JP7496489B2 - 除湿装置 - Google Patents

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Description

本発明は、居住空間などに用いられる除湿機能付き熱交換形換気装置に適用される除湿装置に関するものである。
従来、冷房あるいは暖房の効果を損なわずに換気できる装置として、換気の際に給気流と排気流との間で熱交換を行う熱交換形換気装置が知られている。
近年、地球温暖化の影響および住宅の気密性が向上したことにより、特に夏季において、室内の排熱および排湿が不足し、室内が高温多湿になるため、居住者にとって室内の快適性が損なわれることが懸念されている。夏季において室内の快適性を向上させるには、特に室内の湿度低下が重要であることから、室内の湿度を調整しながら熱交換換気を行う除湿機能付き熱交換形換気装置が求められている。このため、我々は、除湿機能付き熱交換形換気装置として、冷凍サイクルと熱交換器とを組み合わせた除湿装置を適用した熱交換形換気装置の開発を進めている。冷凍サイクルと熱交換器とを組み合わせた除湿装置としては、例えば、特許文献1に記載の除湿装置が知られている。
従来の除湿装置について図5を参照して説明する。
図5に示すように、従来の除湿装置100は、空気吸込口101から本体ケース102内に吸い込んだ空気(空気X、空気Y)を、除湿部103を通過させた後に、空気吹出口104から本体ケース102外に吹き出す構成となっている。除湿部103は、冷凍サイクルと、熱交換器111とを含む。冷凍サイクルは、圧縮機105、放熱器106、膨張器107、吸熱器108の順に連結されている。熱交換器111は、吸熱器108と放熱器106との間に配置され、第一流路109を流れる空気Xと第二流路110を流れる空気Yとの間で熱交換する。
そして、第一流路109を流れる空気Xは、吸熱器108で冷却されて結露が発生する。冷却された空気Xから生じた結露水は回収される。一方、第二流路110を流れる空気Yは、吸熱器108によって冷却された空気Xと熱交換して冷却されて結露が発生する。冷却された空気Yから生じた結露水もまた回収される。このように除湿装置100によって空気の除湿が行われる。
国際公開第2016/031139号
しかしながら、従来の除湿装置100は、冷凍サイクルの放熱器106を冷却するために、除湿した空気を放熱器106に通過させる構成となっている。放熱器106では、吸熱器108によって吸熱されるエネルギーに加えて、圧縮機105によって冷凍サイクル内の冷媒を循環させるためのエネルギーが排熱される。そのため、放熱器106を通過した除湿後の空気の温度は、除湿前の空気の温度以上に上昇することになる。この結果、従来の除湿装置100の除湿機構を熱交換形換気装置の給気風路に配置して除湿した場合には、除湿後の空気(温度上昇した空気)がそのまま給気流として室内に吹き出され、室内の快適性が損なわれるという課題が生じる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、除湿に伴って生じる温度上昇が抑制された給気流を送風可能な除湿機能付き熱交換形換気装置に適用される除湿装置を提供するものである。
この目的を達成するために、本発明に係る除湿装置は、熱交換形換気装置の排気流が流通する排気風路と、熱交換形換気装置の給気流が流通する給気風路とに連通接続される除湿装置である。除湿装置は、圧縮機と放熱器と膨張器と吸熱器とを含んで構成される冷凍サイクルと、第一流路を流れる空気と第二流路を流れる空気との間で熱交換する熱交換器とを含む。除湿装置は、給気風路から熱交換形換気装置による熱交換後の給気流が導入されるとともに、排気風路から排気流が導入されるように構成される。除湿装置に導入された給気流の一部分は、吸熱器、熱交換器の第一流路の順に流通して給気風路に導出され、除湿装置に導入された給気流の他の部分は、熱交換器の第二流路を流通して給気風路に導出される。放熱器は、除湿装置に導入された排気流が流通する第一放熱器と、吸熱器において結露した水によって冷却される第二放熱器とを含む。そして、第二放熱器は、吸熱器の下部において吸熱器と一体的に構成されている。
