優れる傾向がある。
樹脂[K2]は、例えば、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造することができる。
樹脂[K3]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K3]を構成する全構造単位中、
(a)に由来する構造単位;2~60モル%
(c)に由来する構造単位;40~98モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位;10~50モル%
(c)に由来する構造単位;50~90モル%
であることがより好ましい。
樹脂[K3]は、例えば、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造することができる。
樹脂[K4]は、(a)と(c)との共重合体を得て、(b)が有する炭素数2~4の環状エーテルを(a)が有するカルボン酸及び/又はカルボン酸無水物に付加させることにより製造することができる。
まず(a)と(c)との共重合体を、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造する。この場合、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K3]で挙げたものと同じ比率であることが好ましい。
次に、前記共重合体中の(a)に由来するカルボン酸及び/又はカルボン酸無水物の一部に、(b)が有する炭素数2~4の環状エーテルを反応させる。
(a)と(c)との共重合体の製造に引き続き、フラスコ内雰囲気を窒素から空気に置換し、(b)、カルボン酸又はカルボン酸無水物と環状エーテルとの反応触媒(例えばトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等)及び重合禁止剤(例えばハイドロキノン等)等をフラスコ内に入れて、例えば、60~130℃で、1~10時間反応することにより、樹脂[K4]を製造することができる。
(b)の使用量は、(a)100モルに対して、5~80モルが好ましく、より好ましくは10~75モルである。この範囲にすることにより、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性、パターンを形成する際の現像性、並びに、得られるパターンの耐溶剤性、耐熱性、機械強度及び感度のバランスが良好になる傾向がある。環状エーテルの反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、樹脂[K4]に用いる(b)としては(b1)が好ましく、さらに(b1-1)が好ましい。
前記反応触媒の使用量は、(a)、(b)及び(c)の合計量100質量部に対して0.001~5質量部が好ましい。前記重合禁止剤の使用量は、(a)、(b)及び(c)の合計量100質量部に対して0.001~5質量部が好ましい。
仕込方法、反応温度及び時間等の反応条件は、製造設備や重合による発熱量等を考慮して適宜調整することができる。なお、重合条件と同様に、製造設備や重合による発熱量等を考慮し、仕込方法や反応温度を適宜調整することができる。
樹脂[K5]は、第一段階として、上述した樹脂[K1]の製造方法と同様にして、(b)と(c)との共重合体を得る。上記と同様に、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。
(b)及び(c)に由来する構造単位の比率は、前記の共重合体を構成する全構造単位の合計モル数に対して、それぞれ、
(b)に由来する構造単位;5~95モル%
(c)に由来する構造単位;5~95モル%
であることが好ましく、
(b)に由来する構造単位;10~90モル%
(c)に由来する構造単位;10~90モル%
であることがより好ましい。
さらに、樹脂[K4]の製造方法と同様の条件で、(b)と(c)との共重合体が有する(b)に由来する環状エーテルに、(a)が有するカルボン酸又はカルボン酸無水物を反応させることにより、樹脂[K5]を得ることができる。
前記の共重合体に反応させる(a)の使用量は、(b)100モルに対して、5~80モルが好ましい。環状エーテルの反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、樹脂[K5]に用いる(b)としては(b1)が好ましく、さらに(b1-1)が好ましい。
樹脂[K6]は、樹脂[K5]に、さらにカルボン酸無水物を反応させた樹脂である。環状エーテルとカルボン酸又はカルボン酸無水物との反応により発生するヒドロキシ基に、カルボン酸無水物を反応させる。
カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3-ビニルフタル酸無水物、4-ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6-ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン無水物等が挙げられる。カルボン酸無水物の使用量は、(a)の使用量1モルに対して、0.5~1モルが好ましい。
樹脂(B)としては、具体的に、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂[K1];グリシジル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、グリシジル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸/N-シクロヘキシルマレイミド共重合体、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸/N-シクロヘキシルマレイミド/2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、3-メチル-3-(メタ)アクリルロイルオキシメチルオキセタン/(メタ)アクリル酸/スチレン共重合体等の樹脂[K2];ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂[K3];ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂等の樹脂[K4];トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂等の樹脂[K5];トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂にさらにテトラヒドロフタル酸無水物を反応させた樹脂等の樹脂[K6]等が挙げられる。
