JP7497005B1 - シンブルロッドとワイヤの緊結装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エレベータのかごに接続されるシンブルロッドとエレベータのかごを支持するワイヤを、共に張力を付与した状態で緊結する上で、シンブルロッドのグリップ部とワイヤとの接続部にシンブルロッドの軸方向に張力を導入可能にする。【解決手段】並列する縦枠3、3と、縦枠3、3の上部間に架設され、シンブルロッド8の軸部81が挿通する挿通孔4aを有する上枠4と、両縦枠3、3の下部間に架設される下枠5と、上枠4と下枠5の中間位置で縦枠3、3間に架設され、ワイヤ9が挿通する挿通孔7aを有し、ワイヤ9を保持する中間材7からフレーム2を構成し、上枠4の挿通孔4aの周りにシンブルロッド8の軸部81に螺合するナット43を配置し、上枠4の縦枠3、3への接合部分の図心Oを上枠4の挿通孔4aの大きさ内に納め、中間材7の縦枠3、3への接合部分の図心O’を中間材7の挿通孔7aの大きさ内に納める。【選択図】図1

Description

本発明はエレベータのかごに接続されるシンブルロッドとエレベータのかごを支持するワイヤを、共に張力を付与した状態で緊結する目的で使用されるシンブルロッドとワイヤの緊結装置に関するものである。
エレベータのかごを支持するワイヤはかごの上部等に直接、接続されるシンブルロッド(シャックルロッド)に接続されるため(特許文献1~4参照)、ワイヤをかごに接続するには事前にワイヤをシンブルロッドに接続しておくことが必要になる(特許文献5参照)。
特許文献5ではシンブルロッドのワイヤ側の端部に一体化したソケット部(グリップ部)に下方からワイヤを挿通させた後(段落0020)、フレーム状に組まれた固定治具を利用してシンブルロッドとワイヤをそれぞれ保持し、シンブルロッドの軸方向とワイヤの軸線が同一線上に位置するように両者を調整した上で、ソケット部に接合用の充填材を充填している(段落0062~0073)。
この特許文献5ではシンブルロッドの軸部(ロッド部)が直接、挿通するロッド受け内に軸部を挿通させた状態で、ロッド受けの上端と下端の位置で軸部に螺合するナットを回転させることで、ワイヤに対するシンブルロッドの高さ調整を可能にしている(段落0064~0069)。シンブルロッドの高さ調整後、ソケット部内に溶融状態の金属製の充填材を充填することで、ワイヤをシンブルロッドに接続している(段落0072)。
エレベータを支持するワイヤに使用状態で作用する引張力はシンブルロッドとワイヤとの接続部にも作用するため、ワイヤとシンブルロッドの接続に際しては、接続部においてシンブルロッドとワイヤが引張力の作用方向(軸方向)に相対変位しないよう、接続部には予め十分な引張力(張力)を付与しておく必要がある(特許文献6、7参照)。
特許文献6ではワイヤを保持装置で保持した状態で、シンブルロッドのソケット部(先端部)を保持した摺動体をボルトでシンブルロッドの軸部側へ押し出すことで、接続部に引張力を付与しているが、ボルトの軸線とワイヤの軸線間に偏心があるため、引張力の付与効率は低い上、偏心による無駄な曲げ応力を摺動体に発生させる難点がある。
特許文献7ではワイヤを保持するロープ掴み治具に張力導入装置(牽引操作装置)を接続し、ロープ掴み治具を張力導入装置側へ引き寄せることで、ワイヤに張力を付与している(段落0032~0035)。但し、ロープ掴み治具と牽引操作装置を接続した状態では(図1、図3)、ワイヤの保持部であるバックアップリンクと牽引操作装置に連結される連結リンクとの接続部分と、ワイヤの軸線との間に牽引操作装置の幅方向に偏心が生じているため、この例でも偏心による非効率性がある。
一方、床面上に起立した状態で使用される特許文献5のフレームを利用すれば、ワイヤとシンブルロッドの接続部分に、シンブルロッドの軸方向に張力を付与することはできそうでもある。
しかしながら、特許文献5ではシンブルロッドの軸部(ロッド部)の軸線がフレーム(固定治具)を構成する上枠(梁)の幅方向の側面側に位置し、上枠の幅方向の中心とシンブルロッドの軸部の軸線との間に軸部の径程の偏心がある。
このことから、シンブルロッドの軸部に張力を付与しようとすれば、上枠に張力に起因し、偏心距離に応じた捩じりモーメントを発生させるため、上枠が高い捩じり剛性を持たない限り、シンブルロッドに張力を導入することができないと想像される。
なお、特許文献5ではシンブルロッドの軸部を決められた平面上の位置に配置するために、上枠の幅方向片側に一体化させたクランプにロッド受けを挿通させている。このロッド受けの上下位置のシンブルロッド軸部周りにナットを螺合させることで、軸部がロッド受けに対して相対的に上下できるようにしている(段落0063~0069)。
特開平5-294584号公報(段落0010、図1) 特開平6-211461号公報(段落0008、図7) 特開平10-129957号公報(図8) 特開2012-121637号公報(段落0010、図10、図11) 特開2017-197366号公報(段落0015~0075、図1~図6) 特開2021-187560号公報(段落0017~0037、図1~図4) 特開2003-227084号公報(段落0021~0036、図1~図6)