本発明によれば、除湿に伴って生じる温度上昇が抑制された給気流を送風可能な除湿機能付き熱交換形換気装置に適用される除湿装置を提供することができる。
図1は、本発明の前提例に係る熱交換形換気装置の住宅における設置状態を示す模式図である。 図2は、本発明の前提例に係る熱交換形換気装置の構成を示す模式図である。 図3は、本発明の実施の形態1に係る除湿機能付き熱交換形換気装置の構成を示す模式図である。 図4は、同除湿機能付き熱交換形換気装置における除湿装置の構成の一部を示す模式図である。 図5は、従来の除湿装置の構成を示す概略断面図である。
本発明に係る除湿機能付き熱交換形換気装置は、室内の空気を室外に排出するための排気風路を流通する排気流と、室外の空気を室内へ給気するための給気風路を流通する給気流との間で熱交換する熱交換形換気装置と、給気流に対して除湿する除湿装置とを備える。除湿装置は、圧縮機と放熱器と膨張器と吸熱器とを含んで構成される冷凍サイクルと、第一流路を流れる空気と第二流路を流れる空気との間で熱交換する熱交換器とを含む。除湿装置は、給気風路から熱交換形換気装置による熱交換後の給気流が導入されるとともに、排気風路から排気流が導入されるように構成される。除湿装置に導入された給気流の一部分は、吸熱器、熱交換器の第一流路の順に流通して給気風路に導出され、除湿装置に導入された給気流の他の部分は、熱交換器の第二流路を流通して給気風路に導出される。放熱器は、除湿装置に導入された排気流が流通する第一放熱器と、吸熱器において結露した水によって冷却される第二放熱器とを含む。そして、第二放熱器は、吸熱器の下部において吸熱器と一体的に構成されている。
こうした構成によれば、除湿装置における放熱器の冷却(排熱)に必要なエネルギーを、吸熱器から第二放熱器に流れ落ちる結露水の顕熱または気化熱と、熱交換形換気装置から第一放熱器に導入される排気流(除湿を必要する夏季において、給気流よりも温度が低
い排気流)の空気熱とによって得ることができる。そのため、放熱器を効果的に冷却する
ことができ、除湿後の空気(給気流)の温度上昇を抑制することができる。この結果、冷凍サイクルと熱交換器とを組み合わせた除湿装置を適用した場合でも、除湿に伴って生じる温度上昇が抑制された給気流を送風することができる。つまり、除湿に伴って生じる温度上昇が抑制された給気流を送風可能な除湿機能付き熱交換形換気装置とすることができる。
また、本発明の除湿機能付き熱交換形換気装置では、吸熱器と第二放熱器とは、吸熱器を構成する第一冷媒管と、第二放熱器を構成する第二冷媒管との周囲に放熱フィンを一体的に設けて構成されている。これにより、吸熱器において発生する結露水は、放熱フィンに沿って吸熱器側から第二放熱器側に流れ落ちやすくなるので、第二放熱器を効果的に冷却することができ、給気流の温度上昇を確実に抑制することができる。
また、本発明の除湿機能付き熱交換形換気装置では、放熱器は、熱交換器を流通した給気流が流通する第三放熱器をさらに含み、第一放熱器、第三放熱器、第二放熱器の順に冷媒が流れるように構成されていることが好ましい。これにより、結露水による第二放熱器の冷却によって給気流の温度が低下しすぎた場合に、第三放熱器を流れる冷媒によって熱交換器を流通した給気流の温度調整を行うことが可能となる。つまり、室内に供給される給気流の温度が所望の温度となるように容易に調整することができる。
また、本発明の除湿機能付き熱交換形換気装置では、除湿装置から室内に供給される給気流の温度は、給気流の一部分の風量と給気流の他の部分の風量の比率を制御することによって調節される。これにより、吸熱器によって冷却された気流(第一流路を流通した給気流の一部分)によって、第二流路を流通した給気流の他の部分の温度をさらに低下させることができるので、室内に供給される給気流の温度が所望の温度となるように容易に調整することができる。
以下、本発明を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、全図面を通して、同一の部位については同一の符号を付して説明を省略している。さらに、本発明に直接には関係しない各部の詳細については重複を避けるために、図面ごとの説明は省略している。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(前提例)
