JP7487129B2 - 生産計画立案装置、及び生産計画立案方法 - Google Patents

生産計画立案装置、及び生産計画立案方法 Download PDF

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Description

本発明は、生産計画立案装置、及び生産計画立案方法に関する。
工業的な製品生産は、種々の条件に基づいて策定される生産計画に従って行われる。生産計画は、その時間的なスパンに応じて分類される。
日本産業規格(JIS)のJIS Z 8141 : 2001 (3302)によれば、生産計画は、大日程計画、中日程計画、小日程計画に分けられる。その定義によれば、大日程計画は、生産日程に関しマスタとなる長期の生産計画であり、月別の生産量を決める。中日程計画は、その大日程計画に基づき部門別の生産予定を決める。小日程計画は、さらに短いスパンで、日々の作業予定を決める。
また、米国国家規格協会(ANSI)が規定するANSI/ISA-95.00.01-2010 (IEC 62264-1 Mod)、Marcela Vegetti and Gabriela Henning: "ISA-88 Formalization. A Step Towards its Integration with the ISA-95 Standard"、 Proceedings of the 6th Workshop on Formal Ontologies meet Industry、 Rio de Janeiro、 Brazil、 22-SEP-2014等の文献によれば、生産計画はプランニング(Planning)とスクジューリング(Scheduling)とに大別され、前出のJIS Z 8141 : 2001 (3302)と対照すると、前者は大日程計画及び中日程計画に、後者は小日程計画に対応する。
本明細書では以降、大日程計画及び中日程計画のことをプランニングと、小日程計画のことをスケジューリングと呼ぶ。
従来、生産計画を実施するに当たっては、作業者による作業を必要とする製造工程においては作業班が作られ、作業班ごとに担当する製品群や工程が決められてきた。プランニングの際には、作業班の所属人数に日別の就業時間を乗じた値を、当該製品群・工程に対する日別の消化能力として、生産計画を立案してきた。またスケジューリングの際には、作業班の班長の経験的な知見から班員の作業者ができること、及びその能力に鑑みて作業の割付を行い、あるいは、以下の特許文献で示すように、作業者別の作業実績から自動で算出した消化能力などを基に生産計画を立案してきた。
なお、ここで「消化能力」とは、特定の作業員、作業員集団が、製品Aの最終組立といった特定の作業を実行する能力のことを意味している。ある能力を有する作業員が製品Aの最終組立を実行する場合、同一の能力を有する二人の作業員が当該作業を行う場合の消化能力は2倍となる。
そのような中で、例えば特許文献1には、生産計画を立案する際に作業者の職場配置を考慮しながら実行可能な生産計画の立案を可能にすべく、生産計画を立案する際に、生産職場に対して、各職場で生産能力が固定の期間、職場間で作業者の融通が可能な期間、人員の新規採用で生産能力を考慮しなくてよい期間を考慮しながら、生産能力を調整しながら実行可能な生産計画を作成することが記載されている(要約書)。
また特許文献2には、作業経験と、作業ミスの回数が考慮されてなる各作業者のネジ締め作業スキル情報と、定量的に定義された各作業工程のネジ締め作業難易度情報とに基づいてネジ締め作業者の各作業工程への配置態様を計画すべく、作業者情報、機種情報、作業工程情報、部品情報、作業経験情報、作業ミス情報、作業ランクからなるネジ締め作業
スキル情報を生成し、記録するステップをネジ締め作業スキル情報記録部10にて実施し、この生成されたネジ締め作業スキル情報、各機種の各作業工程における難易度、各機種の生産計画、及び各作業者の出勤状況に基づき、生産が計画されている各機種の各作業工程への作業者配置情報を生成するステップを作業者配置情報記録部20にて実施すること、また、作業者に起因した生産進捗遅れが発生していることにより再配置を要する場合に、作業者再配置情報を生成するステップを作業者再配置情報記録部30にて実施することが記載されている(要約書)。
特許文献1は、作業班ごとの余剰の、あるいは不足する消化能力を判定し、作業班間の人員融通(応援)を考慮したプランニングができる技術を提案している。また特許文献2は、作業実績に基づき自動的に作業者別のスキル情報を生成しておき、これを基に作業者の配置すなわちスケジューリングができる技術を提案している。
特開2007-213294号公報 特開2007-164756号公報
しかしながら、作業実績に基づくプランニングは、特許文献1、特許文献2に記載の技術では考慮されていない。
プランニングではスケジューリングと異なり、作業班ごとに、自組織が担当する製品群・工程の組織としての消化能力を求めることや、過去の短期的な他班への応援実績、自組織の作業者が以前所属していたスキルの判定方法が異なる他班での作業も考慮して自組織の作業者の他組織における消化能力(応援可能な消化能力)の合計を把握して、作業班間の人員融通(応援)を考慮した計画立案をすることが必要である。しかしながら、特許文献1、特許文献2に記載の技術では上記は考慮されていない。
一般的に応援は組織間の人員の貸し借りであり、組織長間での調整や人件費のやり取りなどを踏まえて行われる。そのため、応援の計画は、製造実行の2~3日前に立案するスケジューリングではなく、プランニングの際に行われる。この際に、組織としての消化能力を正しく把握できていないと、ある組織から他の組織に応援を出したことにより自組織の工程が遅延してしまったり、応援をもらっても他組織が期待通りの作業をしてもらえなかったりと、実効性のある応援調整ができないことがある。
組織としての消化能力を正しく把握することは、組織の人数や作業の多様性、評価期間の長期化などに比例して人手では難しくなる。さらに、個々人の作業実績を自動で収集して分析するだけでは組織の消化能力を把握することは難しく、時々刻々と変化する組織に所属する作業者同士の相性といったプラス・マイナスの相乗効果を捉えることが必要である。また、日々の心理的・体調的な要因で作業実績を分析して判定される能力にブレがあっては現場運用では実用性に乏しく、また長期的な分析では組織の能力の実態を捉える上で有用ではないため、例えば月次などの時間スパンとして適切な周期で自動で分析をすることが必要であり、これらのニーズは特許文献1、特許文献2に記載の技術では考慮されていないと考えられる。
また、特に大型製品などでは作業者個々人の作業だけでなくチームでの作業が必要となり、作業者個々人のスキルだけでなく組織としての消化能力を正しく把握してプランニングする必要があるが、特許文献1、特許文献2に記載の技術では考慮されていないと考え
られる。
