JP7487319B2 - カテーテル、及び、再開通カテーテルシステム - Google Patents

カテーテル、及び、再開通カテーテルシステム Download PDF

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Description

本発明は、カテーテル、及び、再開通カテーテルシステムに関する。
慢性完全閉塞(CTO:Chronic Total Occlusion)のように、血管内が閉塞物によって閉塞されてしまう場合がある。特許文献1~4には、CTO開通(再疎通)のために、偽腔から真腔へと、医療デバイスを再入させる内膜下アプローチについて開示されている。なお、偽腔とは、医療デバイスにより形成された真腔以外の全ての解離腔を指す。
特許第6030655号公報 特許第6182660号公報 特許第6118335号公報 特許第5564416号公報
特許文献1に記載のカテーテルでは、カテーテルの周方向の端部から医療デバイス(閉塞横断デバイス)を突出させて、医療デバイスを真腔に再入する。特許文献2に記載のカテーテルでは、カテーテルの側面から医療デバイス(ガイドワイヤ)を突出させて、医療デバイスを真腔に再入する。特許文献1及び特許文献2の構成では、カテーテルの周方向の中心から医療デバイスを突出させる構成と比較して、偽腔から真腔への再入を行いやすいという利点がある。一方で、特許文献1及び特許文献2の構成では、カテーテルの周方向の端部(または、カテーテルの側面)に形成された医療デバイスの突出口を、真腔がある方向に向けた状態で、医療デバイスを前進させる必要がある。この点、特許文献1~4に記載の技術では、血管内において、カテーテルの周方向の向きを把握することが容易ではなく、手技の効率が悪いという課題があった。
なお、このような課題は、CTOの開通に限らず、血管内において周方向の向きを把握することを要するデバイスの全般に共通する。また、このような課題は、血管系に限らず、リンパ腺系、胆道系、尿路系、気道系、消化器官系、分泌腺及び生殖器官といった、生体管腔内に挿入されるデバイスの全般に共通する。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、生体管腔内において、周方向の向きを把握可能なカテーテルを提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、カテーテルが提供される。このカテーテルは、長手方向に延びる第1ルーメンを有するシャフトと、前記シャフトの先端側の側面に配置されたマーカ部であって、放射線不透過性と、前記シャフトとは異なる音響インピーダンスと、の少なくとも一方を有するマーカ部と、を備え、前記マーカ部は、前記シャフトの長手方向に略平行に延びる第1マーカと、前記シャフトの長手方向に略平行に延びると共に、前記シャフトの径方向において、前記第1マーカと対向する位置に配置された第2マーカと、を含み、前記第1マーカと前記第2マーカとは、前記シャフトの長手方向における位置と、形状と、の少なくとも一方が互いに異なる。
この構成によれば、カテーテルは、放射線不透過性と、シャフトとは異なる音響インピーダンスと、の少なくとも一方を有するマーカ部を備える。マーカ部が放射線不透過性を有する構成とすれば、術者は、X線画像上において、生体管腔内に挿入されたカテーテルのマーカ部を視認できる。一方、マーカ部がシャフトとは異なる音響インピーダンスを有する構成とすれば、術者は、IVUS(生体組織へ超音波を発信及び受信することで、生体組織の情報を取得するセンサ)の画像上において、生体管腔内に挿入されたカテーテルのマーカ部を視認できる。また、マーカ部は、シャフトの長手方向における位置と、形状と、の少なくとも一方が互いに異なる第1マーカと第2マーカを含む。第1及び第2マーカの長手方向における位置を変えた場合、術者は、画像に映るシャフトとマーカの位置関係によって、カテーテルの向きを把握できる。一方、第1及び第2マーカの形状を変えた場合、術者は、画像に映るマーカの形状によって、カテーテルの向きを把握できる。このように、本構成によれば、第1及び第2マーカがランドマークとして機能することにより、生体管腔内において、周方向の向きを把握可能なカテーテルを提供できる。この結果、手技を効率よく進めることが可能となる。
(2)上記形態のカテーテルにおいて、前記シャフトは、さらに、前記シャフトの基端部から先端側に向かって、前記第1ルーメンと並んで配置された第2ルーメンと、前記第2ルーメンの先端において、前記第2ルーメンに連通する先端開口が形成された端面と、前記第1ルーメンを含み、前記端面よりも先端側に突出した突出部と、を有し、前記マーカ部は、前記シャフトの先端側の側面のうち、前記突出部の側面に配置されており、かつ、前記第2ルーメンの中心軸の延長線に面する側には配置されていなくてもよい。
この構成によれば、シャフトは、さらに、第1ルーメンと並んで配置された第2ルーメンを有しているため、例えば、第1ルーメンにIVUSを挿入し、第2ルーメンに生体組織を貫通するための貫通用ガイドワイヤを挿入する、といったように、複数の医療デバイスを一つのカテーテル内で同時に保持することができる。また、シャフトは、第2ルーメンに連通する先端開口が形成された端面よりも先端側に突出した突出部であって、第1ルーメンを含む突出部を有している。このため、第1ルーメンにIVUSを挿入し、突出部にIVUSのトランスデューサ(生体組織へ超音波を発信及び受信する部位)を配置することによって、第2ルーメンに挿通された医療デバイス(例えば、デリバリーガイドワイヤや、貫通用ガイドワイヤ等)の先端部をIVUSで観察することができる。これにより、術者は、IVUSによる画像のみで生体管腔内(例えばCTO)の状態と、医療デバイスの先端部の位置とをリアルタイムで認識することができる。すなわち、本構成のカテーテルによれば、センサのガイド下(例えばIVUS Guide)での手技において従来必要とされていた、複数のデバイスを別々に操作するスキルや、センサ画像とX線画像の3次元的再構築のスキルを必要とすることなく、センサのガイド下における手技を実現できる。さらに、本構成のカテーテルによれば、センサの画像を参照するのみで手技が実現可能なため、X線画像の取得頻度を少なくすることもでき、X線撮影に伴う術者及び患者の被爆量の低減や、X線撮影のための造影剤の使用量の低減を期待できる。
また、本構成のカテーテルによれば、マーカ部は、シャフトの先端側の側面のうち、突出部の側面に配置されているため、術者は、IVUSのトランスデューサを位置させるべき突出部の位置を、容易に把握できる。さらに、マーカ部は、第2ルーメンの中心軸の延長線に面する側には配置されていないため、マーカ部が、医療デバイスを映すIVUSの視野を遮る(換言すれば、IVUSのトランスデューサから、医療デバイスに向かって発信及び受信する超音波を遮る)ことを抑制できる。
(3)上記形態のカテーテルでは、さらに、前記突出部の側面に配置され、前記シャフトの周方向に沿って延びると共に、前記第1マーカと前記第2マーカとを連結する連結部を備えていてもよい。
この構成によれば、突出部の側面に配置され、シャフトの周方向に沿って延びると共に、第1マーカと第2マーカとを連結する連結部を備える。このため、突出部の曲げ剛性を向上させることができ、第1ルーメンに挿入されるIVUSの操作性を向上できる。
(4)上記形態のカテーテルにおいて、前記連結部は、前記シャフトの周方向に沿って延びる円弧状であり、前記円弧の開始点と終点との間の開放部分を、前記第2ルーメンの中心軸の延長線に面する側に向けた状態で、前記突出部の側面に配置されていてもよい。
この構成によれば、連結部は、シャフトの周方向に沿って延びる円弧状であるため、突出部の真円性を向上させることができ、第1ルーメンに挿入されるIVUSの操作性を向上できる。また、連結部は、円弧の開始点と終点との間の開放部分を、第2ルーメンの中心軸の延長線に面する側に向けた状態で、突出部の側面に配置されている。このため、連結部が、医療デバイスを映すIVUSの視野を遮ることを抑制できる。
(5)上記形態のカテーテルにおいて、前記マーカ部は、さらに、前記シャフトの周方向において、前記第1マーカと前記第2マーカとの間に配置された第3マーカであって、前記第2ルーメンの中心軸の延長線に面する側とは逆側に配置された第3マーカを備えていてもよい。
この構成によれば、マーカ部は、さらに、シャフトの周方向において、第1マーカと第2マーカとの間に配置された第3マーカであって、第2ルーメンの中心軸の延長線に面する側とは逆側に配置された第3マーカを備える。このため、第1及び第2マーカに加えてさらに、第3マーカがランドマークとして機能することにより、生体管腔内において、周方向の向きをより一層把握しやすいカテーテルを提供できる。
