JP7487147B2 - プロジェクト計画策定システム - Google Patents

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Description

本発明は、ビジネス活動を行う法人をはじめ、社会の様々な活動を行うその他の団体、グループ等における各個人の働き方や活動状態を検証し、各個人のメリット及びその個人の属する団体等のメリットを最大限に生かすべく開発されたマンアワーシステム、及び個々人の動きに連動して、個々のプロジェクト収益から全社の財務・管理会計マネジメントまでを支援するシステムに関するものである。
近年では世界の多くの国々において出生率の低下や少子高齢化が進み労働力の確保は大きな社会問題となっている。特に日本は最も少子高齢化が進んだ国であり、また長時間労働が常態化している。また女性の社会進出においても遅れていた。そうした状況下にあって、労働環境を改善することは急務であり、個々の企業においても働き方改革を進めるための取り組みがなされている。例えば、社員の労働と対象業務に関する効率化を図ったシステムは数多く特許出願されており、特開2004-310530号公報(特許文献1)に記載された技術もその一つである。
特開2004-310530号公報
こうした近年の働き方改革の流れの中で企業等の団体とそこで働く個人の双方の利益によりかなうシステムの実現が求められてきた。本出願人はこうした社会の流れとは別に、以前から独自に種々の社内システムの内製化を進めており、より様々な目的に利用できるシステムを提供してきたが、従来から備わる機能はブラッシュアップさせながら年々バージョンアップを繰り返す中で、近年の社会の要請とも合致し、より使い易く、より合目的的なシステムが生み出されてきた。本発明は、こうしたシステムの一部を提供するものであり、企業をはじめとする様々な団体及びそこで働く各個人の利益を提供するものであり、また、個々人の動きに連動して、個々のプロジェクト収益から全社の財務・管理会計マネジメントまでを支援するものである。
本明細書では以下の発明を提供する。
即ち、発明の一態様では、個人の氏名、仕事内容、仕事時間等の様々な管理項目を記憶する管理項目記憶手段と、前記様々な管理項目から所定の管理項目を選択し、当該選択した管理項目を集計する等の加工を行うデータ集計手段と、データ集計手段により加工された管理項目を所定の図表形式に出力する図表作成手段と、を有し、複数の所定期間の(1)予算と(2)実績と(3)実績を踏まえた変更後の予算とをそれぞれの所定期間ごとに表示し、前記複数の所定期間におけるそれまでの期間の(4)累積の予算と(5)累積の実績と(6)実績を踏まえた累積の変更後の予算とをそれぞれの所定期間ごとに表示するグラフを作成するマンアワーシステムである。
個人の氏名、個人の配属先、個人のIDナンバー、設計・資料作成・会議等の仕事内容、○月○日の2時PM~4時PM等の仕事時間、そして、仕事内容と仕事時間の組合せ等の様々なデータを管理項目として記憶する管理項目記憶手段を有するため、必要なデータを管理項目として保持し、これを取り出すことによって様々な加工が可能となる。
前記様々な管理項目から所定の管理項目を選択し、当該選択した管理項目を集計する等の加工を行うデータ集計手段を有するため、目的に合致した仕事内容等の管理項目を抽出することができ、所定期間内での所定の仕事内容に振り分けられた合計仕事時間を算出する等の加工を行うことができる。
そして、データ集計手段により加工された管理項目を所定の図表形式に出力する図表作成手段を有するため、加工された管理項目を見やすく、目的に合致した図表形式に出力することができる。
複数の所定期間の(1)予算と(2)実績と(3)実績を踏まえた変更後の予算とをそれぞれの所定期間ごとに表示したため、所定期間ごとに(1)予算と(2)実績と(3)実績を踏まえた変更後の予算との3つを容易に比較することができる。また、予算のみでなく実績を踏まえた変更後の予算まで表示したため、当初予算とは別にその後の実績に基づいて変更した予算を示すことで、時期の進行に伴ってその都度、変更した予算を明示でき、計画の見直しが随時示されるグラフとなる。
前記複数の所定期間におけるそれまでの期間の(4)累積の予算と(5)累積の実績と(6)実績を踏まえた累積の変更後の予算とをそれぞれの所定期間ごとに表示したため、累積値で(1)予算と(2)実績と(3)実績を踏まえた変更後の予算との3つを容易に比較することができる。そのため、単に単位期間当たりにフォーカスするのではなく、全体的なプロジェクトの進行の推移の中での予算と実績を見ることができる。
別の一態様としては、個人の氏名、仕事内容、仕事時間等の様々な管理項目を記憶する管理項目記憶手段と、前記様々な管理項目から所定の管理項目を選択し、当該選択した管理項目を集計する等の加工を行うデータ集計手段と、データ集計手段により加工された管理項目を所定の図表形式に出力する図表作成手段と、を有し、過去の時点における仕事時間の(1)予定と(2)実績と(3)それらの差とを表示し、現在の時点における仕事時間の(1)予定と(2)実績と(3)それらの差とを表示し、かつ現在の時点における(4)実績を踏まえた変更後の予定を表示し、将来の時点における仕事時間の(1)予定を表示する表を作成するマンアワーシステムである。
過去の時点における仕事時間の(1)予定と(2)実績と(3)それらの差とを表示するため、これまでの実績が予定に対してどの程度乖離しているかが直ぐにわかる。
また、現在の時点における仕事時間の(1)予定と(2)実績と(3)それらの差とを表示し、かつ現在の時点における(4)実績を踏まえた変更後の予定を表示するため、現時点においては予定も書き換えられるため当初予算とは別に直近の変更した予算を示すことで、時期の進行に伴ってその都度、変更した予算を明示でき、計画の見直しが随時示される表となる。
さらに、将来の時点における仕事時間の(1)予定を表示するため、将来の仕事時間の予測が容易になる。