さらに現地据付などの出張は、一般に作業開始の1週間前などにプランニングにおいて調整が行われるが、この際に、組織としての消化能力を正しく把握できていないと、出張に人員を送ったことにより、工場内の工程が遅延してしまうなど、実効性のある出張調整ができない。
加えて、組織としての正確な消化能力が把握できないと、製品群や工程に対する中長期の余剰能力を正しく把握したうえでの営業活動ができず、ある製品群については組織の能力を超える注文を取ってしまい、ある製品群については受注量が組織の能力を下回って人員が余ってしまうなどの状況が発生してしまい、やはり実効性のある人員の過不足の把握と、営業計画の立案ができないという問題もある。
本発明はこれらの課題に鑑みてなされたもので、作業実績から組織としての消化能力を精度よく求めておき、その消化能力を用いてプランニングを行うことができる生産計画立案装置、及び生産計画立案方法を提供することを一つの目的とする。
上記課題を解決するために、本願の発明の一つは、プロセッサと、前記プロセッサに接続される記憶装置とを有する生産計画立案装置であって、前記記憶装置は、製品の生産に従事する作業者ごとに設定される、各作業者の技能優劣を示す指標である技能ランク情報と、前記技能ランクに対応する製品の生産工程ごとに必要な作業能力である消化能力情報と、製品ごとに対応づけられた製品納期に関する情報である案件情報と、製品の工程ごとに対応づけられた作業量の情報である製品工程別作業量情報と、製品工程ごとの過去の生産期間に関する情報である生産実績情報と、製品工程ごとの作業に従事する主担当組織の情報である製品工程担当情報とを保持し、前記プロセッサは、前記主担当組織及び生産に従事する組織全体を構成する作業員に関する情報、前記技能ランク情報、及び前記生産実績情報に基づいて、製品工程ごとに、主担当組織の消化能力、組織全体の消化能力、前記生産実績情報に基づく最大実績消化能力及び最小実績消化能力を算出して保持し、前記案件情報と前記製品工程別作業量情報とから前記案件情報に含まれる各案件についての必要作業量を算出し、主担当組織の消化能力、組織全体の消化能力、前記生産実績情報に基づく最大実績消化能力及び最小実績消化能力のうちから、選択されたいずれかの消化能力を用いて、前記各案件に係る製品の生産に必要な製品工程別の作業量を算出して生産計画情報として出力するプランニング処理を実行する生産計画立案装置とする。
前記一つの発明によれば、作業実績から組織としての消化能力を精度よく求めておき、その消化能力を用いてプランニングを行うことができる。
前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明によって明らかにされる。
図1は、本発明の一実施形態における生産計画立案システムの構成例を示すブロック図である。 図2は、本実施形態における技能ランクテーブルの一例を示す説明図である。 図3は、本実施形態におけるランク・能力定義テーブルの一例を示す説明図である。 図4は、本実施形態における案件格納テーブルの一例を示す説明図である。 図5は、本実施形態における製品・工程マスタの一例を示す説明図である。 図6は、本実施形態における生産実績テーブルの一例を示す説明図である。 図7は、本実施形態における製品群・工程・班関係テーブルの一例を示す説明図である。 図8は、本実施形態における能力算出結果テーブルの一例を示す説明図である。 図9は、本実施形態における生産計画テーブルの一例を示す説明図である。 図10は、本実施形態における余剰能力テーブルの一例を示す説明図である。 図11は、本実施形態における営業候補製品テーブルの一例を示す説明図である。 図12は、本実施形態における個別能力算出結果テーブルの一例を示す説明図である。 図13は、本実施形態の生産計画立案システムが出力する入力画面の一例を示す説明図である。 図14は、本実施形態の生産計画立案システムが出力する余剰能力・営業候補製品算出結果出力画面の一例を示す説明図である。 図15は、本実施形態の生産計画立案システムが出力する負荷山積み結果出力画面の一例を示す説明図である。 図16は、本実施形態の生産計画立案システムにおける能力算出プログラムの処理の一例を示すフローチャートである。 図17は、本実施形態の生産計画立案システムにおける計画・余剰関係メインプログラムの処理の一例を示すフローチャートである。 図18は、本実施形態の生産計画立案システムにおける生産計画立案プログラムの処理の一例を示すフローチャートである。 図19は、本実施形態の生産計画立案システムにおける製品群・工程別余剰能力算出プログラムの処理の一例を示すフローチャートである。 図20は、本実施形態の生産計画立案システムにおける営業候補製品特定プログラムの処理の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための一実施形態を、図面を参照して説明する。
<生産計画立案システム>
まず、本実施形態に係る生産計画立案システムの構成について説明する。図1は、本実施形態における生産計画立案システム1の構成例を示すブロック図である。
生産計画立案システム1は、作業実績に基づいて組織としての消化能力を求めておき、その消化能力を利用してプランニングを行うためのシステムである。生産計画立案システム1は、一般的なコンピュータとして構成される生産計画立案装置100、及び生産計画立案装置100と他の外部装置190、イントラネット、インターネット等との間での相互通信を可能とする通信ネットワーク180を有する。外部装置190としては、生産計画立案システム1と同じ企業等の組織に属する他の情報処理装置、生産に従事する組織の長、所属作業員等が所持するスマートフォン等の携帯端末等が含まれる。
<生産計画立案装置>
生産計画立案装置100は、生産計画立案システム1の主要な機能を実現する情報処理装置であり、記憶装置110、中央処理装置(CPU)等で構成されるプロセッサ150、メモリ155、入力装置160、出力装置165、記録媒体読取装置170、及び通信インターフェイス175を有する。
記憶装置110は、作業実績から組織としての消化能力を求めておき、生産計画におけるプランニングを行うために必要な情報を記憶する装置であり、例えば、ハードディスク(HDD)などの記憶デバイスで構成される。記憶装置110は、フラッシュメモリなどを用いた半導体ドライブ(SSD)であってもよい。
記憶装置110は、プランニングを実行するために利用されるデータを格納するためのテーブルとして、技能ランクテーブル121、ランク・能力定義テーブル122、製品・工程マスタ123、案件テーブル124、生産実績テーブル125、製品群・工程・班
関係テーブル126、能力算出結果テーブル131、生産計画テーブル132、余剰能力テーブル133、営業候補製品テーブル134、及び個別能力算出結果テーブル135を少なくとも有する。
