JP7496358B2 - 固体電池 - Google Patents

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Description

本発明は、固体電池に関する。より具体的には、本発明は、積層型固体電池に関する。
従前より、繰り返しの充放電が可能な二次電池が様々な用途に用いられている。例えば、二次電池は、スマートフォンおよびノートパソコン等の電子機器の電源として用いられたりする。
二次電池においては、充放電に寄与するイオン移動のための媒体として液体の電解質が一般に使用されている。つまり、いわゆる電解液が二次電池に用いられている。しかしながら、そのような二次電池においては、電解液の漏出防止の点で安全性が一般に求められる。また、電解液に用いられる有機溶媒等は可燃性物質ゆえ、その点でも安全性が求められる。
そこで電解液に代えて、固体電解質を用いた固体電池について研究が進められている。
特開2016-207540号公報
固体電池は、正極層、負極層、およびそれらの間の固体電解質から成る固体電池積層体を有して成る(特許文献1参照)。例えば図10A~図10Cに示すように、固体電池積層体500’において、正極層10Aおよび負極層10Bが固体電解質20を介して積層されている。固体電池積層体500’には、その対向する2つの側面(すなわち、正極側端面500’Aおよび負極側端面500’B)に接して外部端子である正極端子30Aと負極端子30Bとがそれぞれ設けられている。ここで、正極層10Aおよび負極層10Bは、正極側端面500’Aおよび負極側端面500’Bにてそれぞれ終端するように延在している。
本願発明者は、上述したような従前提案されている固体電池では克服すべき課題が依然あることに気付き、そのための対策を取る必要性を見出した。具体的には以下の課題があることを本願発明者は見出した。
固体電池は、主として、電極活物質を含んで成る電極領域(すなわち、正極層10Aおよび負極層10B)と、それらに接するように固体電解質および/または絶縁材などを含んで成る電解質領域(例えば、固体電解質20)とから構成され得る。尚、電解質領域は絶縁材領域と呼ぶ場合もある。電極領域および電解質領域を構成する材料は、熱的物性および力学的物性などが互いに大きく異なり得る。そのため、それらの領域の境界部分にて構成材料の比率が急激に変化する部分が存在すると、固体電池の製造時または使用時において固体電池内部に応力が生じた場合、当該部分に割れや剥離などが生じる虞がある。
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の主たる目的は、充放電時における正極層および/または負極層などの割れや剥離などを低減することで、電池性能の劣化をより好適に防止する固体電池を提供することである。
本願発明者は、従来技術の延長線上で対応するのではなく、新たな方向で対処することによって上記課題の解決を試みた。その結果、上記主たる目的が達成された固体電池の発明に至った。
本発明では、固体電池であって、正極層、負極層、および正極層と負極層との間に介在する固体電解質を備える固体電池積層体を有して成り、固体電池の断面視において、正極層および負極層の少なくとも1つの電極層が、当該電極層のエッジに向けてテーパー形状を成しており、正極層、負極層および固体電解質が、一体焼結体から成る固体電池が提供される。
本発明の一実施形態に係る固体電池は、充放電時における正極層および/または負極層などの割れや剥離などを低減することで、電池性能の劣化をより好適に防止する固体電池となっている。
より具体的には、本発明の固体電池では、その断面視において、少なくとも1つの電極層が当該電極層のエッジに向けてテーパー形状を成している。それによって、電極領域と電解質領域または絶縁材領域との境界部分において構成材料の比率が緩やかに変化する構造とすることができる。また、電極領域と電解質領域または絶縁材領域との接触面積を大きくすることができる。したがって、固体電池の強度を高めることができ、電極領域と電解質領域との境界部分における割れや剥離などを抑制することができる。よって、固体電池の電池性能の劣化をより好適に防止することが可能となり、固体電池の長期信頼性を向上させることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る固体電池を模式的に示した平面図である。 図2は、図1におけるa-a’線に沿った固体電池の断面の一実施形態を示した模式図である。 図3は、図1におけるa-a’線に沿った固体電池の断面の別の実施形態を示した模式図である。 図4は、図1におけるa-a’線に沿った固体電池の断面のさらに別の実施形態を示した模式図である。 図5は、図1におけるb-b’線に沿った固体電池の断面の一実施形態を示した模式図である。 図6は、図1におけるb-b’線に沿った固体電池の断面の別の実施形態を示した模式図である。 図7A~図7Hはそれぞれ、本発明の一実施形態に係る固体電池における電極層のテーパー形状の種々の実施形態を示す模式的断面図である。 図8A~図8Fは、本発明の一実施形態に係る固体電池における電極サブ活物質層およびサブ集電層から成る電極層の製造方法を示す模式的断面図である。 図9A~図9Cは、本発明の一実施形態に係る固体電池における電極サブ活物質層のみから成る電極層の製造方法を示す模式的断面図である。 図10A~図10Cはそれぞれ、従来の固体電池を示す模式的平面図および模式的断面図である。
以下、本発明の「固体電池」を詳細に説明する。必要に応じて図面を参照して説明を行うものの、図示する内容は、本発明の理解のために模式的かつ例示的に示したにすぎず、外観や寸法比などは実物と異なり得る。
本発明でいう「固体電池」とは、広義にはその構成要素が固体から構成されている電池を指し、狭義にはその構成要素(特に好ましくはすべての構成要素)が固体から構成されている全固体電池を指す。ある好適な態様では、本発明における固体電池は、電池構成単位を成す各層が互いに積層するように構成された積層型固体電池であり、好ましくはそのような各層が焼結体から成っている。なお、「固体電池」は、充電および放電の繰り返しが可能な、いわゆる「二次電池」のみならず、放電のみが可能な「一次電池」をも包含する。本発明のある好適な態様では「固体電池」は二次電池である。「二次電池」は、その名称に過度に拘泥されるものではなく、例えば、蓄電デバイスなども包含し得る。
本明細書でいう「平面視」とは、固体電池を構成する各層の積層方向に基づく厚み方向に沿って対象物を上側または下側から捉えた場合の形態に基づいている。又、本明細書でいう「断面視」とは、固体電池を構成する各層の積層方向に基づく厚み方向に対して略垂直な方向から捉えた場合の形態(端的にいえば、厚み方向に平行な面で切り取った場合の形態)に基づいている。例えば、「断面視」とは、電極層が外部端子と接して延在する方向(具体的には、長手方向)または、かかる長手方向に垂直な方向に沿った断面の形態に基づいている。