(6)上記形態のカテーテルでは、前記シャフトの長手方向において、前記第1マーカが設けられている範囲と、前記第2マーカが設けられている範囲とは、重複していなくてもよい。
この構成によれば、第1マーカが設けられている範囲と、第2マーカが設けられている範囲とは、重複していないため、術者は、第1マーカと第2マーカとを容易に識別することができる。この結果、生体管腔内において、周方向の向きをより一層把握しやすいカテーテルを提供できる。
(7)上記形態のカテーテルにおいて、前記第1マーカと、前記第2マーカとの少なくとも一方は、前記シャフトの長手方向に互いに離間して配置された複数のサブマーカにより構成されていてもよい。
この構成によれば、第1マーカと、第2マーカとの少なくとも一方は、シャフトの長手方向に互いに離間して配置された複数のサブマーカにより構成されているため、第1及び第2マーカが配置された突出部の柔軟性を向上できる。
(8)上記形態のカテーテルにおいて、前記第1マーカは、前記第1マーカの先端と基端との間に位置する第1中間部が、前記シャフトの外周面に接合され、または、前記シャフトの肉厚部に埋設されており、前記第2マーカは、前記第2マーカの先端と基端との間に位置する第2中間部が、前記シャフトの外周面に接合され、または、前記シャフトの肉厚部に埋設されていてもよい。
この構成によれば、第1及び第2マーカの第1及び第2中間部は、それぞれ、シャフトの外周面に接合され、または、シャフトの肉厚部に埋設されている。このため、例えば、カテーテルが曲率半径の小さい生体管(換言すれば、急カーブの生体管)を進む場合において、突出部が湾曲した際に、第1及び第2マーカが、シャフトの径方向の外側に向かって膨らむことを抑制できる(または膨らみを軽減できる)。この結果、手技の際に、偽腔を拡張する虞を低減できる。
(9)本発明の一形態によれば、再開通カテーテルシステムが提供される。この再開通カテーテルシステムは、上記形態のカテーテルと、前記第1ルーメンに挿入され、前記第1ルーメンにおいて生体組織の情報を取得するセンサと、前記第2ルーメンに挿入され、前記先端開口から外部へ誘導されると共に、生体組織を貫通するガイドワイヤと、を備える。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、カテーテル、カテーテルの製造または使用方法、カテーテルとセンサ、デリバリーガイドワイヤ、貫通用ガイドワイヤ等の他のデバイスとを含むカテーテルシステム、カテーテルシステムの製造または使用方法などの形態で実現することができる。
再開通カテーテルシステムの構成を例示した説明図である。 カテーテルの先端側の概略側面図である。 カテーテルの先端側の概略下面図である。 図1のB-B線におけるカテーテルの横断面図である。 図3のC-C線におけるカテーテルの横断面図である。 イメージングセンサの概略図である。 再開通カテーテルシステムの使用方法について説明する図である。 再開通カテーテルシステムの使用方法について説明する図である。 第2実施形態のカテーテルの先端側の概略下面図である。 第3実施形態のカテーテルの先端側の概略下面図である。 第4実施形態のカテーテルの先端側の概略側面図である。 第4実施形態のカテーテルの先端側の概略下面図である。 第5実施形態のカテーテルの先端側の概略下面図である。 図13のD-D線におけるカテーテルの横断面図である。 第6実施形態のカテーテルの先端側の概略下面図である。 第7実施形態のカテーテルの先端側の概略下面図である。 第8実施形態のカテーテルの先端側の概略下面図である。 第9実施形態のカテーテルの横断面図である。 第10実施形態のカテーテルの先端側の概略側面図である。
<第1実施形態>
図1は、再開通カテーテルシステム1の構成を例示した説明図である。再開通カテーテルシステム1は、例えば、血管に生じたCTO(慢性完全閉塞、CTO:Chronic Total Occlusion)を順行性アプローチで治療する場合に用いられる。再開通カテーテルシステム1は、カテーテル100と、イメージングセンサ200と、イメージングコンソール300と、貫通用ガイドワイヤ400と、を備えている。図1では、カテーテル100の概略側面図を表すと共に、第1インナーシャフト102に挿入されたイメージングセンサ200の先端側の一部分を、実線で表す。
図1では、説明の便宜上、各構成部材の大きさの相対比を実際とは異なるように記載している部分を含んでいる。また、各構成部材の一部を誇張して記載している部分を含んでいる。また、図1には、相互に直交するXYZ軸を図示する。X軸はカテーテル100及び貫通用ガイドワイヤ400の長手方向に対応し、Y軸はカテーテル100及び貫通用ガイドワイヤ400の高さ方向に対応し、Z軸はカテーテル100及び貫通用ガイドワイヤ400の幅方向に対応する。図1の左側(-X軸方向)をカテーテル100及び各構成部材の「先端側」と呼び、図1の右側(+X軸方向)をカテーテル100及び各構成部材の「基端側」と呼ぶ。また、カテーテル100及び各構成部材の長手方向(X軸方向)における両端のうち、先端側に位置する一端を「先端」と呼び、基端側に位置する他端を「基端」と呼ぶ。また、先端及びその近傍を「先端部」と呼び、基端及びその近傍を「基端部」と呼ぶ。先端側は生体内部へ挿入され、基端側は医師等の術者により操作される。これらの点は、図1以降においても共通する。
図2は、カテーテル100の先端側の概略側面図である。図2では、カテーテル100内のルーメンを破線で表すと共に、第1インナーシャフト102に挿入されたイメージングセンサ200の先端側の一部分を、実線で表す。図3は、カテーテル100の先端側の概略下面図である。図3は、カテーテル100の先端側をA方向(図1)から見た図である。図3では、第1インナーシャフト102に挿入されたイメージングセンサ200の先端側の一部分を、実線で表す。図4は、図1のB-B線におけるカテーテル100の横断面図である。図5は、図3のC-C線におけるカテーテル100の横断面図である。図5では、イメージングセンサ200の図示を省略している。
図1~図5を用いて、カテーテル100の構成について説明する。図1に示すように、カテーテル100は、シャフト101~104と、マーカ部12と、調節器105と、を有している。なお、図1及び以降の図では、他の部材との区別のため、マーカ部12に斜線ハッチングを付す。
図4に示すように、シャフト101~104は、アウターシャフト101と、第1インナーシャフト102と、第2インナーシャフト103と、先端チップ104(図1参照)と、封止部材114と、ブレード115とを有している。
アウターシャフト101、第1インナーシャフト102、及び第2インナーシャフト103は、いずれも中空の長尺状であり、略円形状の横断面を有している。第1インナーシャフト102及び第2インナーシャフト103は、アウターシャフト101のルーメン内に挿入されており、アウターシャフト101の長手方向に沿って、互いに略平行に延びている。第1インナーシャフト102の内側には、第1ルーメン102Lが設けられている。第1ルーメン102Lは、シャフト101~104に対して、イメージングセンサ200を挿入するための「センサ用ルーメン」として機能する。第2インナーシャフト103の内側には、第2ルーメン103Lが設けられている。第2ルーメン103Lは、シャフト101~104に対して、デリバリーガイドワイヤ70(図2)や貫通用ガイドワイヤ400(図1)を挿入するための「ワイヤ用ルーメン」として機能する。詳細は後述する。第1ルーメン102Lと第2ルーメン103Lとは、互いに略平行となるように、並んで配置されている。
封止部材114は、アウターシャフト101内において、第1インナーシャフト102及び第2インナーシャフト103を封止(固定)している。封止部材114は、アウターシャフト101の内側、かつ、第1インナーシャフト102及び第2インナーシャフト103の外側に配置されている。アウターシャフト101、第1インナーシャフト102、第2インナーシャフト103、及び封止部材114は、絶縁性を有する樹脂で形成され、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体などのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタラートなどのポリエステル、ポリ塩化ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、架橋型エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリウレタンなどの熱可塑性樹脂、ポリアミドエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリウレタンエラストマー、シリコーンゴム、ラテックスゴム等により形成され得る。なお、絶縁性を有する樹脂に代えて、公知の材料によって形成されてもよい。