また別の一態様としては、個人の氏名、仕事内容、仕事時間等の様々な管理項目を記憶する管理項目記憶手段と、前記様々な管理項目から所定の管理項目を選択し、当該選択した管理項目を集計する等の加工を行うデータ集計手段と、データ集計手段により加工された管理項目を所定の図表形式に出力する図表作成手段と、を有し、所定期間の仕事時間を仕事内容ごとに、複数の異なる所定期間について表示するグラフを作成するマンアワーシステムである。
所定期間の仕事時間を仕事内容ごとに、複数の異なる所定期間について表示するグラフを作成するため、所定期間においてどのような仕事にどの程度の時間が割かれたがが容易にわかり、プロジェクトにおける仕事の配分や、個人における働き方の分析を行うことができる。また、複数の異なる所定期間について表示するため、期間の推移による仕事内容の変化を容易に把握することができる。
前記所定期間の仕事時間が一のプロジェクトについてのものとすることができる。
即ち、プロジェクトごとに期間を区切り、その期間内に行われた仕事内容と仕事時間を示すことで、プロジェクトのどの段階で、どのような仕事が行われ、どの程度の時間がかかったかを容易に把握することができる。そして、同内容の別のプロジェクトを行うときの予算や人員の配分を決定するための資料とすることができる。
前記所定期間の仕事時間が一の個人についてのものとすることができる。
即ち、個人ごとに期間を区切り、その期間内に行われた仕事内容と仕事時間を示すことで、その個人がいつ、どのような仕事を行い、どの程度の時間がかかったかを容易に把握することができる。そして、次年度の働き方を考えたり、同様のポジションの別の個人と比較して働き方を改革したりするための資料とすることができる。
前記仕事内容によって予め分類されている管理業務に分けて、前記仕事時間を表示するものとすることができる。
即ち、仕事内容によって予め分類されている管理業務、例えば、直接業務と間接業務とに分ければ、全部の仕事内容がそれらのどちらかに分類されるため、直接業務に関する仕事内容を集めて表示し、間接業務に関する仕事内容を集めて表示すれば、仕事全体の直間比率を容易に見出すことができる。なお、直接業務とは直接収益に貢献している仕事内容のことであり、間接業務とは収益には直結しない仕事内容のことである。 このような分類は直接業務と間接業務に限らず、屋内業務と屋外業務等の別の分類とすることができる。
本発明によれば、個人の働き方を分析でき、働き方改革を実践し、団体の行う仕事内容の改善を図る礎とすることができる。
また、新たなプロジェクトが発生した際の費用と作業時間の予測を行うことができる。
マンアワーシステムのシステム構成図である。 管理サーバの機能構成を示すブロック図である。 負荷状況一覧表である。 仕事内容分類グラフである。 仕事内容分類表である。 仕事量及び仕事目標対比グラフであり、分図6(A)は、4月から3月までの2年間の実績を示す仕事量及び仕事目標対比グラフであり、分図6(B)は、2年間のうちの最後の2か月はまだ実績が出ていない場合の仕事量及び仕事目標対比グラフである。 部門別直間比率分析グラフであり、分図7(A)と分図7(B)はそれぞれ別の部門の部門別直間比率分析グラフである。 プロジェクト毎収益管理グラフである。 プロジェクト毎仕事内容分類グラフであり、分図9(A)、分図9(B)及び分図9(C)はそれぞれ別のプロジェクトにおけるプロジェクト毎仕事内容分類グラフある。
一般にマンアワーシステムは、法人等の団体を構成する各個人の働き方、動き方を分析し、個人にとっては無理なく、適正な労働を実現し、団体にとっては効率的な労働力の分配等を実現するために導入されるシステムである。
本出願人は、従来から開発を続けている様々な業務のシステム化の中で、社員が社外でも勤務できるどこでもオフィスと名付けたテレワークシステムや、複数のプロジェクトを管理するプロジェクト管理システム、とも連動し、個々人の動きに連動して、個々のプロジェクト収益から全社の財務・管理会計マネジメントまでを支援するシステムとしてマンアワーシステムを構築してきた。本発明は、こうしたマンアワーシステムの一部として提供されるものである。
図1は、マンアワーシステム6のシステム構成図である。このマンアワーシステム6は、管理サーバ1と、日々の業務をこなす社員等の個人が用いる個人端末2(2a、2b、・・)と、システム管理者が用いる管理者端末3と、を有し、これらがネットワーク5を介してそれぞれ接続されている。
管理サーバ1は、個人端末2や管理者端末3からの指示を、ネットワーク5を介して受信し、その指示に従った処理を行う。この管理サーバ1の構成としては、演算装置や制御装置として機能する中央演算処理装置(CPU)や、RAM等の主記憶装置、ハードディスク等の外部記憶装置、モデム等の通信装置、コンピュータプログラムを有している。これらの構成要素により後述する図2で示す機能ブロックを構成する。
この管理サーバ1は、図1で示すような各種端末2,3以外のネットワークに接続したコンピュータ管理サーバであっても良いが、後述する管理者端末3のコンピュータで兼用する管理サーバとすることもできる。さらにクラウドコンピューティングに用いられるクラウド管理サーバであっても良い。
管理者端末3は、システムを管理する管理者が使用するコンピュータであり、一または複数のコンピュータ3a、3b、・・であり得る。この管理者端末3は、ネットワークに接続し通信可能な通信装置を備えて構成されており、プログラムを起動しインターネット等のネットワークに接続すると管理サーバ1に保存されたデータを取得して表示したり、入力装置を通じて入力されたデータを管理サーバ1へ送信したり、管理サーバ1からのデータを受信して出力装置を通じてメール等の形式で出力することができる。
この管理者端末3となるコンピュータは、いわゆるパーソナルコンピュータの他、携帯電話端末やタブレット端末などであっても良い。