[固体電池の基本的構成]
固体電池は、正極層、負極層、およびそれらの間に介在する固体電解質又は固体電解質層を備える固体電池積層体を有して成る。
固体電池は、好ましくは、それを構成する各層が焼成によって形成されるところ、正極層、負極層および固体電解質などが焼結体を成し得る。より好ましくは、正極層、負極層および固体電解質は、それぞれが互いに一体焼成されており、それゆえ電池構成単位が一体焼結体を成している。
正極層は、少なくとも正極活物質を含んで成る電極層である。正極層は、さらに固体電解質および/または正極サブ集電層を含んで成っていてよい。ある好適な態様では、正極層は、正極活物質と固体電解質粒子とを含む正極サブ活物質層、および、正極サブ集電層を少なくとも含む焼結体から構成されている。また、別のある態様では、正極層は、正極サブ集電層を含まない集電層レス構造を有していてよい。つまり、正極層が、サブ層として集電層を備えずに正極活物質を含んで成るか、あるいは、集電層を備えずに正極活物質および固体電解質を含んで成っていてよい。
一方、負極層は、少なくとも負極活物質を含んで成る電極層である。負極層は、さらに固体電解質および/または負極サブ集電層を含んで成っていてよい。ある態様では、負極層は、負極活物質と固体電解質粒子とを含む負極サブ活物質層、および、負極サブ集電層を少なくとも含む焼結体から構成されている。また、別のある態様では、負極層は、負極サブ集電層を含まない集電層レス構造を有していてよい。つまり、負極層が、サブ層として集電層を備えずに負極活物質を含んで成るか、あるいは、集電層を備えずに負極活物質および固体電解質を含んで成っていてよい。
正極活物質および負極活物質は、固体電池において電子の受け渡しに関与する物質である。固体電解質を介した正極層と負極層との間におけるイオンの移動(伝導)と、外部回路を介した正極層と負極層との間における電子の受け渡しが行われることで充放電がなされる。正極層および負極層は特にリチウムイオンまたはナトリウムイオンを吸蔵放出可能な層であることが好ましい。つまり、固体電解質を介してリチウムイオンまたはナトリウムイオンが正極層と負極層との間で移動して電池の充放電が行われる全固体型二次電池であることが好ましい。
(正極活物質)
正極層に含まれ得る正極活物質としては、例えば、リチウム含有化合物である。リチウム含有化合物の種類は、特に限定されないが、例えば、リチウム遷移金属複合酸化物およびリチウム遷移金属リン酸化合物である。リチウム遷移金属複合酸化物は、リチウムと1種類または2種類以上の遷移金属元素とを構成元素として含む酸化物の総称である。リチウム遷移金属リン酸化合物は、リチウムと1種類または2種類以上の遷移金属元素とを構成元素として含むリン酸化合物の総称である。遷移金属元素の種類は、特に限定されないが、例えば、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)および鉄(Fe)などである。
リチウム遷移金属複合酸化物は、例えば、LiM1OおよびLiM2Oのそれぞれで表される化合物などである。リチウム遷移金属リン酸化合物は、例えば、LiM3POで表される化合物などである。ただし、M1、M2およびM3のそれぞれは、1種類または2種類以上の遷移金属元素である。x、yおよびzのそれぞれの値は、任意である。
具体的には、リチウム遷移金属複合酸化物は、例えば、LiCoO、LiNiO、LiVO、LiCrOおよびLiMnなどである。また、リチウム遷移金属リン酸化合物は、例えば、LiFePOおよびLiCoPOなどである。
尚、別の切り口で説明すると、正極層に含まれ得る正極活物質は、例えば、ナシコン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物、オリビン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物、リチウム含有層状酸化物、および、スピネル型構造を有するリチウム含有酸化物等から成る群から選択される少なくとも一種であってもよい。ナシコン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物の一例としては、Li(PO等が挙げられる。オリビン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物の一例としては、LiFe(PO、LiFePOおよび/またはLiMnPO等が挙げられる。リチウム含有層状酸化物の一例としては、LiCoO、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3等が挙げられる。スピネル型構造を有するリチウム含有酸化物の一例としては、LiMn、LiNi0.5Mn1.5等が挙げられる。
同様にして、ナトリウムイオンを吸蔵放出可能な正極活物質は、ナシコン型構造を有するナトリウム含有リン酸化合物、オリビン型構造を有するナトリウム含有リン酸化合物、ナトリウム含有層状酸化物およびスピネル型構造を有するナトリウム含有酸化物等から成る群から選択される少なくとも1種であってよい。
(負極活物質)
負極層に含まれ得る負極活物質としては、例えば、炭素材料、金属系材料、リチウム合金およびリチウム含有化合物などである。
具体的には、炭素材料は、例えば、黒鉛、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)および高配向性グラファイト(HOPG)などである。
金属系材料は、リチウムと合金を形成可能である金属元素および半金属元素のうちのいずれか1種類または2種類以上を構成元素として含む材料の総称である。この金属系材料は、単体でもよいし、合金でもよいし、化合物でもよい。ここで説明する単体の純度は、必ずしも100%に限られないため、その単体は、微量の不純物を含んでいてもよい。
金属元素および半金族元素は、例えば、ケイ素(Si)、スズ(Sn)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、パラジウム(Pd)および白金(Pt)などである。
具体的には、金属系材料は、例えば、Si、Sn、SiB、TiSi、SiC、Si、SiO(0<v≦2)、LiSiO、SnO(0<w≦2)、SnSiO、LiSnOおよびMgSnなどである。
リチウム含有化合物は、例えば、リチウム遷移金属複合酸化物などである。リチウム遷移金属複合酸化物に関する定義は、上記した通りである。具体的には、リチウム遷移金属複合酸化物は、例えば、Li(PO3、LiFe(PO3、LiTi12等である。