このように特許文献5のフレーム(固定治具)はロッド受けに対するシンブルロッド軸部の軸方向の位置調整をすることができるに留まるため(段落0063~0069)、シンブルロッドの軸部に軸方向の張力を付与することはできず、想定もされていない。ロッド受けが上枠を貫通せず、上枠の幅方向外側に位置する以上、上枠を含むフレーム自体が捩じりモーメントに抵抗し得る構造になっていない。
特許文献5のシンブルロッドの軸部に張力を付与しようとすれば、前記のようにロッド受けとクランプに、軸部の軸方向に平行な鉛直方向下向きの荷重が作用し、この荷重に起因して上枠の軸心(図心)回りに捩じりモーメントが作用するため、上枠が抵抗し得ず、シンブルロッドを支持しきれないからである。捩じりモーメントは上枠と対になるロープ受けの軸心回りにも作用する。
本発明は上記背景より、シンブルロッドのソケット部(グリップ部)とワイヤとの接続部にシンブルロッドの軸方向に張力を導入可能なフレーム状の緊結装置を提案するものである。
請求項1に記載のシンブルロッドとワイヤの緊結装置は、エレベータのかごを支持するワイヤに接続されるグリップ部と、このグリップ部に一体化し、外周面に雄ねじが形成された軸部を有し、前記かごに接続されるシンブルロッドの前記グリップ部と前記ワイヤを緊結するために使用される緊結装置であり、
水平方向に距離を置いて並列する少なくとも2本の縦枠と、この両側に位置する2本の前記縦枠の上部間に架設されて前記2本の縦枠に接合され、前記シンブルロッドの前記軸部が挿通する挿通孔を有する上枠と、前記両縦枠の下部間に架設されて前記両縦枠に接合される下枠と、前記上枠と前記下枠の中間の位置で前記縦枠間に架設されて前記両縦枠に接合され、前記ワイヤが挿通する挿通孔を有し、前記ワイヤを保持する中間材とを備え、
前記上枠の前記挿通孔の周りに前記シンブルロッドの前記軸部に螺合するナットが配置され、
前記上枠の前記縦枠への接合部分の断面上の図心が前記上枠の前記挿通孔の大きさ内に納まり、前記中間材の前記縦枠への接合部分の断面上の図心が前記中間材の前記挿通孔の大きさ内に納まっていることを構成要件とする。
「シンブルロッドのグリップ部とワイヤを緊結する」とは、図6-(a)、(b)に示すようにシンブルロッド8のグリップ部82にワイヤ9のシンブルロッド8側の端部(上部定着部91)を挿通させ、グリップ部82から抜け出さないループ形状等の定着形状に端部を形成し、シンブルロッド8とワイヤ9に互いに分離する向きに予め引張力を付与(導入)した状態で、シンブルロッド8とワイヤ9を互いに連結することを言う。ワイヤ9の上部定着部91はシンブルロッド8への張力付与前にグリップ部82に仮定着され、シンブルロッド8への張力付与に伴い、グリップ部82内の奥側(中間材7側)へ引き込まれる。
「並列する少なくとも2本の縦枠」とは、縦枠3が上枠4と下枠5との間に3本以上、配置される場合があることを言う。3本以上、配置される場合、両側以外の縦枠3はシンブルロッド8への張力導入時に、上枠4と中間材7に両者が対向する向きに作用する引張力の反力を圧縮力として負担する役目を持つ。その場合、両側以外の縦枠3はシンブルロッド8とワイヤ9の配置(保持)に支障のない位置に配置される。
「両側に位置する2本の縦枠の上部間に架設されて2本の縦枠に接合される上枠」とは、縦枠3が3本以上、ある場合、両側に位置する2本の縦枠3、3の上部間に上枠4が架設され、両縦枠3、3に接合されることを言う。上枠4は両側の縦枠3、3に接合されることで、下枠5と共に方形状のフレーム(枠組み)2を構成する。
「シンブルロッドの軸部が挿通する挿通孔を有する上枠」とは、図4に示すようにシンブルロッド8の軸部81が挿通可能な大きさ(径)の挿通孔4aを上枠4が有することを言い、上枠4が軸部81の大きさ(径)より大きい幅を有することも意味する。「両縦枠の下部間に架設されて両縦枠に接合される下枠」とは、図1に示すように上枠4と対になる下枠5が縦枠3、3の下部間に架設され、上枠4と共に方形状のフレーム2を構成することを意味する。上枠4の挿通孔4aは円形とは限らない。
「上枠と下枠の中間の位置で縦枠間に架設されて両縦枠に接合される中間材」とは、図1に示すように中間材7が上枠4及び下枠5と平行に縦枠3、3間に架設され、双方に接合されることで、上枠4及び下枠5と共にフレーム2を構成することを言う。「ワイヤが挿通する挿通孔を有し、ワイヤを保持する中間材」とは、中間材7にワイヤ9がシンブルロッド8の軸方向に挿通する挿通孔7aが形成されることと、挿通孔7a内にワイヤ9を挿通させた状態で、中間材7がワイヤ9を保持可能であることを言う。中間材7はワイヤ9の大きさ(径)より大きい幅を有する。中間材7の挿通孔7aも円形とは限らない。