ブレード115は、素線を編組して形成した補強部材である。ブレード115は、アウターシャフト101の肉厚部に埋設されている。ブレード115を構成する素線は、金属材料(例えば、SUS304等のステンレス鋼、ニッケルチタン合金、X線不透過材料である金、白金、タングステンを含む合金等)で形成され得る。ブレード115を構成する素線は、これら以外の公知の金属材料で形成されてもよい。なお、アウターシャフト101の肉厚部には、ブレード115に代えて、素線を螺旋状に巻回して形成されたコイル体が埋設されていてもよい。コイル体を構成する素線は、ブレード115と同様に、公知の金属材料で形成できる。
図1に示すように、第1インナーシャフト102の長さは、アウターシャフト101及び第2インナーシャフト103の長さよりも長い。また、第2インナーシャフト103の長さは、アウターシャフト101の長さと略同一、または、アウターシャフト101の長さよりもわずかに長い。アウターシャフト101、第1インナーシャフト102、及び第2インナーシャフト103は、基端をそろえた状態で固定されている。すなわち、図1に示すように、第1インナーシャフト102の先端側の一部分と、第2インナーシャフト103の先端側の端面108とは、それぞれ、アウターシャフト101の先端から突出している。
図2に示すように、第1インナーシャフト102の先端側の一部分(アウターシャフト101の先端から突出した部分)には、イメージングセンサ200が配置される。このイメージングセンサ200によって、第2ルーメン103L(ワイヤ用ルーメン)に挿通されたデリバリーガイドワイヤ70(図2)や、貫通用ガイドワイヤ400(図3)の様子を観察できる。イメージングセンサ200は、トランスデューサ201から、生体組織に超音波を発信するとともにその反射音を受信する。このため、第1インナーシャフト102の先端側の一部分(アウターシャフト101の先端から突出した部分)は、第1インナーシャフト102のうちのアウターシャフト101の内部に位置する部分と比べて、生体組織との音響インピーダンスの差が小さい樹脂、例えば、ポリエチレンで形成されることが好ましい。また、第1インナーシャフト102の先端側の一部分(アウターシャフト101の先端から突出した部分)は、肉厚部の厚さを、第1インナーシャフト102のうちのアウターシャフト101の内部に位置する部分と比べて、薄くしてもよい。
第2インナーシャフト103の先端側の端面108は、アウターシャフト101の中心に近い側から、外側に向かって傾斜している。また、端面108には、第2ルーメン103L(ワイヤ用ルーメン)に連通する先端開口103aが形成されている。
先端チップ104は、第1インナーシャフト102の先端部に接合されている。先端チップ104は、先端部にRが付された略円柱状の部材である。先端チップ104は任意の形状とでき、例えば、基端側から先端側に向かって外径が縮径した略円錐台状であってもよい。先端チップ104には、シャフト101~104の長手方向(X軸方向)に延びる第3ルーメン104Lが形成されている。また、先端チップ104の先端面には、第3ルーメン104Lに連通する第1開口104aが形成されている。先端チップ104の側面には、第3ルーメン104Lに連通する第2開口104bが形成されている。図2に示すように、第1開口104aは、第2開口104bよりも先端側に配置されている。また、第2開口104bは、第2インナーシャフト103の先端開口103aよりも先端側に配置されている。先端チップ104は、柔軟性を有する樹脂材料、例えば、ポリウレタンエラストマーで形成されることが好ましい。先端チップ104と第1インナーシャフト102との接合には、例えば、熱溶融による樹脂同士の接合またはエポキシ系接着剤などの絶縁性の接着剤による接合を採用できる。
以降、第1インナーシャフト102の先端側のうち端面108よりも先端側に突出した部分と、先端チップ104とを総称して「突出部109」とも呼ぶ。
マーカ部12は、シャフト101~104の先端側の側面、具体的には、突出部109の側面に配置されており、血管内に挿入されたカテーテル100の位置を表す目印として機能する。マーカ部12は、放射線不透過性と、シャフトとは異なる音響インピーダンスと、の少なくとも一方を有する。
図3に示すように、マーカ部12は、第1マーカ121と、第2マーカ122と、を有している。第1及び第2マーカ121,122は、いずれも、第1インナーシャフト102の長手方向(X軸方向)に沿って第1インナーシャフト102と略平行に延びている。第1及び第2マーカ121,122は、略矩形形状を有する平板状(または、第1インナーシャフト102の外周面に沿う弧状)の部材である。
第1マーカ121と第2マーカ122とは、第1インナーシャフト102を挟んで対向する位置に配置されている。換言すれば、第2マーカ122は、第1インナーシャフト102の径方向において、第1マーカ121と対向する位置に配置されている。また、図5に示すように、第1及び第2マーカ121,122は、いずれも、第2ルーメン103Lの中心軸の延長線Eに面する側(すなわち、図2においてデリバリーガイドワイヤ70が通る側、図3において貫通用ガイドワイヤ400が通る側)には配置されていない。さらに、図3に示すように、第1マーカ121と第2マーカ122とは、第1インナーシャフト102の長手方向における位置が相違している。具体的には、第1マーカ121は、突出部109のうち先端側に配置されており、第2マーカ122は、突出部109のうち基端側に配置されている。換言すれば、本実施形態では、第1インナーシャフト102の長手方向において、第1マーカ121が設けられている範囲と、第2マーカ122が設けられている範囲とは、互いに異なっており、重複していない。
第1マーカ121のうち、第1マーカ121の先端と基端との間に位置する第1中間部121a(破線丸枠)は、第1インナーシャフト102の外周面に接合されている。同様に、第2マーカ122のうち、第2マーカ122の先端と基端との間に位置する第2中間部122a(破線丸枠)は、第1インナーシャフト102の外周面に接合されている。接合は、エポキシ系接着剤などの任意の接合剤により実現できる。なお、第1中間部121a及び第2中間部122aは、第1インナーシャフト102の外周面に接合されることに代えて、第1インナーシャフト102の肉厚部に埋設されていてもよい。また、第1マーカ121の全体、及び、第2マーカ122の全体は、第1インナーシャフト102の外周面に配置されていることに代えて、第1インナーシャフト102の肉厚部に埋設されていてもよい。また、電解めっき等によって、金属材料からなる第1マーカ121及び第2マーカ122を第1インナーシャフト102の外周面上に直接形成してもよい。この場合、例えば、電解めっきによって第1インナーシャフト102の外周面上に金属層を形成し、エッチング耐性を有する樹脂からなるエッチングレジストを、金属層の外周面上に塗布する。その後、第1マーカ121及び第2マーカ122を形成しない部分について、エッチングレジストの外周からレーザーを照射することで、エッチングレジストを除去する。エッチングレジスト除去後、露出した金属層をエッチング液により溶融させる。これにより、電解めっきで第1マーカ121及び第2マーカ122を形成できる。
第1マーカ121の先端部は、先端固定部128によって第1インナーシャフト102に固定され、第1マーカ121の基端部は、第1インナーシャフト102の外周面に接合されている。第2マーカ122の先端部は、第1インナーシャフト102の外周面に接合され、第2マーカ122の基端部は、基端固定部129によって第1インナーシャフト102に固定されている。先端固定部128及び基端固定部129は、いずれも、第1インナーシャフト102の外周面に沿って配置された環状の部材である。先端固定部128は、突出部109の先端部に接合され、基端固定部129は突出部109の基端部に接合されている。接合は、エポキシ系接着剤などの任意の接合剤により実現できる。また、先端固定部128及び基端固定部129は、熱溶融等によって第1インナーシャフト102の側面に埋設されてもよい。なお、先端固定部128及び基端固定部129は、省略してもよい。