尚、別の切り口で説明すると、負極層に含まれる負極活物質は、例えば、Ti、Si、Sn、Cr、Fe、NbおよびMoから成る群から選ばれる少なくとも一種の元素を含む酸化物、黒鉛-リチウム化合物、リチウム合金、ナシコン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物、オリビン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物、ならびに、スピネル型構造を有するリチウム含有酸化物等から成る群から選択される少なくとも一種であってもよい。リチウム合金の一例としては、Li-Al等が挙げられる。ナシコン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物の一例としては、Li(POおよび/またはLiTi(PO等が挙げられる。オリビン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物の一例としては、LiFe(POおよび/またはLiCuPO等が挙げられる。スピネル型構造を有するリチウム含有酸化物の一例としては、LiTi12等が挙げられる。
同様にして、ナトリウムイオンを吸蔵放出可能な負極活物質は、ナシコン型構造を有するナトリウム含有リン酸化合物、オリビン型構造を有するナトリウム含有リン酸化合物およびスピネル型構造を有するナトリウム含有酸化物等から成る群から選択される少なくとも1種であってよい。
なお、正極層および/または負極層は、電子伝導性材料を含んでいてもよい。正極層および/または負極層に含まれ得る電子伝導性材料としては、例えば、炭素材料および金属材料などである。具体的には、炭素材料は、例えば、黒鉛およびカーボンナノチューブなどである。金属材料は、例えば、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ゲルマニウム(Ge)、インジウム(In)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)およびパラジウム(Pd)などであり、それらの2種類以上の合金でもよい。
また、正極層および/または負極層は、結着剤を含んでいてもよい。結着剤としては、例えば、合成ゴムおよび高分子材料などのうちのいずれか1種類または2種類以上である。具体的には、合成ゴムは、例えば、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴムおよびエチレンプロピレンジエンなどである。高分子材料は、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミドおよびアクリル樹脂から成る群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。
さらに、正極層および/または負極層は、焼結助剤を含んでいてもよい。焼結助剤としては、リチウム酸化物、ナトリウム酸化物、カリウム酸化物、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化ビスマスおよび酸化リンから成る群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。
正極層および負極層の厚みは特に限定されない。例えば、正極層および負極層の厚みは、それぞれ独立して、2μm以上100μm以下であってよく、特に5μm以上50μm以下であってもよい。
(固体電解質)
固体電解質は、リチウムイオンまたはナトリウムイオンが伝導可能な材質である。特に固体電池で電池構成単位を成す固体電解質は、正極層と負極層との間においてリチウムイオンが伝導可能な層を成している。なお、固体電解質は、正極層と負極層との間に少なくとも設けられていればよい。つまり、固体電解質は、正極層と負極層との間からはみ出すように当該正極層および/または負極層の周囲においても存在していてもよい。具体的な固体電解質としては、例えば、結晶性固体電解質、ガラス系固体電解質およびガラスセラミックス系固体電解質などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
結晶性固体電解質は、例えば、酸化物系結晶材および硫化物系結晶材などがある。酸化物系結晶材は、例えば、ナシコン構造を有するLi(PO(1≦x≦2、1≦y≦2、Mは、Ti、Ge、Al、GaおよびZrから成る群より選ばれた少なくとも一種であり、一例としてLi1.3Al0.3Ti1.7(PO)、ペロブスカイト構造を有するLa0.51Li0.34TiO2.94、およびガーネット構造を有するLiLaZr12などである。また、硫化物系結晶材は、Li3.25Ge0.250.75およびLi10GeP12などである。結晶性固体電解質は、高分子材(例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)など)を含んでいてもよい。
ガラス系固体電解質は、例えば、酸化物系ガラス材および硫化物系ガラス材などがある。酸化物系ガラス材は、例えば、50LiSiO・50LiBOなどがある。また、硫化物系ガラス材は、例えば、30LiS・26B・44LiI、63LiS・36SiS・1LiPO、57LiS・38SiS・5LiSiO、70LiS・30Pおよび50LiS・50GeSなどがある。
ガラスセラミックス系固体電解質は、例えば、酸化物系ガラスセラミックス材および硫化物系ガラスセラミックス材などがある。酸化物系ガラスセラミックス材は、例えば、Li1.07Al0.69Ti1.46(POおよびLi1.5Al0.5Ge1.5(PO)などがある。また、硫化物系ガラスセラミックス材は、例えば、Li11およびLi3.250.95などがある。
大気安定性に優れ、焼結体を容易に形成し得る観点から、固体電解質は、酸化物系結晶材、酸化物系ガラス材および酸化物系ガラスセラミックス材から成る群から選択される少なくとも一種を含んで成ることが好ましい。
別の切り口でいえば、固体電解質は、例えば、ナシコン構造を有するリチウム含有リン酸化合物、ペロブスカイト構造を有する酸化物、ガーネット型またはガーネット型類似構造を有する酸化物等であってもよい。ナシコン構造を有するリチウム含有リン酸化合物としては、Li(PO(1≦x≦2、1≦y≦2、Mは、Ti、Ge、Al、GaおよびZrから成る群から選ばれた少なくとも一種である)が挙げられる。ナシコン構造を有するリチウム含有リン酸化合物の一例としては、例えば、Li1.2Al0.2Ti1.8(PO等が挙げられる。ペロブスカイト構造を有する酸化物の一例としては、La0.55Li0.35TiO等が挙げられる。ガーネット型またはガーネット型類似構造を有する酸化物の一例としては、LiLaZr12等が挙げられる。
同様にして、ナトリウムイオンが伝導可能な固体電解質は、例えば、ナシコン型構造を有するナトリウム含有リン酸化合物、ペロブスカイト構造を有する酸化物、ガーネット型またはガーネット型類似構造を有する酸化物等であってよい。ナシコン型構造を有するナトリウム含有リン酸化合物としては、Na(PO(1≦x≦2、1≦y≦2、Mは、Ti、Ge、Al、GaおよびZrから成る群から選ばれた少なくとも一種である)が挙げられる。