中間材7は具体的には例えば縦枠3、3間に架設されて両者に接合される中残71と、互いに分離し、ワイヤ9を挟持可能な2個(2枚)の挟持材72、72を備える(請求項3)。中間材7は中残71の軸方向両端部において縦枠3に接合される。2個の挟持材72、72はワイヤ9を水平方向両側から挟持し得るよう、中残71の厚さ方向に互いに分離し、両者の対向する面間の距離を調整する2本のボルト74、74で互いに接続されながら、そのボルト74で中残71側の挟持材72が中残71に接合される(請求項3)。
この場合、ボルト74、74は図1-(b)、図3に示すように中残71とその側に位置する一方の挟持材72を挿通するか、螺入し、一方の挟持材72を中残71に接合する。ボルト74、74は中残71の反対側に位置する他方の挟持材72を挿通し、他方の挟持材72の表面側に配置されるナット75に螺入することで、他方の挟持材72を一方の挟持材72の対向する方向に相対移動自在に接続する。一方の挟持材72と他方の挟持材72の対向する面にそれぞれ凹部72aが形成され、双方の凹部72a、72aが対向し、対になることで、挿通孔7aが形成される。
他方の挟持材72が一方の挟持材72から距離を置いた状態で、または一方の挟持材72から分離した状態で、ワイヤ9が中間材7の挿通孔7a内に挿通するか、一方の挟持材72の凹部72a内に差し込まれる。後者の場合、一方の挟持材72の凹部72a内へのワイヤ9の差し込み後、他方の挟持材72が一方の挟持材72に対向し、ワイヤ9を挟持する。ワイヤ9は双方の挟持材72、72の凹部72a、72aに挟み込まれることで、挿通孔7a内に挿通する。
挿通孔7aにワイヤ9が配置された後、ボルト74へのナット75の締結で他方の挟持材72が一方の挟持材72側へ移動してワイヤ9を拘束し、保持する。このときの両挟持材72、72によるワイヤ9に対する拘束力(圧縮力)は上枠4に付属するナット43のシンブルロッド8軸部81への緊結に伴って軸部81に付与される張力に抵抗できる大きさである。
「上枠の挿通孔の周りにシンブルロッドの軸部に螺合するナットが配置され」とは、上枠4の挿通孔4aの周りに、挿通孔4a内にシンブルロッド8の軸部81が挿通したときに、軸部81の外周面に形成された雄ねじに螺合するナット43が配置されることを言う。ナット43は緊結装置1の構成要素であるが、挿通孔4aにシンブルロッド8の軸部81を挿通させるときには、一時的に不在になる。
上枠4のナット43はシンブルロッド8の軸部81に螺合し、軸部81への螺合(螺入)量が増すに従い、軸部81は上枠4に対して上方に移動するか、伸長し、軸部81に張力が付与(導入)される。軸部81に形成されている雄ねじが右ねじであれば、図5-(b)、図6-(b)に示すようにナット43が螺入(進行)の向き(鉛直方向下向き)に対して右回転すれば、軸部81に張力が付与される。ナット43が左回転すれば、張力は緩む。ナット43の回転による軸部81への張力付与は、ワイヤ9の上部定着部91がシンブルロッド8のグリップ部82に仮定着され、ワイヤ9が中間材7(挟持材72、72)に拘束された状態で行われる。
「上枠の縦枠への接合部分」は、上枠4全体の内、溶接やボルト接合等によって縦枠3に接合された部分を指す。図1に示すように上枠4が山形鋼である場合に、フレーム2の使用状態で水平方向を向いた板要素のフランジ41のみが縦枠3の内周面(見込み片31(内側の見込み面))に溶接された場合には、フランジ41の材軸に直交する端面が「縦枠への接合部分」である。
フランジ41と鉛直方向を向いた板要素のウェブ42が縦枠3の内周面に溶接された場合には、上枠4全体の材軸に直交する端面が「縦枠への接合部分」である。溝形鋼やH型鋼等の他の形鋼も同様である。「フレーム2の使用状態」とは、緊結装置1の使用状態を言う。フレーム2(緊結装置1)は基本的に縦枠3の軸方向を鉛直方向に向けて使用されるが、鉛直方向は必ずしも厳密ではない。上枠4と縦枠3、下枠5、中間材7には鋼材の他、アルミニウム合金形材その他の材料も使用される。
上枠4が山形鋼や溝形鋼等、または同形状の形材の場合に、フランジ41が「縦枠への接合部分」である場合、「接合部分の断面上の図心」はフランジ41の材軸(軸線)に直交する断面上の図心Oを指し、上枠4全体が「縦枠への接合部分」である場合、「接合部分の断面上の図心」は上枠4全体の材軸に直交する断面上の図心Oを指す。上枠4は縦枠3の内周面に接合されるとは限らず、縦枠3の上端面に接合されることもあり、その場合は、上枠4全体が「縦枠への接合部分」になる。
フランジ41が「縦枠への接合部分」である場合に、図7の上部に示すように挿通孔4aが上枠4の幅方向の中心を中心として形成された場合、挿通孔4aはフランジ41に形成されるため、フレーム2の使用状態で言えば、上枠4を軸方向に見た断面上、挿通孔4aの中心を通る直線(鉛直線)がフランジ41の断面上の図心(中心)Oを通る軸線L1上を通過し、挿通孔4aの中心とフランジOの図心は同一鉛直面内に位置する。
