JP7497094B1 - 腸内細菌叢改善のための組成物及びその応用 - Google Patents

腸内細菌叢改善のための組成物及びその応用 Download PDF

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Abstract

【課題】腸内細菌叢改善のための新たな組成物を提供することを目的とする。【解決手段】上記目的を達成するため、一側面において、本開示は以下の発明を提供する。腸内細菌叢改善のための組成物であって、間葉系幹細胞の培養上清を含む、組成物。【選択図】なし

Description

本開示は、腸内細菌叢改善のための組成物及びその応用に関する。具体的には、本開示は、腸内細菌叢改善のための組成物、当該組成物の使用、当該組成物の製造方法、培養上清の使用、及び、腸内細菌叢改善のための方法等に関する。
近年、ヒト生体の恒常性維持に、腸内細菌叢が非常に重要な役割を果たしていることが明らかになりつつある。腸内細菌の中には、一般的には善玉菌や悪玉菌、日和見菌などと呼ばれている菌属が多数存在している。そして、この事実からも明らかなように、様々な役割を持った細菌属がそれぞれバランスを保ちながら存在し、生体の恒常性維持に貢献していると考えられている。
この腸内細菌のバランスが崩れる現象(Dysbiosis)と、炎症性腸疾患・メタボリック症候群・喘息・心血管系疾患などの様々な疾患との間に関連性があることが示唆されている(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspen/33/5/33_1099/_article/-char/ja/)。そこで、善玉菌などの生体恒常性維持に重要な役割を果たす細菌そのものを摂取するプロバイオティクス(https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/031700078/071100015/、及び、https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/031700078/071100016/)や、そういった細菌属を増殖させるような食品成分を摂取するプレバイオティクス(https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/031700078/061400010/、及び、https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/031700078/061400011/)が、疾患を治療あるいは予防するという観点から、今後重要な地位を占めていくことが予想されている。
間葉系幹細胞は成体内に存在する幹細胞(ステムセル)の一つであり、そして、中胚葉由来の組織(例えば、骨、軟骨、血管、心筋細胞等)に分化できる能力をもつ。間葉系幹細胞の例として、骨髄由来の間葉系幹細胞、脂肪組織由来の間葉系幹細胞等が挙げられる。
特許文献1は、大豆イソフラボンを有効成分として含有する腸内細菌叢改善剤を開示している。特許文献1は、腸内細菌叢改善剤の具体的な効果が、腸内細菌叢の多様性低下を改善することである旨を開示している。
特許文献2は、以下の発明を開示している:ブロッコリー及び人参から選ばれる少なくとも一種を含有しており、腸内細菌叢のバランスを調整することによって腸内環境改善作用を発揮することを特徴とする腸内環境改善用組成物。
特開2023-080372号公報 特開2023-059641号公報
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/031700078/071100015/ https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/031700078/071100016/ https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/031700078/061400010/ https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/031700078/061400011/ https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspen/33/5/33_1099/_article/-char/ja/
上記のように腸内細菌叢を改善するために、食品に対する研究が行われてきた。本開示の目的は、腸内細菌叢を改善するための新たな組成物及び方法を提供することである。
一側面において、本開示は、上記目的を達成するための以下の発明を包含する。
(発明1)
腸内細菌叢改善のための組成物であって、間葉系幹細胞の培養上清を含む、組成物。
(発明2)
発明1の組成物であって、ビタミンC及びビタミンD3のうち少なくとも1つを更に含む、組成物。
(発明3)
発明2の組成物であって、ビタミンCを0.05mg/g以上含む、組成物。
(発明4)
発明2の組成物であって、ビタミンD3を4.16ng/g以上含む、組成物。
(発明5)
発明1~4いずれか1つに記載の組成物であって、経口投与に使用される組成物。
(発明6)
発明5の組成物であって、前記組成物は、有効成分が胃液と接触可能なように配合される、組成物。
(発明7)
発明1~6いずれか1つに記載の組成物であって、前記間葉系幹細胞が脂肪組織由来である組成物。
(発明8)
腸内細菌叢改善のための間葉系幹細胞の培養上清の使用であって、ビタミンC及びビタミンD3のうち少なくとも1つとの組み合わせの使用である、使用。
(発明9)
経口投与のための発明8の使用。
(発明10)
腸内細菌叢改善のための組成物を製造するための方法であって、前記方法は、