マーカ部12に放射線不透過性を付与する場合、第1及び第2マーカ121,122は、放射線不透過性を有する樹脂材料や金属材料により形成できる。例えば、樹脂材料を用いる場合、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂等に対して、三酸化ビスマス、タングステン、硫酸バリウム等の放射線不透過材料を混ぜて形成できる。例えば、金属材料を用いる場合、放射線不透過材料である金、白金、タングステン、またはこれらの元素を含む合金(例えば、白金ニッケル合金)等で形成できる。マーカ部12にシャフトとは異なる音響インピーダンスを付与する場合、第1及び第2マーカ121,122と、第1インナーシャフト102の先端側の一部分(アウターシャフト101の先端から突出した部分)とについて、材料、または、肉厚部の厚さの少なくとも一方を相違させればよい。なお、先端固定部128及び基端固定部129は、第1マーカ121と同じ材料により形成されてもよく、第1マーカ121とは異なる、周知の樹脂材料により形成されてもよい。
図1に示すように、調節器105は、第1ルーメン102Lにおけるイメージングセンサ200の前進後退を行うための操作部である。調節器105は、術者が操作可能なダイヤルを備えており、ダイヤルを回転させることで、第1ルーメン102Lに挿入されたイメージングセンサ200が、前進、または後退する。調節器105は、アウターシャフト101と同様に、絶縁性を有する樹脂、または、公知の材料によって形成されている。調節器105の材料は、アウターシャフト101の材料と同じでもよく、異なっていてもよい。
図2を用いて、カテーテル100にデリバリーガイドワイヤ70を挿通する「第1の場合」について説明する。第1の場合には、デリバリーガイドワイヤ70の基端部を、第1開口104aから第3ルーメン104Lに挿通し、第2開口104bから外部へ引き出し、先端開口103aから第2ルーメン103Lに再び挿通し、第2ルーメン103Lの基端側の開口103bから外部へ引き出す。なお、先端開口103aよりも基端側において、第2ルーメン103Lと外部とを連通する側面開口(図示省略)を設けてもよい。そうすれば、第1の場合において、デリバリーガイドワイヤ70の基端部を、第2ルーメン103Lの基端側の開口103bに代えて、側面開口から外部へ引き出すことができるため、デリバリーガイドワイヤ70の挿通に要する時間を短縮できる。
図1及び図3を用いて、カテーテル100に貫通用ガイドワイヤ400を挿通する「第2の場合」について説明する。第2の場合には、貫通用ガイドワイヤ400の先端部を、第2ルーメン103Lの基端側の開口103bから第2ルーメン103Lに挿通し、先端開口103aから外部へ引き出す。
図6は、イメージングセンサ200の概略図である。イメージングセンサ200は、長尺状の外形を有し、生体組織の情報を取得する「センサ」である。イメージングセンサ200は、トランスデューサ201と、ドライビングケーブル202と、コネクタ203と、モータドライブ204を有している。トランスデューサ201は、生体組織に向けて超音波を発信し、生体組織を伝搬して反射した超音波を受信する超音波探触子(超音波振動子、圧電体、超音波送受信素子、超音波素子とも呼ばれる)を備えている。ドライビングケーブル202はその内側に、トランスデューサ201とモータドライブ204とを電気的に接続する同軸線を有する。コネクタ203は、ドライビングケーブル202の同軸線とトランスデューサ201の回転を制御するモータドライブ204とを接続する。なお、モータドライブ204はケーブル50によりイメージングコンソール300と電気的に接続されている。
図1に示すイメージングコンソール300は、イメージングセンサ200を制御すると共に、画像を生成し、表示する。具体的には、イメージングコンソール300は、調節器105の操作に応じて、第1ルーメン102L内のトランスデューサ201を、第1インナーシャフト102の長手方向(X軸方向)に移動させ、また、第1インナーシャフト102の周方向(YZ軸方向)に回転させる。また、イメージングコンソール300は、図示しない入力手段を介した術者の操作に応じて、トランスデューサ201から超音波を発信し、トランスデューサ201によって反射波を受信させる。トランスデューサ201が受信した反射波は、ドライビングケーブル202及びケーブル50を介して、イメージングコンソール300に送信される。イメージングコンソール300は、受信した反射波の強度に応じた濃淡の諧調を付した画像(2次元画像)を生成し、生成した画像をディスプレイ302に表示させる。以降、イメージングセンサ200により取得され、ディスプレイ302に表示された画像を「センサ画像」とも呼ぶ。
図1に示す貫通用ガイドワイヤ400は、先端に尖状部を備える長尺な医療デバイスである。尖状部は、基端側から先端側に向かって、やじり形状或いは楔形状とされた部分である。貫通用ガイドワイヤ400では、先端に設けられた尖状部によって、生体組織を貫通することができる。貫通用ガイドワイヤ400は「生体組織を貫通するガイドワイヤ」に相当する。
図7及び図8は、再開通カテーテルシステム1の使用方法について説明する図である。図7及び図8では、生体管腔の一例としての冠動脈80と、冠動脈80に発生したCTO81と、冠動脈80の内膜または内膜下に形成された偽腔82(デリバリーガイドワイヤ70により形成された真腔以外の全ての解離腔)と、真腔84と、偽腔82と真腔84との間に存在する線維性皮膜またはプラーク83(以下「線維性皮膜83」とも呼ぶ)と、をそれぞれ示す。なお、線維性皮膜83は、CTO病変の表面に繊維状に形成されることがある。
図7(A)は、冠動脈80にデリバリーガイドワイヤ70を挿入した様子を示す。図7(A)では、術者が操作するデリバリーガイドワイヤ70が、冠動脈80の内膜に迷入し、あるいは内膜下で偽腔82を形成している。
図7(B)は、デリバリーガイドワイヤ70を用いてカテーテル100をデリバリする様子を示す。術者は、デリバリーガイドワイヤ70の基端部を、カテーテル100の第1開口104aから第3ルーメン104Lに挿通し、第2開口104bから外部に露出させ、先端開口103aから第2ルーメン103Lに挿通する。その後、術者は、図7(B)に示すように、デリバリーガイドワイヤ70に沿わせて、カテーテル100を偽腔82までデリバリする。
図8(A)は、カテーテル100及びイメージングセンサ200の位置を調整する様子を示す。術者は、次のa1~a3に示す各位置の調整を行う。
(a1)カテーテル100の長手方向(図1:X軸方向)における位置の調整。術者は、カテーテル100を冠動脈80に沿って移動させることで、カテーテル100の突出部109を、貫通用ガイドワイヤ400による真腔84への穿通のために最適な位置に配置する。調整a1は、X線画像上のマーカ部12、または、センサ画像上の真腔84を確認しつつ、実施できる。
(a2)カテーテル100の周方向(図1:YZ軸方向)における向きの調整。術者は、カテーテル100を周方向に回転させることで、カテーテル100が、図示の向き(すなわち、先端開口103aがCTO81側に位置する向き)となるよう調整する。調整a2は、X線画像上のマーカ部12、または、センサ画像上のマーカ部12を確認しつつ、実施できる。ここで、マーカ部12は、第1マーカ121と第2マーカ122との長手方向における位置が異なる(図3)。このため術者は、画像に映る第1インナーシャフト102とマーカ部12(第1マーカ121、第2マーカ122)の位置関係によって、カテーテル100の向きを把握できる。なお、調整a2は、センサ画像上のデリバリーガイドワイヤ70と冠動脈80との位置関係を確認しつつ、実施してもよい。
(a3)イメージングセンサ200のトランスデューサ201についての、長手方向(図1:X軸方向)における位置の調整。術者は、調節器105を操作することで、トランスデューサ201が、貫通用ガイドワイヤ400の穿通を観察するために適した位置となるよう、トランスデューサ201を移動させる。調整a3は、センサ画像上のマーカ部12や、センサ画像上の冠動脈80を確認しつつ、実施できる。
図8(B)は、貫通用ガイドワイヤ400で生体組織を貫通する様子を示す。術者は、デリバリーガイドワイヤ70を抜去し、カテーテル100の基端側の開口103b(図1)から、第2ルーメン103Lに貫通用ガイドワイヤ400を挿入する。その後、術者は、貫通用ガイドワイヤ400の先端を、先端開口103aから突出させる。術者は、センサ画像上の貫通用ガイドワイヤ400の先端を確認しつつ、貫通用ガイドワイヤ400の尖状部を前述の穿通の至適部位に誘導する。その後、貫通用ガイドワイヤ400の尖状部を用いて生体組織を貫通し、貫通用ガイドワイヤ400の先端を真腔84に到達させる。
このような方法により、再開通カテーテルシステム1によるCTO81の開通が可能となる。上述した方法はあくまで一例であり、再開通カテーテルシステム1は、種々の手技で使用できる。例えば、再開通カテーテルシステム1は、偽腔82から真腔84へのアプローチに限らず、近位側の真腔84から遠位側の真腔84へのCTOを貫通するアプローチを行う際に使用されてもよい。