上枠4全体が「縦枠への接合部分」である場合、図3の上部に示すように上枠4全体の断面上の図心Oは図7の上部に示すフランジ41の縦枠3への接合部分の断面上の図心Oよりウェブ42側に位置する。このため、上枠4の断面上の図心Oと挿通孔4aの中心は同一鉛直面内に位置しなくなる。また例えば挿通孔4aの中心が上枠4の幅方向の中心に一致する場合には、挿通孔4aの大きさ(径)の範囲内に上枠4の縦枠3への接合部分の断面上の図心Oが納まらなくなることもある。
但し、図3の上部に示すように挿通孔4aの中心を上枠4の幅方向の中心よりウェブ42寄りに位置させれば、上枠4の断面上の図心Oを挿通孔4aの大きさ内に納めることができる。「挿通孔の大きさ(径)内に納まる」とは、上枠4を軸方向に見たときに、挿通孔4aの大きさ(径)の範囲内に上枠4の縦枠3への接合部分の断面上の図心Oが位置していることを言う。
フランジ41(縦枠3への接合部分)の断面上の図心Oと挿通孔4aの中心が同一鉛直面内に位置する場合、上枠4の挿通孔4a内に挿通したシンブルロッド8の軸部81に付与される張力によって上枠4に作用する鉛直方向下向きの荷重と、フランジ41の図心Oとの間には偏心は生じないため、上枠4にはシンブルロッド8に付与される張力による捩じりモーメントは作用しない。
上枠4全体が縦枠3に接合される場合の「縦枠への接合部分の断面上の図心O」と挿通孔4aの中心が同一鉛直面内にしない場合には、上枠4全体の図心Oと挿通孔4aの中心との間に偏心が生じるため、上枠4に捩じりモーメントは作用する。但し、上枠4全体(縦枠3への接合部分)の図心Oが挿通孔4aの大きさ(径)内に納まることで、上枠4に作用する捩じりモーメントは低く抑えられる。
具体的には図3の上部に示すようにフレーム2の使用状態での上枠4全体の図心Oと、鉛直方向の一点鎖線で示す挿通孔4aの中心との間の水平距離が偏心距離eになる。特許文献5の例で言えば、縦枠の幅とロッド受けの径を加えた距離の半分が偏心距離になる。それに対し、本発明では上枠4全体の図心Oと挿通孔4aの中心が同一鉛直面内にしない場合でも、偏心距離eは特許文献5の上枠の幅の半分の半分(1/4)未満で済み、ロッド受けの径の半分にも満たないため、上枠4に作用する捩じりモーメントは特許文献5の1/4未満に抑えられる。
なお、上枠4として溝形鋼やH形鋼等の線対称形状の形鋼や形材を使用し、縦枠3の軸線に関して線対称状態で上枠4全体を縦枠3の内周面に接合すれば、挿通孔4aを上枠4の幅方向の中心を中心として形成した場合、上枠4の断面上の図心Oと挿通孔4aの中心との間には偏心は生じない。
中間材7の縦枠3への接合方法にも、上枠4の縦枠3への接合と同じことが言える。例えば中間材7の軸方向の端部(端面)71aが縦枠3に図1に示すように縦枠3の内周面(見込み片31(内側の見込み面))に重なり、1本のボルト73等で接合された場合、図3、図7に示すように中間材7を軸方向に見た断面上、ボルト73の軸線と中間材7の挿通孔7aの中心が同一鉛直面内に位置していれば、中間材7の縦枠3への接合部分の断面上の図心O’と中間材7の挿通孔7aの中心が同一鉛直面内に位置し、偏心はない。中間材7の端部71a全体が縦枠3に溶接された場合にも、同じことが言える。挿通孔7aの中心を通る直線(鉛直線)は図心O’を通る軸線L2上を通過する。
これらの場合、中間材7の縦枠3への接合部分の断面上の図心O’と挿通孔7aの中心との間に偏心がないため、シンブルロッド8への張力付与に伴ってワイヤ9に生じる引張力による鉛直上向きの荷重に起因しては中間材7には捩じりモーメントは作用しない。中間材7の断面上の図心O’と挿通孔7aの中心との間に偏心があっても、中間材7の図心O’が中間材7の挿通孔7aの大きさ(径)内に納まっていれば、上枠4の縦枠3への接合と同様、偏心距離は小さくて済むため、中間材7に作用する捩じりモーメントは低く抑えられ、上記した上枠4のことと同じことが言える。
中間材7においても、「中間材の縦枠への接合部分」とは、中間材7の全体の内、ボルト73や溶接等による縦枠3への接合部分を指す。図2-(b)に示すように中間材7が縦枠3の内周面に重なる端部71aと、両端部71a、71aの幅方向片側間に位置する中間部71bからなる場合に、端部71aが縦枠3にボルト73で接合される場合、「縦枠への接合部分」は端部71aを指す。図心O’は中間材7の軸方向に見た断面上、端部71aの中心になる。
中間材7の端部71aが1本のボルト73で縦枠3に接合される場合、中間材7の挿通孔7a内を挿通するワイヤ9に、シンブルロッド8への張力付与に伴って導入される引張力で中間材7が軸線の回りに回転しないよう、ボルト73の中心は端部71aの図心(中心)O’に一致する。端部71aが2本以上のボルトか溶接等により縦枠3に接合される場合には、この制約はない。
図3の下部に示すように端部71aの図心O’と中間材7の挿通孔7aの中心が同一鉛直面内に位置すれば、端部71aには捩じりモーメントは作用せず、中間材7にも作用しない。中間材7の端部71aが図心O’を外した位置で、1本のボルト73以外の手段で縦枠3に接合されても、接合部分の図心O’が中間材7の挿通孔7aの大きさ(径)内に納まっていれば、中間材7の端部71aに作用する捩じりモーメントは低く抑えられる。