中でも、樹脂(B)としては、樹脂[K1]及び樹脂[K2]が好ましく、樹脂[K2]が特に好ましい。
樹脂(B)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは3,000~100,000であり、より好ましくは5,000~50,000であり、さらに好ましくは5,000~30,000である。分子量が前記の範囲内にあると、カラーフィルタの硬度が向上し、残膜率が高く、未露光部の現像液に対する溶解性が良好で、着色パターンの解像度が向上する傾向がある。
樹脂(B)の分散度[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1~6であり、より好ましくは1.2~4である。
樹脂(B)の酸価は、固形分換算で、好ましくは50~170mg-KOH/gであり、より好ましくは60~150mg-KOH/gであり、さらに好ましくは70~135mg-KOH/gである。ここで酸価は樹脂(B)1gを中和するために必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、例えば水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
樹脂(B)の含有率は、固形分の総量に対して、好ましくは7~65質量%であり、より好ましくは13~60質量%であり、さらに好ましくは17~55質量%である。樹脂(B)の含有率が、前記の範囲内にあると、着色パターンが形成でき、また着色パターンの解像度及び残膜率が向上する傾向がある。
<重合性化合物(C)>
重合性化合物(C)は、重合開始剤(D)から発生した活性ラジカル及び/又は酸によって重合しうる化合物であり、例えば、重合性のエチレン性不飽和結合を有する化合物等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物である。
中でも、重合性化合物(C)は、エチレン性不飽和結合を3つ以上有する重合性化合物であることが好ましい。このような重合性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、トリス(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
中でも、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましい。
重合性化合物(C)の重量平均分子量は、好ましくは150以上2,900以下、より好ましくは250以上1,500以下である。
重合性化合物(C)の含有率は、固形分の総量に対して、7~65質量%であることが好ましく、より好ましくは13~60質量%であり、さらに好ましくは17~55質量%である。重合性化合物(C)の含有率が、前記の範囲内にあると、着色パターン形成時の残膜率及びカラーフィルタの耐薬品性が向上する傾向がある。
<重合開始剤(D)>
重合開始剤(D)は、光や熱の作用により活性ラジカル、酸等を発生し、重合を開始しうる化合物であれば特に限定されることなく、公知の重合開始剤を用いることができる。活性ラジカルを発生する重合開始剤としては、例えば、アルキルフェノン化合物、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、O-アシルオキシム化合物及びビイミダゾール化合物が挙げられる。
前記O-アシルオキシム化合物は、式(d1)で表される部分構造を有する化合物である。以下、*は結合手を表す。
Figure 0007497998000060
前記O-アシルオキシム化合物としては、例えば、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)ブタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-3-シクロペンチルプロパン-1-オン-2-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタン-1-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-{2-メチル-4-(3,3-ジメチル-2,4-ジオキサシクロペンタニルメチルオキシ)ベンゾイル}-9H-カルバゾール-3-イル]エタン-1-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-3-シクロペンチルプロパン-1-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-3-シクロペンチルプロパン-1-オン-2-イミン等が挙げられる。イルガキュアOXE01、OXE02(以上、BASF社製)、N-1919(ADEKA社製)等の市販品を用いてもよい。中でも、O-アシルオキシム化合物は、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)ブタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン及びN-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-3-シクロペンチルプロパン-1-オン-2-イミンからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミンがより好ましい。これらのO-アシルオキシム化合物であると、高明度なカラーフィルタが得られる傾向にある。
前記アルキルフェノン化合物は、式(d2)で表される部分構造又は式(d3)で表される部分構造を有する化合物である。これらの部分構造中、ベンゼン環は置換基を有していてもよい。
Figure 0007497998000061
式(d2)で表される部分構造を有する化合物としては、例えば、2-メチル-2-モルホリノ-1-(4-メチルスルファニルフェニル)プロパン-1-オン、2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-2-ベンジルブタン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]ブタン-1-オン等が挙げられる。イルガキュア369、907、379(以上、BASF社製)等の市販品を用いてもよい。