以上のように、第1実施形態のカテーテル100は、放射線不透過性と、シャフト(第1インナーシャフト102の先端側の一部分)とは異なる音響インピーダンスと、の少なくとも一方を有するマーカ部12(第1及び第2マーカ121,122)を備える。マーカ部12が放射線不透過性を有する構成とすれば、術者は、X線画像上において、生体管腔内に挿入されたカテーテル100のマーカ部12を視認できる。一方、マーカ部12がシャフトとは異なる音響インピーダンスを有する構成とすれば、術者は、イメージングセンサ200(生体組織へ超音波を発信及び受信することで、生体組織の情報を取得するセンサ、「IVUS」とも呼ぶ)の画像上において、生体管腔内に挿入されたカテーテル100のマーカ部12を視認できる。また、マーカ部12は、第1インナーシャフト102の長手方向における位置が互いに異なる第1マーカ121と第2マーカ122を含む。第1及び第2マーカ121,122の長手方向における位置を変えた場合、術者は、画像に映る第1インナーシャフト102とマーカ部12の位置関係によって、カテーテル100の向きを把握できる。このように、第1実施形態のカテーテル100によれば、第1及び第2マーカ121,122がランドマークとして機能することにより、生体管腔内において、周方向の向きを把握可能なカテーテル100を提供できる。この結果、手技を効率よく進めることが可能となる。
また、第1実施形態のカテーテル100によれば、シャフト101~104は、さらに、第1ルーメン102Lと並んで配置された第2ルーメン103Lを有している。このため、例えば、第1ルーメン102Lにイメージングセンサ200(IVUS)を挿入し、第2ルーメン103Lに生体組織を貫通するための貫通用ガイドワイヤ400を挿入する、といったように、複数の医療デバイスを一つのカテーテル100内で同時に保持することができる。また、シャフト101~104は、第2ルーメン103Lに連通する先端開口103aが形成された端面108よりも先端側に突出した突出部109であって、第1ルーメン102Lを含む突出部109を有している。このため、第1ルーメン102Lにイメージングセンサ200を挿入し、突出部109にイメージングセンサ200のトランスデューサ201(生体組織へ超音波を発信及び受信する部位)を配置することによって、第2ルーメン103Lに挿通された医療デバイス(例えば、デリバリーガイドワイヤ70や、貫通用ガイドワイヤ400等)の先端部をイメージングセンサ200で観察することができる。これにより、術者は、イメージングセンサ200による画像のみで生体管腔内(例えばCTO81)の状態と、医療デバイスの先端部の位置とをリアルタイムで認識することができる。すなわち、第1実施形態のカテーテル100によれば、イメージングセンサ200のガイド下(例えばIVUS Guide)での手技において従来必要とされていた、複数のデバイスを別々に操作するスキルや、センサ画像とX線画像の3次元的再構築のスキルを必要とすることなく、イメージングセンサ200のガイド下における手技を実現できる。さらに、第1実施形態のカテーテル100によれば、イメージングセンサ200のセンサ画像を参照するのみで手技が実現可能なため、X線画像の取得頻度を少なくすることもでき、X線撮影に伴う術者及び患者の被爆量の低減や、X線撮影のための造影剤の使用量の低減を期待できる。
さらに、第1実施形態のカテーテル100によれば、マーカ部12は、シャフト101~104の先端側の側面のうち、突出部109の側面に配置されている。このため、術者は、イメージングセンサ200(IVUS)のトランスデューサ201を位置させるべき突出部109の位置を、容易に把握できる。さらに、マーカ部12は、第2ルーメン103Lの中心軸の延長線Eに面する側には配置されていない(図5)。このため、マーカ部12が、デリバリーガイドワイヤ70や貫通用ガイドワイヤ400等の医療デバイスを映すイメージングセンサ200の視野を遮る(換言すれば、イメージングセンサ200のトランスデューサ201から、医療デバイスに向かって発信及び受信する超音波を遮る)ことを抑制できる。
さらに、第1実施形態のカテーテル100によれば、第1マーカ121が設けられている範囲と、第2マーカ122が設けられている範囲とは、重複していない(図3)。このため、術者は、第1マーカ121と第2マーカ122とを容易に識別することができる。この結果、生体管腔内において、周方向の向きをより一層把握しやすいカテーテル100を提供できる。
さらに、第1実施形態のカテーテル100によれば、第1及び第2マーカ121,122において、第1中間部121aと、第2中間部122aとは、それぞれ、第1インナーシャフト102の外周面に接合され、または、第1インナーシャフト102の肉厚部に埋設されている。このため、例えば、カテーテル100が曲率半径の小さい生体管(換言すれば、急カーブの生体管)を進む場合において、突出部109が湾曲した際に、第1及び第2マーカ121,122が、第1インナーシャフト102の径方向の外側に向かって膨らむことを抑制できる(または膨らみを軽減できる)。この結果、手技の際に、偽腔82を拡張する虞を低減できる。
<第2実施形態>
図9は、第2実施形態のカテーテル100Aの先端側の概略下面図である。図9の上部破線枠内には、X軸方向から見た連結部123と、第2ルーメン103Lの中心軸の延長線Eとを図示する。第2実施形態の再開通カテーテルシステム1Aは、第1実施形態で説明したカテーテル100に代えてカテーテル100Aを備える。カテーテル100Aは、第1実施形態で説明した構成において、さらに、連結部123を備える。
図9の上部に示すように、連結部123は、第1インナーシャフト102の周方向に沿って延びる円弧状の部材である。連結部123は、円弧の開始点と終点との間の開放部分123aを、第2ルーメン103Lの中心軸の延長線Eに面する側に向けた状態で、突出部109の側面に配置されている。図示の例では、開放部分123aは、連結部123に対して約30~45度の幅であるが、開放部分123aの幅は任意に変更できる。また、図9の下部に示すように、連結部123は、第1マーカ121と第2マーカ122とを連結している。具体的には、連結部123の一部分は、第1マーカ121の基端部に接合され、連結部123の他の一部分は、第2マーカ122の先端部に接合されている。
このように、カテーテル100Aの構成は種々の変更が可能であり、第1及び第2マーカ121,122を連結する連結部123を備えていてもよい。図示の例では、円弧状の連結部123を例示したが、連結部123の形状は種々の変更が可能であり、例えば、X軸方向から見た場合の形状を、開放部分123aを有さない環状や、多角形状や、楕円形状等としてもよい。また、連結部123と、第1及び第2マーカ121,122とは、一体的に構成されていてもよい。
以上のような第2実施形態のカテーテル100Aを備える再開通カテーテルシステム1Aによっても、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、第2実施形態のカテーテル100Aによれば、突出部109の側面に配置され、シャフト101~104(具体的には、第1インナーシャフト102)の周方向に沿って延びると共に、第1マーカ121と第2マーカ122とを連結する連結部123を備える。このため、突出部109の曲げ剛性を向上させることができ、第1ルーメン102Lに挿入されるイメージングセンサ200(IVUS)の操作性を向上できる。さらに、第2実施形態のカテーテル100Aによれば、連結部123は、シャフト101~104の周方向に沿って延びる円弧状であるため、突出部109の真円性を向上させることができ、第1ルーメン102Lに挿入されるイメージングセンサ200の操作性をさらに向上できる。また、連結部123は、円弧の開始点と終点との間の開放部分123aを、第2ルーメン103Lの中心軸の延長線Eに面する側に向けた状態で、突出部109の側面に配置されている。このため、連結部123が、医療デバイス(デリバリーガイドワイヤ70や貫通用ガイドワイヤ400)を映すイメージングセンサ200の視野を遮ることを抑制できる。
<第3実施形態>
図10は、第3実施形態のカテーテル100Bの先端側の概略下面図である。図10の上部破線枠のうち、左側の破線枠内には、X軸方向から見た先端連結部124を図示する。右側の破線枠内には、X軸方向から見た連結部123を図示する。第3実施形態の再開通カテーテルシステム1Bは、第2実施形態で説明したカテーテル100Aに代えてカテーテル100Bを備える。カテーテル100Bは、第2実施形態で説明した構成において、さらに、先端連結部124と、連結部125と、連結部126と、基端連結部127とを備える。