以上のように上枠4の縦枠3への接合部分の断面上の図心Oは上枠4の挿通孔4aの大きさ(径)内に納まり、中間材7の縦枠3への接合部分の断面上の図心O’は中間材7の挿通孔7aの大きさ(径)内に納まっている。
これらのことから、フレーム2の使用状態で、上枠4及び中間材7を軸方向に見た断面上、上枠4及び中間材7の図心O、O’とそれぞれの挿通孔4a、7aの中心との間に偏心を生じさせないか、上枠4及び中間材7の幅の1/4より小さい偏心距離で済ませることが可能になる。この結果、上枠4と中間材7に捩じりモーメントを作用させないか、作用する場合でも捩じりモーメントを特許文献5より大幅に低く抑えることが可能になる。
上記した上枠4の鉛直方向を向いた板要素であるウェブ42は「シンブルロッドの軸方向と平行な面を持ち、シンブルロッドの軸方向に作用する引張力に対する抵抗要素となる補剛材」(請求項2)に相当する。「引張力に対する抵抗要素」とは、フレーム2の使用状態で上枠4の挿通孔4aを挿通したシンブルロッド8の軸部81に張力が付与されるに従い、上枠4に鉛直方向下向きに生じる、張力の負担に伴う曲げモーメントに対する抵抗要素であることを言う。
補剛材(ウェブ42)はフランジ41と共に縦枠3に溶接等により接合されていれば、上枠4全体が縦枠3に剛接合された状態になるため、補剛材が引張力に対する抵抗要素として機能する上では有効である。但し、補剛材は縦枠3に接合されていなくても、上枠4のフランジ41に生じる曲げモーメントには抵抗し得るため、必ずしも縦枠3に接合されている必要はない。
なお、シンブルロッド8のグリップ部82に接続されるワイヤ9を中間材7が保持した状態でのシンブルロッド8の軸部81へのナット43の回転による張力付与による軸部81とワイヤ9への偏心荷重の作用を回避する上では、図3、図7に示すように上枠4の挿通孔4aの中心と中間材7の挿通孔7aの中心は同一鉛直線上に位置するように調整される。図3、図7中、縦の一点鎖線が挿通孔4a、7aの中心を通る直線を示している。
このことは、フレーム2(緊結装置1)の使用状態で言えば、図3、図7に示すように上枠4の挿通孔4aの中心と中間材7の挿通孔7aの中心が一点鎖線で示す同一鉛直線上に位置し、上枠4の挿通孔4aを挿通したシンブルロッド8の軸部81の断面上の中心と、中間材7の挿通孔7aを挿通したワイヤ9の断面上の中心が合致することである。
上枠の縦枠への接合部分の断面上の図心が上枠の挿通孔の大きさ(径)内に納まり、中間材の縦枠への接合部分の断面上の図心が中間材の挿通孔の大きさ(径)内に納まっているため、フレームの使用状態で、上枠及び中間材を軸方向に見た断面上、上枠及び中間材の図心とそれぞれの挿通孔の中心との間に偏心を生じさせないか、上枠及び中間材の幅の1/4より小さい偏心距離で済ませることができる。この結果、上枠と中間材に捩じりモーメントを作用させないか、作用する場合でも捩じりモーメントを大幅に低く抑えることができる。
(a)は緊結装置を構成するフレームの形成例を示した挿通孔を通る縦断面図であり、図2-(a)のx-x線断面図、(b)は(a)のy-y線断面図である。 (a)は図1-(a)のa-a線矢視図、(b)は図1-(b)の中間材部分の平面図、(c)は(b)の背面図である。 図1-(b)における縦枠の挿通孔を長孔状に形成した場合の上枠部分と中間材部分の拡大図である。 (a)はフレームの上枠に形成された挿通孔にシンブルロッドの軸部が挿通していない状態を示した斜視図、(b)は(a)の挿通孔に挿通させたシンブルロッドの軸部にナットを螺合させた様子を示した斜視図である。 (a)はフレームの上枠にシンブルロッドを支持させた様子を示した立面図、(b)は(a)のシンブルロッドのグリップ部にワイヤを接続した様子を示した立面図である。 (a)はシンブルロッドのグリップ部にワイヤを挿通させた状況を示した斜視図、(b)はシンブルロッドの軸部に上枠上から螺合したナットを回転させ、軸部に張力を付与している状況を示した斜視図である。 上枠の縦枠への接合部分の断面上の図心を通る上枠軸線上に上枠の挿通孔の中心が位置している様子と、中間材の縦枠への接合部分の断面上の図心を通る中間材軸線上に中間材の挿通孔の中心が位置している様子を示した斜視図である。
図1はエレベータのかごを支持する、図5-(b)に示すワイヤ9に接続されるグリップ部82と、グリップ部82の上部に一体化し、外周面に雄ねじが形成された軸部81を有する、図5-(a)に示すシンブルロッド8のグリップ部82とワイヤ9を緊結するために使用される緊結装置1を構成するフレーム2の製作例を示す。シンブルロッド8はかごに接続される。
フレーム2は図1-(a)に示すように水平方向に距離を置いて並列する少なくとも2本の縦枠3、3と、両側に位置する2本の縦枠3、3の上部間に架設される上枠4と、両縦枠3、3の下部間に架設される下枠5と、上枠4と下枠5の中間の位置で縦枠3、3間に架設される中間材7とを備える。上枠4と下枠5、及び中間材7は軸方向両端部において両縦枠3、3に接合され、フレーム2を構成する。接合はピン接合の場合と剛接合の場合がある。両縦枠3、3の下面にはフレーム2の使用(起立)状態での安定性確保のためにベースプレート等の支持台6、6が接合される。