また、記憶装置110は、本実施形態のプランニングをプロセッサ150に実行させるためのプログラム140として、能力算出プログラム141、計画・余剰関係メインプログラム142、生産計画立案プログラム143、製品群・工程別余剰能力算出プログラム144、及び営業候補製品特定プログラム145を少なくとも有する。
プロセッサ150は、前記したプログラムを実行するための演算装置である。プロセッサ150は、データ入出力等、生産計画立案装置100のコンピュータとしての管理機能も実行する。
メモリ155は、プロセッサ150により実行されるプログラム、及び、プログラムの実行に必要なデータなどを格納する記憶デバイスであり、RAM、ROM、フラッシュメモリ等で構成される。
入力装置160は、プランニングに必要な情報を入力するための装置であり、例えば、キーボード、マウス及びマイクロフォンなどの装置である。
出力装置165は、入出力インターフェイス画面などを出力する装置であり、例えば、CRT(Cathode Ray Tub)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどの装置、スピーカ、プリンタ等である。
記録媒体読取装置170は、可搬性を有する可搬型記憶媒体の情報を読み出す装置である。可搬型記憶媒体の例としては、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ、サーバ、LANなどの通信経路等を用いることができる。なお、記録媒体読取装置170は、生産計画立案装置100に内蔵されていてもよいし、外付けされていてもよい。
生産計画立案装置100は、例えば1つの任意の情報処理装置で実現されてもよいし、複数の任意の情報処理装置で分散して実現されてもよい。生産計画立案装置100の全部又は一部を仮想計算機により構成することもできる。
また、生産計画立案装置100の一部又は全ては、回路等によりハードウェアとして実現されてもよい。
<生産計画立案装置に実装されるプログラム>
次に、本実施形態の生産計画立案装置100の機能を実現するためのプログラムについて説明する。
能力算出プログラム141、計画・余剰関係メインプログラム142、生産計画立案プログラム143、製品群・工程別余剰能力算出プログラム144、及び営業候補製品特定プログラム145は、プロセッサ150によって記憶装置110からメモリ155に読み込まれ、プロセッサ150が実行することによって、それぞれのプログラムによる処理が実行される。
なお、各プログラムが実現する処理は、それぞれ図16、図17、図18、図19、及び図20に示されており、後述する。なお上記のプログラムとは、例えば、オペレーションシステム(OS)プログラム上で実行可能なアプリケーションプログラムである。
上記のプログラムは、例えば、通信インターフェイス175を介して通信ネットワーク180から入力し、記憶装置110にインストールすることができる。
<テーブル>
次に、前記した生産計画立案装置100のプログラム140が利用するデータを格納するテーブルについて説明する。
・技能ランクテーブル121
図2は、本実施形態における技能ランクテーブル121の一例を示す説明図である。
技能ランク情報である図2の技能ランクテーブル121は、例えば2020年2月21日に出願された特願2020-028712号に記載されている作業実績から自動的に算出された作業者・製品群・工程ごとのスキルレベルを登録するためのテーブルであり、作業者ID210、製品群220、工程230、技能ランク240、及び判定年月日250などの項目から構成される。なお念のため、特願2020-028712号に開示されている内容全てが本願に援用されるものとする。
作業者ID210は、作業班などの組織に所属する作業者を識別するための情報である。製品群220及び工程230は、対応する作業者ID210の作業者が担当した製品群及び工程を識別するための情報である。技能ランク240は、あらかじめ定義された何らかの基準、例えば、当該製品群・工程の作業時間によって自動的に算出される、あるいは組織長が判定して入力した、対応する作業者ID210により識別される作業者、製品群・工程の技能ランクを特定するための情報である。判定年月日250は、対応する技能ランク240の判定が行われた日を示す。
なお、技能ランクテーブル121には、月次などの周期で更新された値が入力される。技能ランクテーブル121は、各作業者のスキルが自動更新によってマッピングされるという意味で、自動更新型スキルマップ情報を格納しているということもできる。技能ランクテーブル121のデータは、組織の長が保持する携帯端末等から定期的に入力するようにしてもよい。
・ランク・能力定義テーブル122
図3は、本実施形態におけるランク・能力定義テーブル122の一例を示す説明図である。
消化能力情報である図3のランク・能力定義テーブル122は、製品群・工程・技能ランク・最新技能判定日に応じた消化能力を定義したテーブルであり、製品群310、工程320、技能ランク330、消化能力[人日]340、及び最新技能判定日350などの項目から構成される。製品群310、工程320、及び技能ランク330は、技能ランクテーブル121と同様である。消化能力[人日]340は、過去の作業実績から特定の製品群
・工程について、対応する技能ランクを有する作業者が実行可能な作業量である。最新技能判定日350には、対応する製品群・工程ごとに、技能ランク330の最新の判定年月日350が本日から数えてどれほど前か、という情報が登録される。なお、「本日」とは、生産計画立案装置100によりプランニングを実行する日を意味する。最新技能判定日350が古いほど、同一技能ランクあっても技量の低下により消化能力の低下するのが通常であるので、最新技能判定日350に応じて消化能力は異なっている。
・案件テーブル124
図4は、本実施形態における案件テーブル124の一例を示す説明図である。
案件情報である図4の案件テーブル124は、プランニング対象の案件に関する情報を格納したテーブルであり、案件ID410、製品コード420、及び納期430などの項目から構成される。案件ID410は受注案件を一意に識別するため情報である。製品コード420は、対応する案件に含まれる製品群220などの具体的な製品を識別するための情報である。納期430は、対応する案件ID410の納期を示す情報である。この案件テーブル124により、案件ごとに納期までの間に製品コードに対応して発生する作業量を求めることができる。
・製品・工程マスタ123
図5は、本実施形態における製品・工程マスタ123の一例を示す説明図である。
製品工程別作業量情報である図5の製品・工程マスタ123は、各製品の製造に関する情報を格納したテーブルであり、製品コード510、製品群520、製品名530、工程540、作業量[人日]550、製品別利益率[%]560、製品別利益額[百万円]570、