まず、図1、図2を参照して、本発明の実施の形態の前提例となる熱交換形換気装置について説明する。図1は、本発明の前提例に係る熱交換形換気装置の住宅における設置状態を示す模式図である。図2は、本発明の前提例に係る熱交換形換気装置の構成を示す模式図である。
図1において、家1の屋内に熱交換形換気装置10が設置されている。熱交換形換気装置10は、屋内の空気と屋外の空気とを熱交換しながら換気する装置である。
図1に示す通り、排気流2は、黒色矢印のごとく、熱交換形換気装置10を介して屋外に放出される。排気流2は、屋内から屋外に排出される空気の流れである。また、給気流3は、白色矢印のごとく、熱交換形換気装置10を介して室内に取り入れられる。給気流3は、屋外から屋内に取り込まれる空気の流れである。例えば、日本の冬季を挙げると、排気流2は20℃~25℃であるのに対して、給気流3は氷点下に達することもある。熱交換形換気装置10は、換気を行うとともに、この換気時に、排気流2の熱を給気流3へ
と伝達し、不用な熱の放出を抑制している。
熱交換形換気装置10は、図2に示す通り、本体ケース11、熱交換素子12、排気ファン13、内気口14、排気口15、給気ファン16、外気口17、給気口18、排気風路4、給気風路5を備えている。本体ケース11は、熱交換形換気装置10の外枠である。本体ケース11の外周には、内気口14、排気口15、外気口17、給気口18が形成されている。内気口14は、排気流2を熱交換形換気装置10に吸い込む吸込口である。排気口15は、排気流2を熱交換形換気装置10から屋外に吐き出す吐出口である。外気口17は、給気流3を熱交換形換気装置10に吸い込む吸込口である。給気口18は、給気流3を熱交換形換気装置10から屋内に吐き出す吐出口である。
本体ケース11の内部には、熱交換素子12、排気ファン13、給気ファン16が取り付けられている。また、本体ケース11の内部には、排気風路4、給気風路5が構成されている。熱交換素子12は、排気風路4を流通する排気流2と、給気風路5を流通する給気流3との間で熱交換(顕熱と潜熱)を行うための部材である。排気ファン13は、排気口15の近傍に設置され、排気流2を内気口14から吸い込み、排気口15から吐出するための送風機である。給気ファン16は、給気口18の近傍に設置され、給気流3を外気口17から吸い込み、給気口18から吐出するための送風機である。排気風路4は、内気口14と排気口15とを連通する風路である。給気風路5は、外気口17と給気口18とを連通する風路である。排気ファン13により吸い込まれた排気流2は、排気風路4内の熱交換素子12、排気ファン13を経由し、排気口15から屋外へと排出される。また、給気ファン16により吸い込まれた給気流3は、給気風路5内の熱交換素子12、給気ファン16を経由し、給気口18から屋内へと供給される。
熱交換形換気装置10は、熱交換換気を行う場合には、熱交換素子12の排気ファン13および給気ファン16を動作させ、熱交換素子12において排気風路4を流通する排気流2と、給気風路5を流通する給気流3との間で熱交換を行う。これにより、熱交換形換気装置10は、換気を行う際に、室外に放出する排気流2の熱を室内に取り入れる給気流3へと伝達し、不要な熱の放出を抑制し、室内に熱を回収する。この結果、冬季においては、換気を行う際に、屋外の温度が低い空気によって屋内の空気の温度が低下することを抑制できる。一方、夏季においては、換気を行う際に、屋外の温度が高い空気によって屋内の空気の温度が上昇することを抑制できる。
(実施の形態1)
次に、図3を参照して、実施の形態1に係る除湿機能付き熱交換形換気装置について説明する。図3は、本発明の実施の形態1に係る除湿機能付き熱交換形換気装置の構成を示す模式図である。なお、図3の各模式図では、排気風路4および給気風路5を、熱交換形換気装置10内の排気流2および給気流3の流れ(黒矢印)と兼用して表記している。