間葉系幹細胞を培地で培養して培養上清を得る工程と、
前記培養上清を配合して、投与に適した組成物を得る工程と、
を含む、方法。
(発明11)
発明10の方法であって、前記方法は、
ビタミンC及びビタミンD3のうち少なくとも1つを更に配合して、投与に適した組成物を得る工程、
を更に含む、方法。
(発明12)
発明10又は11の方法であって、前記投与は、経口投与である、方法。
(発明13)
腸内細菌叢改善のための組成物を製造するための培養上清の使用であって、前記培養上清は間葉系幹細胞を培養することによって得られる、使用。
(発明14)
発明13の使用であって、ビタミンC及びビタミンD3のうち少なくとも1つとの組み合わせの使用である、使用。
(発明15)
経口投与のための発明13又は14の使用。
(発明16)
腸内細菌叢改善のための方法であって、
前記方法は、腸内細菌叢改善を必要とする対象(Subject)に、有効量の組成物を、投与する工程を含み、
前記組成物は、間葉系幹細胞の培養上清を含む、
方法。
(発明17)
発明16の方法であって、前記投与する工程は、ビタミンC及びビタミンD3のうち少なくとも1つを投与することを含む、方法。
(発明18)
発明16又は17の方法であって、前記投与する工程は、経口投与をすることを含む、方法。
(発明19)
皮膚改善のための組成物であって、間葉系幹細胞の培養上清を含む、組成物。
(発明20)
発明19の組成物であって、ビタミンD3を更に含む、組成物。
(発明21)
抗炎症組成物であって、間葉系幹細胞の培養上清を含む、組成物。
(発明22)
発明21の組成物であって、ビタミンD3を更に含む、組成物。
(発明23)
皮膚改善のための組成物であって、間葉系幹細胞を含む、組成物。
(発明24)
発明23の組成物であって、ビタミンD3を更に含む、組成物。
(発明25)
抗炎症組成物であって、間葉系幹細胞を含む、組成物。
(発明26)
発明25の組成物であって、ビタミンD3を更に含む、組成物。
一側面において、上記発明は、培養上清を含む。そして、培養上清の効果により、腸内細菌叢、皮膚、抗炎症に関する症状等を改善することができる。
一実施形態において、培養上清服用前後での腸内細菌叢の変化を示す。 一実施形態において、培養上清投与前後での遺伝子発現の変化を示す。 一実施形態において、培養上清投与前後での遺伝子発現の変化を示す。 一実施形態において、培養上清投与前後での遺伝子発現の変化を示す。 一実施形態において、培養上清投与前後での遺伝子発現の変化を示す。 一実施形態において、培養上清投与前後での遺伝子発現の変化を示す。 一実施形態において、培養上清投与前後での遺伝子発現の変化を示す。 一実施形態において、培養上清投与前後での遺伝子発現の変化を示す。
以下、発明を実施するための具体的な実施形態について説明する。以下の説明は、発明の理解を促進するためのものである。即ち、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
1.定義
以下では、本明細書で使用する用語について説明する。
本明細書において用語「腸内細菌叢」は、腸内細菌の形成パターンを意味する。腸内細菌の形成パターンは、各種細菌の存在割合を示すデータを含む。細菌の存在割合を示すデータは、便の一部を採取して、試料を解析することによって得られる。
本明細書において用語「有効量」とは、腸内細菌叢の改善を引き起こすのに十分な量を示す。一実施形態において、腸内細菌叢の改善とは、善玉菌の増加、及び、悪玉菌の減少のうち少なくともいずれか1以上を意味する。別の一実施形態において、腸内細菌叢の改善とは、腸内の細胞(大腸内、及び、小腸内を含む、以下同じ)において、有用な遺伝子の発現量が、統計学上有意な差で、増加することを意味する。さらに別の一実施形態において、腸内細菌叢の改善とは、腸内の細胞において、有害な遺伝子の発現量が、統計学上有意な差で、減少することを意味する。
本明細書において用語「間葉系幹細胞」(MSC)とは、成体内に存在する幹細胞(ステムセル)の一つであり、そして、中胚葉由来の組織である骨、軟骨、血管、心筋細胞等に分化できる能力をもつ細胞である。間葉系幹細胞は、以下の組織のいずれか1以上に由来するものであってもよい:脂肪組織、骨髄、臍帯、臍帯血、羊膜、胎盤、歯髄(永久歯由来)、歯髄(乳歯由来)等。
本明細書において用語「培養上清」とは、液体培地を用いて、上述した間葉系幹細胞を培養することによって直接的に又は間接的に得られる物質を指す。直接的に得られる物質の例は、培養を終了直後、培養容器に残っている液体を含む。間接的に得られる物質の例は、当該液体を更に処理することによって得られる物質を指す。
更に処理することの例は、以下のうちいずれか1以上を含んでもよい:
ろ過処理を行うこと
遠心分離してエクソソームを回収すること
凍結乾燥して粉末状に変化させること
粉末変化にした後で、特定の形状に加工すること(例えば、タブレット、ピルなど)
半固体(ゲル状)に変化させること
任意の成分を更に追加すること
したがって、本明細書において用語「培養上清」の形状は、液体だけでなく、固体、及び、半固体も含む。
液体培地は、培養上清を得るために使用される、及び/又は、間葉系幹細胞を培養するために使用される。液体培地は、特に限定されず、当分野で公知の培地(例えば、DMEM、F12、RPMI等)を使用することができる。液体培地の例は、以下のうちいずれか1以上を含んでもよい:インビトロジェン製の間葉系幹細胞基礎培地、三光純薬製の間葉系幹細胞基礎培地、TOYOBO社製のMF培地、バイオミメティクスシンパシーズ社のsf-DOT(登録商標)、Nipro社/細胞科学研究所の培地(例えば、製品番号A2G00P05C+A2G20P1CC)、コージンバイオ社の培地(例えば、製品番号 KBM ADSC-4)等。