固体電解質層は、結着剤および/または焼結助剤などを含んでいてもよい。固体電解質層に含まれ得る結着剤および/または焼結助剤は、例えば、正極層および/または負極層に含まれ得る結着剤および/または焼結助剤と同様の材料から選択されてもよい。
正極層と負極層との間に位置する固体電解質層の厚みは特に限定されない。例えば、固体電解質層の厚みは、1μm以上15μm以下であってよく、特に1μm以上5μm以下であってもよい。
(正極サブ集電層/負極サブ集電層)
正極層は、そのサブ層として正極サブ集電層を備えていてよい。同様にして、負極層も、そのサブ層として負極サブ集電層を備えていてよい。かかる場合、正極サブ集電層を構成し得る正極集電材および負極サブ集電層を構成し得る負極集電材としては、導電率が大きい材料を用いるのが好ましく、例えば、炭素材料、銀、パラジウム、金、プラチナ、アルミニウム、銅およびニッケルから成る群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
正極サブ集電層および負極サブ集電層はそれぞれ、外部と電気的に接続するための電気的接続部を有し、端子と電気的に接続可能に構成されていてもよい。正極サブ集電層および負極サブ集電層はそれぞれ箔の形態を有していてもよいが、一体焼結による電子伝導性向上および製造コスト低減の観点から、一体焼結の形態を有することが好ましい。
なお、正極サブ集電層および負極サブ集電層が焼結体の形態を有する場合、例えば、電子伝導性材料、固体電解質、結着剤および/または焼結助剤を含む焼結体より構成されてもよい。正極サブ集電層および負極サブ集電層に含まれる電子伝導性材料は、例えば、正極層および/または負極層に含まれ得る電子伝導性材料と同様の材料から選択されてもよい。正極サブ集電層および負極サブ集電層に含まれる結着剤および/または焼結助剤は、例えば、正極層および/または負極層に含まれ得る結着剤および/または焼結助剤と同様の材料から選択されてもよい。
正極サブ集電層および負極サブ集電層の厚みは特に限定されない。正極サブ集電層および負極サブ集電層の厚みは、例えば、それぞれ独立して、1μm以上10μm以下であってよく、特に1μm以上5μm以下であってもよい。
(絶縁材)
絶縁材は、電気を通さない材質、すなわち非導電性材から構成され得るものを指す。特に限定されるものではないが、当該絶縁材は、例えばガラス材および/またはセラミック材等から構成されてもよい。絶縁材は、正極層、負極層および外部端子を電気的に絶縁するために形成され得るもので、固体電池積層体における所望の位置に設けてもよい。例えば、正極層および/または負極層と、外部端子との間に位置するよう設けてもよい。当該絶縁材として、例えばガラス材が選択されてよい。特に限定されるものではないが、ガラス材は、ソーダ石灰ガラス、カリガラス、ホウ酸塩系ガラス、ホウケイ酸塩系ガラス、ホウケイ酸バリウム系ガラス、ホウ酸亜塩系ガラス、ホウ酸バリウム系ガラス、ホウケイ酸ビスマス塩系ガラス、ホウ酸ビスマス亜鉛系ガラス、ビスマスケイ酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラス、アルミノリン酸塩系ガラス、および、リン酸亜塩系ガラスからなる群より選択される少なくとも一種を挙げることができる。また、特に限定されるものではないが、セラミック材は、酸化アルミニウム(Al)、窒化ホウ素(BN)、二酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(Si)、酸化ジルコニウム(ZrO)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)およびチタン酸バリウム(BaTiO)からなる群より選択される少なくとも一種を挙げることができる。
絶縁材は、固体電解質、結着剤および/または焼結助剤を含んでいてもよい。絶縁材に含まれる結着剤および/または焼結助剤は、例えば、正極層および/または負極層に含まれ得る結着剤および/または焼結助剤と同様の材料から選択されてもよい。
(保護層)
固体電池には保護層が設けられてもよい。そのような保護層は、一般に固体電池の最外側に形成され得るもので、特に固体電池積層体を電気的、物理的および/または化学的に保護するためのものである。保護層を構成する材料又は保護材としては絶縁性、耐久性および/または耐湿性に優れ、環境的に安全であることが好ましい。例えば、ガラス、セラミックス、熱硬化性樹脂および/または光硬化性樹脂等を用いることが好ましい。
(外部端子)
固体電池には、一般に外部端子が設けられている。特に、固体電池積層体の対向する側面に正極端子および負極端子がそれぞれ設けられている。つまり、固体電池の側面に正負極の端子が対を成すように設けられている。より具体的には、正極層と接続された正極側の端子と、負極層と接続された負極側の端子とが対を成すように設けられている。そのような端子は、導電率が大きい材料を用いることが好ましい。端子の材質としては、特に制限するわけではないが、銀、金、プラチナ、アルミニウム、銅、スズおよびニッケルから成る群から選択される少なくとも一種を挙げることができる。外部端子には、結着剤として樹脂材(例えば、エポキシ樹脂)を含んでいてもよい。
[本発明の固体電池の特徴]
本発明の固体電池は、正極層、負極層、および正極層と負極層との間に介在する固体電解質を備える固体電池積層体を有して成る固体電池であるところ、固体電池積層体を構成する電極層(すなわち、正極層および負極層の少なくとも一方の電極層)の形状の点で特徴を有する。
より具体的には、固体電池の断面視において、正極層および負極層の少なくとも1つの電極層が、当該電極層のエッジに向けて「テーパー形状」を成している。換言すれば、少なくとも1つの電極層において、当該電極層の厚さ寸法が当該電極層のエッジに向けて好ましくは漸次的または段階的に小さくなっている。ここで電極層の「エッジ」とは、固体電池の平面視における電極領域の外縁(例えば、図1における点線部分、具体的には負極層のエッジ)を指す。また、「テーパー形状」とは、同一の電極層の断面視において、少なくともエッジの厚さ寸法が、それ以外の電極層部分の厚さ寸法よりも好ましくは漸次的または段階的に小さくなっている形状を指す。
本発明の固体電池において、少なくとも1つの電極層が、当該電極層のエッジに向けてテーパー形状を成していることで、電極領域と電解質領域との境界部分において構成材料の比率が緩やかに変化する構造とすることができる。また、電極領域と電解質領域との接触面積を大きくすることができる。したがって、固体電池の強度を高めることができ、電極領域と電解質領域との境界部分における割れや剥離などをより好適に抑制することができる。つまり、固体電池の電池性能の劣化を防止する点でより望ましい固体電池がもたらされる。