実施の形態1に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50は、図3に示すように、前提例に係る熱交換形換気装置10に対して、除湿機能を付与する手段としての除湿装置30を連結した構成を有している。
除湿装置30は、熱交換形換気装置10での熱交換後の給気流3の除湿を行うためのユニットである。除湿装置30は、圧縮機31と放熱器32と膨張器33と吸熱器34とを含んで構成される冷凍サイクルと、熱交換器35と、を備えている。そして、本実施の形態の冷凍サイクルは、圧縮機31と放熱器32と膨張器33と吸熱器34とをこの順序で環状に連結して構成されている。冷凍サイクルには、例えば、冷媒として代替フロン(HFC134a)が利用される。また、冷凍サイクルを構成する各機器の連結には、銅管がよく用いられ、溶接方式で連結される。
圧縮機31は、冷凍サイクルにおける低温・低圧の冷媒ガス(作動媒体ガス)を圧縮し、圧力を高めて高温化する機器である。本実施の形態では、圧縮機31は、冷媒ガスの温度を45℃程度にまで高温化している。
放熱器32は、圧縮機31によって高温・高圧となった冷媒ガスと空気(排気流2、給気流3)との間または冷媒ガスと水(結露水)との間で熱交換することによって、熱を外部(冷凍サイクル外)に放出させる機器である。このとき、冷媒ガスは、高圧下で凝縮されて液化する。放熱器32では、導入される冷媒ガスの温度(45℃程度)が空気の温度より高いため、熱交換すると、空気または水は昇温され、冷媒ガスは冷却される。なお、放熱器32は、凝縮器ともいう。
具体的には、放熱器32は、第一放熱器32aと、第二放熱器32bと、第三放熱器32cとを有して構成される。第一放熱器32aは、排気風路4内に配置されて排気流2が流通する放熱器である。第二放熱器32bは、後述する吸熱器34の下部に配置されて吸熱器34において結露した水が流れ落ちてくる放熱器である。第三放熱器32cは、給気風路5内に配置されて給気流3が流通する放熱器である。そして、第一放熱器32aと、第二放熱器32bと、第三放熱器32cとは、冷媒管36によって第一放熱器32a、第三放熱器32c、第二放熱器32bの順に冷媒が流れるように連結されている。なお、第二放熱器32bの詳細については後述する。
膨張器33は、放熱器32によって液化した高圧の冷媒を減圧して元の低温・低圧の液体とする機器である。なお、膨張器33は、膨張弁ともいう。
吸熱器34は、膨張器33を流通した冷媒が空気から熱を奪って蒸発し、液状の冷媒を低温・低圧の冷媒ガスとする機器である。吸熱器34では、導入される冷媒の温度が空気の温度より低いため、熱交換すると、空気が冷却され、冷媒が昇温される。なお、吸熱器34は、蒸発器ともいう。
熱交換器35は、顕熱型の熱交換素子を備えた熱交換器である。熱交換器35は、従来の除湿装置100における熱交換器111(図5参照)と同様、吸熱器34と放熱器32(第三放熱器32c)との間の空間に配置されている。熱交換器35の内部には、所定の方向に空気が流れる第一流路35aと、第一流路35aと略直交する方向に空気が流れる第二流路35bとが設けられている。第一流路35aは、吸熱器34から導入される空気を、放熱器32(第三放熱器32c)に導出する流路である。第二流路35bは、熱交換形換気装置10から導入された空気を、放熱器32を流通させることなく、給気風路5に導出する流路である。そして、熱交換器35は、第一流路35aを流れる空気と第二流路35bを流れる空気との間で顕熱のみ交換する。
次に、第二放熱器32bの詳細な構造について図4を参照して説明する。図4は、除湿機能付き熱交換形換気装置50における除湿装置30の構成の一部を示す模式図である。なお、図4では、図面の上下方向が、除湿装置30の鉛直方向の上下に相当するものとして説明する。
図4に示すように、第二放熱器32bは、吸熱器34の下部に配置されて、吸熱器34と一体的に構成されている。具体的には、吸熱器34と第二放熱器32bとは、吸熱器34を構成する第一冷媒管36aと、第二放熱器32bを構成する第二冷媒管36bとの周囲に放熱フィン37を一体的に設けて構成されている。そして、吸熱器34において結露した水(結露水)は、放熱フィン37に沿って吸熱器34側から第二放熱器32b側に流れ落ちてくる。さらに、第二放熱器32bに流れ落ちた結露水は、第二放熱器32bを構成