図10の上部左側に示すように、先端連結部124は、第1インナーシャフト102の周方向に沿って延びる環状の部材である。先端連結部124は、連結部123とは異なり、開放部分を有していない。図10の下部に示すように、先端連結部124は、シャフト101~104の長手方向(X軸方向)において、イメージングセンサ200の観察限界点に対応する位置(換言すれば、イメージングセンサ200がこれ以上先端側には進めない、という位置)に設けられることが好ましい。先端連結部124は、他の連結部123~127とは異なる形状を有している。このため、先端連結部124をイメージングセンサ200の観察限界点に設けることで、術者は、センサ画像上の先端連結部124を確認することにより、イメージングセンサ200の観察限界点を把握することができる。
図10の下部に示すように、連結部125、連結部126、基端連結部127は、上述した連結部123と同様に、それぞれ第1インナーシャフト102の周方向に沿って延びる円弧状であり、開放部分125a,126a,127aを、第2ルーメン103Lの中心軸の延長線Eに面する側に向けた状態で、突出部109の側面に配置されている。先端連結部124の一部分、及び連結部125の一部分は、第1マーカ121に接合されている。連結部126の一部分、及び基端連結部127の一部分は、第2マーカ122に接合されている。
図10の下部に示すように、連結部123、先端連結部124、連結部125、連結部126、及び基端連結部127は、シャフト101~104の長手方向(X軸方向)において、等間隔に配置されていることが好ましい。そうすれば、術者は、センサ画像上において通過した連結部の数を把握することにより、突出部109のどの位置にトランスデューサ201が位置しているのかを把握できる。
このように、カテーテル100Bの構成は種々の変更が可能であり、複数の連結部123~127を備えていてもよい。図示の例では、5つの連結部123~127を例示したが、連結部の数は任意に変更してよい。また、連結部123~127の少なくとも一部、または全部は、開放部分123a~127aを有さない環状や、多角形状や、楕円形状等としてもよい。さらに、複数の連結部123~127は、それぞれ異なる形状を有していてもよい。また、複数の連結部123~127と、第1及び第2マーカ121,122とは、一体的に構成されていてもよい。以上のような第3実施形態のカテーテル100Bを備える再開通カテーテルシステム1Bによっても、上述した第1及び第3実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第4実施形態>
図11は、第4実施形態のカテーテル100Cの先端側の概略側面図である。図12は、第4実施形態のカテーテル100Cの先端側の概略下面図である。第4実施形態の再開通カテーテルシステム1Cは、第1実施形態で説明したカテーテル100に代えてカテーテル100Cを備える。カテーテル100Cは、第1実施形態で説明した構成において、マーカ部12に代えてマーカ部12Cを備える。
図12に示すように、第1マーカ121Cは、第1インナーシャフト102の長手方向(X軸方向)に、互いに離間して配置されたサブマーカ1211~121n(nは自然数)により構成されている。同様に、第2マーカ122Cは、第1インナーシャフト102の長手方向(X軸方向)に、互いに離間して配置されたサブマーカ1221~122m(mは自然数)により構成されている。図11に示すように、サブマーカ1211~121n、及びサブマーカ1221~122mのそれぞれは、略矩形形状を有する平板状(または、第1インナーシャフト102の外周面に沿う弧状)の部材である。サブマーカ1211~121n、及びサブマーカ1221~122mのそれぞれは、第1インナーシャフト102の外周面に接合されている。
一方、図12に示すように、第1マーカ121Cを構成するサブマーカ1211~121nと、第2マーカ122Cを構成するサブマーカ1221~122mとは、第1インナーシャフト102の長手方向(X軸方向)における位置が異なる。具体的には、第1マーカ121Cを構成するサブマーカ1211~121nは、第2マーカ122Cを構成するサブマーカ1221~122mに対して、第1インナーシャフト102の長手方向にずらして配置されている。尚、第1マーカ121Cを構成するサブマーカ1211~121nが、第2マーカ122Cを構成するサブマーカ1221~122mに対して、第1インナーシャフト102の長手方向にずらさずに配置されていてもよい。
このように、カテーテル100Cの構成は種々の変更が可能であり、複数のサブマーカによって、第1マーカ121Cや第2マーカ122Cを構成してもよい。サブマーカの数(n,m)、及び形状は、任意に定めることができる。また、図12の例では、第1マーカ121Cと第2マーカ122Cの両方をサブマーカにより構成されるとしたが、いずれか一方がサブマーカにより構成されてもよい。さらに、図12の例では、カテーテル100Cの周方向の向きを把握可能とするために、第1マーカ121Cを構成するサブマーカ1211~121nと、第2マーカ122Cを構成するサブマーカ1221~122mとの位置が異なるとした。しかし、第1マーカ121Cを構成するサブマーカ1211~121nと、第2マーカ122Cを構成するサブマーカ1221~122mとの形状を相違させても、カテーテル100Cの周方向の向きを把握可能とできる。
以上のような第4実施形態のカテーテル100Cを備える再開通カテーテルシステム1Cによっても、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、第4実施形態のカテーテル100Cによれば、第1マーカ121Cと、第2マーカ122Cとの少なくとも一方は、シャフト101~104(第1インナーシャフト102)の長手方向に互いに離間して配置された複数のサブマーカにより構成されているため、第1及び第2マーカ121,122が配置された突出部109の柔軟性を向上できる。
<第5実施形態>
図13は、第5実施形態のカテーテル100Dの先端側の概略下面図である。図14は、図13のD-D線におけるカテーテル100Dの横断面図である。第5実施形態の再開通カテーテルシステム1Dは、第4実施形態で説明したカテーテル100Cに代えてカテーテル100Dを備える。カテーテル100Dのマーカ部12Dは、第4実施形態で説明した構成において、さらに、第3マーカ123Dと、第4マーカ124Dを備える。なお、図13では、第3マーカ123D及び第4マーカ124Dを破線で図示する。
第3マーカ123D及び第4マーカ124Dは、いずれも、略矩形形状を有する平板状(または、第1インナーシャフト102の外周面に沿う弧状)の部材である。図13に示すように、第3マーカ123D及び第4マーカ124Dは、いずれも、第1インナーシャフト102の周方向において、第1マーカ121Cと第2マーカ122Cとの間に配置されている。また、図14に示すように、第3マーカ123D及び第4マーカ124Dは、いずれも、突出部109の側面のうち、第2ルーメン103Lの中心軸の延長線Eに面する側とは逆側において、第1インナーシャフト102の外周面に接合されている。
このように、カテーテル100Dの構成は種々の変更が可能であり、マーカ部12Dは、第3マーカ123Dや、第4マーカ124Dを備えてもよい。第3マーカ123D及び第4マーカ124Dの長さ(X軸方向の長さ)や、形状は任意に決定できる。例えば、第3マーカ123D及び第4マーカ124Dの形状は、サブマーカ1211~121nの形状とは相違していてもよい。また、マーカ部12Dは、単一の第3マーカ123Dのみを有し、第4マーカ124Dを有していなくてもよい。同様に、マーカ部12Dは、第5,第6マーカをさらに有していてもよい。
以上のような第5実施形態のカテーテル100Dを備える再開通カテーテルシステム1Dによっても、上述した第1及び第4実施形態と同様の効果を奏することができる。また、第5実施形態のカテーテル100Dによれば、マーカ部12Dは、さらに、シャフト101~104(第1インナーシャフト102)の周方向において、第1マーカ121Cと第2マーカ122Cとの間に配置された第3マーカ123Dであって、第2ルーメン103Lの中心軸の延長線Eに面する側とは逆側に配置された第3マーカ123Dを備える。このため、第1及び第2マーカ121C,122Cに加えてさらに、第3マーカ123Dがランドマークとして機能することにより、生体管腔内において、周方向の向きをより一層把握しやすいカテーテル100Dを提供できる。
<第6実施形態>