上枠4は図1、図4等に示すように少なくともフレーム2の厚さ方向(縦枠3の見込み方向)を向いたフランジ(見込み片)41を持ち、シンブルロッド8の軸方向と平行な面を有する板要素である補剛材としてのウェブ42(見付け片)を有する場合もある。ウェブ42(補剛材)はシンブルロッド8の軸方向に作用する引張力に対する抵抗要素となり、張力が付与されるシンブルロッド8の軸部81から上枠4に鉛直方向下向きに作用する反力の引張力による曲げモーメントに抵抗する。形鋼であれば、上枠4がウェブ42を有する形態としては図1に示すような山形鋼の他、溝形鋼、H形鋼等の場合がある。
フランジ41の幅寸法内には図1、図2-(a)に示すようにシンブルロッド8の軸部81が挿通する挿通孔4aが形成され、図4-(b)、図5-(a)、(b)に示すようにフランジ41上の挿通孔4aの周りにはシンブルロッド8の軸部81に螺合するナット43が配置される。挿通孔4aの平面形状は円形とは限らない。
ナット43はシンブルロッド8の軸部81が挿通孔4aを下方側から挿通した後にフランジ41上の挿通孔4aの周りに配置され、軸部81の表面に形成された雄ねじに螺合し、軸部81への螺合深さ(螺合量)が増す程、軸部81に張力を付与(導入)する。上枠4の挿通孔4aはフランジ41の軸方向には1箇所、または複数箇所、形成される。図面では複数本のシンブルロッド8への張力付与作業を順次、実施できるよう、3箇所に挿通孔4aを形成している。
図1、図3に示す例は上枠4に山形鋼、または山形状のアルミニウム合金等の形材を使用し、水平方向を向いたフランジ41と鉛直方向を向いたウェブ42の双方を縦枠3の隣接する縦枠3側の見込み片31に溶接接合した場合の例を示している。上枠4の縦枠3、3への接合部分の断面上の図心Oは図3、図7に示すように上枠4の挿通孔4aの大きさ(径)内に納まるように設定される。中間材7の縦枠3、3への接合部分の断面上の図心O’も図3、図7に示すように中間材7の挿通孔7aの大きさ(径)内に納まるように設定される。
図7の上部は特に上枠4の縦枠3への接合部分の断面上の図心Oを通り、上枠4の軸方向に平行な直線(軸線L1)上に上枠4の挿通孔4aの中心が位置している場合の例を、下部は中間材7の縦枠3への接合部分の断面上の図心O’を通り、中間材7の軸方向に平行な直線(軸線L2)上に中間材7の挿通孔7aの中心が位置している場合の例を示している。図7の上部は上枠4のフランジ41の軸方向の端面が周囲において、または全面において縦枠3の見込み片31に溶接された場合の例を示している。
図7に示す例の場合、上枠4の縦枠3への接合部分の断面上の図心Oを通る上枠4の軸線L1は上枠4の挿通孔4aの中心を通る鉛直面内に位置し、軸線L1は挿通孔4aの中心に交わる。この場合、シンブルロッド8の軸線と上枠4の軸線L1との間には偏心はないため、上枠4にシンブルロッド8から作用する引張力に起因する上枠4への捩じりモーメントは作用しない。上枠4が閉鎖断面形状である場合の軸方向の端面が溶接された場合も同様である。
上枠4がフランジ41とウェブ42を有する山形鋼の場合に、図1に示すようにフランジ41とウェブ42が縦枠3の見込み片31に溶接された場合には、上枠4の縦枠3への接合部分の断面上の図心Oは図3の上部に示すようにフランジ41の幅方向中心よりウェブ42寄りに位置する。但し、フランジ41に形成される挿通孔4aの中心をフランジ41の幅方向のウェブ42側寄りに位置させることで、上枠4の図心Oを上枠4の挿通孔4aの大きさ(範囲)内に納めることができる。
具体的には例えば上枠4がL-65×65×6である場合、図3に示すように図心O位置はウェブ42の表面からフランジ41側へ18.1mmの位置にある。挿通孔4aの径が25mmであるとし、挿通孔4aの中心をウェブ42の表面からフランジ41側へ30mmの位置に配置すれば、挿通孔4aの中心と図心O位置までの距離(偏心距離e)は11.9mmになる。図3中、縦方向の一点鎖線が挿通孔4aの中心の位置を示している。
この偏心距離eは挿通孔4aの中心を通る縦断面で見たとき、挿通孔4aの中心と挿通孔4aの内周面までの距離12.5mm以下になり、上枠4の図心Oは上枠4の挿通孔4aの大きさ内に納まっている。また上枠4の幅は65mmで、上枠4の幅の1/4は16.25mmであるから、偏心距離eは上枠4の幅の1/4より小さく、上枠4の幅の1/4の73%程度である。
図3の下部と図7の下部は中間材7の軸方向両端部の縦枠3の見込み片31に重なる端部71aを端部71aの図心O’の位置に配置されたボルト73で縦枠3の見込み片31に接合した場合の例を示している。ボルト73の中心は原則的に図心O’に合致する。