液体培地及び培養上清は、血清を含んでもよく、及び/又は、血清を含まなくてもよい。好ましい実施形態において、液体培地及び培養上清は、血清を含まない。これにより、血清内の成分による影響を回避することができる。
2.組成物
一実施形態において、本開示は、腸内細菌叢改善のための組成物に関する。当該組成物は、間葉系幹細胞の培養上清を含む。
以下の説明は発明の範囲を限定することを意図するものではないが、間葉系幹細胞が細胞外に物質を分泌し、当該物質の影響により、腸内細菌叢改善を引き起こすと考えられる。
別の実施形態において、組成物は、培養上清に加えて、更に、ビタミンC及びビタミンD3のうち少なくとも1つを更に含んでもよい。例えば、ビタミンC及びビタミンD3のうち少なくとも1つは、培養上清と混合してもよい(換言すれば、培養上清を得るための液体培地に、ビタミンD3を配合しない、及び/又はビタミンCの濃度は、所定の濃度以下にしておく)。これらのビタミンと培養上清を組み合わせることにより、培養上清の効果を増強することができる。
ビタミンD3は、活性型でもよく、非活性型でもよい。非活性型のビタミンD3は、典型的には、代謝により活性型に変化することができる。いくつかの投与形態では、代謝プロセスを経ずに腸内に到達する可能性がある。この場合には、活性型のビタミンD3を使用することが好ましい。
組成物におけるビタミンCの量は特に限定されない。例えば、組成物におけるビタミンCの量は、0.05mg/g以上であってもよい(即ち、組成物全体の重量を1gとしたときに、0.05mg以上のビタミンCが組成物に含まれる)。
同様に、組成物におけるビタミンD3の量は特に限定されない。例えば、組成物におけるビタミンD3の量は、4.16ng/g(10ピコモル/g)以上であってもよい(即ち、組成物全体の重量を1gとしたときに、4.16ng以上(10ピコモル以上)のビタミンD3が組成物に含まれる)。好ましくは、組成物におけるビタミンD3の量は、41.6ng/g以上(100ピコモル/g以上)であってもよく、更に好ましくは、416ng/g以上(1ナノモル/g以上)であってもよい。
組成物は、エアロゾルであってもよく、液体であってもよく、固体であってもよく、半固体であってもよい。
液体の場合には、シロップ剤、乳剤、懸濁液等の形態であってもよい。また、液体の場合には、バイアル瓶、点滴用のバッグ、充填済みのシリンジなどに保存してもよい。固体の場合には、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、坐剤等の形態であってもよい。
好ましい実施形態において、固体の場合、有効成分が、カプセル、又は、コーティング等に覆われていなくてもよい。
別の好ましい実施形態において、或いは、更に好ましい実施形態において、組成物は、有効成分が胃液と接触可能なように配合されてもよい。組成物の有効成分は、胃液(例えば、胃酸)が存在していたとしてもその効能を維持することができる。
これにより、組成物の構成が簡単になるという利点が得られる(例えば、胃酸から保護するためのカプセル、コーティング等が必要ない)。
組成物は、他の成分を含んでもよい。他の成分の例は、以下のうちいずれか1以上を含んでもよい:
pH調整剤(例えば、リン酸バッファ、トリスバッファ等)
無機塩(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム等)
糖類(例えば、ラクトース、スクロース等)
賦形剤(例えば、水、精製水、アルコール、グリセリン、乳糖、デンプン、デキストリン、白糖、沈降シリカ等)
3.製造方法
一実施形態において、本開示は、腸内細菌叢改善のための組成物を製造するための方法に関する。前記方法は以下の工程を含む:
間葉系幹細胞を培地で培養して培養上清を得る工程
前記培養上清を配合して、投与に適した組成物を得る工程
培養条件は、特に限定されず、当分野で公知の条件であればよい。例えば、温度は、35℃~40℃、典型的には37℃であってもよい。適宜、CO2が5%になるようインキュベータを制御してもよい。培養期間は、特に限定されないが、少なくとも24h、好ましくは48h以上培養することが好ましい。上限は特に限定されないが、168h以下である。
培地の種類も特に限定されず、上述した培地を適宜使用することができる。
培養終了後は、培養容器中の上澄み液を吸引して回収してもよい。或いは、培養容器中の中身を別の容器に移して遠心分離し、上澄み液を吸引して回収してもよい。そして、この上澄み液を培養上清とみなしてもよい。
次に、培養上清を配合して、投与に適した組成物を得る。このために必要な処置は特に限定されず、最終的な組成物の形態に応じて適宜実施すればよい。
例えば、上述した用語「培養上清」の説明のところで述べた処理を実施してもよい。
また、上記で述べた処理以外に、例えば、特定の形状に成形する処理を実施してもよい。
好ましい実施形態において、前記方法は、ビタミンC及びビタミンD3のうち少なくとも1つを更に配合して、投与に適した組成物を得る工程を含んでもよい。
例えば、培養上清が液体の場合には、粉末形態又は液体形態のビタミンC及びビタミンD3のうち少なくとも1つを、培養上清の液体と混合してもよい。例えば、培養上清が固体の場合には、液体に溶解し、その後、粉末形態又は液体形態のビタミンC及びビタミンD3のうち少なくとも1つを、培養上清の液体と混合してもよい。あるいは、培養上清が固体の場合には、粉末形態に加工し、粉末形態のビタミンC及びビタミンD3のうち少なくとも1つと、培養上清の粉末と混合してもよい。
同様の手順で、他の成分を配合してもよい。
別の一実施形態において、本開示は、腸内細菌叢改善のための組成物を製造するための培養上清の使用に関する。製造方法については、上述した製造方法であってもよい。
また、培養上清は、ビタミンC及びビタミンD3のうち少なくとも1つと組み合わせて使用してもよい。