式(d3)で表される部分構造を有する化合物としては、例えば、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4-イソプロペニルフェニル)プロパン-1-オンのオリゴマー、α,α-ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
感度の点で、アルキルフェノン化合物としては、式(d2)で表される部分構造を有する化合物が好ましい。
前記トリアジン化合物としては、例えば、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシナフチル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-ピペロニル-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシスチリル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(5-メチルフラン-2-イル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(フラン-2-イル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(4-ジエチルアミノ-2-メチルフェニル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(3,4-ジメトキシフェニル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン等が挙げられる。
前記アシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。イルガキュア(登録商標)819(BASF社製)等の市販品を用いてもよい。
前記ビイミダゾール化合物としては、例えば、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(2,3-ジクロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール(例えば、特開平6-75372号公報、特開平6-75373号公報等参照。)、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(ジアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール(例えば、特公昭48-38403号公報、特開昭62-174204号公報等参照。)、4,4’5,5’-位のフェニル基がカルボアルコキシ基により置換されているイミダゾール化合物(例えば、特開平7-10913号公報等参照)等が挙げられる。
さらに重合開始剤(D)としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’-テトラ(tert-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;9,10-フェナンスレンキノン、2-エチルアントラキノン、カンファーキノン等のキノン化合物;10-ブチル-2-クロロアクリドン、ベンジル、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物等が挙げられる。これらは、後述の重合開始助剤(D1)(特にアミン類)と組み合わせて用いることが好ましい。
酸発生剤としては、例えば、4-ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムp-トルエンスルホナート、4-ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4-アセトキシフェニルジメチルスルホニウムp-トルエンスルホナート、4-アセトキシフェニル・メチル・ベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムp-トルエンスルホナート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムp-トルエンスルホナート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等のオニウム塩類や、ニトロベンジルトシレート類、ベンゾイントシレート類等が挙げられる。
重合開始剤(D)としては、アルキルフェノン化合物、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、O-アシルオキシム化合物及びビイミダゾール化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む重合開始剤が好ましく、O-アシルオキシム化合物を含む重合開始剤がより好ましい。
重合開始剤(D)の含有量は、樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1~30質量部であり、より好ましくは1~20質量部である。重合開始剤(D)の含有量が、前記の範囲内にあると、高感度化して露光時間が短縮される傾向があるためカラーフィルタの生産性が向上する。
<溶剤(E)>
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、1種又は2種以上の溶剤(E)を含むことが好ましい。溶剤(E)としては、エステル溶剤(-COO-を含む溶剤)、エステル溶剤以外のエーテル溶剤(-O-を含む溶剤)、エーテルエステル溶剤(-COO-と-O-とを含む溶剤)、エステル溶剤以外のケトン溶剤(-CO-を含む溶剤)、アルコール溶剤、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤及びジメチルスルホキシド等が挙げられる。
エステル溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2-ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノールアセテート及びγ-ブチロラクトン等が挙げられる。
エーテル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3-メトキシ-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチルブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アニソール、フェネトール及びメチルアニソール等が挙げられる。