この例では図7に示すように中間材7の図心O’を通る中間材7の軸線L2が挿通孔7aの中心を通る鉛直面内に位置し、軸線L2は挿通孔7aの中心に交わる。結果的にワイヤ9の断面上の中心と中間材7の軸線L2との間には偏心はないため、中間材7にワイヤ9から作用する張力に起因する捩じりモーメントは作用しない。
なお、上枠4の図心Oを通る軸線L1が上枠4の挿通孔4aの中心と交わるか否かに拘わらず、また中間材7の図心O’を通る軸線L2が中間材7の挿通孔7aの中心と交わるか否かに拘わらず、図3、図7に示すように上枠4の挿通孔4aの中心と中間材7の挿通孔7aの中心が一点鎖線で示す同一鉛直線上に位置する。すなわち、上枠4の挿通孔4aを挿通したシンブルロッド8の軸部81の断面上の中心と、中間材7の挿通孔7aを挿通したワイヤ9の断面上の中心が合致し、シンブルロッド8への張力付与に伴ってシンブルロッド8の軸部81とワイヤ9に偏心による曲げ応力が発生することはない。
中間材7は例えば図1-(b)、図2-(b)~(d)に示すように縦枠3、3間に架設されて両者に接合される中残71と、互いに分離し、ワイヤ9を挟持可能な2個、もしくは2枚の挟持材72、72を備える。2個の挟持材72、72は両者の対向する面間の距離を調整する2本のボルト74、74で互いに接続されながら、中残71側の挟持材72が中残71に接合される。
図示する例では中残71の縦枠3への接合に中残71の軸方向を向くボルト73を用いている関係で、縦枠3、3の見込み片31、31に直接、もしくは間接的に重なる端部71a、71aと、両端部71a、71aの幅方向片側間に位置する中間部71bの3部分から中残71を構成し、上記した上枠4の挿通孔4aの数に応じ、中間部71bの軸方向(長さ方向)に間隔を置いた3箇所に挟持材72、72を配置している。
端部71aは縦枠3の見込み片31には、図1-(b)、図3に示すように見込み片31に形成された挿通孔3aに挿通し、図2-(b)、(c)に示すボルト73等により接続される。図面ではボルト73の中心を端部71aの図心O’に合致させている。図2ではボルト73を端部71aの縦枠3側に一体化させているが、別体にする場合もある。
挿通孔3aを縦枠3の見付け方向に挿通し、縦枠3の表面に突出したボルト73にナットが螺合させることで、またはボルト73が挿通孔3aに螺入することで、端部71aが縦枠3に接合される。後者の場合、ナットは不要である。挿通孔3aはシンブルロッド8のグリップ部82とワイヤ9との接続位置を鉛直方向に調整可能にするために、図1-(b)に示すように縦枠3の軸方向に間隔を置いて複数個、または図3に示すように軸方向に長孔状に形成される。
中残71の中間部71bにおける挟持材72、72の配置位置毎に、挿通孔7aを中残71の軸方向に挟む両側位置に2本のボルト74、74が配置される。ボルト74は中間部71bと2個の挟持材72、72を挿通するか、螺入し、中間部71bの反対側に位置する挟持材72の表面側にナット75が螺合することで、中間部71bの反対側の挟持材72が中間部71b側の挟持材72に接合される。挿通孔7a内にワイヤ9が挿通している場合には、両挟持材72、72にワイヤ9が挟持されることで、ワイヤ9が中間材7に拘束され、保持される。
対になる2個の挟持材72、72の対向する面には、それぞれの表面から凹部72a、72aが形成されており、両凹部72a、72aが互いに突き合わせられることで、中間材7の挿通孔7aが形成される。挿通孔7aには両挟持材72、72の対向する面が互いに分離し、距離を置いている状態で、挟持材72の下方側から図6-(a)に示すようにワイヤ9の上部が挿通させられる。または中間部71b(中残71)の反対側の挟持材72が中間部71b側の挟持材72から離脱している状態で、ワイヤ9が中間部71b側の挟持材72の凹部72a内に表面側から差し込まれる。
後者の場合、ワイヤ9が中間部71b側の挟持材72の凹部72a内に差し込まれた後に、中間部71bの反対側の挟持材72がワイヤ9を挟み込むように中間部71b側の挟持材72に突き合わせられ、ボルト74で接合される。ワイヤ9の上部は中間部71b側の挟持材72の凹部72a内に差し込まれたとき、凹部72aの上方に突出する。挿通孔7aの平面形状は円形とは限らない。挿通孔7aが円形の場合、凹部72aの平面形状は半円形になる。
挿通孔7aにワイヤ9が挿通させられる前に、図4-(b)、図5-(a)に示すように上枠4の挿通孔4aと中間材7との間にシンブルロッド8が架設される。シンブルロッド8は上枠4の挿通孔7aに接続される軸部81と、ワイヤ9がシンブルロッド8の軸方向に挿通する開口82aを有し、ワイヤ9の上部が接続されるグリップ部82の2部分を有する。軸部81の上部区間には上枠4に付属するナット43が螺合する雄ねじが形成される。ワイヤ9の上部である上部定着部91はグリップ部82に鉛直方向に形成されている挿通孔を下方から挿通し、挿通孔に連通する開口82a内でグリップ部82に定着される。
ワイヤ9の上部(上部定着部91)は中間材7の挿通孔7aを下方側から挿通した後、または中間部71b側の挟持材72の凹部72aと中間部71bの反対側の挟持材72の凹部72aとに挟まれた後、シンブルロッド8のグリップ部82に接続される。