及び製品別売上額[百万円]580などの項目から構成される。製品群520は製品コード510が含まれる製品群を識別するための情報である。製品名530は製品コード510に対応する製品名を特定するための情報である。各製品コード510について、必要な工程が工程540に1レコードごとに格納されている。当該工程ごとに必要な作業量が、作業量[人日]550に格納されている。また各製品コード510に応じた利益率が製品別利益率[%]560に、利益額が製品別利益額[百万円]570に、売上額が製品別売上額[百万円]580に格納される。作業量550、製品別利益率560、製品別利益額570、及
び製品別売上額580の各項目の計数単位は、利用しやすいように適宜に決めればよい。製品コード510に対応した利益率、利益額、及び売上額は、その製品を製造した場合の経済性に関する指標として、経済性指標情報と把握することができる。
ここで、製品工程とは、文字通りある製品を生産するときの個々の工程を意味するが、本願においては、製品には個々の製品の他、複数の関連製品からなる製品群も含まれる。また、工程には、当該工程において投入され、あるいは利用される各種のリソースも含まれる。リソースについては後述する。
なお、製品・工程マスタ123には、多品種少量生産や完全受注生産で、同一の製品コードであってもオプション品などに応じて利益率などが変わる場合には、製品コードごとの平均値などを格納してもよい。
・生産実績テーブル125
図6は、本実施形態における生産実績テーブル125の一例を示す説明図である。
生産実績情報である図6の生産実績テーブル125は、生産実績の情報を格納したテーブルであり、案件ID610、製品コード620、工程630、製造開始日時640、及び製造終了日時650などの項目から構成される。各案件ID610について、当該案件
に係る製品を示す製品コード620と作業を行った工程である工程630とが1レコードごとに格納されている。また当該案件IDに関して、対応する工程の製造開始日時が製造開始日時640に、製造終了日時が製造終了日時650に、それぞれ格納されている。製造開始日時640、製造終了日時650は、図1における外部装置190としての携帯端末等から入力して記録するようにすることができる。作業員が自身の携帯端末から各工程において製造開始・終了日時等の生産実績情報を入力することで、あるいは同様の生産実績情報を作業班長等の作業管理者が適時に自身の携帯端末、現場PC等の外部装置190から生産計画立案装置100に入力することで、生産実績テーブル125の記録を適時に更新しておくことができる。
・製品群・工程・班関係テーブル126
図7は、本実施形態における製品群・工程・班関係テーブル126の一例を示す説明図である。
製品工程担当情報である図7の製品群・工程・班関係テーブル126は、製品群・工程と、その工程を主に担当する作業員集団である主担当班とを対応付けるマスタテーブルであり、製品群710、工程720、及び主担当班730などの項目から構成される。ある製品群・工程について対応する主担当班以外の班が作業を担当する場合、その後者の担当班は該当する作業の応援を行う作業員集団と位置づけられる。
・能力算出結果テーブル131
図8は、本実施形態における能力算出結果テーブル131の一例を示す説明図である。
図8の能力算出結果テーブル131は、能力算出プログラム141の出力結果を格納するためのテーブルであり、製品群810、工程820、消化能力主担当班830、消化能力全体[人日]840、消化能力過去実績_最大[人日]850、及び消化能力過去実績_最小[人日]860などの項目から構成される。各製品群・工程について、主担当班の消化能力が消化能力主担当班[人日]830に、主担当班及びその他の班を含めた全組織の消化能力が消化能力全体[人日]840に、生産実績から算出した当該製品群・工程の日別の最大消化能力と最小消化能力が、消化能力過去実績_最大[人日]850、及び消化能力過去実績_最小[人日]860に、それぞれ格納されている。各消化能力の項目の計数単位は人日としているが、他の計数単位を用いてもよい。
・生産計画テーブル132
図9は、本実施形態における生産計画テーブル132の一例を示す説明図である。
生産計画情報である図9の生産計画テーブル132は、計画・余剰関係メインプログラム142におけるサブルーチンである生産計画立案プログラム143の出力結果を格納するためのテーブルであり、案件ID910、工程920、年月日930、及び作業量[人
日]940などの項目から構成される。生産計画テーブル132の各レコードには、案件
ごとに各製品群・工程について、作業を実施する各日付において必要な作業量が、作業量[人日]940として格納されている。作業量の項目の計数単位は人日としているが、他の計数単位を用いてもよい。
・余剰能力テーブル133
図10は、本実施形態における余剰能力テーブル133の一例を示す説明図である。
図10の余剰能力テーブル133は、計画・余剰関係メインプログラム142におけるサブルーチンである製品群・工程別余剰能力算出プログラム144の出力結果を格納するためのテーブルであり、製品群1010、工程1020、期間1030、及び余剰能力[
人日](平均)1040などの項目から構成される。各製品群・工程について、あらかじめ
指定した各期間、例えば週ごとの平均余剰能力が、人日単位で余剰能力[人日](平均)1040の欄に格納されている。
・営業候補製品テーブル134
図11は、本実施形態における営業候補製品テーブル134の一例を示す説明図である。
図11の営業候補製品テーブル134は、計画・余剰関係メインプログラム142におけるサブルーチンである営業候補製品特定プログラム145の出力結果を格納するためのテーブルであり、製品群1110、製品名1120、生産可能数量1130、及び予定納期1140などの項目から構成される。営業候補製品テーブル134には、製品群1110、製品名1120で特定される各製品について、図10の余剰能力テーブル133の値を基に、予め指定されたプランニングの期間内において、生産可能な数量と、当該数量が完成する予定の日付が、それぞれ生産可能数量1130、及び予定納期1140の欄に格納されている。
・個別能力算出結果テーブル135
図12は、本実施形態における個別能力算出結果テーブル135の一例を示す説明図である。
図12の個別能力算出結果テーブル135は、計画・余剰関係メインプログラム142におけるサブルーチンである能力算出プログラム141の出力結果を格納するためのテーブルであり、班1210、製品群1220、工程1230、担当種別1240、及び消化能力[人日]1250などの項目から構成される。このように、個別能力算出結果テーブル135には、各班について、製品群・工程ごとに、主担当か否か、及び消化能力[人日]が、それぞれ担当種別1240、及び消化能力[人日]1250の欄に格納されており、各レコードに、班ごとに、担当製品群・工程に対応した個別の消化能力が記録されている。なお、ある班が対応する製品群・工程について主担当でない場合は、担当種別1240の項目に「副」のデータが格納される。このテーブルにより、ある製品工程について主担当の作業者の消化能力のみでは不足する場合、主担当でない、副担当の他の組織の作業者が作業を担当した場合、すなわちある製品工程で応援を受け入れた場合、その応援に係る消化能力を取得することができる。