する第二冷媒管36bの表面において、第二冷媒管36bの冷媒の熱によって温度上昇または気化する。ここで、温度上昇した水は、第二放熱器32bの下方に設けられた漏斗状の排水設備部38に流れ落ち、住宅施設の排水設備に接続された排水管39から排水される。一方、気化した水は、給気側の放熱器32(特に第三放熱器32c)を流通する給気流3によって給気風路5に導出されて室内に放出される。なお、気化する水はごく一部であるが、気化した水によって給気風路5に導出する給気流3の湿度が上昇する。このため、本実施の形態では、給気風路5に導出する給気流3の湿度を、気化する水によって上昇する湿度量を反映させて制御している。
次に、熱交換形換気装置10と除湿装置30との間での気流(排気流2、給気流3)の流れについて図3を参照して説明する。なお、以下の説明では、熱交換後の気流(排気流2、給気流3)または風路(排気風路4、給気風路5)は、熱交換形換気装置10における熱交換素子12を通過した後の気流または風路を示し、熱交換前の気流または風路は、熱交換素子12を通過する前の気流をまたは風路を示すものとする。
図3に示すように、熱交換形換気装置10には、熱交換後の排気風路4に切替ダンパ40が設置され、熱交換後の給気風路5に切替ダンパ41が設置されている。切替ダンパ40は、排気風路4を流通する排気流2を屋外に流す状態と、排気風路4を流通する排気流2を除湿装置30に流す状態とを切り替えるためのダンパである。また、切替ダンパ41は、給気風路5を流通する給気流3を屋内に流す状態と、給気風路5を流通する給気流3を除湿装置30に流す状態とを切り替えるためのダンパである。
除湿機能付き熱交換形換気装置50では、各切替ダンパによって除湿装置30に気流が流れる状態とすることで、熱交換後の給気流3に対して除湿が実行される。除湿の詳細については後述する。なお、除湿の必要がない冬季などの場合には、各切替ダンパによって除湿装置30に気流が流れない状態とすることで、除湿装置30に起因した圧力損失の上昇が抑制される。これにより、除湿機能付き熱交換形換気装置50として、年間を通じての省エネルギーでの運転を実現することができる。
また、図3に示すように、除湿装置30には、内部に導入される熱交換後の給気流3を、2つの気流(第一給気流3a、第二給気流3b)に分割する分岐ダンパ42が設置されている。第一給気流3aは、吸熱器34に導入され、第一流路35aを流通する気流であり、第二給気流3bは、熱交換器35に導入され、第二流路35bを流通する気流である。分岐ダンパ42は、第一給気流3aの風量と第二給気流3bの風量の比率を可変に構成されている。つまり、分岐ダンパ42は、ダンパの角度(熱交換後の給気流3の分岐割合)を調整することによって、第二給気流3bに対する第一給気流3aの割合を容易に増減させることが可能となっている。ここで、第一給気流3aは、請求項の「除湿装置に導入された給気流の一部分」に相当し、第二給気流3bは、請求項の「除湿装置に導入された給気流の他の部分」に相当する。
除湿装置30では、分割された給気流3のうち第一給気流3aは、吸熱器34、熱交換器35の第一流路35a、第三放熱器32cの順に流通した後に、熱交換形換気装置10における熱交換後の給気風路5に導出される。一方、第二給気流3bは、熱交換器35の第二流路35bを流通した後に、第三放熱器32c(あるいは第二放熱器32b)を流通することなく、熱交換後の給気風路5に導出される。本実施の形態では、除湿装置30は、熱交換器35を流通した第一給気流3aと熱交換器35を流通した第二給気流3bとを合流させた後に、熱交換後の給気風路5に導出するように構成されている。これにより、室内に送風される給気流3としての温度調整がなされる。室内に送風される給気流3の温度調整方法については後述する。
一方、除湿装置30に導入された排気流2は、第一放熱器32aを流通した後に、熱交換形換気装置10における熱交換後の排気風路4に導出される。つまり、本実施の形態では、除湿装置30は、熱交換形換気装置10から導入される排気流2によって第一放熱器32aが冷却されるように構成されている。