シンブルロッド8の軸部81は図5-(a)、図6-(a)に示すように上枠4の挿通孔4a内に下方側から挿通させられ、挿通孔4aから上方へ突出した軸部81の上部区間にナット43が螺合させられる。中間材7の挿通孔7aと、シンブルロッド8のグリップ部82の挿通孔を挿通し、開口82a内に突出したワイヤ9の上部定着部91は図6-(a)、(b)に示すようにループ形状等に屈曲させられ、挿通孔82a内に仮に定着させられる。
その後、中間部71b(中残71)の反対側の挟持材72を中間部71b側の挟持材72に接合するボルト74を、あるいはナット75を締め付け、ワイヤ9を両挟持材72、72間に挟み込み、拘束する。
ワイヤ9の上部定着部91がグリップ部82内に仮定着され、その下方の中間材7を挿通する部分が挟持材72、72に挟持され、拘束された状態で、図6-(b)に示すようにシンブルロッド8の軸部81に螺合しているナット43を回転させることで、軸部81(シンブルロッド8)に張力が付与(導入)される。軸部81の雄ねじが右ねじの場合、ナット43が螺入の向き(鉛直方向下向き)に対して右回転させられることで、軸部81に張力が付与される。軸部81に付与すべき張力は設定された大きさであるが、軸部81へのナット43の螺合長さで付与すべき張力が予め求められていることもある。
ナット43の回転による軸部81への張力付与に伴い、ワイヤ9の上部定着部91はグリップ部82の開口82a内で中間材7側へ引き込まれてグリップ部82に下向きに係合し、ワイヤ9の中間材7(挟持材72、72)からグリップ部82までの区間へも張力が付与された状態になる。
その状態で、グリップ部82の開口82a内に充填材としての溶融金属を充填し、充填材を硬化させることで、ワイヤ9の上部定着部91がグリップ部82の開口82a内に定着される。ワイヤ9の上部定着部91のグリップ部82への定着によりシンブルロッド8とワイヤ9の緊結作業が終了する。
1……緊結装置、
2……フレーム、
3……縦枠、31……見込み片、3a……挿通孔、
4……上枠、41……フランジ(見込み片)、4a……挿通孔、42……ウェブ(見付け片)、43……ナット、
5……下枠、
6……支持台、
7……中間材、7a……挿通孔、71……中残、71a……端部、71b……中間部、72……挟持材、72a……凹部、73……ボルト(端部71a用)、74……ボルト(挟持材42用)、75……ナット、
8……シンブルロッド、81……軸部、82……グリップ部、82a……開口、
9……ワイヤ、91……上部定着部、
O……上枠の縦枠への接合部分の断面上の図心、
O’……中間材の縦枠への接合部分の断面上の図心、
L1……図心Oを通る上枠の軸線、
L2……図心O’を通る中間材の軸線。

Claims (3)

  1. エレベータのかごを支持するワイヤに接続されるグリップ部と、このグリップ部に一体化し、外周面に雄ねじが形成された軸部を有し、前記かごに接続されるシンブルロッドの前記グリップ部と前記ワイヤを緊結するために使用される緊結装置であり、
    水平方向に距離を置いて並列する少なくとも2本の縦枠と、この両側に位置する2本の前記縦枠の上部間に架設されて前記2本の縦枠に接合され、前記シンブルロッドの前記軸部が挿通する挿通孔を有する上枠と、前記両縦枠の下部間に架設されて前記両縦枠に接合される下枠と、前記上枠と前記下枠の中間の位置で前記縦枠間に架設されて前記両縦枠に接合され、前記ワイヤが挿通する挿通孔を有し、前記ワイヤを保持する中間材とを備え、
    前記上枠の前記挿通孔の周りに前記シンブルロッドの前記軸部に螺合するナットが配置され、
    前記上枠の前記縦枠への接合部分の断面上の図心は前記上枠の前記挿通孔の大きさ内に納まり、前記中間材の前記縦枠への接合部分の断面上の図心は前記中間材の前記挿通孔の大きさ内に納まっていることを特徴とするシンブルロッドとワイヤの緊結装置。
  2. 前記シンブルロッドの軸方向と平行な面を有する板要素である補剛材が前記上枠に一体化していることを特徴とする請求項1に記載のシンブルロッドとワイヤの緊結装置。
  3. 前記中間材は前記縦枠間に架設されて両者に接合される中残と、互いに分離し、前記ワイヤを挟持可能な2個の挟持材を備え、この2個の挟持材は両者の対向する面間の距離を調整する2本のボルトで互いに接続されながら、前記中残側の前記挟持材は前記中残に接合されていることを特徴とする請求項1、もしくは請求項2に記載のシンブルロッドとワイヤの緊結装置。
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JP2021187560A (ja) 2020-05-25 2021-12-13 東芝エレベータ株式会社 ワイヤーロープのソケッティング用治具装置およびソケッティング方法

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