図示する例示態様でいえば、固体電池積層体500’の断面視において、正極層10Aおよび/または負極層10Bの少なくとも1つの電極層が、当該電極層のエッジ10A(正極層のエッジ)および/または10B(負極層のエッジ)に向けてテーパー形状を成している(図2参照)。換言すれば、固体電池積層体500’の平面視における正極層10Aおよび/または負極層10Bの周縁部(図1参照)が、その断面視においてテーパー形状を成していてよい。
電極層におけるエッジのテーパー形状は、固体電池積層体の正極側端面(または負極側端面)に沿った断面において形成されていてもよい。図示する例示態様でいえば、図1におけるa-a’線に沿った断面において、電極層のエッジにおいてテーパー形状が形成されていてもよい(図2~図4参照)。および/または、電極層におけるテーパー形状は、電極層が固体電池積層体の外縁まで延在している方向に沿った断面において形成されていてもよい。図示する例示態様でいえば、図1におけるb-b’線に沿った断面において、電極層のエッジにおいてテーパー形状が形成されていてもよい(図5および図6参照)。
本発明の固体電池におけるより具体的なテーパー形状としては、電極サブ活物質層11のみから成る電極層10の断面視において、そのエッジに向かって厚さ寸法が漸次的に小さくなるように直線状を成していてよく(図7A参照)、曲線状を成していてもよく(図7B参照)、または厚さ寸法が段階的に小さくなるような階段状を成していてもよい(図7C参照)。同一のテーパー形状を成す部分において、直線状と曲線状とが混在していてもよい。テーパー形状は、電極層10の断面視において曲線状を成していることが好ましい。それによって、電極領域と電解質領域との接触面積をより大きくすることができる。
テーパー形状は、2つにサブ分割されていてもよい。例えば、電極層10が電極積層方向の両側又は上下面にテーパー面を有するようにサブ分割されていてもよく(図7D参照)、電極積層方向において同一方向に2つのテーパー面を有するようにサブ分割されていてもよく(図7E参照)、または電極積層方向においてテーパー面が対向するようにサブ分割されていてもよい(図7F参照)。テーパー形状は、電極層10が電極積層方向の両側又は上下面にテーパー面を有するようにサブ分割されていることが好ましい。それによって、当該部分の応力集中をより効果的に防止することができる。また、固体電池の断面視における構成を略対称形状とすることができ、構造安定性をより高めることができる。
2つにサブ分割されたテーパー形状は、電極積層方向において規則性を有していてよく(図7D~F参照)、規則性を有していなくてもよい(図7G参照)。また、電極層10はテーパー形状を有する2つの電極サブ活物質層11の間にサブ集電層40が介在する構成としてもよい(図7H参照)。電極層におけるテーパー形状は、少なくとも電極サブ活物質層11において成されていればよく、電極サブ活物質層11以外の電極層10を成すサブ層(例えば、サブ集電層40)とともに成されていてもよい。
一実施形態では、電極層は、該電極層のエッジからの距離が例えば10μm以上200μm以下の範囲内の位置を起点としてテーパー形状を成している。図2に示す例示態様でいえば、正極層10Aおよび/または負極層10Bにおいて、それぞれのエッジ10Aおよび/または10Bからの距離Lおよび/またはLが例えば10μm以上200μm以下の範囲内の位置を起点(Oおよび/またはO)としてテーパー形状を成している。そのような構成とすることで、電極層が互いに対向する部分の活物質量をより高く保持しつつ、電極領域と電解質領域との境界部分において構成材料の比率が緩やかに変化する構造とすることができる。それによって、電池容量をより高く保持しつつ、固体電池の強度を高めることができる。
本明細書でいうテーパー形状を成す「起点」とは、例えば電極層における電極活物質層の厚さが、当該電極活物質層の中心部分の厚さ(例えば、電極活物質層が断面視にて略平行に層を形成している部分の厚さ)に対して5%減少した位置を指す。具体的には、電極層のエッジからの距離が200μm以上1mm以下の範囲における任意の5点の電極活物質層の厚さ平均値に対して、当該電極活物質層の厚さが5%減少した位置を指す。なお、1つの電極層の電極積層方向において当該電極層を構成する材料以外の材料から成る部分(例えば、固体電解質または絶縁材)が存在する場合、かかる電極積層方向における電極活物質層部分の厚みの合算値を電極活物質層の厚みとしてよい。また、1つの電極層において、テーパー形状を有する2つの電極サブ活物質層間に集電層が介在している場合(例えば、図3における正極層10A)、2つの電極活物質層がそれぞれテーパー形状を成す起点を有していてもよい。換言すれば、2つの電極活物質層が、それぞれの電極活物質層の中心部分の厚さに対して5%減少した位置を起点として有していてもよい。尚、上記の起点の説明において、電極活物質層は、電極サブ活物質層であってもよい。
一実施形態では、電極層は、該電極層が固体電池積層体内部で終端するエッジの少なくとも1つに向けてテーパー形状を成していてよい。換言すれば、固体電解質(または、絶縁材)と接して終端するエッジの少なくとも1つに向けて、電極層がテーパー形状を成していてよい。図1に示す例示態様でいえば、正極層10Aおよび/または負極層10Bの電極層は、該電極層が固体電解質20と接して終端するエッジの少なくとも1つに向けてテーパー形状を成していてよい。電極層における固体電池積層体内部で終端するエッジは、電解質領域(例えば、固体電解質20)とより大きな接触面積を有し得るため、電極層がかかるエッジに向けてテーパー形状を成していることで、より効果的に固体電池の強度を高めることができる。電極層は、該電極層が固体電池積層体内部で終端するすべてのエッジに向けて、テーパー形状を成していることが好ましい。
一実施形態では、テーパー形状を成す電極層は複数形成されていてよい。テーパー形状を成す電極層が複数あることで、電極領域と電解質領域との境界部分において構成材料の比率が緩やかに変化する構造を増やすことができる。また、電極領域と電解質領域との接触面積をより大きくすることができる。テーパー形状を成す電極層は、すべての電極層の数に対して半数以上形成されていることが好ましく、すべての電極層の数に対して3/4以上形成されていることがさらに好ましい。
一実施形態では、正極層および負極層の両方が、それぞれのエッジに向けてテーパー形状を成していてよい。図2に示す例示態様でいえば、正極層10Aおよび負極層10Bの両方が、それぞれのエッジに向けてテーパー形状を成している。正極層および負極層の両方がテーパー形状を有することで、電極領域と電解質領域との接触面積をより大きくすることができる。また、固体電池の断面視において、正極層と負極層とを略対称形状とすることができる。さらに、固体電池の断面視において、各電極層における電極領域と電解質領域との境界領域が同一直線上に位置する構造(例えば、図10Bおよび図10Cの点線部分)を特に減じ、かかる境界領域に応力が集中することをより効果的に防止することができる。