エーテルエステル溶剤としては、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシプロピオン酸メチル、2-メトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシプロピオン酸プロピル、2-エトキシプロピオン酸メチル、2-エトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-エトキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、3-メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート及びジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
ケトン溶剤としては、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、アセトン、2-ブタノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、4-メチル-2-ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン及びイソホロン等が挙げられる。
アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリン等が挙げられる。芳香族炭化水素溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン及びメシチレン等が挙げられる。アミド溶剤としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド及びN-メチルピロリドン等が挙げられる。
溶剤(E)は、塗布性、乾燥性の点から、1atmにおける沸点が120℃以上180℃以下である有機溶剤を含むことが好ましい。中でも、溶剤(E)は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3-エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、3-メトキシブチルアセテート、3-メトキシ-1-ブタノール、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン及びN,N-ジメチルホルムアミドからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、3-メトキシブチルアセテート、3-メトキシ-1-ブタノール及び3-エトキシプロピオン酸エチルからなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。
溶剤(E)の含有量は、着色硬化性樹脂組成物中、好ましくは70質量%以上95質量%以下であり、より好ましくは75質量%以上92質量%以下である。言い換えると、着色硬化性樹脂組成物の固形分は、好ましくは5質量%以上30質量%以下、より好ましくは8質量%以上25質量%以下である。溶剤(E)の含有量が上記範囲にあると、塗布時の平坦性が良好になり、またカラーフィルタを形成した際に色濃度が不足しないために表示特性が良好となる傾向がある。
<レベリング剤(F)>
本発明の硬化性樹脂組成物は、1種又は2種以上のレベリング剤(F)を含むことができる。レベリング剤(F)としては、(フッ素原子を有しない)シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。これらは、側鎖に重合性基を有していてもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH8400(商品名:東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF-4446、TSF4452及びTSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、分子内にフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、フロラード(登録商標)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同F554、同R30、同RS-718-K(DIC(株)製)、エフトップ(登録商標)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S381、同S382、同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)及びE5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)等が挙げられる。
フッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合及びフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、メガファック(登録商標)R08、同BL20、同F475、同F477及び同F443(DIC(株)製)等が挙げられる。
レベリング剤(F)の含有量は、硬化性樹脂組成物中、通常0.001質量%以上0.6質量%以下であり、好ましくは0.002質量%以上0.4質量%以下、より好ましくは0.005質量%以上0.2質量%以下である。なお、この含有量に、上記顔料分散剤の含有量は含まれない。
<その他の成分>
着色硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、充填剤、樹脂(B)以外の高分子化合物、酸化防止剤、重合開始助剤、密着促進剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、有機酸、有機アミン化合物、硬化剤等の添加剤を1種又は2種以上含有することができる。
<着色硬化性樹脂組成物の製造方法>
本発明の硬化性樹脂組成物は、着色剤(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C)及び重合開始剤(D)、並びに必要に応じて、溶剤(E)、レベリング剤(F)、その他の成分を混合することにより調製できる。