4.組成物等の使用方法
一実施形態において、本開示は、腸内細菌叢改善のための間葉系幹細胞の培養上清の使用に関する。ここで、当該使用は、ビタミンC及びビタミンD3のうち少なくとも1つとの組み合わせの使用である。
組み合わせの使用の例は、間葉系幹細胞の培養上清を含む組成物を、ビタミンC及びビタミンD3のうち少なくとも1つと別々に投与することを含む。投与するタイミングは、同時であってもよく、異なる時間であってもよい。ただし、時間差が大きすぎると、培養上清と、ビタミンとの組み合わせ効果が減少する。したがって、好ましくは、時間差は、1時間以内、30分以内、又は、15分以内であってもよい。
別の一実施形態において、腸内細菌叢改善のための方法である。前記方法は、腸内細菌叢改善を必要とする対象(Subject)に、有効量の組成物を、投与する工程を含む。ここで、組成物は、間葉系幹細胞の培養上清を含む。
好ましい実施形態において、投与する工程は、ビタミンC及びビタミンD3のうち少なくとも1つを投与することを含む。この場合において、上述した間葉系幹細胞の培養上清と、ビタミンC及びビタミンD3のうち少なくとも1つとは、同一の組成物に含まれてもよい。あるいは、両者は、別々の組成物に含まれてもよい。
投与する対象は、特に限定されず、ヒトであってもよく、動物(例えば、ヒト以外の哺乳類)であってもよい。典型的には、投与する対象はヒトである。投与する対象は、健康であってもよく、病気を患ってもよい。好ましくは、投与する対象は、腸内細菌叢に改善の余地を有する対象である(例えば、悪玉菌が一定の割合で存在するなど)。
ビタミンCの投与する量は特に限定されない。例えば、1日あたりの投与量が、0.1g/kg以上(即ち、体重1kgあたり、0.1g分投与する)であってもよく、好ましくは、0.2g/kg以上であってもよい。上限値は特に限定されない。しかし、例えば、1日あたりの投与量が、1.0g/kg以下であってもよい。一方、ビタミンD3の投与量は1日あたり100μg以下である必要がある。
また、上述した投与量は、1日のトータルの投与量を意味する。したがって、1日の投与回数は1回であってもよく、複数回に分割してもよい。例えば、1日の投与回数は、2回、3回、4回、又は、それ以上であってもよい。
投与期間は特に限定されない。投与期間は、1日、3日、7日、30日、90日、120日、180日、200日、365日から選択される2つによって規定される範囲であってもよい(例えば、1日~90日、90日~180日等)。
投与形態は特に限定されず、全身投与であってもよく、局所投与であってもよい。投与経路は特に限定されず、例えば、以下のうちいずれか1以上の経路での投与が可能である:経口投与、吸入投与、肛門投与、皮下注射、静脈注射、筋肉注射、点滴、皮膚への塗布、皮膚への噴霧等。好ましい実施形態において、投与経路は、経口投与が好ましい。理由は、投与のための特別な器具、設備などが必要ないからである。
5.組成物等の他の使用方法
上記の実施形態を含む発明の側面は、いずれも腸内細菌叢の改善に関連した目的の発明である。しかし、別の側面においては、本開示は、腸内細菌叢の改善に関連した目的の発明以外の発明も包含する。例えば、一実施形態において、本開示は、抗炎症に関連した目的の発明も包含する。別の一実施形態において、本開示は、皮膚の状態改善に関連した目的の発明も包含する。したがって、別の側面においては、本開示の目的は、抗炎症の抑制、及び/又は、皮膚の状態を改善するための新たな組成物及び方法を提供することである。また、更に別の側面においては、本開示の目的は、間葉系幹細胞の培養上清とビタミンD3との組み合わせに関する新たな用途を提供することである。上記で説明した「1.定義」~「4.組成物等の使用方法」の内容は、抗炎症に関連した目的の発明、及び、皮膚の状態改善に関連した目的の発明にも適用可能である。
したがって、一実施形態においては、本開示は、皮膚改善のための組成物、当該組成物の使用、当該組成物を製造するための方法、当該組成物を製造するための培養上清及び/又は間葉系幹細胞の使用、当該組成物を用いた皮膚改善のための方法に関する。別の一実施形態においては、本開示は、抗炎症のための組成物、当該組成物の使用、当該組成物を製造するための方法、当該組成物を製造するための培養上清及び/又は間葉系幹細胞の使用、当該組成物を用いた抗炎症のための方法に関する。
また、上述した腸内細菌叢の改善に関連した目的の発明とは異なり、抗炎症に関連した目的の発明、及び、皮膚の状態改善に関連した目的の発明においては、培養上清だけでなく、間葉系幹細胞の発明も包含する。上述したように培養上清の投与によって効果が得られるということは、間葉系幹細胞の投与でも同様の効果が期待できる。そして、抗炎症に関連した目的の発明、及び、皮膚の状態改善に関連した目的の発明においては、皮膚への直接の細胞の投与、カテーテル等による細胞の投与などの手段により、目的の組織へ細胞を投与することができる。
別の側面においては、本開示は、特定の組織又は細胞における特定の遺伝子の発現を増強するための組成物、当該組成物の使用、当該組成物を製造するための方法、当該組成物を製造するための培養上清及び/又は間葉系幹細胞の使用、当該組成物を用いた遺伝子の発現増強方法に関する。特定の組織又は細胞の例としては、腸(例えば、小腸、大腸等を含む)、皮膚、マクロファージなどが挙げられる。発現増強対象の遺伝子の例としては、以下のうちいずれか1以上が含まれる:CAMP、DEFB1、LCN2、LYZ、Filaggrin、及び、IL-10。
上述した実施形態についての理解を促進するため、更なる具体的な実施例を以下説明する。上記実施形態と同様、以下の実施例は発明の範囲を限定することを意図するものではない。
実施例1.培養上清の調製
最初に間葉系幹細胞を調製した。具体的には、脂肪組織由来の間葉系幹細胞(AD-CM)と、臍帯組織由来の間葉系幹細胞(UC-CM)を使用した。