個人端末2は、企業等の団体に属する個人またはある種の許可を受けた個人が使用するコンピュータであり、一または複数のコンピュータ2a、2b、・・であり得る。この個人端末2は、ネットワークに接続し通信可能な通信装置を備えて構成されており、プログラムを起動しインターネット等のネットワークに接続すると管理サーバ1に保存されたデータを取得して表示したり、入力装置を通じて入力されたデータを管理サーバ1へ送信したり、管理サーバ1からのデータを受信して出力装置を通じてプリント出力することができる。
この個人端末2となるコンピュータは、いわゆるパーソナルコンピュータの他、携帯電話端末やタブレット端末などであっても良い。
図2は管理サーバ1の機能構成を表すブロック図である。図2で示すように、管理サーバ1には、管理項目記憶手段11と、データ集計手段12と、図表作成手段13とを有している。
管理項目記憶手段11は、個人の氏名や、配属、仕事内容を示す様々な項目、顧客名、ビルや工場の新築工事やその後の改修工事等の種々のプロジェクト名等のマンアワーを管理していく上で必要な項目を管理項目データベースとして備える機能を有する。ある企業の個人Aを例示すれば、例えば、その個人名、配属、個人Aの出勤日、担当したプロジェクト名、会議・企画書作成・現場管理等の仕事内容、各仕事に費やした時間(仕事時間)等々が管理項目に該当する。
データ集計手段12は、管理項目記憶手段11に記録された様々な管理項目の中から必要な管理項目を選択して取り出し、目的に沿って特定の管理項目ごとにまとめたり、分類したりする加工操作を行う。
図表作成手段13は、データ集計手段12がまとめた管理項目を所定の図表形式にして表示する。
管理サーバ1は、機械学習手段10を有するものとして構成しても良い。また、管理サーバ1には、その他にも所定のID情報を元にして個人名や配属、肩書き、管理権原等を認識する処理を行い、アクセス権を制限する機能を担うID認識手段や、異常値を観測してアラートを発するアラート発生手段等の種々の機能を持たせることができる。
企業やグループ、プロジェクト、その他の団体(以下様々な人の集合体をまとめて「団体」という)における各従業員、役員、構成員等の人員(以下様々な人々をまとめて「個人」という)の仕事内容又は行動内容(以下これらをまとめて「仕事内容」という)を分析するには、その仕事内容とそれに費やされた時間(仕事時間)を的確に把握する必要がある。本システムでは、団体における個人の仕事内容をシステムに取り込むために、予め個人が属する団体に応じて決定される様々な個人が行う仕事内容を、大分類、中分類、そして小分類に分類された中にさらに細かく項目立てした選択肢で特定できるようにしている。
例えば、建設プロジェクトをマネジメントする企業と、そこで働く従業員に適用可能なマンアワーシステムを例示して説明すると、大分類には、受注フェーズ、設計フェーズ、施工フェーズ等といった管理項目が挙げられ選択肢として準備される。また、中分類には、見積もり、基本計画、設計施工者選定等といった管理項目が挙げられ、小分類には会議、資料作成、移動等といった管理項目が挙げられ、それぞれ選択肢として準備される。従業員は大分類、中分類、小分類の順にそれぞれの分類から適当な選択肢を選択することで自分の仕事内容を的確に登録できるようになっている。
本システムでは、各個人が行った仕事内容は基本的には各個人が個人端末2を用いてシステムに対して入力し登録することによって行う。ある個人Aから見た仕事内容のシステムへの登録は次のように行う。
まず、大分類から小分類まで区分けされた選択肢とは別に、仕事内容が特定の顧客に対する仕事か、そうでないかを、顧客名を選択するかしないで決定する。次に、大分類、中分類、小分類のそれぞれの分類中に挙げられた選択枝の中から該当する仕事内容を選択する。全ての仕事内容がこれらの選択枝の中に示されるため、それを選択するだけでよく、記入する場合に比べて個人の入力の手間を軽減することができる。また、万が一選択肢に該当する項目が無い場合には、該当なしを選択した上で、具体的な仕事内容を書き込めるようにもしている。この仕事内容を選択する過程で、同時にその仕事を行った日時をプルダウンメニューから選択する。こうして個人の入力作業を通じて、個人名、仕事内容、仕事時間等の管理項目が管理項目記憶手段11に蓄積される。
上記のとおり仕事内容及びそれが行われた日時を実績として登録する一方で、将来の仕事の予定を書き込むこともできる。予定の入力も仕事実績を登録したのと同様の方式で入力することにより行う。即ち、個人の入力方法においては、実績も予定も変わりがなく、入力する日時が過去であれば仕事を行った実績の入力になり、日時が未来であれば今後の仕事の予定の入力となる。実際に個人が入力を行った日時と、仕事内容の日時との関係で予定か実績かを区分して管理項目記憶手段11が記録する。
予定の入力に関し、個人Aの上司にあたる個人Bもまた個人Aの予定を入力することができる。例えば、個人Aが今月はある施設建設プロジェクトの仕事にかかわっているときに、管理者である個人Bは来月に別の施設建設プロジェクトへの個人Aのアサインを検討しているような場合や、○月○日に予定されるミーティングへ個人Bが個人Aの招集を行う場合等である。但し、個人A以外の者は、実績、即ち、過去の仕事内容については入力不可能とする態様を採用することができる。また、個人Aであっても一度登録を行い個人Bの承認を得た後は再入力ができないようにすることもできる。
第1実施形態:<負荷状況一覧表の作成>[図3]
このようにして得られた個人の仕事内容を表す多くの管理項目から、負荷状況一覧表21を作成することができる。負荷状況一覧表21とは、各個人のある時間範囲内での仕事に対する負荷状況を明示するツールであり、図3には負荷状況一覧表21の一態様として、個人(例えば個人A)の仕事時間を4月以降、月ごとに、以下に説明する4つの項目で示した。