<カラーフィルタ及びその製造方法、カラーフィルタ並びに固体撮像素子>
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、カラーフィルタの材料として有用である。本発明の着色硬化性樹脂組成物から形成されたカラーフィルタもまた、本願発明の範疇に入る。カラーフィルタは、着色パターンを形成していてもよい。
本発明の着色硬化性樹脂組成物から着色パターンを製造する方法としては、フォトリソグラフ法、インクジェット法、印刷法等が挙げられ、好ましくはフォトリソグラフ法である。フォトリソグラフ法は、着色硬化性樹脂組成物を基板に塗布し、乾燥させて着色組成物層を形成し、フォトマスクを介して該着色組成物層を露光して、現像する方法である。フォトリソグラフ法において、露光の際にフォトマスクを用いないこと、及び/又は現像しないことにより、上記着色組成物層の硬化物である着色塗膜を形成することができる。本発明の着色硬化性樹脂組成物から形成した着色パターンや着色塗膜が本発明のカラーフィルタである。本発明に係るカラーフィルタは、典型的には着色画素として用いられる。
基板としては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミナケイ酸塩ガラス、表面をシリカコートしたソーダライムガラス等のガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂板、シリコン、上記基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜等を形成したものが用いられる。これらの基板上には、別のカラーフィルタ層、樹脂層、トランジスタ、回路、透明電極等が形成されていてもよい。
フォトリソグラフ法による着色画素の形成は、公知又は慣用の装置や条件で行うことができ、例えば次のようにして作製することができる。まず、着色硬化性樹脂組成物を基板上に塗布し、加熱乾燥(プリベーク)及び/又は減圧乾燥することにより溶剤等の揮発成分を除去して乾燥させ、平滑な着色組成物層を得る。塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法、スリット アンド スピンコート法等が挙げられる。
加熱乾燥を行う場合の温度としては、30℃以上120℃以下が好ましく、50℃以上110℃以下がより好ましい。また加熱時間としては、10秒間~5分間が好ましく、30秒間~3分間がより好ましい。減圧乾燥を行う場合は、50Pa以上150Pa以下の圧力下、20℃以上25℃以下の温度範囲で行うことが好ましい。着色組成物層の膜厚は、特に限定されず、目的とするカラーフィルタの膜厚に応じて適宜選択すればよい。
次に、着色組成物層は、目的の着色パターンを形成するためのフォトマスクを介して露光される。該フォトマスク上のパターンは特に限定されず、目的とする用途に応じたパターンが用いられる。露光に用いられる光源としては、250nm以上450nm以下の波長の光を発生する光源が好ましい。例えば、350nm未満の光を、この波長域をカットするフィルタを用いてカットしたり、436nm付近、408nm付近、365nm付近の光を、これらの波長域を取り出すバンドパスフィルタを用いて選択的に取り出したりしてもよい。具体的には、光源としては、水銀灯、発光ダイオード、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ等が挙げられる。
露光には、露光面全体に均一に平行光線を照射することや、フォトマスクと着色組成物層が形成された基板との正確な位置合せを行うことができるため、マスクアライナ及びステッパ等の露光装置を使用することが好ましい。
露光後の着色組成物層を現像液に接触させて現像することにより、基板上に着色パターンが形成される。現像により、着色組成物層の未露光部が現像液に溶解して除去される。
現像液は、例えば、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等のアルカリ性化合物の水溶液であることが好ましい。これらのアルカリ性化合物の水溶液中の濃度は、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは0.03質量%以上5質量%以下である。さらに、現像液は、界面活性剤を含んでいてもよい。
現像方法は、パドル法、ディッピング法及びスプレー法等のいずれでもよい。さらに現像時に基板を任意の角度に傾けてもよい。現像後は、水洗することが好ましい。
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、基材上において、着色組成物層の未露光部が現像液に溶解して除去された部分の残渣が少ない。
さらに、得られた着色パターンに、ポストベークを行うことが好ましい。ポストベーク温度としては、100℃以上250℃以下が好ましく、150℃以上240℃以下がより好ましい。ポストベーク時間としては、1~60分間が好ましく、3~30分間がより好ましい。
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、露光前[加熱乾燥(プリベーク)及び/又は減圧乾燥後]の着色組成物層の膜厚に対する露光、現像及びポストベーク後の着色組成物層の膜厚の割合が高く、例えば50%以上であってよい。
カラーフィルタの膜厚は隣接画素との色分離性に影響するため、薄いことが好ましい。カラーフィルタの膜厚は、1.0μm以下であることが好ましく、0.1μm以上0.9μm以下であることがより好ましく、0.2μm以上0.8μm以下であることがより好ましい。上記カラーフィルタは、優れた現像性を示すことができるので、固体撮像素子の材料として優れている。
また、表示装置に本発明のカラーフィルタを用いる場合、その膜厚は、3μm以下であることが好ましく、2.8μm以下であることがより好ましい。カラーフィルタの膜厚の下限は特に限定されないが、通常1μm以上であり、1.5μm以上であってもよい。表示装置としては、液晶表示装置、有機EL装置、電子ペーパー等が挙げられる。
本発明の固体撮像素子は、前述の本発明のカラーフィルタを含む。本発明の固体撮像素子の構成としては、本発明におけるカラーフィルタを含む構成であり、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、以下のような構成が挙げられる。固体撮像素子としては、CCDイメージセンサー及びCMOSイメージセンサー等が挙げられる。