実施例1-1.脂肪組織由来の間葉系幹細胞の調製
脂肪組織由来間葉系幹細胞を用いた再生医療を受ける予定の患者より、皮下脂肪組織を分取した。当該皮下脂肪組織は、投与用細胞の調製に必要な原料となる。当該皮下脂肪組織を分取した後の剰余を、初代培養に供した。なお、予め、患者から研究利用に関する同意を取得しておいた。
皮下脂肪組織を遠心分離(400×gで5分間)に供し、3層に分離した。具体的には、上層から順に脂質画分、脂肪組織画分、及び水性画分の3層に分離した。中層の脂肪組織画分を残して、上層と下層を破棄した。残した脂肪組織画分に対して、組織重量当たり4倍量の0.15%コラゲナーゼ酵素溶液を添加した。37℃で1時間浸透させ、酵素処理を行った。脂肪組織が酵素処理によって分散された後、当該脂肪組織を、遠心分離(400×gで5分間)に供した。間葉系幹細胞を含む間質血管細胞画分として、沈殿画分を30mLのPBS(-)溶液で懸濁した。その後、セルストレーナー(メッシュサイズ70μm径)に懸濁液を通液し、セルストレーナーに捕捉された組織残渣等は破棄した。そして、通液画分を再度遠心分離(400×gで5分間)に供し、沈殿画分を6mLの無血清培養液sf-DOT(バイオミメティクスシンパシーズ社)で懸濁した。細胞懸濁液全量を、T25フラスコ(CellBIND;Corning,3289)に播種し、インキュベータ内(37℃,5%CO2)に静置して初代培養を開始した。
3日に1回の頻度で培地全交換を実施した。上澄みは破棄して、フラスコ底面上で増殖する細胞を選択的に増殖させた。セミコンフルエントまで増殖したT-25フラスコ内の細胞に対して、2mLの酵素溶液(TrypLE Express;Thermo Fisher Scientific,12604021)を添加し、細胞をフラスコの底面から剥離した(37℃、5分間静置)。細胞をPBS(-)で希釈し、遠心分離(400×gで5分間)に供した。沈殿した細胞を培養液sf-DOTで懸濁し、一部を分取してトリパンブルー染色法による細胞数計測を行った。新たなT75フラスコ(CellBIND;Corning,3290)にsf-DOTで懸濁した細胞を播種し、インキュベータ内(37℃,5%CO2)に静置して継代培養を行った(P0→P1)。その後も同様の手順で継代培養を行い、必要な細胞数を得た(P1→P2)。
実施例1-2.臍帯組織由来の間葉系幹細胞の調製
まず、予め、出産予定者から臍帯の研究利用に関する同意を取得しておいた。出産後、臍帯をPBS(-)で洗浄し、メスで3mm程度に裁断した。組織重量当たり4倍量の0.15%コラゲナーゼ酵素溶液を添加した。37℃で2時間浸透させ、酵素処理を行った。臍帯組織が酵素処理によって分散された後、当該組織を、遠心分離(400×gで5分間)に供した。間葉系幹細胞を含む間質血管細胞画分として、沈殿画分を30mLのPBS(-)溶液で懸濁した。その後、セルストレーナー(メッシュサイズ70μm径)に懸濁液を通液し、セルストレーナーに捕捉された組織残渣等は破棄した。そして、通液画分を再度遠心分離(400×gで5分間)に供し、沈殿画分を12mLの無血清培養液sf-DOT(バイオミメティクスシンパシーズ社)で懸濁した。細胞懸濁液全量を、T75フラスコ(CellBIND;Corning,3290)に播種し、インキュベータ内(37℃,5%CO2)に静置して初代培養を開始した。
3日に1回の頻度で培地全交換を実施した。上澄みは破棄して、フラスコ底面上で増殖する細胞を選択的に増殖させた。セミコンフルエントまで増殖したT-25フラスコ内の細胞に対して、2mLの酵素溶液(TrypLE Express;Thermo Fisher Scientific,12604021)を添加し、細胞をフラスコの底面から剥離した(37℃、5分間静置)。細胞をPBS(-)で希釈し、遠心分離(400×gで5分間)に供した。沈殿した細胞を培養液sf-DOTで懸濁し、一部を分取してトリパンブルー染色法による細胞数計測を行った。新たなT75フラスコ(CellBIND;Corning,3290)にsf-DOTで懸濁した細胞を播種し、インキュベータ内(37℃,5%CO2)に静置して継代培養を行った(P0→P1)。その後も同様の手順で継代培養を行い、必要な細胞数を得た(P1→P2)。
実施例1-3.培養上清の調製
まず脂肪組織あるいは臍帯組織由来間葉系幹細胞を上述の通りsf-DOTで培養した。同培地で脂肪組織あるいは臍帯組織由来間葉系幹細胞をT75フラスコ1枚当たり6000cells/cm2で播種した。4日目に培養上清を回収した。
回収した培養上清は0.2μmのPESシリンジフィルター(25mm GD/Xシリンジフィルター(PES 0.2μm滅菌済);6896-2502;GEヘルスケア・ジャパン)でろ過した。ろ過後の培養上清は、解析に使用するまで-20℃以下で冷凍保管した。
実施例2.経口摂取による腸内細菌叢の改善
初日に成人男性の便を採取した。成人男性は、以下の条件で培養上清を服用した。
服用する培養上清:脂肪組織由来の間葉系幹細胞の培養上清
服用する量:10mL
服用するタイミング:就寝前
服用する回数:4回(初日、2日後、4日後、6日後)
7日後に成人男性の便を採取した。採取した便は、検査機関に送られ、細菌叢検査を実施した。
結果を図1に示す。少なくとも3種類の細菌の存在割合が大きく変化した。1つめの細菌は、Ruminococcus属の細菌である。この細菌が増加すると、心臓病、糖尿病、脳梗塞などを引き起こす可能性がある。培養上清の服用後、Ruminococcus属の細菌の減少が観察された。
2つめの細菌は、Bifidobacterium属の細菌である。この細菌は、善玉菌として知られており、そして、抗炎症などに寄与する。