ここで4つの項目とは、「予定(当時)」、「予定(最新)」、「実績」、「予実差」の4つである。「予定(当時)」とは、ある将来の時間に行う仕事を予定として記憶したものである。例えば、図3における5月の「予定(当時)」における“157”は、4月の時点までに、5月に行うであろう仕事とそれにかかる時間として登録された時間の合計値を示す。「実績」とは、実際にある期間において行った実際の仕事である。例えば、図3における5月の「実績」における“200”は、5月に実際に行った仕事とそれにかかった時間として登録された時間の合計値を示す。「予実差」とは、「予定(当時)」と「実績」との時間の差である。例えば、図3における5月の「予実差」における“43”は、5月の仕事時間の実績“200”と5月に行う予定として挙げられた予定時間“157”の差を示す。
このように、過去となったある月の統計では、「予定(当時)」と、「実績」は一律に表示することができる。しかしながら、現行月の場合には、例えば1週間前の予定が3日前に変更になる場合や、2日前の予定が本日変更になる場合もある。そのため、予定の時間が常に変わり得る。そのため、現行月の表示については別途、「予定(最新)」を設けて、現行月に入る前までに決まっていた「予定(当時)」とは別に、日々刻々と変わる予定を、「予定(最新)」として表示するようにした。例えば、図3における現行月となる6月の「予定(当時)」には、5月の時点までに6月の予定として挙げていた時間である“169”が示される。一方、「予定(最新)」には、6月○日の本グラフ21が作成された時点での最新の予定時間である“169”が示される。5月の数値は、「予定(最新)」と「予定(当初)」とがたまたま同じであるが、もちろん異なる場合もあり得る。「実績」には、6月○日までに該当月に行った仕事の合計時間を示す。
該当月より先の未来の各月においては、本グラフの作成時点である6月○日における将来の各月における予定が「予定(最新)」に表示される。翌日になればこの予定が変更になる場合もあり確定値ではないため、「予定(最新)」に記した方が、収まりが良いからである。なお、7月に入った時点でそれまでの「予定(最新)」の数値が「予定(当時)」に掲げられ、その後の予定の修正に伴い本グラフ21作成時点での最新の予定の数値が「予定(最新)」に掲げられることになる。
この負荷状況一覧表21の作成は次のように行う。まず負荷状況一覧表21を作成する時点(図3では6月)の日時に基づき、その前月までに個人Aについての予定と実績として入力された仕事内容及び労働時間を、データ集計手段12が管理項目記憶手段11から呼び出す。そして、「予定(当時)」及び「実績」のそれぞれの合計労働時間を集計し、図表作成手段13が図3で示す表形式に表示する。また、「予実差」は、データ集計手段12が「予定(当時)」と「実績」の差を計算し、図表作成手段13が「予実差」の欄に表示する。一方、該当月(図3では6月)については、その前月までに予定として入力されていた労働時間の合計を「予定(当時)」欄に表示する他、該当月に入ってから変更された予定、即ち、該当月に入った後に取り消した分や追加された分を含めた現時点までの予定に基づく労働時間をデータ集計手段12が集計し、図表作成手段13が「予定(最新)」欄に表示する。「予実差」は、負荷状況一覧表21作成時点での「実績」を「予定(当時)」と比較した差を集計して表示する。こうして作成された負荷状況一覧表21は、各個人や管理者の要求に従い、個人端末2や管理者端末3のディスプレイに表示され、必要に応じてプリンターから出力される。
負荷状況一覧表21を参照することにより、過去月の実績のみならず、予定(当時)から、着目した個人についてどの程度の予定が組まれているかを参照することができ、該当月をはじめとして翌月以降の仕事の任せ易さや仕事の混み具合の把握を行うことができる。
第2実施形態:<仕事内容分類グラフの作成>[図4]
管理項目記憶手段11に記録した個人の仕事内容及び仕事時間を用いて、先の実施形態では個人の単位期間あたり(月ごと)の総労働時間に着目して仕事の負荷状況を分析するツールを示したが、本実施形態では、仕事内容に着目して仕事の配分を分析するツールとしてメンバー稼働率グラフ22を説明する。メンバー稼働率グラフ22は、各個人のトータルな仕事がどのような管理項目に割り振られ、どの程度の割合を占めるか、を明示するツールであり、種々の表示方法がある。図4には、メンバー稼働率グラフ22の一態様として、個人の仕事内容を年ごとに分類して表すことのできる仕事内容分類グラフ22aを示す。
図4で示す仕事内容分類グラフ22aでは、横軸には個人の仕事が行われた年度を、縦軸には種々の仕事内容(仕事の内訳)が全仕事に対して占める割合を示す。また、仕事内容を示す管理項目ごとに、直接収益に貢献している仕事内容(直接業務)であるか、収益には直結しない仕事内容(間接業務)であるかを区別しておき、全仕事における両者の比率(直間比率)をライングラフとして示している。
仕事内容分類グラフ22aの作成を、図4で示したグラフに基づいて説明する。データ集計手段12は、管理項目記憶手段11から個人Aに関する2021年から2023年に行われた仕事内容に関する管理項目を呼び出し、年ごとにその管理項目に割り当てられた時間を集計する。そして、その結果を図表作成手段13が年ごとの棒グラフとして表示する。なお、図4では簡略化のため、仕事内容を表す管理項目を管理項目Aから管理項目Eまでの大きく5つに分けた中に含ませるようにしている。例えば、管理項目Aには種々の顧客対応業務が含まれ、管理項目Bには分析資料作成に関係する種々の業務が含まれ、管理項目Cには会議に関する種々の業務が含まれる。また、管理項目Dには社内会議に関する業務が含まれ、管理項目Eには社内申請、メール確認等の社内業務が含まれる。そして、管理項目Aから管理項目Cまでが直接業務に関する仕事であり、管理項目Dと管理項目Eが間接業務に関する仕事である。