<生産計画立案装置の入出力インターフェイス>
次に、生産計画立案装置100の入力装置160、出力装置165を介して利用者からの情報入力、及び利用者への情報提示を可能とする入出力インターフェイスについて説明する。
・入力画面2000
図13は、本実施形態の生産計画立案装置100が出力する入力画面2000の一例を示す説明図である。
図13の入力画面2000は、生産計画立案装置100の利用者によるプランニングの際のパラメータの入力を受け付けるために、例えば生産計画立案装置100の出力装置165によって表示される画面である。入力画面2000は、生産計画立案ボタン2001、及び閉じるボタン2002を含む。生産計画立案ボタン2001が操作(例えばマウス又はタッチセンサを使用した押下)されると、入力画面2000に入力された情報を基に、後述の計画・余剰関係メインプログラム142が実行される。閉じるボタン2002が操作されると、入力画面2000が閉じる。
また、入力画面2000には、プランニングの際のパラメータの入力を受け付ける、能力線選択部2010、営業候補製品特定閾値設定部2020、営業候補製品特定順設定部2030が表示される。能力線選択部2010、及び営業候補製品特定順設定部2030は、入力画面2000を参照した利用者が、入力装置160を操作して、表示された選択肢から、例えばラジオボタンを操作することによって、1つのパラメータを選択することができる。営業候補製品特定閾値設定部2020は、入力画面2000を参照した利用者が、入力装置160を操作して、数値、例えば整数を入力できる。これらのパラメータの利用方法は、能力算出プログラム141、及び営業候補製品特定プログラム145の説明に関して後述する。
なお、ここで能力線とは、ある製品群・工程について、どのような前提をおいて消化能力を設定するかの指標となる概念である。本実施形態では、過去の作業実績において最大・最小に相当する消化能力、主担当班が作業する場合の消化能力、主担当班を含む上位の組織全体が作業に携わった場合の消化能力の4種類から選択できるように構成されている。能力線選択部2010については、例えば、初期又は数ヶ月先の作業のプランニングでは、過去実績_最小を選択してプランニングすることで消化能力を小さめに見積もってリ
スク管理をしておき、特急オーダーが発生した場合には、過去実績_最大を選択してプラ
ンニングするなど、状況に応じてプランニングする活用案が考えられる。またプランニングした結果、主担当班だけの消化能力では対応する案件に納期遅延が発生する場合には、組織全体を選択してプランニングする活用案も考えられる。
・余剰能力・営業候補製品算出結果出力画面3000
図14は、本実施形態の生産計画立案装置100が出力する、余剰能力・営業候補製品算出結果出力画面3000の一例を示す説明図である。
図14の余剰能力・営業候補製品算出結果出力画面3000は、製品群・工程別余剰能力算出プログラム144、及び営業候補製品特定プログラム145の実行結果を出力するために表示される画面であり、印刷ボタン3002、及び閉じるボタン3003などの要素から構成される。印刷ボタン3002が操作されると、出力装置165を介して出力画面の内容が所定の書式で印刷される。閉じるボタン3003が操作されると、余剰能力・営業候補製品算出結果出力画面3000が閉じる。
メッセージ表示部である、製品群・工程・期間別余剰能力算出結果欄、営業候補製品欄の各項目はそれぞれ、余剰能力テーブル133、営業候補製品テーブル134に格納されているデータに対応する。すなわち、余剰能力テーブル133の製品群3010、工程3015、期間3020、及び余剰能力[人日] (平均)3025に格納されているデータが
それぞれ、製品群1010、工程1020、期間1030、及び余剰能力[人日] (平均)
1040の欄に、営業候補製品テーブル134の製品群3050、製品名3055、生産可能数量3060、及び予定納期3065に格納されているデータがそれぞれ、製品群1110、製品名1120、生産可能数量1130、及び予定納期1140の欄に対応して出力される。
・負荷山積み結果出力画面3100
図15は、本実施形態の生産計画立案装置100が出力する、負荷山積み結果出力画面3100の一例を示す説明図である。
図15の負荷山積み結果出力画面3100は、生産計画立案プログラム143の実行結果を出力するために表示される画面であり、印刷ボタン3102、及び閉じるボタン3103などの要素から構成される。印刷ボタン3002が操作されると、出力装置165を
介して、負荷山積み結果出力画面3100の出力内容が所定の書式で印刷される。閉じるボタン3003が操作されると、負荷山積み結果出力画面3100が閉じる。
パラメータ表示部3110は、入力画面2000の、能力線選択部2010での選択項目を表示する。負荷山積みグラフ表示部3120は、プランニング期間の各日の注文による負荷(必要な作業量)を棒グラフで、各種の能力線を実線、破線等の線種で識別して表示する。各種能力線は、色を用いて区別するようにしてもよい。なお、本実施形態では、説明の簡便のため、パラメータ表示部3110に、製品群・工程ごとの負荷山積み結果を表示しているが、製品の生産工程における作業には、1又は2以上のリソースがが投入され、あるいは利用されることから、パラメータ表示部3110には、製品群・工程・リソース別もしくは製品群・リソース別の負荷山積み結果を出力するように構成してもよい。製品群に代えて、単一の製品に対するリソース、工程の組み合わせを採用してもよい。ここでリソースとは、各工程での作業を遂行する上で必要とされる、工作機械等の機器・設備、作業に供されるエリア、作業に従事する組織、作業員、作業に使用される電力、水、各種ガスなどを含む。
<生産計画立案装置によるデータ処理>
以上説明した生産計画立案装置100に設けられる各種のテーブル、プログラムによって、生産計画立案装置100が実行するデータ処理について、次に説明する。
生産計画立案装置100によるデータ処理は、図1に示す能力算出プログラム141、計画・余剰関係メインプログラム142、生産計画立案プログラム143、製品群・工程別余剰能力算出プログラム144、及び営業候補製品特定プログラム145を、プロセッサ150が各種テーブルに格納されているデータを用いて実行することにより実現される。以下、各プログラムによるデータ処理を、フローチャートにより例示しながら説明する。
・能力算出プログラムによるデータ処理
図16は、本実施形態の生産計画立案装置100における能力算出プログラム141による能力算出処理の一例を示すフローチャートである。
この能力算出処理は、製品群や工程に応じた班などの組織別の消化能力を算出するために、プロセッサ150が能力算出プログラム141に従って実行する。