次に、実施の形態1に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50の除湿の動作について説明する。
まず、除湿機能付き熱交換形換気装置50を運転することによって、排気ファン13と給気ファン16が駆動し、熱交換形換気装置10の内部には、排気風路4を流通する排気流2と、給気風路5を流通する給気流3とが生じる。
例えば、夏季において、排気流2は、エアコンなどによって快適な温度湿度に空調された屋内の空気であり、給気流3は、高温多湿の屋外の空気である。
排気流2と給気流3とは、熱交換形換気装置10の内部で顕熱と潜熱が交換される。この際、高温多湿の給気流3から排気流2に水分が移動するため、給気流3の水分が除去される。つまり、熱交換形換気装置10の内部での全熱交換によって、給気流3に対する除湿(第一除湿)がなされる。
次に、熱交換後の給気流3は、除湿装置30に導入されて除湿される。具体的には、除湿装置30に導入された給気流3のうち第一給気流3aは、吸熱器34によって冷却される。これにより、第一給気流3aの温度が露点温度以下となり、第一給気流3aが結露するので、第一給気流3aの水分が除去される。つまり、吸熱器34を流通することによって、第一給気流3aに対する除湿(第二除湿)がなされる。
加えて、除湿装置30に導入された給気流3のうち残りの第二給気流3bは、熱交換器35の第二流路35bに流入し、第一流路35a内の吸熱器34で冷却された第一給気流3aと熱交換される。これにより、第二流路35b内の第二給気流3bが冷却されて結露するので、第二給気流3bの水分が除去される。つまり、熱交換器35で顕熱交換することによって、第二給気流3bに対する除湿(第三除湿)がなされる。
つまり、除湿機能付き熱交換形換気装置50は、熱交換形換気装置10と吸熱器34と熱交換器35との各機器による除湿(第一除湿~第三除湿)によって、屋外の高温多湿の給気流3から水分を除去し、その際、必要な除湿量を確保している。
次に、除湿機能付き熱交換形換気装置50の除湿動作時における除湿装置30の第二放熱器32bの冷却について説明する。
除湿装置30は、吸熱器34での第二除湿において結露した水(結露水)が第二放熱器32bに流れ落ちる構成となっている。また、除湿装置30は、熱交換形換気装置10の排気風路4から排気流2を導入し、導入された排気流2が放熱器32(第一放熱器32a)を流通する構成となっている。つまり、本実施の形態では、除湿装置30は、吸熱器34から第二放熱器32bに流れ落ちる結露水の顕熱または気化熱と、熱交換形換気装置10からの排気流2(除湿を必要する夏季において、給気流3よりも温度が低い排気流)の
空気熱とによって放熱器32(第一放熱器32a、第二放熱器32b)が冷却されるように構成されている。なお、第一放熱器32aから熱を奪った排気流2は、排気風路4に導出されてそのまま屋外に排出される。
一方、除湿装置30は、除湿された給気流3が第三放熱器32cを流通する構成となっ
ている。つまり、除湿された給気流3もまた第三放熱器32cを冷却するので、給気流3の温度が上昇している。しかしながら、本実施の形態では、放熱器32(第一放熱器32a、第二放熱器32b)が、吸熱器34からの結露水と、熱交換形換気装置10からの排気流2とによって冷却されているので、従来のように給気流3のみを流通させて冷却する場合に比べて、除湿装置30から給気風路5に導出される給気流3の温度上昇を抑制することができる。
ここで、除湿された給気流3は、第三放熱器32cを冷却することにより、給気流3の温度が上昇している。このため、第三放熱器32cは、結露水による第二放熱器32bの冷却によって給気流の温度が低下しすぎた場合に、第三放熱器32cを流れる冷媒によって熱交換器35を流通した給気流3の温度調整を行っているとも言える。
次に、実施の形態1に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50における給気流3の温度調整方法について説明する。