棒グラフを表示する際に、図表作成手段13は、直接業務として予め割り当てられた管理項目A~Cと、間接業務として予め割り当てられた管理項目D,Eとが分かれるように、管理項目A~Cをグラフの下側に、管理項目D,Eをグラフの上側に集めて棒グラフを表示する。また、図表作成手段31は、直接業務と間接業務の境界を直間比率として印しを付すとともに年ごと変動するライングラフとして表示する。
仕事内容分類グラフ22aの作成により、個人Aの年ごとの仕事内容と、その直間比率がわかることから、着目する年はどのような仕事内容に時間が割かれていたのか、あるいは時間をかけてこなかったのか等を分析することができる。また、翌年以降の目標を立てる際にこれまでの結果がベースとなり、無理な予定でなく実現可能性の高い実際的な目標を立て易いというメリットがある。
仕事内容分類グラフ22aはまた、同等の立場に立つ個人の働き方を比較し模範となる働き方をイメージし易いというメリットもある。例えば、2022年の年始にマネージャー職に新たに就いたマネージャーCとマネージャーDのそれぞれの仕事内容分類グラフを作成して比較する(図示せず)。マネージャーCは、2022年、2023年と、年ごとに資料作成時間が相対的に減少し直間比率が減少したとする。こうした結果を分析すると、マネージャーCは、マネージャー職に就いたことにより、自ら資料を作成するのではなく、その時間を減らして部下の管理業務に時間を割くように仕事内容を変化させたことがわかる。一方、マネージャーDは、2022年以降も資料作成時間が変わらず、直間比率も変わらなかったとする。この結果を分析すると、マネージャーDは、マネージャー職に就いても、相変わらず資料の作成に時間を割いており、部下の管理を行えているのか疑問が生じる。むしろマネージャーDは、現場のエキスパートとしての仕事を担った方が本人にとっては働きがいがあり、会社にとっても効率的な仕事になるかもしれないという推測が可能となる。こうした働き方の見極め、改善に仕事内容分類グラフ22aは役立つ。
変形例: 図4で示す仕事内容分類グラフ22aでは、直接業務として予め割り当てられた管理項目A~Cと、間接業務として予め割り当てられた管理項目D,Eとが分かれるように表示していたが、直接業務と間接業務という区分以外の区分を用いてライングラフを表示することができる。例えば、社内業務と社外業務という区分を用いることもでき、社外業務として予め割り当てられた管理項目A,Bと、社内業務として予め割り当てられた管理項目C~Eとが分かれるように、図表作成手段31は、管理項目A,Bをグラフの下側に、管理項目C~Eをグラフの上側に集めて棒グラフを表示する。そしてまた、図表作成手段31は、社外業務と社内業務の境界をそれぞれの比率として印しを付すとともに年ごと変動するライングラフとして表示することも可能である。
また、縦軸には年ごとに一人の個人の仕事内容(仕事の内訳)が全仕事に対して占める割合を示したが、年ごとに全従業員の仕事内容としたり、特定の部門の従業員の仕事内容としたりすることもできる。
第2実施形態の変更例1:<仕事内容分類表の作成>[図5]
メンバー稼働率グラフ22の別の形態として、図5で示す仕事内容分類表22bを挙げることができる。仕事内容分類表22bは、図4で示した仕事内容分類グラフ22aを表形式で表したものであり、加えて、図4では表示していなかった労働時間も併せて示したものである。また、図4のグラフでは、2023年の数値は実績として示しているが、図5の表では2023年の数値は目標として示しており、グラフ又は表の作成時期が異なる。
仕事内容分類表22bの作成も仕事内容分類グラフ22aと同様に行うことができる。但し、図5で示す仕事内容分類表22bの2023年の目標値は、実績ではなく目標として掲げられた数値を管理項目記憶手段11から呼び出してデータ集計手段12が表示することにより作成したものである。
仕事内容分類グラフ22aが各管理項目の相対時間の増減や直間比率の増減が視覚的に捉えることができ、その全体像が瞬時にわかるのに対し、仕事内容分類表22bでは、数字が表中に記載されていることから、全体の変化は分かり難い。しかしながら、管理項目ごと、あるいは年ごとの数字が明確に表示されることから、翌年以降の目標を立てる場合や、各管理項目に着目した分析を行う場合等には仕事内容分類表22bの方が好ましい。
第2実施形態の変更例2:<仕事量及び仕事目標対比グラフの作成>[図6]
メンバー稼働率グラフ22のさらに別の態様として、仕事量及び仕事目標対比グラフ22cを挙げることができる。仕事量及び仕事目標対比グラフ22cは、例えば去年と今年の2年間について仕事量及び直間比率を示して対比したものである。
図6で示す仕事量及び仕事目標対比グラフ22cでは、横軸には個人の仕事が行われた月を、縦軸には仕事量を棒グラフで示し、また直間比率をライングラフとして示している。
より具体的には、図6(A)では、個人Aの2022年と2023年の2年間の仕事を、月ごとに労働時間を棒グラフで示すとともに、直間比率をライングラフで示している。このようにして、図6(A)で示すグラフでは、2022年と2023年の実績を労働時間と直間比率の観点から比較している。そうした一方で、図6(B)で示すグラフでは、2023年2月、及び同年3月は目標値が示されている。
図6(A)で示す仕事量及び仕事目標対比グラフ22cの作成は、データ集計手段12が管理項目記憶手段11から個人Aに関する2022年及び2023年に行われた仕事内容に関する管理項目を呼び出し、図表作成手段13が両年の月ごとにその仕事内容の労働時間を棒グラフとして表示する。また、データ集計手段12は直接業務として予め割り当てられた管理項目と、間接業務として予め割り当てられた管理項目をそれぞれ月ごとに集計し、図表作成手段13は直接業務と間接業務の直間比率としてライングラフに表示する。
また、図6(B)の作成では、2023年2月と3月のように実績がない月について、データ集計手段12が年間の目標値から実績がある月までの実績を差し引き、残りの時間を実績がない月数で割って得た値を、残った月で達成すべき労働時間の目標値として算出することができる。そして、図表作成手段13は、総労働力の目標値を点線の棒グラフで、直間比率の目標値を一点鎖線のライングラフでそれぞれ示すことができる。