能力算出プログラム141は、あらかじめ定義されたタイミングで、例えば1週間ごとに、定期的に実行されるように設定する。まずプロセッサ150は、技能ランクテーブル121、ランク・能力定義テーブル122、生産実績テーブル125、及び製品群・工程・班関係テーブル126を読み込む(S1610)。
プロセッサ150は、技能ランクテーブル121、ランク・能力定義テーブル122、製品群・工程・班関係テーブル126を基に、製品群・工程ごとの、主担当班の消化能力[人日]、組織全体の消化能力[人日]を算出する。また、プロセッサ150は、班・製品群・工程ごとの消化能力[人日]と、当該班が、当該製品群・工程について主担当班か否かを判定する(S1620)。前記主担当班の消化能力[人日]と、前記組織全体の消化能力[
人日]は、能力算出結果テーブル131の消化能力主担当班[人日]830、消化能力全体[人日]840、にそれぞれ対応する。また、前記班・製品群・工程ごとの消化能力[人日]
と、当該製品群・工程について主担当班か否かは、それぞれ個別能力算出結果テーブル135の消化能力[人日]1250、担当種別1240に対応する。
次にプロセッサ150は、生産実績テーブル125、製品群・工程・班関係テーブル1
26を基に、製品群・工程ごとの、消化能力[人日]の日別の最大値と最小値とを算出する(S1630)。これは能力算出結果テーブル131の消化能力過去実績_最大[人日]8
50、消化能力過去実績_最小[人日]860、にそれぞれ対応する。なお、当該製品群・
工程について複数日、例えば2日要した場合は、按分処理、例えば日数での均等割をして、消化能力0.5[人日]と算出する。
プロセッサ150は、S1620、S1630での算出結果を、能力算出結果テーブル131、及び個別能力算出結果テーブル135に出力する(S1640)。
以上の能力算出プログラム141によるデータ処理では、後の余剰能力の算出に使用されるデータが、能力算出結果テーブル131、及び個別能力算出結果テーブル135に格納される。
・計画・余剰関係メインプログラム142によるデータ処理
図17は、本実施形態の生産計画立案装置100における計画・余剰関係メインプログラム142によるデータ処理の一例を示すフローチャートである。
このデータ処理は、生産計画のプランニングや、製品群・工程別の余剰能力の算出、及び前記余剰能力に応じて経済性の点で優先して生産すべき製品、すなわち受注活動の対象とすべき製品の特定をするために、プロセッサ150が計画・余剰関係メインプログラム142に従って実行する。計画・余剰関係メインプログラム142は、図13に例示した入力画面2000に設けられている生産計画立案ボタン2001を操作することにより実行が開始される。
まずプロセッサ150は、生産計画立案プログラム143を実行する(S1710)。生産計画立案プログラム143については、後出の図18を参照して説明する。
次にプロセッサ150は、製品群・工程別余剰能力算出プログラム144を実行する(S1720)。製品群・工程別余剰能力算出プログラム144については、後出の図19を参照して説明する。
次にプロセッサ150は、営業候補製品特定プログラム145を実行する(S1730)。営業候補製品特定プログラム145については、後出の図20を参照して説明する。
プロセッサ150が以上の3つのサブプログラムを実行することで、利用者に、図14に例示した余剰能力・営業候補製品算出結果出力画面3000、図15に例示した山積み結果出力画面3100が提示される。
以下、各サブルーチンによるデータ処理について説明する。
・生産計画立案プログラム143によるデータ処理
図18は、本実施形態の生産計画立案装置100における生産計画立案プログラム143によるデータ処理の一例を示すフローチャートである。
このデータ処理は、生産計画におけるプランニングをするために、プロセッサ150が生産計画立案プログラム143に従って実行する。
プロセッサ150は生産計画立案プログラム143の実行を開始すると、入力画面2000から、能力線選択部2010、営業候補製品特定閾値設定部2020、営業候補製品特定順設定部2030について利用者が行った選択結果を読み込む(S1810)。
次いでプロセッサ150は、案件テーブル124、製品・工程マスタ123、及び能力算出結果テーブル131を読み込む(S1820)。
プロセッサ150は、能力算出結果テーブル131における消化能力主担当班[人日]830の値を基に、プランニングを行う(S1830)。これは入力画面2000の能力線選択部2010において、主担当班が選択された場合に相当する。この処理をS1840に先行して行う理由は、プランニングにおいてまず主担当班で消化できる作業量かを確認した後、主担当班では消化できない場合において他班から応援をもらう調整をする、残業を前提とした最大消化能力で再プランニングする、などの運用を行うのが一般的であるためである。本実施形態の生産計画立案装置100でも、このような一般的な運用を取り入れている。なおプランニングのロジックについては市販の汎用的な生産計画ツールと同様のロジックを採用すればよい。
次にプロセッサ150は、S1830において、主担当班の消化能力だけでは必要な作業量に対して不足して、納期遅延が発生してしまう案件(注文)が存在する、あるいは主担当班の消化能力が過剰でありプランニング期間において常に作業量が消化能力を下回るという状況が生じる場合には、入力画面2000の能力線選択部2010において選択された能力線に応じて、プランニングを行う(S1840)。能力線選択部2010において、組織全体での担当を示す全体、過去実績_最大、過去実績_最小が選択された場合には、それぞれ、能力算出結果テーブル131における消化能力全体[人日]840、消化能力過去実績_最大[人日]850、消化能力過去実績_最小[人日]860の値を基にプランニングを行う。能力線選択部2010において、主担当班が選択された場合にはプランニングをやり直す必要がないのでS1840は省略される。
S1840では、能力線選択部2010で全体が選択された場合には、プロセッサ150は、能力が不足する製品群・工程に応援可能な消化能力を持つ班を、個別能力算出結果テーブル135における担当種別1240の項目に「副」が格納されているレコードの中から1つ取り出す。選択した班の消化能力[人日]1250で消化能力の不足分を補充することができ、かつ、前記選択した班について納期遅延が発生しないと判定された場合には、前記班の応援する分の消化能力[人日]を、前記班の主担当の製品群・工程の消化能力から差し引いた結果をプランニング結果とする。前記班について納期遅延が発生する場合には、応援可能な別の班を選択して同様に消化能力の不足分を補えるか、納期遅延が発生しないかを検討する。前記選択した班について納期遅延は発生しないが、前記班の消化能力[人日]1250では不足分が補えない場合には、他の応援可能な班を1つずつ追加して、同様に検討する。なおこの際、主担当と応援に入る副担当、あるいは副担当同士の組み合わせについて、構成作業者の相性等により設定しないことが望ましい組み合わせについて、あらかじめ組み合わせができないようにプログラムを構成しておくこともできる。