3つめの細菌は、Bacteroides属の細菌である。この細菌は、日和見感染症の原因となる細菌のひとつである。この細菌の増減は、健康面の大きな影響を与えることはない。
図1の結果から、悪玉菌(Ruminococcus属の細菌)が減少し、善玉菌(Bacteroides属の細菌)が増加することが示された。
実施例3.培養上清による抗菌ペプチドの発現誘導
実施例3-1.細胞株に対する培養上清による処理及び細胞回収
直腸がん由来の細胞株であるHT-29株を準備した。細胞株はATCC(ATCC番号HTB-38、https://www.atcc.org/products/htb-38)から取得した。新たな12 well plate(Corning社製:カタログ番号3336)に、1.0×105cells/cm2の割合で播種した。培地は、McCoy’s5A(メルクシグマ社製:カタログ番号M4892)+FBS(10%)(メルクシグマ社製:カタログ番号F7524)を使用した。インキュベータ内(37℃,5%CO2)に静置して継代培養を行った。
播種してから24時間後に、培地を交換した。交換後は、培養上清(脂肪組織由来の間葉系幹細胞の培養上清と、臍帯組織由来の間葉系幹細胞の培養上清)を用いてHT-29株をインキュベートした。コントロールとして、脂肪組織及び臍帯組織由来間葉系幹細胞を培養する際に用いた培地(sf-DOT)を用いた。従って、間葉系幹細胞用の培地に特別なものが入っているわけではなく、幹細胞から分泌される因子の重要性のみを議論することが可能である。24時間の培養後、ReliaPrep RNA Miniprep system(Promega,Z6012)を用いてHT-29からTotal RNAを抽出した。
実施例3-2.発現解析手法
RNA抽出後、500ngのRNAを用いてcDNA合成(PrimeScript RT Master Mix;Takara,RR036A)を行い、更に、定量的PCR(Thunderbird Sybr qPCR Mix;TOYOBO,QPS-201X5)を行った。
cDNA合成のためのミクスチャは以下の組成に従って調製した。
5xPrimeScript RT Master Mix 2μl(最終濃度 1x)
Total RNA 500ng
RNase free H2O 合計10μlに調整
上記ミクスチャを、Applied Biosystems社のVeriti 96 well Thermal Cyclerを用いて、以下の条件で処理した。
37℃ 15分

85℃ 5秒

4℃ ∞
合成したcDNA(10μl)は90μlのTE(10mM Tris-HCl pH8.0+1mM EDTA pH8.0)を用いて10倍に希釈した。当該希釈物を、定量PCRに供した。
より具体的には、当該希釈物を、以下の条件で混合した。
2×THUNDERBIRD Probe qPCR Mix 10μl
5mM Forward Primer 0.4μl
5mM Reverse Primer 0.4μl
2O 8.2μl
cDNA(10倍希釈) 1μl
PCRサイクルの条件は以下の通りであった。
1.95℃ 1分 (初期変性)
2.95℃ 15秒 (変性)
3.60℃ 30秒 (伸長)
(2~3のステップを40回繰り返し、ステップ3が終わるたびに蛍光シグナルを検出)
4.65℃~95℃まで0.5℃刻みで温度を上昇させ、5秒ずつ温度を保持してから蛍光シグナルを検出。
上記サイクルにて、PCR産物の検出を行い、併せて、Melting curveによるPCR産物の単一性の確認を行った。
内部標準(すべての細胞・条件において同じ発現をしているハウスキーピング遺伝子)として、GAPDH(lycerldehyde 3-hosphate ydrogenase)を用いた。
各遺伝子を検出するためのプライマー配列は以下の通りであった。
GAPDH Forward primer: 5’ - AGCCACATCGCTCAGACAC - 3’
GAPDH Reverse primer: 5’ - GCCTAATACGACCAAATCC - 3’
CAMP Forward primer: 5’ - TGGTGAAGCGGTGTATGG - 3’
CAMP Reverse primer: 5’ - GCAGGGCAAATCTCTTGTTATC - 3’
DEFB1 Forward primer: 5’ - CTTCCTACCTTCTGCTGTTTACTC - 3’
DEFB1 Reverse primer: 5’ - CACTGCTGACGCAATTGTAATG - 3’
LCN2 Forward primer: 5’ - GGAGCTGACTTCGGAACTAAAG - 3’
LCN2 Reverse primer: 5’ - CGTCGATACACTGGTCGATTG - 3’
LYZ Forward primer: 5’ - AATAGCCGCTACTGGTGTAATG - 3’
LYZ Reverse primer: 5’ - ATCACGGACAACCCTCTTTG - 3’
Filaggrin Forward Primer: 5’ - TCAGACTCTAGTACCGCTAAGG - 3’
Filaggrin Reverse Primer: 3’ - ACTGCCACGTGACTGTATTC - 3’
IL-10 Forward Primer: 5’ - TACGGCGCTGTCATCGATTT - 3’
IL-10 Reverse Primer: 3’ - TAGAGTCGCCACCCTGATGT - 3’
上記で示したいくつかの遺伝子の略語は、以下を意味する。
CAMP: Cathelicidin Antimicrobial Peptide, LL37
DEFB1: Defensin Beta 1
LCN2: Lipocalin 2
LYZ : Lysozyme
全てのプライマーは株式会社ファスマックから購入した(逆相カラム精製グレード)。