仕事量及び仕事目標対比グラフ22cによれば、月ごとに去年と今年の変化を比較することができ、労働時間の去年との相違を月ごとに分析することができる。また、今年の目標が去年に対する労働時間の減少とするような場合に、月ごとに労働時間の相違を対比できるとともに、年間の目標労働時間に対する実績を差し引いて、翌月以降に残りの時間を振り分けて表示することができる。そのため、年の最後になって初めて目標との乖離が大きかったことがわかり修正が不可能である、といったことを無くし、残った月数で目標労働時間の残りを割った際の一月分の労働時間が示され、早い段階での目標実現のための修正が容易であり、年の最後になって無理することなく、目標の達成がし易くなる。
変形例: 図6で示す仕事量及び仕事目標対比グラフ22cでは、2年間の仕事量を棒グラフで2年間の直間比率をライングラフで示していたが、それぞれ2年以外の複数年とすることもできる。また、棒グラフで示す仕事量を全仕事量とする以外に特定の業務、例えば、会議時間などの特定の管理項目だけを抽出して示しても良い。ライングラフで示す内容も直間比率に変えて、適当な対比軸を抽出して示すこととしても良い。例えば、社内業務と社外業務との比率等が挙げられる。
第2実施形態の変更例3:<部門別直間比率分析グラフの作成>[図7]
メンバー稼働率グラフ22のさらに別の態様として、全ての従業員の蓄積データから、単に直間比率のみを色分け又は模様分け等により区別し、各部門に所属する従業員を並べて配置する部門別直間比率分析グラフ22dを作成することができる。
図7で示す部門別直間比率分析グラフ22dを参照して説明すると、図7(A)には、部門αにおけるa氏からn氏までの各個人の総労働時間に対する直間比率の割合を示し、図7(B)には、部門βにおけるア氏からミ氏までの各個人の総労働時間に対する直間比率の割合を示したものである。それぞれのグラフにおいて、直接業務を黒ベタで、間接業務を斜線で示している。部門αと部門βのグラフを並列して示すことで、部門ごとの直間比率の特徴を読み取ることができる。図7によれば、部門αは直接業務の割合が高いのに対して、部門βでは直接業務の割合が低い。
部門別直間比率分析グラフ22dの作成は、データ集計手段12が管理項目記憶手段11から各個人に関する要求期間内に行われた仕事内容に関する管理項目を呼び出し、それらを直接業務と間接業務の観点からそれらの合計労働時間を集計し、図表作成手段13は、部門ごとにそこに属する個人について、個人毎に直接業務と間接業務の割合を一つの棒ブラフとして表示する。
部門別直間比率分析グラフ22dによれば、部門ごとにその部門に属する個人の直間比率の割合を示すことができ、その部門に所属する個人間の直間比率から見た仕事内容の比較ができるとともに全体のバランスを捉えることができる。また、他部門とのグラフを比較すれば部門間での直間比率の相違を瞬時に視覚的に捉えることができる。
変形例: 図7で示す部門別直間比率分析グラフ22dでは、直間比率のみを色分け又は模様分け等により区別して従業員ごとに配列したが、直間比率以外の指標により色分けまたは模様分け等を行うことができる。例えば、社内業務と社外業務との比率であり、または、単なる2つの区分でなく、3以上の複数の区分でも良い。さらに、従業員ごとではなく、部門ごとにそこに所属する全従業員とすれば、部門ごとの相違の傾向がわかる。加えて、競合の二社間のグラフを比較すれば、その二社の部門間での比較ができる。
第3実施形態:<プロジェクト毎収益管理グラフの作成>[図8]
これまでは団体に属する個人の仕事内容から個人の働き方を分析するツールについて説明してきたが、団体等の行うプロジェクトを分析するツールとしても利用することができる。ここで言うプロジェクトは、ビルや建物の建築工事や設備工事・リフォーム・機械の取替え工事等を含むものであるが、それらに限定されるものではなく、何らかの目的を達成するための一つのまとまった単位であれば良い。
プロジェクト毎収益管理グラフ23は、ある一つのプロジェクトにフォーカスして、そのプロジェクトに係る予算と実績とをプロジェクトの進行月ごとに表示したものであり、当初予算に対し、実際の進行に伴ってどの程度の費用がかかり、その乖離の程度はどの程度かを示したものである。
図8で示すプロジェクト毎収益管理グラフ23は、横軸にはプロジェクトを進行する月を示し、縦軸にはその月の金額と、その月までの累積金額とを示す。この月ごとの金額は、当初予算と、現時点予算と、実績の3つの視点からそれらの金額を並行して棒グラフで示している。一方、その月までの累積金額は、同様に当初予算と、現時点予算と、実績の3つの視点から該当月までの累積金額をライングラフで示している。
より具体的に一つのプロジェクトであるプロジェクトAを例にして説明すると、図8で示すプロジェクト毎収益管理グラフ23は、例えば2021年10月から2023年5月までの期間に着目し、この期間を月ごとに分けて示したものである。まず、棒グラフについて説明すると、プロジェクトAの開始となる2021年10月にこのプロジェクトAにかかる予算額を「当初予算」として白抜きの棒グラフで示し、2021年10月における直前の予算額を「現時点予算」として斜線の棒グラフで示し、その月に実際にかかった額を「実績」として黒ベタの棒グラフで示している。同様に、翌月、翌々月、・・・と示されるが、このグラフの作成時点となる2023年1月までしか「実績」を示す黒ベタの棒グラフは作成されていない。2月以降は未来のことでまだ実績が確定していないからである。