図15は、第6実施形態のカテーテル100Eの先端側の概略下面図である。第6実施形態の再開通カテーテルシステム1Eは、第4実施形態で説明したカテーテル100Cに代えてカテーテル100Eを備える。カテーテル100Eのマーカ部12Eは、第1マーカ121Cに代えて第1マーカ121Eを備える。第1マーカ121Eは、先端固定部128から基端固定部129まで延びる、略矩形形状の平板状(または、第1インナーシャフト102の外周面に沿う弧状)の部材である。第1マーカ121Eの先端部は、先端固定部128に接合されており、第1マーカ121Eの基端部は、基端固定部129に接合されている。
このように、カテーテル100Eの構成は種々の変更が可能であり、第1マーカ121Eと、第2マーカ122Cとの一方(図示の例では、第2マーカ122C)をサブマーカ1221~122mにより構成することで、第1マーカ121Eと第2マーカ122Cとの形状を相違させてもよい。以上のような第6実施形態のカテーテル100Eを備える再開通カテーテルシステム1Eによっても、上述した第1及び第4実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第7実施形態>
図16は、第7実施形態のカテーテル100Fの先端側の概略下面図である。図16の上部破線枠内には、X軸方向から見た連結部123Fと、第2ルーメン103Lの中心軸の延長線Eとを図示する。第7実施形態の再開通カテーテルシステム1Fは、第2実施形態で説明したカテーテル100Aに代えてカテーテル100Fを備える。カテーテル100Fは、第2実施形態の連結部123に代えて連結部123Fを備える。図16の上部に示すように、連結部123Fは、第1インナーシャフト102の周方向に沿って延びる環状の部材である。連結部123Fは、第2ルーメン103Lの中心軸の延長線Eに面する側に、他の部分と比較して肉厚が薄い薄肉部123bを有している。
このように、カテーテル100Fの構成は種々の変更が可能であり、薄肉部123bを有する連結部123Fを用いて、第1マーカ121と第2マーカ122とを連結してもよい。以上のような第7実施形態のカテーテル100Fを備える再開通カテーテルシステム1Fによっても、上述した第1及び第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第8実施形態>
図17は、第8実施形態のカテーテル100Gの先端側の概略下面図である。第8実施形態の再開通カテーテルシステム1Gは、第2実施形態で説明したカテーテル100Aに代えてカテーテル100Gを備える。カテーテル100Gは、第2実施形態の連結部123に代えて連結部123Gを備える。連結部123Gは、第1インナーシャフト102の周方向に沿って延びる環状の部材である。連結部123Gは、第2ルーメン103Lの中心軸の延長線Eに面する側に、他の部分と比較して、X軸方向における幅が細い細幅部123cを有している。
このように、カテーテル100Gの構成は種々の変更が可能であり、細幅部123cを有する連結部123Gを用いて、第1マーカ121と第2マーカ122とを連結してもよい。以上のような第8実施形態のカテーテル100Gを備える再開通カテーテルシステム1Gによっても、上述した第1及び第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第9実施形態>
図18は、第9実施形態のカテーテル100Hの横断面図である。図18は、図1のB-B線におけるカテーテル100Hの横断面図を表す。第9実施形態の再開通カテーテルシステム1Hは、第1実施形態で説明したカテーテル100に代えてカテーテル100Hを備える。
カテーテル100Hは、第1実施形態で説明したアウターシャフト101、第1インナーシャフト102、第2インナーシャフト103、先端チップ104、封止部材114、及びブレード115を有しておらず、単一のシャフト101Hにより構成されている。シャフト101Hは、単一の部材により構成されている点を除いて、第1実施形態のシャフト101~104と同様の構成を有する。すなわち、シャフト101Hの内側には、第1ルーメン102L、第2ルーメン103L、及び第3ルーメン104Lが形成されている。また、シャフト101Hは、突出部109、第1開口104a、第2開口104b、先端開口103a、基端側の開口103b、端面108を有している。シャフト101Hの突出部109の側面には、第1実施形態で説明したマーカ部12が設けられている。
このように、カテーテル100Hの構成は種々の変更が可能であり、単一のシャフト101Hにより構成されてもよい。また、シャフト101Hは、第9実施形態で省略するとした部材の少なくとも一部(例えば、第3ルーメン104Lが形成された先端チップ104)を備えていてもよい。以上のような第9実施形態のカテーテル100Hを備える再開通カテーテルシステム1Hによっても、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第10実施形態>
図19は、第10実施形態のカテーテル100Iの先端側の概略側面図である。第10実施形態の再開通カテーテルシステム1Iは、第1実施形態で説明したカテーテル100に代えてカテーテル100Iを備える。カテーテル100Iは、第2インナーシャフト103、第2ルーメン103L、先端開口103a、及び基端側の開口103bを有していない。このように、カテーテル100Iの構成は種々の変更が可能であり、シャフト101~104は、第1ルーメン102Lを有さない構成とされてもよい。以上のような第10実施形態のカテーテル100Iを備える再開通カテーテルシステム1Iによっても、術者は、画像に映るマーカ部12の形状によって、カテーテル100Iの向きを把握できる。
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
[変形例1]
上記第1~第10実施形態では、再開通カテーテルシステム1,1A~1Iの構成の一例を示した。しかし、再開通カテーテルシステム1の構成は種々の変更が可能である。例えば、イメージングセンサ200として、超音波の発進及び受信以外の他の手段で生体組織の画像を取得するセンサを利用してもよい。また、イメージングセンサ200に替えてOCT(Optical Coherence Tomography)やカメラを挿入して血管内の生体組織の画像を取得することもできる。
例えば、再開通カテーテルシステム1,1A~1Iは、貫通用ガイドワイヤ400を使用せずに、プラズマを利用した生体組織のアブレーションを行うプラズマガイドワイヤを用いてCTOの開通を図るシステムとして構成されてもよい。この場合、カテーテル100,100A~100Iにおいて、ブレード115を導電性の金属材料で構成した上で、アウターシャフト101の先端側に、ブレード115に電気的に接続された電極を設けることが好ましい。そうすれば、アウターシャフト101の先端側に設けられた電極と、ブレード115の基端側とをRFジェネレータに接続することで、プラズマガイドワイヤを利用できる。
例えば、再開通カテーテルシステム1,1A~1Iは上述しない他の方法で使用されてもよい。例えば、再開通カテーテルシステムは、冠動脈以外の血管(例えば、下肢の血管等)に使用されてもよく、血管以外の生体管腔内において使用されてもよい。例えば、再開通カテーテルシステム1は、CTOの開通以外の他の治療や、検査のために使用されてもよい。
[変形例2]
上記第1~第10実施形態では、カテーテル100,100A~100Iの構成の一例を示した。しかし、カテーテル100構成は種々の変更が可能である。例えば、カテーテル100が有する第1ルーメン102Lと、第2ルーメン103Lとは、略同一の径とされてもよく、第1ルーメン102Lの方が第2ルーメン103Lよりも細径に構成されてもよい。例えば、カテーテル100は、第1ルーメン102Lや第2ルーメン103Lのほかに、他の医療デバイスのため、またはデリバリーガイドワイヤ70と貫通用ガイドワイヤ400とを同時に挿通させるための更なるルーメンを備えていてもよい。
例えば、第1インナーシャフト102のうち、突出部109に対応する部分は、イメージングセンサ200の超音波透過性と肉厚確保との両立の観点から、ポリアミドで形成されることが好ましい。一方、第1インナーシャフト102のうち、突出部109に対応しない部分、及び、アウターシャフト101、第2インナーシャフト103、封止部材114等は、剛性確保の観点から、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミド、四フッ化エチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体(PFA)等により形成されることが好ましい。尚、アウターシャフト101、及び、封止部材114をポリアミドで形成してもよい。また、先端チップ104は、柔軟性確保の観点から、ポリウレタンにより形成されることが好ましい。