除湿機能付き熱交換形換気装置50には、図3に示すように、分岐ダンパ42の分岐割合の制御に関連して、熱交換前の排気流2の空気温度を検出する第一温度センサ45と、除湿装置30の熱交換器35を流通して合流した後の給気流3(第一給気流3aと第二給気流3bの混合気流)の空気温度を検出する第二温度センサ46と、分岐ダンパ42を制御する制御部(図示せず)と、を有する。
制御部は、第一温度センサ45によって検出した温度に基づいて、分岐ダンパ42の分岐割合を調整させ、第二温度センサ46によって検出される温度が所定の温度範囲となるように分岐ダンパ42を制御する。具体的には、制御部は、第一温度センサ45での温度と比べて、第二温度センサ46での温度が高い場合には、第二給気流3bの風量に対する第一給気流3aの風量を増加させ、除湿後の給気流3の温度を下降させる。一方、制御部は、第一温度センサ45での温度と比べて、第二温度センサ46での温度が低い場合には、第二給気流3bの風量に対する第一給気流3aの風量を減少させ、給気流3の温度を上昇させる。これにより、除湿機能付き熱交換形換気装置50では、第一温度センサ45(屋内から吸い込んだ熱交換前の排気流2)と同等の温度となる給気流3を給気することが可能となる。
以上、実施の形態1に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50によれば、以下の効果を享受することができる。
(1)除湿装置30は、除湿装置30に導入される排気流2によって第一放熱器32aを冷却する構成とした。さらに、除湿装置30は、吸熱器34と第二放熱器32bとを一体的に構成し、除湿処理において結露した水(結露水)が第二放熱器32bに流れ落ちて冷却する構成とした。つまり、除湿装置30は、除湿装置30に導入される排気流2と、吸熱器34から導入される結露水とによって放熱器32(第一放熱器32a、第二放熱器32b)を冷却する構成となっている。これにより、除湿装置30における放熱器32の冷却(排熱)に必要なエネルギーを、熱交換形換気装置10からの排気流2(除湿を必要する夏季において、給気流3よりも温度が低い排気流)の空気熱と、吸熱器34から第二
放熱器32bに導入される水(結露水)の顕熱または気化熱とによって得ることができる。そのため、放熱器32を効果的に冷却することができ、除湿後に放熱器32を流通する給気流3の温度上昇を抑制することができる。この結果、冷凍サイクルと熱交換器35とを組み合わせた除湿装置30を適用した場合でも、除湿に伴って生じる温度上昇が抑制された給気流3を送風することができる。つまり、除湿に伴って生じる温度上昇が抑制された給気流3を送風可能な除湿機能付き熱交換形換気装置50とすることができる。
(2)吸熱器34と第二放熱器32bとは、吸熱器34を構成する第一冷媒管36aと、第二放熱器32bを構成する第二冷媒管36bとの周囲に放熱フィン37を一体的に設けて構成した。これにより、吸熱器34において結露した水は、放熱フィン37に沿って吸熱器34側から第二放熱器32b側に流れ落ちやすくなるので、第二放熱器32bを効果的に冷却することができ、給気流3の温度上昇を確実に抑制することができる。
(3)放熱器32は、第一放熱器32a、第三放熱器32c、第二放熱器32bの順に冷媒が流れる構成とした。これにより、結露水による第二放熱器32bの冷却によって給気流3の温度が低下しすぎた場合に、第三放熱器32cを流れる冷媒によって熱交換器35を流通した給気流3の温度調整を行うことが可能となる。つまり、室内に供給される給気流3の温度が所望の温度となるように容易に調整することができる。
(4)除湿装置30では、除湿装置30から室内に供給される給気流3の温度は、第一給気流3aの風量と第二給気流3bの風量の比率を制御することによって調節する構成とした。これにより、吸熱器34によって冷却された気流(第一流路35aを流通した第一給気流3a)によって、第二流路35bを流通した第二給気流3bの温度をさらに低下させることができるので、室内に供給される給気流3の温度が所望の温度となるように容易に調整することができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記実施の形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