一方、累積金額のライングラフについて説明すると、当初予算、現時点予算、及び実績のそれぞれについて、該当月までの累積額をプロットしており、「当初予算」は破線で、「現時点予算」は一点鎖線で、「実績」は実線でライングラフを示している。当初予算は、全期間の予算の全てが2021年10月以前に組まれたものであるが、現時点予算は、プロジェクトが進行したある該当月においてそれまでに生じた実績を踏まえて新たに組まれた予算である。したがって、このグラフの作成時点となる2023年1月の段階で実績が出たことに基づき、その実績値に繋がった翌月以降の予算、即ち現時点予算が組まれることになる。
このプロジェクト毎収益管理グラフ23の作成は次のように行う。プロジェクトAについて行われる様々な仕事内容に対して立てられた最初の予算をデータ集計手段12が管理項目記憶手段11から呼び出し、データ集計手段12がその仕事が行われる予定の月ごとにその予算額を集計し、図表作成手段13が「当初予算」として月ごとに白抜き棒グラフとして表示する。同様にプロジェクトAについて行われた様々な仕事についてかかった額(実績)を図表作成手段13が管理項目記憶手段11から呼び出して、データ集計手段12がその仕事が行われた月ごとにその実績を集計し、図表作成手段13が「実績」として黒ベタ棒グラフで表示する。加えて、データ集計手段12は、予算及び実績のそれぞれの累計を算出して、図表作成手段13は、「当初予算」については破線のライングラフを表示し、「実績」については実線のライングラフで表示する。
また、当初予算とは別に、各月の終わり又は翌月の初めにそれまでの実績を踏まえ、当初予算とは別に新たな予算として、残りのプロジェクトについて現時点予算を算定する。こうして当初予算とは別に策定された現地点予算についても登録された管理項目記憶手段11から呼び出して図表作成手段13が斜線棒グラフを表示する。なお、将来の時点における予算、例えば、2022年1月の時点で2022年6月に関して立てた現時点予算と、2022年3月の時点で2022年6月に関して立てた現時点予算のように、現時点予算は複数競合するため、最新のものを棒グラフに表示する。また、現時点予算の累積額についてもこの最新のものを累積して一点鎖線のライングラフで表示する。なお、
このグラフ作成時点は2023年2月であるので、2023年1月までは当初予算と実績が記されるが、2023年2月以降は実績データが無い。そのため、2023年2月以降は、実績値を示す棒グラフは表示されず、ライングラフでは前月までの総額と同額となる数値が示される。また、現時点予算の累積額は、実績の累積額とほぼ同様に表れることが多く、図8のグラフでも2023年1月までは目立たないが、2023年2月以降は、ライングラフが水平に現れるのに対し、現時点での予算額は2023年2月分、及び2023年3月分でそれぞれ上乗せされるため、当初予算のライングラフと併せて3本のライングラフが示される。
プロジェクト毎収益管理グラフ23によれば、プロジェクト全体の予算と実績の総額がわかるだけでなく、プロジェクトの進行過程で、それまでの予算と実績から修正した予算を立てることができ、予算の見直しを随時行うことで、当初予算からの大幅な額の変動を防止できる。
第4実施形態:<プロジェクト毎仕事内容分類グラフの作成>[図9]
既に説明したプロジェクト毎収益管理グラフ23は、各プロジェクトの予算に着目したものであったが、プロジェクトにかかった延べ人員の総労働力がどのような内訳で行われたかを示すことができる。こうした観点から、あるプロジェクトの進行とそのプロジェクトになされた仕事の内容を示すグラフであるプロジェクト毎仕事内容分類グラフ24を作成できる。
プロジェクト毎仕事内容分類グラフ24は、横軸にはプロジェクトを進行する月を示し、縦軸にはその月の労働時間を管理項目に分けて表示したものである。図9(A)から図9(C)の3つのグラフはどれもプロジェクト毎仕事内容分類グラフ24を示すが、それぞれ別のプロジェクトについて示したグラフである点で異なる。
図9(A)は、プロジェクトBが行われた20月間に着目したものである。横軸に示された月ごとに縦軸には仕事内容ごとに区分けされてその月の労働時間が示されている。ここでは簡易化のため、全ての仕事内容のうち、斜線で示した顧客対応と、白抜きで示した資料作成と、黒ベタで示した会議の3つだけを抽出しており、その3つの仕事時間の合計を示している。このため、グラフの縦軸はその月の労働時間を示したものとは異なる。
図9(B)は、プロジェクトCが行われた20月間に着目したものである。横軸に示された月ごとに縦軸には仕事内容ごとに区分けされたその月の労働時間が示されている。ここでも仕事内容を3つに区分けしているが、黒ベタを、顧客対応とそのほかの直接業務に関係する業務の合計とし、白抜きを資料作成、斜線を会議とそのほかの間接業務に関係する業務の合計としている。したがって、各月の縦軸はその月の労働時間を示している。
図9(C)は、プロジェクトDが行われた約5か月間に着目したものである。横軸は図9(A)や図9(B)では月ごとを単位としていたのであるが、図9(C)では10日ごととしている。縦軸の3つに分けた仕事内容は、図9(A)と同じで、斜線で示した顧客対応と、白抜きで示した資料作成と、黒ベタで示した会議の3つだけを抽出しており、その3つの仕事時間の合計を示している。
プロジェクト毎仕事内容分類グラフ24の作成は、データ集計手段12が管理項目記憶手段11から該当するプロジェクトに関係した従業員の仕事内容に関するデータを要求期間内に亘って呼び出し、データ集計手段12はそれらの従業員の行った仕事時間を管理項目に分けて集計し、図表作成手段13は、各月ごとに仕事として行われた管理項目を一つの棒ブラフとして表示する。
このプロジェクト毎仕事内容分類グラフ24を参照することにより、月ごとの労働時間とその内訳がわかる。そのプログラムの行われている過程でこのグラフを作成すれば、それまでの労働時間と内訳から今後の仕事内容とそれにかかる労働時間を推測することができ、より効率的に、また今後の予定を改善することができる。