支持体上に、固体撮像素子の受光エリアを構成する複数のフォトダイオードおよびポリシリコン等からなる転送電極を有し、前記フォトダイオードおよび前記転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口したタングステン等からなる遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面およびフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、前記デバイス保護膜上に、本発明の固体撮像素子用カラーフィルタを有する構成である。
さらに、上記デバイス保護層上であってカラーフィルタの下(支持体に近い側)に集光手段を有する構成や、カラーフィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。集光手段としては、マイクロレンズ等が挙げられる。
本発明に係るカラーフィルタは、表示装置及び固体撮像素子に用いられ、特に、固体撮像素子に用いられるカラーフィルタとして有用である。
以下、本発明の硬化性樹脂組成物について、具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」をそれぞれ意味する。また特に断らない限り反応は窒素雰囲気下にて行った。
以下において、化合物の構造は質量分析(LC;Agilent製1200型、MASS;Agilent製LC/MSD型)で確認した。
樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の測定は、GPC法により以下の条件で行った。
装置 ;HLC-8120GPC(東ソー(株)製)
カラム ;TSK-GELG2000HXL
カラム温度 ;40℃
溶媒 ;THF
流速 ;1.0mL/min
被検液固形分濃度;0.001~0.01質量%
注入量 ;50μL
検出器 ;RI
校正用標準物質 ;TSK STANDARD POLYSTYRENE
F-40、F-4、F-288、A-2500、A-500
(東ソー(株)製)
上記で得られたポリスチレン換算の重量平均分子量及び数平均分子量の比(Mw/Mn)を分散度とした。
樹脂の固形分換算での酸価は、樹脂を含む溶液について水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより、樹脂1gを中和するのに必要な水酸化カリウムの量(mg)を求めた値とした。
[合成例1]
特開2012-31218号公報の実施例1の記載に従い、式(I-14)で示される化合物を得た。
Figure 0007497998000062
[合成例2]
特開2012-31218号公報の実施例1の記載に従い、染料(イ)を得た。
Figure 0007497998000063
染料(イ)中の、式(II-6)で表される化合物及び式(II-16)で表される化合物の含有量比は、液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、特開2012-31218号に記載の方法に従い測定した結果、式(II-6)で表される化合物/式(II-16)で表される化合物=44.7/55.3であった。
[合成例3]
特開2009-013112号公報の実施例4の記載に従い、式(II-23)で示される化合物を得た。
Figure 0007497998000064
[合成例4]
特開2017-226814号公報の実施例2に記載の方法に従い、式(1-87)で表される化合物を得た。
Figure 0007497998000065
[合成例5]
特開2016-11419号の段落0142に記載の方法に従い、下記式で表される化合物を得た。
Figure 0007497998000066
[合成例6]
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を適量流し窒素雰囲気に置換し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート340部を入れ、攪拌しながら80℃まで加熱した。次いで、アクリル酸57部、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イルアクリレート及び3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-9-イルアクリレートの混合物(含有比はモル比で1:1)54部、ベンジルメタクリレート239部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート73部の混合溶液を5時間かけて滴下した。一方、重合開始剤2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)40部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート197部に溶解した溶液を6時間かけて滴下した。開始剤溶液の滴下終了後、80℃で3時間保持した後、室温まで冷却して、B型粘度計(23℃)で測定した粘度137mPas、固形分36.8重量%の共重合体(樹脂B1)溶液を得た。生成した共重合体の重量平均分子量Mwは1.0×10、分散度は1.97、固形分換算の酸価は111mg-KOH/gであった。樹脂B1は、以下の構造単位を有する。
Figure 0007497998000067
[合成例7]
冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、式(A0-1)で表される化合物及び式(A0-2)表される化合物の混合物(商品名Chugai Aminol Fast Pink R;中外化成製)を15部、クロロホルム150部及びN,N-ジメチルホルムアミド8.9部を投入し、攪拌下20℃以下を維持しながら、塩化チオニル10.9部を滴下して加えた。滴下終了後、50℃に昇温し、同温度で5時間維持して反応させ、その後20℃に冷却した。冷却後の反応溶液を、攪拌下20℃以下に維持しながら、該反応溶液に2-エチルヘキシルアミン12.5部及びトリエチルアミン22.1部の混合液を滴下して加えた。その後、同温度で5時間攪拌して反応させた。次いで得られた反応混合物をロータリーエバポレーターで溶媒留去した後、溶媒留去した反応混合物にメタノールを少量加えて激しく攪拌した。得られた混合物を、イオン交換水375部の混合液中に攪拌しながら加えて、結晶を析出させた。析出した結晶を濾別し、イオン交換水でよく洗浄し、60℃で減圧乾燥して、式(A1-1)で表される化合物を得た。