本実施の形態では、熱交換器35として、顕熱型の熱交換素子を用いたが、顕熱型の熱交換素子としては、熱交換素子の第一流路35aと第二流路35bを構成する部材が撥水性(疎水性)を有することが好ましい。撥水性(疎水性)を有する部材としては、例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン等の樹脂部材が用いられる。このようにすることで、熱交換素子の内部で発生した結露水が、熱交換素子の外部に流れ出やすくなるので、結露水に起因した熱交換器35の熱交換効率の低下を招くことなく、除湿することが可能となる。
本発明に係る除湿機能付き熱交換形換気装置は、冷凍サイクルと熱交換器とを組み合わせた除湿装置を用いた場合でも、除湿に伴って生じる温度上昇が抑制された給気流を送風可能とするものであるので、屋内と屋外の熱交換を可能とする熱交換形換気装置として有用である。
1 家
2 排気流
3 給気流
3a 第一給気流
3b 第二給気流
4 排気風路
5 給気風路
10 熱交換形換気装置
11 本体ケース
12 熱交換素子
13 排気ファン
14 内気口
15 排気口
16 給気ファン
17 外気口
18 給気口
30 除湿装置
31 圧縮機
32 放熱器
32a 第一放熱器
32b 第二放熱器
32c 第三放熱器
33 膨張器
34 吸熱器
35 熱交換器
35a 第一流路
35b 第二流路
36 冷媒管
36a 第一冷媒管
36b 第二冷媒管
37 放熱フィン
38 排水設備部
39 排水管
40 切替ダンパ
41 切替ダンパ
42 分岐ダンパ
45 第一温度センサ
46 第二温度センサ
50 除湿機能付き熱交換形換気装置
100 除湿装置
101 空気吸込口
102 本体ケース
103 除湿部
104 空気吹出口
105 圧縮機
106 放熱器
107 膨張器
108 吸熱器
109 第一流路
110 第二流路
111 熱交換器

Claims (4)

  1. 熱交換形換気装置の排気流が流通する排気風路と、前記熱交換形換気装置の給気流が流通する給気風路とに連通接続される除湿装置であって、
    前記除湿装置は、圧縮機と放熱器と膨張器と吸熱器とを含んで構成される冷凍サイクルと、第一流路を流れる空気と第二流路を流れる空気との間で熱交換する熱交換器と、を含み、
    前記除湿装置は、前記給気風路から前記熱交換形換気装置による熱交換後の前記給気流が導入されるとともに、前記排気風路から前記排気流が導入されるように構成され、
    前記除湿装置に導入された前記給気流の一部分は、前記吸熱器、前記熱交換器の前記第一流路の順に流通して前記給気風路に導出され、
    前記除湿装置に導入された前記給気流の他の部分は、前記熱交換器の前記第二流路を流通して前記給気風路に導出され、
    前記放熱器は、前記除湿装置に導入された前記排気流が流通する第一放熱器と、前記吸熱器において結露した水によって冷却される第二放熱器とを含み、
    前記第二放熱器は、前記吸熱器の下部において前記吸熱器と一体的に構成されていることを特徴とする除湿装置。
  2. 前記吸熱器と前記第二放熱器とは、前記吸熱器を構成する第一冷媒管と、前記第二放熱器を構成する第二冷媒管との周囲に放熱フィンを一体的に設けて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の除湿装置。
  3. 前記放熱器は、前記熱交換器を流通した前記給気流が流通する第三放熱器をさらに含み、前記第一放熱器、前記第三放熱器、前記第二放熱器の順に冷媒が流れるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の除湿装置。
  4. 前記除湿装置から室内に供給される前記給気流の温度は、前記給気流の一部分の風量と前記給気流の他の部分の風量の比率を制御することによって調節されることを特徴とする請求項1または2に記載の除湿装置。
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