第1インナーシャフト102のうち、突出部109に対応しない部分の肉厚は、導電性を有するブレード115との絶縁のために、10ミクロン以上とされることが好ましい。第2インナーシャフト103の端面108は、傾斜しておらず、平坦(X軸方向に垂直)であってもよい。例えば、カテーテルは、ブレード115に代えて、導電性を有する金属材料で形成されたコイル体を、補強部材として備えていてもよい。また、ブレード115と、コイル体との両方を備えていてもよい。例えば、マーカ部12は、絶縁性を有する樹脂によりコーティングされていてもよく、表面に薬剤が塗布されていてもよい。
[変形例3]
上記第1~第10実施形態では、マーカ部12,12C~12E、及び、123,125,126,123F,123Gの構成の一例を示した。しかし、マーカ部12及び連結部123の構成は種々の変更が可能である。例えば、マーカ部12や、連結部123の表面に凹凸を設けて、イメージングセンサ200のトランスデューサ201からの超音波を反射しやすくしてもよい。
例えば、第1マーカ121と第2マーカ122とについて、シャフト101~104の長手方向における位置が相違し、かつ、形状が相違する構成としてもよい。そうすれば、術者は、カテーテル100の周方向の向きをより一層把握しやすい。例えば、マーカ部12(第1及び第2マーカ121,122)は、放射線不透過性を有し、かつ、シャフトとは異なる音響インピーダンスを有する構成でもよい。そうすれば、術者は、X線画像と、センサ画像との両方で、マーカ部12を視認できるため、利便性を向上できる。
[変形例4]
第1~10実施形態のカテーテル100,100A~100Iの構成、及び上記変形例1~3のカテーテル100,100A~100Iの構成は、適宜組み合わせてもよい。第4,6実施形態のいずれかで説明したマーカ部12を備える構成において、第2,3,7,8実施形態のいずれかで説明した連結部123を備えてもよく、第5実施形態で説明した第3マーカ123Dを備えてもよく、第9,10実施形態で説明したシャフト101を備えてもよい。例えば、第9,10実施形態で説明したシャフト101を備える構成において、第2,3,7,8実施形態のいずれかで説明した連結部123を備えてもよく、第5実施形態で説明した第3マーカ123Dを備えてもよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
1,1A~1I…再開通カテーテルシステム
12,12C~12E…マーカ部
50…ケーブル
70…デリバリーガイドワイヤ
100,100A~100I…カテーテル
101~104,101H…シャフト
101…アウターシャフト
102…第1インナーシャフト
102L…第1ルーメン
103…第2インナーシャフト
103L…第2ルーメン
103a…先端開口
103b…基端側の開口
104…先端チップ
104L…第3ルーメン
104a…第1開口
104b…第2開口
105…調節器
108…端面
109…突出部
114…封止部材
115…ブレード
121,121C,121E…第1マーカ
121a…第1中間部
122,122C…第2マーカ
122a…第2中間部
123,125,126,123F,123G…連結部
123D…第3マーカ
123a,125a,126a,127a…開放部分
123b…薄肉部
123c…細幅部
124…先端連結部
124D…第4マーカ
127…基端連結部
128…先端固定部
129…基端固定部
200…イメージングセンサ
201…トランスデューサ
202…ドライビングケーブル
203…コネクタ
300…イメージングコンソール
302…ディスプレイ
400…貫通用ガイドワイヤ
1211~121n…サブマーカ
1221~122m…サブマーカ

Claims (11)

  1. カテーテルであって、
    長手方向に延びる第1ルーメンを有するシャフトと、
    前記シャフトの先端側の側面に配置されたマーカ部であって、放射線不透過性と、前記シャフトとは異なる音響インピーダンスと、の少なくとも一方を有するマーカ部と、を備え、
    前記マーカ部は、
    前記シャフトの長手方向に前記シャフトと略平行に延びる第1マーカと、
    前記シャフトの長手方向に前記シャフトと略平行に延びると共に、前記シャフトの径方向において、前記第1マーカと対向する位置に配置された第2マーカと、を含み、
    前記第1マーカと前記第2マーカとは、前記シャフトの長手方向における位置と、形状と、の少なくとも一方が互いに異なり、
    前記シャフトのうち、前記第1ルーメンの先端側の一部分に対応する部分は、他の部分と比べて生体組織との音響インピーダンスの差が小さく、前記第1ルーメン内に挿入されたセンサによる生体組織の情報取得が可能な音響窓部であり、
    前記マーカ部の先端は、前記音響窓部の先端部に位置し、前記マーカ部の基端は、前記音響窓部の基端部に位置している、カテーテル。
  2. 請求項1に記載のカテーテルであって、
    前記シャフトは、さらに、
    前記シャフトの基端部から先端側に向かって、前記第1ルーメンと並んで配置された第2ルーメンと、
    前記第2ルーメンの先端において、前記第2ルーメンに連通する先端開口が形成された端面と、
    前記第1ルーメンを含み、前記端面よりも先端側に突出した突出部と、を有し、
    前記マーカ部は、前記シャフトの先端側の側面のうち、前記突出部の側面に配置されており、かつ、前記第2ルーメンの中心軸の延長線に面する側には配置されていない、カテーテル。
  3. 請求項に記載のカテーテルであって、
    前記突出部の先端は、前記カテーテルの先端と一致する、ガイドワイヤ。
  4. 請求項2または請求項3に記載のカテーテルであって、さらに、
    前記突出部の側面に配置され、前記シャフトの周方向に沿って延びると共に、前記第1マーカと前記第2マーカとを連結する連結部を備える、カテーテル。
  5. 請求項に記載のカテーテルであって、
    前記第1ルーメンと前記第2ルーメンとが重なる方向から前記シャフトを投影視したとき、前記第1マーカと前記第2マーカとは、前記連結部を挟んで互いに逆方向に延伸している、カテーテル。
  6. 請求項または請求項に記載のカテーテルであって、
    前記連結部は、前記シャフトの周方向に沿って延びる円弧状であり、前記円弧の開始点と終点との間の開放部分を、前記第2ルーメンの中心軸の延長線に面する側に向けた状態で、前記突出部の側面に配置されている、カテーテル。
  7. 請求項から請求項のいずれか一項に記載のカテーテルであって、
    前記マーカ部は、さらに、前記シャフトの周方向において、前記第1マーカと前記第2マーカとの間に配置された第3マーカであって、前記第2ルーメンの中心軸の延長線に面する側とは逆側に配置された第3マーカを備える、カテーテル。
  8. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載のカテーテルであって、
    前記シャフトの長手方向において、前記第1マーカが設けられている範囲と、前記第2マーカが設けられている範囲とは、重複していない、カテーテル。
  9. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載のカテーテルであって、
    前記第1マーカと、前記第2マーカとの少なくとも一方は、前記シャフトの長手方向に互いに離間して配置された複数のサブマーカにより構成されている、カテーテル。
  10. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載のカテーテルであって、
    前記第1マーカは、前記第1マーカの先端と基端との間に位置する第1中間部が、前記シャフトの外周面に接合され、または、前記シャフトの肉厚部に埋設されており、
    前記第2マーカは、前記第2マーカの先端と基端との間に位置する第2中間部が、前記シャフトの外周面に接合され、または、前記シャフトの肉厚部に埋設されている、カテーテル。
  11. 再開通カテーテルシステムであって、
    請求項から請求項のいずれか一項に記載のカテーテルと、
    前記第1ルーメンに挿入され、前記第1ルーメンにおいて生体組織の情報を取得するセンサと、
    前記第2ルーメンに挿入され、前記先端開口から外部へ誘導されると共に、生体組織を貫通するガイドワイヤと、
    を備える、再開通カテーテルシステム。
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