Figure 0007497998000068

Figure 0007497998000069
<顔料分散液の調製>
赤色顔料としてのC.I.ピグメントレッド254を110部と、アクリル系顔料分散剤(固形分換算)33部と、[合成例6]で得られた樹脂B1(固形分換算)38部と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート534部と、プロピレングリコールモノメチルエーテル80部とを混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させることにより、C.I.ピグメントレッド254を含有する顔料分散液1を得た。
[実施例1]
[着色硬化性樹脂組成物の調製]
上記顔料分散液1、合成例2で得られたアゾ染料、合成例4で得られたキサンテン染料、樹脂(B)を含む樹脂溶液、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)、溶剤(E)、レベリング剤(F)を、以下の部数となるように混合して着色硬化性樹脂組成物を得た。
・着色剤(A):
C.I.ピグメントレッド254: 110部
[合成例2]で得られたアゾ染料: 14部
[合成例4]で得られたキサンテン染料: 14部
・樹脂(B)
[合成例6]で得られた樹脂B1:(固形分換算) 60部
・重合性化合物(C)
ジペンタエリスリトールポリアクリレート(新中村化学工業(株)製A9550):
40部
・重合開始剤(D):
N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン(イルガキュア(登録商標)OXE-01;BASF社製;オキシム化合物): 4部
・溶剤(E):
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート: 1726部
プロピレングリコールモノメチルエーテル: 547部
ジアセトンアルコール: 192部
・レベリング剤(F):
ポリエーテル変性シリコーンオイル(固形分換算): 0.1部
(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製)
得られた着色硬化性樹脂組成物について、下記の方法により、その評価を行った。
<カラーフィルタ(着色パターン)の形成>
4インチシリコンウエハ上に、平坦化膜用レジスト液FDER-HQ2(富士薬品工業製)をスピンコートで塗布し、100℃のオーブンで3分間加熱処理した。さらに、230℃のオーブンにて10分間加熱処理することにより硬化させて平坦化膜を形成した。
各着色硬化性樹脂組成物を、スピンコート法にて上記平坦化膜上に塗布した後、ホットプレートで80℃120秒間加熱処理(プリベーク)を行い、着色組成物層を形成した。冷却後、着色組成物層の膜厚を膜厚測定装置(OPTM-A3;大塚電子(株)製))を用いて測定し、FA(μm)とした。
次いで、該着色組成物層に、i線ステッパーNSR-1755i7A[ニコン(株)製]を使用して、2.0μm角の正方形パターンが形成されるフォトマスクを用いて露光量2000mJ/cmの露光を行った。
露光後の着色組成物層を0.1%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で23℃90秒間パドル法により現像し、さらに純水にて30秒間水洗を行った。
次いで、ホットプレートで230℃600秒間加熱処理(ポストベーク)を行い、カラーフィルタ(着色パターン)を形成した。カラーフィルタの膜厚を走査型電子顕微鏡(日立ハイテク社製「S-4000」)を用いて測定し、FB(μm)とした。
<残膜率の算出>
残膜率(%)=[FB(μm)/FA(μm)]×100
<残渣評価>
得られたガラス基板上の残渣は、以下のように評価した。
○:残渣が確認されなかった。×:残渣が確認された。
現像装置で未露光部を洗い流した後、現像された平坦化膜表面を走査型電子顕微鏡(日立ハイテク社製「S-4000」)を用いて観察して評価を行った。
○:残渣無し
×:残渣有り
結果を表3に示す。
[実施例2]
合成例2で得られたアゾ染料に代えて合成例1で得られたアゾ染料を用いたこと以外は実施例1と同様にして着色硬化性樹脂組成物、及びカラーフィルタ(着色塗膜)を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
[実施例3]
合成例2で得られたアゾ染料に代えて合成例3で得られたアゾ染料を用いたこと以外は実施例1と同様にして着色硬化性樹脂組成物、及びカラーフィルタ(着色塗膜)を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
[実施例4]
重合開始剤(D)について、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミンを下記式で表されるPBG-327(常州強力電子新材料株式会社製)に変更したこと以外は実施例1と同様にして着色硬化性樹脂組成物、及びカラーフィルタ(着色塗膜)を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0007497998000070
[実施例5]
合成例2で得られたアゾ染料14部を20部に代えたこと、及び合成例4で得られたキサンテン染料14部を8部に代えたこと以外は実施例1と同様にして着色硬化性樹脂組成物、及びカラーフィルタ(着色塗膜)を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
[実施例6]
合成例2で得られたアゾ染料14部を8部に代えたこと、及び合成例4で得られたキサンテン染料14部を20部に代えたこと以外は実施例1と同様にして着色硬化性樹脂組成物、及びカラーフィルタ(着色塗膜)を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
[実施例7]
合成例4で得られたキサンテン染料を合成例7で得られたキサンテン染料[式(A1-1)で表される化合物]に代えたこと以外は実施例1と同様にして着色硬化性樹脂組成物、及びカラーフィルタ(着色塗膜)を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
[実施例8]