一実施形態では、負極層における固体電池積層体内部で終端するエッジに向けたテーパー形状を成す起点に対して、当該負極層に隣り合って直接的に対向する正極層におけるテーパー形状を成す起点が、固体電池積層体における内側又は中央側に位置していてよい。図2に示す例示態様でいえば、負極層10Bにおける固体電池積層体500’内部で終端するエッジ10Bに向けたテーパー形状を成す起点Oに対して、隣り合って直接的に対向する正極層10Aにおけるテーパー形状を成す起点Oが、固体電池積層体500’における内側又は中央側に位置している。そのような構成とすることで、充電時に正極層から負極層へイオン(例えば、リチウムイオン)が移動する際、イオンが還元されて析出することをより効果的に防止することができる。それによって、積層方向における充放電反応のバランスをより向上させることができる。
一実施形態では、電極層が複数、例えば2~5の電極サブ活物質層およびサブ集電層から成り、サブ集電層の電極積層方向の少なくとも一方の側に、電極サブ活物質層がテーパー面を有するようにテーパー形状を成していてよい。図3に示す例示態様でいえば、正極層10Aが2つの正極サブ活物質層11Aおよび1つのサブ集電層40から成り、サブ集電層40の電極積層方向の両側又は上下面に、2つの正極サブ活物質層11Aがそれぞれテーパー面を有するようにテーパー形状を成している。そのような構成とすることで、サブ集電層は電極サブ活物質層よりも相対的に剛性の高い材料から構成され得るため、固体電池の強度をより高めることができる。また、電極層がサブ集電層を含んで成ることで、固体電池の製造時において焼結前の固体電池積層体に強度を持たせることができ、より効果的に固体電池をパッキングすることができる。
1または複数の電極層は、複数の電極サブ活物質層およびサブ集電層から成っていてよく、正極層および負極層のいずれか一方が複数の電極サブ活物質層およびサブ集電層から成っていてもよく(図3参照)、正極層および負極層の両方が複数の電極サブ活物質層およびサブ集電層から成っていてもよい(図4および図6参照)。サブ集電層を含む電極層の数は、固体電池の強度、電子伝導率および電池容量の観点から、任意に設定してよい。一実施形態では、負極層10Bは炭素材料を含んで成る負極サブ活物質層11Bのみから成り、かつ正極層10Aは2つの正極サブ活物質層11Aおよび1つのサブ集電層40から成っていてよい(図3参照)。そのような構成により、正極層においては固体電池の強度をより高めつつ、電子伝導率をより高めることで充放電効率を向上させることができ、負極層においては負極活物質量を増やすことで電池容量を高めることができる。
本明細書の固体電池における構造は、イオンミリング装置(日立ハイテク社製 型番IM4000PLUS)によって断面視方向断面を切り出し、走査型電子顕微鏡(SEM)(日立ハイテク社製 型番SU-8040)を用いて取得した画像から観察するものであってよい。また、本明細書でいう電極層におけるエッジおよびテーパー形状は、上述した方法により取得した画像から観察されるものであってよく、かかるエッジとテーパー形状を成す起点との距離は、同様の画像から得られる寸法から算出した値を指すものであってもよく、計算により求められるものであってもよい。
本発明の一実施形態に係る固体電池は、電池を構成する各層(材料)が積層して成る積層型固体電池であってよく、スクリーン印刷法等の印刷法、グリーンシートを用いるグリーンシート法、またはそれらの複合法により製造することができる。それゆえ、電池を構成する各層は焼結体から成っていてよい。また、正極層、負極層および固体電解質のそれぞれが互いに一体焼結されていることが好ましい。つまり、固体電池積層体は、焼成一体化物を成していることが好ましいといえる。そのような焼成一体化物において、正極層および負極層の少なくとも1つの電極層が、当該電極層のエッジに向けてテーパー形状を成している。
[固体電池の製造方法]
本開示の固体電池は、上述したように、スクリーン印刷法等の印刷法、グリーンシートを用いるグリーンシート法、またはそれらの複合法により製造することができる。以下、本発明の理解のために印刷法およびグリーンシート法を採用する場合について詳述するが、本発明は当該方法に限定されない。
(固体電池積層前駆体の形成工程)
本工程では、正極層用ペースト、負極層用ペースト、固体電解質層用ペースト、集電層用ペースト、絶縁部用ペーストまたは電極分離部用ペーストおよび保護層用ペースト等の数種類のペーストをインクとして用いる。つまり、ペーストを印刷法で塗布することを通じて支持基体上に所定構造のペーストを形成する。
印刷に際しては、所定の厚みおよびパターン形状で印刷層を順次、積層することによって、所定の固体電池の構造に対応する固体電池積層前駆体を基体上に形成することができる。パターン形成方法の種類は、所定のパターンを形成可能な方法であれば、特に限定されないが、例えば、スクリーン印刷法およびグラビア印刷法などのうちのいずれか1種類または2種類以上を用いてパターン形成してよい。
ペーストは、正極活物質、負極活物質、電子伝導性材料、固体電解質材料、集電層材料、絶縁材、保護材、結着剤および焼結助剤などから成る群から適宜選択される各層の所定の構成材料と、有機材料を溶媒に溶解した有機ビヒクルとを湿式混合することによって作製することができる。正極活物質層用ペーストは、例えば、正極活物質、電子伝導性材料、固体電解質材料、結着剤、焼結助剤、有機材料および溶媒を含む。負極活物質層用ペーストは、例えば、負極活物質、電子伝導性材料、固体電解質材料、結着剤、焼結助剤、有機材料および溶媒を含む。固体電解質層用ペーストは、例えば、固体電解質材料、結着剤、焼結助剤、有機材料および溶媒を含む。集電層用ペーストは、例えば、電子伝導性材料、結着剤、焼結助剤、有機材料および溶媒を含む。保護層用ペーストは、例えば、絶縁材、結着剤、有機材料および溶媒を含む。絶縁材用ペーストは、例えば、絶縁材、結着剤、有機材料および溶媒を含む。
ペーストに含まれる有機材料は特に限定されないが、ポリビニルアセタール樹脂、セルロース樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂およびポリビニルアルコール樹脂などから成る群から選択される少なくとも1種の高分子材料を用いることができる。溶媒の種類は、特に限定されないが、例えば、酢酸ブチル、N-メチル-ピロリドン、トルエン、テルピネオールおよびN-メチル-ピロリドン等の有機溶媒のうちのいずれか1種類または2種類以上を用いることができる。