各遺伝子の発現量は、定量PCRで得られた各遺伝子の発現量を、さらにGAPDHの発現量で割って標準化したものを示している。さらに、上清を処理していないコントロール条件での発現量を「1」になるように標準化している。以上のプライマーを用いて増幅したPCR産物は全て単一のものであること(つまり、同一のプライマーで、複数種類の配列が増幅されていないこと)をMelting curveによって確認した。
実施例3-3.発現解析結果
結果を図2に示す。培養上清で処理していないサンプル(図2では、Controlとして示されるサンプル)と比べると、培養上清で処理したサンプルにおいて、各種遺伝子の有意な発現上昇が確認された。特に脂肪組織由来の間葉系幹細胞の培養上清において、発現が著しく上昇した。
実施例4.培養上清とビタミンD3による抗菌ペプチドの発現誘導
実施例3と同様の実験を実施した。ただし、培養上清で処理する際に、活性型のビタミンD3を添加した(添加量は、最終濃度で、100nM、又は、1μM)。結果を図3に示す。活性型ビタミンD3と培養上清と共投与することにより、CAMP、DEFB1、及び、LCN2の発現の増加を引き起こすことができた。
実施例5.培養上清とビタミンCによる抗菌ペプチドの発現誘導
実施例3と同様の実験を実施した。ただし、培養上清で処理する際に、ビタミンC又はビタミンEのいずれかを添加した(添加量は、最終濃度で、ビタミンC:50μg/mLビタミンE:1μg/mL)。結果を図4に示す。Controlのサンプルの結果を見ると、ビタミンC及びビタミンE単独での添加では、Defensin Beta 1(DEFB1)の発現の増加を引き起こすことはできなかった。しかし、ビタミンCと培養上清と共投与することにより、DEFB1の発現の増加を引き起こすことができた。さらに言うと、培養上清によるDEFB1の発現の増加の作用は、ビタミンCの添加によって強化されることが示された。
実施例6.タンパク質の分解処理及び変性処理による影響と、抗菌ペプチドの発現誘導
上記実施例3~5は、細胞株に培養上清を投与した時の効果を検証している。しかし、実際に経口薬を服用する場合には、胃を通過した後、薬は腸に到達する。したがって、薬は、胃酸の影響を受ける可能性がある。
上記可能性を検証する目的で、実施例3で行った実験の条件の一部を変更した。具体的には、培養上清を前処理した。以下の2種類の前処理を実行した。
前処理1(トリプシンによる分解)
コントロール培地(sf-DOT)及び培養上清に対して、最終濃度200μg/mLになるようにトリプシンを添加し、その後、培養上清を37℃でインキュベートした。1時間後、最終濃度400μg/mLになるようにトリプシン阻害剤を添加して、37℃で更に30分処理した。その後、氷上に移して培養上清を冷ました。
前処理2(熱による変性)
コントロール培地(sf-DOT)及び培養上清を100℃で2時間インキュベートした。その後、氷上に移して15分間冷やした。そして、遠心分離(20000×gで15分)して上澄み液を回収した。
前処理1による結果を、図5に示す。CAMP及びLCN2の遺伝子において、トリプシン処理による発現量の減少は観察されなかった。むしろ、CAMPについては、トリプシン処理による発現量の増加が観察された。
前処理2による結果を、図6に示す。LCN2の遺伝子において、熱変性処理による発現量の減少は観察されなかった。
実施例7.培養上清とビタミンD3による抗菌ペプチドの発現誘導(炎症)
細胞株THP-1を準備した。細胞株はJCRB細胞バンク(細胞番号 JCRB0112、https://cellbank.nibiohn.go.jp/~cellbank/cgi-bin/search_res_det.cgi?ID=281)から取得した。新たな12 well plate(Corning社製:カタログ番号3336)に、7.5×104cells/cm2の割合で播種した。培地は、RPMI1640(富士フィルム和光純薬社製:カタログ番号189-02025)+FBS(10%)(メルクシグマ社製:カタログ番号F7524)を使用した。インキュベータ内(37℃,5%CO2)に静置して継代培養を行った。
播種の際に、最終濃度100nMになるようにPMA(phorbol myristate acetate)を添加した。24時間経過後に、培地を半量除去した。除去した後は、除いた半量分だけ、培養上清(脂肪組織由来の間葉系幹細胞の培養上清と、臍帯組織由来の間葉系幹細胞の培養上清)を添加して細胞をインキュベートした。培養上清には、活性型ビタミンD3を添加した(最終濃度、10pM、100pM、1nM、10nM、及び、100nM)。24時間後、ReliaPrep RNA Miniprep system(Promega, Z6012)を用いてTHP-1からTotal RNAを抽出した。以降は、実施例3と同様の手法により、RT-PCRによる遺伝子の発現解析を実施した。
結果を、図7に示す。バーグラフは、2つの群に分けられる(Control、脂肪組織由来の間葉系幹細胞の培養上清)。コントロールとして、脂肪組織由来間葉系幹細胞を培養する際に用いた培地(sf-DOT)を用いた。従って、間葉系幹細胞用の培地に特別なものが入っているわけではなく、幹細胞から分泌される因子の重要性のみを議論することが可能である。各群の一番左側のバー同士を比較すると、培養上清自体が、抗炎症サイトカインであるIL-10の発現を増加させることができることが示された。また、活性型ビタミンD3自体も、抗炎症サイトカインであるIL-10の発現を増加させることができることが示された。さらに言うと、両者を共投与することで、抗炎症サイトカインであるIL-10の発現を著しく増加させることができることが示された。
実施例8.培養上清とビタミンD3による抗菌ペプチドの発現誘導(皮膚)