合成例4で得られたキサンテン染料を下記式で表されるキサンテン染料(Acid Red 52、東京化成工業株式会社より入手)に代えたこと以外は実施例1と同様にして着色硬化性樹脂組成物、及びカラーフィルタ(着色塗膜)を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0007497998000071
[比較例1]
合成例2で得られたアゾ染料に代えて合成例5で得られた化合物を用いたこと以外は実施例1と同様にして着色硬化性樹脂組成物、及びカラーフィルタ(着色塗膜)を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0007497998000072
実施例1~8の着色硬化性樹脂組成物を用いてカラーフィルタ(着色塗膜)を作製した場合、比較例1の着色硬化性樹脂組成物を用いてカラーフィルタ(着色塗膜)を作製した場合に比べ、残渣の発生が抑制され、高い残膜率が得られることが確認された。
本発明の着色硬化性樹脂組成物によると、残渣の発生が抑制され、高い残膜率で着色塗膜を形成することができ、産業上極めて有用である。

Claims (8)

  1. 着色剤(A)と、アルカリ可溶性樹脂(B)と、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物(C)と、重合開始剤(D)とを含む着色硬化性樹脂組成物であって、前記着色剤(A)が、赤色顔料と、キサンテン染料と、アゾ染料とを含み、
    前記アゾ染料は、式(I)で表される化合物を含む染料であるか、式(II)で表される化合物を含む染料である、着色硬化性樹脂組成物。
    -N=N-B (I)
    [式中、
    は、置換基を有していてもよい炭素数6~10の1価の芳香族炭化水素基を表し、
    は、置換基を有していてもよい炭素数6~14の1価の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数3~14の1価の複素環基を表し、該複素環基に含まれる-CH -は、-CO-に置き換わっていてもよい。]
    2a -N=N-A 2a -O-CO-L-CO-O-A 2b -N=N-B 2b (II)
    [式中、
    2a 及びA 2b は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数6~10の芳香族炭化水素基を含む2価の基を表し、
    2a 及びB 2b は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数6~14の1価の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数3~14の1価の複素環基を表し、該複素環基に含まれる-CH -は、-CO-に置き換わっていてもよく、
    Lは、置換基を有していてもよい炭素数1~16の2価の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる-CH -は、-CO-又は-O-で置き換わっていてもよい。]
  2. は、カルボキシ基、スルホ基、スルファモイル基及びN-置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を2種以上有するフェニル基、又はスルホ基、スルファモイル基及びN-置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を2種以上有するナフチル基である、請求項に記載の着色硬化性樹脂組成物。
  3. は、置換基を有していてもよい炭素数3~14の1価の複素環基を表し、該複素環基に含まれる-CH-は、-CO-に置き換わっていてもよい、請求項又はに記載の着色硬化性樹脂組成物。
  4. 2a及びA2bは、それぞれ独立に、式(AII)で表される基である、請求項1~3のいずれか一項に記載の着色硬化性樹脂組成物。
    *-A-SONR10- (AII
    [式中、
    は、置換基を有していてもよい炭素数6~10の2価の芳香族炭化水素基を表し、
    10は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~16の1価の飽和炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数2~18のアシル基を表し、
    は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~16の2価の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる-CH-は、-CO-又は-O-で置き換わっていてもよく、
    *は窒素原子との結合手を表す。]
  5. 2a及びB2bは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数3~14の1価の複素環基を表し、該複素環基に含まれる-CH-は、-CO-に置き換わっていてもよい、請求項1~4のいずれか一項に記載の着色硬化性樹脂組成物。
  6. 前記複素環基は、複数存在する場合はそれぞれ独立に、式(Ba)で表される基である、請求項又はに記載の着色硬化性樹脂組成物。
    Figure 0007497998000073

    [式中、
    及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1~16の1価の飽和炭化水素基を表し、
    は、シアノ基、又は-CO-NRで表される基を表し、
    及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~10の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数1~8のアルコキシ基が置換している炭素数1~10の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数6~20のアリール基、炭素数7~20のアラルキル基又は炭素数2~10のアシル基を表し、
    *は窒素原子との結合手を表す。]
  7. 請求項1~のいずれか一項に記載の着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタ。
  8. 請求項に記載のカラーフィルタを含む固体撮像素子。
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