次いでプロセッサ150は、S1830、S1840でのプランニング結果を、生産計画テーブル132に出力して処理を終了する(S1850)。
以上の生産計画立案プログラム143のデータ処理によれば、特定の案件に含まれる製品群・工程それぞれについて、主担当の班のみで消化能力が充足されるか判定され、不足の場合には納期遅延が発生しないように他の班から応援を提供することができるので、案件に適した効率的なプランニングが可能である。
・製品群・工程別余剰能力算出プログラム144によるデータ処理例
次に、製品群・工程別余剰能力算出プログラム144によるデータ処理例を説明する。図19は、本実施形態の生産計画立案装置100における製品群・工程別余剰能力算出プ
ログラム144のデータ処理の一例を示すフローチャートである。
この製品群・工程別余剰能力算出プログラム144のデータ処理は、製品群・工程別の余剰能力を算出するために、プロセッサ150が製品群・工程別余剰能力算出プログラム144に従って実行する。
プロセッサ150は、あらかじめ定義された一定期間、例えば現在から3ヶ月先までにおける製品群・工程別の必要消化能力を、生産計画格納テーブル132の作業量[人日]940から算出する(S1910)。具体的には、案件テーブル124に格納されている製品コード420、納期430と、製品・工程マスタ123において製品コード510に対して格納されている作業量[人日]550とを用いて製品群・工程別の必要消化能力を算出する。
次に、プロセッサ150は、前記一定期間における、製品群・工程ごとの主担当班の消化能力を、S1910と同様にして、能力算出結果テーブル131の消化能力主担当班[
人日]830から算出する(S1920)。
次いでプロセッサ150は、S1920で算出した製品群・工程別の主担当班消化能力から、S1910で算出した製品群・工程別の消化能力全体を差し引き、例えば一定期間における各日の消化能力に基づいて、日別平均の消化能力を算出する(S1930)。この差分が前記一定期間における、製品群・工程別の余剰能力又は不足する消化能力となる。
最後に、プロセッサ150は、S1930での算出結果を、余剰能力テーブル133に出力して処理を終了する(S1940)。
以上の製品群・工程別余剰能力算出プログラム144のデータ処理によれば、現在から一定期間内における製品群・工程別の余剰消化能力又は不足消化能力を、精度よく定量的に把握することができる。
・営業候補製品特定プログラム145によるデータ処理例
次に、営業候補製品特定プログラム145によるデータ処理例について説明する。図20は、本実施形態の生産計画立案装置100における営業候補製品特定プログラム145によるデータ処理の一例を示すフローチャートである。
この処理は、製品群・工程別余剰能力算出プログラム144により算出された余剰能力に応じて、どの製品を受注するための営業をすべきか特定をするために、プロセッサ150が個別能力算出結果テーブル135に従って実行する。
プロセッサ150は本データ処理を開始するとまず、余剰能力テーブル133を参照し、日別平均などの余剰能力が、入力画面2000における営業候補製品特定閾値設定2020に入力された閾値以上となっている製品群を抽出する(S2010)。
次いでプロセッサ150は、S2010で抽出した製品群について、製品・工程マスタ123を参照し、入力画面2000における営業候補製品特定順設定2030で選択された利益率、利益額、売上額の指定又は指定順でダミー案件(注文)を1件ずつ入力してプランニングを行い、主担当班の消化能力以内でいつまでに完成できるかを算出する。これを予め定義されたプランニング期間、例えば3ヶ月間において、S2010で抽出した製品群を担当する全ての主担当班について、初めて余剰能力が0以下になるまで繰り返す(S2020)。なお、ダミー案件は、製品・工程マスタ123に格納されている各製品コ
ード510に対する製品別利益率[%]560、製品別利益額[百万円]570、製品別売上額[百万円]580に基づいて入力順が選定される。
営業候補製品特定順設定2030でランダムが選択された場合には、S2010で抽出した製品群について、製品・工程マスタ123を参照し、ランダムにダミー案件(注文)を1件ずつ入力してプランニングを行い、主担当班の消化能力以内でいつまでに完成できるかを算出し、同様にS2010で抽出した製品群を担当する全ての主担当班について、初めて余剰能力が0以下になるまで前記算出を繰り返す。
最後にプロセッサ150は、S2020での特定結果を、余剰能力・営業候補製品算出結果出力画面3000の営業候補製品の表示欄に出力して処理を終了する(S2030)。
以上の営業候補製品特定プログラム145によれば、精度よく求められた余剰の消化能力に基づいて、より収益性といった経済性指標に優れた製品の生産可能数量を算出することができ、その結果に基づいて効率的な営業受注活動を展開することが可能となる。
以上説明したように、本実施形態の生産計画立案装置100により、作業実績から組織としての消化能力を求めておくことで、実効性のあるプランニングができ、製造現場における応援調整、出張調整や、戦略的な営業活動の支援等が可能になる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したのであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によってハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによってソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)等の記憶デバイス、又は、ICカード、SDカード、DVD等の計算機読み取り可
能な非一時的データ記憶媒体に格納することができる。
また、制御線及び情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線及び情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1:生産計画立案システム、100:生産計画立案装置、110:記憶装置、121:技能ランクテーブル、122:ランク・能力定義テーブル、123:製品・工程マスタ、124:案件テーブル、125:生産実績テーブル、126:製品群・工程・班関係テーブル、131:能力算出結果テーブル、132:生産計画テーブル、133:余剰能力テーブル、134:営業候補製品テーブル、141:能力算出プログラム、142:計画・余剰関係メインプログラム、143:生産計画立案プログラム、144:製品群・工程別余剰能力算出プログラム、145:営業候補製品特定プログラム