また、図9(A)から図9(C)を参照すると、それぞれ20か月の期間を抽出している点は同じでも各プロジェクトにおける20か月の期間の意味合いが異なるため、また、抽出項目が多少異なることから、単純比較はできないが、プロジェクトの特徴が見えてくる。図9(A)で示すプロジェクトBは、工場新築事例であり、このグラフ中で示す20か月は、全工程のうちのスタートから約半分の期間を示したものである。プロジェクトの立ち上げから当社が積極的に関わり、工事全体の今後の計画策定のための資料作成や会議に時間が費やされたが、その甲斐あってか、それ以降の費用は少なくて済み順調に工事が進められた様子がわかる。
一方、図9(B)で示すプロジェクトCは、大学学舎の新築事例であり当社は設計者選定後に当該プロジェクトに参画したものである。したがって、グラフの前半の設計マネジメント段階では労働時間が少なく、施工者選定の段階に該当するグラフ中ほどでの仕事量が増えている。その後の施工マネジメント段階になればまた仕事量が減っていることを示している。
さらに図9(C)で示すプロジェクトDは、大規模オフィスの構築事例であって、当社は設計段階から完成まで携わったものであり、図9(C)はほぼその大部分の期間を示している。プロジェクト期間は比較的短かったものの全体的に仕事量が多くまた、どの項目にも時間がかかっている様子がわかる。
こうした各プロジェクト事例がアーカイブとなって、類似した案件が立ち上がれば、これらの以前の実績を基にして人員の配分を行うことができる。以下、別の実施形態として詳述する。
第5実施形態:<プロジェクト毎仕事内容予測グラフの作成>[図示せず]
既に説明したプロジェクト毎仕事内容分類グラフ24は、横軸にはプロジェクトが進行した月を示し、縦軸にはその月の労働時間を管理項目に分けて表示したものである。このプロジェクト毎仕事内容分類グラフ24を作成するもとになった管理項目は、一つのプロジェクト例として管理項目記憶手段11に蓄積される。こうして蓄えられた多くの実績に基づいて、新たなプロジェクトが発生した際の費用と作業時間の予測を行うことができる。
より具体的には、数多くのプロジェクトに関する総費用及びその内訳、工期及びその内訳、作業人員及びその内訳等々の管理項目群が、過去の膨大なプロジェクトの実行結果から相当量蓄積されているので、それらの過去の実績データを用いて機械学習(AI;人工知能)手段10で学習し予測モデルを作成しておき、新たなプロジェクトに対する管理者(又は実行者等)が、新たなプロジェクトの計画を立てる際に機械学習手段10が検討して必要な予測データを提示するものである。
機械学習手段10は、ニューラルネットワーク等の機械学習の各種アルゴリズムを用いて、プロジェクト決定のための管理項目群と、決定されたプロジェクトの管理項目群との組合せを教師データとして、プロジェクト決定のための管理項目群とそれらに対する未知の回答結果群を導く予測モデルを作成する。例えば、プロジェクト決定のための管理項目群としては、プロジェクト名、プロジェクトの種別、内容、予算、面積、工期等であり、決定されたプロジェクトの管理項目群には、実際のプロジェクトで実績として蓄えられた人員とその仕事内容、期間、費用等である。
そして、新たなプロジェクトに対する新たな予測グラフ又は予測データの決定には、プロジェクトの管理者(その他種々の個人)が、予測グラフ作成のために示した管理項目群に基づき、この管理項目群を機械学習手段10による予測モデルに通すことで予測グラフ又は予測データを図表作成手段13が出力する。なお予測グラフは、プロジェクト毎仕事内容分類グラフに相当するグラフであり、予測データは、このグラフを作成できる個々の管理項目の中から必要に応じて抽出した管理項目を示したものである。
プロジェクト毎仕事内容予測グラフを作成することで、新たなプロジェクトに対する計画を容易に立てることができ、プロジェクト計画に費やす労力、コストを低減することができる。
上記実施形態で示した例は本発明の一実施形態にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、実施形態間の構成要素の変更や、公知技術の追加、その他の改変を適宜行えるものである。
1 管理サーバ
2,2a,2b 個人端末
3,3a,3b 管理者端末
5 ネットワーク
6 マンアワーシステム
10 機械学習手段
11 管理項目記憶手段
12 データ集計手段
13 図表作成手段
21 負荷状況一覧表
22 メンバー稼働率グラフ
22a 仕事内容分類グラフ
22b 仕事内容分類表
22c 仕事量及び仕事目標対比グラフ
22d 部門別直間比率分析グラフ
23 プロジェクト毎収益管理グラフ
24 プロジェクト毎仕事内容分類グラフ

Claims (3)

  1. プロジェクト名、プロジェクトの種別、プロジェクトの内容、予算、人員、面積、工期、個人の氏名、仕事内容、仕事時間を含む各管理項目を記憶する管理項目記憶手段と、機械学習のアルゴリズムを用いる機械学習手段と、を有し
    新たなプロジェクトについて人が示した、プロジェクト名、プロジェクトの種別、予算を含む管理項目に基づいて前記機械学習手段を通じて、当該新たなプロジェクトにかかる仕事内容、予算、人員、及び工期を含む予測データを出力する、プロジェクト計画策定システム。
  2. 前記機械学習手段は、プロジェクト名、プロジェクトの種別、プロジェクトの内容、予算、面積、及び工期を含むプロジェクト決定のための管理項目群と、人員とその仕事内容、期間、費用を含む過去のプロジェクトで実績として蓄えられた管理項目群との組合せを教師データとして、前記新たなプロジェクトにかかる予測データを導くための予測モデルを作成する請求項1記載のプロジェクト計画策定システム。
  3. 前記機械学習手段は、新たなプロジェクトについて人が示した、プロジェクト名、プロジェクトの種別、予算を含む前記管理項目を、前記予測モデルに入力することで、当該新たなプロジェクトにかかる仕事内容、予算、人員、及び工期を含む予測データを出力する請求項2記載のプロジェクト計画策定システム。
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