細胞株PSVK1(不死化表皮角化細胞)を準備した。細胞株はJCRB細胞バンク(細胞番号 JCRB1093、https://cellbank.nibiohn.go.jp/~cellbank/cgi-bin/search_res_det.cgi?ID=3306)から取得した。12 well plate(Corning社製:カタログ番号3336)に、1×105cells/cm2の割合で播種した。培地は、Keratinocyte-SFM(ThermoFisher社製:カタログ番号17005042)を使用した(無血清培養)。インキュベータ内(37℃,5%CO2)に静置して継代培養を行った。
播種してから24時間後に、培地を交換した。交換後は、培養上清(脂肪組織由来の間葉系幹細胞の培養上清と、臍帯組織由来の間葉系幹細胞の培養上清)を用いてPSVK1株をインキュベートした。培養上清には、活性型ビタミンD3を添加した(最終濃度、10nM、100nM、及び、1μM)。48時間後、ReliaPrep RNA Miniprep system(Promega, Z6012)を用いてPSVK1からTotal RNAを抽出した。以降は、実施例3と同様の手法により、RT-PCRによる遺伝子の発現解析を実施した。
結果を、図8に示す。バーグラフは、3つの群に分けられる(Control、脂肪組織由来の間葉系幹細胞の培養上清、臍帯組織由来の間葉系幹細胞の培養上清)。コントロールとして、脂肪組織及び臍帯組織由来間葉系幹細胞を培養する際に用いた培地(sf-DOT)を用いた。従って、間葉系幹細胞用の培地に特別なものが入っているわけではなく、幹細胞から分泌される因子の重要性のみを議論することが可能である。各群の一番左側のバー同士を比較すると、培養上清自体が、肌の保湿に関与するFilaggrinの発現を増加させることができることが示された。一方で、活性型ビタミンD3は、Filaggrinの発現を増加させることができなかった。しかし、両者を共投与することで、Filaggrinの発現を著しく増加させることができることが示された。
CAMPについては、培養上清自体が、発現を増加させることができることが示された。また、活性型ビタミンD3自体も、発現を増加させることができることが示された。さらに言うと、両者を共投与することで、発現を著しく増加させることができることが示された。
以上、発明の具体的な実施形態について説明してきた。上記実施形態は、具体例に過ぎず、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上述の実施形態の1つに開示された技術的特徴は、他の実施形態に適用することができる。また、特記しない限り、特定の方法については、一部の工程を他の工程の順序と入れ替えることも可能であり、特定の2つの工程の間に更なる工程を追加してもよい。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって規定される。

Claims (14)

  1. 経口投与に使用される腸内細菌叢改善のための組成物であって、間葉系幹細胞の無血清培養上清を含む、組成物であって、前記組成物は、有効成分が胃液と接触可能なように配合される、組成物。
  2. 請求項1の組成物であって、以下の少なくともいずれかひとつを含まない、組成物:
    ・IFN-γ
    ・IL-2、
    ・IL-11、
    ・ヨモギ抽出物。
  3. 腸内細菌叢改善のための組成物であって、間葉系幹細胞の無血清培養上清を含む、組成物であり、4.16ng/g以上のビタミンD3を更に含む、組成物。
  4. 腸内細菌叢改善のための組成物であって、間葉系幹細胞の無血清培養上清を含む、組成物であり、0.05mg/g以上のビタミンCを更に含む、組成物。
  5. DEFB1の発現の増加を通した腸内細菌叢改善のための組成物である、請求項4の組成物。
  6. 請求項1の組成物であって、前記組成物は、エアロゾル、液体、固体、及び、半固体のいずれかであり、固体の場合、前記有効成分が、カプセルに覆われておらず、且つ、コーティングに覆われていない、組成物。
  7. 請求項1~6いずれか1項に記載の組成物であって、前記間葉系幹細胞が脂肪組織由来である組成物。
  8. 請求項1~6いずれか1項に記載の腸内細菌叢改善のための組成物を製造するための方法であって、前記方法は、
    間葉系幹細胞を無血清培地で培養して培養上清を得る工程と、
    前記培養上清を配合して、投与に適した組成物を得る工程と、
    を含む、方法。
  9. 請求項8の方法であって、前記方法は、
    ビタミンC及びビタミンD3のうち少なくとも1つを更に配合して、投与に適した組成物を得る工程、
    を更に含む、方法。
  10. 請求項8の方法であって、前記投与は、経口投与である、方法。
  11. 腸内細菌叢改善のための組成物を製造するための無血清培養上清の使用であって、前記無血清培養上清は間葉系幹細胞を培養することによって得られる、使用であって、最終濃度が4.16ng/g以上となるようなビタミンD3との組み合わせの使用である、使用。
  12. 腸内細菌叢改善のための組成物を製造するための無血清培養上清の使用であって、前記無血清培養上清は間葉系幹細胞を培養することによって得られる、使用であって、最終濃度が0.05mg/g以上となるようなビタミンCとの組み合わせの使用である、使用。
  13. 皮膚改善のための組成物であって、間葉系幹細胞の無血清培養上清を含み、最終濃度が4.16ng/g以上となるようにビタミンD3を更に含む、組成物。
  14. 抗炎症組成物であって、間葉系幹細胞の無血清培養上清を含み、最終濃度が4.16ng/g以上となるようにビタミンD3を更に含む、組成物。
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