Claims (13)

  1. プロセッサと、前記プロセッサに接続される記憶装置とを有する生産計画立案装置であって、
    前記記憶装置は、
    製品の生産に従事する作業者ごとに設定される、各作業者の技能優劣を示す指標である技能ランク情報と、前記技能ランクに対応する製品の生産工程ごとに必要な作業能力である消化能力情報と、製品ごとに対応づけられた製品納期に関する情報である案件情報と、製品の工程ごとに対応づけられた作業量の情報である製品工程別作業量情報と、製品工程ごとの過去の生産期間に関する情報である生産実績情報と、製品工程ごとの作業に従事する主担当組織の情報である製品工程担当情報とを保持し、
    前記プロセッサは、
    前記主担当組織及び生産に従事する組織全体を構成する作業員に関する情報、前記技能ランク情報、及び前記生産実績情報に基づいて、製品工程ごとに、主担当組織の消化能力、組織全体の消化能力、前記生産実績情報に基づく最大実績消化能力及び最小実績消化能力を算出して保持し、
    前記案件情報と前記製品工程別作業量情報とから前記案件情報に含まれる各案件についての必要作業量を算出し、主担当組織の消化能力、組織全体の消化能力、前記生産実績情報に基づく最大実績消化能力及び最小実績消化能力のうちから、選択されたいずれかの消化能力を用いて、前記各案件に係る製品の生産に必要な製品工程別の作業量を算出して生産計画情報として出力するプランニング処理を実行する、
    生産計画立案装置。
  2. 前記技能ランク情報は、当該技能ランクが対応づけられている作業者についての最新の技能ランク判定日を含み、
    前記プロセッサが製品工程ごとの消化能力を算出する際に、前記最新の技能ランク判定日の情報に応じて各作業員の消化能力に重み付けを行う、
    請求項1に記載の生産計画立案装置。
  3. 前記技能ランク情報は、前記生産実績情報に基づいて定期的に更新される、
    請求項1乃至請求項2に記載の生産計画立案装置。
  4. 前記技能ランク情報は、さらに各作業者と製品工程とを対応づけて保持している、
    請求項1に記載の生産計画立案装置。
  5. 前記プロセッサが、算出された各案件についての必要作業量を製品工程ごとに作業日各日の必要作業量を表す棒グラフで表示し、当該棒グラフ表示に、主担当組織の消化能力、組織全体の消化能力、前記生産実績情報に基づく最大実績消化能力及び最小実績消化能力を示すレベルを線分により重畳して表示する、
    請求項1に記載の生産計画立案装置。
  6. 前記製品工程には、製品ごとに対応する各工程、製品ごとに対応する各リソース、製品及び工程ごとに対応するリソース、製品群ごとに対応する各工程、製品群ごとに対応する各リソース、及び、製品群及び工程ごとに対応する各リソースが含まれる、
    請求項1に記載の生産計画立案装置。
  7. 前記プロセッサが、前記生産計画情報から将来の一定期間において必要な作業量を製品工程別に所定の時間単位によって算出し、前記主担当組織の消化能力を用いて当該一定期間における消化能力を前記時間単位によって算出し、算出された消化能力から前記必要作業量を差し引いた差分を算出して前記一定期間における時間単位ごとの余剰の消化能力と
    して出力する、
    請求項1に記載の生産計画立案装置。
  8. 前記製品工程別作業量情報に、当該製品に関する収益の情報を含む経済性指標情報が対応づけて保持されており、
    前記余剰の消化能力と、前記製品工程別作業量情報とに基づいて、各前記製品が前記余剰の消化能力で生産可能な生産量を算出する処理を各製品について実行し、あらかじめ指定された前記経済性指標情報と前記生産可能な生産量とから生産可能な製品について経済性指標情報に応じた順位付けを行って出力する、
    請求項7に記載の生産計画立案装置。
  9. 前記製品の製造開始時点及び製造終了時点に関する情報を含む、前記生産実績情報に関する情報が、前記生産計画立案装置と通信可能に接続されている外部装置から入力されるように構成されている、
    請求項1に記載の生産計画立案装置。
  10. プロセッサと記憶装置とを有する情報処理装置が実行する生産計画立案方法であって、前記情報処理装置が、
    製品の生産に従事する作業者ごとに設定される、各作業者の技能優劣を示す指標である技能ランク情報と、前記技能ランクに対応する製品の生産工程ごとに必要な作業能力である消化能力情報と、製品ごとに対応づけられた製品納期に関する情報である案件情報と、製品の工程ごとに対応づけられた作業量の情報である製品工程別作業量情報と、製品工程ごとの過去の生産期間に関する情報である生産実績情報と、製品工程ごとの作業に従事する主担当組織の情報である製品工程担当情報とを保持し、
    前記主担当組織及び生産に従事する組織全体を構成する作業員に関する情報、前記技能ランク情報、及び前記生産実績情報に基づいて、製品工程ごとに、主担当組織の消化能力、組織全体の消化能力、前記生産実績情報に基づく最大実績消化能力及び最小実績消化能力を算出して保持し、
    前記案件情報と前記製品工程別作業量情報とから前記案件情報に含まれる各案件についての必要作業量を算出し、主担当組織の消化能力、組織全体の消化能力、前記生産実績情報に基づく最大実績消化能力及び最小実績消化能力のうちから、選択されたいずれかの消化能力を用いて、前記各案件に係る製品の生産に必要な製品工程別の作業量を算出して生産計画情報として出力するプランニング処理を実行する、
    生産計画立案方法。
  11. 前記製品工程には、製品ごとに対応する各工程、製品ごとに対応する各リソース、製品及び工程ごとに対応するリソース、製品群ごとに対応する各工程、製品群ごとに対応する各リソース、及び、製品群及び工程ごとに対応する各リソースが含まれる、
    請求項10に記載の生産計画立案方法。
  12. 前記情報処理装置が、前記生産計画情報から将来の一定期間において必要な作業量を製品工程別に所定の時間単位によって算出し、前記主担当組織の消化能力を用いて当該一定期間における消化能力を前記時間単位によって算出し、算出された消化能力から前記必要作業量を差し引いた差分を算出して前記一定期間における時間単位ごとの余剰の消化能力として出力する、
    請求項10に記載の生産計画立案方法。
  13. 前記製品工程別作業量情報に、当該製品に関する収益の情報を含む経済性指標情報が対応づけて保持されており、
    前記余剰の消化能力と、前記製品工程別作業量情報とに基づいて、各前記製品が前記余
    剰の消化能力で生産可能な生産量を算出する処理を各製品について実行し、あらかじめ指定された前記経済性指標情報と前記生産可能な生産量とから生産可能な製品について経済性指標情報に応じた順位付けを行って出力する、
    請求項12に記載の生産計画立案方法。
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