湿式混合ではメディアを用いることができ、具体的には、ボールミル法またはビスコミル法等を用いることができる。一方、メディアを用いない湿式混合方法を用いてもよく、サンドミル法、高圧ホモジナイザー法またはニーダー分散法等を用いることができる。
基体は、各ペースト層を支持可能な支持体であれば、特に限定されないが、例えば、一面に離型処理が施された離型フィルムなどである。具体的には、ポリエチレンテレフタレート等の高分子材料から成る基体を用いることができる。各ペースト層を基体上に保持したまま焼成工程に供する場合には、基体は焼成温度に対して耐熱性を呈するものを使用してよい。尚、本開示では基体を支持基体と呼ぶ場合もある。
塗布したペーストを、30℃以上50℃以下に加熱したホットプレート上で乾燥させることで、基体(例えばPETフィルム)上に所定の形状、厚みを有する正極層グリーンシート、負極層グリーンシート、固体電解質層グリーンシート、絶縁材グリーンシートおよび/または保護層グリーンシート等をそれぞれ形成する。
次に、各グリーンシートを基体から剥離する。剥離後、積層方向に沿って、電池構成単位の各構成要素のグリーンシートを順に積層することで固体電池積層前駆体を形成する。積層後、電極グリーンシートの側部領域にスクリーン印刷により固体電解質、絶縁材および/または保護層などを供してもよい。
(焼成工程)
焼成工程では、固体電池積層前駆体を焼成に付す。あくまでも例示にすぎないが、焼成は、酸素ガスを含む窒素ガス雰囲気中または大気中で、例えば200℃以上500℃以下にて有機材料を除去した後、窒素ガス雰囲気中または大気中で例えば300℃以上5000℃以下で加熱することで実施することができる。焼成は、積層方向(場合によっては積層方向および当該積層方向に対する垂直方向)で固体電池積層前駆体を加圧しながら行ってよい。
そのような焼成を経ることによって、固体電池積層体が形成され、最終的には所望の固体電池が得られることになる。
(本発明における特徴部分の作製について)
本発明の固体電池の電極層のエッジに向けたテーパー形状は、同一の電極層の断面視において、少なくともエッジの厚さ寸法が、それ以外の電極層部分の厚さ寸法よりも小さくなっている形状であれば、いずれの方法で形成されてもよい。例えば、電極層における中心部分の厚さ寸法に対して、当該電極層のエッジの厚さ寸法が小さくなるように層形成を調製してもよい。
一例として、スクリーン印刷法において、電極層における中心部分に適用するスクリーン版のメッシュ径に対して、かかる電極層のエッジに向けてメッシュ径が小さくなるようなスクリーン版を用いることにより電極層のエッジに向けてテーパー形状を形成してよい。また、印刷法において、電極層のエッジに向けて膜厚が薄くなるように電極層用ペーストの粘度を調整してもよい(例えば、塗布端がたれるようにペーストを低粘度に調整してもよい)。電極層用ペーストの粘度は、1000mPa・s以上30000mPa・s以下であることが好ましく、例えば5000mPa・s以上15000mPa・s以下である。
さらに、印刷法における電極層および固体電解質(または絶縁材)のペーストを塗布する順序によって、種々のテーパー形状を形成することができる。一例として、低粘度の電極層用ペーストを用いて、基層に対して塗布端の膜厚を薄くするように塗布することでテーパー形状を形成してもよい。または、低粘度の固体電解質層用ペーストを塗布することでテーパー形状の輪郭を備える凹み部分を有する固体電解質の基層を形成し、かかる凹み部分に電極層用ペーストを塗布することでテーパー形状を形成してもよい。
例えば、図2に例示する固体電池積層体は、図面下方向から各層を順次塗布することで形成することができる。ここで、電極層について低粘度のペーストを用いることで、塗布端が図面下方向に凸となるテーパー形状を形成することができる。図2の電極層(すなわち、正極層10Aおよび負極層10B)が形成されている面において、固体電解質20よりも先に低粘度の電極層用ペーストを塗布することで、図面下方向に凸となるテーパー形状を有する電極層を形成することができる。
以下、図8および図9に示す例示態様に基づいて、固体電池(特に、テーパー形状を有する電極層)の製造方法を具体的に説明する。ただし、本開示の固体電池の製造方法は、以下の製造方法に限定されるものではない。
固体電池を製造するためには、例えば、以下で説明するように、正極グリーンシートの形成工程、負極グリーンシートの形成工程、固体電池積層体の形成工程、ならびにオプションとして正極端子および負極端子の形成工程が行われる。なお、本例示態様において、正極層は正極サブ活物質層およびサブ集電層から成り、負極層は負極(サブ)活物質層のみから成る構成の固体電池の正極側端面に沿った断面(図3参照)に基づいて説明する。
[正極グリーンシートの形成工程]
最初に、固体電解質と、溶媒と、必要に応じて結着剤などとを互いに混合することにより、固体電解質層用ペーストを調製する。続いて、基体50の一面に固体電解質層用ペーストを塗布することにより、固体電解質層20を形成する(図8A参照)。さらにかかる固体電解質層20表面の両端に固体電解質層用ペーストを塗布端又は中央側が薄くなるように塗布することにより、テーパー形状の輪郭を備える凹み部分を有する固体電解質層20を形成する(図8B参照)。
次いで、正極活物質と、溶媒と、必要に応じて結着剤などとを互いに混合することにより、正極活物質層用ペーストを調製する。続いて、パターン形成方法を用いて、固体電解質層20の凹み部分に正極活物質層用ペーストを塗布することで、正極サブ活物質層11Aを形成する(図8C参照)。
次いで、電子伝導性材料と、溶媒と、必要に応じて結着剤などとを互いに混合することにより、集電層用ペーストを調製する。続いて、パターン形成方法を用いて、正極サブ活物質層11A上に集電層用ペーストを塗布することで、サブ集電層40を形成する(図8D参照)。
次いで、パターン形成方法を用いて、サブ集電層40上に正極活物質層用ペーストを塗布端又はエッジ側が薄くなるように塗布することで、正極サブ活物質層11Aを形成する(図8E参照)。
最後に、正極サブ活物質層11Aおよびサブ集電層40の側方を埋めるように固体電解質層用ペーストまたは絶縁材用ペーストを塗布することで、固体電解質層20を形成する(図8F参照)。これにより、正極サブ活物質層11Aおよびサブ集電層40から成る正極層10A、および固体電解質層20が形成された正極グリーンシートが得られる。ここで、正極層10Aは、2つの正極サブ活物質層11Aが当該サブ集電層40の両側又は上下面にテーパー面を有するようにテーパー形状を成している。
[負極グリーンシートの形成工程]
最初に、上記した手順により、別の基体50の一面に固体電解質層20を形成する(図9A参照)。
続いて、負極活物質と、溶媒と、必要に応じて負極活物質結着剤などとを互いに混合することにより、負極活物質層用ペーストを調製する。続いて、パターン形成方法を用いて、固体電解質層20上に負極活物質層用ペーストを塗布端又はエッジ側が薄くなるように塗布することで、負極層10Bを形成する(図9B参照)。
最後に、負極層10Bの側方を埋めるように固体電解質層用ペーストまたは絶縁材用ペーストを塗布することで、固体電解質層20を形成する(図9C参照)。これにより、負極層10B、および固体電解質層20が形成された負極グリーンシートが得られる。ここで、負極層10Bは、一方の側又は上側にテーパー面を有するようにテーパー形状を成している。
[固体電池積層体の形成工程]
最初に、基体50から剥離された負極グリーンシートと、同じく基体50から剥離された正極グリーンシートとをこの順に交互に積層させる。ここでは、例えば、3つの負極グリーンシートと2つの正極グリーンシートとを交互に積層させる。
次いで、固体電解質層20の形成手順と同様の手順により、積層された負極グリーンシート上に固体電解質層20を形成する。これにより、固体電池積層前駆体が形成される。
最後に、固体電池積層前駆体を加熱する。加熱に際しては、固体電池積層前駆体を構成する一連の層が焼結され得るように加熱温度を設定する。加熱時間などの他の条件は、任意に設定可能である。
この加熱処理により、固体電池積層前駆体を構成する一連の層が焼結され得るため、その一連の層が熱圧着され得る。よって、固体電池積層体が形成され得る。
[正極端子および負極端子の形成工程]
例えば、導電性の結着剤を用いて固体電池積層体に正極端子を接着させると共に、例えば、導電性の結着剤を用いて固体電池積層体に負極端子を接着させる。これにより、正極端子および負極端子のそれぞれが固体電池積層体に取り付けられ得るため、固体電池が完成する。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、あくまでも典型例を例示したに過ぎない。従って、本発明はこれに限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲において種々の態様または変更が考えられ得ることを当業者は容易に理解されよう。
例えば、上記説明においては、例えば図3などで例示される固体電池を中心にして説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されない。本発明では少なくとも正極層、負極層、固体電解質層を有し、固体電池の断面視において、正極層および負極層の少なくとも1つの電極層が、該電極層のエッジに向けてテーパー形状を成しているものであれば、どのようなものであっても同様に適用することができる。
本発明の固体電池は、蓄電が想定される様々な分野に利用することができる。あくまでも例示にすぎないが、本発明の固体電池は、電気・電子機器などが使用される電気・情報・通信分野(例えば、携帯電話、スマートフォン、ノートパソコンおよびデジタルカメラ、活動量計、アームコンピューター、電子ペーパー、ウェアラブルデバイス、RFIDタグ、カード型電子マネー、スマートウォッチなどの小型電子機などを含む電気・電子機器分野あるいはモバイル機器分野)、家庭・小型産業用途(例えば、電動工具、ゴルフカート、家庭用・介護用・産業用ロボットの分野)、大型産業用途(例えば、フォークリフト、エレベーター、湾港クレーンの分野)、交通システム分野(例えば、ハイブリッド車、電気自動車、バス、電車、電動アシスト自転車、電動二輪車などの分野)、電力系統用途(例えば、各種発電、ロードコンディショナー、スマートグリッド、一般家庭設置型蓄電システムなどの分野)、医療用途(イヤホン補聴器などの医療用機器分野)、医薬用途(服用管理システムなどの分野)、ならびに、IoT分野、宇宙・深海用途(例えば、宇宙探査機、潜水調査船などの分野)などに利用することができる。
10 電極層
10A 正極層
10B 負極層
11 電極サブ活物質層
11A 正極サブ活物質層
11B 負極サブ活物質層
20 固体電解質または固体電解質層
30 端子
30A 正極端子
30B 負極端子
40 サブ集電層
50 基体または支持基体
500’ 固体電池積層体
500’A 正極側端面
500’B 負極側端面
500 固体電池

Claims (11)

  1. 固体電池であって、
    正極層、負極層、および該正極層と該負極層との間に介在する固体電解質を備える固体電池積層体を有して成り、
    前記固体電池の断面視において、前記正極層および前記負極層の少なくとも1つの電極層が、前記固体電解質と接して終端する該電極層のエッジに向けてテーパー形状を成しており、
    前記正極層、前記負極層および前記固体電解質が、一体焼結体から成り、
    固体電池の断面視において、前記エッジに向けてテーパー形状を成す電極層は、電極積層方向にて2つのテーパー面を有し、前記2つのテーパー面を有する前記電極層の前記テーパー形状が略対称形状である、固体電池。
  2. 前記テーパー形状が、前記電極層のエッジに向けて漸次的または段階的に小さくなっている形状を有する、請求項1に記載の固体電池。
  3. 前記電極層は、該電極層のエッジからの距離が10μm以上200μm以下の範囲内の位置を起点として前記テーパー形状を成している、請求項1または2に記載の固体電池。
  4. 前記固体電池の断面視において、前記電極層が電極積層方向の上下面にテーパー面を有するように前記テーパー形状を成している、請求項1~3のいずれかに記載の固体電池。
  5. 前記電極層は、前記固体電解質と接して終端するエッジの少なくとも1つに向けて、前記テーパー形状を成している、請求項1~4のいずれかに記載の固体電池。
  6. 前記電極層は、前記固体電解質と接して終端するすべてのエッジに向けて、前記テーパー形状を成している、請求項5に記載の固体電池。
  7. 前記正極層および前記負極層の電極層の両方が、該電極層のエッジに向けて前記テーパー形状を成している、請求項1~6のいずれかに記載の固体電池。
  8. 前記負極層における前記固体電解質と接して終端するエッジに向けたテーパー形状を成す起点に対して、該負極層に隣り合って直接的に対向する前記正極層におけるテーパー形状を成す起点が、前記固体電池積層体における内側に位置している、請求項5または請求項6に従属する請求項7に記載の固体電池。
  9. 前記電極層が複数の電極サブ活物質層およびサブ集電層から成り、該サブ集電層の電極積層方向の少なくとも一方の側に、該電極サブ活物質層がテーパー面を有するように前記テーパー形状を成している、請求項1~8のいずれかに記載の固体電池。
  10. 前記固体電解質層が、酸化物系結晶材、酸化物系ガラス材および酸化物系ガラスセラミックス材から成る群から選択される少なくとも一種を含んで成る、請求項1~9のいずれかに記載の固体電池。
  11. 前記正極層および前記負極層がリチウムイオンを吸蔵放出可能な層となっている、請求項1~10のいずれかに記載の固体電池。
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